説明

マルチキャリア無線システムにおけるアクティブな要素キャリアセットの再構成

マルチキャリア無線システムにおいて、要素キャリア構成の変化に対応するための移動局のリソースを再構成することからの潜在的な問題を、実行中の伝送に干渉することなく送受信器の再構成を実行することができるように、要素キャリアの構成が変化するたびごとにガード間隔を挿入することにより軽減する。基地局は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って移動局へデータを送信し、第2の要素キャリア構成への構成の変化が要求されることを判定し、その構成の変化を要素キャリアの第1の構成を用いて移動局へシグナリングするように構成される。そして、基地局は、構成の変化のシグナリングに続く、少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間、移動局へデータを送信することを抑制する。ガード間隔の後、第2の要素キャリア構成に従ってデータが移動局へ送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、特に、2つ以上の異なる個別に変調されたキャリア周波数を用いて、移動局へデータを送信することができ、又は移動局からデータを送信することができるマルチキャリアシステムにおける移動局及び基地局の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において参加者によって作成されている、いわゆる「ロングタームエボリューション」(LTE)システムのような、来るべきセルラシステムの標準は、現在運用中の無線ネットワークよりきわめて大きな柔軟性を提供するであろう。特に、3GPP LTE仕様書のリリース10に従って展開されるシステムは、システムおよびユーザごとのスループットの両観点から、LTEにおいて導入された新しい技術の全潜在能力を、既存のシステムより良好に利用することができるであろうし、レガシーの帯域における共存や配置により適するであろう。
【0003】
そのような将来の標準のために設計された移動局(3GPP用語では、ユーザ端末、又はUE)は、複数の帯域の範囲内で又はそれを超えて統合される多くの場合において、広い範囲の帯域幅をサポートすることが一般に要求されるであろう。2つ以上の異なる周波数帯域において個別に変調されたキャリア信号が、所与の移動局のために上りリンクまたは下りリンクのトラフィックを運ぶために同時に使用されるキャリアアグリゲーションは、サブフレームに基づく柔軟な帯域幅構成を提供するための手法と考えられるかもしれない。この帯域幅の潜在的に大きな塊の動的再割当を用いて、将来のシステムは、ユーザのデータ伝送スループットに対する変動するニーズに高速に対処することができるであろう。
【0004】
LTEリリース10に対するネットワークと移動局との間の接続のような、そのようなマルチキャリアシステムにおいては、その移動局のためにトラフィックを運ぶのに利用可能なキャリアのアクティブセットが存在するであろう。これらのキャリアを要素キャリア(component carrier)と呼ぶ。移動局は、アクティブセットの中の全ての要素キャリア上で連続的に受信し、送信することを要求されないであろう−所与の要素キャリアは、データ伝送の割り当てがあった場合又はその要素キャリアに対する許可があった場合にのみ、移動局の受信器または送信器によって処理される必要がある。
【0005】
一般に、複数の要素キャリアは、そのデータ伝送が十分に頻繁であり多数である場合、所与の移動局のために同時に用いられる必要がある。結果として、移動局が、アクティブセットの1つ以上の要素キャリアにおいてデータを受信し又は送信する必要がない間に、受信器または送信器の一部の電源を切ることを可能とするために、不連続受信(DRX)と不連続送信(DTX)の仕組みが使用されるであろう−このアプローチは、最大スループットのシナリオの間に、すなわち、2以上の利用可能な要素キャリアの全てが完全に利用される場合に消費される電力と比較して、データスループットの要求が極めて低いか中程度である場合に電力消費の大幅な削減を可能とする。実際に、マルチキャリアを利用可能な移動局における需要可能なレベルの電力消費を得るために、そのような手法の使用が必要であると一般に考えられている。
【0006】
LTEリリース10におけるマルチキャリアの運用の標準化においては、DRX及びDTXの厳密な運用について、まだ仕様化されていない。特に、1つの要素キャリアに対するDRX及びDTXが他の要素キャリアに対するDRX及びDTXに関連するかどうか、そしてどのように1つの要素キャリアに対するDRX及びDTXが他の要素キャリアに対するDRX及びDTXに関連するかに関する問題は、解決されていない。1つの可能性は、全ての要素キャリアが常に同一のDRX/DTXサイクルに従うことである。より大きな柔軟性を提供するもう1つのアプローチは、各要素キャリアが、その独自のDRX/DTXサイクルを有することを容認するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS 36.321
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マルチキャリアシステムでは、不連続受信(DRX)と不連続送信(DTX)処理は、送受信機要素の電源の切断と、電源の投入と、再構成との少なくともいずれかの慎重なスケジューリングを可能とするために、要素キャリア設定の変化を事前に十分に予測可能である必要がある。この慎重なスケジューリングは、実行中の受信と送信へ干渉することを避ける必要がある。所与の期間に対してスケジューリングされる要素キャリアの数と識別子との少なくともいずれかが、頻繁に、予想できない形で、1つのサブフレームからその次のサブフレームへ変動しうるため、このスケジューリングはマルチキャリアシステムにおいては特に複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の多様な実施形態では、電源の投入と切断と無線再構成との少なくともいずれかを実行中の伝送に干渉することなく実行することができるように、要素キャリア間割り当てに起因して要素キャリアの構成が変化するたびにガード期間を挿入することにより、要素キャリア構成の変化に対応するための移動局のリソースの再構成からの潜在的な問題を軽減する。換言すれば、電源の投入と、電源の切断と無線再構成イベントの少なくともいずれかを可能とするための構成の変化に先立って、少なくとも1つのサブフレームに対応するガード期間が挿入される。このガード期間の持続時間は、1つまたはいくつかの送信時間間隔であり得ることは容易に理解される。
【0010】
本発明の実施形態は、それぞれ要素キャリア構成の変化に伴うガード間隔を利用するように構成される基地局と移動局とを含む。基地局と移動局とを運用するための対応する方法も開示される。例えば、本発明のいくつかの実施形態による典型的な基地局は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って第1のデータを移動局へ送信し、第2の要素キャリア構成への構成の変化が要求されていることを判定し、その構成の変化を移動局へ、要素キャリアの第1の構成を用いてシグナリングするように構成される制御回路を備える。制御回路は、さらに、その後、構成の変化のシグナリングの後に、少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間移動局へのデータの送信を抑制するように構成される。そして、ガード間隔の後に、制御回路は、第2の要素キャリア構成に従って移動局へ第2のデータを送信する。
【0011】
いくつかの実施形態においては、他のガード間隔長が考えられるが、所定のガード間隔は1つのLTEサブフレームのような単一の送信時間間隔からなる。ガード間隔の正確なタイミングも、実施形態次第で変動しうる−いくつかの実施形態では、所定のガード間隔は構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔のすぐ後にあり、一方で他では、ガード間隔は、構成の変化がシグナリングされる送信時間間隔の後に、1つ以上の送信時間間隔だけ遅らせられる。後者の場合、基地局は、構成の変化のシグナリングの後かつ所定のガード間隔の前に、少なくとも1つの送信時間間隔の間、第1の構成に従って第1のデータの送信を継続してもよい。
【0012】
要素キャリア構成へのいくつかの異なる変化が上で要約した動作をトリガしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、トリガする構成の変化は、データ伝送に用いられる要素キャリアの数の変化に制限されてもよく、一方で、他の実施形態では、アクティブな要素キャリアの数が同じままの変化を含む、アクティブな要素キャリアのセットへのあらゆる変化が、ガード間隔の使用をトリガしてもよい。
【0013】
ガード間隔のスケジューリングは、時々、前にスケジューリングされた1つ以上の処理と同時に生じるため、基地局は、さらに、ガード間隔に対応するために又はガード間隔の影響を軽減するために、自動的にそれらの処理を調整するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基地局はさらに、移動局に対応する自動再送要求の処理を、所定のガード間隔に等しい送信時間間隔の数だけ遅らせるように構成されてもよい。
【0014】
ここで開示される技術によるマルチキャリアでの動作のために構成される典型的な無線移動局は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って基地局から第1のデータを受信し、第2の要素キャリア構成への構成の変化を保留していることを示すシグナリング情報を受信するように構成される制御回路を備える。シグナリング情報に応答して、無線移動局は、少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間、1つ以上の送受信器要素のアクティブ化と非アクティブ化と再構成とのいずれかを選択的に行い、そして、ガード間隔の満了後、第2の要素キャリア構成に従って基地局から第2のデータを受信する。
【0015】
この場合もやはり、他のガード間隔が考えられるが、所定のガード間隔はいくつかの実施形態において単一の送信時間間隔からなってもよい。同様に、いくつかの実施形態では所定のガード間隔はシグナリング情報が受信された送信時間間隔のすぐ後にあるが、他の実施形態では、代わりに、構成の変化がシグナリングされる送信時間間隔の後に、1つ以上の送信時間間隔だけガード間隔が遅らせられる。これらの後者の実施形態では、移動局は、シグナリング情報の受信の後かつ所定のガード間隔の前に、少なくとも1つの送信時間間隔の間、第1の構成に従って第1のデータの受信を継続してもよい。
【0016】
上述の基地局の場合もそうであったが、本発明により構成される無線移動局は、さらに、要素キャリア構成の変化を伴うガード間隔に対応するために、1つ以上のすでにスケジューリングされた処理を調整するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、移動局は、さらに、その移動局に対応する自動再送要求の処理を、所定のガード間隔に等しい送信時間間隔の数だけ遅延させるように構成される。これらの実施形態において、そして他の実施形態において、移動局は、さらに、外部へのデータ送信がガード間隔のためにスケジューリングされることを判定し、所定のガード間隔の後までデータ送信を延期するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、この所定のガード間隔の後までのデータ送信の延期は、外部へのデータ送信のHARQ再送の実行を含んでもよい。
【0017】
上で要約した多様な基地局及び移動局の実施形態に対応する方法も開示される。もちろん、当業者は、本発明が上述の特徴、利点、コンテキスト、又は例に制限されないことを理解するであろうし、以下の詳細な説明を読むとき及び添付の図面を見るとき、追加の特徴及び利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】無線受信器上での要素キャリア構成の変化の効果を説明するタイミング図。
【図2】本発明のいくつかの実施形態によるガード間隔の使用を説明するもう1つのタイミング図。
【図3】典型的な基地局と典型的な無線受信器の機能要素を示す図。
【図4】マルチキャリア無線ネットワークにおけるデータ送信を制御するための典型的な方法を説明する処理フロー図。
【図5】マルチキャリア無線ネットワークにおける受信器の動作を制御するための対応する方法を説明する処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
無線システムへのキャリアアグリゲーション、すなわちマルチキャリア動作の導入は、移動局であって、所与の時点において、いずれの要素キャリア(CC)がアクティブである(すなわち、その移動局のために実際に又は潜在的に制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかを運ぶ)かに応じてその無線送受信器リソースを再構成する柔軟性を有する移動局を要求する。ブルートフォースな送受信器設計では、例えば、キャリアごとに1つの又はことによっては隣接する複数のキャリアのセットごとに1つの、複数の独立した送受信機エンティティを有するかもしれない。キャリアアグリゲーションのために特に調整された、より複雑な受信機及び送信器構成は、いくつかの送受信機部分がいくつかのキャリアの処理に共有されるため、CCごとの基準で再構成することができないかもしれない。しかしながら、さらに洗練された設計は、要素キャリアの構成の動的な変化に応答して、電力消費の最小化のために、様々な受信機要素と送信器要素との少なくともいずれかの、選択的なアクティブ化、非アクティブ化又は再構成を可能とするかもしれない。
【0020】
マルチキャリアの受信器/送信器の設計に伴う潜在的な問題は、いずれかのキャリア上でデータが受信されている又は送信されている間は、送受信機のいくつかのブロックの電源の投入(power-up)、電源の切断(power-down)、及び再構成のいずれかのようなイベントを受容できないかもしれないという事実から生じる。現在送信または受信の少なくともいずれかに使われていないブロックに関してイベントが実行されたとしても、それでもなお、そのようなイベントはアクティブなブロックの処理に干渉しうる。
【0021】
この理由の1つは、そのようなイベントが、電圧/電流源線及び配線、静電結合及び誘導結合、基板結合、及び熱的結合を含む、しかしそれに限られない、様々な手段を通じて、アクティブブロックの装置及びノードに結合しうる過渡応答(電圧、電流スパイク、電圧オフセットなど)を生じうることである。これらの過渡応答の送受信器のアクティブな機能ブロックへの結合は、実行中の送信及び受信に干渉しうる。この干渉は、例えば、所望の信号について動作するノード及び装置へ結合することを介して直接的、または例えばアクティブな機能ブロックの挙動(利得、伝達関数、発振周波数など)を制御するノードと装置への結合を介して間接的、の少なくともいずれかでありうる。
【0022】
要素キャリア構成のあらゆる変化の前に要素キャリアの全てのスケジューリングが十分に知られている場合、前もって、データが受信または送信されていない区間の間、単純に送受信機の要素のアクティブ化、非アクティブ化、又は再構成を行うことにより、この問題を軽減することができる。しかしながら、マルチキャリアシステムにおける要素キャリアの割り当ては予想ができないかもしれない。例えば、LTEの標準化の議論において、第1の下りリンクの要素キャリアが、所与の移動局のための、その移動局のためのデータを運ぶために前に使用されていなかった第2の要素キャリアを参照する割り当てを含むことができることが提案されている。これは、実行中の伝送に干渉することなく電源の投入と切断と無線再構成との少なくともいずれかをスケジューリングすることができるように、前もって予測できない要素キャリアの変化を引き起こす。
【0023】
続く議論は、一般的に3GPPのLTEシステムの用語及び運用に基づき、特に、3GPP LTEリリース10の態様について議論する。しかしながら、当業者であれば、ここで説明する本発明の技術は、決してLTEシステム又は3GPPに規定されたシステムに限定されないことを理解するであろう。むしろ、変動する数の要素キャリアが受信と送信との少なくともいずれかを程度の差はあるが不連続に行う、キャリアアグリゲーションのシナリオをサポートするあらゆるシステムに、以下で説明する本発明の技術を適用してもよい。
【0024】
時間領域において、要素キャリアの伝送はサブフレームに分割されてもよく、サブフレームは、(おそらく、制御データのみが送信されるのでない限り)一般により小さい不連続の伝送の部分に分けることができない時間において最大のエンティティを表す。LTEにおいては、サブフレームは、いくつかの隣接する直交周波数分割多重(OFDM)シンボルからなる。あらゆる2つの隣接するOFDMシンボル間、又はサブフレーム間において、送受信器の動作モードの変化を可能とする明示的なガード期間はない。しかしながら、チャネルが誘発するシンボル間干渉を軽減するために、各OFDMシンボルの最初に、いわゆるサイクリックプレフィックス(CP)がある。送受信器の実際の実装に応じて、送受信器の性能を劣化させることなく、要素キャリア構成の変化に対応するための送受信器の再構成を実行することができるように、CPの全て又は部分を個別のブロックの再構成又は電源の投入/切断に使用できることが考えられる。残念なことに、ほとんどの場合、CPはこの目的に必要とされるであろうよりも桁違いに短い(典型的には、LTEにおいてはおよそ5μsである)。結果として、このアプローチは全く実用的ではない。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態により構成される移動局の送受信器は、上りリンク(TX)と下りリンク(RX)との少なくともいずれかに対して、キャリアアグリゲーションをサポートする。以下で議論する技術により可能とされる電力消費の軽減のための潜在能力を完全に利用するには、送受信器は、いくつの又はいずれの又はいくつ且ついずれの要素キャリアが処理されているかに応じて、アクティブ化され、非アクティブ化され、又は再構成されることができる、1つ以上の要素または機能ブロックを有するべきである。いくつかのそのような送受信器は、多数の異なる、それぞれが少なくとも1つの要素キャリア(CC)を処理するために使用される、送信器ユニットと受信器ユニットとの少なくともいずれかに分割されてもよい。代わりに、又は追加的に、移動局の送受信器は、変動する数の要素キャリアを取り扱うために再構成することができる、変動する電力消費を伴う、ユニット(例えば、個別の要素または1つの機能ブロックとして機能する要素の集合)を有していてもよい。これらのユニットは、送受信器に典型的に見られる、増幅器、フィルタ、ミキサ、ADC、DAC、PLL、デジタル回路などを含む、あらゆる種類のブロック又はブロックの組み合わせであってもよい。この分割又は柔軟性を導入する目的は、CCの数とその特性が変化するときに、電力的により効率的な送受信器の動作を可能とすることである。
【0026】
一般的に言えば、動作のモードを変更するためにとる時間、例えば、ブロックの電源の投入、電源の切断又は再構成にかかる時間に関して、受信器と送信器の基本構成要素は異なる。典型的には、周波数変換に用いられる局部発振信号との合成に関与する位相同期回路(PLL)は、起動または再構成に最大の時間をとる回路である−この時間は、コールドスタートから安定出力まで数百マイクロ秒のオーダーであり得る。一方で、フィルタは、フィルタの帯域幅に関する、関連する時定数を必然的に有するが、これらの時定数は典型的にはPLL回路に関連するそれより非常に小さい。増幅器やミキサなどのような他のブロックは、少なくともその信号の経路に関して、意義のある本質的な時定数を有さないかもしれない。それでもなお、これらのブロックでさえ、電力供給、バイアスの付加、及びデカップリングネットワークに関連する時定数があるというだけの理由で、安定動作に達するまで十分な量の時間を必要とするかもしれない。しかしながら、いくつかのブロックは、例えば、デジタル回路及び信号の切り替えのように、実際的に重要でない動作期間のモードの変化があるかもしれない。
【0027】
不連続受信(DRX)と不連続送信(DTX)機構は、一般によく知られており、データスループットが小さいかゼロである場合に、受信器と送信器のそれぞれを、またはその部分を定期的にオフにすることを可能とするための基礎となる。シングルキャリアの場合、既知のDRX/DTXサイクルに基づいて単一のキャリアのために電源投入イベントと電源切断イベントとをスケジューリングするのが容易であるが、キャリアアグリゲーションをサポートする送受信機に対しては、状況はより複雑になる。この後者の場合、いずれのブロックの電源投入及び電源切断も、上述の理由で、処理されるべきキャリアに基づいてのみならず、全ての他のキャリアがアクティブであるかに関して、スケジューリングされる必要があるかもしれない。
【0028】
いくつかの場合、以下の議論は、明確性のために、DRXサイクルと移動局の受信器とに制限されるであろう。しかしながら、当業者であれば、対応するシナリオと提案手順とを代わりにDTX及び移動局の送信器側に、又は受信器と送信器との複合動作に適用できることを理解するであろう。
【0029】
図1は、移動局の要素キャリアのアクティブなセットの2つの受信CC、すなわち、2つの下りリンクの要素キャリアを含むシナリオを図解している。図1に図解される時間フレームの最初においては、送信するデータがなく、したがって、両要素キャリアが非アクティブである。しかしながら、CC#1は、サブフレーム3において(例えば周期的なDRXサイクルに従って)予期できるアクティブ区間を有し、したがって、送信器の要求される部分を、前もって、例えばサブフレーム2において、良好に電源投入し、CC#1の受信のために構成することができる。このように、サブフレーム3におけるCC#1の受信を取り扱うための送受信器の要素のアクティブ化は、決して伝送に干渉しない。
【0030】
そのような下りリンク伝送の予測可能性を仮定すると、時間においてアクティブブロック(AB)と非アクティブブロック(NAB)を定義することができ、各ABは有害な電源投入/切断と無線構成との少なくともいずれかが起こらないはずの時間の区間を定める。このように、電源投入/切断と無線構成は、好ましくは非アクティブブロックにおいてのみスケジューリングされるべきである。
【0031】
しかし、描写されたシナリオでは、CC#1のサブフレーム3における下りリンクは、次のサブフレームにおいてCC#2を参照するCC間割り当てを含む。換言すれば、移動局は、サブフレーム3の間に、サブフレーム4の開始までにCC#2を受信する準備がされる必要があることを知る。送受信器の部分が以前に非アクティブ化されている場合、このCC間割り当てが、CC#2の受信に対応するために、送受信器の部分の電源投入と再構成との少なくともいずれかを要求してもよい。しかしながら、この要求を前もって予想していることはできないため、実行中の受信に潜在的に干渉せずに起こり得るNABはない。これは、CC#1とCC#2にそれぞれ関連する送受信器のブロックを電源投入することができる時を示す図に見られる。CC#2の受信に関連するブロックの電源投入はサブフレーム3の間でのみ電源投入できるため、この電源投入動作は実行中のCC#1からのデータの受信に対して潜在的に有害である。
【0032】
この問題を避けるために、要素キャリア(CC)セット再構成を取り扱うための新しい技術をここで開示する。本発明のいくつかの実施形態によれば、移動局はと基地局(3GPP用語でエボルブドノードB、又はeNodeB)は、それぞれ以下のルールに従って構成される。サブフレームkにおけるシグナリングが、サブフレームkにおける状態に関してその後の要素キャリア構成の変化を示す場合、後に続く少なくとも1つのサブフレーム(例えば、サブフレームk+1からサブフレームk+x、x>0まで)がその移動局のための又はその移動局からのシグナリング又はトラフィックデータに使用されてはならない。言い換えれば、構成の変化の表示とその新しい構成に従うシグナリング又はデータ伝送の開始との間に、少なくとも1つのサブフレーム(または他の送信時間間隔)のガード間隔が挿入される。
【0033】
図2は、基地局がこのアプローチの1つの実施形態によってスケジューリングを実行する要素キャリア間割り当てを図解している。図1の場合もそうであったが、サブフレーム3においてCC#1を介して受信されるシグナリングは、トラフィックデータを受信するため又は制御チャネルのシグナリングを監視するため、またはその両方のために、移動局が要素キャリア#2をアクティブ化すべきであることを示す。しかしながら、図1に示したシナリオとは異なり、要素キャリア#2がサブフレーム5の最初にアクティブとなるように、1つのサブフレームのガード間隔がまず(サブフレーム4において)挿入される。これは、電源投入がアクティブなチャネルのいずれかにおけるデータの受信に干渉しないように、サブフレーム4の間にあらゆる必要な受信器回路の電源を投入する機会を提供する。
【0034】
上で示唆したように、ガード間隔は、1つまたはいくつかのサブフレーム(またはLTE以外のシステムにおける他の送信時間間隔)であってもよい。さらに、図2においては、ガード間隔は構成の変化がシグナリングされた間隔の直後に続くように示されるが、いくつかの実施形態ではガード間隔を1つ以上のサブフレームだけ遅延させることができるであろう。LTEシステムにおけるeNodeBは、データ伝送のスケジューリングを制御するため、いくつかの実施形態において、スケジューリング情報を受信すると単純に要素キャリアをアクティブ化し又は非アクティブ化する移動局と一体で、ガード間隔を挿入するための適切な「規則」に従って受信eNodeBが構成されれば十分であり得ることを、当業者であれば理解するであろう。しかしながら、他の実施形態では、移動局は、基地局との同期を保つために、同一の規則に従うように構成されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、DRX(又はDTX)手順は、要素キャリアのアクティブセットが同一サイズのままでの変化を含む、要素キャリア構成のあらゆる変化に対してガード間隔が挿入されるように構成される。他の実施形態では、動的な要素キャリア構成の変化が、単一の要素キャリアから2つの要素キャリアへのような、又は元に戻るような、1つの期間から他の期間への使用される要素キャリアの数の変化に制限されてもよい。そして、いくつかの実施形態では、続くサブフレームにおいて使用される要素キャリアの数が変化していることの表示に応答してガード間隔が挿入されてもよい。他の実施形態では、アクティブな要素キャリアのセットが変化しているものの要素キャリアの数が同一のままであることを考慮した、より一般化された技術が用いられてもよい。
【0036】
このように、本発明の実施形態は、2つ以上の要素キャリアの1つまたはいくつかにおいて、制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかを所与の移動局へ選択的に送信するように構成される基地局(例えばLTEのeNodeB)を含む。いくつかの実施形態は、また(または代わりに)、2つ以上の要素キャリアの1つまたはいくつかにおいて、所与の移動局からデータとトラフィックデータの少なくともいずれかを受信するように構成されてもよい。いずれの場合でも、アクティブな要素キャリア(すなわち、制御データとトラフィックデータとのいずれかを移動局から又は移動局へ運びうる要素キャリア)の構成は、高速に(例えばLTEシステムにおけるPDCCHシグナリングを介して)変化してもよい。1つのそのような実施形態の機能ブロック図を、無線回路312と、同様にeNodeB310と(図3のUE320を含む)1つ以上の移動局との間の上りリンクと下りリンクの伝送を計画すると共に調整するためのスケジューラ316を含む信号処理及び制御回路314とを備えるeNodeBを図解する図3に描画する。
【0037】
それぞれの要素キャリアのための少なくとも部分的に独立なDRX(及びDTXの少なくともいずれか)ステートマシンの利用を促進するため、本発明のいくつかの実施形態による基地局は、さらに、図4に大まかに図解される処理を実行するように構成される。したがって、ブロック410に示されるように、基地局は、第1の要素キャリア構成に従って、制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかを移動局へ送信するように構成される。ブロック420に示されるように、要素キャリア構成の変化が必要とされると判定した後に、基地局は、ブロック430に図解されるように、要求される構成の変化を移動局へシグナリングする。当然ながら、構成の変化はまだ生じておらず、そして、このシグナリングは第1の要素キャリア構成を用いて実行される。
【0038】
上記のように、いくつかの実施形態では、要素キャリア構成の変化は、いくつかの送信時間間隔文だけ遅延させられてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ブロック440に示されるように、構成変化のシグナリングの後の1つ以上の送信時間間隔の間、第1の要素キャリア構成に従ってデータを送信し続けてもよい。
【0039】
しかしながら、いずれの場合も、構成変化のシグナリングの後のある点において、少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔が導入され、ガード間隔の間は基地局はデータの送信を抑制する。これは、図4のブロック450に図解されている。上で詳細に議論したように、これは、移動局が、そうしなければ同時にデータを受信している間に無線リソースの電源の投入、電源の切断又は再構成により生じうる不都合な結果を取り除くか軽減するために、その送受信器リソースを再構成するための適切な時間を配分する。ガード間隔が満了した後に、ブロック460に示されるように、変更された要素キャリア構成による制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかの送信が再開される。
【0040】
本発明の他の実施形態は、2つ以上の要素キャリアの1つまたはいくつかにおいて、基地局から制御データとトラフィックデータの少なくともいずれかを選択的に受信するように構成される移動局を含む。いくつかの実施形態は、また(または代わりに)、2つ以上の要素キャリアの1つまたはいくつかにおいて、制御データ又はトラフィックデータを送信するように構成されてもよい。いずれの場合も、アクティブな要素キャリア(すなわち、移動局から又は移動局へ、制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかを運びうる要素キャリア)の構成は、高速に(例えば、LTEシステムにおけるPDCCHシグナリングを介して)変化してもよい。図3を振り返ると、ここで開示される本発明の技術による1つのそのような例示的な移動局の機能ブロック図が描写されている。図解される移動局は、無線回路322と、eNodeB310から受信したスケジューリング情報に従って無線リソースのスケジューリングと制御とを特に取り扱うDRX/DTX制御部326を同様に含む、ベースバンド処理及び制御回路324とを備える。このように、DRX/DTX制御部326は、下りリンク/上りリンクのリソース付与、アクティブなDRX/DTXサイクル、及び現在の要素キャリア構成に応じて、必要に応じて無線回路322の部分のアクティブ化、非アクティブ化、及び再構成の少なくともいずれかを行う制御信号を生成する。
【0041】
それぞれの要素キャリアのための少なくとも部分的に独立なDRX(及びDTXの少なくともいずれか)ステートマシンの利用を促進するため、本発明の様々な実施形態による移動局は、さらに、図5に大まかに図解される方法を実行するように構成される。このように、ブロック510に示されるように、移動局は、まず、第1の要素キャリア構成に従って、制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかを基地局から受信する。ある点において、ブロック520に示すように、移動局は、要素キャリア構成の変化が起ころうとしていることを示すシグナリング情報を受信する。
【0042】
図4と関連して上述したように、示された実際の構成の変化は、変化のシグナリングの後、1つ以上の送信時間間隔だけ延期されてもよい−この延期の長さはいくつかの実施形態ではあらかじめ定められてもよく、他の実施形態ではシグナリング情報に含まれてもよい。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ブロック530に示されるように、移動局は、構成変化のシグナリングの後の1以上の送信時間間隔の間、第1の要素キャリア構成に従って送信されたデータの受信を継続してもよい。しかしながら、シグナリングの直後であろうといくつかの送信時間間隔の後であろうと、シグナリング情報に応答して所定のガード間隔がスケジューリングされる。このガード間隔の間、移動局の制御回路(例えば図3のDRX/DTX制御部326)は、ブロック540に示すように、1つ以上の受信器回路のアクティブ化、非アクティブ化、再構成の少なくともいずれかを選択的に行う。アクティブ化され、非アクティブ化され、又は再構成される特定の受信器回路は、要素キャリア構成の変化に基づいて選択される。したがって、シグナリング情報は、いずれの受信器回路に作用するかを判定するために用いられる。最終的に、ガード間隔の満了後、制御データとトラフィックデータとの少なくともいずれかの受信が、ただし、変更された要素キャリア構成に従って、再開される。これはブロック550に図解されている。
【0043】
当業者であれば、上述の技術によるガード間隔の挿入は、自動再送要求(ARQ)処理、特に同期処理に影響するかもしれないことを理解するであろう。これを取り扱うためのいくつかの方法がある。1つのアプローチは、単純に、要求される又は期待されるACK/NACKのいずれをも、又はスケジューリングされた上りリンク伝送を、例えばガード間隔の長さに等しいいくつかのサブフレーム分だけ、時間上でシフトすることである。もう1つのアプローチは、スケジューリングされた上りリンク伝送とARQフィードバックとの少なくともいずれかを、測定ギャップ(measurement gap)のためにLTE標準において現在規定されているものと同様の方法で取り扱うことである。特に、非特許文献1は、スケジューリングされた上りリンク伝送とメジャメントギャップとの間の衝突を以下のように取り扱うことを規定している。
【0044】
設定された上りリンク許可が測定ギャップの間に表示されると共に、測定ギャップ中のUL−SCH伝送を表示する場合、UEはその許可を処理するがUL−SCH上で送信しない。
・・・
注意:測定ギャップの発生に起因してUL−SCH伝送がなされえない場合、HARQフィードバックは受信されえず、非適応再送信が続く。
換言すれば、UL−SCH伝送はキャンセルされるが、対応するHARQ(複合ARQ)処理は、次のHARQラウンドトリップタイム(RTT)において非適応HARQ再送信を実行するであろう。本発明の様々な実施形態において、スケジューリングされた上りリンク伝送とガード間隔との間の衝突に対処するために、同様の手順を適合させることができる。
【0045】
同様に、非特許文献1において、測定ギャップとHARQフィードバックとの間の衝突は以下のように処理される。
【0046】
− この伝送のためのHARQフィードバック受信時に測定ギャップがある場合、及びMAC PDUがMsg3バッファから得られていなかった場合、
− この伝送のためのHARQフィードバック受信時にHARQ_FEEDBACKをACKに設定する。
換言すれば、HARQフィードバックを受信できなかった場合、HARQ処理は一時停止される。
【0047】
この場合もやはり、本発明の様々な実施形態において、HARQフィードバック(または他のARQ又は誤り検出/訂正フィードバック)の間の衝突に対処するために、同様の手順を適合させることができる。例えば、上述の基地局と移動局との少なくともいずれかのいずれかの制御回路は、さらに、構成の変化により、所定のガード期間に等しいいくつかの送信時間間隔だけ影響を受ける自動再送要求処理を、自動的に遅延させるように構成されてもよい。したがって、例えば、基地局が、通常、サブフレーム5におけるHARQ再送を予期しているであろうが、ここでそのサブフレームは1つのサブフレームのガード間隔により先取りされる場合に、基地局は、代わりにサブフレーム6における再送を見込むように、対応するHARQ処理を調整するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、所与の移動局のための全ての保留されているHARQ処理がガード間隔長に等しい間隔だけ遅延させられてもよい
移動居において、同様の調整を実行してもよい。例えば、上述の移動局のいくつかの実施形態は、構成の変化に応答して、1つ以上の自動再送要求処理を、所定のガード間隔に等しいいくつかの送信時間間隔だけ自動的に遅延させてもよい。いくつかの実施形態では、移動局の制御回路は、外部へのデータ伝送がガード間隔中にスケジューリングされていることを判定し、そのデータ伝送を所定のガード間隔の後まで延期させるように、より一般的に構成されてもよい。いくつかの場合、これは、単純に、スケジューリングされたデータ伝送を遅延させることを意味しうる。他の場合では、移動局は、そのガード間隔中に実際にスケジューリングされたデータを送信したように動作してもよい。データが実際には送信されなかったため、移動局は、続いて、通常のHARQ再送信手順を起動する、NACKを受信するであろう(またはそれが受信されたことを仮定するかもしれない)。したがって、いくつかの実施形態では、所定のガード間隔の後までのデータ伝送の延期は、外部へのデータ伝送の、実際はデータの最初の送信であるHARQ再送信を実行することを事実上含む。
【0048】
図3の無線システム300の図解をもう1度参照すると、当業者がこれらのノードの詳細な構成に詳しく、その詳細は本発明の完全な理解には不要であるとして、当業者であれば、eNodeB310及び移動局320の単純化したブロック図のみが提供されていることを理解するであろう。現在の発明により構成されるeNodeB310の詳細は変化するであろうところ、当業者であれば、ここで説明された1つ以上のスケジューリング技術を実行するように構成されるeNodeB310は、LTEの規定によって移動局320を含む1つ以上の移動局と通信するために構成される無線回路312と、この場合もやはりLTEの規定によって、移動局及び3GPPをサポートするネットワークと通信するために構成される信号処理及び制御回路314とを含む、図3に描写された基本要素を備えてもよいことを理解するであろう。信号処理及び制御回路314は、上述の技術の1つ以上に従って、利用可能な複数のキャリア(キャリア1からJ)上での上りリンク及び下りリンクの少なくともいずれかの伝送をスケジューリングするために構成されるスケジューラ機能316を備える。当業者はさらに、信号処理及び制御回路314とスケジューラ機能316とは、必要に応じて、LTE通信プロトコルと上述の1つ以上の特定のスケジューリング技術とを実行するために、(1つ以上の不図示のメモリ装置に記憶される)適切なソフトウェアとファームウェアとの少なくともいずれかと共に構成される、1つまたはいくつかのマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特殊用途向けデジタルハードウェア及び同様のものを用いて実装されてもよいことを理解するであろう。
【0049】
同様に、当業者であれば、移動局320の詳細が変化するであろうこと、しかし、ここで説明された1つ以上の技術を実行するように構成される移動局320が、LTEの規定に従って、eNodeB310のような1つ以上のeNodeBと通信するように構成される無線回路322を含む、図3に描写される基本要素を含んでもよいことを理解するであろう。移動局320は、さらに、この場合もやはりLTEの規定に従って、LTEシステムおよび3GPPをサポートするネットワークの範囲内で動作するために構成されるベースバンド処理及び制御回路324を備える。ベースバンド処理及び制御回路324は、上述の1つ以上の技術により構成されるDRX/DTX制御機能326を含む。特に、DRX/DTX機能326は、eNodeB310から受信したスケジューリング情報に応じて、そして、受信または送信機能がアクティブであるサブフレームの間に無線構成の変化の要求を防ぎ、又は削減するためにガード間隔の使用を提供する所定のスケジューリングの規則に従って、無線回路322の部分のアクティブ化、非アクティブ化、及び再構成の少なくともいずれかを行うための制御信号を生成する。
【0050】
もう1度、当業者であれば、ベースバンド処理及び制御回路324とDRX/DTX制御機能は、必要に応じて、LTE通信プロトコルとここで説明した1つ以上のDRX/DTX技術とを実行するために、(1つ以上の不図示のメモリ装置に記憶される)適切なソフトウェアとファームウェアとの少なくともいずれかと共に構成される、1つまたはいくつかのマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特殊用途向けデジタルハードウェア及び同様のものを用いて実装されてもよいことを理解するであろう。
【0051】
当然ながら、マルチキャリア環境においてDRX/DTX及び他の送受信器リソース管理機能を実装するための様々な技術の先立つ説明は、説明及び例の目的で与えられたものであり、当業者であれば、上述の方法、装置、及びシステムを、ここで具体的に説明したもの以外のシステムに対して直ちに適応させることができることを理解するであろう。当然のことながら、当業者であれば、また、本発明の基本的特性から逸脱することなく、ここで具体的に説明したもの以外の方法によって本発明を実行してもよいことを理解するであろう。したがって、ここで提示した典型的な実施形態は、このように説明のための観点で考えられるべきであり、制限的に考えられるべきではない。
【0052】
当然のことながら、本発明は、本発明の基本的特性から逸脱することなく、ここで具体的に説明した以外の方法で実行されてもよい。本実施形態は説明のための観点で考えられるべきであって制限的に考えられるべきではなく、添付の請求項の意味及び等価な範囲の中で生じる全ての変更がそこに含まれることを意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリアのオペレーション用に構成される無線通信ネットワークの基地局であって、
2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って移動局へ第1のデータを送信するように構成される制御回路を有し、
前記制御回路が、
第2の要素キャリア構成への構成の変化が要求されていることを判定し、
前記移動局へ、前記第1の構成を用いて、前記構成の変化をシグナリングし、
前記構成の変化の前記シグナリングに続く少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間、前記移動局へのデータの送信を抑制し、
前記ガード間隔の後に、前記第2の要素キャリア構成に従って、前記移動局へ第2のデータを送信する、
ように構成される、
ことを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記所定のガード間隔は、単一の送信時間間隔からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記所定のガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔の直後に続く、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基地局。
【請求項4】
前記ガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔に続く1つ以上の送信時間間隔だけ遅延させられ、前記制御回路は、前記構成の変化の前記シグナリングに続く少なくとも1つの送信時間間隔の間、前記所定のガード間隔に先立って、前記第1の構成に従って前記第1のデータの送信を継続するように構成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基地局。
【請求項5】
前記構成の変化は、データ送信に用いられる要素キャリアの数の変化を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項6】
前記構成の変化は、アクティブな要素キャリアの数を同一に保ちながらの、アクティブな要素キャリアのセットへの変化を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項7】
前記制御回路は、さらに、前記移動局に対応する自動再送要求処理を、前記所定のガード間隔に相当するいくつかの送信時間間隔だけ遅延させるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項8】
マルチキャリアのオペレーション用に構成される無線通信ネットワークのデータ送信を制御するための基地局における方法であって、
前記方法は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って移動局へ第1のデータを送信することを含み、
第2の要素キャリア構成への構成の変化が要求されていることを判定し、
前記移動局へ、前記第1の構成を用いて、前記構成の変化をシグナリングし、
前記構成の変化の前記シグナリングに続く、少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間、前記移動局へのデータの送信を抑制し、
前記ガード間隔の後に、前記第2の要素キャリア構成に従って、前記移動局へ第2のデータを送信する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記所定のガード間隔は、単一の送信時間間隔からなる、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記所定のガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔の直後に続く、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔に続く1つ以上の送信時間間隔だけ遅延させられ、前記方法は、前記構成の変化の前記シグナリングに続く少なくとも1つの送信時間間隔の間、前記所定のガード間隔に先立って、前記第1の構成に従って前記第1のデータの送信を継続することを含む、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記構成の変化は、データ送信に用いられる要素キャリアの数の変化を含む、
ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記構成の変化は、アクティブな要素キャリアの数を同一に保ちながらの、アクティブな要素キャリアのセットへの変化を含む、
ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記移動局に対応する自動再送要求処理を、前記所定のガード間隔に相当するいくつかの送信時間間隔だけ遅延させるように構成される、
ことを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
マルチキャリアのオペレーション用に構成される無線移動局であって、前記無線移動局は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って基地局から第1のデータを受信するように構成される制御回路を備え、
前記制御回路は、
第2の要素キャリア構成への構成の変化が起ころうとしていることを示すシグナリング情報を受信し、
少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間に、前記シグナリング情報に基づいて、1つ以上の送受信器の要素のアクティブ化、非アクティブ化又は再構成を選択的に行い、
前記ガード間隔の後に、前記第2の要素キャリア構成に従って前記基地局から第2のデータを受信する、
ように構成される、
ことを特徴とする無線移動局。
【請求項16】
前記所定のガード間隔は、単一の送信時間間隔からなる、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線移動局。
【請求項17】
前記所定のガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔の直後に続く、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の無線移動局。
【請求項18】
前記ガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔に続く1つ以上の送信時間間隔だけ遅延させられ、前記制御回路は、前記構成の変化の前記シグナリングに続く少なくとも1つの送信時間間隔の間、前記所定のガード間隔に先立って、前記第1の構成に従って前記第1のデータの受信を継続するように構成される、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の無線移動局。
【請求項19】
前記構成の変化は、データ送信に用いられる要素キャリアの数の変化、又はアクティブな要素キャリアの数を同一に保ちながらの、アクティブな要素キャリアのセットへの変化を含む、
ことを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の無線移動局。
【請求項20】
前記制御回路は、さらに、前記移動局に対応する自動再送要求処理を、前記所定のガード間隔に相当するいくつかの送信時間間隔だけ遅延させるように構成される、
ことを特徴とする請求項15から19のいずれか1項に記載の無線移動局。
【請求項21】
前記制御回路は、さらに、外部へのデータ送信が前記ガード間隔の間にスケジューリングされることを判定し、前記所定のガード間隔の後まで前記データ送信を延期するように構成される、
ことを特徴とする請求項15から20のいずれか1項に記載の無線移動局。
【請求項22】
前記所定のガード間隔の後までの前記データ送信の延期は前記外部へのデータ送信のHARQ再送の実行を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の無線移動局。
【請求項23】
マルチキャリアのオペレーション用に構成される無線移動局における方法であって、前記方法は、2つ以上の要素キャリアの第1の構成に従って基地局から第1のデータを受信することを含み、
第2の要素キャリア構成への構成の変化が起ころうとしていることを示すシグナリング情報を受信し、
少なくとも1つの送信時間間隔の所定のガード間隔の間に、前記シグナリング情報に基づいて、1つ以上の送受信器の要素のアクティブ化、非アクティブ化又は再構成を選択的に行い、
前記ガード間隔の後に、前記第2の要素キャリア構成に従って前記基地局から第2のデータを受信する、
ことをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記所定のガード間隔は、単一の送信時間間隔からなる、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記所定のガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔の直後に続く、
ことを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記ガード間隔は、前記構成の変化がシグナリングされた送信時間間隔に続く1つ以上の送信時間間隔だけ遅延させられ、前記方法は、前記構成の変化の前記シグナリングに続く少なくとも1つの送信時間間隔の間、前記所定のガード間隔に先立って、前記第1の構成に従って前記第1のデータの受信を継続することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
【請求項27】
前記構成の変化は、データ送信に用いられる要素キャリアの数の変化、又はアクティブな要素キャリアの数を同一に保ちながらの、アクティブな要素キャリアのセットへの変化を含む、
ことを特徴とする請求項23から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、さらに、前記移動局に対応する自動再送要求処理を、前記所定のガード間隔に相当するいくつかの送信時間間隔だけ遅延させる、
ことを特徴とする請求項23から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、さらに、外部へのデータ送信が前記ガード間隔の間にスケジューリングされることを判定し、前記所定のガード間隔の後まで前記データ送信を延期するように構成される、
ことを特徴とする請求項23から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記所定のガード間隔の後までの前記データ送信の延期は前記外部へのデータ送信のHARQ再送の実行を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−507035(P2013−507035A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532042(P2012−532042)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/SE2009/051484
【国際公開番号】WO2011/040852
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】