説明

マルチステーション型遊技機

【課題】ジャックポット(以下「JP」という。)の当選演出のために、ゲームを中断しても、ゲームが行えない退屈な時間が最小限にできるマルチステーション型遊技機の提供。
【解決手段】入賞内容としてのJPを時系列順に保持可能な入賞内容保持手段53C と、JP演出中に新たなJP当選が生じると、入賞内容保持手段53C に新たなJPを保持させ、その実行を保留する演出・払出モード判定手段53D とを設け、複数のJP当選が短時間に発生しても、最初のJPのみに対応し、他は保留されるようにする。残りのJPは、入賞内容保持手段53C に保持され、その次の通常アタリ当選時に行われるようにする。これにより、複数回のJP演出が続いて行われることがなく、JP演出のために、ゲームを中断しても、ゲームが行えない退屈な時間を最小限に抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置が設けられた複数の遊技ステーションを備え、表示装置の画面に映し出される映像を見ながら複数の遊技者が同時にゲームを行えるようになっているマルチステーション型遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技者が遊技を行うための遊技機である遊技ステーションを複数備え、これらの遊技ステーションを通信手段で相互に接続し、複数の遊技者に同じゲームを行わせることができるマルチステーション型遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
このようなマルチステーション型遊技機によれば、各遊技ステーションの遊技者同士を競わせる対戦型ゲームが行えるだけでなく、各遊技ステーションで個々にプレイされるゲームと、当該マルチステーション型遊技機でゲームを行っている遊技者全員が参加可能なジャックポットゲームとを同時に進行させることもできる。
【0003】
ここで、ジャックポットゲームについて簡単に説明すると、通常の遊技の他に、ジャックポットに当選するまで、投入されたメダルが積み立てられていき、ジャックポットに当選すると、それまでに積み立てられたメダルの一部又は全部が払い出されるゲームがジャックポットゲームである。
このようなジャックポットゲームでは、積み立てられたメダルが払い出されずに大量に貯まることがあるので、ジャックポットにタイミングよく当選すれば、非常に多くのメダルを獲得することができる。
また、一の遊技ステーションがゲームジャックポットに当選した際に、当該遊技ステーションのゲームを中断して、当該遊技ステーションにおいてメダルの払出および当選演出を行い、これと同時に、マルチステーション型遊技機の全遊技ステーションに対しても、ジャックポットの当選演出を行うようにしている。これにより、どの遊技ステーションの誰がジャックポットに当選したのかを、他の遊技者に報知することができる。
【0004】
このようなジャックポットゲームを行うことにより、マルチステーション型遊技機のゲーム性を高めることができるとともに、そのゲームを白熱させることができる。
【特許文献1】特開2002−239236号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようなジャックポットゲームを行うマルチステーション型遊技機では、短時間に複数の遊技ステーションがジャックポットに当選すると、マルチステーション型遊技機全体における当選演出をジャックポットに当選した遊技ステーション毎に順次行って行くので、時間的に遅れてジャックポットに当選した遊技者は、自分よりも先にジャックポットに当選した遊技者の当選演出が終わらないと、自分の当選演出が開始されず、自分の当選演出が終わらないと、ゲームが再開できず、ゲームが行えない退屈な時間が長く連続する、という問題が発生する。
本発明の目的は、全遊技ステーションに対してジャックポットの当選演出を行うとともに、ジャックポットの当選演出のために、当該遊技ステーションのゲームを中断するようにしても、ゲームが行えない退屈な時間が最小限に抑制されるようになるマルチステーション型遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に説明する各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、以下の各構成要件には、説明の便宜上、実施の形態において用いた符号を付すが、これにより、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置(21)が設けられ、この表示装置(21)の画面(21B) に映し出される映像を見ながら遊技者がゲームを行えるようになっている複数の遊技ステーション(2)と、これらの遊技ステーション(2)の全体的な動作を制御するための遊技制御装置(3)と、前記複数の遊技ステーション(2)及び前記遊技制御装置(3)を相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段(4)とを備えたマルチステーション型遊技機(1)であって、前記複数の遊技ステーション(2)は、通常のゲームの他に、入賞するまでポイントが積み立てられるジャックポットゲームもプレイされ、ジャックポットに入賞すると、ジャックポットの演出が行われ、このジャックポットの演出の開始から終了まで、すべての遊技ステーション(2)におけるゲームが中断されるように設定されたものであり、各遊技ステーション(2)には、通常のアタリ及び前記ジャックポットを含む複数種類の入賞内容の中から一の入賞内容を抽選する入賞内容抽選手段(53B) と、前記入賞内容抽選手段(53B) が抽選で選び出した入賞内容のうち、前記ジャックポットが入賞内容として時系列順に保持可能なっている入賞内容保持手段(53C) と、他の遊技ステーション(2)でジャックポットの演出が行われているときに、ジャックポットに入賞すると、前記入賞内容保持手段(53C) にジャックポットを入賞内容として保持させるとともに、ジャックポットの演出及び払い出しを行わず、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行い、且つ、前記入賞内容保持手段(53C) に第1番目の入賞内容としてジャックポットが保持されているとともに、他の遊技ステーション(2)でジャックポットの演出が行われていないときに、通常のアタリに入賞すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、ジャックポットの演出を行う演出・払出モード判定手段(53D) とが設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前述した請求項1記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、ジャックポットに入賞すると、ジャックポット入賞信号を前記遊技制御装置(3)へ送出するとともに、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、前記ジャックポット入賞信号の返信信号として前記遊技制御装置(3)から受け取ると、前記入賞内容保持手段(53C) にジャックポットを入賞内容として保持させ、且つ、ジャックポットの演出及び払い出しの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものが、前記演出・払出モード判定手段(53D) として採用されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、前述した請求項2記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記入賞内容抽選手段(53B) が抽選で選び出す入賞内容として、所定の期間において、すべての遊技ステーション(2)で行われるゲームについて、アタリおよびハズレの何れに対しても、当該ゲームを行うために投入されたポイントに相当するポイントが遊技者に全部払い出されるチャンスタイムゲームを行う遊技モードへ移行するチャンスタイムが設定され、前記入賞内容保持手段(53C) は、前記入賞内容抽選手段(53B) が抽選で選び出したチャンスタイムも、前記ジャックポットと同様に、入賞内容として時系列順に保持可能とされ、前記演出・払出モード判定手段(53D) は、他の遊技ステーション(2)でジャックポットの演出、及び、チャンスタイムゲームの一方が行われているときに、ジャックポット及びチャンスタイムの何れか入賞すると、前記入賞内容保持手段(53C) にジャックポット及びチャンスタイムの何れかを入賞内容として保持させるとともに、ジャックポットの演出及び払い出し、並びに、チャンスタイムゲームのいずれかの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うように設定され、且つ、前記入賞内容保持手段(53C) に第1番目の入賞内容としてジャックポット及びチャンスタイムのいずれかが保持されているとともに、他の遊技ステーション(2)でジャックポットの演出及び払い出し、並びに、チャンスタイムゲームの何れもが行われていないときに、通常のアタリに入賞すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、当該第1番目の入賞内容に対応した動作を行うように設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前述した請求項3記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、チャンスタイムに入賞すると、チャンスタイム入賞信号を前記遊技制御装置(3)へ送出するとともに、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、前記チャンスタイム入賞信号の返信信号として前記遊技制御装置(3)から受け取ると、前記入賞内容保持手段(53C) にチャンスタイムを入賞内容として保持させ、且つ、チャンスタイムゲームの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものが、前記演出・払出モード判定手段(53D) として採用されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前述した請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項5記載の発明は、前記複数の遊技ステーション(2)に設けられている表示装置(21)の各々にCRT(21A) が設けられ、かつ、これらのCRT(21A) の各々を内部に収納するとともに、鉄製の板材で箱状に形成されたシールドボックス(11B) が設けられていることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、前述した請求項1から請求項5までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
【0011】
すなわち、請求項6記載の発明は、円盤状に形成された回転盤(12A) と、この回転盤(12A) の両面の各々に形成されるとともに、その周方向に沿って配列された複数の入賞領域(25A) と、これらの入賞領域(25A) の内側に形成されるとともに、遊技者に払い出される払出ポイントに対応した数字が記された払出ポイント表示部(25B) とを備え、遊技者に払い出される払出ポイントを指定された入賞領域(25A) の払出ポイント表示部(25B) に記された数字で表すルーレット装置(12)が設けられ、前記複数の遊技ステーション(2)は、当該マルチステーション型遊技機(1)の長手方向に沿って二列に配列され、且つ、各遊技ステーション(2)の表示装置(21)の画面(21B) は、当該マルチステーション型遊技機(1)の前記長手方向に沿った側面に一列に配列され、前記ルーレット装置(12)は、当該マルチステーション型遊技機(1)の頂部中央に配置されるとともに、前記回転盤(12A) が当該マルチステーション型遊技機(1)の前記長手方向に沿って配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7記載の発明は、前述した請求項6記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項7記載の発明は、前記ルーレット装置(12)に、前記回転盤(12A) の周縁と係合するとともに、当該回転盤(12A) を回転自在に支持する複数の支持ローラ(26A) と、前記回転盤(12A) と係合する駆動ローラ(27A) と、この駆動ローラ(27A) を介して前記回転盤(12A) を回転駆動する電動機(28)とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(請求項1の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、
ジャックポットを入賞内容として時系列順に保持可能な入賞内容保持手段と、ジャックポットの演出中に新たなジャックポットの当選が生じると、前述の入賞内容保持手段に新たなジャックポットを保持させ、ジャックポットの演出及び払い出しを保留する演出・払出モード判定手段とを設けたので、ジャックポットへの当選が短時間の間に複数回発生しても、最初のジャックポットに対応する当選演出のみが行われ、それ以降のジャックポットに対応する当選演出は、その直後に連続して行われることが回避され、その次に通常のアタリの当選が出てから行われるようになる。
【0014】
このため、複数回のジャックポット当選演出が連続的に行われることがなく、ジャックポットの当選演出のために、遊技ステーションのゲーム中断も連続することがなく、ゲームが行えない退屈な時間が最小限に抑制されるようになる。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、ジャックポット入賞信号に対する返信信号である復帰信号を遊技制御装置から受け取ると、前記入賞内容保持手段にジャックポットを入賞内容として保持させる演出・払出モード判定手段を採用したので、ジャックポットの当選演出を行っている間に発生した別のジャックポットの当選処理を一時的に省略しても、入賞内容保持手段の保持内容を参照すれば、それ以降の適宜な時期にタイミングをずらすことが可能となり、省略した当選処理が適切な時期に行え、保留したジャックポットが実行されずにゲームが終わる等の不都合が何ら発生しない。
【0015】
また、前述の演出・払出モード判定手段が、ジャックポットの当選演出中に発生した別のジャックポットに対する払い出しを省略し、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行うので、その後で発生したアタリの処理に代えてジャックポットの処理を行っても、処理を実行する順番が異なるだけで、払い出されるポイントは同じになり、予め設定されているペイアウト率の変動を未然に防止することができる。
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0016】
すなわち、請求項3記載の発明によれば、チャンスタイムゲームを行う遊技モードの追加により、マルチステーション型遊技機のゲーム性を更に高めることができ、ゲームを一層白熱させることができる。
この際、ジャックポットの当選及びチャンスタイムの当選がほぼ同時に発生しても、先に発生したもののみが実行され、後に発生したものの実行が保留されるので、チャンスタイムゲームの実行中にジャックポットの当選が発生しても、チャンスタイムゲームが中断される等、ゲームを進行させる上での不具合が何ら発生することがない。
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0017】
すなわち、請求項4記載の発明によれば、チャンスタイム入賞信号に対する返信信号である復帰信号を遊技制御装置から受け取ると、前記入賞内容保持手段にチャンスタイムを入賞内容として保持させる演出・払出モード判定手段を採用したので、チャンスタイム又はジャックポットの当選演出を行っている間に発生した別のチャンスタイムの当選処理を一時的に省略しても、入賞内容保持手段の保持内容を参照すれば、それ以降の適宜な時期にタイミングをずらすことが可能となり、省略した当選処理が適切な時期に行え、保留したチャンスタイムが実行されずにゲームが終わる等の不都合が何ら発生しない。
また、前述の演出・払出モード判定手段が、チャンスタイム又はジャックポットの当選演出中に発生した別のチャンスタイムに係るチャンスタイムゲームを省略し、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行うので、その後で発生したアタリの処理に代えてチャンスタイムゲームを行っても、処理を実行する順番が異なるだけで、払い出されるポイントは同じになり、予め設定されているペイアウト率の変動を未然に防止することができる。
【0018】
(請求項5の効果)
請求項5記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5記載の発明によれば、遊技ステーションの各CRTを互いに近づけて配置しても、各CRTがシールドボックスの内部に収納されているので、一のCRTが発生する電磁気が他のCRTに到達せず、互いの電磁気による干渉がCRTに発生しなくなる。これにより、複数のCRTを近接させて配置することが可能となり、複数の遊技ステーションを有するマルチステーション型遊技機の小型化が図れるようになる。
【0019】
(請求項6の効果)
請求項6記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項5までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項6記載の発明によれば、ジャックポットの当選により、遊技者に払い出される払出ポイントを、あたかもルーレットで決定するように見せる演出を行うことができるとともに、ルーレット装置の回転盤は、マルチステーション型遊技機の長手方向の両側でゲームを行う遊技者全員に見えるものとなるので、ジャックポットに当選しなかった遊技者も、ジャックポットの当選演出をそれなりに楽しむことができ、ゲームが行えない時間が発生しても、ゲームへの熱意や競争心が維持されるようになり、この点からも、ゲームを白熱させることができる。
【0020】
(請求項7の効果)
請求項7記載の発明によれば、上記した請求項6記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項7記載の発明によれば、その両面のほぼ全面が露出する回転盤を支持するにあたり、当該回転盤と係合する支持ローラを採用したので、当該回転盤の中心を回転軸で支持する場合と異なり、支持機構を回転盤の内部に設ける必要がなく、回転盤としては、平板状のものが採用できるようになる。
このため、回転盤を大型のものにしても、薄く且つ軽くすることができるので、ルーレット装置の軽量化が容易に達成でき、このルーレット装置が上部に載置されるマルチステーション型遊技機に加わる荷重も軽減され、マルチステーション型遊技機の外側を覆う筐体の構造を簡略なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための最良の形態である一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図8は、本実施形態を示すものである。図1は、本実施形態に係るマルチステーション型遊技機であるシューティングゲーム機を示す正面図、図2は、本実施形態に係るシューティングゲーム機を示す側面図、図3は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大背面図、図4は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大平面図、図5は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大側面図、図6は、本実施形態に係るルーレット装置を示す拡大正面図、図7は、本実施形態に係るルーレット装置を示す拡大側面図、図8は、本実施形態に係るルーレット装置に設けられた回転盤の支持機構を示す拡大断面図、図9は、本実施形態に係るシューティングゲーム機の概略構成を示すブロック図、図10は、本実施形態に係る遊技ステーションを示すブロック図である。
【0022】
本実施形態に係るマルチステーション型遊技機は、遊技者が仮想的に射撃を行うシューティングゲーム機1である。このシューティングゲーム機1は、図1及び図2の如く、複数の遊技者が同時に遊技を行えるように、複数の遊技ステーション2を一つの筐体11に納めたマルチステーション型のゲーム機である。なお、遊技ステーション2は、それ単体でもシューティングゲームが行えるものとなっている。
筐体11の両側には、遊技ステーション2の設置部位が設けられている。複数の遊技ステーション2は、全数のうちの半数ずつに分けられて筐体11の両側に配置され、平面視で筐体11の側面に沿った列を二列形成している。換言すると、複数の遊技ステーション2は、シューティングゲーム機1の長手方向に沿って二列に配列されている。
【0023】
ここで、シューティングゲーム機1は、後で詳述するが、入賞するまでポイントが積み立てられ、ジャックポット(以下、「JP」と略す。)に入賞すると、積み立てられたJPポイントが払い出されるJPゲーム、及び、所定の期間において、すべての遊技ステーションで行われるゲームについて、アタリおよびハズレの何れに対しても、当該ゲームを行うために投入されたポイントに相当するポイントが遊技者に全部払い出されるチャンスタイムゲームも行われるように設定されている。
このため、シューティングゲーム機1は、遊技ステーション2の各々で射撃が行われるたびに、遊技者がJPやチャンスタイム(以下、「CT」と略す。)等に当選したか否かを抽選する入賞内容抽選(後で詳述する。)を行うものとなっている。
【0024】
そして、筐体11の上面部分には、ジャックポットに所定回当選した遊技者に払い出されるメダルの枚数を示すルーレット装置12が設けられている。
また、各遊技ステーション2の上部には、複数のランプ13A が水平に一列並んだ水平配列照明部13が設けられている。筐体11の各側面の中央に配置された遊技ステーション2及びルーレット装置12の間には、遊技ステーション2の上端縁とルーレット装置12の下端部とを連結する傾斜路14A が設けられている。この傾斜路14A の上面には、当該傾斜路14A の長手方向に複数のランプ14B が一列に並んだ傾斜配列照明部14が設けられている。
さらに、筐体11の側面の高さ方向における略中央部分には、上側が退くとともに下側が迫り出した段付部15が設けられている。
【0025】
水平配列照明部13及び傾斜配列照明部14は、一の遊技者がジャックポットに所定回当選し、メダルが払い出されることとなると、当該遊技者の遊技ステーション2からルーレット装置12へ向かって光が流れるように、そのランプ13A, 14Bの点滅を繰り返すように構成されたものとなっている。
遊技ステーション2の各々は、マイクロコンピュータを応用した遊技機であり、小さな子供でも容易に行えるように、著しく簡略化された操作用装置を操作することでシューティングゲームが行えるようになっている。
すなわち、遊技ステーション2の各々には、図1の如く、動画を含む様々な映像を表示することが可能なCRT21A を備えた表示装置21と、遊技を操作するための操作用装置であるメダル投入装置30と、払い出されるメダル及び返却されるメダルの取り出し口22とが設けられている。このうち、表示装置21は、筐体11の段付部15の上方に設置され、メダル投入装置30は、段付部15の上面に設置され、取り出し口22は、段付部15の下方に設置されている。
【0026】
各遊技ステーション2に設けられているCRT21A の画面21B は、シューティングゲーム機1の長手方向に沿った各側面に一列に配列されている。
ここで、筐体11の内部には、CRT21A に応じた寸法を有するとともに、鉄製の板材で箱状に形成されたシールドボックス11B が設けられている。これらのシールドボックス11B の各々には、CRT21A が収納されている。
シールドボックス11B が、一のCRT21A から発生する電磁気を遮蔽し、他のCRT21A へ到達しないようにするものとなっている。これにより、CRT21A 同士の電磁気による干渉が発生せず、遊技ステーション2同士の近接配置とが可能となっている。
【0027】
メダル投入装置30は、表示装置21の画面に映し出された標的を向かって弾丸を発射するシューティングゲーム上の銃砲装置を撃発させる、シューティングゲーム上の撃発装置となっており、このメダル投入装置30にメダルを投入することにより、前述の銃砲装置が弾丸を仮想的に発射するようになっている。
すなわち、メダル投入装置30には、メダルが適正なものか否かを判定するメダルセレクタ31と、このメダルセレクタ31を内部に収納するメダルセレクタカバー32と、メダルが投入される投入口33と、遊技ステーション2にメダルを返却させる際に押圧される返却ボタン34と、互いに重ね合わされた複数のメダルをその状態のまま投入口33へ案内するためのメダルガイド溝35と、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30全体を回動可能に支持するための支持軸36と、メダルセレクタ31の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段37(図4にのみ示す。)とが設けられている。
【0028】
ここで、筐体11の段付部15の上面には、当該段付部15の上面を形成する平板部材16を貫通する開口17が設けられている。
メダルセレクタ31及びメダルセレクタカバー32は、メダルセレクタカバー32の内部に設けられた図示しない支持ブラケットを介して支持軸36に固定されている。この支持軸36は、筐体11の内部に設けられた支持フレーム11A に回転可能に取り付けられている。これにより、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30は、平面視で、筐体11の段付部15の上面に設けられた開口17の内側となる範囲において回動可能となっている。
メダルセレクタカバー32は、銃砲の形態に形成された、具体的にいうと、中世時代に使用された大砲の形をデフォルメしたものとなっている。このメダルセレクタカバー32の周縁には、筐体11の段付部15の上面に沿って広がるとともに、開口17を下方から塞ぐための鍔部38が設けられている。この鍔部38は、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30が左右の限界位置まで回動されても、開口17を完全に塞ぐことができる大きさを有するものとなっている。
【0029】
投入口33は、メダルセレクタカバー32の表裏を貫通するとともに、メダルセレクタ31に投入されるメダルを挿通させる細長い長孔となっている。
メダルガイド溝35は、投入口33に10枚程度のメダルを連続的に投入させるためのものである。すなわち、メダルガイド溝35は、重ね合わされた10枚程度のメダルに応じた長さ寸法を有するとともに、メダルの半径に応じた曲率のU字断面を有している。
回転角度位置検出手段37は、図4に示すように、櫛形状に形成された参照スケール部材37A と、この参照スケール部材37A に対する相対的な位置を検出する位置検出部37B とを備えたものとなっている。
【0030】
参照スケール部材37A は、支持軸36を中心点とする円弧上に沿って所定のピッチで配列された複数の目盛歯37C を備えたものである。これらの目盛歯37C は、互いに隣り合うものとの間に所定寸法の隙間が設けられている。
位置検出部37B は、目盛歯37C の通過を検出する第1通過センサ371 および第2通過センサ372 を備え、参照スケール部材37A が回動することにより、通過センサ371, 372の近傍を目盛歯37C が通過すると、参照スケール部材37A の回動した角度に応じた数の位置パルス信号を出力するものとなっている。なお、第1通過センサ371 および第2通過センサ372 としては、光学式の通過センサ、例えば、フォトインタラプタが採用できる。
【0031】
ここで、第1通過センサ371 および第2通過センサ372 の間には、所定寸法の隙間が設けられている。この第1通過センサ371 および第2通過センサ372 の間隔は、目盛歯37C のピッチを整数倍した値とは若干異なる寸法に設定されている。
これにより、第1通過センサ371 から出力される第1位置パルス信号、及び、第2通過センサ372 から出力される第2位置パルス信号は、参照スケール部材37A の回動方向に応じて、一方が他方に対して若干遅れて出力され、これにより、参照スケール部材37A の回動方向が判別可能となっている。
例えば、参照スケール部材37A が時計方向へ回動する場合には、位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号のうち、第1位置パルス信号が先に立ち上がった後、第2位置パルス信号が遅れて立ち上がり、その後、第1位置パルス信号が先に立ち下がってから、第2位置パルス信号が遅れて立ち下がるようになっている。
【0032】
逆に、参照スケール部材37A が反時計方向へ回動する場合には、位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号のうち、第2位置パルス信号が先に立ち上がった後、第1位置パルス信号が遅れて立ち上がり、その後、第2位置パルス信号が先に立ち下がってから、第1位置パルス信号が遅れて立ち下がるようになっている。
このような位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの順番を検知することより、参照スケール部材37A の回動方向を判別することができるようになっている。
ルーレット装置12は、図1及び図2に示すように、複数の数値が両面に記されるとともに、筐体11に固定されたリング状カバー部材23と、このリング状カバー部材23に回転可能に支持された回転盤12A と、この回転盤12A の数値を指し示すために、前述のフレームを介して筐体11に固定されたポインタ12B とを有している。
【0033】
このルーレット装置12は、シューティングゲーム機1に設けられている筐体11の頂部中央に配置されている。そして、回転盤12A は、その両面がシューティングゲーム機1の長手方向に沿って配置されている。これにより、シューティングゲーム機1の遊技ステーション2でゲームを行っているすべての遊技者は、回転盤12A の両側面のうちの一方を見ることができるようになっている。
また、ルーレット装置12は、回転盤12A の回転の駆動及び停止を制御する図示しない制御装置を備えたものである。この制御装置は、シューティングゲーム機1の本体側に設けられた後述する遊技制御装置3の指示する任意の回転角度位置に回転盤12A を停止させることが可能となったものである。
【0034】
回転盤12A は、図6及び図7に示すように、平板材を円盤状に裁断した円板部24A と、この円板部24A の外周縁部分に沿うように、金属製の比較的薄い平板材等をリング状に裁断した環状部24B とを有するものとなっている。
ここで、円板部24A 及び環状部24B は、図8の如く、互いに一方の側面を対向させるとともに、円板部24A の側面の内縁部分と環状部24B の側面の外縁部分とを重ね合わせた状態で、相互に接合されている。これにより、回転盤12A の両面には、段差24C, 24Dが形成されている。
図6に戻って、円板部24A 両側面の各々には、その周方向に沿って配列された複数の入賞領域25A と、これらの入賞領域25A の内側に形成されるとともに、遊技者に払い出される払出ポイントに対応した数字、具体的には、ジャックポット当選時に払い出されるメダルの枚数が記された払出ポイント表示部25B とが設けられている。
【0035】
換言すると、回転盤12A は、ジャックポットの当選演出時に、回転駆動された後停止され、停止したときに、ポインタ12B が一つの入賞領域25A を指し示すものとなっている。そして、ポインタ12B が示す一つの入賞領域25A に記された数字が、遊技者に払い出されるメダルの枚数となっている。
リング状カバー部材23は、図6及び図7に示すように、回転盤12A の周縁部分を覆う略C形の断面形状を有するとともに、当該回転盤12A の周縁部分に沿うように環状に形成されたものである。ここで、回転盤12A の入賞領域25A 及び払出ポイント表示部25B は、リング状カバー部材23の中央部分に形成されている開口23A から外部に露出するようになっている。
【0036】
リング状カバー部材23の内部には、回転盤12A の周縁と係合するとともに、当該回転盤12A を回転自在に支持する複数の支持ローラ26A と、回転盤12A の支持ローラ26A との係合を維持する脱落防止ローラ26B と、回転盤12A を間に挟持するように配置された駆動ローラ27A 及び送りローラ27B (図7にのみ示す。)とが設けられている。そして、リング状カバー部材23の下方には、駆動ローラ27A を介して回転盤12A を回転駆動する電動機28が設けられている。
支持ローラ26A は、図8に示されるように、回転盤12A に設けられている円板部24A の周端面に、その周端面を接触させた状態で、リング状カバー部材23の内周面から内側に突出する取付ブラケット26C に回転自在に取り付けられている。
【0037】
ここで、支持ローラ26A は、図6の如く、円板部24A の周方向に沿ってほぼ等間隔に三箇所設けられている。これら三つの支持ローラ26Aにより、回転盤12A は、その径方向に移動不可能、且つ、回転自在にリング状カバー部材23に固定されている。
また、支持ローラ26A には、図8の如く、回転盤12A の一方の側面と係合する鍔部26D が設けられている。
脱落防止ローラ26B は、支持ローラ26A とは互いに回転軸が直行するように配置されるとともに、支持ローラ26A の鍔部26D が係合している回転盤12A の側面とは反対側となる側面に係合するものとなっている。
【0038】
換言すると、脱落防止ローラ26B は、その周端面が支持ローラ26A の鍔部26D とは反対側から回転盤12A の側面に接触し、この状態で、リング状カバー部材23の内周面に突設された前述の取付ブラケット26C に回転自在に取り付けられている。
また、脱落防止ローラ26B は、図6に示すように、支持ローラ26A と同様に、円板部24A の周方向に沿ってほぼ等間隔に三箇所設けられている。
これらの脱落防止ローラ26B 、及び、支持ローラ26A の鍔部26Dにより、回転盤12A は、その回転軸の長手方向に移動不可能、且つ、回転自在にリング状カバー部材23に固定されている。
【0039】
駆動ローラ27A は、減速用のギアボックス27C を介して電動機28のトルクが伝達されるとともに、その周端面が脱落防止ローラ26B が接触しているのと同じ側となる回転盤12A の側面に押圧されて摩擦接触し、これにより、伝達されたトルクで回転盤12A を回転駆動するものとなっている。
送りローラ27B は、回転盤12A を挟んで駆動ローラ27A とは反対側から回転盤12A の側面に向かって押圧されたものである。これにより、駆動ローラ27A は、回転盤12A の側面への摩擦力が充分確保されるようになっている。
電動機28は、前述の図示しない制御装置によりPWM制御されることにより、回転盤12A を所定の回転速度で回転駆動するとともに、当該回転盤12A を任意の回転角度位置に停止させるものとなっている。
【0040】
更に詳しく説明すると、回転盤12A の外周縁部分に設けられた環状部24B には、回転盤12A の回転角度位置を検出するために、周方向に等間隔に配列された多数の透孔29A が設けられている。
また、環状部24B の周縁には、回転盤12A の原点を検出するために、径方向外側に開口された切り欠き部29C がその周方向に沿って配列されている。これらの切り欠き部29C は、透孔29A 5個分の角度間隔に相当する角度間隔をおいて、回転盤12A の周方向に沿って等間隔に配列されている。
一方、リング状カバー部材23には、回転盤12A の透孔29A と重なる位置に配置されたフォトインターラプタ29B と、回転盤12A の切り欠き部29C と重なる位置に配置されたフォトインターラプタ29D とが設けられている。
【0041】
このうち、フォトインターラプタ29B は、その図示しない投光素子及び受光素子が回転盤12A に設けられた多数の透孔29A のなす列を間に挟むように配置されたものとなっている。これにより、回転盤12A が所定の微小角度回転する毎に、フォトインターラプタ29B の受光素子から、一つのパルス信号が出力され、回転する回転盤12A の回転角度位置が細かく検知可能となっている。
一方、フォトインターラプタ29Dは、切り欠き29C が設けられた回転盤12A の周縁部分を両側から挟むように、その図示しない投光素子及び受光素子が配置されたものとなっている。これにより、回転盤12A が所定角度回転する毎に、フォトインターラプタ29D の受光素子から、一つのパルス信号が出力され、回転する回転盤12A の回転角度位置が大まかに検知可能となっている。
【0042】
なお、透孔29A や切り欠き部29C を検出する検出手段としては、フォトインターラプタに限らず、ホール素子等の磁気センサ等の近接センサでもよい。磁気センサを採用する場合には、透孔29A や切り欠き部29C に磁気を帯びた永久磁石等を嵌め込んでおくことが好ましい。
また、切り欠き部29C の設置間隔は、透孔29A 5個分の角度間隔に相当する角度間隔に限らず、透孔29A 5個分よりも少ない、例えば、4個分でもよいし、透孔29A 5個分よりも多い、例えば、8個分や10個分でもよく、その角度間隔は、実施にあたり適宜設定できる。
【0043】
以上のようなフォトインターラプタ29B,29Dにより、ルーレット装置12の制御装置は、回転盤12A の回転角度位置を正確に検知でき、シューティングゲーム機1の本体側に設けられた後述する遊技制御装置3の指示する任意の回転角度位置に回転盤12A を正確に停止できるようになっている。
図9は、本実施形態に係るシューティングゲーム機1の電気的な概略構成が示されている。図9において、シューティングゲーム機1には、前述した複数の遊技ステーション2の他に、当該シューティングゲーム機1の全体の遊技動作を制御するメインのCPUである遊技制御装置3と、これらの遊技ステーション2及び遊技制御装置3を相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段であるローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という。)4とが設けられている。
【0044】
このうち、LAN4としては、ハードウェアの入手が容易なもの、例えば、イーサネット(登録商標)等を採用するのが好ましい。
なお、LAN4の接続形態としては、図9に示すように、遊技制御装置3に設けられている後述する通信制御手段61を中心にして、その周囲に配置した遊技ステーション2を通信制御手段61に接続し、通信制御手段61を介して遊技ステーション2間の通信を行う星型の形態に限らず、通信制御手段61を起点として複数の遊技ステーション2を直列に接続して行き、通信制御手段61に戻って当該通信制御手段61を終点とするループ型の形態でもよい。
【0045】
遊技制御装置3は、マイクロコンピュータを応用した装置であり、各遊技ステーション2において単独で行われる遊技とは別に、シューティングゲーム機1全体、換言すると、すべての遊技ステーション2の遊技者が参加するジャックポット(以下、「JP」という)ゲームを行う機能と、すべての遊技ステーション2で行われるゲームについて、アタリおよびハズレの何れに対しても、当該ゲームを行うために投入されたポイントに相当するポイントが遊技者に全部払い出されるチャンスタイム(以下、「CT」という)ゲームを行う機能とを有するものとなっている。
なお、CTゲームは、所定の期間、具体的に言うと、CTに当選したことによりCTゲームが開始され、CTゲームの開始から所定の時間が経過するまでの間においてのみ、すべての遊技ステーションで行われるゲームについて、投入されたポイントに相当するポイントを遊技者に全部払い出すゲームである。そして、すべての遊技ステーション2は、CTゲームの開始から所定の時間が経過すると、元の状態へ復帰し、通常のゲームを行うようになっている。
【0046】
このような遊技制御装置3には、LAN4におけるデータ通信を制御する通信制御手段61と、通常のゲームにおいて各遊技ステーション2で発生したCTポイントを積み立てていくためのCTストック手段62と、通常のゲームにおいて各遊技ステーション2で発生したJPポイントを積み立てていくためのJPストック手段63と、すべての遊技ステーション2について、CT及びJPのいずれかに当選したか否かを監視するCT・JP監視手段64と、ルーレット装置12に対して起動指令、停止指令、及び、停止すべき回転角度位置データを送信するルーレット装置制御手段65とが設けられている。
ここで、遊技制御装置3は、CT・JP監視手段64の監視により、いずれかの遊技ステーション2においてCTの当選が発生したことを検知すると、CTに当選した遊技ステーション2以外の遊技ステーション2へCT開始信号を送出するようになっている。
【0047】
また、遊技制御装置3は、CT・JP監視手段64の監視により、いずれかの遊技ステーション2においてCTの当選及びJPの当選のいずれかが発生したことを検知すると、遊技ステーション2からの通信の呼出に対して、後述する復帰信号を送出して応答するようになっている。
なお、ルーレット装置12は、JPの入賞が発生すると、JPの演出を行うために起動されるものであり、ルーレット装置制御手段65が送出する回転角度位置データに基づいて、指定された回転角度位置に回転盤12A を停止させ、回転角度位置データに対応した一つの入賞領域25A の数字をポインタ12B が示すように制御されるようになっている。ここで、JPの入賞に当選した遊技ステーション2は、JPの演出が行われる際には、このJPの演出の開始から終了まで、実行中のゲームを中断するように設定されている。
【0048】
図10には、本実施形態に係る各遊技ステーション2の電気的な概略構成が示されている。遊技ステーション2の各々は、マイクロコンピュータを応用した装置であり、それぞれ単独でシューティングゲームを行うのに必要な機能を有している。
具体的には、遊技ステーション2の各々は、動画を含む様々な映像を表示することが可能なCRT21A を有する表示装置21を備え、この表示装置21の画面に映し出される標的を狙って遊技者が仮想的に射撃ゲームを行うものとなっている。
また、遊技ステーション2の各々には、図10の如く、表示装置21の他に、前述したメダルセレクタ31及び回転角度位置検出手段37と、遊技ステーション2の遊技動作を制御する遊技制御処理装置5と、表示装置21の画面に映し出される映像にあわせて演出用の音声を出力するための音声出力装置66と、メダルを遊技者に払い出すためのメダル払出装置67とが設けられている。
【0049】
以下に、遊技ステーション2の主要な構成要素である遊技制御処理装置5について詳しく説明する。
遊技制御処理装置5は、遊技ステーション2で行われるシューティングゲームそのものの動作制御、シューティングゲームにおけるメダル払出の制御、及び、メダル払出前後の演出動作の制御等、遊技ステーション2単独で行われる動作全般の制御を行うものとなっている。
このような遊技制御処理装置5には、図10に示すように、LAN4を介してメインのCPUである遊技制御装置3とデータ通信を行うための通信制御手段51と、メダルセレクタ31及び回転角度位置検出手段37からの信号を処理する入力信号処理手段52と、シューティングゲームのための動作を制御する遊技制御処理部53と、シューティングゲームの演出動作を制御する演出制御処理部54と、JPゲームのための動作を制御するJP制御処理部55と、メダル払出装置67を制御する払出制御処理部56と、メインのCPUである遊技制御装置3にストックすべきポイントの抽選を行うストック抽選手段57とが設けられている。
【0050】
このうち、遊技制御処理部53は、遊技者によるメダル投入装置30の操作タイミングや、その内部で行われる抽選の結果等に基づいて、表示装置21の画面に映し出される標的に弾丸が命中したか否かを判定しながら、シューティングゲームの動作を制御していくものとなっている。
すなわち、遊技制御処理部53には、仮想的に発射された弾丸が標的に命中したか否かを判定する命中判定手段53A と、弾丸が標的に命中した場合に、「ハズレ」及び「アタリ」等の入賞内容の中から一の入賞内容を抽選する入賞内容抽選手段53B と、この入賞内容抽選手段53B が抽選した入賞内容を、必要に応じて不要となるまで保持する入賞内容保持手段53C と、通常のゲームを行うモードからJP演出・払出のモード等へ移行できるか否かを判定する演出・払出モード判定手段53D とが設けられている。
【0051】
命中判定手段53A は、適正なメダルが投入された際に、メダルセレクタ31から発信される適正メダル投入信号と、回転角度位置検出手段37から出力されるパルス信号であって、メダル投入装置30の回転角度位置を示す角度位置信号とに基づき、仮想的に発射された弾丸が標的に命中したか否かを判定するものである。
更に詳しく説明すると、命中判定手段53A は、メダルセレクタ31からの適正メダル投入信号と、回転角度位置検出手段37からの角度位置信号とに基づき、狙った標的に対して、遊技者のメダル投入タイミング及びメダル投入装置30の回転角度位置の両方が適切であるか否かを検知し、この検知結果に応じて弾丸が標的に命中したか否かを判定するようになっている。
【0052】
入賞内容抽選手段53B は、一次抽選と二次抽選との二種類の抽選を行うものとなっている。一次抽選は、命中判定手段53A が命中の判定をしたことをきっかけに行われる抽選であって、「ハズレ」、通常の「アタリ」、「JP」及び「CT」の四つの入賞内容の中から、一の入賞内容を抽選するものである。二次抽選は、一次抽選で「JP」及び「CT」のいずれかが抽選されたことをきっかけに行われる抽選であって、「アタリ」、「JP」及び「CT」の三つの入賞内容の中から、一の入賞内容を抽選するものである。
ここで、入賞内容抽選手段53B は、一次抽選が完了すると、その結果を示す一次抽選結果信号を入賞内容保持手段53C へ送出し、二次抽選が完了すると、その結果を示す二次抽選結果信号をストック抽選手段57へ送出するように設定されている。
【0053】
また、入賞内容抽選手段53B は、一次抽選で「JP」及び「CT」のいずれかを抽選すると、メインのCPUである遊技制御装置3にストックすべきポイントをストック抽選手段57に抽選させるべく、一次抽選の結果を示す一次抽選結果信号をストック抽選手段57へ送出するように設定されている。
入賞内容保持手段53C は、入賞内容抽選手段53B から送られてきた一次抽選結果信号が示す、入賞内容抽選手段53B の抽選結果である入賞内容を、演出・払出モード判定手段53Dの指令に基づいて保持するものである。
この入賞内容保持手段53C には、入賞内容抽選手段53B が抽選で選び出した入賞内容のうち、「JP」及び「CT」が入賞内容として時系列順に保持可能なっており、「ハズレ」及び「アタリ」については保持されないようになっている。
【0054】
ただし、入賞内容保持手段53C は、「アタリ」については、通常のゲーム1ゲームにおいて、「アタリ」が抽選で引き出されてから当該ゲームが終了するまでのあいだ、「アタリ」を入賞内容として一時的に保持するようになっている。そして、次に、メダルが投入されて新たなゲームが開始された際には、入賞内容保持手段53C は、前のゲームで保持されていた入賞内容としての「アタリ」が既に削除された状態となっている。
そして、入賞内容保持手段53C に保持された入賞内容、例えば、「JP」又は「CT」は、入賞内容保持手段53C から外部へ時系列順に出力できるようになっている。換言すると、入賞内容保持手段53C は、演出・払出モード判定手段53D の指令に基づき、時系列順において一番古い第1番目の入賞内容である「JP」又は「CT」を外部に出力し、その出力が完了すると、出力した入賞内容である「JP」又は「CT」を消去し、第2番目以降の入賞内容を順次繰り上げるようになっている。
【0055】
演出・払出モード判定手段53D は、ゲーム機としての遊技ステーション2に設定されていると複数の動作モードの切換制御を行う機能を有するものとなっている。
すなわち、遊技ステーション2には、通常のシューティングゲーム及びその払出を行う通常ゲームモード、ゲーム中にベットしたメダルが必ず遊技者に戻ってくるCTゲームを行うCTゲームモード、当該遊技ステーション2が「JP」に当選したために、当該遊技ステーション2について払出とその演出とを行う払出・演出モード、他の遊技ステーション2が「JP」に当選したことの報知及びその演出を行う報知・演出モードとの四つのモードが設定されている。
【0056】
一方、演出・払出モード判定手段53D は、入賞内容保持手段53C を介して入賞内容抽選手段53B の一次抽選が完了したか否かの検出を行う機能を備えている。
また、演出・払出モード判定手段53D は、シューティングゲーム機1の全体の遊技動作を制御するメインのCPUである遊技制御装置3との間で通信を行い、その通信結果を参照するとともに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選の抽選結果に従ったモードの移行が可能か否かを判定し、判定結果が移行可能な場合、移行されたモードに応じた動作を遊技ステーション2に行わせる機能を備えている。
具体的には、演出・払出モード判定手段53D は、一次抽選を行う毎に遊技制御装置3との間で通信を行い、この通信により、他の遊技ステーション2でJPの演出・払出が行われているか否かの検出、及び、他の遊技ステーション2でCTゲームが行われているか否かの検出を行うようになっている。
【0057】
そして、演出・払出モード判定手段53D は、前述の検出結果により、他の遊技ステーションでJPの演出・払出又はCTゲームを行っているときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でJP入賞及びCT入賞のいずれかが発生したか否かの検知、及び、他の遊技ステーションでJPの演出・払出及びCTゲームのいずれもが行われていないときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でアタリ入賞が発生したか否かの検知を行うことができるようになっている。
具体的には、演出・払出モード判定手段53D は、他の遊技ステーション2においてJPの演出・払出又はCTゲームが行われているときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でJP入賞が発生したことを検知すると、入賞内容保持手段53C に「JP」を入賞内容として保持させるとともに、JPの演出・払出を行わず、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行わせるべく、アタリ払出信号を送出するようになっている。
【0058】
また、演出・払出モード判定手段53D は、入賞内容保持手段53C に第1番目の入賞内容として「JP」が保持されているとともに、他の遊技ステーション2においてJPの演出・払出及びCTゲームのいずれもが行われていないときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でアタリ入賞が発生したことを検知すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、JPの演出、及び、必要に応じて、JPの払出を行わせるべく、JP演出信号、及び、必要に応じて、JP払出信号を出力するようになっている。
なお、本実施形態の演出・払出モード判定手段53D は、JP演出信号を出力した回数が4回に達すると、JPの払出を行わせるべく、JP払出信号を出力するようになっている。
【0059】
さらに、演出・払出モード判定手段53D は、他の遊技ステーション2においてJPの演出・払出又はCTゲームが行われているときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でCT入賞が発生したことを検知すると、入賞内容保持手段53C に「CT」を入賞内容として保持させるとともに、CTゲームを行わず、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行わせるべく、アタリ払出信号を送出するようになっている。
また、演出・払出モード判定手段53D は、入賞内容保持手段53C に第1番目の入賞内容として「CT」が保持されているとともに、他の遊技ステーション2においてJPの演出・払出及びCTゲームのいずれもが行われていないときに、入賞内容抽選手段53B の一次抽選でアタリ入賞が発生したことを検知すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、CTゲームを行わせるべく、CT信号を出力するようになっている。
【0060】
この際、演出・払出モード判定手段53D は、「JP」又は「CT」に入賞すると、その旨をシューティングゲーム機1の全体の遊技動作を制御するメインのCPUである遊技制御装置3へ送出するものとなっている。
これに対し、遊技制御装置3は、JPの演出・払出又はCTゲームを現在行っている、若しくは、JPの演出・払出及びCTゲームのいずれも行っていない等、その時点での処理状況に応じて復帰信号又は返答信号を演出・払出モード判定手段53D へ向かって送出するものとなっている。
具体的には、演出・払出モード判定手段53D は、「JP」に入賞すると、JP入賞信号を遊技制御装置3へ送出するものとなっている。
【0061】
遊技制御装置3は、JP入賞信号を受信すると、JPの演出・払出又はCTゲームを現在行っている場合には、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、JP入賞信号の返信信号として演出・払出モード判定手段53D へ送出するものとなっている。
演出・払出モード判定手段53D は、遊技制御装置3から復帰信号を受信すると、入賞内容保持手段53C に「JP」を入賞内容として保持させ、且つ、「JP」の演出及び払い出しの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものとなっている。
演出・払出モード判定手段53D は、「JP」の入賞時と同様に、「CT」に入賞すると、CT入賞信号を遊技制御装置3へ送出するものとなっている。
【0062】
また、遊技制御装置3も、「JP」の入賞時と同様に、CT入賞信号を受信すると、JPの演出・払出又はCTゲームを現在行っている場合には、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、CT入賞信号の返信信号として演出・払出モード判定手段53D へ送出するものとなっている。
演出・払出モード判定手段53D は、遊技制御装置3から復帰信号を受信すると、入賞内容保持手段53C に「CT」を入賞内容として保持させ、且つ、CTゲームの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものとなっている。
また、演出・払出モード判定手段53D は、CT入賞信号又はJP入賞信号の送出にともない、シューティングゲーム機1の全体の遊技動作を制御するメインのCPUである遊技制御装置3へCT払出信号又はJP払出信号を送出するようになっている。これにより、「CT」又は「JP」の入賞の際に、「CT」又は「JP」の入賞したことの賞として遊技者に払い出されるポイントが、遊技制御装置3のCTストック又はJPストックから払い出されるようになっている。
【0063】
なお、演出・払出モード判定手段53D は、遊技制御装置3からCT開始信号を受信すると、他の遊技ステーション2で発生したCT入賞に便乗して開始されるCTゲームである便乗CTゲームを行わせるべく、便乗CT信号を出力するようになっている。
演出制御処理部54は、主に、表示装置21及び音声出力装置66の動作を制御し、あたかも遊技者が実際に射撃を行っているように、シューティングゲームを演出するものである。ここで、演出制御処理部54は、当該遊技ステーション2でCT入賞が発生すると、当該CT入賞によるCTゲームを開始するにあたり、表示装置21の画面に映し出される当該遊技ステーション2の大砲を大型のものに変更する演出を行うようになっている。
【0064】
また、演出制御処理部54は、シューティングゲームを盛り上げるために、遊技者の射撃操作の前後に、演出用の画像を表示装置21に表示させたり、演出用の音声を音声出力装置66に出力させたり、遊技者に払い出されるメダルの枚数をルーレット装置12に表示させたりする演出を行う機能を備えている。
このような演出制御処理部54には、前述のような演出を行うために、表示装置21の表示動作を制御する表示画像制御手段54A と、音声出力装置66の音声出力動作を制御する音声制御手段54B と、払出制御処理部56から遊技者に払い出すメダルの枚数を示す枚数データを受信してルーレット装置12へ転送するためのルーレット装置演出手段54C とが設けられている。
【0065】
この際、ルーレット装置12を制御する遊技制御装置3のルーレット装置制御手段65は、ルーレット装置演出手段54C から受信した枚数データに基づいてルーレット装置12を制御するようになっている。これにより、ルーレット装置12は、JP演出の際、遊技者に払い出すメダルの枚数を正確に指示することができるようになっている。
JP制御処理部55は、演出・払出モード判定手段53D からのJP演出信号及びJP払出信号に基づいて、当該遊技ステーション2におけるJPゲームを進行させるものとなっている。すなわち、JP制御処理部55には、演出・払出モード判定手段53D からJP演出信号を受信する度に、JPゲーム用のストックポイントであるメダル枚数を抽選するJPストック枚数抽選手段55A と、このJPストック枚数抽選手段55A が抽選したメダル枚数を積み立てていくJPストック手段55B とが設けられている。
【0066】
このうち、JPストック枚数抽選手段55A は、予めJPゲーム用のストックポイントであるメダル枚数として設定された複数の数値、例えば、5,6,7,10,20,14,20の中から一の数値を抽選し、抽選結果であるメダル枚数を示すストック枚数信号をJPストック手段55B へ送出するものとなっている。
JPストック手段55B は、JPストック枚数抽選手段55A からストック枚数信号が送られてくる度に、ストック枚数信号が示す数値を次々に加算していくことにより、メダル枚数の積み立てを行うものである。また、JPストック手段55B は、JPストック枚数抽選手段55A を介してJP払出信号を受信するようになっており、JP払出信号を受信すると、それまでに積み立てたメダル枚数を示す貯留枚数信号を払出制御処理部56へ送出するようになっている。
【0067】
払出制御処理部56は、遊技制御処理部53及びJP制御処理部55の指令に基づいてメダル払出装置67の制御を行うようになっている。
すなわち、払出制御処理部56には、演出・払出モード判定手段53D から送出されたJP演出信号及びJP払出信号、アタリ払出信号、並びに、CT信号と、JPストック手段55B から送出された貯留枚数信号とが入力されるようになっている。
また、払出制御処理部56には、アタリ払出信号を受信すると、通常のアタリに当選した際に、遊技者に払い出すべきメダルの枚数を抽選する払出枚数抽選手段56A と、払出枚数抽選手段56A の抽選結果、演出・払出モード判定手段53D からの指令、及び、JPストック手段55B からの指令に基づいて遊技者に払い出すべきメダルの枚数を設定する払出枚数設定手段56B とが設けられている。
【0068】
払出枚数抽選手段56A は、アタリ払出信号を受信すると、通常の「アタリ」に当選したことの賞として設定されたメダル枚数を示す複数の数値、例えば、1,2,3,4,5の中から一の数値を抽選し、抽選結果であるメダル枚数を示すアタリ枚数信号を払出枚数設定手段56B へ送出するものとなっている。
払出枚数設定手段56B は、払出枚数抽選手段56A からアタリ枚数信号を受信すると、当該アタリ枚数信号が示す枚数のメダルを遊技者に払い出すように、メダル払出装置67の制御を行うように設定されている。
また、払出枚数設定手段56B は、JP演出信号を受信すると、予め設定された所定枚数のメダルをJP入賞に対する賞として遊技者に払い出すように、メダル払出装置67の制御を行うように設定されている。
【0069】
そして、払出枚数設定手段56B は、JP払出信号を受信すると、JPストック手段55B にストックされたメダルを遊技者に払い出すべく、JPストック手段55B からの貯留枚数信号に基づき払い出すべきメダル枚数を算出し、メダル払出装置67を制御して、算出したメダル枚数に基づいてメダルの払い出しを行うように、メダル払出装置67の制御を行うように設定されている。
ここで、払出枚数設定手段56B が設定するメダルの払出枚数は、ルーレット装置12による演出との関係から、複数の数値の中から、貯留枚数信号の示す値を超えないで最も近いものが選択されるようになっている。
【0070】
例えば、前述した複数の数値として、5,8,10,20,30,40,50が採用され、且つ、貯留枚数信号の示す値が38の場合、払出枚数設定手段56B は、5,8,10,20,30,40,50の中から30を選んで設定するようになっている。ここで、38枚のうち30枚のメダルを払い出すと、8枚のメダルが余るが、このメダル8枚分の数値は、ストック枚数信号に変換され、再度、JPストック枚数抽選手段55A にストックされるようになっている。なお、払出枚数設定手段56B が設定した払出枚数が10未満の場合は、ルーレット装置12による演出は、行われないようになっている。
また、払出枚数設定手段56B は、CT信号を受信すると、予め設定された所定枚数のメダルをCT入賞に対する賞として遊技者に払い出すとともに、CT信号の受信から所定時間が経過するまでの間、CTゲームに応じた払出を行うようになっている。
【0071】
具体的には、通常のゲーム及びCTゲームを問わず、それまでのハズレとなったゲームにベットされたメダル、換言すると、入賞による払出を受けることができず遊技者が単に消費されたメダルは、メインのCPUである遊技制御装置3に設けられたCTストック手段62にストックされるようになっている。
そして、払出枚数設定手段56B は、CT信号を受信すると、CT信号の受信から所定時間が経過するまでの間、CTストック手段62にストックされた枚数のメダルを必ず遊技者に払い出すようになっている。換言すると、CTストック手段62にストックされた枚数を超えない範囲で、通常のゲームよりも多くのメダルが遊技者に払い出されるように、一回のアタリで払い出されるメダルの枚数を増やすように設定されている。
【0072】
さらに、払出枚数設定手段56B は、便乗CT信号を受信すると、便乗CT信号の受信から所定時間が経過するまでの間、便乗CTゲームに応じた払出を行うようになっている。具体的には、払出枚数設定手段56B は、便乗CT信号を受信すると、便乗CT信号の受信から所定時間が経過するまでの間、前述のCTゲームと同様に、投入されたメダルと同じ枚数のメダルを必ず遊技者に払い出すとともに、その増加分の上限として設定された所定の枚数である上限枚数を超えない範囲内で、通常のゲームよりも多くのメダルが遊技者に払い出されるように、一回のアタリで払い出されるメダルの枚数を増やすように設定されている。ただし、便乗CTゲームにおける上限枚数は、CTゲームにおける上限枚数よりも小さく、例えば、CTゲームにおける上限枚数の1/3以下に設定されている。
【0073】
ストック抽選手段57は、入賞内容抽選手段53B から一次抽選結果信号及び二次抽選結果信号のいずれかを受信すると、メインのCPUである遊技制御装置3にストックすべきポイントを抽選するものとなっている。
具体的には、ストック抽選手段57は、入賞内容抽選手段53B から受信した一次抽選結果信号又は二次抽選結果信号の内容が「JP」を示す場合には、メインのCPUである遊技制御装置3にJPストックとして積み立てるべきポイントとなる値を抽選し、抽選結果である値を示すJPストック値信号を遊技制御装置3へ送出するものとなっている。
一方、ストック抽選手段57は、入賞内容抽選手段53B から受信した一次抽選結果信号又は二次抽選結果信号の内容が「CT」を示す場合には、メインのCPUである遊技制御装置3にCTストックとして積み立てるべきポイントとなる値を抽選し、抽選結果である値を示すCTストック値信号を遊技制御装置3へ送出するものとなっている。
【0074】
なお、CTゲーム及び便乗CTゲームにおいて、遊技者に通常よりも多くのメダルが払い出されるが、払い出されたメダルの増量分は、遊技制御装置3に積み立てられて貯留されているCTストックから払い出されるようになっている。
次に、本実施形態に係る遊技ステーション2の動作について、図11〜図16のフローチャートを参照しながら説明する。なお、これらの図11〜図16において、円の内部に数字等が記された部位は、各ステップの接続点を表している。
まず、シューティングゲーム機1の電源が投入されると、図11の如く、ステップS1000から始まるゲーム処理が実行される。このゲーム処理が開始されると、遊技者は、メダルを投入することでシューティングゲームを楽しむことができる。
【0075】
そして、ゲーム処理が一通り終了すると、ステップS2000から始まる通信処理が実行され、通信処理が終了すると、次に、ステップS3000から始まる払出処理が実行される。この払出処理が終了すると、ステップS1000に戻ってゲーム処理が再開される。
図12に示すように、ステップS1000において、シューティングゲームが擬似的に行われている動画となった待機画面の表示を表示装置21に開始させ、遊技者がメダルを投入するのを待ち、ステップS1010へ進む。なお、待機画面の表示は、遊技者がメダルを投入してシューティングゲームが開始されるまで継続される。
ステップS1010では、メダルセレクタ31の動作検知を行い、次のステップS1020でメダルセレクタ31にメダルが投入されたか否かが検知される。
【0076】
ここで、メダルセレクタ31にメダルが投入されたことが検知された場合は、ステップS1030へ進む。
一方、ステップS1020で、メダルセレクタ31にメダルが投入されていないことが検知された場合は、ステップS1010へ戻り、遊技者がメダルを投入するまで、ステップS1010及びステップS1020を繰り返す。
ステップS1030では、遊技者が目標に弾丸を命中させることができたか否かを判定するために、メダルセレクタ31へのメダル投入時における、メダル投入装置30の回転角度位置及びメダルセレクタ31へのメダルの投入タイミングの両方が適切であったか否かが検知される。
【0077】
ここで、回転角度位置及び投入タイミングの両方が適切であると検知された場合には、ステップS1040へ進む。
一方、ステップS1030で回転角度位置又は投入タイミングが適切でないと検知された場合には、遊技者の弾丸が目標に命中しなかったと判定され、ステップS1100へ進み、ステップS1100でハズレ処理を行い、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。なお、このようなハズレ処理を行うステップS1100においては、当該ゲームにおいて投入されたメダル、換言すると、ハズレゲームにベットされたメダルを、メインのCPUである遊技制御装置3のCTストック手段62にストックするストック処理も行われる。
【0078】
ステップS1040では、シューティングゲーム機1のいずれかの遊技ステーション2でCTゲームが行われているか否か、換言すると、遊技ステーション2に設けられているすべての大砲のうち、パワーアップされて巨大化しているものがあるか否かが検知される。
ここで、パワーアップされた大砲が検知されると、CTゲームが実行されているので、ステップS1200へ進み、CTゲーム処理が行われる。一方、パワーアップされた大砲が検知されない場合には、ステップS1050へ進む。
なお、通常のゲームからCTゲームへ移行するきっかけは、このステップS1040で大砲のサイズが大きくなっていることを検知することである。そして、CTゲームへ移行してから所定の時間が経過すると、CTゲームから通常のゲームに復帰する。
【0079】
ここで、CTゲームから通常のゲームへ復帰するための時間管理は、メインのCPUである遊技制御装置3よって行われ、遊技ステーション2は、時間がくると遊技制御装置3からの復帰信号により、CTゲームから通常のゲームへ強制的に戻され、大砲の大きさも元のサイズへと小型化される。このCTゲームから通常のゲームへの復帰についての詳しい説明は省略する。
ステップS1050では、遊技者の射撃についての最終結果である入賞内容を選ぶ一次入賞内容抽選が行われる。具体的には、入賞内容抽選手段53B により、「ハズレ」、単なる「アタリ」、「JP」及び「CT」の四つの入賞内容の中から一の入賞内容を抽選する。この後、ステップS1060へ進む。
【0080】
このステップS1060では、入賞内容が単なる「アタリ」又は「ハズレ」であるか否かが検出され、ステップS1060で入賞内容が単なる「アタリ」又は「ハズレ」であることが検知された場合には、ステップS1300に進む。一方、ステップS1060で入賞内容が単なる「アタリ」及び「ハズレ」のいずれでもないことが検知された場合には、ステップS1070に進む。
ステップS1070では、一次入賞内容抽選で選んだ入賞内容を入賞内容保持手段53C に保持させ、次のステップS1080へ進む。
ステップS1300では、ステップS1050の抽選により選び出された入賞内容が「ハズレ」であるか否かが検知される。このステップS1300で入賞内容が「ハズレ」であることが検知された場合には、ステップS1100へ進み、ステップS1100でハズレ処理を行い、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。
【0081】
このステップS1300で、入賞内容が「ハズレ」ではない、換言すると、入賞内容が「アタリ」であることが検知された場合には、ゲーム処理から払出処理へ移行し、払出処理におけるステップS3200へ進む。
ステップS1080では、一次入賞内容抽選及び二次入賞内容抽選のうち最後に行われた入賞内容抽選の抽選結果である最新入賞内容についての内容が検査される。具体的に言うと、ステップS1080では、最新入賞内容が「JP」であるか否かが検知される。
このステップS1080で最新入賞内容が「JP」であることが検知された場合には、ステップS1410へ進み、このステップS1410で、メインのCPUである遊技制御装置3にJPのポイントをストックさせるJPストック処理を行い、このJPストック処理が完了したら、ステップS1430へ進む。
【0082】
一方、ステップS1080で最新入賞内容が「JP」ではないことが検知された場合には、次のステップS1090へ進む。
ステップS1430では、遊技制御装置3にストックされているJPポイント及びCTポイントを増やす機会を提供するために行われる入賞内容抽選である二次入賞内容抽選が行われる。具体的には、入賞内容抽選手段53B により、「アタリ」、「JP」及び「CT」の三つの入賞内容の中から一の入賞内容を抽選する。この抽選が完了したら、ステップS1080へ戻る。
ステップS1090では、前述の最新入賞内容についての内容が検知される。具体的に言うと、ステップS1090では、最新入賞内容が「CT」であるか否かが検知される。
【0083】
このステップS1090で最新入賞内容が「CT」であることが検知された場合には、ステップS1420へ進み、このステップS1420で、遊技制御装置3にCTのポイントをストックさせるCTストック処理を行い、このCTストック処理が完了したら、ステップS1430へ進む。そして、ステップS1430の二次入賞内容抽選で「アタリ」が抽選されるまで、以上のステップS1080、S1090、S1410〜S1430が繰り返される。
一方、ステップS1090で最新入賞内容が「CT」ではない、すなわち、最新入賞内容が「アタリ」であることが検知された場合には、ゲーム処理から通信処理へ移行し、通信処理におけるステップS2000へ進む。
【0084】
図13の如く、通信処理が開始されるステップS2000では、演出・払出モード判定手段53D により、CT入賞信号又はJP入賞信号がメインのCPUである遊技制御装置3へ送信され、この送出が完了すると、次のステップS2100へ進む。
ここで、CT入賞信号又はJP入賞信号に応答して、遊技制御装置3からは、返答信号及び復帰信号のいずれかが出力されるが、ステップS2100では、遊技制御装置3から出力される返答信号及び復帰信号のいずれかの受信検出が行われる。この受信検出が完了したら、払出処理におけるステップS3000へ進む。
払出処理においては、一次入賞内容抽選の抽選結果が通常の「アタリ」である場合に行われる通常払出処理、一次入賞内容抽選の抽選結果が「CT」である場合に行われるCT移行処理、及び、一次入賞内容抽選の抽選結果が「JP」である場合に行われるJP払出処理等が行われる。
【0085】
具体的に言うと、前述したようにステップS2100においては、メインのCPUである遊技制御装置3からの信号の受信検出が行われ、本払出処理の最初のステップであるステップS3000では、ステップS2100で受信検出された信号が返答信号であったか否かが検知される。ここで、受信検出された信号が返答信号でなく復帰信号であった場合には、「アタリ」に対して行われる通常払出処理を行うべく、ステップS3200へ進む。
一方、ステップS3000で、受信検出された信号が復帰信号でなく返答信号であった場合には、次のステップS3010へ進む。
ステップS3200では、図14の如く、通常の「アタリ」に対して払い出されるべきメダルの枚数を抽選で決める払出枚数抽選が行われる。この払出枚数抽選が完了すると、次のステップS3210で払出枚数抽選の抽選結果に基づいた枚数のメダルを遊技者に払い出すメダル払出処理が行われ、このメダル払出処理が完了すると、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。
【0086】
ステップS3010では、入賞内容保持手段53C に保持されている第1番目の入賞内容が「JP」であるか否かが検知され、入賞内容が「JP」であることが検知された場合には、JP処理を行うべく、ステップS3300へ進み、入賞内容が「JP」でないことが検知された場合には、次のステップS3020へ進む。
ステップS3020では、入賞内容保持手段53C に保持されている第1番目の入賞内容が「CT」であるか否かが検知され、入賞内容が「CT」でないことが検知された場合には、通常の「アタリ」に対して行われる払出処理を行うべくステップS3200へ進む。
ステップS3020で入賞内容が「CT」であることが検知された場合には、CT移行処理を行うべく、次のステップS3030へ進む。
【0087】
続くステップS3030からステップS3050では、通常のゲームからCTゲームへ移行する際に行われる一連の処理が行われる。
具体的には、ステップS3030では、「CT」に当選したことに対する褒賞として、所定の枚数のメダルを遊技者に払い出すメダル払出処理が行われる。
ステップS3040では、当該遊技ステーション2の大砲のサイズを大きくする等、CTゲーム特有の設定に移行する処理が行われる。
ステップS3050では、表示装置21に演出用の動画を表示させたり、音声出力装置66にファンファーレを自動演奏させたりする等により、CTゲームへ移行したことを遊技者に知らせるための演出処理を行う。これらのステップS3030〜S3050が完了すると、ステップS3100へ進む。
【0088】
一方、JP処理を行うべくステップS3300に進むと、ステップS3300では、「JP」に当選したことに対する褒賞として、所定の枚数のメダルを遊技者に払い出すメダル払出処理が行われる。このメダル払出処理が完了したら、次のステップS3310へ進む。
ステップS3310では、JP発生処理及びJP発生ストック処理が行われる。
すなわち、JP発生処理では、表示装置21に演出用の動画を表示させたり、音声出力装置66にファンファーレを自動演奏させたりする等の演出が行われ、この演出により、JPが発生したことが遊技者に報知される。
また、JP発生ストック処理では、JPのために積み立てられるメダルの枚数を決めるためのストック枚数抽選と、このストック枚数抽選で抽選された枚数のメダルを積み立てるメダル貯留とが行われ、ストックされているメダルの枚数が増やされる。
【0089】
そして、これらのJP発生処理及びJP発生ストック処理が完了すると、次のステップS3320へ進む。
ステップS3320では、前回のJP払出処理から発生したJPの回数であるJP発生回数Nを更新する処理と、水平配列照明部13を利用して更新されたJP発生回数Nを表示する処理とが行われる。JP発生回数Nの更新は、Nに1を加えることで処理される。これらの処理が完了すると、次のステップS3330へ進む。
ステップS3330では、JP発生回数NがJPの払出を行うことが許される所定回数Kに達したか否かが検知される。ここで、JP発生回数Nが所定回数Kに達していれば、JP払出処理を開始すべく、次のステップS3400へ進む。例えば、所定回数Kが4回だとすると、前回のJP払出処理からJP発生が4回すれば、JP払出処理が行われる。
【0090】
一方、JP発生回数Nが所定回数Kに達していなければ、ステップS3100へ進む。
ステップS3100では、入賞内容保持手段53C に保持されている内容の更新処理が行われる。すなわち、入賞内容保持手段53C に時系列保持されている第1番目の入賞内容を削除し、第2番目以降の入賞内容を順次繰り上げる処理を行う。この更新処理により、それまで第2番目に古かった入賞内容が最も古い第1番目の入賞内容となる。
このステップS3100で行われる更新処理においては、前述したように入賞内容としての「JP」及び「CT」についてのみ繰り上げ保持され、一次的に保持されていた「アタリ」については削除される。なお、「ハズレ」については最初から保持されていないので、何の処理も行われない。
【0091】
この更新処理が完了すると、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。
次に、ステップS1200から開始されるCTゲーム処理について説明する。前述したように、ステップS1040で巨大化された大砲が検知されると、ステップS1200へ進み、CTゲーム処理が開始される。
ステップS1200では、図15の如く、ステップS1100やステップS1420において行われたCTストック処理により、メインのCPUである遊技制御装置3のCTストック手段62にストックされたメダルの枚数であるストック値Wを読み込む処理を行う。この読み込み処理が完了したら、次のステップS1210へ進む。
【0092】
ステップS1210では、巨大化された大砲が当該遊技ステーション2のものであるかが検知され、当該遊技ステーション2のものであることが検知されると、ステップS1220へ進み、逆に、他の遊技ステーション2の大砲が巨大化されたことが検知されると、ステップS1230へ進む。
ステップS1220では、大砲が巨大化された遊技ステーション2において、遊技者に払い出されることが許されるメダルの上限となる最大値Jを設定する処理が行われる。ここでは、巨大化された大砲に見合うように、CTストック手段62にストックされたメダルの枚数であるストック値Wが最大値Jとして設定される。
【0093】
ステップS1230では、当選枚数の積算値Sの上限となる最大値Jの設定処理が行われる。ここでは、通常サイズの大砲に見合うように、ストック値Wよりも充分小さいと考えられる値V、例えば、「5」が最大値Jとして設定される。
以上のような最大値Jの設定処理が完了すると、ステップS1240へ進む。
ステップS1240では、遊技者に払い出すべきメダルの基準枚数である当選枚数Mを決めるための抽選を行い、この抽選が完了したら、次のステップS1250へ進む。
ステップS1250では、ステップS1240で抽選された当選枚数Mが、最大値J以上の数値になっているか否かが検知され、当選枚数Mが最大値J以上の数値になっている場合には、次のステップS1260へ進む。一方、当選枚数Mが最大値J以上の数値になっていない場合には、次のステップS1260をスキップしてステップS1270へ進む。
【0094】
ステップS1270では、以上により設定された当選枚数Mに相当する枚数のメダルを遊技者に払い出す払出処理を行う。この払出処理が完了したら、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。
次に、ステップS3400から開始されるJP払出処理について説明する。前述したように、ステップS3330でJP発生回数Nが所定回数Kに達すると、ステップS3400へ進み、JP払出処理が開始される。
ステップS3400では、JPストック手段55B にストックされたメダルの枚数であるストック枚数Gに基づいて、JP払出処理において遊技者に払い出されるJP払出枚数Hが設定される。具体的には、ストック枚数Gを超えないで、予め設定された数値のうち最も近いものが選択されるようになっている。JP払出枚数Hの設定が完了すると、次のステップS3410へ進む。
【0095】
ステップS3410では、ルーレット装置12を利用したJP払出演出に必要な最低ストック枚数RにJP払出枚数Hが達しているか否かが検知される。ここで、最低ストック枚数Rは、回転盤12A の表面に記された前述した複数の数値のうち最も小さいものに等しい数値となっている。
このステップS3410で、JP払出枚数Hが最低ストック枚数Rに達していることが検知されると、ステップS3420へ進み、ルーレット装置12を利用したJP払出演出処理が行われ、この後、ステップS3430へ進む。
一方、ステップS3410で、JP払出枚数Hが最低ストック枚数Rに達していないことが検知されると、ステップS3420をスキップし、ステップS3430へ進む。
【0096】
ステップS3430では、JP払出枚数Hに応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すJP払出処理を行い、このJP払出処理が完了したら、ステップS3100へ進み、このステップS3100で入賞内容保持手段53C の内容更新処理を行った後、最初のステップS1000へ戻り、遊技者がメダルを投入するのを待つ。そして、シューティングゲーム機1の電源が遮断されるまで、上述のような動作が何度も繰り替えさえる。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、JPを入賞内容として時系列順に保持可能な入賞内容保持手段53C と、JPの演出中に新たなJPの当選が生じると、前述の入賞内容保持手段53C に新たなJPを保持させ、JPの演出及び払い出しを保留する演出・払出モード判定手段53D とを設けたので、JPへの当選が短時間の間に複数回発生しても、最初のJPに対応する当選演出のみが行われ、それ以降のJPに対応する当選演出は、その直後に連続して行われることが回避され、その次に通常のアタリの当選が出てから行われるようになる。
【0097】
このため、複数回のJP当選演出が連続的に行われることがなく、JPの当選演出のために、全遊技ステーション2のゲームを中断するようにしても、ゲームが行えない退屈な時間を最小限に抑制することができる。
また、JP入賞信号に対する返信信号である復帰信号を遊技制御装置3から受け取ると、入賞内容保持手段53C に「JP」を入賞内容として保持させる演出・払出モード判定手段53D を採用したので、JPの当選演出を行っている間に発生した別のJPの当選処理を一時的に省略しても、入賞内容保持手段53C の保持内容を参照すれば、それ以降の適宜な時期に当選処理のタイミングをずらすことが可能となり、省略した当選処理が適切な時期に行え、保留したJPが実行されずにゲームが終わる等の不都合が何ら発生しない。
【0098】
しかも、前述の演出・払出モード判定手段53D が、JPの当選演出中に発生した別のJPに対する払い出しを省略し、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行うので、その後で発生したアタリの処理に代えてJPの処理を行っても、処理を実行する順番が異なるだけで、払い出されるメダル枚数等のポイントは同じになり、予め設定されているペイアウト率の変動を未然に防止することができる。
さらに、CTゲームを行う遊技モードを追加し、このCTゲームモードの追加により、シューティングゲーム機1のゲーム性を更に高めるようにしたので、ゲームを一層白熱させることができる。
【0099】
この際、JPの当選及びCTの当選がほぼ同時に発生しても、先に発生したもののみが実行され、後に発生したものの実行が保留されるようにしたので、CTゲームの実行中にJPの当選が発生しても、CTゲームが中断される等、ゲームを進行させる上での不具合が何ら発生することがない。
また、CT入賞信号に対する返信信号である復帰信号を遊技制御装置3から受け取ると、入賞内容保持手段53C に「CT」を入賞内容として保持させる演出・払出モード判定手段53D を採用したので、CT又はJPの当選演出を行っている間に発生した別のCTの当選処理を一時的に省略しても、入賞内容保持手段53C の保持内容を参照すれば、それ以降の適宜な時期に当選処理のタイミングをずらすことが可能となり、省略した当選処理が適切な時期に行え、保留したCTが実行されずにゲームが終わる等の不都合が何ら発生しない。
【0100】
しかも、前述の演出・払出モード判定手段53D が、CT又はJPの当選演出中に発生した別のCTに係るCTゲームを省略し、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行うので、その後で発生したアタリの処理に代えてCTゲームを行っても、処理を実行する順番が異なるだけで、払い出されるメダル枚数等のポイントは同じになり、予め設定されているペイアウト率の変動を未然に防止することができる。
さらに、シールドボックス11B の内部にCRT21A を内部し、各CRT21A を互いに近づけて配置しても、一のCRT21A が発生する電磁気が他のCRT21A に到達しないようにしたので、互いの電磁気による干渉がCRT21A に発生しなくなる。これにより、複数のCRT21A を近接させて配置することが可能となり、複数の遊技ステーション2を有するシューティングゲーム機1の小型化を図ることができる。
【0101】
また、遊技者に払い出される払出ポイントを表示可能なルーレット装置12を設け、JPの当選により、遊技者に払い出される払出ポイントを、あたかもルーレット装置12で決定するように見せる演出を行うようにし、且つ、ルーレット装置12の回転盤12A として、両側面に入賞領域25A を備えたものを採用し、シューティングゲーム機1の長手方向の両側でゲームを行う遊技者全員に払出ポイントが見えるようにしたので、JPに当選しなかった遊技者も、JPの当選演出をそれなりに楽しむことができ、ゲームが行えない時間が発生しても、ゲームへの熱意や競争心が維持されるようになり、この点からも、ゲームを白熱させることができる。
【0102】
さらに、その両面のほぼ全面が露出する回転盤12A を支持する支持機構として、当該回転盤12A の周縁と接触する支持ローラ26A で回転盤12A を支持する支持機構を採用したので、当該回転盤12A の中心を回転軸で支持する場合と異なり、支持機構を回転盤12A の内部に設ける必要がなく、回転盤12A としては、単なる平板状のものを採用することができる。
このため、回転盤12A を大型のものにしても、薄く且つ軽くすることができるので、ルーレット装置12の軽量化が容易に達成でき、このルーレット装置12が上部に載置されるシューティングゲーム機1に加わる荷重も軽減され、シューティングゲーム機1の外側を覆う筐体11の構造を簡略なものにすることができる。
【0103】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、マルチステーション型遊技機の筐体としては、複数設けられる遊技ステーションが半数ずつに分けられてその両側に配置されるものに限らず、正方形状の平面形状を有し、4つの側面全部に遊技ステーションが配置され、表示装置の画面が四方を向いているものや、円形状の平面形状を有し、遊技ステーションがサークル状に配置されているものでもよい。
また、表示装置としては、CRTで様々な画像を映し出しものに限らず、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、及び液晶ディスプレイ等の他の異なる種類の表示デバイスを利用したものでもよい。
【0104】
さらに、ルーレット装置の回転盤としては、円盤状に形成された円板部及びリング状に形成された環状部等、複数の部品に分割されたに限らず、図17及び図18に示すように、透明な合成樹脂製の円形状平板1枚からなるとともに、両面に必要な数字、文字及び図形等が塗装により記されている回転盤12C でもよい。
このような回転盤12C を採用した場合には、回転盤12A の回転角度位置を検出するための透孔29A に代えて、図17に示すように、塗装が省略された透光窓29E を設けることができる。同様に、このような回転盤12C では、回転盤12A の原点を検出するための切り欠き部29C に代えて、塗装が省略された原点表示用の透光窓29F を設けることができる。なお、原点表示用の透光窓29F は、複数設けてもよいが、図17の如く、回転盤12C 全体で1箇所でもよい。
【0105】
また、回転盤12A を回転自在に支持する支持ローラ26A の設置個数は、3個に限らず、図17の如く、4個以上設けてもよく、支持ローラ26A の個数は、回転盤12A の大きさや重量に応じて適宜設定すればよい。
さらに、回転盤を回転駆動するための駆動ローラとしては、回転盤の側面に摩擦接触するものに限らず、図17及び図18の如く、回転盤12A の端面に摩擦接触する駆動ローラ27D でもよく、回転盤を回転駆動するための具体的な機構や構造は実施にあたり適宜選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係るマルチステーション型遊技機であるシューティングゲーム機を示す正面図である。
【図2】前記実施形態に係るシューティングゲーム機を示す側面図である。
【図3】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大背面図である。
【図4】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大平面図である。
【図5】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大側面図である。
【図6】前記実施形態に係るルーレット装置を示す拡大正面図である。
【図7】前記実施形態に係るルーレット装置を示す拡大側面図である。
【図8】前記実施形態に係るルーレット装置に設けられた回転盤の支持機構を示す拡大断面図である。
【図9】前記実施形態に係るシューティングゲーム機の概略構成を示すブロック図である。
【図10】前記実施形態に係る遊技ステーションを示すブロック図である。
【図11】前記実施形態に係る遊技ステーションの概略動作を示すフローチャートである。
【図12】前記実施形態に係る遊技ステーションのゲーム処理を示すフローチャートである。
【図13】前記実施形態に係る遊技ステーションの通信処理を示すフローチャートである。
【図14】前記実施形態に係る遊技ステーションの払出処理を示すフローチャートである。
【図15】前記実施形態に係る遊技ステーションのCT移行処理を示すフローチャートである。
【図16】前記実施形態に係る遊技ステーションのJP払出処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の変形例に係るルーレット装置を示す図6に相当する図である。
【図18】前記変形例に係るルーレット装置を示す図7に相当する図である。
【符号の説明】
【0107】
1 マルチステーション型遊技機としてのシューティングゲーム機
2 遊技ステーション
3 遊技制御装置
4 データ通信手段としてのLAN
11B シールドボックス
12 ルーレット装置
12A 回転盤
21 表示装置
21B 表示装置の画面
25A入賞領域
25B払出ポイント表示部
26A 支持ローラ
27A 駆動ローラ
27B 送りローラ
28 電動機
53B 入賞内容抽選手段
53C 入賞内容保持手段
53D 演出・払出モード判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置が設けられ、この表示装置の画面に映し出される映像を見ながら遊技者がゲームを行えるようになっている複数の遊技ステーションと、これらの遊技ステーションの全体的な動作を制御するための遊技制御装置と、前記複数の遊技ステーション及び前記遊技制御装置を相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段とを備えたマルチステーション型遊技機であって、
前記複数の遊技ステーションは、通常のゲームの他に、入賞するまでポイントが積み立てられるジャックポットゲームもプレイされ、ジャックポットに入賞すると、ジャックポットの演出が行われ、このジャックポットの演出の開始から終了まで、すべての遊技ステーションにおけるゲームが中断されるように設定されたものであり、
各遊技ステーションには、通常のアタリ及び前記ジャックポットを含む複数種類の入賞内容の中から一の入賞内容を抽選する入賞内容抽選手段と、
前記入賞内容抽選手段が抽選で選び出した入賞内容のうち、前記ジャックポットが入賞内容として時系列順に保持可能なっている入賞内容保持手段と、
他の遊技ステーションでジャックポットの演出が行われているときに、ジャックポットに入賞すると、前記入賞内容保持手段にジャックポットを入賞内容として保持させるとともに、ジャックポットの演出及び払い出しを行わず、その代わりに通常のアタリに対する払い出しを行い、且つ、前記入賞内容保持手段に第1番目の入賞内容としてジャックポットが保持されているとともに、他の遊技ステーションでジャックポットの演出が行われていないときに、通常のアタリに入賞すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、ジャックポットの演出を行う演出・払出モード判定手段とが設けられていることを特徴とするマルチステーション型遊技機。
【請求項2】
前記演出・払出モード判定手段は、ジャックポットに入賞すると、ジャックポット入賞信号を前記遊技制御装置へ送出するとともに、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、前記ジャックポット入賞信号の返信信号として前記遊技制御装置から受け取ると、前記入賞内容保持手段にジャックポットを入賞内容として保持させ、且つ、ジャックポットの演出及び払い出しの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものとなっていることを特徴とする請求項1記載のマルチステーション型遊技機。
【請求項3】
前記入賞内容抽選手段が抽選で選び出す入賞内容として、所定の期間において、すべての遊技ステーションで行われるゲームについて、アタリおよびハズレの何れに対しても、当該ゲームを行うために投入されたポイントに相当するポイントが遊技者に全部払い出されるチャンスタイムゲームを行う遊技モードへ移行するチャンスタイムが設定され、
前記入賞内容保持手段は、前記入賞内容抽選手段が抽選で選び出したチャンスタイムも、前記ジャックポットと同様に、入賞内容として時系列順に保持可能とされ、
前記演出・払出モード判定手段は、他の遊技ステーションでジャックポットの演出、及び、チャンスタイムゲームの一方が行われているときに、ジャックポット及びチャンスタイムの何れか入賞すると、前記入賞内容保持手段にジャックポット及びチャンスタイムの何れかを入賞内容として保持させるとともに、ジャックポットの演出及び払い出し、並びに、チャンスタイムゲームのいずれかの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うように設定され、且つ、前記入賞内容保持手段に第1番目の入賞内容としてジャックポット及びチャンスタイムのいずれかが保持されているとともに、他の遊技ステーションでジャックポットの演出及び払い出し、並びに、チャンスタイムゲームの何れもが行われていないときに、通常のアタリに入賞すると、通常のアタリに対する払い出しの代わりに、当該第1番目の入賞内容に対応した動作を行うように設定されていることを特徴とする請求項2記載のマルチステーション型遊技機。
【請求項4】
前記演出・払出モード判定手段は、チャンスタイムに入賞すると、チャンスタイム入賞信号を前記遊技制御装置へ送出するとともに、通常のゲームへ戻る指令である復帰信号を、前記チャンスタイム入賞信号の返信信号として前記遊技制御装置から受け取ると、前記入賞内容保持手段にチャンスタイムを入賞内容として保持させ、且つ、チャンスタイムゲームの代わりに、通常のアタリに対する払い出しを行うものとなっていることを特徴とする請求項3記載のマルチステーション型遊技機。
【請求項5】
前記複数の遊技ステーションに設けられている表示装置の各々は、CRTを備えたものとされ、かつ、これらのCRTの各々を内部に収納するとともに、鉄製の板材で箱状に形成されたシールドボックスを備えていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のマルチステーション型遊技機。
【請求項6】
円盤状に形成された回転盤と、この回転盤の両面の各々に形成されるとともに、その周方向に沿って配列された複数の入賞領域と、これらの入賞領域の内側に形成されるとともに、遊技者に払い出される払出ポイントに対応した数字が記された払出ポイント表示部とを備え、遊技者に払い出される払出ポイントを指定された入賞領域の払出ポイント表示部に記された数字で表すルーレット装置が設けられ、
前記複数の遊技ステーションは、当該マルチステーション型遊技機の長手方向に沿って二列に配列され、且つ、各遊技ステーションの表示装置の画面は、当該マルチステーション型遊技機の前記長手方向に沿った側面に一列に配列され、
前記ルーレット装置は、当該マルチステーション型遊技機の頂部中央に配置されるとともに、前記回転盤が当該マルチステーション型遊技機の前記長手方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のマルチステーション型遊技機。
【請求項7】
前記ルーレット装置には、前記回転盤の周縁と係合するとともに、当該回転盤を回転自在に支持する複数の支持ローラと、前記回転盤(12A) と係合する駆動ローラと、この駆動ローラを介して前記回転盤を回転駆動する電動機とが設けられていることを特徴とする請求項6記載のマルチステーション型遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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