説明

マルチメディアコンテンツ生成・配信システム

【課題】 静止画・音声・動画などのマルチメディアコンテンツを提供するWebサイトを構築するためには、マルチメディアコンテンツの入力・生成・編集・配信の一連の加工過程に非常に手間がかかるなどの多くの課題があり、普及の阻害要因となっている。
【解決手段】 動画コンテンツファイルから静止画像を自動的に抽出する機能と、マルチメディアコンテンツファイルのアップロード時に入力する書誌的情報を元にHTMLを自動的に生成する機能を持つことにより、Webサイト更新の手間を軽減し、更新頻度や即時性の高いWebサイトを構築できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを用いたマルチメディアコンテンツ生成・配信システムに関し、動画コンテンツから静止画像を自動抽出し、HTMLを自動生成するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチメディアコンテンツを配信するWebサイトを作成・更新するためには、マルチメディアコンテンツファイルをマルチメディアコンテンツ配信サーバーにアップロードするとともに、関連するHTMLファイルを作成・更新し、Webサーバーにアップロードする必要があった。また、動画コンテンツの内容を静止画像で一部公開するような場合には、当該静止画像ファイルを事前に動画コンテンツファイルから抽出する作業を行ったうえでWebサーバーにアップロードする必要があった。
【0003】
一方、DVD、S−VHSのような動画コンテンツ記録メディアから動画コンテンツおよび動画コンテンツに含まれる静止画像情報を抽出して動画コンテンツの書誌的情報とともにデータベースに格納し、動画コンテンツとともに静止画情報をインターネットで配信し、また書誌的情報を元にデータベースから動画コンテンツを検索することができるようなシステムも存在する(例えば、特許文献1参照。)。また、コンテンツに関する詳細情報について記述したメタデータを定義することで、ユーザーへのコンテンツ提示方法、利用条件等コンテンツに対する様々な制御をメタデータで行うことができるようなコンテンツ蓄積管理方法またはシステムも存在する(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】 特開2002−335473号公報
【特許文献2】 特開2002−251328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のようなシステムを使用する場合、特定の者があらかじめ不特定多数の者が同システムのデータベースに格納されている静止画像情報や動画コンテンツの書誌的情報を使用して個々が独自のWebサイトを制作しようとした場合、システムを利用する個人を特定する手段や、Webサイトの外観を個々が制作しようとするものに合わせてカスタマイズする手段が存在しない。したがってWebサイト製作者は、データベース上の書誌的情報を元に新たにHTMLソースコードを作成し、また静止画情報をデータベースから取得して、Webサーバーに個別にアップロードする必要があり、それらの作成や更新について多大な手間を要するため、更新頻度や情報鮮度の高い魅力的なWebサイトを提供する妨げとなる。
【0006】
一方で前記特許文献2のようなシステムを使用する場合、システムを利用するユーザーに対する配信条件の制御を行うことができるが、動画ファイルから静止画像情報や書誌的情報を抽出する手段が存在しない。したがってWebサイト製作者が前記特許文献2のようなシステムを使用して動画像、静止画像など複数種類のマルチメディアコンテンツを含む独自のWebサイトを制作しようとした場合、Webサイト製作者は、複数種類のマルチメディアコンテンツを個別に組み合わせてWebコンテンツを制作する必要があり、それらの作成や更新について多大な手間を要する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、ユーザー認証手段を持つコンテンツ蓄積管理システムと、動画コンテンツファイルから静止画像を自動的に抽出してコンテンツ蓄積手段に格納するシーンサムネイル画像生成手段とを連携させることによって、不特定多数の者が個々専用にカスタマイズされたシーンサムネイル画像生成手段を使用することを可能にしている。
【0008】
また本発明は、上記の課題を解決するために、コンテンツ受付手段においてマルチメディアコンテンツの書誌的事項とともにWebページの構成情報を入力し、それを登録したユーザーと関連付けてデータベースに格納する。マルチメディアコンテンツが閲覧される際には、HTML自動生成手段がデータベースに格納された書誌的情報とともにそのコンテンツと関連付けられたWebページの構成情報を即座に読み出し、Webページを動的に構成してWebページの閲覧者へ送信する。このHTML自動生成手段は、ユーザー毎に個別に設けることができるため、シーンサムネイル画像生成手段が生成・蓄積した情報を元にして、個々のユーザーに合わせてカスタマイズされたWebページを自動的に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムの全体図を表している。図1に示すように、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムは、マルチメディアコンテンツファイルと検索情報などの付帯情報を格納する格納部、マルチメディアコンテンツファイルをシステムに入力するためのコンテンツ入力部、マルチメディアコンテンツファイルから書誌的情報や静止画像を抽出するためのコンテンツ処理部、格納部に格納された情報を元に閲覧者向けのコンテンツを生成・配信する、コンテンツ出力部からなる。図1のコンテンツ入力部のうち、コンテンツ受付手段1(101)は、HTTPプロトコルでコンテンツを受け付ける手段、コンテンツ受付手段2(102)は、FTPプロトコルでコンテンツを受け付ける手段、コンテンツ受付手段3(103)は、電子メール送信クライアントからコンテンツを受け付ける手段である。
【0010】
図2は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを実際に構成する際の1例を表している。図1のコンテンツ受付手段1はWebサーバーで稼動するHTTPサーバー(202)、コンテンツ受付手段2はFTPサーバー(205)、コンテンツ受付手段3はメールサーバー(204)、とすることができる。また図1のユーザー認証手段(104)、コンテンツ蓄積手段(112)、コンテンツ情報格納手段(113)は、データベース(211)およびファイルストレージ(212)と一体となった、コンテンツ管理サーバーで稼動するコンテンツ管理システム(208)として構成することができる。このコンテンツ管理システム(208)は、例えば特許文献2に述べられているようなシステムとしてもよい。また図1のコンテンツ受付通知手段(105)およびシーンサムネイル画像受付手段(107)は、コンテンツ受付通知サーバーで稼動するコンテンツ受付通知システム(209)とすることができる。また図1のシーンサムネイル画像生成手段(106)は、動画処理サーバーで稼動する動画ファイル変換システム(210)とすることができる。この動画ファイル変換システム(210)は、例えば特許文献1に述べられているようなシステムとしてもよい。また図1のHTML自動生成手段1(108)は、コンテンツ管理サーバーで稼動するコンテンツ管理システム内部に配置するHTML自動生成モジュール(207)とすることができる。また図1のコンテンツ配信手段(111)は、HTTPサーバー(202)または動画配信サーバーで稼動するStreamingサーバー(201)とすることができる。
【0011】
図3は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムにマルチメディアコンテンツファイルを投入したときに行われる処理フローを示した図である。図3に示すように、マルチメディアコンテンツファイル(301)は、HTTPクライアント、FTPクライアント、電子メール送信クライアントのいずれかの手段でコンテンツ入力部に送信され、それぞれに対応するコンテンツ受付手段によって受理される。HTTPクライアントで送信されたマルチメディアコンテンツファイルはコンテンツ受付手段1(101)が、FTPクライアントで送信されたマルチメディアコンテンツファイルはコンテンツ受付手段2(102)が、電子メール送信クライアントで送信されたマルチメディアコンテンツファイルはコンテンツ受付手段3(103)が、送信されたマルチメディアコンテンツファイルを受理する。
【0012】
コンテンツ入力部が受理したマルチメディアコンテンツファイルは、コンテンツ情報格納手段(113)に格納される。また、マルチメディアコンテンツファイルと同時に送信されてくる書誌的情報も、同じくコンテンツ情報格納手段(113)に格納される。このとき、マルチメディアコンテンツファイルと付帯する書誌的情報は、コンテンツ情報格納手段上で関連付けがされた状態で格納される。また、コンテンツ入力部がマルチメディアコンテンツファイルを受け付けると、コンテンツ受付通知手段(105)が当該マルチメディアコンテンツファイルの受付を検知し、シーンサムネイル画像生成手段(106)に通知する。なお、シーンサムネイル画像生成手段(106)へ当該マルチメディアコンテンツファイルの受付を検知するとともに動画フォーマット変換手段(114)へも当該マルチメディアコンテンツファイルの受付を検知することにより、当該マルチメディアコンテンツファイルからシーンサムネイル画像を生成しながら任意のフォーマットへの変換処理を同時に行うことも可能である。
【0013】
図4は、HTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の画面構成例である。HTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時は、マルチメディアコンテンツファイルをHTTPクライアント画面上で指定するとともに、コンテンツのタイトルやコメントなどの書誌的情報を入力することができるように、画面の入力欄を構成することができる。このHTTPクライアントは、パーソナルコンピューター、携帯電話を含む携帯型端末、Webブラウザを搭載する固定設置型端末上で動作するWebブラウザソフトウェアとしてもよい。
【0014】
図5は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、HTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。HTTPクライアントは、マルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を、HTTPサーバー(202)に送信する(S501)。Webサーバーは、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を、システムInterface(203)経由でHTTPインターフェース(206)に送信する。HTTPインターフェース(206)は、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を、コンテンツ管理システム(208)に渡す(S502)。コンテンツ管理システム(208)は、マルチメディアコンテンツファイルをファイルストレージ(212)に送信し(S503)、また書誌的情報をデータベース(211)に送信する(S504)。コンテンツ受付通知システム(208)は、コンテンツ管理システム(208)がマルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を新規に受け取ったことを検知し(S505)、マルチメディアコンテンツファイルが動画ファイルである場合は、動画ファイル処理システム(209)にサムネイル抽出処理を依頼する(S506)。動画ファイル処理システム(209)は、当該動画ファイルから抽出したサムネイル画像を、コンテンツ管理システム(208)に送信する(S507)。コンテンツ管理システム(208)は、サムネイル画像ファイルをファイルストレージ(212)に送信し(S508)、またサムネイル画像ファイルの書誌的情報をデータベース(211)に送信する(S509)。
【0015】
図6は、電子メール送信クライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の画面構成例である。電子メール送信クライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時は、電子メールの添付ファイルとしてマルチメディアコンテンツファイルを指定するとともに、コンテンツのタイトルやコメントなどの書誌的情報は、電子メールの件名入力欄や本文入力欄で指定することができる。また、本文入力欄の書式に一定のルールを設けることにより、複数の書誌的情報を件名入力欄に全て記載することも可能である。この電子メール送信クライアントは、パーソナルコンピューター、携帯電話を含む携帯型端末、電子メール送信クライアントを搭載する固定設置型端末上で動作する電子メール送信クライアントソフトウェアとしてもよい。
【0016】
図7は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、電子メール送信クライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。電子メール送信クライアントは、マルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を、メールサーバー(204)に送信する(S701)。コンテンツ受付通知システム(208)は、メールサーバー(204)が電子メールの本文および添付ファイルとしてマルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を新規に受け取ったことを検知し(S702)、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報を、コンテンツ管理システム(208)に渡す(S703)。コンテンツ管理システム(208)は、マルチメディアコンテンツファイルをファイルストレージ(212)に送信し(S704)、また書誌的情報をデータベース(211)に送信する(S705)。コンテンツ受付通知システム(208)は、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルが動画ファイルである場合は、動画ファイル処理システム(209)にサムネイル抽出処理を依頼する(S706)。動画ファイル処理システム(209)は、当該動画ファイルから抽出したサムネイル画像を、コンテンツ管理システム(208)に送信する(S707)。コンテンツ管理システム(208)は、サムネイル画像ファイルをファイルストレージ(212)に送信し(S708)、またサムネイル画像ファイルの書誌的情報をデータベース(211)に送信する(S709)。
【0017】
図8は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、FTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。FTPクライアントは、マルチメディアコンテンツファイルを、FTPサーバー(205)に送信する(S801)。コンテンツ受付通知システム(208)は、FTPサーバー(204)がマルチメディアコンテンツファイルを新規に受け取ったことを検知し(S802)、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルを、コンテンツ管理システム(208)に渡す(S803)。コンテンツ管理システム(208)は、マルチメディアコンテンツファイルをファイルストレージ(212)に送信する(S804)。コンテンツ受付通知システム(208)は、受け取ったマルチメディアコンテンツファイルが動画ファイルである場合は、動画ファイル処理システム(209)にサムネイル抽出処理を依頼する(S805)。動画ファイル処理システム(209)は、当該動画ファイルから抽出したサムネイル画像を、コンテンツ管理システム(208)に送信する(S806)。コンテンツ管理システム(208)は、サムネイル画像ファイルをファイルストレージ(212)に送信し(S807)、またサムネイル画像ファイルの書誌的情報をデータベース(211)に送信する(S808)。
【0018】
なお、FTPクライアントでマルチメディアコンテンツファイルをシステムに入力したときは、当該マルチメディアコンテンツファイルの書誌的情報を後から入力するための画面を別途設けることができる。この書誌的情報入力画面は、例えばHTMLフォームで構成されたWebアプリケーションとしてもよい。また、このFTPクライアントは、パーソナルコンピューター、携帯電話を含む携帯型端末、FTPクライアントを搭載する固定設置型端末上で動作するFTPクライアントソフトウェアとしてもよい。
【0019】
図9は、動画コンテンツファイルを投入したときの、コンテンツ受付通知手段の処理を表したフローチャートである。コンテンツ受付手段は、本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムが稼動している間は、新規コンテンツが同システムに到着したかどうかを、常時繰り返しチェックしている(S901〜S902)。チェックにより新規コンテンツの到着を発見した場合は(S903)、新規到着コンテンツが動画コンテンツであるかどうかの判断を行う(S904)。新規コンテンツの到着を発見できない場合は(S903)、繰り返しチェックの始めに戻る。新規コンテンツを発見した場合において、当該新規到着コンテンツが動画コンテンツである場合には、シーンサムネイル画像生成手段へ、当該動画コンテンツの到着を通知する(S905)。当該新規到着コンテンツが動画コンテンツでない場合には、繰り返しチェックの始めに戻る。
【0020】
図10は、シーンサムネイル画像生成手段の処理を表したフローチャートである。シーンサムネイル画像生成手段は、本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムが稼動している間は、コンテンツ受付通知手段からの新着動画コンテンツ到着通知があるかどうかを、常時繰り返しチェックしている(S1001〜S1002)。新着通知が存在しない場合は(S1003)、繰り返しチェックの始めに戻る。新着通知が存在する場合は(S1003)、当該新着動画コンテンツファイルを解析し、動画コンテンツを構成するシーン毎に、静止画像を抽出する(S1004)。シーンサムネイル画像生成手段は、シーン毎の静止画像抽出が完了すると、シーン毎静止画像の抽出元となった動画コンテンツファイルがコンテンツ入力部により受け付けられたときに入力された付帯情報を取得する(S1005)。次に、抽出したシーン毎静止画像を、シーンサムネイル画像受付手段によって、本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムのコンテンツ情報格納手段に格納される。なおこのとき、当該シーン毎の静止画像は、静止画像を抽出した元の動画コンテンツファイルと、コンテンツ情報格納手段上で関連付けがされた状態で格納される。本処理は、抽出したシーン毎静止画像の枚数分繰り返される(S1006〜S1007)。
【0021】
図11は、Webサイト閲覧者がWebサイトを閲覧した際に行われる処理フローを示した図である。図11に示すように、Webサイト閲覧者がWebサイトを訪れると、コンテンツ蓄積手段(112)に格納されたマルチメディアコンテンツファイルを閲覧するために当該マルチメディアコンテンツファイルを指定する。HTML自動生成手段(108)は、Webサイト閲覧者が指定したマルチメディアコンテンツファイルの書誌的情報をコンテンツ情報格納手段(113)に対して照会し、当該マルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を取得する。HTML自動生成手段(108)は、取得した当該マルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を元にHTMLを自動的に生成し、Webサイト閲覧者に返送することにより、Webサイト閲覧者へ当該マルチメディアコンテンツファイルに関連したWebコンテンツを提供する。またマルチメディアコンテンツファイルの書誌的情報には、当該マルチメディアコンテンツファイルのコンテンツ蓄積手段(112)上における格納位置情報を含めることができるため、HTML自動生成手段(108)が生成するHTMLに当該マルチメディアコンテンツファイルの位置情報を含めることによって、コンテンツ配信手段(111)を用いてWebサイト閲覧者に当該マルチメディアコンテンツファイルを配信することができる。また、当該マルチメディアコンテンツファイルが動画ファイルである場合は、当該マルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報とともにサムネイル画像も読み出すことにより、Webサイト閲覧者に当該動画ファイルのサムネイル画像を送出することもできる。
【0022】
図12は、Webサイト閲覧者が動画ファイルを指定した場合に、HTML自動生成手段(108)が動画コンテンツファイルと関連したシーンサムネイル画像をWebサイト閲覧者に送出する際の処理シーケンスである。Webサイト閲覧者がWebサイトを閲覧する際、閲覧する動画コンテンツファイルを指定するため、当該動画コンテンツファイルの識別子(動画コンテンツファイルID)を指定する。この動画コンテンツファイルIDは、HTML自動生成手段(108)に渡される(S1201〜S1202)。HTML自動生成手段(108)は、指定した動画コンテンツファイルIDをキーとして、当該動画コンテンツファイルに関連付けられた静止画像をコンテンツ検索情報データベースから検索する(S1203)。検索の結果として、当該動画コンテンツファイルに関連付けられた静止画像のリストが、HTML自動生成手段(108)に返される(S1204)。検索結果として取得した静止画像のリストを元に、各静止画像の付帯情報をコンテンツ検索情報データベースに照会する(S1205〜S1206)。HTML自動生成手段(108)は、以上の処理によって取得した静止画像のリストと各静止画像の付帯情報を基にして、HTML生成処理を行う(S1207)。生成したHTMLは、Webサイト閲覧者に送出される(S1208)。
【0023】
ここでHTML自動生成手段は、1つのWebサイトに対して1つ以上存在することができ、複数のHTML自動生成手段全体としてWebサイトを構成することができる。したがって、個々のHTML自動生成手段にそれぞれ異なるHTML生成規則を埋め込むことにより、HTML自動生成手段のみでWebサイトを構成することもできる。例えば、コンテンツ情報格納手段に格納されている全てのマルチメディアコンテンツファイルをHTML形式で一覧表示するためのHTML自動生成手段をHTML自動生成手段1、Webサイト閲覧者が指定したマルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報をHTML形式で表示するためのHTML自動生成手段をHTML自動生成手段2、あらかじめマルチメディアコンテンツファイルを任意の方式で分類しておき、分類ごとのマルチメディアコンテンツファイルの一覧をHTML形式で表示するためのHTML自動生成手段をHTML自動生成手段3とすることができる。
【0024】
また、HTML自動生成手段は、シーンサムネイル画像生成手段により動画コンテンツファイルから抽出され、コンテンツ情報格納手段に格納されているシーン毎の静止画像を、Webサイト閲覧者が指定する動画コンテンツファイルに合わせてコンテンツ情報格納手段へ照会し、自動生成したHTMLとともにWebサイト閲覧者へ提供することができる。なお、HTML自動生成手段は、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、コンテンツ管理システム(208)上で動作するHTML自動生成モジュール(207)とすることができる。この場合のHTML自動生成モジュール(207)は、JavaやC言語等のプログラム言語で作成されたプログラムモジュールとしてよい。
【0025】
一方で、図13に示すように、1つのコンテンツ情報格納手段に対して複数のWebサイトを構成し、それぞれにHTML自動生成手段を設けることにより、単一の動画コンテンツファイルを複数の異なるWebコンテンツ向けに提供することができる。例えば、WindowsコンピューターでWebサイトを閲覧するWebサイト閲覧者向けには多くの情報を掲載したWebサイトを提供し、携帯端末でWebサイトを閲覧するWebサイト閲覧者向けには最小限の情報を簡潔に掲載したWebサイトを提供するなど、Webサイト閲覧者の特性に合わせたWebサイトを提供することができる。
【0026】
図14は、HTML自動生成手段が、HTMLの生成規則にしたがってHTMLを自動生成する時の一例を表した図である。例えば図14の1401に示すようにHTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する場合、図14の1402に列挙する自動生成規則1から自動生成規則4がHTML自動生成手段に埋め込まれている場合において、タイトル文字列、ジャンル文字列、コメント文字列に入力された文字列を元に、図14の1403に示すようなWebページがWeb閲覧者のWeb閲覧端末に表示されるようなHTMLを自動生成してWeb閲覧者のWeb閲覧端末へ送信するように、HTML自動生成手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、マルチメディアコンテンツファイルをアップロードする際に、当該マルチメディアコンテンツファイルに付帯する検索情報などの書誌的情報が同時に入力されるため、マルチメディアコンテンツファイルをアップロードした後に付帯情報を再度入力する必要がなくなり、マルチメディアコンテンツファイルと書誌的情報との関連付けを誤る可能性が格段に少なくなる。
【0028】
また、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、動画コンテンツファイルをアップロードすることにより、当該動画コンテンツに含まれる静止画像が自動的に抽出されてコンテンツ情報格納手段に格納されるため、動画コンテンツファイルをアップロードした後に静止画像を別途アップロードする必要がなくなり、Webサイトを更新する手間が格段に軽減される。
【0029】
また、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、HTML自動生成手段の機能により、マルチメディアコンテンツファイルをアップロードする際に同時に入力する書誌的情報を元にHTMLを自動的に生成することができるため、上述の静止画像自動抽出の機能と合わせて、Webサイトを更新する手間がさらに軽減される。このことにより、Webサイト更新の頻度や即時性を高めることが容易になり、魅力的なWebサイトを構築して閲覧者への訴求効果を高めることができる。
【0030】
さらには、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、1つのマルチメディアコンテンツファイルに対応するHTML自動生成手段を複数設けることにより、1つのマルチメディアコンテンツファイルを異なる表現形態でWebサイト閲覧者に提供することが可能になる。これにより、例えばパーソナルコンピューターを持たず携帯端末のみでWebサイトを閲覧するWebサイト閲覧者にもコンテンツを配信することが可能になり、固定的なHTMLを提供する場合と比較して、より多くのWebサイト閲覧者にコンテンツを配信することが可能になる。
【0031】
さらには、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、マルチメディアコンテンツファイルおよびマルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を検索する検索手段をWebサイト更新者のみならず閲覧者にも提供することにより、大量のマルチメディアコンテンツファイルのなかから閲覧者が目的とするマルチメディアコンテンツファイルを効果的に探すことが可能になり、Webサイト閲覧者の利便性が向上し、もってWebサイトの魅力を高めることができる。
【0032】
さらには、本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムによれば、シーンサムネイル画像生成手段(106)、HTML自動生成手段(108)、およびコンテンツ配信手段(111)を入れ替えることにより、様々なメディアに対応したマルチメディアコンテンツを生成・配信することが可能になる。たとえば、シーンサムネイル画像生成手段(106)には動画ファイルのフォーマットをテレビ放送用に変換することができるシステムを使用し、かつコンテンツ配信手段(111)にテレビ放送用の送信システムを利用することにより、テレビ放送に対応したマルチメディアコンテンツ生成・配信システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】 本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムの全体図である。
【図2】 本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを実際に構成する際の1例を示した図である。
【図3】 本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムにマルチメディアコンテンツファイルを投入したときに行われる処理フローを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー認証手段と、マルチメディアコンテンツファイルを蓄積するためのコンテンツ蓄積手段と、マルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を格納するためのコンテンツ情報格納手段と、蓄積手段に蓄積したマルチメディアコンテンツファイルおよびコンテンツ情報格納手段に格納した書誌的情報を検索するための検索手段と、マルチメディアコンテンツファイルおよびマルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を、HTTPプロトコルクライアント又はFTPプロトコルクライアント又は電子メール送信クライアント経由で受け付けるためのコンテンツ受付手段と、動画コンテンツファイルからその動画コンテンツを構成するシーン毎に分割して代表静止画を生成するシーンサムネイル画像生成手段と、動画ファイルのフォーマットを変換するための動画フォーマット変換手段と、マルチメディアコンテンツファイルおよびマルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を受け付けた際にシーンサムネイル画像生成手段へ受付通知を行うためのコンテンツ受付通知手段と、シーンサムネイル画像生成手段が生成したサムネイル画像を受け付けてコンテンツ蓄積手段に格納するためのシーンサムネイル画像受付手段を持つことを特徴とするマルチメディアコンテンツ生成・配信システム。
【請求項2】
Webサイト閲覧者が本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムで構成するWebサイトを閲覧する場合に、前記コンテンツ情報格納手段に格納されるマルチメディアコンテンツファイルを含むWebページを閲覧する際において、当該マルチメディアコンテンツファイルに付帯する書誌的情報を読み出し、自らに埋め込まれたHTML生成規則にしたがってHTMLソースコードを即座に自動生成するHTML自動生成手段を持つことを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアコンテンツ生成・配信システム。

【図3】 本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムに動画コンテンツファイルを投入したときの、動画コンテンツ受付通知手段の処理を表したフローチャートである。
【図4】 HTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の画面構成例である。
【図5】 本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、HTTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。
【図6】 電子メール送信クライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の画面構成例である。
【図7】 本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、電子メール送信クライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。
【図8】 本発明のマルチメディアコンテンツ生成・配信システムを図2で示す構成で構築した場合において、FTPクライアントを使用してマルチメディアコンテンツをシステムに入力する時の処理シーケンスである。
【図9】 動画コンテンツファイルを投入したときの、コンテンツ受付通知手段の処理を表したフローチャートである。
【図10】 シーンサムネイル画像生成手段の処理を表したフローチャートである。
【図11】 本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システム上に構成されたWebサイトを、Webサイト閲覧者が閲覧した際に行われる処理フローを示した図である。
【図12】 Webサイト閲覧者が動画ファイルを指定した場合に、HTML自動生成手段が、動画コンテンツファイルと関連したシーンサムネイル画像をWebサイト閲覧者に提供する際の処理シーケンスである。
【図13】 本発明であるマルチメディアコンテンツ生成・配信システムのWebサイトが複数で構成される場合に、Webサイト閲覧者が各Webサイトを閲覧した際に行われる処理フローを示した図である。
【図14】 HTML自動生成手段が、HTMLの生成規則にしたがってHTMLを自動生成する時の一例を表した図である。
【符号の説明】
101 コンテンツ受付手段1
102 コンテンツ受付手段2
103 コンテンツ受付手段3
104 ユーザー認証手段
105 コンテンツ受付通知手段
106 シーンサムネイル画像生成手段
107 シーンサムネイル画像受付手段
108 HTML自動生成手段
111 コンテンツ配信手段
112 コンテンツ蓄積手段
113 コンテンツ情報格納手段
114 動画フォーマット変換手段
201 Streamingサーバー
202 HTTPサーバー
203 システムInterface
204 メールサーバー
205 FTPサーバー
206 HTTPインターフェース
207 HTML自動生成モジュール
208 コンテンツ管理システム
209 コンテンツ受付通知システム
210 動画ファイル処理システム
211 データベース
212 ファイルストレージ
301 コンテンツファイル
1401 HTTPクライアント
1402 HTML自動生成規則例
1403 自動生成されたWebページ例
【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−4391(P2006−4391A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206598(P2004−206598)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.WINDOWS
【出願人】(504270286)
【Fターム(参考)】