マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシックチャンバーと積分測定用ラテラルトランスデューサーを備えるセンサーによる化学的又は生物学的分析方法及び装置
本発明はマルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシックチャンバーと積分測定用ラテラルトランスデューサーを備えるセンサーによる化学的又は生物学的分析方法及び装置に関する。本発明の目的は、マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシック反応チャンバー(Cre)のチャネル(ck)に流体サンプル(f)を平行に多重流通させ、反応チャンバーの包絡面(Sev)の完全に外側でその側面(slat)と厳密に向かい合うようにトランスデューサー(T)システムを配置し、反応チャンバー(Cre)の全チャネル(ck)における検体(A)の存在を同時に総体的に定量するように、検体(A)と反応チャンバーに同様に配置された受容体(R)の組合せにより発生される信号の積分測定を反応チャンバー(Cre)の全チャネル(ck)に共通のラテラルトランスデューサー(T)システムにより実施することにより、流体サンプル(F)中の検体(A)濃度の慣用センサー評価方法を改善することである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学的センサー及び/又は生物学的センサーの技術分野に関する。センサーの目的は流体サンプル中の検体の濃度の評価方法を実施することである。検体成分は一般に可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分(酵素、抗体、抗原、微生物細胞、気体、イオン、代謝産物、微生物、蛋白質、オリゴヌクレオチド等)である。検体は液体又は気体(空気等)等の任意流体サンプル中に存在することができる。センサーの目的は、流体サンプル中に含まれる検体の濃度を利用可能な分析(一般に電気)信号に変換することである。
【0002】
各種分析システムのうちでセンサーは、
−反応チャンバー内に配置されており、検体を(分子)識別し、(場合により受容体と一体化していてもよい指示薬として知られている別の化合物を使用して)物理化学的成分信号を発生するための受容体として知られている化合物と、
−この信号を受信するためのトランスデューサーとして知られているハードウェアシステムを組合せた濃度測定手段を意味する。
【0003】
従って、センサーは高圧液相クロマトグラフィー(HPLC)等の他の補助分離段階や、フラクションインジェクション分析(FIA)装置の場合のような付加ハードウェア装置を組込んだ分析システムから区別される。
【0004】
センサーの内側において受容体は、
−検体を識別するように調整されていると同時に、
−検体(及び場合により指示薬)と共同して検体成分の存在を測定するための成分信号を発生することが可能な化学的及び/又は生物学的化合物である。
【0005】
トランスデューサーは、
−検体成分の複数の識別イベントの発生をもたらす受容体(又は生物受容体)の作用を
−サンプル中のこの検体成分の存在の定量を可能にするグローバル信号に
変換する物理的手段(ハードウェア)である。
【0006】
センサーはその実用性を決定する以下のパラメーターにより分類することができる:
−使用する受容体の型、
−検体が受容体とどのように相互作用するか、
−検体成分の存在を示す発生される成分信号の型、
−反応チャンバーの形状、
−変換手段の構造及び形状と反応チャンバーに対するその位置、即ち反応チャンバー/トランスデューサー対の相対形状。
【0007】
本発明は特に、
−反応チャンバーがモノリシックマルチマイクロチューブ状であり、
−トランスデューサーが完全に反応チャンバーの試験体の外側に配置された
(化学的及び/又は生物学的)センサー方法及び装置の技術分野に関する。
【0008】
本発明は化学的及び/又は生物学的センサーの性能を改良する方法と、この改良を実施する新規センサー形状に関する。
【背景技術】
【0009】
センサーの原理は従来技術で広く利用されている。従来技術で公知の特定種のセンサーはバイオセンサーから構成される。バイオセンサーでは、化学識別システムは生化学メカニズムを使用している。この場合には、受容体は抗体、酵素、細胞、細胞膜又はオルガネラの一部、細胞組織又は生物のフラクション等とすることができる。
【0010】
例えば、以下の触媒反応:
グルコース+O2→グルコン酸+H2O2
を実施するように受容体(生物受容体)としてグルコースオキシダーゼ酵素を使用して液体中のグルコースを測定するためのバイオセンサーの従来の機能原理について説明する。
【0011】
この型の酵素受容体センサーは1962年にClarkとLyonsにより最初に記載された。
変換、即ち液体中に存在するグルコースの測定は理論的には
−酵素識別反応前後に存在する酸素比を測定する酸素トランスデューサー、
−酵素識別反応中のグルコン酸生産を測定するpHトランスデューサー、
−又は酵素識別反応中のH2O2生産を測定する過酸化物トランスデューサー
により実施することができる。
【0012】
当然のことながら、これらの3種の方法によると、トランスデューサーは反応チャンバーの上流と下流に配置される。
センサーが正確で迅速な検体濃度測定を実施できるようにするためには、
−一方では、識別段階が最大限に「一対一対応」であること、即ち可能な最大比率の検体成分が受容体成分により識別され(複数の同一受容体成分が同一検体成分を識別することは殆どない)、
−他方では、変換が可能な限り高感度であり、そのためには、識別される検体成分の最大限の量が変換されることが適切であると直感的に理解されよう。
【0013】
更に固相型センサー、即ち、成分の少なくとも1個(検体又は受容体又は指示薬)が反応チャンバーの試験表面に固定化されている(且つ全パラメーターを必要とする)センサーの場合には、
−反応チャンバー内の検体成分と受容体成分の交換「表面」が大きく、
−サンプル流体と試験表面の間の「平均試験距離」が小さいので、
識別の「一対一対応」を大きくすることが化学的に必要である。
【0014】
なお、
−平均試験距離とはセンサーの試験チャンバーの内側の流体サンプルの成分部分と試験表面の間の距離の平均であり、
−反応チャンバーの平均試験断面とは、平均試験距離の2倍である。
【0015】
従って、特に固相型センサーの場合には、化学的理由から試験体の
−試験表面が大きく、
−平均試験断面が小さく、
−且つ必要なスペースと流体サンプルと試薬の消費を制限するために全体試験体を小さくした反応チャンバーを作製することが可能な限り適切である。
【0016】
即ち、
−[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比を大きくし、
−[反応チャンバーの試験表面とその試験体容積の]「感度」比を大きくするように、
反応チャンバーのパラメーターを最適化することが化学的に好ましい。
【0017】
更に、測定感度の理由から、できるだけ多数の識別イベントにわたって変換測定を実施することが物理的に望ましい。従って、センサーのこれらの効率パラメーターは先験的に矛盾することが理解されよう。
【0018】
従来技術は数種の方法でこれらの目的を達成することを試みている。
従来技術の第1の方法は「二次元」反応チャンバーを使用しており、薄い(略平面)二次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。この二次元カテゴリーはまずキャピラリー膜試験装置を含む。キャピラリー膜試験とは、吸い取り紙等の多孔質媒体から構成される薄膜の内側で実施される分析方法を意味する。検査検体に特異的な指示薬を膜の特定試験ゾーンに固定化する。膜に添加後、検体を含む液体サンプルは毛管現象により多孔質媒体中を移動する。液体サンプルが特定試験ゾーンに到達すると、検体は指示薬と結合する。この反応は特定試験ゾーンの蛍光等の化学発光現象又は発色を伴う。こうして検体の有無を二元的に推論することができる。
【0019】
このキャピラリー膜試験の「表面積」ストラテジーは必要な上記「化学的」条件、即ち、
−大きい試験表面、
−小さい平均試験断面、
−小さい総容積
を十分に満足する。
【0020】
しかし、当然のことながらこれらのキャピラリー膜試験は上記に明示した意味でのセンサーではない。これらのシステムは物理的トランスデューサーシステムをもたない。従って、マルチチューブ反応チャンバー型センサーの背景技術である。結果は一般に直接目視される。そのため、これらのキャピラリー膜試験は特に定性的(二元的)である。これらの試験は検体濃度を正確に定量することができない。更に、「二次元」即ち薄層膜形状は検体(小容量)の存在に低感度であるという欠点がある。出現する目視現象は表面層上の物理化学効果の結果である。従って、これらの膜試験は高濃度の検体(一般に微生物では106/ml)にしか利用できない。
【0021】
この低感度の問題を解消するために、サンプルの初期集積相を使用する方法もある。一般に微生物では、存在する微生物数を分析前に著しく増幅するためにペトリ皿で出発サンプルを培養することができる。この増幅段階は一般に24〜72時間を要するため、特徴的な低速の欠点があり、使用者に満足されず、費用もかかり、不利である。
【0022】
従来技術の第2の方法は「三次元」反応チャンバーを使用しており、三次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。
この第2のセンサーストラテジーの第1のサブクラスとして、「低表面積対容積比」チャンバー型センサーが挙げられる。
【0023】
このストラテジーの1例はBioMerieux社(フランス)のVIDAS装置における分析セルとしての中空円錐形支持ピペットの使用である。流体サンプルは受容体を内側にコートした円錐形支持ピペットの内側に採取される。その後、試薬と洗浄液を順次吸引し、ピペットの内側コーンに逆流させる。対(受容体−検体)をコーンの表面から分離し、ウェルに逆流させ、スペクトロフォトメトリーによりカウントする。この方法は確かに多数の試験を自動化し、操作者によるサンプルと試薬の操作を容易にすることができる。しかし、この方法は血清試験で多く使用されているにも拘わらず、微生物では前増殖期を省くことができない。当然のことながら、この型のセンサーの欠点は[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比が小さいことである。その結果、受容体成分による検体成分の瞬間捕獲確率が低い。従って、検体成分の識別成分信号の総量が少ない。その結果、トランスデューサーによりピックアップされる信号は低感度である。また、増幅のためにインキュベーション時間が必要であるため、試験実施時間が著しく長くなる。一般に、この型の装置による試験は18時間の準備時間後に15〜45分間の測定プロセスを必要とする。
【0024】
この第2のストラテジーの第2のサブクラスとして、「多−三次元」法が挙げられる。一般に、キャピラリー試験体型反応チャンバーが使用される。
センサーの分野でキャピラリー構造を使用することは従来技術から公知である。特に多孔質ネットワークを形成するようにポリエチレンもしくはポリスチレンマイクロビーズ又はセルロース誘導体繊維を凝集させることにより得られる多孔質構造は当業者に周知である。これらのキャピラリー構造は検体を固定化し、試薬を流すことを目的とする。上記膜試験はこれらの技術を使用している。これは一般に家庭用妊娠試験又は狭心症の場合の連鎖球菌検出試験の基盤となる材料である。上述のように、これらの試験の読取りは純粋に発色の出現の目視である。この型の試験の大きな欠点はその感度が低い[発色の「有効容量」が多孔質層の表面部分に限られる]ため高濃度検体への利用に限られることである。更に、これらのシステムはトランスデューサーをもたないのでセンサーを構成しないことが判明した。従って、本発明には遠く及ばない背景技術である。
【0025】
分析とは無関係の用途のためのモノリシックマルチチューブ構造体の製造と使用も従来技術から公知である。Schott社(米国)は実験用及び光電子用の前記構造体を製造販売している。Burle社(米国)は電子管及び光電子増倍管用の前記構造体を製造販売している。Collimated Holes社(米国)は光ファイバー関連用途の前記構造体を製造販売している。現在、従来技術によるこれらのマルチマイクロチューブ構造型チャンバーは一般にマイクロチューブ直径が5ミクロン〜1mmである。マイクロチューブの形状は一般に円形、六角形又は正方形断面である。集合するマイクロチューブ数は約200000本である。チャンバーの総断面は25mmのオーダーである。マイクロチューブは従来ガラス(硼珪酸塩又は珪酸鉛)から製造される。これらのマルチマイクロチューブ構造の従来技術による慣用用途は、ガス流とX線のコリメーション、漏れ電流校正、空気流モニター、差圧バリアーとしての使用、濾過、オプトエレクトロニクス、レーザー入力窓である。Burle社により提案された先進用途はマルチマイクロチューブ型チャンバーの両末端に電位差を印加する場合に増幅される電子流の発生器の製造である。従って、センサーの適用ではない。
【0026】
透析システムを製造するために相互に離間した膜壁付きチューブの平行束を集合させることも従来技術により公知である。構造は非モノリシックである。相互に離間したチューブの第1の末端を血液入口コネクターに、第2の末端を血液出口コネクターに並列に接続している。アセンブリをシースの内側に配置し、透析液を循環させる。このシステムはチューブの内側に化学的受容体を使用していないし、トランスデューサーも使用していない。従って、センサーの適用ではない。
【0027】
文献WO02/094440 A2(Microchip integrated multichannel electroosmotic pumping system)はキャピラリーチューブモノリシックアレーの別の適用を記載しており、このアレーはチップ又はマイクロマシンで使用するための電子浸透圧ポンプを構成している。しかし、この装置はトランスデューサーを含まない。更に、センサーの適用ではない。従って、本発明には遠く及ばない背景技術である。
【0028】
この第2の「多−三次元」ストラテジーの第2のサブクラスによる従来技術のセンサーはマルチチャネル三次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。このストラテジーは「高表面積対容積比」であるということができる。しかし、後述するように、この場合には、従来技術はトランスデューサーの構造や、マルチチューブチャンバー/トランスデューサー対の形状を考慮していない。
【0029】
分析とは無関係の用途のための非モノリシックマルチチューブ「多−三次元」構造の製造と使用は本発明の背景技術から公知である。
米国特許第6,517,778号(Immunoassays in capillary tubes)には非モノリシックマルチチューブチャンバー型分析用センサーが記載されている。試験体は単一キャピラリーチューブ又は少数の相互に分離したキャピラリーチューブから構成される。流体サンプルは使用後に廃棄可能な受容トレーの1又は複数のウェルに添加する。サンプルをウェルで試薬と混合し、キャピラリー試験管の1本又は数本に吸引し、分析装置に接続されたカートリッジ内で分離する。検体成分はキャピラリー試験管の表面に支持された受容体成分と反応する。その後、試験管を洗浄して反応を停止し、乾燥する。次に各キャピラリー試験管に光照射し、トランスデューサーにより検出される蛍光信号を発生する。なお、
−一方では、各キャピラリーチューブは相互に分離され、離間しており(即ち非モノリシック構造であり)、
−他方では、変換測定はチューブ毎に実施される(チューブ全体の側面を包囲するトランスデューサー形状については記載していない)。
【0030】
当然のことながら、この型のセンサーの第1の欠点は相互に離間した少数のチューブを使用しているため、[反応チャンバーの試験内表面とその試験体容積の]その「感度」比が小さい点である。その結果、その感度は低い。この装置の第2の欠点はチューブのそのカートリッジが嵩張り、費用がかかり、(その寸法により)輸送及び操作しにくい。
【0031】
分析に関連する用途のためのモノリシックマルチチューブ構造体の製造と使用も従来技術から公知である。化学分析におけるこれらの構造体の使用は(特に医薬研究分野における)所謂高スループットスクリーニング技術の開発により著しく加速している。これらの技術は一般に96個の反応ウェルをもつプレートで同時に使用される異なる試薬の「ライブラリー」を利用している。
【0032】
米国特許第6,027,873号(Multithrough hole testing plate for high throughput screening)はマルチウェルプレートのウェルの底部に生成物のライブラリーの液溜めを接続するためにマルチマイクロチューブ構造を使用するスクリーニング装置を記載している。(マルチウェルプレート側の)近端は相互に溶着され、モノリシックマルチチューブ反応ヘッドを構成する。(ライブラリーの液溜め側の)遠端は可撓性チューブの形態で分離したままである。この目的は非常に小寸法のウェルに充填する困難を解消することである。従って、センサーの適用ではない。この文献にはチューブの内側で検体−受容体型の反応を実施することは全く記載されていない。更に、検体の検出測定用トランスデューサーも記載されていない。この文献がトランスデューサー/反応チャンバー対の形状に注目していないことは全く明白である。
【0033】
文献US2002/0164824(Method and apparatus based on bundled capillaries for high throughput screening)も主に上記一般型の化合物の高スループットスクリーニング装置を記載しているが、センサーについては記載していない。しかし、この文献は免疫試験の可能な支持体としてのこれらのキャピラリー構造体の使用を簡単に提案している(請求項55以下)ので本発明の背景技術を構成するとみなすことができる。免疫競合型センサーとしてのこの装置の記載によると、各マイクロチューブの内側を同心円状に覆う中空光ファイバーを備えている。これらの光ファイバーはトランスデューサー束を構成する。従って、提案技術によると、変換は構造体のチューブの各々の内側で別々に実施される。信号はチューブの各々の末端でピックアップされる。この型のトランスデューサー束型センサーの主な欠点はトランスデューサー/マイクロチャネル対の形状が複雑であることと、それに伴う製造費用であると思われる。更に、場合により複数の光ファイバーを接続すると、アセンブリの費用がかかり、脆弱になると思われる。従って、この技術により使い捨て可動テストカートリッジを製造するのは著しく困難であると思われる。
【0034】
文献WO02/10761 A1(Microarrays and their manufacture by slicing)も高スループットスクリーニング装置の製造について記載しており、チューブ又はシリンダーアレーの各チューブ又はシリンダーは異なる生体物質でコートされている。これらのアレーはサンプルを通過させるスライスを構成するために、その主方向に垂直に分割されている。しかし、各チューブの発色はその末端の一方で観測する。チューブアレーに対して側方にトランスデューサーは配置されていない。チューブ毎に信号を観測するので、複数のチューブの信号を単一信号に積分するものでもない。
【0035】
文献US2002/0086325 A1(Affinity detecting/analytical chip,method for production thereof,detection method and detection system using same)は樹脂支持体をオーバーモールドしたガラス製チューブアレーを記載している。チューブは各種特異的結合反応が可能な分子で内側をコートされている。アレーにサンプルを通し、その所定成分をチューブの内側に固定した分子に特異的に保持させることができる。チューブの一端に光ビームを照射すると、他端で発色が観察される。これはチューブの内側にサンプルの所定成分が保持されているか否かにより異なる。チューブアレーに対して側方にトランスデューサーは配置されておらず、チューブ毎に信号を観測するので、複数のチューブからの信号を単一信号に積分することもない。
【0036】
米国特許第5,690,894号(High density array fabrication and readout method for a fiber optic biosensor)は各々検体に特異的な成分をその感受性末端に結合した複数の光ファイバーを含むバイオセンサーの製造と使用を記載している。各光ファイバーは純粋にトランスデューサーとして機能し、他端への光情報の輸送のみを確保する。ファイバーの情報は操作者により表示されるか、又はディジタル装置により処理される。この特許はサンプルをマルチチューブ反応チャンバーに多重流通させることを記載していない。従って、本発明にはほど遠い背景技術である。
【0037】
センサーの従来技術の第3の方法は特に上記のような測定感度の側面に注目している。
ヨーロッパ特許第1,262,766号(Method for analyzing a mixture of biological and/or chemical components using magnetic particles and device for the implementation of said method)は[反応チャンバーの試験内表面とその試験体容積の]その「感度」比を増加し、従って、試験体の内側の識別イベント密度を増加するために、試験体の内側で反応支持体として多孔質キャピラリー構造を使用することを教示している。センサーは抗体を受容体成分として使用し、超常磁性ビーズを指示薬成分として使用している。変換は試験体への磁場の印加と、試験体中に存在する全指示薬成分の磁化に起因する磁気誘導の測定に基づく。多孔質キャピラリー構造を作製する方法として記載されている唯一の方法はポリエチレンマイクロビーズのアセンブリに基づく。従って、この文献はマルチチューブ反応チャンバー型センサーの特定分野に関するものではない。この文献は反応チャンバー/トランスデューサー対の相対形状についても記載していない。マイクロビーズに伴う多孔質キャピラリー構造型の主要な欠点は複数のランダム空孔をもつ試験体を形成することであり、特に空孔内に閉じ込められたビーズにより多数の偽検出イベントを生じることが認められた。この型の構造のセンサーは不正確である。この型の多孔質キャピラリー構造の別の欠点は[反応チャンバーの試験表面とその試験体容積の]その「感度」比である。この比はマルチチューブ構造よりも小さく、従って、その感度も低い。
【0038】
最後に、本発明の背景技術としてセンサーの製造を目的としないマルチチューブ構造を使用する各種化学処理システムを挙げることができる。例えば、米国特許第6,027,627号(Automated parallel capillary electrophoretic system)は自動電気泳動システムを記載している。この装置は、
−全長にわたって接するのではなく、その末端同士が接続された複数のキャピラリーチューブと、
−同数の複数の平行な電気泳動チューブを含むカートリッジを使用している。
【0039】
キャピラリーチューブは一端をマイクロタイタープレートに接続され、他端を電気泳動チューブに接続されている。この装置は更に泳動媒体として機能するゲルの供給システムを備える。従って、プレートの各ウェルに存在するサンプルのキャピラリー電気泳動を実施することができる。マイクロチューブ構造(キャピラリーチューブと電気泳動チューブの両者)はモノリシックではない。更に、このシステムは受容体による検体の識別反応を実施しない。更に、このシステムはトランスデューサーを含まない。これはセンサーの適用ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0040】
最も一般的な側面では、本発明は流体サンプル中に存在する検体の検体成分の濃度の評価方法に関する。検体成分とは可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分を意味する。本発明はセンサーの慣用操作方法の改良に関する。センサーとは、流体サンプル中に存在する検体の検体成分の濃度の評価装置を意味し、
−被分析流体サンプルのフラクションをその内側に流通させる試験体を内側に形成する反応チャンバーと、
−測定用トランスデューサーシステムと、
から構成される。
【0041】
試験体は反応包絡面により包囲されている。位相的には反応包絡面とは、前記試験体を包囲する最小連続表面と定義される。一般に、この包絡面は、
−透過性上流面と、
−透過性上流面の反対側に配置された透過性下流面と、
−前記2個の上流面及び下流面の周囲に、2つの端部が結合している実質的に円筒形の非透過性側面と、
から構成される。
【0042】
全センサーは、試験体の内側で流体サンプルと接触させる(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)を使用する。受容体成分は、検体成分を検出するために検体成分に対して親和性をもつ。受容体は更に、受容体成分による検体成分の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数を成分信号で修飾する性質をもつ。
【0043】
示量状態変数の測定用トランスデューサーシステムは、流体サンプル中の検体成分の存在の定量を可能にするハードウェアコンポーネントである。
本発明の濃度評価方法は、
−マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシック反応チャンバーを備えるセンサーに、流体サンプルのフラクションを平行に多重流通させることと、
−反応チャンバーの包絡面の完全に外側で非透過性側面と厳密に向かい合うように、示量状態変数の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムを配置することと、
−反応チャンバーの全チャネルで同時に、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムにより前記示量状態変数の変動の積分測定を実施する、
ことを組合せたことを特徴とする。
【0044】
より詳細には、アレー状に配置され、両端が開放しており、その集合により非凸状全体試験体を構成する複数の密集した別個の凸状成分体を画成するように、複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネルの集合により構成される反応チャンバーを使用する。
−チャネルは実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線が仮想連続骨格の成分中心線に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面を各々画成するという意味で円筒形である。
−チャネルは長さ[即ち成分中心線の長さ]が実質的に等しい。
−チャネルはマイクロチューブであり、即ちその成分中心線に垂直な成分内断面がその長さよりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法をもつ。
−チャネルは実質的に平行に配置されており、即ちその成分中心線が実質的に平行に配置されている。
−チャネルはマルチタンジェントである。即ち各マイクロチューブが少なくとも1本の隣接する別のマイクロチューブと実質的に全長にわたって長手方向に接触している。従って、マイクロチューブチャネルのアセンブリは密集モノリシックアレーを構成する。
【0045】
非凸状全体試験体は、その上流透過性面及び下流透過性面がマイクロチューブチャネルの入口及び出口断面に垂直に配置された反応包絡面により包囲されている。
更に、全成分体と各成分チューブ内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面を介して前記示量状態変数の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を実施する積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムを使用する。従って、反応チャンバーの全マイクロチューブチャネルで同時に流体サンプル中の検体成分の存在が総体的に定量される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1は、サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサー(Sen)の本発明による機能方法の1特定例を示す。任意化学又は生物センサーの場合と同様に、センサー(Sen)の機能は、
−試験体(Vep)の内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる段階と、
−試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)と接触させる段階と、
−流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を測定用トランスデューサーシステム(T)により測定する段階を含む。
【0047】
試験体(Vep)は、反応包絡面(Sev)により包囲されている。反応包絡面(Sev)は、前記試験体(Vep)を包囲する最小連続表面と定義される。センサー(Sen)は、主に反応包絡面(Sev)の内側を形成する反応チャンバー(Cre)により構成される。反応包絡面(Sev)は、透過性上流面(sfam)と、(透過性上流面(sfam)の反対側に配置された)透過性下流面(sfav)と、実質的に円筒形の非透過性側面(slat)とを含む。側面(slat)は2個の上流面(sfam)及び下流(sfav)面の周囲(7,8)にその両端が結合している。
【0048】
例えば、図1、1a及び1bに示す本発明のセンサー(Sen)は一般に免疫磁気型である。その目的は水道水の流体サンプル(F)中に存在するクリプトスポリジウム属の細菌により構成される検体成分(ai)の存在をサンドイッチ型分析により評価することである。この場合には[クリプトスポリジウム属に特異的な]一次抗体(apm)から構成される第1の(化学的及び/又は生物学的)活性受容体成分(R1)の受容体成分(r1m)は試験表面(Sep)に固定されている。受容体成分は、反応チャンバー(Cre)に多重流通させる間に検体成分(ai)を検出して固定するために、検体成分に対して親和性をもつ。活性受容体成分(R)はビーカー(6)内に存在する。受容体成分(rj)は受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ。この特定例では、受容体成分(rj)は[クリプトスポリジウム属に特異的な]二次抗体(asj)とこれに結合した超常磁性マイクロビーズ(spj)の対から構成される。超常磁性マイクロビーズ(spj)は外部磁場の不在下では磁気活性をもたないが、外部磁場を印加すると、外部磁場の摂動を誘導する。
【0049】
測定用トランスデューサー(T)は流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を利用可能な分析信号(Se)の形態で定量するように、前記示量状態変数(E)(ここでは磁場)の変動を測定することを目的とする。この場合には、トランスデューサー(T)は磁場(H)が非透過性側面(slat)に印加されると、超常磁性マイクロビーズ(spj)により発生される摂動を測定する。
【0050】
他方、本発明の方法によると、当然のことながら反応チャンバー(Cre)内に流体サンプル[細菌で汚染された水](F)のフラクションを平行に多重流通させる。反応チャンバー(Cre)はモノリシックマルチチューブであり、複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)のアレー状集合により構成される。図1a及び2は反応チャンバー(Cre)の内側のマイクロチューブチャネル(ck)の構造をより詳細に示す。チャネル(ck)は円筒形であり、即ち実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線(fk)が仮想連続骨格の成分中心線(lk)に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面(sepk)を各々画成する。チャネル(ck)は図3a〜3dに示すように、円形、楕円形、卵形又は多角形の曲線(fk)とすることができる。チャネル(ck)は長さ(l)が実質的に等しく、即ち成分中心線(lk)の長さが等しい。チャネル(ck)はマイクロチューブであり、即ちその成分中心線(lk)に垂直な成分内断面(sk)がその長さ(l)よりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法(dx)をもつ。チャネル(ck)はアレー状に実質的に平行に配置されており、即ちその成分中心線(lk)が実質的に平行に配置されている。更に、チャネルはマルチタンジェントである。即ち、各マイクロチューブ(ck)が少なくとも1個の隣接する別のマイクロチューブ(ck’)と実質的に全長にわたって長手方向に接触している。こうして、反応チャンバー(Cre)はその両端(eek,esk)が開放した複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,veck,...,vecn)を内側に画成する。その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する。非凸状全体試験体(Vep)は上流(sfam)及び下流(sfav)透過性面がマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の入口(sek)及び出口(ssk)断面に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されている。
【0051】
マルチチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に加え、センサー(Sen)は示量状態変数(E)の積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)を備える。このシステムを図20a〜20cに詳細に示す。このシステムは一次電流源(72)に接続されたコイルの一次巻線(71)から形成される磁場送信器(11)と、二次電流分析装置(12)に接続されたコイルの二次巻線(73)から形成される磁場受信器(13)から構成される。コイル(74)の一次巻線(71)と二次巻線(73)はマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を包囲している。当然のことながら、積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)の活性部分、特に一次巻線(71)と二次巻線(73)は反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されている。
【0052】
図1に示すように、センサー(Sen)は以下の態様で機能する。流体サンプル(F)をまずビーカー(1)のサンプル体(Vec)内に配置する。サンプルはビーカー(1)内に浸漬する吸引チューブ(2)により採取され、下流に配置されたドージングポンプ(3)により吸引される。サンプルは図5a及び5bに詳細に示すテストカートリッジ(Car)のマイクロチューブチャネル(ck)内を多重流通する。図4aは流体サンプル(F)の吸引と反応チャンバー(Cre)内の初期多重流通を示す。次に、図4b〜4dに示すように、吸引[及び場合により所定実施態様では逆流]により次の洗浄液と試薬をテストカートリッジ(Car)のマイクロチューブチャネル(ck)に順次多重流通させる。図4bでは、ビーカー(5)に収容された緩衝液[pH7.0]から構成される洗浄液(4)を多重流通させながら吸引する。次に、図4cに示すように、ビーカー(6)に収容された受容体(R)の懸濁液を多重流通させながら吸引する。最後に、図4dに示すように、再び洗浄液(4)を多重流通させながら吸引する。この特定例の生化学反応を図1b及び23a〜23cに示す。この場合にはクリプトスポリジウム属に特異的な所謂一次抗体(apm)から構成される受容体(R1)は、常法に従ってシラン化により予め活性化しておいたマイクロチューブチャネル(ck)のガラス壁(sepk)に結合されている。流体サンプル(F)が通過すると、クリプトスポリジウム細菌(ai)が存在する場合にはこれらの抗体(apm)に特異的に結合する。過剰の受容体(R)が通過すると、対[二次抗体(asj)=超常磁性マイクロビーズ(spj)]は固定化細菌(ai)に特異的に結合する。洗浄液(4)が通過すると、検体成分(ai)に結合していないか又はより弱い結合により非選択的に結合している対(asj=spj)を除去することができる。こうして各固定化細菌(ai)は超常磁性マイクロビーズ(spj)により一対一対応で信号化される。
【0053】
積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)はヨーロッパ特許第1,262,766号に記載されている原理に従って機能することが好ましい。反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)の両側に配置された一次巻線(71)のバイアスにより可変磁場(H)を印加する。外部磁場の不在下で不活性な各超常磁性粒子(spj)は磁場の成分摂動(dE)ijkを誘導する。全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)[磁場(H)]の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を実施する。次に二次電流分析装置(12)に接続された二次巻線(73)によりこれらの摂動の総和ΔEを測定する。こうして、マイクロビーズ(spj)により発生した磁場摂動により全マイクロチューブチャネル(ck)で同時に流体サンプル(F)中に存在する検体成分(ai)の存在を総体的に定量する。
【0054】
図2に示すように、本発明は検体成分(ai)とマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の間に特定の寸法関係を推奨する。図例は生物検体(A)[ここでは真菌又は細菌]の検体成分(ai)の濃度を評価しようとする場合を示す。その典型的直径(dt)は一般に0.01ミクロン〜10ミクロンである。本発明によると、モノリシックマルチチューブ反応チャンバー(Cre)は生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)と相関して前記選択横断寸法(dx)を決定したマイクロチューブチャネルアレー(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される。一般に、横断寸法(dx)が生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)の実質的に約10倍、特に生物検体成分(ai)が細菌の場合には10ミクロンのオーダーの大きさとなるようにマイクロチューブチャネル(ck)の成分内断面積(sk)を選択する。
【0055】
図3a〜3dは本発明により推奨される反応チャンバー(Cre)とトランスデューサー(T)の寸法と形状関係を示す。2周期型モノリシックマルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)は複数のn本(nは約300000)のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)から構成されることが好ましい。マイクロチューブチャネル(ck)は準回転形断面、即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)の任意対が同一桁(d)(d=dx=dyは10ミクロンのオーダーに近似する)となる円形、楕円形、多角形、卵形等の連続形曲線(fk)の断面をもつと有利である。マイクロチューブチャネル(ck)はその成分中心線(lk)の共通配向軸方向(zz')に沿ってアレー(18)状に平行に隣接して緊密に配置されている。マイクロチューブチャネルは前記共通配向軸方向(zz')に垂直な二次元周期ネットワーク(Rxy)を形成する。
【0056】
図20cに示すように、示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)は7mmのオーダーの径方向距離(Re)で非透過性側面(slat)の外側を実質的に包囲している。一般的な場合に円筒形カートリッジ(Car)では、トランスデューサーシステムは反応チャンバー(Cre)の前記共通配向方向(zz')により構成される軸からRe≒(2.1×√(n/π)×d)のオーダーの距離(Re)[即ち内径(d)10ミクロンのマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)300000本のアレー(18)ではRe≒7mm]に配置される。円筒形反応チャンバー(Cre)と、非透過性側面(slat)の外側を実質的に環状に包囲する積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)の組合せにより、マイクロチューブチャネルの本数nと、前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)から反応チャンバー(Cre)の軸(zz')までの距離(Re)の測定効率比(ref=n/Re)を最適化することができる。
【0057】
図5a及び5bはセンサー(Sen)に使用する使い捨て可動円筒形テストカートリッジ(Car)の本発明の第1の好適実施態様の斜視図と断面図を示す。本発明によると、内径(d)10ミクロンのn=300000本のガラス製マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)から構成されるカートリッジ(Car)を製造することが推奨される。壁を含むチューブ(ck)の有効直径は内径(d)の約1.5倍、即ち15ミクロンである。この場合、モノリシックチャンバー(Cre)は直径(De)約[3×√(n/π)×d]即ち約10mmである。反応チャンバー(Cre)はプラスチック材料からなる同様に円筒形のオーバーモールドケーシング(19)で包囲されている。ケーシングは壁厚約1mmである。従って、テストカートリッジ(Car)の直径(Dc)は約12mmである。その推奨長さ(L)は約18mmである。このケーシング(19)はその保護と保持の機能をもち、その操作を容易にする。反応チャンバー(Cre)はチャンバー(Cre)の長さ(l)よりも長い長さ(L)のケーシング(19)自体の底部に配置されている。従って、反応チャンバー(Cre)の下流のケーシング(19)の内側には液溜め(21)が形成される。ケーシング(19)はチャンバー(Cre)の側面(slat)に当接しており、側面密閉エレメント、この場合にはテストカートリッジ(Car)の基部の上流面(22)に垂直にオーバーモールドされた環状密閉タング(20)を備えている。こうして、流体サンプル(F)を強制流通させ、カートリッジ(Car)を側面漏出と外部汚染から保護するために、テストカートリッジ(Car)のチャンバーの上流面(22)と下流面(26)の間に圧力差(ΔP)を印加することができる側面密閉を確保する。カートリッジ(Cre)の下流面(26)には通気孔(25)が形成されている。テストカートリッジは使い捨てである。使用後に廃棄してもよいし、検査目的で保存してもよい。
【0058】
図6a及び6bはセンサー(Sen)に使用する使い捨て可動円錐形テストカートリッジ(Car)の本発明の第2の好適実施態様の斜視図及び断面図を示す。このテストカートリッジは図5a及び5bに示した円筒形テストカートリッジ(Car)と同様である。その反応チャンバー(Cre)は同様に準円筒形(Cyre)である。相違は反応チャンバー(Cre)にオーバーモールドされたケーシング(19)が円錐形であるという点である。頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形のテストカートリッジ(Car)の使用を図6bに模式的に示す。測定ブロック(Cme)は頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形である。円筒形内部測定キャビティ(Eme)も頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形である。円錐台形テストカートリッジ(Car)を測定ブロック(Cme)の内部円錐台形測定キャビティ(Eme)の内側に配置する。こうして、緊密接触を確保すると共に、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)と反応チャンバー(Cre)の間の距離の短縮を確保することができる。更に、場合によりカートリッジ(Car)と測定ブロック(Cme)間の漏出なしにマイクロチューブチャネルに加圧することも可能になる。
【0059】
図22、22a及び22bはカートリッジ(Car)の反応チャンバー(Cre)を構成するマルチチューブネットワークの製造の本発明による好適実施態様を示す。予め、多数のガラスチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)を近接させ、実質的に平行に配置し、処理炉(61)に導入して軟化させる。炉(62)の出口の所謂延伸速度(Ve)を供給速度(Va)よりも大きくすることにより、チューブを延伸し、こうしてマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の連続モノリシックアレー(65)の形態の束を構成する。次に、この束を周期的に分割し、マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の複数のモノリシック反応チャンバー(Cre)を構成する。
【0060】
次に、その後に実施する分析の型に応じて常法に従って各モノリシック反応チャンバー(Cre)を化学的に前処理する。例えば、サンドイッチ型分析の場合には、検体成分(A)に対して親和性をもつ受容体成分(R1)(例えば抗体又は核酸)の複数の受容体成分(r1m)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の内面に均質に配置及び固定する。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用については上述した通りである。これらの全段階を図23a〜23cに模式的に示す。移動分析型センサーでは、検体成分(A)の類似体成分(B)の複数の類似体成分要素(bm)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の成分内面(sepk)に均質に配置及び固定する。次に、受容体成分(R)の複数の受容体成分要素(rj)を多重流通させ、類似体成分(B)に対する親和性により固定する。受容体成分(R)は検体(A)を検出及び固定するための親和性ももつ。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用原理は当業者に周知である。検体成分(A)の多重流通中に、検体成分は類似体成分要素(bm)と競合結合し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された受容体成分要素(rj)の一部を移動させる。試験体(Vep)の内側の受容体成分要素(rj)の量の減少をトランスデューサーにより追跡する。これらの全段階を図24a及び24bに模式的に示す。置換分析型センサーでは、検体成分(A)に対して親和性をもつ受容体成分(R)の複数の受容体成分要素(rj)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の成分内面(sepk)に均質に配置及び固定する。次に、同様に受容体(R)に対して親和性をもつ類似体成分(B)の過剰の複数の類似体成分要素(bm)を多重流通させ、固定する。指示薬成分(U)の指示薬成分要素(um)を前記類似体成分要素(bm)と結合させる。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用原理は当業者に周知である。流体サンプル(F)の多重流通中に、検体成分(ai)は類似体成分要素(bm)と競合結合し、類似体成分要素(bm)とその共役指示薬成分要素(um)の一部に置換し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化される。試験体(Vep)の内側の指示薬成分要素(um)の量の減少をトランスデューサーにより追跡する。これらの全段階を図25a及び25bに模式的に示す。
【0061】
図7a及び7bは検体成分要素(ai)を負荷された流体サンプル(F)のフラクションをモノリシック単周期層状マルチチューブ反応チャンバー(Crel)に平行に多重流通させる単周期層状チャンバーの本発明の別の好適実施態様を示す。このチャンバーは層状断面(selk)をもつ複数のn本(nは約1000に近似する)のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される。曲線(fk)のその断面は実質的に矩形であり、2つの直交する横断寸法(dx,dy)は少なくとも1桁異なる(dx<<dy)。一般に、一方の選択横断寸法(dx)は10ミクロンのオーダーであり、他方の側面横断寸法(dy)は10mmのオーダーである。層状断面マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)はその成分中心線(lk)の共通配向面方向(yOz)に沿って平行層状に隣接して緊密に配置されている。アセンブリは前記共通配向面方向(yOz)に垂直に一次元周期ネットワーク(Rx)を構成する。図7bは更に横断柱(Pil)により構造を強化した層状反応チャンバーの製造の変形例を示す。
【0062】
図19a〜19dはサンプリングサイト(LI)と指示サイト(L2)と測定サイト(L3)を分離してもよいし、しなくてもよいマルチサイト形の本発明の方法を実施するための可能な4種のスキームを示す。図19aでは、前記3サイトが分離している。第1のサンプリングサイト(L1)では、テストカートリッジ(Car)に多重流通させることにより流体サンプル(F)を採取する。前記テストカートリッジ(Car)を次に第2の指示サイト(L2)に輸送し、反応チャンバー(Cre)の全体試験体(Vep)の内側の流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称、受容体)(R)[及び場合により別の活性成分(別称、指示薬)(U)]と接触させる。次にテストカートリッジ(Car)を第3の測定サイト(L3)に輸送する。測定サイト(L3)には示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)が配置されている。図19bでは、第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)が共通サンプリング/指示サイト(L1/L2)に一体化されている。このスキームでは、テストカートリッジ(Car)はサンプリング段階と指示段階で同一装置に維持される。次に、別個の第3の測定サイト(L3)にカートリッジを輸送する。図19cでは、第2の指示サイト(L2)と第3の測定サイト(L3)が共通指示/測定装置(L2/L3)に一体化されている。図19dでは、第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)と第3の測定サイト(L3)が共通サンプリング/指示/測定装置(L1/L2/L3)に一体化されている。このスキームでは、一旦共通装置に挿入されると、テストカートリッジ(Car)は分析プロセスの終了まで移動されない。
【0063】
本発明によると、トレーサビリティーを確保するために円筒形マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)、より簡単にはテストカートリッジ(Car)に移動前に識別子(Id)を付着することが推奨される。この識別子の1好適態様は図5a及び6aに示すバーコードラベル(83)である。
【0064】
図9a〜9eは図19cに示す機能型のマルチサイト(2部分)センサーを模式的に示す。第1のサンプリングサイト(L1)では、可動サンプリング装置(100)を可動テストカートリッジ(Car)内の流体サンプル(F)のサンプリングに使用する。図例では、可動サンプリング装置(100)は図9aに示すサンプリングガン(34)である。サンプリングガン(34)は回転形(円筒形又は円錐台形)の内部サンプリングキャビティ(103)を形成するサンプリングブロック(102)を含む。サンプリングブロック(102)の上流に配置された間隙(107)が可動カートリッジ(Car)の保持手段(105)と密閉手段(106)を同時に構成する。テストカートリッジ(Car)の導入後にサンプリングブロックは、流体サンプル(F)のサンプリング用上流開口(111)と、下流開口(112)の2個の開口を形成する。更に、サンプリング用上流開口(111)又は下流開口(112)の一方又は他方に流体サンプル(F)の移動用ポンプ(115)を接続する。サンプリングガン(34)は図9cに示す針カートリッジ(38)を使用する。キャップ(40)付きサンプリング針(39)はカートリッジ(Car)の上流端面(22)と向かい合うように保護ケーシング(19)に気密且つ取り外し可能に固定されている。前記針は反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置されている。針カートリッジ(38)をサンプリングガン(34)のブロック(102)に導入する。流体サンプル(F)の一部を採取するためには、ガンのトリガーを引く。針カートリッジ(39)はガンのバレルの外側に移動し、針(39)が見えるようになる。流体サンプル(F)は針(39)を通って吸引され、針カートリッジ(38)の反応チャンバー(Cre)内を平行に多重流通する。その後、針をそのカートリッジ(Car)から外し、使用済み針容器に回収する。図11に示す変形例では、末端(82)にサンプリングキャビティ(81)を備えるサンプリングコーン(80)をテストカートリッジ(Car)の保護ケーシング(19)からその上流端面(22)の上流に延在させることができる。別の変形例では、標準テストカートリッジ(Car)を使用することができる。
【0065】
次にカートリッジ(Car)をサンプリングガン(34)から取り外す。図9e及び10に示す独立指示測定装置(160)ではマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を含む可動テストカートリッジ(Car)を第1のスロット(196)から測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)の内側に導入する。図10に詳細に示すように、ブロック(Cme)のショルダー(108)が環状タング(20)と協働する。ショルダーは可動カートリッジ(Car)の保持手段(155)として機能すると共に可動カートリッジ(Car)の導入後にブロック(Cme)を内部測定キャビティ(Eme)の壁(154)に対して密閉する手段(156)として機能する。ブロック(Cme)は流体(55)の導入用上流開口(161)と下流開口(162)をもつ。サンプリング上流開口(161)には流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)が接続されている。次に、常法による分析に必要な流体(55)[試薬と洗浄液]を収容する[図12aに示すような]ウェルストリップ(50)を独立指示測定装置(160)の内側に配置された第2のスロット(194)に導入する。一般に、この剛性プラスチック製ストリップはプラスチック材料シートから構成されるキャップ(49)で閉鎖された4個の独立ウェル(51,52,53,54)を含む。第1のウェル(51)はpH7.0の緩衝液から構成される洗浄液を収容している。第2のウェル(52)は受容体成分(rj)[ここでは検査検体(例えばクリプトスポリジウム属)に特異的な二次抗体(asj)の懸濁液]を収容している。これらの抗体は超常磁性マイクロビーズ(spj)に結合されている。第3のウェル(53)はpH7.0の緩衝液から構成される洗浄液を収容している。第4のウェル(54)は空である。このウェルは使用済み試薬の回収に使用する。このストリップ(50)は分析後に廃棄される。洗浄液と試薬はポンプ(165)によりテストカートリッジ(Car)の反応チャンバー(Cre)に順次平行に多重流通される。これは検査検体成分の種類に応じて予めプログラムされたEPROMメモリーにディジタル記録された処理プログラムに従って実施される。このプログラムの実行後に、試験表面(Sep)に固定化された検体成分(ai)(ここではクリプトスポリジウム属)は受容体成分(rj)により標識される。
【0066】
次に、同時に測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側側面(Secm)と、テストカートリッジ(Car)の側壁(Cpl)と、反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施する。
【0067】
第1のサンプリングサイト(L1)(ここではサンプリングガン(34))と、指示/測定サイト(L2/L3)(ここでは独立指示測定装置(160))の間のテストカートリッジ(Car)のトレーサビリティーは図5aに示す型のテストカートリッジ(Car)のバーコード識別ラベル(83)により確保される。サンプリングガン(34)は採取した流体サンプル(F)の特定データを取得するためのキーボード(33)と集中データベースへのWifi型送信システムを備える。独立指示測定装置(160)はそれ自体がこのデータベースに接続されており、データベースから受信し、テストカートリッジ(Car)の識別ラベル(83)のバーコードにより示される分析に関するデータをデータベースに送信する。独立指示測定装置(160)はプリンター(193)とキーボード(190)を備えることもできるし、入出力ポート(191)によりコンピューターに直接接続することもできる。
【0068】
図8は図19bに示す型のマルチサイト(2部分)センサーの本発明による機能方法を模式的に示す。第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)は共通サンプリング/指示サイト(L1/L2)に一体化されている。この変形例では、可動テストカートリッジ(Car)による可動サンプリング指示装置(121)は化学的及び/又は生物学的試薬の少なくとも1個の液溜め(122)を付加することにより、サンプリングガン(34)を応用したものである。液溜め(122)(ここでは図12aに示すウェルストリップ(50)の応用である試薬と洗浄液のストリップ)は流体移動用ポンプ(115)を介してサンプリングブロック(102)の上流サンプリング開口(111)を通り、テストカートリッジ(Car)と接続されている。その後、可動テストカートリッジ(Car)は図8に模式的に示す独立測定装置(151)内の測定サイト(L3)に移送される。カートリッジ(Car)は厚み(epcm)の測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)に導入される。測定ブロック(Cme)はカートリッジ直径(Dc)と実質的に同一であるが、厳密にはそれよりも大きい直径(Dm)をもつ。指示測定装置(160)について上述したように、同時に測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側側面(Secm)と、テストカートリッジ(Car)側壁(Cpl)と、反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施する。
【0069】
本発明のマルチサイト(3部分)センサーの図19に示す機能方法は上記2例と概ね同様に実施される。第1のサンプリングサイト(L1)では可動サンプリング装置(100)、好ましくはサンプリングガン(34)を使用する。第3の測定サイト(L3)では図8に示す独立測定装置(151)を使用する。第2の指示サイト(L2)ではサンプリング後に指示する独立装置(131)を使用する。サンプリング後にテストカートリッジに相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)の指示ブロックの内部指示キャビティに回転形(円筒形又は円錐台形)の可動のテストカートリッジ(Car)を導入する。可動カートリッジの指示ブロック保持、内部指示キャビティの内側への可動カートリッジ(Car)の導入後の指示ブロックの密閉、流体サンプルと試薬の移動は図10に示す独立指示測定装置(160)と同様に確保される。
【0070】
多数のサンプルの自動処理に適したマルチサイトセンサーの形態の本発明の方法の好適実施態様の変形例を図15、15a及び15b、16a及び16bに示す。この変形例も2部分からなる。上記サンプリングガン(34)とすることができるサンプリング装置をテストカートリッジ(Car)内の流体サンプル(F)のサンプリングに使用する。可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に分析するためのシーケンシャルロボット装置(171)はカルーセル(182)をベースとする。前記装置は剛性カートリッジサポート(172)を含み、特定例では20個のブロック(173a,173b,173c,173d,...)がカルーセル(182)の周囲に配置され、ブロック間を離間する一定ピッチ(p)を構成する等しい頂角(α)(ここでは18°)で相互に分離されている。各ブロックは可動カートリッジ(Car)を内部に導入後に作動する密閉手段(156)を備える。各ブロックは供給用上流開口(161)と下流開口(162)の2個の開口を備える。上流開口(161)には流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)が接続されている。カルーセル(182)の周期的移動手段(ここでは電気モーター)がカルーセル(182)を角度(α)だけ周期的に回転させることにより複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を同数の複数の停止点(181a,181b,181c,...)と対向させながら前記一定ピッチ(p)に等しい間隔(p')だけ移動させる。モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)を各々含む20個の可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)が複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)の内側に挿入されている。カルーセル(182)は停止点(181a,181b,181c,...)に対向するように配置された液体注入装置(201a,201b,201c,...)を備える。この装置は数種の検体(例えばサルモネラ、レジオネラ、クリプトスポリジウム)に使用可能な洗浄液と試薬懸濁液の複数の独立液溜め(195a,195b,195c,...)を備える。プロトコールと多重流通させる試薬の選択(これらは装置のマイクロプロセッサーに予めプログラミングしておいてもよい)はテストカートリッジ(Car)のバーコード識別ラベル(83)により提供される指示に応じて実施される。前記装置は少なくとも1個の物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)[例えば、特に磁場受信器(13)]を備え、前記受信器は停止点(181a,181b,181c,...)に配置されており、カートリッジサポート(172)の移動に対して垂直に周期的に移動可能であり、受信器に対向して配置されたテストカートリッジの外面を緊密に包囲することにより、カートリッジを周期的に停止点(181a,181b,181c,...)に固定する。この例では、物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)は積分測定用ラテラルトランスデューサー(T1,T2,T3,...,Tp,...)の活性部分である。
【0071】
検体(A)検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価のための別の機能方法を図13a〜13dに示す。流体サンプル(F)及び/又は試薬及び洗浄液等の各種流体(55)を収容する一連のウェル(51,52,53,54)の内側に可動テストカートリッジ(Car)を順次浸漬させる。ウェル(51,52,53,54)への導入後毎にカートリッジ(Car)のマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)にウェル(51,52,53,54)から流体(55)のフラクションを吸引し、多重流通させる。更に、ウェル(51,52,53,54)から反応チャンバー(Cre)へ流体(55)の吸引後毎にこの流体(55)を各マイクロチューブチャネル(ck)から同一ウェル(51,52,53,54)に逆流させる。この機能方法に基づく独立リニアロボット指示/測定装置(200)を図14に示す。同時処理するために複数、一般には16個のテストカートリッジを収容できるこの装置(200)の内側にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)を導入する。同様にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)と同数、一般に16個の上記型のマルチウェルストリップ(50)も装置の内側に導入する。テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)をウェル間で移動させるために、モーターによりテストカートリッジの支持体の側方移動を確保する。同様に、流体(55)を吸引及び逆流させるために、モーターによりテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)の垂直移動も確保する。全テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)で同一検体(A)を検査しながら複数の流体サンプルを同時に分析することができる。従って、テストカートリッジとストリップは全て同一型でなければならず、例えばクリプトスポリジウムの検査用である。図例では、指示プロセス後にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)をモーターにより上記のような積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)の測定ブロックに導入する。
【0072】
検体(A)検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価のための好適実施態様の別変形例は流体サンプル(F)のフラクションの可動サンプリング装置に関する。サンプリングガン(34)の代わりにサンプリングシリンジ(210)を使用する。この使い捨てシリンジはそのピストン(202)を作動すると吸引により流体サンプルを多重流通させるテストカートリッジ(Car)を備えている。シリンジは流体サンプル(F)を採取するために図18aに示す針(39)、又は図18bに示すサンプリングコーン(80)を備えている。その後、テストカートリッジをシリンジから引き抜き、上記好適実施態様又はその変形に従って処理する。
【0073】
モノブロックマルチアナライトバイオセンサーの形態の別の好適実施態様を図21に示す。下記例では、センサーは流体サンプル(F)[ここでは配管中に存在する水]中の細菌クリプトスポリジウム検体(A1)、大腸菌検体(A2)、及びレジオネラ検体(A3)を同時に検査するために使用される。このセンサーは多段反応器チューブ(90)から構成される。この多段反応器チューブ(90)の内側には、複数の円筒形マイクロチューブチャネル(cp1,cp2,...,cpk,cpn)のアレー(18)から各々構成される3個の反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)が側面を密閉するように同軸直列に配置されている。多段反応器チューブ(90)の厳密に外側に3個の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3)が配置され、その巻線が対応する非透過性側面(slat1,slat2,slat3)に対向するように反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)を固定している。この特定例では、反応チャンバーの試験表面は反応チャンバー(Cre1)にクリプトスポリジウム菌の特異抗体、反応チャンバー(Cre2)に大腸菌の特異抗体、反応チャンバー(Cre3)にレジオネラ菌の特異抗体を予めコートしている。多段反応器チューブの内側に流体サンプル(F)のフラクションを多重流通させる。検体成分(api)(ここではクリプトスポリジウム、大腸菌、又はレジオネラの各細菌)が存在する場合にはクリプトスポリジウムは反応チャンバー(Cre1)、大腸菌は反応チャンバー(Cre2)、レジオネラは反応チャンバー(Cre3)の各試験表面に特異的に固定される。次に、多試薬液溜め(222)に収容された超常磁性マイクロビーズ(spj)に結合したクリプトスポリジウムの(R1)、大腸菌の(R2)、レジオネラの(R3)の各特異抗体の混合物(R1,R2,R3)をポンプ(223)により三方弁(221)を介して多段反応器チューブ(90)に供給する。結合抗体は(R1)が反応チャンバー(Cre1)、(R2)が反応チャンバー(Cre2)、(R3)が反応チャンバー(Cre3)で特異的に固定される。最後に水(F)を三方弁(221)により再び流すことにより多段反応器チューブ(90)を洗浄する。各積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3)により各反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)で測定される摂動は流体サンプル(F)中に存在するクリプトスポリジウム菌(T1)、大腸菌(T2)、レジオネラ菌(T3)の濃度に関連する。
【0074】
テストカートリッジ(Car)の変形例を使用することができる。これは図17a及び17bに斜視図と断面図で示すマルチチャンバーカートリッジ(Carm)である。このカートリッジは軸(zz')に配置された同一断面のマルチマイクロチューブアレーの形態の少なくとも2個の反応チャンバー(Cre1,Cre2,...)を含む。これらの反応チャンバーは単一保護ケーシング(19)で覆われている。マルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)は流体サンプル(F)中に存在する少なくとも2種の異なる検体(A1,A2,...)の同時検出用に使用される。各反応チャンバー(Cre1,Cre2,...)は検体に特異的である。マルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)の使用方法は多段反応器チューブ(90)と概ね同様である。別の変形例は、一般記載に合致する複数のテストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)を図17cに示すように同一軸(zz')に沿って端間で直列に配置し、2個ずつ固定したマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)である。指示及び/又は測定装置は上記のような本発明の精神を尊重しながらこの型のマルチチャンバーカートリッジに適応させる必要がある。
【0075】
以上、理解し易くするために所定適用例について本発明を詳細に記載及び例証したが、当業者に自明の通り、本発明の精神と請求の範囲から逸脱することなくこれらの適用例に所定変更を加えることができる。
【0076】
(本発明の目的と利点)
マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシック反応チャンバーと側面積分変換を組合せる主目的は、多数の識別イベントを非常に小さい試験体内に凝縮し、試験体の外側から均質で十分な強度の信号を獲得できるようにすることである。
【0077】
より詳細には、以下の利点が挙げられる。
1)[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比を増加し、従って、試験体内の受容体成分による検体成分の識別イベントの容積あたりの密度を増加する;
2)[反応チャンバーの試験表面とその試験体の]「感度」比を増加し、従って、トランスデューサーの効率とセンサーの感度を高める;
3)センサーの感度閾値を低下させ、従って、サンプルの予備集積段階又は識別イベントの酵素増幅が不要になり、従って、真に迅速なセンサーが得られる;
4)試験表面の近傍に検体成分又は活性成分を集束させ、従って、従来の免疫識別又は核酸ハイブリダイゼーションの制限因子であったその結合速度を高める。実際に、受容体成分と検体成分は非常に強い親和性をもち、熱力学的定数Kは1030のオーダーである。しかし、「キー/ロック」型のその結合は特異的識別部位間の短距離の完全なアラインメントを必要とする。全成分集団で平均して結合活性化エネルギーを低減し、正常な温度及び溶媒条件下でこれを可能にするためには、この短距離アラインメントの確率を増すことが必要である。マイクロチューブの形状は試験表面の流れの成分部分の平均試験距離を確実に最小にすると共に、試験表面近傍の滞留時間を増すように流れの成分部分の平均試験速度を低下することができる;
5)識別速度分散を低減し、従ってセンサーの「シグナル対ノイズ比」を高めるために、反応チャンバーの構造の規則性により全チャネルを同一又は「準同一」条件におくことにより、全チャネル内の流体部分(サンプル、試薬)の挙動分散を低減する;
6)検体成分又は容体成分の非特異的結合を低減し、従って、センサーのノイズを低減する。受容体成分の非特異的結合は、検査細菌に近縁であり、受容体成分との親和性がゼロでないが低い細菌、又は固体支持体自体との間に生じる。この非特異的結合は凝集繊維又はビーズに基づく不規則構造で特に顕著である。これらの構造は実際に、流速低下と立体寸法により非特異的固定を助長すると共に洗浄効率を低下させるゾーンを形成する;
7)試験体サイズを小さくし、従って、同一感度のセンサーの反応チャンバーの寸法を小さくする;
8)同一感度のセンサーにより消費される流体サンプルと試薬の量を減らし、従って、利用し易くすると共に消耗品費を低減する;
9)試験体を通る負荷量の低下を減らし、従って、流体移動を確保するために必要な圧力を制限する;
10)産業利用を合理化するために、センサーの「識別/指示」ゾーンと変換ゾーンを幾何学的に分離する;
11)大規模工業生産可能で廉価で使い捨て可能なカートリッジの形態のセンサーの反応チャンバーを製造する;
12)流体サンプルと試薬の操作を簡単にし、使用者が活性成分を操作及び使用しなくて済むようにする;
13)操作数を制限することにより、センサーの使用を合理化する;
14)センサーによる測定の費用、時間及び専門知識の必要を減らす;
15)特殊な訓練なしに迅速にサンプルの分析結果を得られるように、専門家でなくても誰でもセンサーを使用できるようにする;
16)高い測定感度を確保しながら、超常磁性マイクロビーズ等のクリーンで環境にやさしい(非放射性等)指示薬をセンサー内で有効に使用できるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の方法及びバイオセンサー装置は限定されないが、健康、農産物加工、化学、環境等の多数の産業で検体を検出するために有用である。サンプル種としては血液、血漿、尿、唾液、乳、ワイン、ビール、化学製品、廃液、水流中の水、又は公共もしくは民間配水系から採取した水等の各種流体が挙げられる。所定の典型例では、分析前にサンプルを調製することができる。本来複雑であるか、固体であるか、非常に粘度が高いか、又は気体の場合には、反応チャンバー内を多重流通させるのに適合可能な物理的特徴と、試験表面と識別複合体の安定性に適合可能な化学的特徴(例えばpH5〜9)を与えるように、まず抽出し、溶解し、希釈することができる。本発明の方法と装置を使用することにより多様な検体を検出することができる。識別可能で特異的受容体と対を構成することが可能な全検体を検出することができる。検体は抗原、抗体、又は所定ホルモン等のより小さい分子ではハプテンとすることができる。核酸(DNA又はRNA)又は相補的ヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチドでもよい。更に、所定基質の特異的な酵素でもよい。いくつかの例を挙げると、抗生物質;食品添加物;酵母、単細胞藻類、細菌、ウイルス、プリオン、リケッチア等の微生物;体液、抗体、医薬の活性成分、サイトカイン、細胞膜表面蛋白質中に存在する毒素、色素、病原マーカー等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1、1a及び1bはモノリシックマルチチューブアレーの形態のカートリッジとラテラル積分トランスデューサーを備えるセンサーを使用する本発明の検体濃度の評価方法の機能原理を示す。
【図2】テストカートリッジを製造するために本発明により推奨されるマイクロチューブチャネルアレーの寸法関係と幾何構造を示す。
【図3】図3a〜3dはテストカートリッジを製造するために本発明により推奨されるマイクロチューブチャネルアレーの寸法関係と幾何構造を示す。
【図4】図4a〜4dは抗体型受容体と超常磁性マイクロビーズ指示薬を使用する本発明の免疫センサーの機能時における反応チャンバー内の流体と試薬の各種移動段階を示す。
【図5】図5a及び5bはセンサーに使用する使い捨て可動円筒形カートリッジの本発明の第1の好適実施態様の斜視図と断面図を示す。
【図6】図6aはセンサー用使い捨て可動円錐形カートリッジの本発明の第2の好適実施態様の斜視図を示す。図6bは円錐形カートリッジの1好適実施態様を示す。
【図7】図7a及び7bは単周期層状マルチチューブアレーの形態のモノリシックチャンバー型使い捨て可動カートリッジの本発明の第3の実施態様の2種の態様の斜視図を示す。
【図8】マルチサイト(2部分)センサーの本発明による機能方法を模式的に示す。
【図9】図9a、9d及び9eはサンプリングガンと指示/測定装置を含むマルチサイトセンサーの本発明の実施態様を模式的に示す。図9b及び9cは本発明の針カートリッジの実施態様を示す。
【図10】図9eの指示/測定装置の機能スキームをより詳細に示す。
【図11】サンプリングコーンを伸長させたテストカートリッジの変形例を示す。
【図12】図12a及び12bは本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図13】図13〜13dは本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図14】本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図15】図15、15a及び15bは本発明のカルーセル型マルチサイトセンサーのロボット変形例を示す。
【図16】図16a及び16bは本発明の分析用シーケンシャルマルチサイトロボット装置の機能原理を示す。
【図17】図17a及び17bはマルチチャンバーテストカートリッジの変形例を示す。図17cはマルチチャンバーマルチテストカートリッジを示す。
【図18】図18a及び18bは本発明のサンプリングシリンジの簡易変形例を示す
【図19】図19a〜19dは本発明のマルチサイトセンサーの4種類の実施態様を模式的に示す。
【図20】図20a〜20cは本発明の磁気トランスデューサー装置の斜視図、模式図及び断面図を概略的に示す。
【図21】本発明に従って製造されたマルチアナライトセンサーを示す。
【図22】図22、22a及び22bはセンサーカートリッジのマルチチューブアレーの形態のネットワークの本発明による好適製造方法を示す。
【図23】図23a〜23cはサンドイッチ型分析の反応シーケンスを示す。
【図24】図24a及び24bは移動型分析の反応シーケンスを示す。
【図25】図25a及び25bは置換型分析の反応シーケンスを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は化学的センサー及び/又は生物学的センサーの技術分野に関する。センサーの目的は流体サンプル中の検体の濃度の評価方法を実施することである。検体成分は一般に可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分(酵素、抗体、抗原、微生物細胞、気体、イオン、代謝産物、微生物、蛋白質、オリゴヌクレオチド等)である。検体は液体又は気体(空気等)等の任意流体サンプル中に存在することができる。センサーの目的は、流体サンプル中に含まれる検体の濃度を利用可能な分析(一般に電気)信号に変換することである。
【0002】
各種分析システムのうちでセンサーは、
−反応チャンバー内に配置されており、検体を(分子)識別し、(場合により受容体と一体化していてもよい指示薬として知られている別の化合物を使用して)物理化学的成分信号を発生するための受容体として知られている化合物と、
−この信号を受信するためのトランスデューサーとして知られているハードウェアシステムを組合せた濃度測定手段を意味する。
【0003】
従って、センサーは高圧液相クロマトグラフィー(HPLC)等の他の補助分離段階や、フラクションインジェクション分析(FIA)装置の場合のような付加ハードウェア装置を組込んだ分析システムから区別される。
【0004】
センサーの内側において受容体は、
−検体を識別するように調整されていると同時に、
−検体(及び場合により指示薬)と共同して検体成分の存在を測定するための成分信号を発生することが可能な化学的及び/又は生物学的化合物である。
【0005】
トランスデューサーは、
−検体成分の複数の識別イベントの発生をもたらす受容体(又は生物受容体)の作用を
−サンプル中のこの検体成分の存在の定量を可能にするグローバル信号に
変換する物理的手段(ハードウェア)である。
【0006】
センサーはその実用性を決定する以下のパラメーターにより分類することができる:
−使用する受容体の型、
−検体が受容体とどのように相互作用するか、
−検体成分の存在を示す発生される成分信号の型、
−反応チャンバーの形状、
−変換手段の構造及び形状と反応チャンバーに対するその位置、即ち反応チャンバー/トランスデューサー対の相対形状。
【0007】
本発明は特に、
−反応チャンバーがモノリシックマルチマイクロチューブ状であり、
−トランスデューサーが完全に反応チャンバーの試験体の外側に配置された
(化学的及び/又は生物学的)センサー方法及び装置の技術分野に関する。
【0008】
本発明は化学的及び/又は生物学的センサーの性能を改良する方法と、この改良を実施する新規センサー形状に関する。
【背景技術】
【0009】
センサーの原理は従来技術で広く利用されている。従来技術で公知の特定種のセンサーはバイオセンサーから構成される。バイオセンサーでは、化学識別システムは生化学メカニズムを使用している。この場合には、受容体は抗体、酵素、細胞、細胞膜又はオルガネラの一部、細胞組織又は生物のフラクション等とすることができる。
【0010】
例えば、以下の触媒反応:
グルコース+O2→グルコン酸+H2O2
を実施するように受容体(生物受容体)としてグルコースオキシダーゼ酵素を使用して液体中のグルコースを測定するためのバイオセンサーの従来の機能原理について説明する。
【0011】
この型の酵素受容体センサーは1962年にClarkとLyonsにより最初に記載された。
変換、即ち液体中に存在するグルコースの測定は理論的には
−酵素識別反応前後に存在する酸素比を測定する酸素トランスデューサー、
−酵素識別反応中のグルコン酸生産を測定するpHトランスデューサー、
−又は酵素識別反応中のH2O2生産を測定する過酸化物トランスデューサー
により実施することができる。
【0012】
当然のことながら、これらの3種の方法によると、トランスデューサーは反応チャンバーの上流と下流に配置される。
センサーが正確で迅速な検体濃度測定を実施できるようにするためには、
−一方では、識別段階が最大限に「一対一対応」であること、即ち可能な最大比率の検体成分が受容体成分により識別され(複数の同一受容体成分が同一検体成分を識別することは殆どない)、
−他方では、変換が可能な限り高感度であり、そのためには、識別される検体成分の最大限の量が変換されることが適切であると直感的に理解されよう。
【0013】
更に固相型センサー、即ち、成分の少なくとも1個(検体又は受容体又は指示薬)が反応チャンバーの試験表面に固定化されている(且つ全パラメーターを必要とする)センサーの場合には、
−反応チャンバー内の検体成分と受容体成分の交換「表面」が大きく、
−サンプル流体と試験表面の間の「平均試験距離」が小さいので、
識別の「一対一対応」を大きくすることが化学的に必要である。
【0014】
なお、
−平均試験距離とはセンサーの試験チャンバーの内側の流体サンプルの成分部分と試験表面の間の距離の平均であり、
−反応チャンバーの平均試験断面とは、平均試験距離の2倍である。
【0015】
従って、特に固相型センサーの場合には、化学的理由から試験体の
−試験表面が大きく、
−平均試験断面が小さく、
−且つ必要なスペースと流体サンプルと試薬の消費を制限するために全体試験体を小さくした反応チャンバーを作製することが可能な限り適切である。
【0016】
即ち、
−[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比を大きくし、
−[反応チャンバーの試験表面とその試験体容積の]「感度」比を大きくするように、
反応チャンバーのパラメーターを最適化することが化学的に好ましい。
【0017】
更に、測定感度の理由から、できるだけ多数の識別イベントにわたって変換測定を実施することが物理的に望ましい。従って、センサーのこれらの効率パラメーターは先験的に矛盾することが理解されよう。
【0018】
従来技術は数種の方法でこれらの目的を達成することを試みている。
従来技術の第1の方法は「二次元」反応チャンバーを使用しており、薄い(略平面)二次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。この二次元カテゴリーはまずキャピラリー膜試験装置を含む。キャピラリー膜試験とは、吸い取り紙等の多孔質媒体から構成される薄膜の内側で実施される分析方法を意味する。検査検体に特異的な指示薬を膜の特定試験ゾーンに固定化する。膜に添加後、検体を含む液体サンプルは毛管現象により多孔質媒体中を移動する。液体サンプルが特定試験ゾーンに到達すると、検体は指示薬と結合する。この反応は特定試験ゾーンの蛍光等の化学発光現象又は発色を伴う。こうして検体の有無を二元的に推論することができる。
【0019】
このキャピラリー膜試験の「表面積」ストラテジーは必要な上記「化学的」条件、即ち、
−大きい試験表面、
−小さい平均試験断面、
−小さい総容積
を十分に満足する。
【0020】
しかし、当然のことながらこれらのキャピラリー膜試験は上記に明示した意味でのセンサーではない。これらのシステムは物理的トランスデューサーシステムをもたない。従って、マルチチューブ反応チャンバー型センサーの背景技術である。結果は一般に直接目視される。そのため、これらのキャピラリー膜試験は特に定性的(二元的)である。これらの試験は検体濃度を正確に定量することができない。更に、「二次元」即ち薄層膜形状は検体(小容量)の存在に低感度であるという欠点がある。出現する目視現象は表面層上の物理化学効果の結果である。従って、これらの膜試験は高濃度の検体(一般に微生物では106/ml)にしか利用できない。
【0021】
この低感度の問題を解消するために、サンプルの初期集積相を使用する方法もある。一般に微生物では、存在する微生物数を分析前に著しく増幅するためにペトリ皿で出発サンプルを培養することができる。この増幅段階は一般に24〜72時間を要するため、特徴的な低速の欠点があり、使用者に満足されず、費用もかかり、不利である。
【0022】
従来技術の第2の方法は「三次元」反応チャンバーを使用しており、三次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。
この第2のセンサーストラテジーの第1のサブクラスとして、「低表面積対容積比」チャンバー型センサーが挙げられる。
【0023】
このストラテジーの1例はBioMerieux社(フランス)のVIDAS装置における分析セルとしての中空円錐形支持ピペットの使用である。流体サンプルは受容体を内側にコートした円錐形支持ピペットの内側に採取される。その後、試薬と洗浄液を順次吸引し、ピペットの内側コーンに逆流させる。対(受容体−検体)をコーンの表面から分離し、ウェルに逆流させ、スペクトロフォトメトリーによりカウントする。この方法は確かに多数の試験を自動化し、操作者によるサンプルと試薬の操作を容易にすることができる。しかし、この方法は血清試験で多く使用されているにも拘わらず、微生物では前増殖期を省くことができない。当然のことながら、この型のセンサーの欠点は[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比が小さいことである。その結果、受容体成分による検体成分の瞬間捕獲確率が低い。従って、検体成分の識別成分信号の総量が少ない。その結果、トランスデューサーによりピックアップされる信号は低感度である。また、増幅のためにインキュベーション時間が必要であるため、試験実施時間が著しく長くなる。一般に、この型の装置による試験は18時間の準備時間後に15〜45分間の測定プロセスを必要とする。
【0024】
この第2のストラテジーの第2のサブクラスとして、「多−三次元」法が挙げられる。一般に、キャピラリー試験体型反応チャンバーが使用される。
センサーの分野でキャピラリー構造を使用することは従来技術から公知である。特に多孔質ネットワークを形成するようにポリエチレンもしくはポリスチレンマイクロビーズ又はセルロース誘導体繊維を凝集させることにより得られる多孔質構造は当業者に周知である。これらのキャピラリー構造は検体を固定化し、試薬を流すことを目的とする。上記膜試験はこれらの技術を使用している。これは一般に家庭用妊娠試験又は狭心症の場合の連鎖球菌検出試験の基盤となる材料である。上述のように、これらの試験の読取りは純粋に発色の出現の目視である。この型の試験の大きな欠点はその感度が低い[発色の「有効容量」が多孔質層の表面部分に限られる]ため高濃度検体への利用に限られることである。更に、これらのシステムはトランスデューサーをもたないのでセンサーを構成しないことが判明した。従って、本発明には遠く及ばない背景技術である。
【0025】
分析とは無関係の用途のためのモノリシックマルチチューブ構造体の製造と使用も従来技術から公知である。Schott社(米国)は実験用及び光電子用の前記構造体を製造販売している。Burle社(米国)は電子管及び光電子増倍管用の前記構造体を製造販売している。Collimated Holes社(米国)は光ファイバー関連用途の前記構造体を製造販売している。現在、従来技術によるこれらのマルチマイクロチューブ構造型チャンバーは一般にマイクロチューブ直径が5ミクロン〜1mmである。マイクロチューブの形状は一般に円形、六角形又は正方形断面である。集合するマイクロチューブ数は約200000本である。チャンバーの総断面は25mmのオーダーである。マイクロチューブは従来ガラス(硼珪酸塩又は珪酸鉛)から製造される。これらのマルチマイクロチューブ構造の従来技術による慣用用途は、ガス流とX線のコリメーション、漏れ電流校正、空気流モニター、差圧バリアーとしての使用、濾過、オプトエレクトロニクス、レーザー入力窓である。Burle社により提案された先進用途はマルチマイクロチューブ型チャンバーの両末端に電位差を印加する場合に増幅される電子流の発生器の製造である。従って、センサーの適用ではない。
【0026】
透析システムを製造するために相互に離間した膜壁付きチューブの平行束を集合させることも従来技術により公知である。構造は非モノリシックである。相互に離間したチューブの第1の末端を血液入口コネクターに、第2の末端を血液出口コネクターに並列に接続している。アセンブリをシースの内側に配置し、透析液を循環させる。このシステムはチューブの内側に化学的受容体を使用していないし、トランスデューサーも使用していない。従って、センサーの適用ではない。
【0027】
文献WO02/094440 A2(Microchip integrated multichannel electroosmotic pumping system)はキャピラリーチューブモノリシックアレーの別の適用を記載しており、このアレーはチップ又はマイクロマシンで使用するための電子浸透圧ポンプを構成している。しかし、この装置はトランスデューサーを含まない。更に、センサーの適用ではない。従って、本発明には遠く及ばない背景技術である。
【0028】
この第2の「多−三次元」ストラテジーの第2のサブクラスによる従来技術のセンサーはマルチチャネル三次元試験体の内側で受容体による検体の識別を実施しようとしている。このストラテジーは「高表面積対容積比」であるということができる。しかし、後述するように、この場合には、従来技術はトランスデューサーの構造や、マルチチューブチャンバー/トランスデューサー対の形状を考慮していない。
【0029】
分析とは無関係の用途のための非モノリシックマルチチューブ「多−三次元」構造の製造と使用は本発明の背景技術から公知である。
米国特許第6,517,778号(Immunoassays in capillary tubes)には非モノリシックマルチチューブチャンバー型分析用センサーが記載されている。試験体は単一キャピラリーチューブ又は少数の相互に分離したキャピラリーチューブから構成される。流体サンプルは使用後に廃棄可能な受容トレーの1又は複数のウェルに添加する。サンプルをウェルで試薬と混合し、キャピラリー試験管の1本又は数本に吸引し、分析装置に接続されたカートリッジ内で分離する。検体成分はキャピラリー試験管の表面に支持された受容体成分と反応する。その後、試験管を洗浄して反応を停止し、乾燥する。次に各キャピラリー試験管に光照射し、トランスデューサーにより検出される蛍光信号を発生する。なお、
−一方では、各キャピラリーチューブは相互に分離され、離間しており(即ち非モノリシック構造であり)、
−他方では、変換測定はチューブ毎に実施される(チューブ全体の側面を包囲するトランスデューサー形状については記載していない)。
【0030】
当然のことながら、この型のセンサーの第1の欠点は相互に離間した少数のチューブを使用しているため、[反応チャンバーの試験内表面とその試験体容積の]その「感度」比が小さい点である。その結果、その感度は低い。この装置の第2の欠点はチューブのそのカートリッジが嵩張り、費用がかかり、(その寸法により)輸送及び操作しにくい。
【0031】
分析に関連する用途のためのモノリシックマルチチューブ構造体の製造と使用も従来技術から公知である。化学分析におけるこれらの構造体の使用は(特に医薬研究分野における)所謂高スループットスクリーニング技術の開発により著しく加速している。これらの技術は一般に96個の反応ウェルをもつプレートで同時に使用される異なる試薬の「ライブラリー」を利用している。
【0032】
米国特許第6,027,873号(Multithrough hole testing plate for high throughput screening)はマルチウェルプレートのウェルの底部に生成物のライブラリーの液溜めを接続するためにマルチマイクロチューブ構造を使用するスクリーニング装置を記載している。(マルチウェルプレート側の)近端は相互に溶着され、モノリシックマルチチューブ反応ヘッドを構成する。(ライブラリーの液溜め側の)遠端は可撓性チューブの形態で分離したままである。この目的は非常に小寸法のウェルに充填する困難を解消することである。従って、センサーの適用ではない。この文献にはチューブの内側で検体−受容体型の反応を実施することは全く記載されていない。更に、検体の検出測定用トランスデューサーも記載されていない。この文献がトランスデューサー/反応チャンバー対の形状に注目していないことは全く明白である。
【0033】
文献US2002/0164824(Method and apparatus based on bundled capillaries for high throughput screening)も主に上記一般型の化合物の高スループットスクリーニング装置を記載しているが、センサーについては記載していない。しかし、この文献は免疫試験の可能な支持体としてのこれらのキャピラリー構造体の使用を簡単に提案している(請求項55以下)ので本発明の背景技術を構成するとみなすことができる。免疫競合型センサーとしてのこの装置の記載によると、各マイクロチューブの内側を同心円状に覆う中空光ファイバーを備えている。これらの光ファイバーはトランスデューサー束を構成する。従って、提案技術によると、変換は構造体のチューブの各々の内側で別々に実施される。信号はチューブの各々の末端でピックアップされる。この型のトランスデューサー束型センサーの主な欠点はトランスデューサー/マイクロチャネル対の形状が複雑であることと、それに伴う製造費用であると思われる。更に、場合により複数の光ファイバーを接続すると、アセンブリの費用がかかり、脆弱になると思われる。従って、この技術により使い捨て可動テストカートリッジを製造するのは著しく困難であると思われる。
【0034】
文献WO02/10761 A1(Microarrays and their manufacture by slicing)も高スループットスクリーニング装置の製造について記載しており、チューブ又はシリンダーアレーの各チューブ又はシリンダーは異なる生体物質でコートされている。これらのアレーはサンプルを通過させるスライスを構成するために、その主方向に垂直に分割されている。しかし、各チューブの発色はその末端の一方で観測する。チューブアレーに対して側方にトランスデューサーは配置されていない。チューブ毎に信号を観測するので、複数のチューブの信号を単一信号に積分するものでもない。
【0035】
文献US2002/0086325 A1(Affinity detecting/analytical chip,method for production thereof,detection method and detection system using same)は樹脂支持体をオーバーモールドしたガラス製チューブアレーを記載している。チューブは各種特異的結合反応が可能な分子で内側をコートされている。アレーにサンプルを通し、その所定成分をチューブの内側に固定した分子に特異的に保持させることができる。チューブの一端に光ビームを照射すると、他端で発色が観察される。これはチューブの内側にサンプルの所定成分が保持されているか否かにより異なる。チューブアレーに対して側方にトランスデューサーは配置されておらず、チューブ毎に信号を観測するので、複数のチューブからの信号を単一信号に積分することもない。
【0036】
米国特許第5,690,894号(High density array fabrication and readout method for a fiber optic biosensor)は各々検体に特異的な成分をその感受性末端に結合した複数の光ファイバーを含むバイオセンサーの製造と使用を記載している。各光ファイバーは純粋にトランスデューサーとして機能し、他端への光情報の輸送のみを確保する。ファイバーの情報は操作者により表示されるか、又はディジタル装置により処理される。この特許はサンプルをマルチチューブ反応チャンバーに多重流通させることを記載していない。従って、本発明にはほど遠い背景技術である。
【0037】
センサーの従来技術の第3の方法は特に上記のような測定感度の側面に注目している。
ヨーロッパ特許第1,262,766号(Method for analyzing a mixture of biological and/or chemical components using magnetic particles and device for the implementation of said method)は[反応チャンバーの試験内表面とその試験体容積の]その「感度」比を増加し、従って、試験体の内側の識別イベント密度を増加するために、試験体の内側で反応支持体として多孔質キャピラリー構造を使用することを教示している。センサーは抗体を受容体成分として使用し、超常磁性ビーズを指示薬成分として使用している。変換は試験体への磁場の印加と、試験体中に存在する全指示薬成分の磁化に起因する磁気誘導の測定に基づく。多孔質キャピラリー構造を作製する方法として記載されている唯一の方法はポリエチレンマイクロビーズのアセンブリに基づく。従って、この文献はマルチチューブ反応チャンバー型センサーの特定分野に関するものではない。この文献は反応チャンバー/トランスデューサー対の相対形状についても記載していない。マイクロビーズに伴う多孔質キャピラリー構造型の主要な欠点は複数のランダム空孔をもつ試験体を形成することであり、特に空孔内に閉じ込められたビーズにより多数の偽検出イベントを生じることが認められた。この型の構造のセンサーは不正確である。この型の多孔質キャピラリー構造の別の欠点は[反応チャンバーの試験表面とその試験体容積の]その「感度」比である。この比はマルチチューブ構造よりも小さく、従って、その感度も低い。
【0038】
最後に、本発明の背景技術としてセンサーの製造を目的としないマルチチューブ構造を使用する各種化学処理システムを挙げることができる。例えば、米国特許第6,027,627号(Automated parallel capillary electrophoretic system)は自動電気泳動システムを記載している。この装置は、
−全長にわたって接するのではなく、その末端同士が接続された複数のキャピラリーチューブと、
−同数の複数の平行な電気泳動チューブを含むカートリッジを使用している。
【0039】
キャピラリーチューブは一端をマイクロタイタープレートに接続され、他端を電気泳動チューブに接続されている。この装置は更に泳動媒体として機能するゲルの供給システムを備える。従って、プレートの各ウェルに存在するサンプルのキャピラリー電気泳動を実施することができる。マイクロチューブ構造(キャピラリーチューブと電気泳動チューブの両者)はモノリシックではない。更に、このシステムは受容体による検体の識別反応を実施しない。更に、このシステムはトランスデューサーを含まない。これはセンサーの適用ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0040】
最も一般的な側面では、本発明は流体サンプル中に存在する検体の検体成分の濃度の評価方法に関する。検体成分とは可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分を意味する。本発明はセンサーの慣用操作方法の改良に関する。センサーとは、流体サンプル中に存在する検体の検体成分の濃度の評価装置を意味し、
−被分析流体サンプルのフラクションをその内側に流通させる試験体を内側に形成する反応チャンバーと、
−測定用トランスデューサーシステムと、
から構成される。
【0041】
試験体は反応包絡面により包囲されている。位相的には反応包絡面とは、前記試験体を包囲する最小連続表面と定義される。一般に、この包絡面は、
−透過性上流面と、
−透過性上流面の反対側に配置された透過性下流面と、
−前記2個の上流面及び下流面の周囲に、2つの端部が結合している実質的に円筒形の非透過性側面と、
から構成される。
【0042】
全センサーは、試験体の内側で流体サンプルと接触させる(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)を使用する。受容体成分は、検体成分を検出するために検体成分に対して親和性をもつ。受容体は更に、受容体成分による検体成分の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数を成分信号で修飾する性質をもつ。
【0043】
示量状態変数の測定用トランスデューサーシステムは、流体サンプル中の検体成分の存在の定量を可能にするハードウェアコンポーネントである。
本発明の濃度評価方法は、
−マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシック反応チャンバーを備えるセンサーに、流体サンプルのフラクションを平行に多重流通させることと、
−反応チャンバーの包絡面の完全に外側で非透過性側面と厳密に向かい合うように、示量状態変数の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムを配置することと、
−反応チャンバーの全チャネルで同時に、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムにより前記示量状態変数の変動の積分測定を実施する、
ことを組合せたことを特徴とする。
【0044】
より詳細には、アレー状に配置され、両端が開放しており、その集合により非凸状全体試験体を構成する複数の密集した別個の凸状成分体を画成するように、複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネルの集合により構成される反応チャンバーを使用する。
−チャネルは実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線が仮想連続骨格の成分中心線に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面を各々画成するという意味で円筒形である。
−チャネルは長さ[即ち成分中心線の長さ]が実質的に等しい。
−チャネルはマイクロチューブであり、即ちその成分中心線に垂直な成分内断面がその長さよりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法をもつ。
−チャネルは実質的に平行に配置されており、即ちその成分中心線が実質的に平行に配置されている。
−チャネルはマルチタンジェントである。即ち各マイクロチューブが少なくとも1本の隣接する別のマイクロチューブと実質的に全長にわたって長手方向に接触している。従って、マイクロチューブチャネルのアセンブリは密集モノリシックアレーを構成する。
【0045】
非凸状全体試験体は、その上流透過性面及び下流透過性面がマイクロチューブチャネルの入口及び出口断面に垂直に配置された反応包絡面により包囲されている。
更に、全成分体と各成分チューブ内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面を介して前記示量状態変数の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を実施する積分測定用ラテラルトランスデューサーシステムを使用する。従って、反応チャンバーの全マイクロチューブチャネルで同時に流体サンプル中の検体成分の存在が総体的に定量される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1は、サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサー(Sen)の本発明による機能方法の1特定例を示す。任意化学又は生物センサーの場合と同様に、センサー(Sen)の機能は、
−試験体(Vep)の内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる段階と、
−試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)と接触させる段階と、
−流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を測定用トランスデューサーシステム(T)により測定する段階を含む。
【0047】
試験体(Vep)は、反応包絡面(Sev)により包囲されている。反応包絡面(Sev)は、前記試験体(Vep)を包囲する最小連続表面と定義される。センサー(Sen)は、主に反応包絡面(Sev)の内側を形成する反応チャンバー(Cre)により構成される。反応包絡面(Sev)は、透過性上流面(sfam)と、(透過性上流面(sfam)の反対側に配置された)透過性下流面(sfav)と、実質的に円筒形の非透過性側面(slat)とを含む。側面(slat)は2個の上流面(sfam)及び下流(sfav)面の周囲(7,8)にその両端が結合している。
【0048】
例えば、図1、1a及び1bに示す本発明のセンサー(Sen)は一般に免疫磁気型である。その目的は水道水の流体サンプル(F)中に存在するクリプトスポリジウム属の細菌により構成される検体成分(ai)の存在をサンドイッチ型分析により評価することである。この場合には[クリプトスポリジウム属に特異的な]一次抗体(apm)から構成される第1の(化学的及び/又は生物学的)活性受容体成分(R1)の受容体成分(r1m)は試験表面(Sep)に固定されている。受容体成分は、反応チャンバー(Cre)に多重流通させる間に検体成分(ai)を検出して固定するために、検体成分に対して親和性をもつ。活性受容体成分(R)はビーカー(6)内に存在する。受容体成分(rj)は受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ。この特定例では、受容体成分(rj)は[クリプトスポリジウム属に特異的な]二次抗体(asj)とこれに結合した超常磁性マイクロビーズ(spj)の対から構成される。超常磁性マイクロビーズ(spj)は外部磁場の不在下では磁気活性をもたないが、外部磁場を印加すると、外部磁場の摂動を誘導する。
【0049】
測定用トランスデューサー(T)は流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を利用可能な分析信号(Se)の形態で定量するように、前記示量状態変数(E)(ここでは磁場)の変動を測定することを目的とする。この場合には、トランスデューサー(T)は磁場(H)が非透過性側面(slat)に印加されると、超常磁性マイクロビーズ(spj)により発生される摂動を測定する。
【0050】
他方、本発明の方法によると、当然のことながら反応チャンバー(Cre)内に流体サンプル[細菌で汚染された水](F)のフラクションを平行に多重流通させる。反応チャンバー(Cre)はモノリシックマルチチューブであり、複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)のアレー状集合により構成される。図1a及び2は反応チャンバー(Cre)の内側のマイクロチューブチャネル(ck)の構造をより詳細に示す。チャネル(ck)は円筒形であり、即ち実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線(fk)が仮想連続骨格の成分中心線(lk)に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面(sepk)を各々画成する。チャネル(ck)は図3a〜3dに示すように、円形、楕円形、卵形又は多角形の曲線(fk)とすることができる。チャネル(ck)は長さ(l)が実質的に等しく、即ち成分中心線(lk)の長さが等しい。チャネル(ck)はマイクロチューブであり、即ちその成分中心線(lk)に垂直な成分内断面(sk)がその長さ(l)よりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法(dx)をもつ。チャネル(ck)はアレー状に実質的に平行に配置されており、即ちその成分中心線(lk)が実質的に平行に配置されている。更に、チャネルはマルチタンジェントである。即ち、各マイクロチューブ(ck)が少なくとも1個の隣接する別のマイクロチューブ(ck’)と実質的に全長にわたって長手方向に接触している。こうして、反応チャンバー(Cre)はその両端(eek,esk)が開放した複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,veck,...,vecn)を内側に画成する。その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する。非凸状全体試験体(Vep)は上流(sfam)及び下流(sfav)透過性面がマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の入口(sek)及び出口(ssk)断面に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されている。
【0051】
マルチチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に加え、センサー(Sen)は示量状態変数(E)の積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)を備える。このシステムを図20a〜20cに詳細に示す。このシステムは一次電流源(72)に接続されたコイルの一次巻線(71)から形成される磁場送信器(11)と、二次電流分析装置(12)に接続されたコイルの二次巻線(73)から形成される磁場受信器(13)から構成される。コイル(74)の一次巻線(71)と二次巻線(73)はマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を包囲している。当然のことながら、積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)の活性部分、特に一次巻線(71)と二次巻線(73)は反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されている。
【0052】
図1に示すように、センサー(Sen)は以下の態様で機能する。流体サンプル(F)をまずビーカー(1)のサンプル体(Vec)内に配置する。サンプルはビーカー(1)内に浸漬する吸引チューブ(2)により採取され、下流に配置されたドージングポンプ(3)により吸引される。サンプルは図5a及び5bに詳細に示すテストカートリッジ(Car)のマイクロチューブチャネル(ck)内を多重流通する。図4aは流体サンプル(F)の吸引と反応チャンバー(Cre)内の初期多重流通を示す。次に、図4b〜4dに示すように、吸引[及び場合により所定実施態様では逆流]により次の洗浄液と試薬をテストカートリッジ(Car)のマイクロチューブチャネル(ck)に順次多重流通させる。図4bでは、ビーカー(5)に収容された緩衝液[pH7.0]から構成される洗浄液(4)を多重流通させながら吸引する。次に、図4cに示すように、ビーカー(6)に収容された受容体(R)の懸濁液を多重流通させながら吸引する。最後に、図4dに示すように、再び洗浄液(4)を多重流通させながら吸引する。この特定例の生化学反応を図1b及び23a〜23cに示す。この場合にはクリプトスポリジウム属に特異的な所謂一次抗体(apm)から構成される受容体(R1)は、常法に従ってシラン化により予め活性化しておいたマイクロチューブチャネル(ck)のガラス壁(sepk)に結合されている。流体サンプル(F)が通過すると、クリプトスポリジウム細菌(ai)が存在する場合にはこれらの抗体(apm)に特異的に結合する。過剰の受容体(R)が通過すると、対[二次抗体(asj)=超常磁性マイクロビーズ(spj)]は固定化細菌(ai)に特異的に結合する。洗浄液(4)が通過すると、検体成分(ai)に結合していないか又はより弱い結合により非選択的に結合している対(asj=spj)を除去することができる。こうして各固定化細菌(ai)は超常磁性マイクロビーズ(spj)により一対一対応で信号化される。
【0053】
積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)はヨーロッパ特許第1,262,766号に記載されている原理に従って機能することが好ましい。反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)の両側に配置された一次巻線(71)のバイアスにより可変磁場(H)を印加する。外部磁場の不在下で不活性な各超常磁性粒子(spj)は磁場の成分摂動(dE)ijkを誘導する。全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラル磁気トランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)[磁場(H)]の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を実施する。次に二次電流分析装置(12)に接続された二次巻線(73)によりこれらの摂動の総和ΔEを測定する。こうして、マイクロビーズ(spj)により発生した磁場摂動により全マイクロチューブチャネル(ck)で同時に流体サンプル(F)中に存在する検体成分(ai)の存在を総体的に定量する。
【0054】
図2に示すように、本発明は検体成分(ai)とマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の間に特定の寸法関係を推奨する。図例は生物検体(A)[ここでは真菌又は細菌]の検体成分(ai)の濃度を評価しようとする場合を示す。その典型的直径(dt)は一般に0.01ミクロン〜10ミクロンである。本発明によると、モノリシックマルチチューブ反応チャンバー(Cre)は生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)と相関して前記選択横断寸法(dx)を決定したマイクロチューブチャネルアレー(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される。一般に、横断寸法(dx)が生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)の実質的に約10倍、特に生物検体成分(ai)が細菌の場合には10ミクロンのオーダーの大きさとなるようにマイクロチューブチャネル(ck)の成分内断面積(sk)を選択する。
【0055】
図3a〜3dは本発明により推奨される反応チャンバー(Cre)とトランスデューサー(T)の寸法と形状関係を示す。2周期型モノリシックマルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)は複数のn本(nは約300000)のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)から構成されることが好ましい。マイクロチューブチャネル(ck)は準回転形断面、即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)の任意対が同一桁(d)(d=dx=dyは10ミクロンのオーダーに近似する)となる円形、楕円形、多角形、卵形等の連続形曲線(fk)の断面をもつと有利である。マイクロチューブチャネル(ck)はその成分中心線(lk)の共通配向軸方向(zz')に沿ってアレー(18)状に平行に隣接して緊密に配置されている。マイクロチューブチャネルは前記共通配向軸方向(zz')に垂直な二次元周期ネットワーク(Rxy)を形成する。
【0056】
図20cに示すように、示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)は7mmのオーダーの径方向距離(Re)で非透過性側面(slat)の外側を実質的に包囲している。一般的な場合に円筒形カートリッジ(Car)では、トランスデューサーシステムは反応チャンバー(Cre)の前記共通配向方向(zz')により構成される軸からRe≒(2.1×√(n/π)×d)のオーダーの距離(Re)[即ち内径(d)10ミクロンのマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)300000本のアレー(18)ではRe≒7mm]に配置される。円筒形反応チャンバー(Cre)と、非透過性側面(slat)の外側を実質的に環状に包囲する積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)の組合せにより、マイクロチューブチャネルの本数nと、前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)から反応チャンバー(Cre)の軸(zz')までの距離(Re)の測定効率比(ref=n/Re)を最適化することができる。
【0057】
図5a及び5bはセンサー(Sen)に使用する使い捨て可動円筒形テストカートリッジ(Car)の本発明の第1の好適実施態様の斜視図と断面図を示す。本発明によると、内径(d)10ミクロンのn=300000本のガラス製マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)から構成されるカートリッジ(Car)を製造することが推奨される。壁を含むチューブ(ck)の有効直径は内径(d)の約1.5倍、即ち15ミクロンである。この場合、モノリシックチャンバー(Cre)は直径(De)約[3×√(n/π)×d]即ち約10mmである。反応チャンバー(Cre)はプラスチック材料からなる同様に円筒形のオーバーモールドケーシング(19)で包囲されている。ケーシングは壁厚約1mmである。従って、テストカートリッジ(Car)の直径(Dc)は約12mmである。その推奨長さ(L)は約18mmである。このケーシング(19)はその保護と保持の機能をもち、その操作を容易にする。反応チャンバー(Cre)はチャンバー(Cre)の長さ(l)よりも長い長さ(L)のケーシング(19)自体の底部に配置されている。従って、反応チャンバー(Cre)の下流のケーシング(19)の内側には液溜め(21)が形成される。ケーシング(19)はチャンバー(Cre)の側面(slat)に当接しており、側面密閉エレメント、この場合にはテストカートリッジ(Car)の基部の上流面(22)に垂直にオーバーモールドされた環状密閉タング(20)を備えている。こうして、流体サンプル(F)を強制流通させ、カートリッジ(Car)を側面漏出と外部汚染から保護するために、テストカートリッジ(Car)のチャンバーの上流面(22)と下流面(26)の間に圧力差(ΔP)を印加することができる側面密閉を確保する。カートリッジ(Cre)の下流面(26)には通気孔(25)が形成されている。テストカートリッジは使い捨てである。使用後に廃棄してもよいし、検査目的で保存してもよい。
【0058】
図6a及び6bはセンサー(Sen)に使用する使い捨て可動円錐形テストカートリッジ(Car)の本発明の第2の好適実施態様の斜視図及び断面図を示す。このテストカートリッジは図5a及び5bに示した円筒形テストカートリッジ(Car)と同様である。その反応チャンバー(Cre)は同様に準円筒形(Cyre)である。相違は反応チャンバー(Cre)にオーバーモールドされたケーシング(19)が円錐形であるという点である。頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形のテストカートリッジ(Car)の使用を図6bに模式的に示す。測定ブロック(Cme)は頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形である。円筒形内部測定キャビティ(Eme)も頂点が所定角度(tc)の僅かに円錐台形である。円錐台形テストカートリッジ(Car)を測定ブロック(Cme)の内部円錐台形測定キャビティ(Eme)の内側に配置する。こうして、緊密接触を確保すると共に、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)と反応チャンバー(Cre)の間の距離の短縮を確保することができる。更に、場合によりカートリッジ(Car)と測定ブロック(Cme)間の漏出なしにマイクロチューブチャネルに加圧することも可能になる。
【0059】
図22、22a及び22bはカートリッジ(Car)の反応チャンバー(Cre)を構成するマルチチューブネットワークの製造の本発明による好適実施態様を示す。予め、多数のガラスチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)を近接させ、実質的に平行に配置し、処理炉(61)に導入して軟化させる。炉(62)の出口の所謂延伸速度(Ve)を供給速度(Va)よりも大きくすることにより、チューブを延伸し、こうしてマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の連続モノリシックアレー(65)の形態の束を構成する。次に、この束を周期的に分割し、マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の複数のモノリシック反応チャンバー(Cre)を構成する。
【0060】
次に、その後に実施する分析の型に応じて常法に従って各モノリシック反応チャンバー(Cre)を化学的に前処理する。例えば、サンドイッチ型分析の場合には、検体成分(A)に対して親和性をもつ受容体成分(R1)(例えば抗体又は核酸)の複数の受容体成分(r1m)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の内面に均質に配置及び固定する。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用については上述した通りである。これらの全段階を図23a〜23cに模式的に示す。移動分析型センサーでは、検体成分(A)の類似体成分(B)の複数の類似体成分要素(bm)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の成分内面(sepk)に均質に配置及び固定する。次に、受容体成分(R)の複数の受容体成分要素(rj)を多重流通させ、類似体成分(B)に対する親和性により固定する。受容体成分(R)は検体(A)を検出及び固定するための親和性ももつ。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用原理は当業者に周知である。検体成分(A)の多重流通中に、検体成分は類似体成分要素(bm)と競合結合し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された受容体成分要素(rj)の一部を移動させる。試験体(Vep)の内側の受容体成分要素(rj)の量の減少をトランスデューサーにより追跡する。これらの全段階を図24a及び24bに模式的に示す。置換分析型センサーでは、検体成分(A)に対して親和性をもつ受容体成分(R)の複数の受容体成分要素(rj)を複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の成分内面(sepk)に均質に配置及び固定する。次に、同様に受容体(R)に対して親和性をもつ類似体成分(B)の過剰の複数の類似体成分要素(bm)を多重流通させ、固定する。指示薬成分(U)の指示薬成分要素(um)を前記類似体成分要素(bm)と結合させる。このように調製した反応チャンバー(Cre)の使用原理は当業者に周知である。流体サンプル(F)の多重流通中に、検体成分(ai)は類似体成分要素(bm)と競合結合し、類似体成分要素(bm)とその共役指示薬成分要素(um)の一部に置換し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化される。試験体(Vep)の内側の指示薬成分要素(um)の量の減少をトランスデューサーにより追跡する。これらの全段階を図25a及び25bに模式的に示す。
【0061】
図7a及び7bは検体成分要素(ai)を負荷された流体サンプル(F)のフラクションをモノリシック単周期層状マルチチューブ反応チャンバー(Crel)に平行に多重流通させる単周期層状チャンバーの本発明の別の好適実施態様を示す。このチャンバーは層状断面(selk)をもつ複数のn本(nは約1000に近似する)のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される。曲線(fk)のその断面は実質的に矩形であり、2つの直交する横断寸法(dx,dy)は少なくとも1桁異なる(dx<<dy)。一般に、一方の選択横断寸法(dx)は10ミクロンのオーダーであり、他方の側面横断寸法(dy)は10mmのオーダーである。層状断面マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)はその成分中心線(lk)の共通配向面方向(yOz)に沿って平行層状に隣接して緊密に配置されている。アセンブリは前記共通配向面方向(yOz)に垂直に一次元周期ネットワーク(Rx)を構成する。図7bは更に横断柱(Pil)により構造を強化した層状反応チャンバーの製造の変形例を示す。
【0062】
図19a〜19dはサンプリングサイト(LI)と指示サイト(L2)と測定サイト(L3)を分離してもよいし、しなくてもよいマルチサイト形の本発明の方法を実施するための可能な4種のスキームを示す。図19aでは、前記3サイトが分離している。第1のサンプリングサイト(L1)では、テストカートリッジ(Car)に多重流通させることにより流体サンプル(F)を採取する。前記テストカートリッジ(Car)を次に第2の指示サイト(L2)に輸送し、反応チャンバー(Cre)の全体試験体(Vep)の内側の流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称、受容体)(R)[及び場合により別の活性成分(別称、指示薬)(U)]と接触させる。次にテストカートリッジ(Car)を第3の測定サイト(L3)に輸送する。測定サイト(L3)には示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)が配置されている。図19bでは、第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)が共通サンプリング/指示サイト(L1/L2)に一体化されている。このスキームでは、テストカートリッジ(Car)はサンプリング段階と指示段階で同一装置に維持される。次に、別個の第3の測定サイト(L3)にカートリッジを輸送する。図19cでは、第2の指示サイト(L2)と第3の測定サイト(L3)が共通指示/測定装置(L2/L3)に一体化されている。図19dでは、第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)と第3の測定サイト(L3)が共通サンプリング/指示/測定装置(L1/L2/L3)に一体化されている。このスキームでは、一旦共通装置に挿入されると、テストカートリッジ(Car)は分析プロセスの終了まで移動されない。
【0063】
本発明によると、トレーサビリティーを確保するために円筒形マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)、より簡単にはテストカートリッジ(Car)に移動前に識別子(Id)を付着することが推奨される。この識別子の1好適態様は図5a及び6aに示すバーコードラベル(83)である。
【0064】
図9a〜9eは図19cに示す機能型のマルチサイト(2部分)センサーを模式的に示す。第1のサンプリングサイト(L1)では、可動サンプリング装置(100)を可動テストカートリッジ(Car)内の流体サンプル(F)のサンプリングに使用する。図例では、可動サンプリング装置(100)は図9aに示すサンプリングガン(34)である。サンプリングガン(34)は回転形(円筒形又は円錐台形)の内部サンプリングキャビティ(103)を形成するサンプリングブロック(102)を含む。サンプリングブロック(102)の上流に配置された間隙(107)が可動カートリッジ(Car)の保持手段(105)と密閉手段(106)を同時に構成する。テストカートリッジ(Car)の導入後にサンプリングブロックは、流体サンプル(F)のサンプリング用上流開口(111)と、下流開口(112)の2個の開口を形成する。更に、サンプリング用上流開口(111)又は下流開口(112)の一方又は他方に流体サンプル(F)の移動用ポンプ(115)を接続する。サンプリングガン(34)は図9cに示す針カートリッジ(38)を使用する。キャップ(40)付きサンプリング針(39)はカートリッジ(Car)の上流端面(22)と向かい合うように保護ケーシング(19)に気密且つ取り外し可能に固定されている。前記針は反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置されている。針カートリッジ(38)をサンプリングガン(34)のブロック(102)に導入する。流体サンプル(F)の一部を採取するためには、ガンのトリガーを引く。針カートリッジ(39)はガンのバレルの外側に移動し、針(39)が見えるようになる。流体サンプル(F)は針(39)を通って吸引され、針カートリッジ(38)の反応チャンバー(Cre)内を平行に多重流通する。その後、針をそのカートリッジ(Car)から外し、使用済み針容器に回収する。図11に示す変形例では、末端(82)にサンプリングキャビティ(81)を備えるサンプリングコーン(80)をテストカートリッジ(Car)の保護ケーシング(19)からその上流端面(22)の上流に延在させることができる。別の変形例では、標準テストカートリッジ(Car)を使用することができる。
【0065】
次にカートリッジ(Car)をサンプリングガン(34)から取り外す。図9e及び10に示す独立指示測定装置(160)ではマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を含む可動テストカートリッジ(Car)を第1のスロット(196)から測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)の内側に導入する。図10に詳細に示すように、ブロック(Cme)のショルダー(108)が環状タング(20)と協働する。ショルダーは可動カートリッジ(Car)の保持手段(155)として機能すると共に可動カートリッジ(Car)の導入後にブロック(Cme)を内部測定キャビティ(Eme)の壁(154)に対して密閉する手段(156)として機能する。ブロック(Cme)は流体(55)の導入用上流開口(161)と下流開口(162)をもつ。サンプリング上流開口(161)には流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)が接続されている。次に、常法による分析に必要な流体(55)[試薬と洗浄液]を収容する[図12aに示すような]ウェルストリップ(50)を独立指示測定装置(160)の内側に配置された第2のスロット(194)に導入する。一般に、この剛性プラスチック製ストリップはプラスチック材料シートから構成されるキャップ(49)で閉鎖された4個の独立ウェル(51,52,53,54)を含む。第1のウェル(51)はpH7.0の緩衝液から構成される洗浄液を収容している。第2のウェル(52)は受容体成分(rj)[ここでは検査検体(例えばクリプトスポリジウム属)に特異的な二次抗体(asj)の懸濁液]を収容している。これらの抗体は超常磁性マイクロビーズ(spj)に結合されている。第3のウェル(53)はpH7.0の緩衝液から構成される洗浄液を収容している。第4のウェル(54)は空である。このウェルは使用済み試薬の回収に使用する。このストリップ(50)は分析後に廃棄される。洗浄液と試薬はポンプ(165)によりテストカートリッジ(Car)の反応チャンバー(Cre)に順次平行に多重流通される。これは検査検体成分の種類に応じて予めプログラムされたEPROMメモリーにディジタル記録された処理プログラムに従って実施される。このプログラムの実行後に、試験表面(Sep)に固定化された検体成分(ai)(ここではクリプトスポリジウム属)は受容体成分(rj)により標識される。
【0066】
次に、同時に測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側側面(Secm)と、テストカートリッジ(Car)の側壁(Cpl)と、反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施する。
【0067】
第1のサンプリングサイト(L1)(ここではサンプリングガン(34))と、指示/測定サイト(L2/L3)(ここでは独立指示測定装置(160))の間のテストカートリッジ(Car)のトレーサビリティーは図5aに示す型のテストカートリッジ(Car)のバーコード識別ラベル(83)により確保される。サンプリングガン(34)は採取した流体サンプル(F)の特定データを取得するためのキーボード(33)と集中データベースへのWifi型送信システムを備える。独立指示測定装置(160)はそれ自体がこのデータベースに接続されており、データベースから受信し、テストカートリッジ(Car)の識別ラベル(83)のバーコードにより示される分析に関するデータをデータベースに送信する。独立指示測定装置(160)はプリンター(193)とキーボード(190)を備えることもできるし、入出力ポート(191)によりコンピューターに直接接続することもできる。
【0068】
図8は図19bに示す型のマルチサイト(2部分)センサーの本発明による機能方法を模式的に示す。第1のサンプリングサイト(L1)と第2の指示サイト(L2)は共通サンプリング/指示サイト(L1/L2)に一体化されている。この変形例では、可動テストカートリッジ(Car)による可動サンプリング指示装置(121)は化学的及び/又は生物学的試薬の少なくとも1個の液溜め(122)を付加することにより、サンプリングガン(34)を応用したものである。液溜め(122)(ここでは図12aに示すウェルストリップ(50)の応用である試薬と洗浄液のストリップ)は流体移動用ポンプ(115)を介してサンプリングブロック(102)の上流サンプリング開口(111)を通り、テストカートリッジ(Car)と接続されている。その後、可動テストカートリッジ(Car)は図8に模式的に示す独立測定装置(151)内の測定サイト(L3)に移送される。カートリッジ(Car)は厚み(epcm)の測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)に導入される。測定ブロック(Cme)はカートリッジ直径(Dc)と実質的に同一であるが、厳密にはそれよりも大きい直径(Dm)をもつ。指示測定装置(160)について上述したように、同時に測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側側面(Secm)と、テストカートリッジ(Car)側壁(Cpl)と、反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施する。
【0069】
本発明のマルチサイト(3部分)センサーの図19に示す機能方法は上記2例と概ね同様に実施される。第1のサンプリングサイト(L1)では可動サンプリング装置(100)、好ましくはサンプリングガン(34)を使用する。第3の測定サイト(L3)では図8に示す独立測定装置(151)を使用する。第2の指示サイト(L2)ではサンプリング後に指示する独立装置(131)を使用する。サンプリング後にテストカートリッジに相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)の指示ブロックの内部指示キャビティに回転形(円筒形又は円錐台形)の可動のテストカートリッジ(Car)を導入する。可動カートリッジの指示ブロック保持、内部指示キャビティの内側への可動カートリッジ(Car)の導入後の指示ブロックの密閉、流体サンプルと試薬の移動は図10に示す独立指示測定装置(160)と同様に確保される。
【0070】
多数のサンプルの自動処理に適したマルチサイトセンサーの形態の本発明の方法の好適実施態様の変形例を図15、15a及び15b、16a及び16bに示す。この変形例も2部分からなる。上記サンプリングガン(34)とすることができるサンプリング装置をテストカートリッジ(Car)内の流体サンプル(F)のサンプリングに使用する。可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に分析するためのシーケンシャルロボット装置(171)はカルーセル(182)をベースとする。前記装置は剛性カートリッジサポート(172)を含み、特定例では20個のブロック(173a,173b,173c,173d,...)がカルーセル(182)の周囲に配置され、ブロック間を離間する一定ピッチ(p)を構成する等しい頂角(α)(ここでは18°)で相互に分離されている。各ブロックは可動カートリッジ(Car)を内部に導入後に作動する密閉手段(156)を備える。各ブロックは供給用上流開口(161)と下流開口(162)の2個の開口を備える。上流開口(161)には流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)が接続されている。カルーセル(182)の周期的移動手段(ここでは電気モーター)がカルーセル(182)を角度(α)だけ周期的に回転させることにより複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を同数の複数の停止点(181a,181b,181c,...)と対向させながら前記一定ピッチ(p)に等しい間隔(p')だけ移動させる。モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)を各々含む20個の可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)が複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)の内側に挿入されている。カルーセル(182)は停止点(181a,181b,181c,...)に対向するように配置された液体注入装置(201a,201b,201c,...)を備える。この装置は数種の検体(例えばサルモネラ、レジオネラ、クリプトスポリジウム)に使用可能な洗浄液と試薬懸濁液の複数の独立液溜め(195a,195b,195c,...)を備える。プロトコールと多重流通させる試薬の選択(これらは装置のマイクロプロセッサーに予めプログラミングしておいてもよい)はテストカートリッジ(Car)のバーコード識別ラベル(83)により提供される指示に応じて実施される。前記装置は少なくとも1個の物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)[例えば、特に磁場受信器(13)]を備え、前記受信器は停止点(181a,181b,181c,...)に配置されており、カートリッジサポート(172)の移動に対して垂直に周期的に移動可能であり、受信器に対向して配置されたテストカートリッジの外面を緊密に包囲することにより、カートリッジを周期的に停止点(181a,181b,181c,...)に固定する。この例では、物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)は積分測定用ラテラルトランスデューサー(T1,T2,T3,...,Tp,...)の活性部分である。
【0071】
検体(A)検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価のための別の機能方法を図13a〜13dに示す。流体サンプル(F)及び/又は試薬及び洗浄液等の各種流体(55)を収容する一連のウェル(51,52,53,54)の内側に可動テストカートリッジ(Car)を順次浸漬させる。ウェル(51,52,53,54)への導入後毎にカートリッジ(Car)のマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)にウェル(51,52,53,54)から流体(55)のフラクションを吸引し、多重流通させる。更に、ウェル(51,52,53,54)から反応チャンバー(Cre)へ流体(55)の吸引後毎にこの流体(55)を各マイクロチューブチャネル(ck)から同一ウェル(51,52,53,54)に逆流させる。この機能方法に基づく独立リニアロボット指示/測定装置(200)を図14に示す。同時処理するために複数、一般には16個のテストカートリッジを収容できるこの装置(200)の内側にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)を導入する。同様にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)と同数、一般に16個の上記型のマルチウェルストリップ(50)も装置の内側に導入する。テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)をウェル間で移動させるために、モーターによりテストカートリッジの支持体の側方移動を確保する。同様に、流体(55)を吸引及び逆流させるために、モーターによりテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)の垂直移動も確保する。全テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)で同一検体(A)を検査しながら複数の流体サンプルを同時に分析することができる。従って、テストカートリッジとストリップは全て同一型でなければならず、例えばクリプトスポリジウムの検査用である。図例では、指示プロセス後にテストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,...)をモーターにより上記のような積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)の測定ブロックに導入する。
【0072】
検体(A)検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価のための好適実施態様の別変形例は流体サンプル(F)のフラクションの可動サンプリング装置に関する。サンプリングガン(34)の代わりにサンプリングシリンジ(210)を使用する。この使い捨てシリンジはそのピストン(202)を作動すると吸引により流体サンプルを多重流通させるテストカートリッジ(Car)を備えている。シリンジは流体サンプル(F)を採取するために図18aに示す針(39)、又は図18bに示すサンプリングコーン(80)を備えている。その後、テストカートリッジをシリンジから引き抜き、上記好適実施態様又はその変形に従って処理する。
【0073】
モノブロックマルチアナライトバイオセンサーの形態の別の好適実施態様を図21に示す。下記例では、センサーは流体サンプル(F)[ここでは配管中に存在する水]中の細菌クリプトスポリジウム検体(A1)、大腸菌検体(A2)、及びレジオネラ検体(A3)を同時に検査するために使用される。このセンサーは多段反応器チューブ(90)から構成される。この多段反応器チューブ(90)の内側には、複数の円筒形マイクロチューブチャネル(cp1,cp2,...,cpk,cpn)のアレー(18)から各々構成される3個の反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)が側面を密閉するように同軸直列に配置されている。多段反応器チューブ(90)の厳密に外側に3個の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3)が配置され、その巻線が対応する非透過性側面(slat1,slat2,slat3)に対向するように反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)を固定している。この特定例では、反応チャンバーの試験表面は反応チャンバー(Cre1)にクリプトスポリジウム菌の特異抗体、反応チャンバー(Cre2)に大腸菌の特異抗体、反応チャンバー(Cre3)にレジオネラ菌の特異抗体を予めコートしている。多段反応器チューブの内側に流体サンプル(F)のフラクションを多重流通させる。検体成分(api)(ここではクリプトスポリジウム、大腸菌、又はレジオネラの各細菌)が存在する場合にはクリプトスポリジウムは反応チャンバー(Cre1)、大腸菌は反応チャンバー(Cre2)、レジオネラは反応チャンバー(Cre3)の各試験表面に特異的に固定される。次に、多試薬液溜め(222)に収容された超常磁性マイクロビーズ(spj)に結合したクリプトスポリジウムの(R1)、大腸菌の(R2)、レジオネラの(R3)の各特異抗体の混合物(R1,R2,R3)をポンプ(223)により三方弁(221)を介して多段反応器チューブ(90)に供給する。結合抗体は(R1)が反応チャンバー(Cre1)、(R2)が反応チャンバー(Cre2)、(R3)が反応チャンバー(Cre3)で特異的に固定される。最後に水(F)を三方弁(221)により再び流すことにより多段反応器チューブ(90)を洗浄する。各積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3)により各反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3)で測定される摂動は流体サンプル(F)中に存在するクリプトスポリジウム菌(T1)、大腸菌(T2)、レジオネラ菌(T3)の濃度に関連する。
【0074】
テストカートリッジ(Car)の変形例を使用することができる。これは図17a及び17bに斜視図と断面図で示すマルチチャンバーカートリッジ(Carm)である。このカートリッジは軸(zz')に配置された同一断面のマルチマイクロチューブアレーの形態の少なくとも2個の反応チャンバー(Cre1,Cre2,...)を含む。これらの反応チャンバーは単一保護ケーシング(19)で覆われている。マルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)は流体サンプル(F)中に存在する少なくとも2種の異なる検体(A1,A2,...)の同時検出用に使用される。各反応チャンバー(Cre1,Cre2,...)は検体に特異的である。マルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)の使用方法は多段反応器チューブ(90)と概ね同様である。別の変形例は、一般記載に合致する複数のテストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)を図17cに示すように同一軸(zz')に沿って端間で直列に配置し、2個ずつ固定したマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)である。指示及び/又は測定装置は上記のような本発明の精神を尊重しながらこの型のマルチチャンバーカートリッジに適応させる必要がある。
【0075】
以上、理解し易くするために所定適用例について本発明を詳細に記載及び例証したが、当業者に自明の通り、本発明の精神と請求の範囲から逸脱することなくこれらの適用例に所定変更を加えることができる。
【0076】
(本発明の目的と利点)
マルチマイクロチューブアレーの形態のモノリシック反応チャンバーと側面積分変換を組合せる主目的は、多数の識別イベントを非常に小さい試験体内に凝縮し、試験体の外側から均質で十分な強度の信号を獲得できるようにすることである。
【0077】
より詳細には、以下の利点が挙げられる。
1)[反応チャンバーの試験表面とその平均試験断面の]「表面積」比を増加し、従って、試験体内の受容体成分による検体成分の識別イベントの容積あたりの密度を増加する;
2)[反応チャンバーの試験表面とその試験体の]「感度」比を増加し、従って、トランスデューサーの効率とセンサーの感度を高める;
3)センサーの感度閾値を低下させ、従って、サンプルの予備集積段階又は識別イベントの酵素増幅が不要になり、従って、真に迅速なセンサーが得られる;
4)試験表面の近傍に検体成分又は活性成分を集束させ、従って、従来の免疫識別又は核酸ハイブリダイゼーションの制限因子であったその結合速度を高める。実際に、受容体成分と検体成分は非常に強い親和性をもち、熱力学的定数Kは1030のオーダーである。しかし、「キー/ロック」型のその結合は特異的識別部位間の短距離の完全なアラインメントを必要とする。全成分集団で平均して結合活性化エネルギーを低減し、正常な温度及び溶媒条件下でこれを可能にするためには、この短距離アラインメントの確率を増すことが必要である。マイクロチューブの形状は試験表面の流れの成分部分の平均試験距離を確実に最小にすると共に、試験表面近傍の滞留時間を増すように流れの成分部分の平均試験速度を低下することができる;
5)識別速度分散を低減し、従ってセンサーの「シグナル対ノイズ比」を高めるために、反応チャンバーの構造の規則性により全チャネルを同一又は「準同一」条件におくことにより、全チャネル内の流体部分(サンプル、試薬)の挙動分散を低減する;
6)検体成分又は容体成分の非特異的結合を低減し、従って、センサーのノイズを低減する。受容体成分の非特異的結合は、検査細菌に近縁であり、受容体成分との親和性がゼロでないが低い細菌、又は固体支持体自体との間に生じる。この非特異的結合は凝集繊維又はビーズに基づく不規則構造で特に顕著である。これらの構造は実際に、流速低下と立体寸法により非特異的固定を助長すると共に洗浄効率を低下させるゾーンを形成する;
7)試験体サイズを小さくし、従って、同一感度のセンサーの反応チャンバーの寸法を小さくする;
8)同一感度のセンサーにより消費される流体サンプルと試薬の量を減らし、従って、利用し易くすると共に消耗品費を低減する;
9)試験体を通る負荷量の低下を減らし、従って、流体移動を確保するために必要な圧力を制限する;
10)産業利用を合理化するために、センサーの「識別/指示」ゾーンと変換ゾーンを幾何学的に分離する;
11)大規模工業生産可能で廉価で使い捨て可能なカートリッジの形態のセンサーの反応チャンバーを製造する;
12)流体サンプルと試薬の操作を簡単にし、使用者が活性成分を操作及び使用しなくて済むようにする;
13)操作数を制限することにより、センサーの使用を合理化する;
14)センサーによる測定の費用、時間及び専門知識の必要を減らす;
15)特殊な訓練なしに迅速にサンプルの分析結果を得られるように、専門家でなくても誰でもセンサーを使用できるようにする;
16)高い測定感度を確保しながら、超常磁性マイクロビーズ等のクリーンで環境にやさしい(非放射性等)指示薬をセンサー内で有効に使用できるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の方法及びバイオセンサー装置は限定されないが、健康、農産物加工、化学、環境等の多数の産業で検体を検出するために有用である。サンプル種としては血液、血漿、尿、唾液、乳、ワイン、ビール、化学製品、廃液、水流中の水、又は公共もしくは民間配水系から採取した水等の各種流体が挙げられる。所定の典型例では、分析前にサンプルを調製することができる。本来複雑であるか、固体であるか、非常に粘度が高いか、又は気体の場合には、反応チャンバー内を多重流通させるのに適合可能な物理的特徴と、試験表面と識別複合体の安定性に適合可能な化学的特徴(例えばpH5〜9)を与えるように、まず抽出し、溶解し、希釈することができる。本発明の方法と装置を使用することにより多様な検体を検出することができる。識別可能で特異的受容体と対を構成することが可能な全検体を検出することができる。検体は抗原、抗体、又は所定ホルモン等のより小さい分子ではハプテンとすることができる。核酸(DNA又はRNA)又は相補的ヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチドでもよい。更に、所定基質の特異的な酵素でもよい。いくつかの例を挙げると、抗生物質;食品添加物;酵母、単細胞藻類、細菌、ウイルス、プリオン、リケッチア等の微生物;体液、抗体、医薬の活性成分、サイトカイン、細胞膜表面蛋白質中に存在する毒素、色素、病原マーカー等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1、1a及び1bはモノリシックマルチチューブアレーの形態のカートリッジとラテラル積分トランスデューサーを備えるセンサーを使用する本発明の検体濃度の評価方法の機能原理を示す。
【図2】テストカートリッジを製造するために本発明により推奨されるマイクロチューブチャネルアレーの寸法関係と幾何構造を示す。
【図3】図3a〜3dはテストカートリッジを製造するために本発明により推奨されるマイクロチューブチャネルアレーの寸法関係と幾何構造を示す。
【図4】図4a〜4dは抗体型受容体と超常磁性マイクロビーズ指示薬を使用する本発明の免疫センサーの機能時における反応チャンバー内の流体と試薬の各種移動段階を示す。
【図5】図5a及び5bはセンサーに使用する使い捨て可動円筒形カートリッジの本発明の第1の好適実施態様の斜視図と断面図を示す。
【図6】図6aはセンサー用使い捨て可動円錐形カートリッジの本発明の第2の好適実施態様の斜視図を示す。図6bは円錐形カートリッジの1好適実施態様を示す。
【図7】図7a及び7bは単周期層状マルチチューブアレーの形態のモノリシックチャンバー型使い捨て可動カートリッジの本発明の第3の実施態様の2種の態様の斜視図を示す。
【図8】マルチサイト(2部分)センサーの本発明による機能方法を模式的に示す。
【図9】図9a、9d及び9eはサンプリングガンと指示/測定装置を含むマルチサイトセンサーの本発明の実施態様を模式的に示す。図9b及び9cは本発明の針カートリッジの実施態様を示す。
【図10】図9eの指示/測定装置の機能スキームをより詳細に示す。
【図11】サンプリングコーンを伸長させたテストカートリッジの変形例を示す。
【図12】図12a及び12bは本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図13】図13〜13dは本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図14】本発明のリニアロボット装置の別の変形例を示す。
【図15】図15、15a及び15bは本発明のカルーセル型マルチサイトセンサーのロボット変形例を示す。
【図16】図16a及び16bは本発明の分析用シーケンシャルマルチサイトロボット装置の機能原理を示す。
【図17】図17a及び17bはマルチチャンバーテストカートリッジの変形例を示す。図17cはマルチチャンバーマルチテストカートリッジを示す。
【図18】図18a及び18bは本発明のサンプリングシリンジの簡易変形例を示す
【図19】図19a〜19dは本発明のマルチサイトセンサーの4種類の実施態様を模式的に示す。
【図20】図20a〜20cは本発明の磁気トランスデューサー装置の斜視図、模式図及び断面図を概略的に示す。
【図21】本発明に従って製造されたマルチアナライトセンサーを示す。
【図22】図22、22a及び22bはセンサーカートリッジのマルチチューブアレーの形態のネットワークの本発明による好適製造方法を示す。
【図23】図23a〜23cはサンドイッチ型分析の反応シーケンスを示す。
【図24】図24a及び24bは移動型分析の反応シーケンスを示す。
【図25】図25a及び25bは置換型分析の反応シーケンスを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)[即ち可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分]の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が、
a)試験体(Vep)の内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる段階(ここで、
i)前記試験体は反応包絡面(Sev)[位相的には前記試験体(Vep)を包囲する最小連続表面]により包囲されており、
ii)前記反応包絡面の内側に反応チャンバー(Cre)が形成されており、
iii)前記反応包絡面(Sev)が、
−透過性上流面(sfam)と、
−透過性上流面(sfam)の反対側に配置された透過性下流面(sfav)と、
−前記2個の上流面(sfam)及び下流面(sfav)の周囲にその両端を結合された実質的に円筒形の非透過性側面(slat)から構成される)と;
b)試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)と接触させる段階(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rj)は検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント中に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と、
c)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を利用可能な分析信号(Se)の形態で定量するように、前記示量状態変数(E)の変動を測定用トランスデューサーシステム(T)により測定する段階を実施するタイプの方法であり、前記濃度評価方法は、
d)モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態、即ち実質的に平行に配置された複数の円筒形マルチタンジェントマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される反応チャンバー(Cre)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、前記チャネルは、
i)円筒形であり[即ち実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線(fk)が仮想連続骨格の成分中心線(lk)に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面(sepk)を各々画成し]、
ii)マイクロチューブであり[即ちその成分中心線(lk)に垂直な成分内断面(sk)がその長さ(l)よりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法(dx)をもち]、
iii)長さ(l)[即ち成分中心線(lk)の長さ]が実質的に等しく、
iv)実質的に平行に配置されており[即ち成分中心線(lk)が実質的に平行に配置されており]、
v)マルチタンジェントであり[即ち各マイクロチューブ(ck)が少なくとも1個の隣接する別のマイクロチューブ(ck’)と実質的に全長にわたって長手方向に接触しており]、
vi)従って、両端が開放しており、その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,vecn)を画成し、前記非凸状全体試験体は上流透過性面(sfam)及び下流透過性面(sfav)がマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の入口(sek)及び出口(ssk)断面に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されており、
e)一方、反応チャンバー(Cre)の側面、即ち、
i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
f)最後に、全マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)内の流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を同時に総体的に定量するように、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijkを実施し、即ち、
i)前記示量状態変数(E)の変動の総和を実施し、
ii)成分体全部(veck)について同時に実施すると共に、
iii)各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に実施し、
iv)非透過性側面(slat)を介して実施することを組合せたことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
典型的直径(dt)[一般に0.01ミクロン〜10ミクロン]の生きているか又は死んでいる微生物(ai)[例えば真菌、細菌、又は微生物部分]から構成される生物検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)と相関するように選択横断寸法(dx)を選択した[一般に横断寸法(dx)が生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)の約10倍に実質的に等しくなるように、即ち生物検体成分(ai)が細菌である場合には特に10ミクロンのオーダーとなるようにマイクロチューブチャネル(ck)の成分内断面(sk)を選択した]複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成されるモノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に、生物検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)i)準回転形断面[即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)の任意対が同一桁(d)となる円形、楕円形、多角形、卵形等の連続形曲線(fk)の断面]と、
ii)実質的に等しい内部横断寸法(d=dx=dy≒10ミクロンのオーダー)をもち、
iii)その成分中心線(lk)の共通配向軸方向(zz')に沿って平行に隣接して緊密に配置されており、
iv)前記共通配向軸方向(zz')に垂直な二次元周期ネットワーク(Rxy)に従って配置された複数のn本(n≒約300000)のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成される2周期型モノリシックマルチマイクロチューブアレー(Cre)の形態の反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)一方、i)非透過性側面(slat)の外側を実質的に包囲し、
ii)反応チャンバー(Cre)の前記共通配向方向(zz')により構成される軸からRe≒(2.1×√(n/π)×d)のオーダーの径方向距離(Re)(即ちRe≒7mm)に示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置することを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)一方では、
i)複数のn本(n≒約1000)のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成され、
ii)(典型的には
−10ミクロンのオーダーの選択横断寸法(dx)と、
−10mmのオーダーの側面横断寸法(dy)の
層状断面(selk)[即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)が少なくとも1桁異なる(dx≪dy)実質的に矩形の曲線(fk)をもつ断面]をもち、
iii)その成分中心線(lk)の共通配向面方向(yOz)に沿って平行に密接に隣接して配置され、
iv)前記共通配向面方向(yOz)に垂直となるように一次元周期ネットワーク(Rx)に従って配置された
単周期型層状モノリシックマルチマイクロチューブアレー(Crel)の形態の反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)他方では、非透過性側面(slat)の実質的に外側を包囲することにより、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置することを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)i)実質的に同一であり、
ii)反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)が直径(De)の円形断面をもつ実質的に円筒形(Cyre)となるように、実質的に円筒形の二次元周期ネットワーク(Rxy)を構成するアレーの形態に横断方向に緊密に配置された平行で隣接する複数のn本のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)一方、i)マイクロチューブチャネルの本数(n)と、
ii)示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)から反応チャンバー(Cre)の軸(zz')までの距離(Re)
の測定効率比(ref=n/Re)を最適化するように円筒形非透過性側面(slat)の外側を実質的に環状に包囲することにより、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置する
ことを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)第1のサンプリングサイト(L1)において、
i)−複数のn本の実質的に同一のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成され、
−非透過性側面(slat)がカートリッジ直径(Dc)の実質的に円筒形(Cyre)である可動テストカートリッジ(Car)の形態のモノリシック円筒形マルチマイクロチューブアレー状反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)(場合により第1又は第3のサイトと一体化した)第2の指示サイト(L2)において、
i)試験体(Vep)内で受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別の発生毎に又は所定の確率法則に従って測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾するように、反応チャンバー(Cre)の全体試験体(Vep)の内側で、
−検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもつ受容体成分(rj)からなる(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)、
−及び場合により、(場合により受容体(R)と一体化した)別の活性成分(別称指示薬)(U)と流体サンプル(F)を接触させ、
c)第1のサイトと別個の第3の測定サイト(L3)において、
i)前記カートリッジ直径(Dc)よりも大きいが、実質的に同一の測定ブロック直径(Dm)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)を形成する小さい厚み(epcm)の実質的に円筒形の測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側面(Secm)の周囲に、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
ii)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を含む可動テストカートリッジ(Car)を測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)の内側に導入し、
iii)最後に、同時に
−測定ブロック(Cme)の外側面(Secm)と、
−テストカートリッジ(Car)側壁(Cpl)と、
−反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)
を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、第1のサンプリングサイト(L1)及び/又は第2の指示サイト(L2)において、
a)流体サンプル(F)及び/又は試薬(そのうち少なくとも1種は検体(A)の受容体(R)とする)等の各種流体(55)を収容する一連のウェル(51,52,53,54)の内側に可動テストカートリッジ(Car)を順次浸漬させ、
b)ウェル(51,52,53,54)に導入後毎にウェル(51,52,53,54)の内側の流体のフラクション(55)をマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に吸引し、多重流通させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、第1のサンプリングサイト(L1)及び/又は第2の指示サイト(L2)において、マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を通してウェル(51,52,53,54)の内側の流体(55)を吸引した後毎に、この流体(55)を各マイクロチューブチャネル(ck)から同一ウェル(51,52,53,54)に逆流させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)の全体形状を
i)カートリッジ直径(Dc)の準円筒形(Cyre)で
ii)頂部に一定の角度を有する(tc)僅かに円錐台形とし、
b)一方、測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)を頂部に一定の角度を有する(tc)僅かに円錐台形とし、
c)最後に、緊密接触を確保すると共に、
i)積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)と反応チャンバー(Cre)の間の距離の短縮と、
ii)場合により反応チャンバー(Cre)と測定ブロック(Cme)の間の側面漏出を避けるための加圧を可能にするように、
測定ブロック(Cme)の内部円錐台形測定キャビティ(Eme)の内側に円錐台形マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)を配置することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)一方では、円筒形反応チャンバー(Cre)を含む可動カートリッジ(Car)を少なくとも1個の指示サイトと1個の測定サイトの間で移動させ、
b)他方では、移動の前に反応チャンバーに識別子(Id)を付着することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用サンドイッチ分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもつ受容体(R1)(例えば検体(A)の抗体)の複数の受容体成分(r1m)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、その内面(sepk)に結合させ、
b)検体成分(ai)が内面(sepk)に固定化された受容体成分(r1m)と接触して結合するように、反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
c)検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、更に、検体成分(ai)と受容体成分(rj)の化学結合時に発生毎に又は所定の確率法則に従って[単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ受容体(R)(例えば検体(A)の抗体)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して複合体(検体成分(ai)=受容体成分(rj)及び場合により指示薬(U))の形成を表す前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用移動分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)検体(A)の化学的類似体(B)の複数の類似体成分(bm)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、その内面(sepk)に結合させ、
b)受容体成分(rj)が反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された前記類似体成分(bm)と結合するように、検体成分(ai)と類似体成分(bm)を検出するためにこれらの成分に対して親和性をもち、更に、検体成分(ai)又は類似体成分(bm)と受容体成分(rj)の化学結合時に発生毎に又は所定の確率法則に従って[単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ受容体(R)(例えば検体(A)とその類似体(B)に共通の抗体Ab)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側で平行に多重流通させ、
c)検体成分(ai)が類似体成分(bm)と競合結合し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された受容体成分(rj)の一部を移動させるように、反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkmについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣijm(dE)ijkm(即ち総和)(各成分信号(dE)ijkmは複合体(類似体成分(bm)=受容体成分(rj))の消滅を表す)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用置換分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化した受容体(R)(例えば検体Aの抗体Ab)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、
b)i)検体(A)の化学的類似体(B)の複数の類似体成分(bm)を
ii)測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾することが可能な別の活性成分(別称指示薬)(U)の指示薬成分(um)と各々共役させ、
iii)類似体成分(bm)とその共役指示薬成分(um)が受容体成分(rj)と接触すると、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化されるようにし、
前記複数の類似体成分を同様に複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、
c)検体成分(ai)が
i)類似体成分(bm)と競合結合し、
ii)類似体成分(bm)とその共役指示薬成分(um)の一部に置換し、
iii)反応チャンバー(Cre)のチャネル(ck)の内面(sepk)に固定化されるように、
複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkmについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣijm(dE)ijkm(即ち総和)(各成分信号(dE)ijkmは複合体(類似体成分(bm)=指示薬成分(um))の消滅を表す)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
固相バイオセンサー(Sen)の製造方法であって、前記方法が予め、
a)当初は相互に離間しており、溶融性材料(例えばガラス)から構成される複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)を近接させ、実質的に平行に配置し、
b)複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)の束(62)を軟化させるように直線供給速度(Va)に従って処理炉(61)に供給し、
c)炉(62)の下流で複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)の束(62)を供給速度(Va)よりも速い延伸速度(Ve)で延伸し、
d)こうして接触と軟化によりマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の連続モノリシックアレー(65)の形態の束を形成し、
e)連続アレー(65)の形態の束を切断手段(66)により周期的に分割し、マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の複数のモノリシック反応チャンバー(Cre)を形成し、
f)受容体成分(R)の複数の受容体成分(rj)又は類似体成分(B)[例えば抗体、核酸等]の複数の類似体成分(bm)を各マイクロチューブ(ck)の内面(sepk)に均質に配置及び固定するように、マルチマイクロチューブアレーの形態の各モノリシック反応チャンバー(Cre)を化学的に処理することからなる請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサー(Sen)であって、前記センサーが、
a)i)内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させ、
ii)−透過性上流面(sfam)と、
−透過性上流面(sfam)の反対側に配置された透過性下流面(sfav)と、
−前記2個の上流面(sfam)及び下流面(sfav)の周囲にその両端を結合された実質的に円筒形の非透過性側面(slat)から構成される反応包絡面(Sev)により包囲された試験体(Vep)を内側に形成する反応チャンバーと;
b)試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)と接触させる少なくとも1種の(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rj)は検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と;
c)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を定量するための示量状態変数(E)の測定用トランスデューサーシステム(T)により構成される型であり、
前記センサー(Sen)は、
d)一方では、その反応チャンバー(Cre)が、その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する両端(eek,esk)の開放した複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,veck,...,vecn)を画成するように、実質的に平行に配置された実質的に等しい長さ(l)の複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成されるマルチマイクロチューブアレー(18)であり、前記非凸状全体試験体(Vep)は上流透過性面(sfam)及び下流透過性面(sfav)がマイクロチューブチャネル(ck)の入口断面(sek)及び出口断面(ssk)に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されており;
e)他方では、その示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)が、
i)−反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
−非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されており、
ii)全マイクロチューブチャネル(ck)内の流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を同時に総体的に定量するように、全成分体(veck)と各マイクロチューブチャネル(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定値ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を発生することを組合せたことを特徴とする前記センサー。
【請求項16】
a)受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾するように、受容体成分(rj)の少なくともフラクションを別の活性成分(別称指示薬)(U)の指示薬成分(uj)と結合させ、
b)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を定量するための示量状態変数(E)の測定用トランスデューサーシステム(T)が、
i)磁場(H)の送信器(11)と、
ii)二次電流分析装置(12)に接続された磁場(H)の受信器(13)を含む型の免疫磁気センサー(Sen)であって、
c)一方では、指示薬成分(uj)が超常磁性粒子[特に超常磁性マイクロビーズ(spj)]により構成され、
d)他方では、磁場(H)の前記送信器(11)と受信器(13)が、
i)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されている
ことを組合せたことを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項17】
a)その磁場送信器(11)が一次電流源(72)に接続されたコイル(74)の一次巻線(71)から構成され、
b)その磁場受信器(13)が二次電流分析装置(12)に接続されたコイル(74)の二次巻線(73)から構成され、
c)コイル(74)の一次巻線(71)と二次巻線(73)がマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を包囲していることを特徴とする請求項16に記載の免疫磁気センサー(Sen)。
【請求項18】
円筒形モノリシックマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)が可動テストカートリッジ(Car)を構成するように保護ケーシング(19)で覆われていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項19】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が円筒形であることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項20】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が円錐形であることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項21】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が反応チャンバー(Cre)にオーバーモールドされていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項22】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が反応チャンバー(Cre)の下流の液溜め(21)を内側に形成することを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項23】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が側面密閉エレメントを備えていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項24】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)がテストカートリッジ(Car)の上流端面(22)又は下流端面(26)に垂直にオーバーモールドされた環状密閉タング(20)から構成される側面密閉エレメントを備えていることを特徴とする請求項23に記載のセンサー(Sen)。
【請求項25】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)がカートリッジ(Cre)の下流端面(26)に形成された通気孔(25)を備えていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項26】
反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置されたカートリッジ(Cre)の上流端面(22)と向かい合うように反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)にサンプリング針(39)が気密且つ取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項27】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が、
a)マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置された上流端面(22)の上流に、
b)末端(82)にサンプリングキャビティ(81)を備えるサンプリングコーン(80)の形態で延在していることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項28】
マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が側面に識別ラベル(83)を付着されていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項29】
検体サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体群(A1,A2,A3,...,Ap,...)の濃度評価用センサー(Sen)であって、前記センサーが、
a)内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる多段反応器チューブ(90)と、
b)反応器チューブ(90)の内側に側面を密閉するように同軸直列に配置された実質的に同一断面(SCrep)の複数の反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3,...,Crep,...)と、
c)試験体(Vepp)の内側で流体サンプル(F)と接触させる少なくとも複数の活性成分(別称受容体)(R1,R2,R3,...,Rp,...)(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rpj)は少なくとも1種の検体(Ap)の検体成分(api)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rpj)による検体成分(api)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と、
d)示量状態変数(E)の複数の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)(ここで、
i)前記トランスデューサーシステムは各々少なくとも1個の物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)[例えば、特に磁場受信器(13)]を含み、
ii)各物理的測定受信器(Rmpp)は多段反応器チューブ(90)を対応する反応チャンバー(Crep)に垂直に固定する)と、
e)検体(A1,A2,A3,...,Ap,...)に特異的な複数の受容体試薬(R1,R2,R3,...,Rp,...)の供給システムから構成される型であり、
f)一方では、反応チャンバー(Crep)の少なくとも2個が複数の円筒形マイクロチューブチャネル(cp1,cp2,...,cpk,cpn)の集合により構成されるマルチマイクロチューブアレー(18)から構成され、
g)他方では、示量状態変数(E)の少なくとも2個の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)が、
−対応する反応チャンバー(Crep)の包絡面(Sevp)の完全に外側で
−非透過性側面(slatp)と厳密に向かい合うように配置されており、
ii)全成分体(vecpk)と各成分チャネル(cpk)内の成分信号全部(dE)ijpkについて同時に対応する反応チャンバー(Crep)の非透過性側面(slatp)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔEp=Σk=1...nΣij(dE)ijpk(即ち総和)を実施することを組合せたことを特徴とする請求項15に記載のマルチアナライトセンサー(Sen)。
【請求項30】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)[即ち可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分]を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリングするための可動装置(100)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部サンプリングキャビティ(103)をもつサンプリングブロック(102)と、
b)i)内部サンプリングキャビティ(103)の回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)モノリシックマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)サンプリングブロック(102)の内部サンプリングキャビティ(103)に移動可能に導入され、
iv)側面が内部サンプリングキャビティ(103)の壁(104)に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)をサンプリングブロック(102)内に保持するための手段(105)と、
d)可動カートリッジ(Car)を内部に導入後にサンプリングブロック(102)を密閉するための手段(106)(ここで、
i)前記密閉手段(106)は場合により前記保持手段(105)と一体化しており、
ii)起動後に、
−流体サンプル(F)のサンプリング用上流開口(111)と、
−下流開口(112)の少なくとも2個の開口(111,112)をサンプリングブロック(102)に形成する)と、
e)サンプリング用上流開口(111)又は下流開口(112)の一方又は他方に接続された試薬と流体サンプル(F)の移動用ポンプ(115)
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項31】
請求項30に記載の可動テストカートリッジ(Car)による可動サンプリング指示装置(121)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)サンプリングブロック(102)のサンプリング用上流開口(111)
b)及び/又は下流開口(112)の一方又は他方に接続された少なくとも1個の化学的及び/又は生物学的試薬(特に受容体(R))用液溜め(122)を更に備えており、
c)その流体移動用ポンプ(115)が開口(111又は112)と試薬液溜め(122)の間に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項32】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に指示するための独立装置(131)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部指示キャビティをもつ指示ブロックと、
b)i)内部指示キャビティの回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)指示ブロックの内部指示キャビティに移動可能に導入され、
iv)側面が内部指示キャビティの壁に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)を指示ブロック内に保持するための手段と、
d)可動カートリッジ(Car)を内部指示キャビティの内部に導入した後に指示ブロックを密閉するための手段(ここで、
i)前記密閉手段は場合により前記保持手段と一体化しており、
ii)起動後に、
−試薬導入用上流開口と、
−下流開口の少なくとも2個の開口を指示ブロックに形成する)と、
e)試薬導入用上流開口又は下流開口の一方又は他方に接続された試薬と流体サンプルの移動用ポンプ
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項33】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に測定するための独立装置(151)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部測定キャビティ(Eme)をもつ変換ブロック(Cme)と、
b)i)内部測定キャビティ(Eme)の回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)変換ブロック(Cme)の内部測定キャビティ(Eme)に移動可能に導入され、
iv)側面が内部測定キャビティ(Eme)の壁(154)に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)を変換ブロック(Cme)内に保持するための手段(155)と、
d)少なくとも1個の物理的測定受信器[例えば、特に磁場受信器(13)]を含み、変換ブロック(Cme)に接続されており、
i)内部測定キャビティ(Eme)の完全に外側で
ii)内部測定キャビティ(Eme)と厳密に向かい合うように
配置された示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項34】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に指示及び測定するための請求項33に記載の独立装置(160)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)可動カートリッジ(Car)を内部に導入した後にブロックを密閉するための手段(156)(ここで、
i)前記密閉手段(156)は場合により前記保持手段(155)と一体化しており、
ii)起動後に、
−供給用上流開口(161)と、
−下流開口(162)の少なくとも2個の開口をサンプリングブロックに形成する)と、
b)サンプリング用上流開口(161)又は下流開口(162)の一方又は他方に接続された流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)
の組合せを更に含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項35】
可動テストカートリッジ(Car)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)相互に一定ピッチ(p)で離間された複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を含む剛性カートリッジサポート(172)と、
b)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を同数の複数の停止点(181a,181b,181c,...)と対向させながら周期的に同時に移動させるように、前記一定ピッチ(p)に等しい間隔(p')だけカートリッジサポート(172)を周期的に移動させるための手段と、
c)i)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)を内部に含み、
ii)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)の内側に挿入された複数の可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)と、
d)停止点(181a,181b,181c,...)に対向するように配置された少なくとも1個の液体(サンプル及び/又は試薬)注入装置(201a,201b,201c,...)
の組合せにより構成される請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項36】
請求項35に記載のマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)をもつ可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置(171)が更に、
a)その剛性カートリッジサポート(172)がカルーセル(182)から形成され、
b)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)がカルーセル(182)の周囲に配置されており、等しい頂角(α)で分離されており、
c)周期的移動手段がカルーセル(182)の角度(α)の周期的回転を確保することを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項37】
請求項35に記載のマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)をもつ可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置(171)が更に示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を備えており、前記システムが少なくとも1個の物理的測定値受信器(例えば、特に磁場受信器(13))を含み、前記受信器が、
a)停止点(181a,181b,181c,...)に配置されており、
b)カートリッジサポート(172)の移動に対して垂直に周期的に移動可能であり、
c)受信器に対向して配置されたテストカートリッジ(Card)の外面を密接に緊密に包囲することにより、テストカートリッジ(Card)を停止点(181a,181b,181c,...)に固定することを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項38】
a)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の少なくとも1個の反応チャンバー(Cre1)と、
b)前記反応チャンバー(Cre1)を覆う保護ケーシング(19)
の特徴的組合せを含む請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実施するためのテストカートリッジ(Car1)。
【請求項39】
a)軸(zz')に配置された同一断面のマルチマイクロチューブアレーの形態の少なくとも2個の反応チャンバー(Cre1,...,Cre3,...)と、
b)前記反応チャンバー(Cre1,...,Cre3,...)を同時に覆う保護ケーシング(19)を更に備えることを特徴とする請求項38に記載のマルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)。
【請求項40】
更に同一軸(zz')に沿って直列に端間配置された複数のテストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)から形成されていることを特徴とする請求項38に記載のマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)。
【請求項41】
テストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)の少なくとも2個が相互に固定されていることを特徴とする請求項40に記載のマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)。
【請求項1】
サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)[即ち可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分]の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が、
a)試験体(Vep)の内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる段階(ここで、
i)前記試験体は反応包絡面(Sev)[位相的には前記試験体(Vep)を包囲する最小連続表面]により包囲されており、
ii)前記反応包絡面の内側に反応チャンバー(Cre)が形成されており、
iii)前記反応包絡面(Sev)が、
−透過性上流面(sfam)と、
−透過性上流面(sfam)の反対側に配置された透過性下流面(sfav)と、
−前記2個の上流面(sfam)及び下流面(sfav)の周囲にその両端を結合された実質的に円筒形の非透過性側面(slat)から構成される)と;
b)試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)を(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)と接触させる段階(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rj)は検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント中に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と、
c)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を利用可能な分析信号(Se)の形態で定量するように、前記示量状態変数(E)の変動を測定用トランスデューサーシステム(T)により測定する段階を実施するタイプの方法であり、前記濃度評価方法は、
d)モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態、即ち実質的に平行に配置された複数の円筒形マルチタンジェントマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される反応チャンバー(Cre)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、前記チャネルは、
i)円筒形であり[即ち実質的に垂直に配置された連続閉鎖形曲線(fk)が仮想連続骨格の成分中心線(lk)に沿って変位することにより位相的に生成される成分内面(sepk)を各々画成し]、
ii)マイクロチューブであり[即ちその成分中心線(lk)に垂直な成分内断面(sk)がその長さ(l)よりも数桁小さい(一般に約1000分の1)少なくとも1個の選択横断寸法(dx)をもち]、
iii)長さ(l)[即ち成分中心線(lk)の長さ]が実質的に等しく、
iv)実質的に平行に配置されており[即ち成分中心線(lk)が実質的に平行に配置されており]、
v)マルチタンジェントであり[即ち各マイクロチューブ(ck)が少なくとも1個の隣接する別のマイクロチューブ(ck’)と実質的に全長にわたって長手方向に接触しており]、
vi)従って、両端が開放しており、その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,vecn)を画成し、前記非凸状全体試験体は上流透過性面(sfam)及び下流透過性面(sfav)がマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の入口(sek)及び出口(ssk)断面に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されており、
e)一方、反応チャンバー(Cre)の側面、即ち、
i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
f)最後に、全マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)内の流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を同時に総体的に定量するように、積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijkを実施し、即ち、
i)前記示量状態変数(E)の変動の総和を実施し、
ii)成分体全部(veck)について同時に実施すると共に、
iii)各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に実施し、
iv)非透過性側面(slat)を介して実施することを組合せたことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
典型的直径(dt)[一般に0.01ミクロン〜10ミクロン]の生きているか又は死んでいる微生物(ai)[例えば真菌、細菌、又は微生物部分]から構成される生物検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)と相関するように選択横断寸法(dx)を選択した[一般に横断寸法(dx)が生物検体成分(ai)の典型的直径(dt)の約10倍に実質的に等しくなるように、即ち生物検体成分(ai)が細菌である場合には特に10ミクロンのオーダーとなるようにマイクロチューブチャネル(ck)の成分内断面(sk)を選択した]複数のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成されるモノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に、生物検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)i)準回転形断面[即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)の任意対が同一桁(d)となる円形、楕円形、多角形、卵形等の連続形曲線(fk)の断面]と、
ii)実質的に等しい内部横断寸法(d=dx=dy≒10ミクロンのオーダー)をもち、
iii)その成分中心線(lk)の共通配向軸方向(zz')に沿って平行に隣接して緊密に配置されており、
iv)前記共通配向軸方向(zz')に垂直な二次元周期ネットワーク(Rxy)に従って配置された複数のn本(n≒約300000)のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成される2周期型モノリシックマルチマイクロチューブアレー(Cre)の形態の反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)一方、i)非透過性側面(slat)の外側を実質的に包囲し、
ii)反応チャンバー(Cre)の前記共通配向方向(zz')により構成される軸からRe≒(2.1×√(n/π)×d)のオーダーの径方向距離(Re)(即ちRe≒7mm)に示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置することを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)一方では、
i)複数のn本(n≒約1000)のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成され、
ii)(典型的には
−10ミクロンのオーダーの選択横断寸法(dx)と、
−10mmのオーダーの側面横断寸法(dy)の
層状断面(selk)[即ち2つの直交する横断寸法(dx,dy)が少なくとも1桁異なる(dx≪dy)実質的に矩形の曲線(fk)をもつ断面]をもち、
iii)その成分中心線(lk)の共通配向面方向(yOz)に沿って平行に密接に隣接して配置され、
iv)前記共通配向面方向(yOz)に垂直となるように一次元周期ネットワーク(Rx)に従って配置された
単周期型層状モノリシックマルチマイクロチューブアレー(Crel)の形態の反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)他方では、非透過性側面(slat)の実質的に外側を包囲することにより、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置することを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)i)実質的に同一であり、
ii)反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)が直径(De)の円形断面をもつ実質的に円筒形(Cyre)となるように、実質的に円筒形の二次元周期ネットワーク(Rxy)を構成するアレーの形態に横断方向に緊密に配置された平行で隣接する複数のn本のマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成される反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)一方、i)マイクロチューブチャネルの本数(n)と、
ii)示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)から反応チャンバー(Cre)の軸(zz')までの距離(Re)
の測定効率比(ref=n/Re)を最適化するように円筒形非透過性側面(slat)の外側を実質的に環状に包囲することにより、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置する
ことを組合せたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)第1のサンプリングサイト(L1)において、
i)−複数のn本の実質的に同一のマイクロチューブチャネル(ck)の集合により構成され、
−非透過性側面(slat)がカートリッジ直径(Dc)の実質的に円筒形(Cyre)である可動テストカートリッジ(Car)の形態のモノリシック円筒形マルチマイクロチューブアレー状反応チャンバー(Cre)に、検体成分(ai)を仕込んだ流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
b)(場合により第1又は第3のサイトと一体化した)第2の指示サイト(L2)において、
i)試験体(Vep)内で受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別の発生毎に又は所定の確率法則に従って測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾するように、反応チャンバー(Cre)の全体試験体(Vep)の内側で、
−検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもつ受容体成分(rj)からなる(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)、
−及び場合により、(場合により受容体(R)と一体化した)別の活性成分(別称指示薬)(U)と流体サンプル(F)を接触させ、
c)第1のサイトと別個の第3の測定サイト(L3)において、
i)前記カートリッジ直径(Dc)よりも大きいが、実質的に同一の測定ブロック直径(Dm)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)を形成する小さい厚み(epcm)の実質的に円筒形の測定ブロック(Cme)の周囲の実質的に円筒形の外側面(Secm)の周囲に、示量状態変数(E)の前記積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
ii)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を含む可動テストカートリッジ(Car)を測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)の内側に導入し、
iii)最後に、同時に
−測定ブロック(Cme)の外側面(Secm)と、
−テストカートリッジ(Car)側壁(Cpl)と、
−反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)
を介して積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により前記示量状態変数(E)の変動の積分測定を実施することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、第1のサンプリングサイト(L1)及び/又は第2の指示サイト(L2)において、
a)流体サンプル(F)及び/又は試薬(そのうち少なくとも1種は検体(A)の受容体(R)とする)等の各種流体(55)を収容する一連のウェル(51,52,53,54)の内側に可動テストカートリッジ(Car)を順次浸漬させ、
b)ウェル(51,52,53,54)に導入後毎にウェル(51,52,53,54)の内側の流体のフラクション(55)をマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)に吸引し、多重流通させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、第1のサンプリングサイト(L1)及び/又は第2の指示サイト(L2)において、マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を通してウェル(51,52,53,54)の内側の流体(55)を吸引した後毎に、この流体(55)を各マイクロチューブチャネル(ck)から同一ウェル(51,52,53,54)に逆流させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)モノリシックマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)の全体形状を
i)カートリッジ直径(Dc)の準円筒形(Cyre)で
ii)頂部に一定の角度を有する(tc)僅かに円錐台形とし、
b)一方、測定ブロック(Cme)の円筒形内部測定キャビティ(Eme)を頂部に一定の角度を有する(tc)僅かに円錐台形とし、
c)最後に、緊密接触を確保すると共に、
i)積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)と反応チャンバー(Cre)の間の距離の短縮と、
ii)場合により反応チャンバー(Cre)と測定ブロック(Cme)の間の側面漏出を避けるための加圧を可能にするように、
測定ブロック(Cme)の内部円錐台形測定キャビティ(Eme)の内側に円錐台形マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)を配置することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度のマルチサイト評価用センサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)一方では、円筒形反応チャンバー(Cre)を含む可動カートリッジ(Car)を少なくとも1個の指示サイトと1個の測定サイトの間で移動させ、
b)他方では、移動の前に反応チャンバーに識別子(Id)を付着することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用サンドイッチ分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもつ受容体(R1)(例えば検体(A)の抗体)の複数の受容体成分(r1m)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、その内面(sepk)に結合させ、
b)検体成分(ai)が内面(sepk)に固定化された受容体成分(r1m)と接触して結合するように、反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
c)検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、更に、検体成分(ai)と受容体成分(rj)の化学結合時に発生毎に又は所定の確率法則に従って[単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ受容体(R)(例えば検体(A)の抗体)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して複合体(検体成分(ai)=受容体成分(rj)及び場合により指示薬(U))の形成を表す前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用移動分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)検体(A)の化学的類似体(B)の複数の類似体成分(bm)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、その内面(sepk)に結合させ、
b)受容体成分(rj)が反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された前記類似体成分(bm)と結合するように、検体成分(ai)と類似体成分(bm)を検出するためにこれらの成分に対して親和性をもち、更に、検体成分(ai)又は類似体成分(bm)と受容体成分(rj)の化学結合時に発生毎に又は所定の確率法則に従って[単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ受容体(R)(例えば検体(A)とその類似体(B)に共通の抗体Ab)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側で平行に多重流通させ、
c)検体成分(ai)が類似体成分(bm)と競合結合し、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化された受容体成分(rj)の一部を移動させるように、反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkmについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣijm(dE)ijkm(即ち総和)(各成分信号(dE)ijkmは複合体(類似体成分(bm)=受容体成分(rj))の消滅を表す)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用置換分析型バイオセンサーの製造方法であって、前記方法が更に、
a)反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化した受容体(R)(例えば検体Aの抗体Ab)の複数の受容体成分(rj)を反応チャンバー(Cre)の複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、
b)i)検体(A)の化学的類似体(B)の複数の類似体成分(bm)を
ii)測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾することが可能な別の活性成分(別称指示薬)(U)の指示薬成分(um)と各々共役させ、
iii)類似体成分(bm)とその共役指示薬成分(um)が受容体成分(rj)と接触すると、反応チャンバー(Cre)の内面(sepk)に固定化されるようにし、
前記複数の類似体成分を同様に複数のマイクロチューブチャネル(ck)の内側に導入し、
c)検体成分(ai)が
i)類似体成分(bm)と競合結合し、
ii)類似体成分(bm)とその共役指示薬成分(um)の一部に置換し、
iii)反応チャンバー(Cre)のチャネル(ck)の内面(sepk)に固定化されるように、
複数のマイクロチューブチャネル(ck)に流体サンプル(F)のフラクションを平行に多重流通させ、
d)i)反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように、
示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を配置し、
e)最後に、全成分体(veck)と各成分チューブ(ck)内の成分信号全部(dE)ijkmについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔE=Σk=1...nΣijm(dE)ijkm(即ち総和)(各成分信号(dE)ijkmは複合体(類似体成分(bm)=指示薬成分(um))の消滅を表す)を積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)により実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
固相バイオセンサー(Sen)の製造方法であって、前記方法が予め、
a)当初は相互に離間しており、溶融性材料(例えばガラス)から構成される複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)を近接させ、実質的に平行に配置し、
b)複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)の束(62)を軟化させるように直線供給速度(Va)に従って処理炉(61)に供給し、
c)炉(62)の下流で複数のチューブ(C1,C2,...,Ck,...,Cn)の束(62)を供給速度(Va)よりも速い延伸速度(Ve)で延伸し、
d)こうして接触と軟化によりマイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の連続モノリシックアレー(65)の形態の束を形成し、
e)連続アレー(65)の形態の束を切断手段(66)により周期的に分割し、マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の複数のモノリシック反応チャンバー(Cre)を形成し、
f)受容体成分(R)の複数の受容体成分(rj)又は類似体成分(B)[例えば抗体、核酸等]の複数の類似体成分(bm)を各マイクロチューブ(ck)の内面(sepk)に均質に配置及び固定するように、マルチマイクロチューブアレーの形態の各モノリシック反応チャンバー(Cre)を化学的に処理することからなる請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)の濃度評価用センサー(Sen)であって、前記センサーが、
a)i)内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させ、
ii)−透過性上流面(sfam)と、
−透過性上流面(sfam)の反対側に配置された透過性下流面(sfav)と、
−前記2個の上流面(sfam)及び下流面(sfav)の周囲にその両端を結合された実質的に円筒形の非透過性側面(slat)から構成される反応包絡面(Sev)により包囲された試験体(Vep)を内側に形成する反応チャンバーと;
b)試験体(Vep)の内側で流体サンプル(F)と接触させる少なくとも1種の(化学的及び/又は生物学的)活性成分(別称受容体)(R)(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rj)は検体成分(ai)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と;
c)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を定量するための示量状態変数(E)の測定用トランスデューサーシステム(T)により構成される型であり、
前記センサー(Sen)は、
d)一方では、その反応チャンバー(Cre)が、その集合により非凸状全体試験体(Vep)を構成する両端(eek,esk)の開放した複数の密集した隣接する別個の凸状成分体(vec1,vec2,...,veck,...,vecn)を画成するように、実質的に平行に配置された実質的に等しい長さ(l)の複数のマルチタンジェント円筒形マイクロチューブチャネル(c1,c2,...,ck,...,cn)の集合により構成されるマルチマイクロチューブアレー(18)であり、前記非凸状全体試験体(Vep)は上流透過性面(sfam)及び下流透過性面(sfav)がマイクロチューブチャネル(ck)の入口断面(sek)及び出口断面(ssk)に垂直に配置された反応包絡面(Sev)により包囲されており;
e)他方では、その示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)が、
i)−反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
−非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されており、
ii)全マイクロチューブチャネル(ck)内の流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を同時に総体的に定量するように、全成分体(veck)と各マイクロチューブチャネル(ck)内の成分信号全部(dE)ijkについて同時に非透過性側面(slat)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定値ΔE=Σk=1...nΣij(dE)ijk(即ち総和)を発生することを組合せたことを特徴とする前記センサー。
【請求項16】
a)受容体成分(rj)による検体成分(ai)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾するように、受容体成分(rj)の少なくともフラクションを別の活性成分(別称指示薬)(U)の指示薬成分(uj)と結合させ、
b)流体サンプル(F)中の検体成分(ai)の存在を定量するための示量状態変数(E)の測定用トランスデューサーシステム(T)が、
i)磁場(H)の送信器(11)と、
ii)二次電流分析装置(12)に接続された磁場(H)の受信器(13)を含む型の免疫磁気センサー(Sen)であって、
c)一方では、指示薬成分(uj)が超常磁性粒子[特に超常磁性マイクロビーズ(spj)]により構成され、
d)他方では、磁場(H)の前記送信器(11)と受信器(13)が、
i)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の包絡面(Sev)の完全に外側で
ii)非透過性側面(slat)と厳密に向かい合うように配置されている
ことを組合せたことを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項17】
a)その磁場送信器(11)が一次電流源(72)に接続されたコイル(74)の一次巻線(71)から構成され、
b)その磁場受信器(13)が二次電流分析装置(12)に接続されたコイル(74)の二次巻線(73)から構成され、
c)コイル(74)の一次巻線(71)と二次巻線(73)がマルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)の非透過性側面(slat)を包囲していることを特徴とする請求項16に記載の免疫磁気センサー(Sen)。
【請求項18】
円筒形モノリシックマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)が可動テストカートリッジ(Car)を構成するように保護ケーシング(19)で覆われていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項19】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が円筒形であることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項20】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が円錐形であることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項21】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が反応チャンバー(Cre)にオーバーモールドされていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項22】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が反応チャンバー(Cre)の下流の液溜め(21)を内側に形成することを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項23】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が側面密閉エレメントを備えていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項24】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)がテストカートリッジ(Car)の上流端面(22)又は下流端面(26)に垂直にオーバーモールドされた環状密閉タング(20)から構成される側面密閉エレメントを備えていることを特徴とする請求項23に記載のセンサー(Sen)。
【請求項25】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)がカートリッジ(Cre)の下流端面(26)に形成された通気孔(25)を備えていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項26】
反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置されたカートリッジ(Cre)の上流端面(22)と向かい合うように反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)にサンプリング針(39)が気密且つ取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項27】
反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が、
a)マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)の透過性上流面(sfam)の側に配置された上流端面(22)の上流に、
b)末端(82)にサンプリングキャビティ(81)を備えるサンプリングコーン(80)の形態で延在していることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項28】
マルチマイクロチューブ反応チャンバー(Cre)の保護ケーシング(19)が側面に識別ラベル(83)を付着されていることを特徴とする請求項18に記載のセンサー(Sen)。
【請求項29】
検体サンプル体(Vec)中に初期に含まれる流体サンプル(F)中に存在する検体群(A1,A2,A3,...,Ap,...)の濃度評価用センサー(Sen)であって、前記センサーが、
a)内側に流体サンプル(F)のフラクションを流通させる多段反応器チューブ(90)と、
b)反応器チューブ(90)の内側に側面を密閉するように同軸直列に配置された実質的に同一断面(SCrep)の複数の反応チャンバー(Cre1,Cre2,Cre3,...,Crep,...)と、
c)試験体(Vepp)の内側で流体サンプル(F)と接触させる少なくとも複数の活性成分(別称受容体)(R1,R2,R3,...,Rp,...)(ここで、
i)前記受容体の受容体成分(rpj)は少なくとも1種の検体(Ap)の検体成分(api)を検出するために検体成分に対して親和性をもち、
ii)更に、受容体成分(rpj)による検体成分(api)の識別イベント時に、発生毎に[又は所定の確率法則に従って][単独又は同様に試験体(Vep)の内側に導入された別の活性成分(別称指示薬)(U)と共同して]測定可能な(物理的及び/又は化学的)示量状態変数(E)を成分信号(dE)で修飾する性質をもつ)と、
d)示量状態変数(E)の複数の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)(ここで、
i)前記トランスデューサーシステムは各々少なくとも1個の物理的測定受信器(Rmp1,Rmp2,Rmp3,...,Rmpp,...)[例えば、特に磁場受信器(13)]を含み、
ii)各物理的測定受信器(Rmpp)は多段反応器チューブ(90)を対応する反応チャンバー(Crep)に垂直に固定する)と、
e)検体(A1,A2,A3,...,Ap,...)に特異的な複数の受容体試薬(R1,R2,R3,...,Rp,...)の供給システムから構成される型であり、
f)一方では、反応チャンバー(Crep)の少なくとも2個が複数の円筒形マイクロチューブチャネル(cp1,cp2,...,cpk,cpn)の集合により構成されるマルチマイクロチューブアレー(18)から構成され、
g)他方では、示量状態変数(E)の少なくとも2個の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T1,T2,T3,...,Tp,...)が、
−対応する反応チャンバー(Crep)の包絡面(Sevp)の完全に外側で
−非透過性側面(slatp)と厳密に向かい合うように配置されており、
ii)全成分体(vecpk)と各成分チャネル(cpk)内の成分信号全部(dE)ijpkについて同時に対応する反応チャンバー(Crep)の非透過性側面(slatp)を介して前記示量状態変数(E)の変動の積分測定ΔEp=Σk=1...nΣij(dE)ijpk(即ち総和)を実施することを組合せたことを特徴とする請求項15に記載のマルチアナライトセンサー(Sen)。
【請求項30】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)[即ち可溶性化学物質又は生きているかもしくは死んでいる微生物もしくは微生物部分]を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリングするための可動装置(100)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部サンプリングキャビティ(103)をもつサンプリングブロック(102)と、
b)i)内部サンプリングキャビティ(103)の回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)モノリシックマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)サンプリングブロック(102)の内部サンプリングキャビティ(103)に移動可能に導入され、
iv)側面が内部サンプリングキャビティ(103)の壁(104)に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)をサンプリングブロック(102)内に保持するための手段(105)と、
d)可動カートリッジ(Car)を内部に導入後にサンプリングブロック(102)を密閉するための手段(106)(ここで、
i)前記密閉手段(106)は場合により前記保持手段(105)と一体化しており、
ii)起動後に、
−流体サンプル(F)のサンプリング用上流開口(111)と、
−下流開口(112)の少なくとも2個の開口(111,112)をサンプリングブロック(102)に形成する)と、
e)サンプリング用上流開口(111)又は下流開口(112)の一方又は他方に接続された試薬と流体サンプル(F)の移動用ポンプ(115)
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項31】
請求項30に記載の可動テストカートリッジ(Car)による可動サンプリング指示装置(121)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)サンプリングブロック(102)のサンプリング用上流開口(111)
b)及び/又は下流開口(112)の一方又は他方に接続された少なくとも1個の化学的及び/又は生物学的試薬(特に受容体(R))用液溜め(122)を更に備えており、
c)その流体移動用ポンプ(115)が開口(111又は112)と試薬液溜め(122)の間に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項32】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に指示するための独立装置(131)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部指示キャビティをもつ指示ブロックと、
b)i)内部指示キャビティの回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)マルチマイクロチューブアレーの形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)指示ブロックの内部指示キャビティに移動可能に導入され、
iv)側面が内部指示キャビティの壁に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)を指示ブロック内に保持するための手段と、
d)可動カートリッジ(Car)を内部指示キャビティの内部に導入した後に指示ブロックを密閉するための手段(ここで、
i)前記密閉手段は場合により前記保持手段と一体化しており、
ii)起動後に、
−試薬導入用上流開口と、
−下流開口の少なくとも2個の開口を指示ブロックに形成する)と、
e)試薬導入用上流開口又は下流開口の一方又は他方に接続された試薬と流体サンプルの移動用ポンプ
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項33】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に測定するための独立装置(151)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)回転形(円筒形又は円錐台形)の内部測定キャビティ(Eme)をもつ変換ブロック(Cme)と、
b)i)内部測定キャビティ(Eme)の回転形に相補的な回転形(円筒形又は円錐台形)であり、
ii)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Cre)を内部に含み、
iii)変換ブロック(Cme)の内部測定キャビティ(Eme)に移動可能に導入され、
iv)側面が内部測定キャビティ(Eme)の壁(154)に対して密閉された可動カートリッジ(Car)と、
c)可動カートリッジ(Car)を変換ブロック(Cme)内に保持するための手段(155)と、
d)少なくとも1個の物理的測定受信器[例えば、特に磁場受信器(13)]を含み、変換ブロック(Cme)に接続されており、
i)内部測定キャビティ(Eme)の完全に外側で
ii)内部測定キャビティ(Eme)と厳密に向かい合うように
配置された示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)
の組合せを含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項34】
流体サンプル(F)中に存在する検体(A)の検体成分(ai)を可動テストカートリッジ(Car)によりサンプリング後に指示及び測定するための請求項33に記載の独立装置(160)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)可動カートリッジ(Car)を内部に導入した後にブロックを密閉するための手段(156)(ここで、
i)前記密閉手段(156)は場合により前記保持手段(155)と一体化しており、
ii)起動後に、
−供給用上流開口(161)と、
−下流開口(162)の少なくとも2個の開口をサンプリングブロックに形成する)と、
b)サンプリング用上流開口(161)又は下流開口(162)の一方又は他方に接続された流体サンプル及び/又は試薬の移動用ポンプ(165)
の組合せを更に含む請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項35】
可動テストカートリッジ(Car)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置が、
a)相互に一定ピッチ(p)で離間された複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を含む剛性カートリッジサポート(172)と、
b)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)を同数の複数の停止点(181a,181b,181c,...)と対向させながら周期的に同時に移動させるように、前記一定ピッチ(p)に等しい間隔(p')だけカートリッジサポート(172)を周期的に移動させるための手段と、
c)i)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)を内部に含み、
ii)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)の内側に挿入された複数の可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)と、
d)停止点(181a,181b,181c,...)に対向するように配置された少なくとも1個の液体(サンプル及び/又は試薬)注入装置(201a,201b,201c,...)
の組合せにより構成される請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項36】
請求項35に記載のマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)をもつ可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置(171)が更に、
a)その剛性カートリッジサポート(172)がカルーセル(182)から形成され、
b)複数のブロック(173a,173b,173c,173d,...)がカルーセル(182)の周囲に配置されており、等しい頂角(α)で分離されており、
c)周期的移動手段がカルーセル(182)の角度(α)の周期的回転を確保することを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項37】
請求項35に記載のマルチマイクロチューブアレー(18)の形態の反応チャンバー(Crea,Creb,Crec,Cred,...)をもつ可動テストカートリッジ(Cara,Carb,Carc,Card,...)による分析用シーケンシャルロボット装置(171)を更に備えるセンサー(Sen)であって、前記装置(171)が更に示量状態変数(E)の積分測定用ラテラルトランスデューサーシステム(T)を備えており、前記システムが少なくとも1個の物理的測定値受信器(例えば、特に磁場受信器(13))を含み、前記受信器が、
a)停止点(181a,181b,181c,...)に配置されており、
b)カートリッジサポート(172)の移動に対して垂直に周期的に移動可能であり、
c)受信器に対向して配置されたテストカートリッジ(Card)の外面を密接に緊密に包囲することにより、テストカートリッジ(Card)を停止点(181a,181b,181c,...)に固定することを特徴とする請求項15に記載のセンサー(Sen)。
【請求項38】
a)マルチマイクロチューブアレー(18)の形態の少なくとも1個の反応チャンバー(Cre1)と、
b)前記反応チャンバー(Cre1)を覆う保護ケーシング(19)
の特徴的組合せを含む請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実施するためのテストカートリッジ(Car1)。
【請求項39】
a)軸(zz')に配置された同一断面のマルチマイクロチューブアレーの形態の少なくとも2個の反応チャンバー(Cre1,...,Cre3,...)と、
b)前記反応チャンバー(Cre1,...,Cre3,...)を同時に覆う保護ケーシング(19)を更に備えることを特徴とする請求項38に記載のマルチチャンバーテストカートリッジ(Carm)。
【請求項40】
更に同一軸(zz')に沿って直列に端間配置された複数のテストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)から形成されていることを特徴とする請求項38に記載のマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)。
【請求項41】
テストカートリッジ(Car1,Car2,Car3,...)の少なくとも2個が相互に固定されていることを特徴とする請求項40に記載のマルチチャンバーマルチテストカートリッジ(MCarm)。
【図1】
【図2】
【図8】
【図10】
【図11】
【図14】
【図15】
【図21】
【図22】
【図2】
【図8】
【図10】
【図11】
【図14】
【図15】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2007−516419(P2007−516419A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518278(P2006−518278)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001707
【国際公開番号】WO2005/011866
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506006050)マグニセンス・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001707
【国際公開番号】WO2005/011866
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506006050)マグニセンス・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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