説明

マルチ・ファンクション・システムにおけるカラー印刷のための共通交換フォーマット・アーキテクチャ

【課題】 ラスタ画像プロセッサでハーフトーニングを実行する。
【解決手段】 出力装置での出力のために文書画像が第1の文書フォーマットでフォーマットされ、出力文書画像が第2の文書フォーマットでフォーマットされ、文書画像が画像信号によって記述され、システムが入力装置によって入力され、第1の文書フォーマットでフォーマットされた画像信号を共通交換フォーマットに変換し、第1の文書フォーマットが文書走査フォーマット及び文書生成フォーマットの1つを含み、共通交換フォーマットでフォーマットされた画像信号を第2の文書フォーマットに変換し、第2の文書フォーマットが文書ビューイング・フォーマット及び文書マーキング・フォーマットの1つを含み、共通交換フォーマットが混合されたラスタ・コンテント画像であるコントローラを備える入力装置からの文書画像を準備するための画像処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として文書画像処理に関連し、より詳細には、共通交換フォーマットを用いて画像文書を処理するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
オフィスのマルチ・ファンクション装置は、画像処理リソースの大部分を共有してこなかった。この、リソース共有の欠如は、より高いユニット・コスト、及び、印刷される(printed)ハードコピー出力と、コピーされる(copied)ハードコピー出力の間の大きな可視的差異に繋がり得る。更に、装置は、同じ画像品質及びコピー速度を持つ、局所的コピー及び遠隔地(remote)コピーを生成する能力を持ってきていない。何故なら、これらの機能実行するために用いられる表現(representations)が、非常に異なるからである。更に、同じリソースが、コピー機能と走査(scan)機能の双方を実行するために使用されない。
カラーの文書を印刷することには、一連のデータ変換が含まれる。図1は、文書フォームを、例えば、Windows(登録商標)アプリケーションから、例えばハードコピーに変換するために用いられる、高レベルの、種々の翻訳(translations)及び変換(conversions)を含む工程100を示す概略図である。図1に示されるように、アプリケーションとハードコピーの間の翻訳には、例えば、クライアント文書110の内部構造又はフォーマットから、グラフィック・デバイス・インターフェース(GDI)セルへの、クライアント文書110の変換が含まれ、次に、従来的なモジュール120において、GDIは、PostScript、PCL、又は何らかの他の標準ページ記述言語(PDL:Page Description Language)に翻訳される。PDLは次に、ローカル・エリア・ネットワークのようなネットワークを介して、印刷装置130に送出される。印刷装置130は、文書のベクトル表現を、文書のラスタ表現に変換する。
【0003】
一般的に、非インパクト・プリンタについては、印刷されるべき画像は、画像カラーを表現するラスタ形式(即ち、「画素」の矩形アレイ)で表現される。カラー印刷については一般的に、ページ当り、これらのラスタ画像の複数のもの(それぞれが、画像の「主要」分離(separation)を表わす)が存在する。印刷に対する一般的なカラー分離は、シアン、マゼンタ、黄色、及び、黒である。ラスタ画像プロセッサ、つまり、RIPは、ページのページ記述言語表現を、ページのラスタ画像表現に変換する。一旦「RIP」されると、ラスタ画像は、フレーム・バッファに格納される。画像をハードコピー出力フォームに変換する時間になると、フレーム・バッファ内の画像が処理されて、映像信号に変換され、出力装置の処理速度に遅れない速度で画像出力端末(IOT:image output terminal)を駆動する。フレーム・バファ・ラスタから、映像信号への変換には、フィルタリング、スケーリング、ハーフトーニング、又は他の画像処理機能が含まれ得る。重要な特性は、フレーム・バッファ表現が、エンジン速度(engine speed)において、マーキング装置(レーザ又はLEDバーのような)を駆動できる映像信号(video signals)に変換され得るフォーマットでなければならぬことである。フレーム・バッファは、バイナリの、低い画素当りビット(bbp)符号化されたコントーン(ハーフトーン化された)か、フルのコントーン(画素当り少なくとも約8ビットであり、デジタル値の強度が、ページ上に付着される色素(colorant)の総量を表わす)、のいずれかであるラスタ画像を含む。バイナリの、又は、符号化されたコントーン・フレーム・バッファに対しては、ハーフトーン品質は、密接に、フレーム・バッファ・ラスタ解像度に結びつく。つまり、一般的に、より高い解像度では、より高い品質となる。対照的に、コントーン・フレーム・バッファ解像度は、ラスタ解像度から独立であり得る。これらは一般的に、RIP速度とラスタ解像度の間のトレードオフである。特別の加速ハードウェアが存在しない限り、カラー変換は一般的に、RIPソフトウェアで実行される。
【0004】
画像文書の処理に対する現在のアプローチには複数の問題点が存在する。例えば、現在のアプローチにおいては、印刷は、モノリシックな工程である。従って、処理の一部を、計算工程チェイン内の異なったポイントに移動させることは困難である。例えば、図1に示されるモデルを含む現存するアプローチは、インターネット上に存在したリソースを用いた、ベクトル表現の、高レベルなコンパクトなラスタ表現への変換をサポートしないであろう。また、カラー訂正はRIPで実行されて、かなりの時間をとり、それ故、装置の生産性を削減する。更に、バイナリ及び低bbpコントーンに対しては、RIPでハーフトーニングが実行され、これもまた、かなりの時間をとり、それ故、生産性を削減する。RIPでハーフトーニングを実行することは、一般的なカラー装置のようにハーフトーンが大きい場合に特に、大きな動作損失(performance penalty)を招き得る。更に、いくらかの圧縮アルゴリズムは、ハーフトーン・デテールに反映され(turned to)、それは、ハーフトーンが変化するときに、圧縮を最適化するための追加の時間損失に反映(translate)される。更に、RIP工程中にハーフトーン化される文書画像は、余り圧縮できない。何故なら、RIP工程は、ロスレス画像圧縮アルゴリズムを用いなければならないからである。ハーフトーニング法が「ノイジー」(例えば、統計学的な(stochastic)スクリーン又はエラー拡散を用いる場合)であるときに、この問題は悪化する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の問題及び課題を考えて、本発明によるシステム及び方法の種々の模範的実施例が、出力装置における第2の文書フォーマットでの出力のために、入力装置によって入力され、第1の文書フォーマットでフォーマット化された入力文書画像を準備する画像処理システムを提供する。文書画像は、画像信号によって記述され、システムは、少なくとも1つの入力装置によって入力され、第1の文書フォーマット内で共通交換フォーマットにフォーマットされた画像信号を変換する少なくとも1つのコントローラを含み、第1の文書フォーマットは、文書走査フォーマット及び文書生成フォーマット(又は、ページ記述言語)の1つを含む。コントローラは、共通交換フォーマットでフォーマット化された画像信号の、第2の文書フォーマットへの変換をも行い、ここで、第2の文書フォーマットは、文書ビューイング(viewing)フォーマット及び文書マーキング・フォーマットの1つを含む。更に、共通交換フォーマット(the Common Exchange Format)画像は、混合されたラスタ・コンテント・フォームで表現される。これは、画像が、一つあるいはそれ以上の画像層(この画像層が、異なった解像度とbpp(画素当りのビット)を持ち得る)から成ることを意味する。"Mixed Raster Content (MRC) Model for Compound Image Compression"(Corporate Research & Technology, Xerox Corp.)(これは、ここに、参照によって、その全体が取り込まれる)に記載されるように、各画像層は、画像コンテント及びbpp(画素当りのビット)のために適切な標準圧縮アルゴリズムを用いて圧縮される。例えば、8bppの画像はJPEG圧縮を用いて圧縮されるのに対して、1bppの画像は、CCITT G4圧縮を用いて圧縮され得る。混合されたラスタ・コンテント・フォームは、如何にして画像層が結合されて、観られ、或いは、印刷される、単一の画像を再生成するかの指定も行う。
【0006】
更に、本発明によるシステム及び方法の種々の模範的実施例が、入力処理装置及び入力処理装置に機能的にカップルされた出力処理装置を含む、非インパクト(non-impact)の(ゼログラフィック又はインク・ジェット)マーキング装置であって、第1の文書フォーマットで少なくとも1つの入力装置から入力された第1の文書が、共通交換フォーマットに変換され、第1の文書フォーマットが、文書走査フォーマット又は文書生成フォーマットである、マーキング装置を提供する。更に、共通交換フォーマットは、少なくとも1つの出力処理装置とコンパチブルな第2の文書フォーマットに変換され、第2の文書フォーマットは、文書ビューイング・フォーマット又は文書マーキング・フォーマットである。
CEFフォーマットの利点の一つは、それが、同じ表現(representation)において、高エッジ精度、高グレイ値深さ、高圧縮及び高画像品質を得るために、混合されたラスタ・コンテント概念(notions)を使用することである。
更に、本発明によるシステム及び方法の種々の模範的実施例は、データを共通交換フォーマットに、或いは、それから変換するための命令を提供する機械読出し可能な媒体であって、命令がプロセッサによって実行されるときに、プロセッサが複数の作動を実行することを引き起こす、媒体を提供する。これらの作動は、文書情報を入力、第1の文書フォーマットでフォーマットされた入力された文書情報を、共通交換フォーマットでフォーマットされた文書に変換、共通交換フォーマットでフォーマットされた文書情報を、第2の文書フォーマットでフォーマットされた文書に変換、することを含み、第1の文書フォーマットは、文書走査フォーマット又は文書生成フォーマットを含み、第2の文書フォーマットは、文書ビューイング・フォーマット又は文書マーキング・フォーマットを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のシステム及び方法の種々の模範的実施例が、添付の図面を参照して、詳細に説明される。
本発明の、これらの及び他の特徴及び利点が、以下の、本発明によるシステム及び方法の種々の模範的実施例の詳細な記述に説明され、或いは、そこから明白である。
図2は、本発明の方法及びシステムの種々の模範的実施例による、共通交換フォーマット・システム200の異なった構成要素の概略説明である。図2において、生成セクション210と走査セクション220の双方が、入力セクション215(ここで、生成セクション210内の文書処理ソフトウェアからデータが生成され、或いは、走査セクション220内のスキャナからデータが走査され、次に、共通交換フォーマット260に変換される)を示す。種々の模範的実施例によって、ビューイング・セクション240及びマーキング・セクション230は、出力セクション235(ここで、入力セクション215(即ち、生成セクション210及び走査セクション220)から共通交換フォーマット260に変換された文書が、ビューイング・セクション240で観ることが可能な、或いは、マーキング・セクション230でマークされ得る、フォーマットに変換される)を説明する。
【0008】
種々の模範的実施例において、生成セクション210と走査セクション220の双方が、文書データを、共通交換フォーマット260に変換する。ここで、共通交換フォーマットは、混合されたラスタ・コンテント表現である。生成セクション210は、共通交換フォーマットの生成におけるカラーのRGBカラー空間を使用する。RGBカラー空間は例えば、カラー訂正が、マーキング・セクション230に先送りされることを可能とする(これによって、共通交換フォーマット260への変換中の計算負荷を削減する)。本発明の種々の模範的実施例に従って、コントーン(contone)RGBカラー空間は、ハーフトーニングが、マーキング・セクション230に先送りされることをも可能とし、同一のハーフトーニングが、多機能装置からの、コピーされた出力と、印刷された出力の双方に適用されることを可能とする。
【0009】
図3は、本発明の種々の模範的実施例による、画像データ処理システム300の概略説明である。図3において、共通交換フォーマット(CEF)360は、システムの異なったモジュール(即ち、生成モジュール310、走査モジュール320、マーク・モジュール330、及び、ビュー・モジュール340)が、互いに通信することを可能とするフォーマットである。この通信は、(装置内で)局所的(local)であり得、或いは、(装置間の)遠隔であり得る。種々の模範的実施例において、生成モジュール310は、GDIを含むページ記述言語(PDL)を、CEF360でフォーマットされた文書に変換する。或いは、CEF360に迅速に変換可能な、何らかの混合されたラスタ表現に変換する。また、種々の模範的実施例において、走査モジュール320は、走査された入力を、CEF360でフォーマットされた文書に変換する。種々の模範的実施例において、ビュー・モジュール340は、CEF360でフォーマットされた文書を、表示媒体に変換し、マーク・モジュール330は、CEF360でフォーマットされた文書を、画像出力端末を提供する映像信号に変換する。また、種々の模範的実施例において、全てのファイルのアーカイビング(archiving)を可能とするために、記憶モジュール350が追加され得る。それが、後に容易に、記憶モジュール350から検索され得、観られ、又は、印刷され得るように、CEFの好ましい実施例が、Adobe PDFTMフォーマットを用いて記載される。
種々の模範的実施例において、生成モジュール310は、GDIドライバ312とともに文書の生成を可能とするアプリケーション・ソフトウェア311を含む。その後、GDIフォーマット312は、ドライバ/エンンコーダ313を用いてCEF360に変換される。或いは、種々の模範的実施例において、アプリケーション・ソフトウェア311は、エンコーダ316内でCEF360にフォーマットされた文書にエンコードされる前に、ホストRIP315内のPDLデコーダにカップルされたPDLドライバ314をドライブする。更に、種々の模範的実施例において、アプリケーション・ソフトウェア311は、エンコーダ362内でCEF360でフォーマットされた文書にエンコードされる前に、(多機能ドライブ内に)埋め込まれたRIP361内のPDLデコーダにカップルされたPDLドライバ314をドライブする。
種々の模範的実施例において、走査モジュール320は、入力画像処理モジュール(IP)322にデータを送出するスキャナ321を含む。入力IP322は、種々の画像処理タスクを実行し、次にそれは、データをCEF360でフォーマットされた文書にエンコードするエンコーダ323に機能的にカップルされる。
種々の模範的実施例において、マーク・レグ(mark leg)330は、CEF360でフォーマットされた文書内に構成された文書を受信し、デコーダ331を通じて文書をデコードする。文書は次に、出力装置333(例えば、プリンタ)をドライブする出力画像処理モジュール(IP)332に送出される。或いは、種々の模範的実施例において、記憶モジュール350に記憶された、CEF360でフォーマットされた文書は、記憶モジュール350から検索され得、マーク・モジュール340を通じて観られるか、或いは、マーク・モジュール330を通じてハード・コピーに出力される。
種々の模範的実施例において、ビュー・モジュール340は、CEF360で構成された文書フォーマットをデコードし、文書を、表示/ビューイング装置342(例えば、コンピュータ・モニタ)の上に表示するデコーダ341を含む。或いは、CEF360で構成された(configured)文書は、文書をfaxフォーマットにエンコードし、情報をファクシミリ・システム363に送信することが可能なfaxシステムに機能的にカップルされたデコーダ343によってデコードされる。
【0010】
種々の模範的実施例において、記憶モジュール350は、CEF360でフォーマットされた文書データを受信し、それを、記憶装置351内に記憶する。
従って、例えば、低解像度でコントーン画像情報の記憶を可能とする一方、高解像度でバイナリのエッジ情報を記憶することによってエッジの鋭さを維持することによって、共通交換フォーマットとしての混合されたラスタ表現の使用は、品質を犠牲にすること無しに、より小さなファイル・サイズを可能とする。例えば、600ドット/インチ(dpi)画像は、150dpiにおいてコントーン・データを記憶し得、600又は1200dpiにおいてバイナリ・データを記憶し得る。これは次に、ファイル・サイズを更に削減するために、標準圧縮技術を用いて圧縮される。更に、本発明の方法及びシステムの種々の模範的実施例において、CEFは、ユーザが直接、Windows(登録商標)印刷ドライバを用いて、GDI入力からCEFファイルを生成することを可能とする。従って、クライアントPC上でCEF及びCEF類似のフォーマットを生成することは、低コストのシステムを設計するために有効な方法である。何故なら、種々の模範的実施例において、計算負荷の多くはクライアントPCによって担われるからである。
種々の模範的実施例において、CEFを含むこの新規なアーキテクチャは、文書を150dpiコントーンRGB(高速フォト・モード(fast foto mode))に「RIPする(RIPing)」ことのような多くの新規の機能を可能とする。このアプローチは、自然なシーンの良い品質の画像を作り出し、標準解像度(600dpi或いはそれ以上)におけるRIPするより高速であることになる。この新規のアーキテクチャは、300dpiへRIPして、前面及び背景平面を75dpi(ドラフト・モード)にサブ・サンプルすることをも可能とする。このアプローチは、スケール可能(scalable)な画像品質を伴う高速モードであり、結果としてのファイル・サイズは小さい。種々の模範的実施例における、この新規のアーキテクチャは、300dpiのコントーンRGB(高速ノーマル・モード)にRIPし、前面及び背景平面を150dpiにサブ・サンプルし、解像度強調技術を用いてセレクタ平面を600dpiにアップ・サンプルすることをも可能とする。従って、高速ノーマル・モードは、非常に高品質の写真、スイープ(sweeps)、カラー、及び、良いテキスト及びラインを可能とし、従来的な600×600×1CYMKレンダリングより高速である。
種々の模範的実施例において、この新規のアーキテクチャは、600dpiのコントーン(ノーマル・モード)へRIP(RIPing)し、前面及び背景を、各次元に4×でサブ・サンプルすることをも可能とする。これは、非常に良い画像品質を持ち、平均約200/1の圧縮比を持つファイルを生成する。
種々の模範的実施例において、この新規のアーキテクチャは、600dpiのコントーンRGB(高品質モード)へRIPし、セレクタ平面をより高い解像度にアップ・サンプルするために解像度強調技術を用いることをも可能とする。これは、非常に高品質の文書に役立ち、計算コストに対するこの高品質を1200×600バイナリCMYKに近いものとするが、より高い品質のハーフトーン及びより小さく圧縮されたファイルを伴うことを可能とする。
【0011】
図4及び5は、CEFファイルと他のタイプの文書ファイルの間のファイル・サイズ比較を説明するグラフである。図4の検討によって、種々の模範的実施例において、非常に単純なテキスト文書及び単純なビジネス・グラフィックスに対して、ノーマル・モード及びPostScriptファイル・サイズは、サイズにおいてほぼ同じ大きさのオーダーであり、双方のファイル・サイズが、非常に小さいことが分かる。
更に、図4は、サンプルされた画像コンテントを持たない複雑なグラフィックスに対して、例えば、ベスト、ノーマル、高速フォト、及び、ドラフト、のようなCEFファイルが一般的に、ポスト・スクリプト・ファイルより大きいことを示す。また、サンプルされた画像コンテントを持つ複合文書(composite documents)に対して、CEFファイルは一般的に、PostScriptファイルよりサイズが小さい。
【0012】
特に、図5は、一般的な複合(compound)ビジネス文書における、ファイル・サイズ比較を示すグラフである。種々の模範的実施例において、一般的複合ビジネス文書は、テキスト、棒グラフ(bar chart)、及び小さくサンプルされた画像、を含む。明確に、PostScriptファイル・サイズは、もっとも大きいCEFファイル(これはベスト・モード・ファイルである)を含むCEFファイル(ベスト、ノーマル、高速フォト、及び、ドラフト)のいずれよりも非常にサイズが大きい。
【0013】
図6は、本発明の種々の模範的実施例による画像処理方法を示すフロー・チャートである。本方法は、ステップS100で開始する。次に、ステップS200中に、文書情報が、CEFシステムに入力される。CEFシステムに入力することには、アプリケーション・ソフトウェアを、プリント・ドライバを通じてページ記述言語に変換すること、RIP工程(process)を用いてページ記述言語をコントーン・ラスタ画像に変換すること、が含まれる。一旦、第1の文書フォーマットで構成された(configured)文書情報が、ステップS200中に入力されると、次に、ステップS300中に、文書情報が共通交換フォーマット(Common Exchange Format)に変換される。
ステップS300中に、コントーン・ラスター画像を、共通交換フォーマットに変換することには、画像を、エッジと非エッジ領域の間で差別化するようにセグメンティングすること、画像を、少なくとも1つのコントーン画像及び1つのバイナリ・セレクタ画像を含む複数の画像分離(separations)に分離する(separating)こと、が含まれる。一旦、画像が分離されると、セレクタ平面(plane)が、それらが非有効画素(non-valid pixels)を持つと決定するところで、コントーン画像が充填(filled)され、コントーン画像が、ダウン・サンプル(downsampled)される。コントーン画像のダウン・サンプリングに引き続いて、標準圧縮アルゴリズムを用いて、全ての画像分離が圧縮される。次に、制御は、ステップS400に進む。
ステップS400中に、共通交換フォーマットに変換された文書情報が更に、文書ビューイング・フォーマットか、文書マーキング・フォーマットかのいずれかである第2の文書フォーマットに変換される。例えば、文書マーキング・フォーマットへの変換は、CEFフォーマットでの分離された画像を伸張(decompressing)し、それらを再結合(recombining)して、単一の高解像度コントーン画像を生成して、次に、カラー訂正、エッジ強調、及び、ハーフトーニング、を実行することを含む。最後に、制御は、ステップS500に続く。ここで、例えば、文書マーキング・フォーマットが、映像信号として、文書マーキング装置に送られて、ハードコピー出力を生成する。制御は次に、ステップS600に続く。ここで、本方法は終了する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来的なシステム及び方法による画像処理アプローチの概略説明である。
【図2】本発明の種々の模範的実施例による画像処理の概略説明である。
【図3】本発明の種々の模範的実施例による共通交換フォーマットの異なった構成要素の概略表現である。
【図4】共通交換フォーマット・ファイルと他のタイプの文書ファイルの間のファイル・サイズ比較を示すグラフである。
【図5】共通交換フォーマット・ファイルと他のタイプの文書ファイルの間のファイル・サイズ比較を示すグラフである。
【図6】本発明の種々の模範的実施例による画像データ処理の方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0015】
100 Windows(登録商標)アプリケーションから、例えばハードコピーに変換するために用いられる、高レベルの、種々の翻訳及び変換を含む工程
110 クライアント文書
120 従来的なモジュール
130 印刷装置
200 共通交換フォーマット・システム
215 入力セクション
310 生成モジュール
330 マーク・モジュール
340 ビュー・モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの入力装置からの文書画像を準備するための画像処理システムであって、少なくとも1つの出力装置での出力のために、当該文書画像が第1の文書フォーマットでフォーマットされ、出力文書画像が第2の文書フォーマットでフォーマットされ、当該文書画像が、画像信号によって記述され、当該システムが、コントローラであって、
前記少なくとも1つの入力装置によって入力され、前記第1の文書フォーマットでフォーマットされた画像信号を、共通交換フォーマットに変換し、前記第1の文書フォーマットが、文書走査フォーマット及び文書生成フォーマットの1つを含み、そして、
共通交換フォーマットでフォーマットされた前記画像信号を、前記第2の文書フォーマットに変換し、前記第2の文書フォーマットが、文書ビューイング・フォーマット及び文書マーキング・フォーマットの1つを含み、
前記共通交換フォーマットが、混合されたラスタ・コンテント画像である、
コントローラを備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−33828(P2006−33828A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198593(P2005−198593)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】