説明

マスク用除菌器

【課題】使い捨てが当たり前になっているマスクを簡単に殺菌でき、マスクの繰り返し使用を可能にするマスク用除菌器を提供する。
【解決手段】マスク用除菌器はマスクを入れる容器Aと、その容器内に少なくとも一つ設けられたマスクホルダーと、前記マスクホルダーに保持されたマスクを除菌する殺菌用UVランプと、前記殺菌用UVランプを電源に接続する接続手段とを備えており、必要に応じて、前記容器は、二つのケースを蝶番で連結し開閉可能に構成した2枚貝状の形状として構成することが可能である。また、前記容器には前記UVランプの点灯状況を表示する表示手段を設けることもできる。本発明に係るマスク用除菌により除菌することにより、繰り返しの使用を可能にする。このためマスクを大量に購入する必要もなく、経済的な負担も軽くて済む。さらに強度的にも複数回使用できるマクスであれば、長期使用が可能であり省資源の観点からも好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てが当たり前になっているマスクを簡単に殺菌でき、マスクの繰り返し使用を可能にするマスク用除菌器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新型インフルエンザ等の流行に伴い、その感染予防にマスクが必需品となっているが、マスクは一度使用するとマスク自体に菌やウイルスが付着し、繰り返し使用することは危険であり、使い捨てが原則である。しかし、使い捨てであるが故に、マスクを大量に購入しても直ぐに買い足さねぱならず、経済的な負担が大きいだけでなく、市場でのマスク不足が深刻となってきている。
また、強度的には複数回使えるマスクを、1度の使用で捨てなけれぱならないのは、極めてもったいなく、省資源の観点からも由々しきことである。
【0003】
このような背景の中で、マスク自体に抗菌性をもたせ、マスクの再使用を可能にしたもの(特許文献1)、あるいはマスクの殺菌が可能なUV殺傷チャンバを含む空気供給装置(特許文献2)等が提案されている。
しかし上記公知技術はいずれも、使用済みマスクを簡単に殺菌、除菌し、再使用できるようにしたものではなく、相変わらずマスクの使い捨てが現実的である。
また、本出願人によるマスク用除菌器について、特許庁電子図書館により先行文献調査をおこなってみたが、本件に該当するマスク用除菌器については先行文献が見当たらなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記の問題点を解決するために、使い捨てが当たり前になっているマスクを簡単に殺菌、除菌でき、マスクの繰り返し使用を可能にするマスク用除菌器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明が採用した課題解決手段は、
マスクを入れる容器と、その容器内に少なくとも一つ設けられたマスクホルダーと、前記マスクホルダーに保持されたマスクを除菌する殺菌用UVランプと、前記殺菌用UVランプを電源に接続する接続手段とを備えていることを特徴とするマスク用除菌器である。 また、前記容器は、二つのケースを蝶番で連結し開閉可能に構成した2枚貝状の形状として構成したことを特徴とするマスク用除菌器である。
また、前記マスクホルダーは交換可能に構成されていることを特徴とするマスク用除菌器である。
また、前記容器にはマスクの耳かけ紐を保持するフックが設けられていることを特徴とするマスク用除菌器である。
また、前記容器には前記UVランプの点灯状況を表示する表示手段を設けたことを特徴とするマスク用除菌器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使い捨てが原則であるマスクを、本発明に係るマスク用除菌器により除菌することにより、繰り返しの使用を可能にする。このためマスクを大量に購入する必要もなく、経済的な負担も軽くて済む。さらに強度的にも複数回使用できるマクスであれば、長期使用が可能であり省資源の観点からも好ましい、等のすぐれた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は本発明の第1実施例にかかるマスク用除菌器の平面図である。
【図2】図2は同マスク用除菌の側面図である。
【図3】図3は本発明の第2実施例にかかるマスク用除菌器の平面図である。
【図4】図4は同第2実施例にかかるマスク用除菌の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態としては、マスク用除菌器はマスクを入れる容器と、その容器内に少なくとも一つ設けられたマスクホルダーと、前記マスクホルダーに保持されたマスクを除菌する殺菌用UVランプと、前記殺菌用UVランプを電源に接続する接続手段とを備えており、必要に応じて、前記容器は、二つのケースを蝶番で連結し開閉可能に構成した2枚貝状の形状として構成することが可能である。また、前記容器には前記UVランプの点灯状況を表示する表示手段を設けることもできる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照し、部材には符号を付して説明する。
図1、図2は本発明に係る第1実施例であり、図中1はCDケースのような深さの異なる薄い二枚貝状の容器Aであり、この容器Aは二つの部材を蝶番2で連結し、CDケースのように略密閉状態を得ることができる開閉自在の容器となっている。
容器Aの蝶番2の部分にはマスクホルダー保持部材3が適宜手段で取り付けられており、このマスクホルダー保持部材3にマスクホルダー4が固定あるいは着脱自在に取り付けられる構成となっている。
【0010】
保持部材3に取り付けるマスクホルダー4は、図2でも明らかなように本例では網目状の部材を用いて、略四角形で中央部が膨らみをもった袋状に形成されている。そして、同マスクホルダー4は立体マスクを保持できるように自由端側の中央部を曲線状5に、その両端を耳状の突起6と成るように形成する。マスクホルダー4の内部にはマスクを除菌するUVランプ7が適宜手段で配置されている。マスクホルダー4に網目状部材を使用する理由は、マスクホルダー4内に配置したUVランプ7の光がマスクの内面に十分に届くようにするためである。
【0011】
マスクホルダー4は容器の中央部に位置するように配置され、このマスクホルダー4に使用済のマスクをマスクホルダー4を挟むように二つ折の状態で被せることができる。マスクホルダー4を構成する網状の物体を、図1のような形状に成形することで、平らなマスクはマスクホルダーの両先端を含んで被せることで対応でき、立体形のマスクはマスクホルダーの両端(突起6)には被せず、ホルダーの先端がカーブを描いている曲線状5の部分にのみ被せれば対応できるので、どのような形状のマスクでも装着可能となる。
【0012】
マスクホルダー4の内部には前述したように病原菌やウイルスを殺傷・無害化できる公知のUVランプが設けられており、このランプに電源が接続される構成となっている。UVランプは、必要に応じてスイッチのON、OFFにより点滅ができるように構成されている。
【0013】
また容器Aの適宜箇所にも上記と同じUVランプ8が少なくとも1つ以上取り付けられており、これらのランプも電源に接続される構成となっている。
さらに、容器Aの内側の自由端側にはマスクの耳かけ紐を引っ掛けることができるフック9が適宜個数が設けられている。
【0014】
上記構成からなるマスク用除菌器の作用について説明する。
容器Aを開き、マスクホルダー4に使用済みのマスクを二つ折にしてマスクホルダー4を挟むように装着してスイッテを入れると、UVランプ7、8が点灯し、この光によって網目状のマスクホルダー4を介してマスク内面を残すところなく殺菌できる。また容器に取り付けたUVランプ8も同時に点灯するためマスクの外側をも同様に殺菌することができる。また、マスクの耳かけ紐は容器のフック9に保持することで、紐が邪魔になることはない。
また使用済マスクが立体マスクの場合には、立体部をマスクホルダー4の自由端の曲線部5に装着することで安定して立体マスクをマスクホルダーに保持できる。
【0015】
次に本発明の第2実施例を図2、図3を参照して説明する。
第2実施例は、マスクホルダーの形状が第1実施例と異なっている。
第2実施例ではマスクホルダー24を茶筅のように先端が緊がっていない細い棒の集合体を平たく押しつぶしたような形状で構成し、これをマスクホルダー保持部材23に固定あるいは着脱自在に取り付けた点に特徴がある。容器Aの構成、蝶番22、マスクホルダー保持部材23、マスクホルダー24内および容器Aに設けるUVランプ27、28、フック29等の構成は基本的には第1実施例と同様である。
この第2実施例でも、マスクの殺菌は第1実施例と同様に使用済マスクをマスクホルダー24に装着し、UVランプ27、28を点灯することでマスクの殺菌することができる。
【0016】
以上、本実施例を説明したが、マスク用除菌器は以下に述べるように種々の形態を採用することができる。また、本考案はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
1)このマスクホルダーは必ずしも網状、もしくは平たい茶筅状である必要はなく、UV光がマスクの内側に充分当ることが確保できるならぱ、いかなる形状のものでも構わない。
2)本マスクホルダーの素材は金属、プラスチック、竹など素材を選ぱないが、網状もしくは茶筅状に成形でき、マスクホルダーに装着したマスクの内側に出来るだけ多くのUV光を照射できるように、出来るだけ細い針金状のものを加工して作られていることが望ましい。
3)マスクホルダーの材料としてガラスや、アクリルのような透明な素材でUV透過率が高い物質であれば、上記マスクホルダーをわざわざ網状もしくは茶筅状に加工しなくても良く、ガラスやプラスチツク等透明な物質を求められる形状に加工し、その根本内部にUVランプを差し込めるようにしたものでも良い。
4)本マスクホルダーは、マスクホルダーにマスクを容易に着脱できるように、複数のCDが入るCDケースのCDホルダのように、二枚貝状の二つの容器の中に収まり、二枚貝状の容器の動きと連動せずに、自由に開閉、動かせることが望ましい。
5)マスクホルダーは異なる形状のマスク(即ち、平らなマスクと立体形のマスク)のいずれにも対応できるように先端が成形されている旨記載したが、一つのマスクホルダーで異なる形状のマスクを装着することを止め、先端が異なる形状のマスクホルダーを複数用意し、使用するマスクの形状が変わる度に、マスクホルダー保持部材に異なる形状のマスクホルダーを着脱・交換できるようにしても良い。また、マスクホルダーの形状もマスクの形状に合わせて種々の形態を採用することができる。
6)また、本マスク用除菌器は、二枚貝状の容器の夫々内側に、マスクの耳かけ紐をひっかけるフックが付いており、マスクをマスクホルダーに装着する際に耳かけ紐をこれらのフックに引っ掛けることにより、二枚貝状の除菌器を開閉する時に耳かけ紐が除菌器からはみ出し邪魔することを防止することができる。
7)上記フックがスブリング等で外側に突っ張る仕組みになっていれば耳かけ紐が除菌器内で弛まずより理想的である。
8)マスク用除菌器内のUVランプはそれぞれ単一である必要はなく、必要に応じて数を増やしても良い
9)また、マスク用除菌器を厚くするなどし、且つ内包するマスクホルダーの数を増やして、複数のマスクを同時に除菌できるようにしても良い。
10)本マスク用除菌器の形状は、必ずしもCDケースのように二枚貝状である必要は無く、マスクを容易に収納でき、除薗器の内側に装着されているUVランブでマスクの表裏を殺菌出来れぱ、どのような形状でも、またどのような開閉機構を用いていても良い。
11)本マスク用除菌器は、ポケットや鞄、或いはハンドバック等に入れて容易に持ち運ぴできるように薄くて軽いことが望ましい。そして、外出先等でマスクを外し、そしてその後短時間で再びマスクを顔に着けることを想定すると、マスクを短時間で殺菌できることが望ましいため、本マスク用除菌器のUVランプは小電力、即ち単三もしくは単四等の小型電池で点灯でき、且つ強力なものであることが望ましい。その場合、本マスク用除菌器は容器の適宜部位に乾電池を収納できる場所を設ける必要があるが、UVランプの電源は乾電池に限定されず、必要に応じて充電タイプの電池もしくはAC/DCアダプターを使用して、家庭用コンセントに直接接続できるようにすることもできる。
12)本マスク用除菌器の容器の外側に、殺菌中であることや殺菌が終了したことを知らせる点減式の小型のLEDランプ等を付けれぱ、この除菌器の外から現在殺菌中であるか、或いは殺菌が終了したかが一目で分かり便利である。
13)本マスク用除菌器の容器の材質は間わないが、持ち運びに便利な軽星のアルミ製、もしくはプラスチック製であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
この発明に係るマスク用除菌器は、家庭や医療機関で生じる使用済のマスクの有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0018】
A 容器
1 ケース
2 蝶番
3 マスクホルダー保持部材
4 マスクホルダー
5 曲線状
6 突起
7、8 UVランプ 9 フック
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2007−267811
【特許文献2】特表2009−514654

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを入れる容器と、その容器内に少なくとも一つ設けられたマスクホルダーと、前記マスクホルダーに保持されたマスクを除菌する殺菌用UVランプと、前記殺菌用UVランプを電源に接続する接続手段とを備えていることを特徴とするマスク用除菌器。
【請求項2】
前記容器は、二つのケースを蝶番で連結し開閉可能に構成した2枚貝状の形状として構成したことを特徴とする請求項1に記載のマスク用除菌器。
【請求項3】
前記マスクホルダーは交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマスク用除菌器。
【請求項4】
前記容器にはマスクの耳かけ紐を保持するフックが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマスク用除菌器。
【請求項5】
前記容器には前記UVランプの点灯状況を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマスク用除菌器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−78678(P2011−78678A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235065(P2009−235065)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(509282767)アロマ・サイエンス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】