説明

マルチチャンバーアンプルから液体反応性物質を投与する方法

【解決手段】本発明は、固体反応性物質を保持する第一チャンバーとその反応性物質のための溶液を保持する第二チャンバーとを少なくとも備えたマルチチャンバーカルプルから反応性物質を投与するための機器に関する。前記機器は、また、反応性物質を溶液と混合するための混合機器と、その混合機器を収容するハウジングとを有する。本発明は、少なくとも、混合ステップが完了したときのハウジング(1)に対するマルチチャンバーカルプル(4)の位置をマーキングする又は示すための第一提示部(15;21)と、カルプル(4)のガス抜きステップが完了したときのハウジング(1)に対するカルプル(4)の位置をマーキングする又は示すための第二提示部(16;22)とを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャンバーカルプル、特に2チャンバーカルプル又はマルチチャンバーアンプル、から液体薬剤を投与する投与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、成長ホルモンのような、各種の薬剤は、液体に溶かした状態でいつまでも保管できるというわけではない。しかしながら、例えば成長ホルモンの問題をうまく処理するために、そのような薬剤を液体の状態で患者の体組織に導入する必要がある。この目的のために、例えば注入ペンのような形態の投与機器が通常使用される。液体媒体内のそのような短い保管寿命を有した物質を、注入機器による投与に利用できるようにするため、マルチチャンバーカルプル、特に2チャンバーカルプルが開発されている。そのようなカルプルにおいては、乾燥した、又は凍結乾燥した薬剤が、第一カルプルチャンバーに格納され、溶液はその薬剤とは分離して第二カルプルチャンバーに格納される。2つのチャンバーは、通常、移動可能なストッパーにより、互いに分離されている。故に、第一チャンバーは、例えば膜により閉じられているカルプルの出口と、カルプル壁と、第一ストッパーとを備えている。そして、第二チャンバーは、第一チャンバーと隣接しており、第一ストッパーと、カルプル壁と、第二ストッパーとで形成されている。カルプルの長手方向軸に沿って、すなわちストッパーが押される軸に沿って、バイパスがカルプル壁内に備わっており、それは、第一ストッパーの周りの溶液のためのバイパスとして使用可能である。薬剤を溶液と混合するために、カルプル内の第二ストッパーに圧力が掛けられ、それは非圧縮性溶液により第一ストッパーに伝わる。故に、その2つのストッパーは、カルプルの長手軸に沿って、カルプル壁に対して移動する。第一ストッパーが移動してそれがカルプルバイパスの領域に達すると即座に、溶液が第二チャンバーからバイパスを通過し、薬剤を含む第一チャンバーに入り込む。第二カルプルストッパーは、第一ストッパーに突き当たるまで、第一ストッパーの方へ、カルプル壁に対して押され得る。第二ストッパーが再び押されると、第一ストッパーがそれと共に移動し、薬剤を伴った溶液が、カルプルの開口を介して排出できるようになっている。この目的のため、注入針が、そのカルプル開口に取り付けられており、第一カルプルチャンバーとの間で液体が通じるようになっている。薬剤が溶液と混合されるとき、薬剤が溶液の過度な流れに晒されないように注意しなければならない。混合の間は可能な限り気泡は避けなければならない。それで薬剤は、溶けた状態で準備され、従来の投与機器により患者の組織に注入できるようになる。
【0003】
特許出願明細書DE 10 2004 055 298 A1 は、2チャンバーカルプルのための混合機器を開示しており、それにおいては、2チャンバーカルプルが混合スリーブ内に収容され、その混合スリーブは、投与機器の方への軸方向動作により取り付けられている。混合スリーブが押されると、2チャンバーカルプルのストッパーがカルプル内で移動し、薬剤は、溶液と混合される。特許出願明細書EP 0 298 067 B1 は、カルプルがカルプルスリーブ内に挿入され、カルプルスリーブが、投与機器のハウジングにねじ込まれる、という構成を開示している。ねじ込み動作中の軸方向の動きにより、ストッパーは、2チャンバーカルプル内を移動し、薬剤が溶液と混合される。従来から知られている機器によれば、薬剤がゆっくりと混合され、それにより気泡が避けられ、又は薬剤へのダメージが抑制される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの機器を使用するに当たっては、混合手順がいつ完了し、故に薬剤が完全に溶液内に溶けて所望の濃度になったかを示すことは困難であった。投与機器を使用して液体状態の薬剤を患者組織に投与する前に、液体が含まれるカルプルチャンバーと、注入針の先端との間の液体ダクトからガス抜きをする必要がある。この操作は通常呼び水と呼ばれる。従来から知られた2チャンバーカルプルが使用されて投与動作が行われる場合には、呼び水動作は使用者により自ら行われなければならず、よって液体薬剤を投与する前には忘れ去られることもあった。
【0005】
本発明の基本的目的は、使用手順が簡略化され、一定量の薬剤が、簡易にかつ信頼性を持って設定投与できるような、マルチチャンバーカルプルからの薬剤投与の方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提案するように、マルチチャンバーカルプルのための投与機器は、混合動作が完了したときの機器のハウジングに対するカルプルの位置を示すための第一提示部と、呼び水動作が完了したときの機器のハウジングに対するカルプルの位置を示すための第二提示部とを少なくとも備えた提示システムを有している。それらの提示部は、拘束位置に基づいて動作することが可能である。上述のように、マルチチャンバーカルプルは、2チャンバーカルプルであり得る。しかしながら、例えば、固体状態の2つの異なる薬剤、あるいは2つの異なる溶液を提供するために、そのようなカルプル内に2つより多いチャンバーを備えることも可能である。カルプル内の薬剤を混合するために、投与機器は、例えばプランジャーロッドの形態の駆動部材を備えることができ、その駆動部材は、マルチチャンバーカルプルが挿入され、混合の後にそのカルプルから薬剤及び液体が好適に配給されるときに、カルプル内のストッパーをカルプル壁に対して押し進めるのに使用される。混合動作は、マルチチャンバーカルプルのホールダー素子又はカルプルホールダーを、投与機器のハウジングに対して、又はその内部に、押し込む、又はねじ込むことにより、実現できる。この目的のために、例えば、簡単なねじ切りがハウジングとカルプルホールダーの間に施され得る。しかしながら、あるギア比を有した機構、又はDE 10 2004 055 298 A1 で特定されるような機構を備えた混合機器を提供することも可能であろう。従来から知られている他の混合機器も、本発明の文脈内において使用することができる。好適には、例えば、混合、呼び水、用量の設定などの、投与機器を準備する上で行われる個々のステップの間の個々の位置を示すために使用される拘束位置が、アンチ逆摺動ロック又はアンチ回転ロックの形態で提供されるが、それは、挿入された方向とは逆の方向に、ホールダー素子をハウジングから取り外すことはもはや可能ではない場合のことである。アンチ逆摺動ロック又はアンチ回転ロックを解除可能な設計とし、望むのであればロックを解除できるようにすることも可能であろう。
【0007】
混合前の、ホールダー素子がハウジングに対して初期状態又は初期位置にあるとき、マルチチャンバーカルプル又はカルプルホールダーは、投与機器のハウジング又はプランジャーロッドに対して第一位置にあるとされる。カルプルは、この初期位置を脱し、薬剤の溶液との混合が完了するような、ハウジングに対する位置に達するまで、ハウジング内の方向に押される。本発明により提案された提示システムは、この位置、すなわち、溶液が完全に第二カルプルチャンバーから押し出され、溶剤が含まれる第一カルプルチャンバーに送り込まれるような混合位置を示すような第一提示部を有している。カルプルが、手元方向に、又は投与機器のプランジャーロッドの方向に、更に移動した後、呼び水動作、すなわち第一チャンバーに残っている空気を全てカルプルから排出することが行われる。この目的のため、カルプルの複数のストッパーは、併せて押される。ハウジングに対するカルプルのこの第二位置、すなわち呼び水動作が終了する呼び水位置は、提示システムの第二提示部により示される。
【0008】
本発明により提案されるような投与機器を使用すると、使用者は、投与機器から簡単に読み取ることができ、又は音響的知覚により、混合動作及びそれに引き続く呼び水動作が完全に正しく行われたか否かが分かる。故に、使用者は、薬剤を投与するための投与機器が準備できたことと、投与されたときに正しい用量が配給されたことを確信できる。
【0009】
本発明の一実施形態においては、提示システムは、ハウジングに対する、又はプランジャーロッドに対するカルプルの初期位置、すなわち、混合動作が始まる前のカルプル内のストッパーの位置を示すような第三提示部を有している。混合動作は、ハウジング、又はカルプル内のストッパーに対して、カルプルの長い距離に渡って行われるので、混合動作の進行を示すような、いくつかの表示素子の形態の第三表示部を提供することも可能である。この目的のために、例えば、連続した数字又は文字を備えることができるであろうし、あるいは、混合の過程で徐々に細く又は太くなっていくバーでもよいし、繰り返し聞かれるクリック音であってもよい。提示システムの視覚的提示は、投与機器の長手軸に沿って軸方向のオフセットを有していてもよい。しかしながら、その提示は、投与機器の周縁に配設することも可能である。また、提示は、これらの選択肢の組み合わせに基づくものでもよい。すなわち、個々の提示は、軸方向と共に周方向にオフセットしていてもよい。
【0010】
一実施形態においては、投与機器は、上述のように、ハウジングと、カルプルホールダーの形態のホールダー素子とを有しており、薬剤と溶液を混ぜるために、カルプルホールダーは、投与機器のハウジングに対して動くことができるようになっている。ポインター又は切欠きが、カルプルホールダー又はハウジングに設けられており、それは、カルプルホールダーがハウジングに対して動いている間、視覚的提示により選択又は特定可能である。提示システムのための視覚的提示が、他のそれぞれの部分、すなわち、カルプルホールダー及びハウジングに設けられている。カルプルホールダーがハウジングに対して動くとき、カルプルホールダー上のポインターは、例えば、まず初期位置の指示部を指し、次に混合位置の指示部を指し、最後に呼び水最終位置、すなわちガス抜き位置を指す。提示部は、それぞれの位置において、カルプルホールダーの切欠き又はオリフィスの内部に表れるようにすることも可能であろう。最後に、カルプルホールダー及びハウジング上の個々の提示の組み合わせとして選択することも可能である。例えば、初期位置の提示は、カルプルホールダー上に提供され、混合位置と呼び水又はガス抜き位置の提示は、ハウジング上に提供されるようにすることもできる。提示部を特定するポインターも同様にカルプルホールダー及びハウジング上に設けることができる。
【0011】
例として記述された実施形態においては、提示部は、視覚的に知覚されるマーキングの形態で提供されている。上述のように、使用される視覚的提示要素としては、文字、数字、カラーコード、三角、四角、円及び点等の異なる形状が考えられる。当然、これらの提示要素の組み合わせも可能であろう。
【0012】
上述のように、本発明により提案される、投与機器の提示システムは、カルプル自体の上にも配設できる。この場合、提示は、カルプルに沿ったマーキングの形態で提供でき、そのマーキングを選択するためのポインターは、例えば、カルプルのストッパー上、特にカルプルの第二ストッパー上に配設可能である。2チャンバーカルプルがカルプルスリーブに挿入される場合には、例えば長細いスロットがこのカルプルスリーブに設けられ、それを通して、マルチチャンバーカルプル上の提示システムが読み取られる。
【0013】
本発明により提案される、マルチチャンバーカルプルを有した投与機器を準備するための方法に基づいて、混合動作の終了が、第一提示部により示され、呼び水動作の終了が、第二提示部により示される。
【0014】
好ましくは、第三提示部が、投与機器のハウジングに対するマルチチャンバーカルプルの初期位置を示す。2チャンバーカルプルでの混合の間、すなわち、ストッパーがカルプル内で押されると、混合動作の終わりに、まず第一提示部が現れる。ストッパーが更にカルプル内を進むと、呼び水の終了を示す第二提示部が現れる。
【0015】
原理的には、音響的に知覚される信号の形態での提示を使用することも可能である。例えば、混合終了位置のための提示はクリック信号であり、ガス抜き終了位置のための提示は、クリック信号とは異なるノック信号とすることができる。しかしながら、同じ音を使用して全ての位置を示すようにすることも可能である。クリック又はノック音は、投与機器内の、例えば機械的拘束又は停止機構により生成することが可能であり、それらの機構は、2チャンバーカルプル内での混合の間、作動される。
【0016】
本発明の他の実施形態においては、液体生成物を投与するための機器は、ホールダー素子をハウジング内に挿入するための拘束又は提示機構が設けられている。機器の誤用を防止するために、これは、一旦ホールダー素子をハウジング内に導入し始めると、終了した全ての各準備ステップは、後戻りできないことをまず保証するものである。第二に、個々の準備ステップは、提示部により示されるということである。この点に関し、提示は、聴覚的に知覚されるラッチ音の形態で提供することが可能である。この目的のために、例えばロック手段が提供され、それにより、全ての準備ステップの後に、ホールダー素子がブロックされ、ハウジング内に導入される方向とは逆の方向への動きが禁止される。また、実用的と感じられるならば、解除できる設計のロックを使用することも可能である。ハウジングとホールダー素子の間がねじ切りのガイドである場合には、そのロックは、ホールダー素子のねじが緩んでハウジングから外れてしまうのを防止するアンチ回転ロックの形態で提供することができる。かかるアンチ回転ロックは、ホールダー素子上、又はハウジング上のスナッパーアームの形態で提供でき、それは、回転とは逆の方向で、ハウジング又はホールダー素子内の窪みに嵌入し、順方向には窪みから外れるように摺動できるというものである。かかるアンチ回転ロックは、例えば混合動作及びガス抜き動作が終了したときに稼働される。加えて、かかるアンチ回転ロックは、ホールダー素子がハウジングに挿入されたときに、既に稼働状態にあるようにしてもよい。言い換えれば、ホールダー素子は、ねじが完全に戻ってハウジングから外れてしまうことを防止するために、初期位置においてロックにより既に固定されている、ということである。拘束システムが、同時に、対応する準備ステップが完了したことを示すという役割を果たす。混合及びガス抜き後の挿入位置においては、手元方向の動き、すなわちねじ込む動きも禁止されるように、ロックを設計することもできる。この場合、ホールダー素子は、呼び水の後の挿入位置において固定され、挿入することも引き出すこともできず、又はねじ込むこともねじ込みを戻すこともできないようにされる。
【0017】
ロックに嵌入すると、又はカチッと嵌ると、同時に音響的信号が発生され、個々の準備ステップの終了が聴覚的に分かるように、ロック又はアンチ回転ロックを設計することもできる。故に、個々の準備ステップの流れが、使用者には音響的に示される。
【0018】
原理的には、ホールダー素子のために使用されるアンチ逆摺動又はアンチ回転ロックシステムは、指示部を伴わなくてもその従来技術に対する改良を提示するものである。出願人は、この点に関する独立請求項を含める権利を保有しているものとする。
【0019】
図面は、本発明により提案された投与機器の2つの実施形態を描写している。図面から明らかになる特徴は、発明の範囲内にあるものと解釈されるべきであるが、図面は、いかなりとも発明を限定するようには解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1Aは、本発明の第一実施形態に基づき提案された投与機器を示す図であり、初期位置に配設された機器であり、図1Bは、図1Aに示された投与機器を90度回転させた詳細図である。
【図2】図2は、第一実施形態に基づく、混合位置にある投与機器を示す図である。
【図3】図3は、第一実施形態に基づく、呼び水位置にある投与機器を示す図である。
【図4】図4Aは、第一実施形態に基づく、挿入位置にある投与機器を示す図であり、図4Bは、図1Bと同様の詳細図であり、挿入位置にある機器である。
【図5】図5Aは、第一実施形態に基づく、最終位置にある投与機器を示す図であり、図5Bは、図1Bと同様の詳細図であり、最終位置にある機器である。
【図6】図6Aは、第一実施形態に基づく、拘束機構を備えた投与機器の断面図であり、図6Bは、呼び水位置にある、図6Aに示した投与機器を示す図である。
【図7】図7は、本発明で提案された視覚的提示を備えた、本発明の第二実施形態に基づく投与機器の概略図である。
【図8】図8は、図8に示された提示素子の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aは、本発明により提案された液体生成物を投与するための機器の第一実施形態を示しており、初期位置に配設されているものを示している。その機器は、ハウジング1、ホールダー素子2、及び駆動素子3を備えている。本発明により提案された機器は、これら3つの構成のみで動作可能である。投与されるべき所望の生成物が含まれる生成物レザバーと、正しく取り付けられる注入針が加えられる必要があるのみである。
【0022】
例として示された実施形態においては、生成物レザバーは、2チャンバーレザバー又は2チャンバーカルプルであり、ストッパー4bにより仕切られた第一チャンバー4aと、第一ストッパー4b及びストッパー4dにより仕切られた第二チャンバー4cとを備えている。また、生成物レザバーの壁の周囲に備わっているのはバイパス12であり、従来から知られたやり方で、それを通して、溶液を第二チャンバー4cから生成物チャンバー4aに送ることができるようになっている。
【0023】
その手元端においては、ホールダー素子2は、ハウジング1の遠位端に部分的に挿入される。ハウジング1とホールダー素子2との間には、ガイド構造が備わっており、それにより、ハウジング1とホールダー素子2との間の相対的な動きが実現される。そのガイド構造は、スリーブ形状のホールダー素子2の外周面の周りに拡がったねじ切りタイプのガイド溝5aである。同様にスリーブ形状のハウジング1の内周面上に配設されているのは、ガイドカム5bであり、それはガイド溝5a内において導かれる。ガイドカム5bは、また、ガイドトラック又はガイドセグメントの形態のものを備えていてもよい。例としてここで示された実施形態におけるガイド構造5a,5bは、ねじ切りガイドである。ホールダー素子2は、ハウジング1に対する回転動作により、ハウジング内を軸に沿って手前側に向って挿入される。
【0024】
駆動素子3は、根本的にロッド形状の設計である。図1Aに示す初期状態においては、駆動素子3の遠位端は移動して、生成物レザバー4の手前側ストッパー4dの反対側に位置している。
【0025】
図1Aに示した、初期位置にある投与機器は、それが販売される状態に対応するような状態にあり、その機器は、この状態で使用者に提供される。
その手元端において、駆動素子3は、保持素子6及び活性化素子7を有している。保持素子6及び活性化素子7は、駆動素子3の一体化した一部であることが好ましい。しかしながら、保持素子6及び活性化素子7は、駆動素子のロッド形状部に連結するような構成になっていることも可能である。手元端においては、駆動素子3は、駆動ノブ8と名付けられた太い部分を有している。駆動ノブ8は、初期位置においては、ハウジング1内に収まっているので使用者によっては扱うことができない。
【0026】
保持素子6及び活性化素子7は、フレキシブルな突起又はアームの形態で、駆動素子から側方に飛び出している。原理的には、2つ以上のそのようなアームを駆動素子上に設けることが可能であろう。保持素子6は、駆動素子3から手元方向に突出しており、活性化素子は遠位方向に突出している。
【0027】
図1Aに示した初期位置においては、保持素子6は、軸方向において、ハウジングの、内側に突出した突出部又はエッジ9に対向して置かれている。従って、保持素子の手元端は、軸方向において、ハウジングの突出部9に突き当たるように置かれている。この位置において、保持素子はその基本位置ということになる。しかしながら、保持素子は、フレキシブルに偏倚でき、駆動素子3の軸の方に半径方向に移動できる。活性化素子7は、駆動素子3から下の方に、つまり遠位方向に、ある角度で延びている。活性化素子は、初期位置においては緩和状態にあるが、半径方向の駆動素子軸の方へフレキシブルに反らせることが可能である。その投与機器の準備の間、それらは、個々の準備ステップのシーケンスを制御するための異なる複数の機能を実行できる。駆動素子との関連で、それらはシーケンス制御のための制御機構を構成している。
【0028】
図1Bは、図1Aに示した投与機器の手元領域の詳細図であり、機器が90度回転されている。ロック素子10が描かれており、それはハウジング1上の突出部11と協働する。併せて、ロック素子10及び突出部11はクランプ接続を構成しており、保持素子6とハウジング突出部9の間の接触と、駆動ボタン8とハウジング突出部9の間の接触とにより供されるロック動作に加えて、ロック素子3を固定する役割をしている。
【0029】
保持素子6とハウジング突出部9の間の軸方向の接触により、駆動素子がハウジングに対して手元方向に移動することを阻止する動作を可能としている。一方、駆動ノブ8とハウジング突出部9の間の接触により、駆動素子がハウジングに対して遠位方向に移動することが阻止される。
【0030】
図2は、混合位置にある、本発明により提案された投与機器を示している。注入針13が機器の端部に取り付けられている。図1Aに示した初期位置から、ホールダー素子2は、ハウジング1に対して手元方向に駆動されてハウジングの内部に導入され、及び/又はガイド構造5a,5bに沿ってねじ込まれる。この動作の間、駆動素子3は、保持素子6とハウジング突出部9の間のブロック動作により、また、ロック素子10とハウジングの突出部11の間のブロック動作により、ハウジングに対して固定した状態を維持する。ホールダー素子3の導入により、駆動素子3の遠位端が移動して生成物レザバー4のストッパー4dと接触し、生成物レザバー内でのストッパーが導かれる動作が続く限りそれを遠位方向に押すこととなる。その結果、その駆動力が、まずチャンバー4c内の溶液により伝達され、両ストッパー4b及び4cが遠位方向に駆動される。ストッパー4bが移動してバイパスの領域のところにくると即座に、ストッパー4bは、レザバーに対して止まって動かなくなる。一方、ストッパー4dは、更に駆動され、それにより溶液がチャンバー4cからバイパスを介してチャンバー4aに排出される。そして、チャンバー4aにおいて、溶液は、そこにある薬剤を溶かすこととなる。ストッパー4dは、それがストッパー4bに当たるまで駆動される。その結果、投与機器の混合位置に到達することとなる。この動作中、ホールダー素子2は、ハウジング1内に更に導かれ続ける。しかしながら、駆動素子3は、固定したままである。
【0031】
図3は、呼び水位置にある、本発明により提案された投与機器を示している。図2に示した混合位置から、ホールダー素子2は、ハウジング1内において手元方向に更に挿入される。それまで、ホールダー素子2は、第一挿入距離に渡って、ハウジング内に挿入されてきた。その第一挿入距離の間は、ホールダー素子2は、保持位置に止まったままである。ホールダー素子2の手元端は、今度は、保持素子6の肩部6aに突き当たる。肩部6aは、ホールダー素子の手元端と揃うような斜面を有している。ホールダー素子2が、更に第二挿入距離に渡ってハウジング内に挿入されると、その手元端が肩部6aの斜面に当たり、その斜面を下方に摺動させる。こうなると、保持素子6は、半径方向であって、駆動素子3の軸方向に逸らされる。動作アームの形状を有する保持素子6は、逸らされてハウジング突出部9と接触しなくなる。混合位置から、駆動素子3の保持素子6が、ハウジング1に対して駆動素子3を保持するための保持位置から逸らされるような、このトリガー位置に至るまで、ホールダー素子2は、第二挿入距離に渡って動く。ここで、その距離を解除距離と称することができる。保持素子6が逸らされてハウジング突出部9と接触しなくなると即座に、ホールダー素子2の手元端は、活性化素子7の遠位端に向って動くこととなる。駆動素子3は、もはや、ハウジング1に対して手元方向に動くことができるようになり、第三挿入距離だけ移動する。保持素子6を逸らせるためにハウジング1に対してホールダー素子2を更に前に進めている間、ストッパー4b及び4dもまた、生成物レザバー4の遠位方向に同時に更に押される。故に、余計な空気が注入針13を介して生成物チャンバー4aから排される。原理的には、第一挿入距離だけ移動したときに呼び水動作を終了することも考えられる。この場合には、第二及び第三挿入距離を動く間に、保持素子の保持位置の解放のみが行われる。
【0032】
図4Aは、挿入完了位置にある、本発明により提案された投与機器を示しており、ホールダー素子は、ハウジング内の手元方向に挿入され、第三挿入距離だけ完全に、すなわち必要な限りの距離だけ移動したことになる。この第三挿入距離だけ完全に移動すると、駆動素子3は、保持素子6によりハウジングに対してもはや保持されることはない。ホールダー素子2の手元端と、活性化素子7の遠位端の接触により、駆動素子3も、ハウジングに対して手元方向に第三挿入距離に渡って動かされる。そうなると、駆動ノブ8がハウジング1の手元端から外れてきて、使用者により操作可能となる。ハウジング1に対する駆動素子3とそれに伴う活性化素子7の相対的な動きの間、活性化素子7は、突出部11の内側突出端に沿って摺動し、それにより内側に逸らされる。第三挿入距離というのは、ハウジングから出る駆動素子3の動く距離に対応するのであるが、また、生成物を供給するために駆動素子を前方の遠位方向に移動させるのに必要な前進移動の距離に対応している。故に、第三挿入距離は、投与機器に対する用量設定ストロークに対応していることとなる。故に、その挿入距離は、投与機器を設計するときの用量の設定に必要なだけのストロークに依存して可変とすることができる。
【0033】
図4Bは、図1Bに示されたものと同様の詳細図であり、挿入完了位置にある投与機器が示されている。駆動素子3がハウジング1から飛び出ると、ロック素子10と突出部11の間の掛止接合も解除される。
【0034】
ホールダー素子2は、もはやハウジング1内に完全にねじ込まれており、薬剤は混合され、生成物チャンバーは呼び水されている。投与機器は、動作状態に切り替えられており、駆動ノブが引き出されている。これで、所望量の薬剤を投与する準備ができたことになる。
【0035】
この目的のため、図5Aに示すように、ホールダー素子2は、ハウジング1内を遠位方向に押される。その間、ホールダー素子2は、ハウジング1に対して固定状態を維持する。故に、この前方移動は、ストッパー4b及び4dに伝達され、それにより液体生成物が生成物チャンバー4aから配給される。駆動素子3は、駆動ノブ8が移動してハウジング突出部9と接触するまで、ハウジング1内で押される。同時に、突出部11により内側に逸らされた活性化素子7は、ホールダー素子2内において、そのホールダー素子2の内側面に沿って摺動する。保持素子6もまた、ホールダー素子2の内側面に沿って摺動する。そうなると、肩部6aは、ホールダー素子2の外周面に沿って案内される。駆動ノブ8がハウジング突出部9と接触するやいなや、保持素子6の手元端は、ハウジング突出部9を過ぎて移動する。肩部6aと同じ高さの切欠きがホールダー素子2の内周面に設けられており、肩部6aがその切欠き内に曲って落ちる。保持素子6のこの偏倚動作により、肩部6aが切欠き内にパチッと嵌り、保持位置に戻る。すなわち、その位置では、保持素子6の遠位端は、ハウジング突出部9と接触する状態となる。駆動ノブ8は、ハウジング1内に再び引き戻される。
【0036】
投与機器はその段階で最終位置にある。故に、保持素子6は、保持位置に戻り、それにより駆動素子3は、ハウジング1に対して固定状態となる。故に、投与機器は、ブロックされて、あらゆる動作が禁止される。図5Bは、図1Bからの詳細を示しており、投与機器は、最終位置にある。示された通り、ロック素子10は、ハウジング1の突出部11との掛止接合の状態に戻る。その結果、保持素子6とハウジング突出部9の間の保持動作に加えて、駆動素子3も固定されて、あらゆる動きやガタつきが抑止される。このとき投与機器は、この固定状態で配設されている。
【0037】
本発明の目的のためには、駆動素子3が保持素子6により固定され、ハウジングに対する手元への動きが防げていれば十分であるということを、明確にここで指摘しておく。ロック素子10は、単に、更に扱い易くするためのものであり、駆動素子3の付加的なガイドとしての役割を果たす。
【0038】
図6Aは、本発明により提案された投与機器の断面であり、投与機器を準備することに含まれる個々のステップの提示を固定化して提示するための拘束機構又は提示機構を表わしている。図6Aは、既に混合位置にある投与機器を示している。提示又は拘束機構は、第一拘束溝14と、拘束オリフィスと称すことのできる第二拘束溝15と、第三拘束溝16とを備えている。周囲方向に向いた拘束アーム17が、ホールダー素子2上に設けられており、それは半径方向外側に偏倚しているので、ホールダー素子2がハウジング1内にねじ込まれるときに、ハウジングの内周面に沿って摺動することとなる。ホールダー素子2がハウジング1に挿入されると、ホールダー素子2は、拘束アーム17が第一拘束溝14内に嵌入するまで、ハウジング1内にねじ込まれる。この嵌入状態において、投与機器は、初期位置にあることになる。その嵌入動作は、初期位置に到達したことを示す音響的な信号を有効に生成する。拘束アーム17は、偏倚して第一拘束溝14と接触することにより、ねじ込みが戻って、又は押し戻ってホールダー素子2がハウジングから脱落してしまうことを防止できるように設計される。初期位置から、ホールダー素子2は、ハウジング1内を手元方向にのみ更にねじ込まれるようにすることができる。原理的には、第一拘束溝は、ハウジングの全長さに渡って配設することが可能であり、そのとき嵌入動作は、ホールダー素子の一回転ごとに発生し、それにより音響的信号も有効に生成することができる。初期位置から、ホールダー素子は、それが拘束アーム17により第二拘束オリフィス15に嵌入するまで、更に進み、それにより2チャンバーレザバーにおける混合の終了を示すことができる。第二拘束溝がオリフィスの形態で設けられたときは、理論的に、拘束アーム17は、外側から内部方向に押されてその拘束オリフィスから外れるようにすることが可能であり、それによりホールダー素子もハウジング1から抜く方向にねじ込みを戻すことが可能となる。このオプションは、投与機器からの投与動作が混合の後に即座に行われるべきでない場合には、実用的に有利であろう。しかしながら、一般的に言えば、第二拘束溝は、オリフィスの形態では設けられておらず、この第二嵌入動作は、ロックを構成することとなり、ホールダー素子のねじ込みがハウジングから外れる方向に戻ることを防止している。この混合位置から、ホールダー素子は、拘束アーム17が第三拘束溝16に嵌入するまで、ハウジング内を手元方向に更にねじ込まれることができ、その嵌入により呼び水位置が提示される。拘束アーム17と第二拘束溝16の間の嵌入動作は、アンチ回転ロックとしての動作もなし、それによりホールダー素子はこの位置でブロックされ、ハウジングに対する更なる動きが防止される。ホールダースリーブ2は、軸方向において、ハウジング突出部9とも接触状態で落ち着くからである。
【0039】
図6Bは、投与機器の断面図であり、拘束アーム17が、ハウジング1の拘束溝により、ホールダー素子2を嵌入位置に保持している。図6Bに示される通り、ホールダー素子2は、その嵌入構成により、反時計回りに回転させることができないが、ハウジング1内で、ホールダー素子2を時計回りには回転させることが可能である。拘束アーム17は、内側にフレキシブルにパチッと嵌る状態になるものであり、溝の斜面に沿って摺動できる構成なので、溝から外れるようになっているからである。
【0040】
図7は、本発明により提案された投与機器の第二実施形態を示しており、ハウジング1と、投与動作を実現するための駆動ノブ8と、2チャンバーカルプルを有したホールダー素子2とを備えている。2チャンバーカルプルは、2つのストッパー4b及び4dを有している。薬剤は、カルプルの壁、カルプルの前部開口、及びストッパー4dで仕切られた、図面の左側に示された、カルプルの第一チャンバー4a内に含まれている。図7においては、溶液は第二チャンバーから、カルプル壁内のバイパス12を介して、第一チャンバー4a内に既に移動しているので、その2チャンバーカルプルは既に混合位置にある状態で示されており、もはや溶液を含むチャンバーはなくなっている。
【0041】
ホールダー素子2上に配設されているのは、フラッグの形態の第一提示部21であり、それは、ハウジング1に対するカルプル4の位置が混合終了の位置にあることを示している。フラッグ11に加えて、第二提示部22が他のフラッグの形態で備わっており、それは、ハウジングに対するカルプルの位置が呼び水の後の位置にあることを示している。
【0042】
図8は、2つのフラッグ21及び32の概略を示している。フラッグは、カルプルスリーブ上の、又はカルプルそれ自体の上の接着ラベルの形態で設けることができる。フラッグは異なる色をしており、それらの機能に応じて異なる印刷がされている。それらは、投与機器の長手軸に沿って配設されており、投与機器の周囲方向において、互いにオフセットを有している。
【0043】
図7においては、切欠き23が、投与機器のハウジング1の左側端に設けられており、第一及び第二提示部又はフラッグ21及び22を選択又は特定するためのポインターの役割を果たしている。故に、切欠き23の形態のポインターは、ハウジングと一体化しており、フラッグの形態の提示部21及び22は、カルプルスリーブ上でハウジングに対して動くことができるようになっている。図7に示した機器は、既に混合処理は終わっているが、呼び水処理又はガス抜き処理は未だの状態となっている。
【0044】
2チャンバーカルプル4を混合するために、ホールダー素子2がハウジング1内にねじ込まれるとき、フラッグ21及び22は、その回転動作により、ハウジングに対して、軸方向にも周方向にも位置を変える。2チャンバーカルプルの混合が終了すると、フラッグ21は、切欠き23内に移動する。故に、使用者は、混合処理が完全に終了したことが、容易に掌握できる。ホールダー素子2が更にハウジング1内にねじ込まれると、ストッパー4b及び4dは、2チャンバーカルプル4内で、開口方向に更に押され、それによりカルプルの第一チャンバー4a内に残っていた空気を、その開口と、取り付けられた針ユニット13とを介して排出することができる。呼び水に必要な回転動作が終了してしまえば、フラッグ22による第二提示部が、切欠き23内に移動する。故に、使用者は、呼び水動作も完全に終了したことを把握することができる。2チャンバーカルプルを備えた投与機器は、この段階で、混合薬剤の投与の準備ができたことになる。
【0045】
2チャンバーカルプル及び混合機構の更なる詳細のために、前述の刊行物が参照され、2チャンバーカルプル及び混合機構を記述する技術的教示に関しては、本出願に援用される。
【符号の説明】
【0046】
1 ハウジング
2 ホールダー素子
3 駆動素子
4 生成物レザバー
4a 第一チャンバー
4b 第一ストッパー
4c 第二チャンバー
4d 第二ストッパー
5a ガイド溝
5b ガイドカム
6 保持素子
6a 肩部
7 活性化素子
8 駆動ノブ
9 ハウジング突出部
10 ロック素子
11 突出部
12 バイパス
13 注入針
14 第一拘束溝
15 第二拘束開口
16 第三拘束溝
17 拘束アーム
21 第一提示部
22 第二提示部
23 切欠き
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体の薬剤を含む第一チャンバーとその薬剤のための溶液を含む第二チャンバーとを少なくとも備えたマルチチャンバーカルプルから前記薬剤を投与するための機器であって、
前記薬剤と溶液を混合するための混合機構と、当該混合機構を収容するハウジングとを有し、
提示システムを備え、当該提示システムは、混合が終了したときの前記ハウジング(1)に対する前記マルチチャンバーカルプル(4)の位置をマーキングする又は示すための第一提示部(15;21)と、前記カルプル(4)の呼び水動作が終了したときの前記ハウジング(1)に対する前記カルプル(4)の位置をマーキングする又は示すための第二提示部(16;22)とを少なくとも備えることを特徴とする機器。
【請求項2】
前記提示システムは、混合動作の前の前記ハウジング(1)に対する前記カルプル(4)の初期位置をマーキングする第三提示部を有することを特徴とする請求項1に記載の投与機器。
【請求項3】
前記提示部(15,12;16;22)は、前記投与機器の長手軸に沿って軸方向にオフセットされて、及び/又は前記投与機器の周上において周方向にオフセットされて配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の投与機器。
【請求項4】
前記薬剤と溶液を混合するためにハウジング(1)に対して移動することができ、前記カルプルを収容するホールダー素子(2)を備えることを特徴とする先行する請求項の1つに記載の投与機器。
【請求項5】
前記提示システムの前記提示部は、視覚的に知覚されるマーク、音響的信号、又は視覚的マークと音響的信号の組み合わせの形態で提供されることを特徴とする先行する請求項の1つに記載の投与機器。
【請求項6】
ポインター又は切欠きが、前記ホールダー素子(2)及び前記ハウジング(1)の一方に配設され、それにより前記提示部の1つが提示でき、また前記ホールダー素子(2)及び前記ハウジング(1)の他方は、前記提示システムを組み込んでいることを特徴とする先行する請求項の1つに記載の投与機器。
【請求項7】
前記表示システムは、拘束機構(14,15,16;17)の形態で提供されることを特徴とする先行する請求項の1つに記載の投与機器。
【請求項8】
前記拘束機構は、ホールダー素子(2)が前記ハウジング内に挿入される方向とは反対方向の動きがブロックされるように、前記ホールダー素子(2)と前記ハウジング(1)の間の解除可能又は解除不能拘束位置を形成することを特徴とする請求項7に記載の投与機器。
【請求項9】
前記ホールダー素子(2)と前記ハウジング(1)の間の挿入動作は、回転動作であり、前記拘束機構は、アンチ回転ロックとして振る舞うことを特徴とする請求項7又は8の1つに記載の投与機器。
【請求項10】
マルチチャンバーカルプルの混合動作が完了したときのポインターに対する前記カルプル(4)の位置をマーキングするための第一提示部と、呼び水動作が完了したときのポインターに対する前記カルプルの位置をマーキングするための第二提示部とを少なくとも有する提示システムを備えたことを特徴とするマルチチャンバーカルプル。
【請求項11】
前記提示システムのポインターは、前記マルチチャンバーカルプルのストッパー(4b;4d)の1つの形態で提供され、前記混合位置及び前記呼び水位置のための前記第一及び第二提示部は、前記カルプルの長手軸に沿って配設されていることを特徴とする請求項10に記載のマルチチャンバーカルプル。
【請求項12】
マルチチャンバーカルプルを有する投与機器を準備する方法であって、前記マルチチャンバーカルプルの混合動作の終了が第一提示部(11)により示され、前記マルチチャンバーカルプルのガス抜き動作の終了が第二提示部(12)により示されることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記混合動作の開始前の前記マルチチャンバーカルプルの初期位置は、第三提示部により示されることを特徴とする請求項12に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−523183(P2010−523183A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501405(P2010−501405)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002341
【国際公開番号】WO2008/122360
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(503459785)テクファーマ・ライセンシング・アクチェンゲゼルシャフト (100)
【Fターム(参考)】