説明

マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局に移動端末によって送信されるデータシンボルを等化する方法、これに用いる基地局、移動端末、及び、コンピュータプログラム

【課題】本発明は、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる装置および方法に関する。
【解決手段】各サブグループは、他のサブグループに含まれる拡散系列とは異なる拡散系列を含み、拡散系列の各サブグループは、第1の拡散系列と、少なくとも1つの他の拡散系列とを含み、第1の拡散系列の各要素は、第1の拡散系列が割り当てられた移動端末によって、送信されることになるパイロットシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信され、少なくとも1つの他の拡散系列の各要素は、拡散系列を割り当てられた移動端末によって、送信されることになるデータシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信されることを特徴とする。本方法はまた、等化装置および関連する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MC−CDMAネットワークという名称でよく知られている、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワークのようなマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MC−CDMAは、無線広帯域マルチメディアの応用形態において広く関心を集めている。MC−CDMAはOFDM(直交周波数分割多重)変調と、CDMA多元接続技法とを組み合わせる。この多元接続技法は、Proceedings of PIMRC' 93, Vol. 1, pages 109-113, 1993に発表された「Multicarrier CDMA in indoor wireless radio networks」というタイトルの論文においてN. Yee等によって最初に提案された。この技法の開発は、IEEE Communication Magazine, pages 126-133, December 1997に発表された「Overview of Multicarrier CDMA」というタイトルの論文においてS. Hara等によって概説された。
【0003】
送信機と受信機との間に位置する家屋および他の障害物によって伝搬チャネルが遮られる可能性があることが知られている。その際、伝送される信号は、それぞれが異なるように遅延を受け、かつ減衰する複数のパスにおいて伝搬される。その際、伝搬チャネルは、その伝達関数が時間とともに変化するフィルタとして機能することは理解されたい。
【0004】
MC−CDMA伝送ネットワークがネットワーク内の種々の移動端末の信号間に直交性を与える(それゆえ、これらの信号間の任意の干渉を防ぐ)能力は、ネットワークの移動端末に割り当てられる拡散系列間の相関特性による。
【0005】
通常、1組の移動端末から基地局まで移動無線チャネルにおいて伝送する場合、移動端末から送信される信号は基地局において同期して受信される。各移動端末と基地局との間の無線チャネルは均一なチャネルと見なすことはできない。これらの条件下で、基地局は、OFDM多重を構成する各サブキャリア上の複数の無線チャネルを同時に推定しなければならない。
【0006】
論文「An asynchronous spread spectrum multi-carrier multiple access system」(Proceeding of IEEE GLOBECOM 1999, vol 1, pages 314-319, December 1999)において、 S KaiserおよびW. A Krzymienは、移動端末と基地局との間に付加的な周波数分割多元接続構成要素を導入し、基地局がサブキャリア毎に1つのチャネルしか推定する必要がないようにする。そのスペクトル拡散マルチキャリア多元接続システムは多少、拡散特性を失うので、セルラー環境に対処するためには、より厳密な周波数計画を必要とする可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本発明の目的は、移動端末と基地局との間の無線チャネル変動を補償できるようにする方法を提案することである。さらに、本発明の目的は、基地局において実施するのが簡単である、拡散系列割当て方法および等化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法に関する。拡散系列の各サブグループは、拡散系列の他のサブグループに含まれる拡散系列とは異なる拡散系列を含み、拡散系列の各サブグループは、第1の拡散系列と、少なくとも1つの他の拡散系列とを含み、第1の拡散系列の各要素は、第1の拡散系列が割り当てられた移動端末によって、送信されることになるパイロットシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信され、少なくとも1つの他の拡散系列の各要素は、拡散系列を割り当てられた移動端末によって、送信されることになるデータシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信されることを特徴とする。
【0009】
こうして、移動端末と基地局との間の無線チャネル変動を補償することができる。拡散されたパイロットシンボルを用いることにより、基地局における複数のチャネルの推定は、それほど複雑でない検出方式で実現可能になり、かつ効率的になる。
【0010】
或る特定の特徴によれば、拡散系列の1つのサブグループの第1の拡散系列はそれぞれ、拡散系列のサブグループのうちの他の拡散系列に由来する干渉を最小限に抑える拡散系列である。
【0011】
こうして、拡散系列を、その拡散系列が属する拡散系列のサブグループの他の拡散系列に由来する干渉を最小限に抑えるように割り当てることにより、チャネル推定の精度がさらに高くなる。パイロットシンボルと同時に送信されるデータシンボルが、さらに良好に検出される。
【0012】
或る特定の特徴によれば、1組の拡散系列は拡散系列の複数の順序付けられたグループに分解され、拡散系列の順序付けられたグループは拡散系列の重ならないサブグループに分割され、拡散系列の順序付けられたグループの中の拡散系列の最適な順序付けられたグループが、個々のサブグループの拡散系列間で受ける劣化を最小限に抑えることによって決定され、最適な順序付けられたグループに含まれる拡散系列のサブグループは移動端末に割り当てられる。
【0013】
或る特定の特徴によれば、最適な順序付けられたグループの決定は、拡散系列のそれぞれの順序付けられたグループのサブグループ毎に、サブグループの拡散系列の対が受ける最大の劣化を考慮に入れるコスト関数を計算することによって行われ、拡散系列の最適な順序付けられたグループは、各サブグループの中で計算されたコスト関数の最大値が最小であるサブグループを含む拡散系列の順序付けられたグループとして決定される。
【0014】
こうして、拡散系列の全ての取り得る順序付けされたグループの中から、拡散系列の最適な順序付けられたグループを判定することができ、そのグループは、マルチキャリア伝送ネットワークの性能への干渉の影響を低減する拡散系列のサブグループを含む。
【0015】
或る特定の特徴によれば、拡散系列はウォルシュ−アダマール系列であり、拡散系列のサブグループは自然ウォルシュ−アダマール行列(natural Walsh-Hadamard matrix)の行あるいは列から構成される。
【0016】
或る特定の特徴によれば、自然ウォルシュ−アダマール行列内の1つのサブグループの第1の行あるいは列は、拡散系列の別のサブグループの最後の行あるいは列まで連続している。
【0017】
こうして、簡単な拡散系列割当て技法を用いて、マルチキャリア伝送ネットワークの性能への干渉の影響を低減することができる。マルチキャリア伝送ネットワークのユーザに対して、単に自然ウォルシュ−アダマール行列の順序で拡散系列を割り当てることにより、干渉が大幅に低減され、割当てそのものを実施するのも複雑ではない。そのような割当て手順はマルチキャリア伝送ネットワークにおいて絶えず行われるので、その割当て手順をできる限り簡単にすることが重要である。
【0018】
或る特定の特徴によれば、拡散系列のサブグループは隣接する。
【0019】
こうして、その割当ては簡略化される。
【0020】
或る特定の特徴によれば、マルチキャリア伝送ネットワークはマルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワークである。
【0021】
さらに別の実施形態によれば、本発明は、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局に移動端末によって送信されるデータシンボルを等化する方法に関する。本方法は、基地局によって実行される、パイロットシンボルを、パイロットシンボルを送信する移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの所定の拡散系列と乗算することによって、各移動端末によって送信されるパイロットシンボルを逆拡散するステップと、データシンボルを、データシンボルを送信する移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの他の拡散系列と乗算することによって、各移動端末によって送信されるデータシンボルを逆拡散するステップと、個々の移動端末によって送信される、逆拡散されたパイロットシンボルの観測結果に基づいて、各移動端末と基地局との間のチャネル周波数応答を推定するステップと、データシンボルを送信する個々の移動端末と基地局との間のチャネル周波数応答の推定値に基づいて、逆拡散されたデータシンボルをそれぞれ等化するステップとを含むことを特徴とする。
【0022】
さらに別の態様によれば、本方法は、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の移動端末から拡散されたシンボルを受信する基地局に関する。基地局は、パイロットシンボルを、パイロットシンボルを送信する移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの所定の拡散系列と乗算することにより、各移動端末によって送信されるパイロットシンボルを逆拡散するための手段と、データシンボルを、データシンボルを送信する移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの他の拡散系列と乗算することにより、各移動端末によって送信されるデータシンボルを逆拡散するための手段と、逆拡散されたパイロットシンボルの観察に基づいて、各移動端末と基地局との間のチャネル周波数応答を推定するための手段と、データシンボルを送信する個々の移動端末と基地局との間のチャネル周波数応答の推定値に基づいて、逆拡散されたデータシンボルをそれぞれ等化するための手段とを含むことを特徴とする。
【0023】
こうして、複数の無線チャネルを推定するのが正確、かつ簡単になる。このチャネル推定方式は、ユーザ毎に、チャネルが拡散されたパイロットシンボルおよび拡散されたデータシンボルに同じように影響を及ぼすという事実を利用する。
【0024】
さらに別の態様によれば、本発明は、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局から拡散系列のサブグループを受信する移動端末であって、基地局から受信される拡散系列のサブグループの中から第1の拡散系列を決定するための手段と、第1の拡散系列の各要素を送信されることになるパイロットシンボルと乗算するための手段であって、該要素はその後、対応するサブキャリア上で送信される、乗算するための手段と、拡散系列のサブグループの少なくとも1つの他の拡散系列の各要素を、送信されることになるデータシンボルと乗算するための手段であって、要素はその後、対応するサブキャリア上で送信される、乗算するための手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス上で実行される際に、本発明による方法のステップを実施するための命令、あるいはコードの一部を含む、プログラマブルデバイスに直にロードすることができるコンピュータプログラムに関する。コンピュータプログラムに関連する特徴および利点は、本発明による方法および装置に関連して先に述べられた特徴および利点と同じであるので、ここでは繰り返されないであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の特徴は、例示的な一実施形態の以下の説明を読むことからさらに明確になるであろう。上記説明は添付の図面を参照して行われる。
【0027】
図1は本発明による基地局および移動端末のブロック図である。
【0028】
図1は、基地局200と通信している移動端末100を開示する。簡略化のために、図1には2つの移動端末100aおよび100bのみが示されるが、本発明が用いられるネットワークでは、はるかに多くの移動端末100が基地局200と通信していることは理解されたい。
【0029】
移動端末100aは、基地局200に送信されることになるデータを与えるデータビット発生器101aを備える。これらのデータは、たとえば視聴覚データ、テキストなどを表す。送信されることになるデータは、符号化およびインターリーブ手段102aによって符号化され、インターリーブされる。その後、データシンボルを形成するために、符号化され、インターリーブされたデータは、マッピングブロック103aによって、或る変調方式に従ってマッピングされる。そのような変調方式には、たとえば4相位相変調、すなわちQPSKが用いられる。その後、データシンボルは少なくとも1つの拡散系列のL個の要素にわたって拡散される。データシンボルは拡散ブロック104aによって拡散される。
【0030】
さらに、移動端末100aはパイロットシンボル発生器105aを備える。パイロットシンボルは、拡散ブロック106aによって拡散系列のL個の要素にわたって拡散される。
【0031】
こうして、この方式では、所与の拡散スロットにおいて、最大でL/2個の異なる移動端末100が基地局200に同時にデータを送信することができる。
【0032】
その後、拡散されたデータおよびパイロットシンボルは加算器107aによって加算され、長さLのストリームが形成される。その後、このストリームは、2次元チップマッピングブロック108aによって、NF個のサブキャリアおよびNT個のタイムスロットから構成されるマルチキャリアフレーム内に時間領域および周波数領域においてマッピングされる。このチップマッピングは、チャネル選択性に起因して移動端末の信号間の直交性が失われることから生じる多重アクセス干渉(MAI)を最小限に抑えることを目的としており、一方、ビットインターリーバがある結果として、チャネル復号器によってチャネルのダイバーシティが利用される。ここで、マルチキャリアフレーム内で高い相関があるサブチャネルのグループを定義することによってチャネル選択性の影響を低減するために、2次元チップマッピングブロック108aによって時間領域および周波数領域においてマッピングが行われることに留意されたい。移動端末毎にチップを連続したサブキャリアおよび/または連続したタイムスロットに割り当てることにより、データおよびパイロットシンボルのL個のチップを含むマッピングエリア上でフェージング係数が概ね一定になる。こうして、異なる移動端末から送信される信号は異なるチャネルを通って伝搬するが、これらの信号間の直交性は回復する。複数の無線チャネルの推定が簡単かつ効率的になる。
【0033】
その後、時間領域および周波数領域においてマッピングされたストリームはOFDM変調器109aによって変調され、基地局200においてシンボル間干渉を避けるために、Δで表されるサイクリックプレフィックスが付加される。基地局200に向けてK個の移動端末によってK個の信号がアンテナ110を通して送信され、付加白色ガウス雑音(AWGN)によって汚染されたK個の個別のマルチパスチャネルを通って伝搬される。
【0034】
移動端末100bは移動端末100aと同じである。データビット発生器101bはデータビット発生器101aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。符号化およびインターリーブブロック102bは符号化およびインターリーブブロック102aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。QPSKマッピングブロック103bはQPSKマッピングブロック103aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。パイロットシンボル発生器105bはパイロットシンボル発生器105aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。拡散ブロック104bおよび106bは拡散ブロック104aおよび106aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。加算器107b、2次元チップマッピング108bおよびOFDM変調器109bは、加算器107a、2次元チップマッピング108aおよびOFDM変調器109aと同じであるので、これ以上は説明されないであろう。
【0035】
本発明によれば、拡散系列のサブグループが基地局200によって各移動端末100に割り当てられる。各移動端末100は、基地局から受信された拡散系列のサブグループの中から、第1の拡散系列を判定するための手段(図1には示されない)を備える。
【0036】
各移動端末は、第1の拡散系列の各要素を、送信されることになるパイロットシンボルと乗算するための手段を備え、その要素はその後、対応するサブキャリア上で送信され、また各移動端末は、拡散系列のサブグループの少なくとも1つの他の拡散系列の各要素を、送信されることになるデータシンボルと乗算するための手段を備え、その要素はその後、対応するサブキャリア上で送信される。
【0037】
基地局200は、アンテナ201を通して、K個の移動端末100によって生成されたK個の同期した信号の和を受信する。
【0038】
基地局200は、受信された信号を復調し、サイクリックプレフィックスΔを除去するOFDM復調器202を備える。その後、復調された信号は、2次元チップデマッピングブロック203によって、時間領域および周波数領域においてデマッピングされる。
【0039】
その後、デマッピングされた信号はK個の移動モジュール210に供給される。図1には、2つの移動モジュール210のみが示される。実際には、基地局200は、MC−CDMA伝送ネットワーク内にある移動端末100と同じ数の移動モジュールを備える。移動モジュール210aは、移動端末100aから受信されるシンボルを復号化することができ、移動モジュール210bは、移動端末100bから受信されるシンボルを復号化することができる。移動モジュール210aは、移動端末100aと基地局200との間のチャネルのチャネル推定を実施することができ、移動モジュール210bは、移動端末100bと基地局200との間のチャネルのチャネル推定を実施することができる。
【0040】
移動モジュール210aおよび210bは同じであり、移動モジュール210aのみが詳細に説明されるであろう。
【0041】
移動モジュール210aは、デマッピングされた信号と、データシンボルを拡散するために移動端末100aによって用いられる拡散系列(複数可)と同じ拡散系列(複数可)とを乗算することにより、移動端末100aによって送信されるデータシンボルを逆拡散する逆拡散ブロック211aを備える。
【0042】
移動モジュール210aは、デマッピングされた信号と、パイロットシンボルを拡散するために移動端末100aによって用いられるのと同じ拡散系列とを乗算することにより、移動端末100aによって送信されるパイロットシンボルを逆拡散する逆拡散ブロック212aを備える。その後、逆拡散されたパイロットシンボルは、受信されたパイロットシンボルの観測結果に基づいて移動端末100aと基地局200との間のチャネル周波数応答を推定するチャネル推定モジュール213aに供給される。その後、チャネル周波数応答の推定値は、逆拡散されたデータシンボルのチャネル劣化を補償する等化モジュール214aに供給される。
【0043】
その後、等化されたデータシンボルはデマッピングモジュール215aによってデマッピングされる。デマッピングモジュール215aは、より正確には、軟判定デマッピングモジュール(soft de-mapping module)である。その後、デマッピングされたデータシンボルは、移動端末100aの送信されたデータを探索するために、デインターリーブおよび復号化ブロック216aによってデインターリーブされ、復号化される。
【0044】
図2は、第1の実施形態による、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して、1組の拡散系列の拡散系列のサブグループを動的に割り当てるためのアルゴリズムである。
【0045】
この流れ図のコードは、図1に示されないが、たとえば基地局200の不揮発性ROMメモリに記憶される。定期的に、あるいは新たな動作中の移動端末が基地局200に登録される度に、あるいは動作中の移動端末が動作を停止する度に、あるいは1つまたは複数の移動端末が拡散系列の数に関して新たに要求するときにはいつでも、基地局200は、図2に示されるアルゴリズムに関連する命令を実行する。
【0046】
ステップS200では、基地局200はMC−CDMAネットワーク内の動作中の移動端末を判定し、それらの移動端末に割り当てられることになる拡散系列の数に関する個々の要件を入手する。
【0047】
ステップS201では、基地局200は、動作中の移動端末の要件を満たすことができる1組ΩのL個の拡散系列を形成するか、あるいはROMメモリから読み出す。動作中の移動端末の全ての要求はA個の拡散系列に等しい。ただしL≧Aである。これらの拡散系列は、長さL=L≧Aのウォルシュ−アダマール拡散系列であることが好ましい。
【0048】
これらの拡散系列には、Electronics Letters(18th July 2002)に発表されたQinghua ShiおよびM. Latva-ahoの論文「simple spreading code allocation scheme for downlink MC-CDMA」に開示されるようなA個の拡散系列のサブセットを用いることもできる。
【0049】
次のステップS202では、基地局200は、動作中の移動端末の要求を満たすことができる拡散系列のP個の順序付けられたグループΩを形成する。順序付けられたグループの数PはP=L!/(L−A)!であることに留意されたい。
【0050】
次のステップS203では、基地局200は、拡散系列の順序付けられたグループΩのそれぞれをK個の重ならないサブグループΩに分割する。ただし、各サブグループは移動端末kによって要求されるN+1個の系列を集めたものであり、Nは移動端末kにデータシンボルを割り当てるための拡散系列の数であり、1は移動端末kにパイロットシンボルを割り当てるための拡散系列の数である。
【0051】
次のステップS204では、基地局200はコスト関数、すなわちサブグループΩのためのコスト関数Jを計算する。たとえば、そのコスト関数は、MottierおよびCastelainの論文「A spreading sequence allocation procedure for MC-CDMA transmission systems」(Proc IEEE VTC'2000, September 2000 vol3, pp 1270-1275)に開示されるようなコスト関数である。それは、ステップS203において形成されるサブグループの拡散系列のうちの2つが受ける最大の劣化を考慮に入れる。
【0052】
次のステップS205では、基地局200は、以下の式を用いて、動作中の移動端末のための拡散系列の最適な順序付けられたグループΩを判定する。
【0053】
【数1】

【0054】
最適なサブグループはそれぞれ、拡散系列の最適な順序付けられたグループΩに含まれるサブグループである。そのような手法を用いて、基地局200は全てのサブグループの中から、サブグループの拡散系列の中の最大の干渉が最小限に抑えられるサブグループを見つける。その後、最適なサブグループがそれぞれ、動作中の移動端末100に割り当てられる。
【0055】
次のステップS206では、基地局200は、動作中の移動端末100毎に、パイロットシンボルを拡散するための拡散系列を割り当てる。好ましい一実施形態では、パイロットシンボルを拡散するために1つの動作中の移動端末100に割り当てられる各拡散系列は、ステップS206において動作中の移動端末100kに割り当てられる拡散系列のサブグループΩの中の拡散系列であり、それは、拡散系列のサブグループΩの他の拡散系列が動作中の移動端末100kに割り当てられる場合に、コスト関数J(Ω)に従って計算される干渉を最小限に抑える。
【0056】
次のステップS207では、基地局200は、動作中の移動端末100毎に、データシンボルを拡散するために必要とされる拡散系列を割り当てる。データシンボルを拡散するために動作中の移動端末100に割り当てられる拡散系列は、パイロットシンボルを拡散するために割り当てられる拡散系列以外の、動作中の移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの拡散系列である。
【0057】
次のステップS208では、基地局200は、動作中の移動端末100毎に、ステップS206およびS207において決定された拡散系列を含む、拡散系列のサブグループを転送する。
【0058】
こうして、1組の拡散系列が拡散系列の複数の順序付けられたグループに分解され、拡散系列の順序付けられたグループが拡散系列の重ならないサブグループに分割され、拡散系列の順序付けられたグループの中の、拡散系列の最適な順序付けられたグループが、個々のサブグループの拡散系列間で受ける劣化を最小限に抑えることにより決定され、最適な順序付けられたグループ内に含まれる拡散系列のサブグループが移動端末に割り当てられる。
【0059】
より正確には、最適な順序付けられたグループの決定は、拡散系列のそれぞれ順序付けられたグループのサブグループ毎に、サブグループの拡散系列の対が受ける最大の劣化を考慮に入れるコスト関数を計算することによって行われ、拡散系列の最適な順序付けられたグループは、各サブグループの中で計算されたコスト関数の最大値が最小であるサブグループを含む、拡散系列の順序付けられたグループとして決定される。
【0060】
ここで、ウォルシュ−アダマール拡散系列を用いる代わりに、他の種類の拡散系列を本発明において用いることができることに留意されたい。たとえば、直交相補型のゴーレイ系列を用いることもできる。
【0061】
図3は、第2の実施形態による、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して、1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てるためのアルゴリズムである。
【0062】
この流れ図のコードは、図1には示されないが、たとえば基地局200の不揮発性ROMメモリに記憶される。定期的に、あるいは新たな動作中の移動端末が基地局200に登録される度に、あるいは動作中の移動端末100が動作を停止する度に、あるいは1つまたは複数の移動端末が拡散系列に関して新たに要求するときにはいつでも、基地局200は、図3に示されるアルゴリズムに関連する命令を実行する。
【0063】
ステップS300では、基地局200は、MC−CDMAネットワーク内の動作中の移動端末を判定し、それらの移動端末が割り当てられることになる拡散系列の数に関する個々の要求を入手する。
【0064】
たとえば、2つの移動端末100aおよび100bが現時点で動作している。移動端末100aはパイロットシンボルのために1つの拡散系列を、またデータシンボルのために2つの拡散系列を必要とする。移動端末100bはパイロットシンボルのために1つの拡散系列を、またデータシンボルのために1つの拡散系列を必要とする。必要とされる各拡散系列は8に等しいLの長さを有する。
【0065】
次のステップS301では、基地局200は、動作中の移動端末の要求を満たすことができる1組の拡散系列を形成するか、あるいはROMメモリから読み出す。これらの拡散系列は、原始ウォルシュ−アダマール行列(original Walsh-Hadamard matrix)Wに含まれる、長さLの1組のウォルシュ−アダマール拡散系列であることが好ましい。
【0066】
サイズLの原始ウォルシュ−アダマール行列Wは、以下の反復規則によって定義される。
【0067】
【数2】

【0068】
ここで、その反復規則によって形成される原始ウォルシュ−アダマール行列Wの行あるいは列は、ウォルシュ−アダマール行列の自然順と呼ばれる順に順序付けられることに留意されたい。
【0069】
本発明の例によれば、長さLの5つの拡散系列が必要とされるので、サイズ8の原始ウォルシュ−アダマール行列Wが必要とされる。そのような行列を図5に示す。
【0070】
これらの拡散系列には、Electronics Letters(18th July 2002)に発表されたQinghua ShiおよびM. Latva-ahoの論文「simple spreading code allocation scheme for downlink MC-CDMA」に開示されるような拡散系列のサブセットを用いることもできる。
【0071】
ステップS302では、基地局200は、ステップS300において特定された動作中の移動端末の中の1つの動作中の移動端末を考慮する。たとえば、移動端末100aはその後に考慮される。
【0072】
ステップS303では、基地局200は、移動端末100aの要求を満たすことができる、順序付けられた拡散系列のグループのうちの拡散系列のサブグループを取り込む。
【0073】
移動端末100aはパイロットシンボルのために1つの拡散系列を、またデータシンボルのために2つの拡散系列を必要とし、3つの拡散系列が必要とされるので、図5の501〜503で表される行によって形成されるサブグループが、移動端末100aに割り当てられる。ここで、サブグループの行は、自然順に取り込まれたウォルシュ−アダマール行列の連続した行であることに留意されたい。
【0074】
ステップS304では、基地局200は、移動端末100aのためのパイロットシンボルを拡散するために、ウォルシュ−アダマール行列の自然順に従って、拡散系列のサブグループの第1の拡散系列を割り当てる。本発明の例によれば、そのサブグループの第1の拡散系列は、図5の行列の行501である。
【0075】
ステップS305では、基地局200は、移動端末100aのためのデータシンボルを拡散するために、拡散系列のサブグループの残りの拡散系列を割り当てる。本発明の例によれば、拡散系列のサブグループの残りの拡散系列は、図5に示される行列の行502および503である。
【0076】
ステップS306では、基地局200は、以前に割り当てられた拡散系列を利用不可能として区別する。本発明の例によれば、基地局は行501〜503を利用不可能であるとして区別する。
【0077】
ステップS307では、基地局200は、移動端末が、拡散系列のサブグループが割り当てられなかった、ステップS300において判定された他の動作中の移動端末であるか否かを検査する。それらの移動端末が他の動作中の移動端末である場合には、拡散系列のサブグループが全ての動作中の移動端末に割り当てられていない限り、基地局200はステップS308に進み、別の動作中の移動端末を考慮し、ステップS303〜S308によって構成されるループを実行する。
【0078】
本発明の例によれば、拡散系列のサブグループが移動端末100bに割り当てられていない。基地局200はステップS308に進み、移動端末100bを考慮する。
【0079】
ステップS303では、基地局200は、移動端末100bの要求を満たすことができる順序付けられた拡散系列のグループのうちの拡散系列のサブグループを取り込む。移動端末100bは、パイロットシンボルのために1つの拡散系列を、またデータシンボルのために1つの拡散系列を必要とし、2つの拡散系列が必要とされるので、基地局200は、図5のウォルシュ−アダマール行列の第1の利用可能な拡散系列を取り込む。その後、基地局200は、移動端末100bのために図5の504および505で表される行によって形成されるサブグループを取り込む。ここで、サブグループの行は、自然順に取り込まれたウォルシュ−アダマール行列の連続した行であることに留意されたい。
【0080】
ステップS304では、基地局200は、移動端末100bのためのパイロットシンボルを拡散するために、拡散系列のサブグループの第1の拡散系列を割り当てる。本発明の例では、拡散系列のサブグループの第1の拡散系列は図5の行列の行504である。
【0081】
ステップS305では、基地局200は、移動端末100bのためのデータシンボルを拡散するために、拡散系列のサブグループの残りの拡散系列を割り当てる。本発明の例では、拡散系列のサブグループの残りの拡散系列は図5の行列の行505である。
【0082】
ステップS306では、基地局200は、以前に割り当てられた拡散系列を利用不可能であるとして区別する。本発明の例によれば、基地局は行504および505を利用不可能であるとして区別する。
【0083】
ステップS307では、基地局200は、移動端末が、拡散系列のサブグループが割り当てられなかった、ステップS300において判定された他の動作中の移動端末であるか否かを検査する。本発明の例では、動作中の移動端末がそれ以上存在しない場合には、基地局200はステップS309に進み、割り当てられた拡散系列のサブグループを、動作中の移動端末に転送する。
【0084】
図5のウォルシュ−アダマール行列の行506〜508は、本発明の例によって用いられないウォルシュ−アダマール系列も含む。
【0085】
ウォルシュ−アダマール拡散系列を用いる代わりに、本発明において他の種類の拡散系列を用いることができることは留意されたい。たとえば、直交相補型のゴーレイ系列を用いることもできる。
【0086】
1つの変形形態では、基地局200は、ステップS303において、利用可能な拡散系列のサブグループを取り込み、その後、順序付けられたウォルシュ−アダマールの第1の利用可能な拡散系列を取り込む。
【0087】
基地局200は、2つのサブグループの場合にMottierおよびCastelainの論文「A spreading sequence allocation procedure for MC-CDMA transmission systems」(Proc IEEE VTC' 2000, September 2000 vol 3, pp 1270-1275)に開示されるように、サブグループの系列の拡散系列のうちの2つが受ける最大の劣化をサブグループ毎に計算する。
【0088】
基地局は、最小限の干渉を与える2つの選択されたサブグループの中から拡散系列のサブグループを選択する。
【0089】
図4は、本発明による、拡散されたパイロットシンボルに関する推定値に基づいてデータシンボルをチャネル等化するためのアルゴリズムである。
【0090】
ステップS400では、アンテナ201を通してK個の動作中の移動端末100によって生成されるK個の同期した信号の和を求めるために、基地局200は受信された信号を復調して、サイクリックプレフィックスΔを除去する。
【0091】
ステップS401では、基地局200は、2次元チップデマッピングブロック203によって、復調された信号を時間領域および周波数領域においてデマッピングする。
【0092】
ステップS402では、基地局200は、デマッピングされた信号を、パイロットシンボルを拡散するために個々の移動端末によって用いられるのと同じ拡散系列と乗算することにより、各移動端末によって送信された各パイロットシンボルを逆拡散する。
【0093】
ステップS403では、基地局200は、デマッピングされた信号を、データシンボルを拡散するために個々の移動端末によって用いられる拡散系列(複数可)と同じ拡散系列(複数可)と乗算することにより、各移動端末によって送信された各データシンボルを逆拡散する。
【0094】
ステップS404では、基地局200は、受信された個々のパイロットシンボルの観測結果に基づいて、動作中の各移動端末100と基地局200との間のチャネル周波数応答を推定する。
【0095】
ステップS405では、基地局200は、ステップS404において行われたチャネル周波数応答の個々の推定値に従って、動作中の各移動端末100によって受信された、逆拡散されたデータシンボルを等化する。
【0096】
ステップS406では、基地局200は、動作中の各移動端末によって受信された、等化されたデータシンボルをデマッピングする。
【0097】
ステップS407では、基地局200は、動作中の移動端末100の送信されたデータを探索するために、デマッピングされたデータシンボルをデインターリーブし、復号化する。
【0098】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、これまでに説明された本発明の実施形態に対して数多くの変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明による基地局および移動端末のブロック図である。
【図2】第1の実施形態による、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てるためのアルゴリズムを示す図である。
【図3】第2の実施形態による、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てるためのアルゴリズムを示す図である。
【図4】本発明による、拡散されたパイロットシンボルに関する推定に基づいてデータシンボルをチャネル等化するためのアルゴリズムを示す図である。
【図5】サイズLが8に等しい原始ウォルシュ−アダマール行列Wの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100、100a、100b、100k 移動端末、
101a、101b データビット発生器
102a、102b インターリーブブロック
103a、103b マッピングブロック
104a、104b 拡散ブロック
105a、105b パイロットシンボル発生器
106a 拡散ブロック
107a、107b 加算器
108a、108b 次元チップマッピング
109a、109b 変調器
110 アンテナ
200 基地局
201 アンテナ
202 復調器
203 次元チップデマッピングブロック
210、210a、210b 移動モジュール
211a、212a 逆拡散ブロック
213a チャネル推定モジュール
214a 等化モジュール
215a デマッピングモジュール
216a 復号化ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末(100a、100b)に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法であって、各サブグループは、他のサブグループに含まれる前記拡散系列とは異なる拡散系列を含み、該拡散系列のサブグループはそれぞれ、第1の拡散系列と、少なくとも1つの他の拡散系列とを含み、該第1の拡散系列の各要素は、前記第1の拡散系列が割り当てられた移動端末によって、送信されることになるパイロットシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信され、前記少なくとも1つの他の拡散系列の各要素は、該拡散系列を割り当てられた前記移動端末によって、送信されることになるデータシンボルと乗算され、その後、対応するサブキャリア上で送信されることを特徴とする、マルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項2】
前記拡散系列の1つのサブグループの第1の拡散系列はそれぞれ、前記拡散系列のサブグループのうちの前記他の拡散系列に由来する干渉を最小限に抑える拡散系列であることを特徴とする、請求項1に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項3】
前記1組の拡散系列は前記拡散系列の複数の順序付けられたグループに分解され、前記拡散系列の該順序付けられたグループは前記拡散系列の重ならないサブグループに分割され、前記拡散系列の前記順序付けられたグループの中の前記拡散系列の最適な順序付けられたグループが、個々のサブグループの拡散系列間で受ける劣化を最小限に抑えることによって決定され、前記最適な順序付けられたグループに含まれる前記拡散系列のサブグループは移動端末に割り当てられることを特徴とする、請求項2に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項4】
前記最適な順序付けられたグループを決定するステップは、前記拡散系列のそれぞれの順序付けられたグループのサブグループ毎に、前記サブグループの拡散系列の対が受ける最大の劣化を考慮に入れるコスト関数を計算することによって行われ、前記拡散系列の前記最適な順序付けられたグループは、各サブグループの中で前記計算されたコスト関数の最大値が最小であるサブグループを含む拡散系列の前記順序付けられたグループとして決定されることを特徴とする、請求項3に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項5】
前記拡散系列はウォルシュ−アダマール系列であり、前記拡散系列の前記サブグループは自然ウォルシュ−アダマール行列の行あるいは列から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項6】
前記拡散系列の前記サブグループはそれぞれ、前記自然ウォルシュ−アダマール行列の連続した行あるいは列によって形成されることを特徴とする、請求項5に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項7】
前記自然ウォルシュ−アダマール行列内の1つのサブグループの第1の行あるいは列は、前記拡散系列の別のサブグループの最後の行あるいは列まで連続していることを特徴とする、請求項6に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項8】
前記マルチキャリア伝送ネットワークはマルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワークであることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマルチキャリア伝送ネットワークの移動端末に対して1組の拡散系列のうちの拡散系列のサブグループを動的に割り当てる方法。
【請求項9】
マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局に移動端末によって送信されるデータシンボルを等化する方法であって、前記基地局によって実行される、
パイロットシンボルを、該パイロットシンボルを送信する前記移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの所定の拡散系列と乗算することによって、各移動端末によって送信される前記パイロットシンボルを逆拡散するステップと、
データシンボルを、該データシンボルを送信する前記移動端末に割り当てられる拡散系列の前記サブグループの前記他の拡散系列と乗算することによって、各移動端末によって送信される前記データシンボルを逆拡散するステップと、
前記個々の移動端末によって送信される、前記逆拡散されたパイロットシンボルの観測結果に基づいて、各移動端末と前記基地局との間のチャネル周波数応答を推定するステップと、
前記データシンボルを送信する前記個々の移動端末と前記基地局との間のチャネル周波数応答の推定値に基づいて、前記逆拡散されたデータシンボルをそれぞれ等化するステップとを含む、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局に移動端末によって送信されるデータシンボルを等化する方法。
【請求項10】
マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の移動端末から拡散されたシンボルを受信する基地局であって、
パイロットシンボルを、該パイロットシンボルを送信する前記移動端末に割り当てられる拡散系列のサブグループの所定の拡散系列と乗算することにより、各移動端末によって送信される前記パイロットシンボルを逆拡散するための手段と、
データシンボルを、該データシンボルを送信する前記移動端末に割り当てられる拡散系列の前記サブグループの前記他の拡散系列と乗算することにより、各移動端末によって送信される前記データシンボルを逆拡散するための手段と、
前記逆拡散されたパイロットシンボルの観察に基づいて、各移動端末と前記基地局との間のチャネル周波数応答を推定するための手段と、
前記データシンボルを送信する前記個々の移動端末と前記基地局との間の前記チャネル周波数応答の推定値に基づいて、前記逆拡散されたデータシンボルをそれぞれ等化するための手段とを含むことを特徴とする、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の移動端末から拡散されたシンボルを受信する基地局。
【請求項11】
マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局から拡散系列のサブグループを受信する移動端末であって、
前記基地局から受信される前記拡散系列のサブグループの中から第1の拡散系列を決定するための手段と、
前記第1の拡散系列の各要素を送信されることになるパイロットシンボルと乗算するための手段であって、前記要素はその後、対応するサブキャリア上で送信される、乗算するための手段と、
前記拡散系列の前記サブグループの少なくとも1つの他の拡散系列の各要素を、送信されることになるデータシンボルと乗算するための手段であって、前記要素はその後、対応するサブキャリア上で送信される、乗算するための手段とを備えることを特徴とする、マルチキャリア符号分割多元接続伝送ネットワーク内の基地局から拡散系列のサブグループを受信する移動端末。
【請求項12】
プログラマブルデバイス上で実行される際に、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実施するための命令、あるいはコードの一部を含む、プログラマブルデバイスに直にロードすることができるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−25415(P2006−25415A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−186957(P2005−186957)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION TECHNOLOGY CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】