説明

マンコンベア監視システム

【課題】本発明の目的は、乗客の状態に応じて、当該乗客によるマンコンベアの利用にかかる安全性を向上させる運転制御を行なう。
【解決手段】事象判定装置20は、マンコンベアでの乗客の転倒、逆送、乗り出し、座り込み、混雑などの異常検出がなされた場合、異常検出レベル、乗客のうち弱者の人数、乗客の危険荷物数をもとに、乗客の状況に応じて当該乗客の安全を確保するために、アナウンス装置21やマンコンベア制御装置30により、事前アナウンスの上で減速しながら停止したり、警告アナウンスのみを行なったり、危険度が高い場合に急停止などを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンコンベアの乗客の監視結果に応じた運転制御を行なうマンコンベア監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンコンベアを監視するためにテレビカメラでマンコンベアを撮影した映像を用いるケースが増えつつあり、この映像を監視室などに出力し、出力先に設置されるテレビモニタで監視員が目視で映像を確認している。
【0003】
近年、マンコンベアの撮影映像を画像処理してマンコンベアの運転にかかる異常を自動的に検出する研究開発がさかんに行われている。特許文献1に開示された技術では、画像の特徴量を受け取り、該特徴量を元に異常事態が発生したか否かを判定してマンコンベアの制御方法を決定し、マンコンベア制御装置により、マンコンベアの停止、減速等や案内装置による案内を行なう。
また、特許文献2に開示された技術では、マンコンベアの乗客の画像情報に基づき、乗客の状態を認識して乗客の監視を行ない、この乗客の状態に従って予め設定された加減速度でマンコンベアを運転制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−211874号公報
【特許文献2】特開2008−7272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した監視システムでは、マンコンベアの乗客の人数および挙動に基づいて異常の判断を行い、マンコンベアの速度制御や乗客への警告やアナウンスを行っている。しかし、乗客の身長や年齢といった属性は様々であり、特に、乗客が小さい子供や老人などのいわゆる弱者である場合は、異常発生または異常解消時に伴う急激な速度変更、停止、開始を行なうと転倒等の2次災害が発生する可能性がある。
【0006】
また、乗客の属性が同じであっても、当該乗客の付帯物、例えば手荷物、ベビーカー、車椅子などの有無や大きさによって2次災害の発生の可能性は変わってくるが、このような、付帯物に関わる乗客に対する安全配慮はなされていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、乗客の状態に応じて、当該乗客によるマンコンベアの利用にかかる安全性を向上させる運転制御を行なうことが可能になるマンコンベア監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係わるマンコンベア監視システムは、マンコンベアの乗客の人数を検出する乗客検出手段と、前記乗客検出手段により検出した乗客の属性を検出する属性検出手段と、前記乗客検出手段により検出した乗客の付帯物を検出する付帯物検出手段と、前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果及び前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が安全に前記マンコンベアを利用できるように当該マンコンベアの運転制御を行なうマンコンベア制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本発明の目的は、乗客の状態に応じて、当該乗客によるマンコンベアの利用にかかる安全性を向上させる運転制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムの構成例を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる各種検出内容の一例を表形式で示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第1の制御内容を表形式で示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第2の制御内容を表形式で示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第3の制御内容を表形式で示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常解消時の制御内容の一例を表形式で示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる異常発生監視処理の一例を示すフローチャート。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる異常解消監視処理の一例を示すフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムの構成例を示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる複数マンコンベア連携異常発生監視処理の一例を示すフローチャート。
【図11】本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる複数マンコンベア連携異常解消監視処理の一例を示すフローチャート。
【図12】本発明の第3の実施形態におけるマンコンベア監視システムによるマンコンベア停止中からの起動処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムの構成例を示す図である。
本実施形態におけるマンコンベア監視システムは、マンコンベアの撮像結果をもとに、マンコンベア上の乗客が異常な行動をしていないか、乗客が何人であるか、乗客に老人や子供といった弱者が含まれていないかなどの検出を行ない、この検出結果をもとに、マンコンベアにかかる、乗客にとって最も安全な速度変更、運転停止、運転開始の制御を行なう。
【0012】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムは、監視対象のマンコンベア40を監視するためのステレオカメラユニット1、画像入力部2,3、画像処理装置10、事象判定装置20、アナウンス装置21、マンコンベア制御装置30を備える。
マンコンベア40は、複数の踏段(ステップ)と、これらの踏段の両側に設置された一対の欄干パネルとを備える。各踏段は、例えばアルミダイガストから形成された階段状の乗り台であり、図示せぬトラスによって所定の傾斜角度を有して支持された状態で乗降部間を循環走行する。
【0013】
また、上記一対の欄干パネルは、例えば透明のガラスやアクリルなどによって形成され、その欄干パネルの周縁部には、ゴムなどで周りが覆われた手摺りベルトが巻き付けられている。この手摺りベルトは、上記各踏段と同期して移動する。
【0014】
ここで、ステレオカメラユニット1は、監視用のカメラとして、マンコンベア40全体を監視できる場所(例えばマンコンベア40の近傍の天井面)に設置されている。このステレオカメラユニット1には、2台のカメラが所定の間隔を有して配置されており、これらのカメラで撮影された各画像を画像入力部2,3によりデジタル画像化されて画像処理装置10に順次転送するように構成されている。前述した2台のカメラでは、フレームの撮像タイミングに差分が出ないように調整される。以下、ステレオカメラユニット1では静止画画像を得るものとして説明するが、動画像を得るものであってもよい。
【0015】
また、マンコンベア40の搭乗部分の近傍には、アナウンス装置21が設置される。このアナウンス装置21は、スピーカなどの音声出力装置でもよいし、液晶ディスプレイ装置などの文字表示装置であってもよい。アナウンス装置21の設置箇所は、マンコンベア40の乗客が搭乗中にアナウンス内容を把握できる箇所であれば特に限定されない。
【0016】
画像処理装置10は、人物抽出部11、異常検出部12、計数部13、属性検出部14、付帯物検出部15を有する。
人物抽出部11は、画像入力部2,3からの撮影画像をステレオ画像解析することで、画像中の人物の位置を3次元領域の奥行き方向を含めて抽出し、この抽出結果を、異常検出部12、計数部13、属性検出部14、付帯物検出部15へ出力する。
【0017】
異常検出部12は、人物抽出部11による抽出結果をもとに、乗客によるマンコンベア40上でのいたずら、転倒、手摺りベルトからの乗り出し、逆走などの異常を背景差分やフレーム間差分により検出する。
計数部13は、人物抽出部11による抽出結果で示される人数を乗降部分と踏板部分とに分けてカウントする。
【0018】
属性検出部14は、人物抽出部11による抽出結果で示される人物の体型や姿勢から、人物の、身長、年齢、性別などの属性を検出し、乗客に弱者が含まれるか否かを背景差分やフレーム間差分により判定する。弱者とは、老人、幼児、妊婦などを指す。
【0019】
付帯物検出部15は、人物抽出部11による抽出結果をもとに、人物の大きさと形状を検出して、当該乗客により携行する危険荷物を背景差分やフレーム間差分により奥行き方向を含めて検出する。危険荷物とは、マンコンベア40の急激な運転制御で乗客に危険を及ぼす原因となる荷物であり、長物、ベビーカー、キャリーバッグ、その他の判定不能な大荷物を指す。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる各種検出内容の一例を表形式で示す図である。
画像処理装置10の各部による検出内容を説明する。検出対象は、異常検出部12による異常検出、計数部13による計数、属性検出部14による乗客の属性検出、付帯物検出部15による付帯物検出に区分される。
【0021】
異常検出に関する検出内容は、異常検出レベル「1」、異常検出レベル「2」、異常検出レベル「3」、異常なしの何れかである。異常の程度は、異常検出レベル「1」が最も高く、異常検出レベル「3」が最も低い。
【0022】
異常検出部12は、人物抽出部11による抽出結果で、乗客の転倒や逆送が認められる場合、危険度が高いとして異常検出レベル「1」を検出内容とする。
異常検出部12は、人物抽出部11による抽出結果で、マンコンベア40の手摺りベルトからの乗客の乗り出しや踏段上での乗客の座り込みなどが認められる場合、乗客の怪我の危険があるとして異常検出レベル「2」を検出内容とする。異常検出部12は、人物抽出部11による抽出結果で、マンコンベア40の乗降部における乗客の滞留が認められる場合、マンコンベア40が混雑しているとして、異常検出レベル「3」を検出内容とする。異常検出部12は、人物抽出部11による抽出結果で、前述した何れの異常も認められない場合には、異常なしを検出内容とする。
事象判定装置20は、画像処理装置10の各部により得た情報からマンコンベア40の制御内容を決定する。この制御内容は、事象判定装置20内の内部メモリに記憶される。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第1の制御内容を表形式で示す図である。
図3に示した制御内容は、踏段の人数が0または1人である場合の制御内容であり、この条件で、異常検出レベルが「1」の場合は、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、マンコンベア40の急停止が制御内容となる。異常検出レベルが「2」で、弱者人数と危険荷物数との和が0である場合には、マンコンベア40の停止の事前アナウンスおよび減速しながら停止する事が制御内容となる。異常検出レベルが「2」で、弱者人数と危険荷物数との和が1以上である場合には、乗客への警告アナウンスが制御内容となる。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第2の制御内容を表形式で示す図である。
図4に示した制御内容は、踏段の人数が2人以上で定員以下である場合の制御内容であり、この条件で、異常検出レベルが「1」の場合は、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、マンコンベア40の停止の事前アナウンスおよびマンコンベア40を減速しながら停止する事が制御内容となる。
異常検出レベルが「2」で、弱者人数と危険荷物数との和が0である場合には、マンコンベア40の停止の事前アナウンスおよびマンコンベア40を減速しながら停止が制御内容となる。異常検出レベルが「2」で、弱者人数と危険荷物数との和が1以上である場合には、乗客への警告アナウンスが制御内容となる。
【0025】
図5は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常発生時の第3の制御内容を表形式で示す図である。
図4に示した制御内容は、踏段の人数が定員より多い場合の制御内容であり、この条件で、異常検出レベルが「1」の場合は、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、マンコンベア40の停止の事前アナウンスおよびマンコンベア40を減速しながら停止する事が制御内容となる。
異常検出レベルが「2」の場合には、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、乗客への警告アナウンスが制御内容となる。
異常検出レベルが「3」の場合には、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、乗客への混雑注意アナウンスが制御内容となる。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムに関する異常解消時の制御内容の一例を表形式で示す図である。
図6に示した制御内容は、異常検出部12により検出した異常が解消した場合の制御内容であり、この異常解消時でマンコンベア40は停止している。
この異常解消時の踏段の人数が0であって、弱者人数と危険荷物数との和が0である場合には、通常スタートが制御内容となる。
異常解消時の踏段の人数が1以上で定員以下であって、弱者人数と危険荷物数との和が0である場合には、マンコンベア40の運転スタートの事前アナウンスおよびマンコンベア40徐々に速度を上げながら運転スタートする事が制御内容となる。異常解消時の踏段の人数が1以上から定員以下であって、弱者人数と危険荷物数との和が1以上である場合には、マンコンベア40の踏段上を歩くように乗客にアナウンスする事が制御内容となる。
異常解消時の踏段の人数が定員より多い場合には、弱者人数と危険荷物数との和に関わらず、マンコンベア40の踏段上を歩くように乗客にアナウンスする事が制御内容となる。
【0027】
次に、図1に示した構成のマンコンベア監視システムの動作について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる異常発生監視処理の一例を示すフローチャートである。
この異常発生監視処理は、事象判定装置20が行なう処理であり、図3,図4,図5に示した内容が対応する。事象判定装置20は、異常検出部12からの検出結果が異常検出レベル「1」、「2」、「3」のいずれかである場合は(ステップS1のYES)、この異常検出レベルを判定する(ステップS2)。
【0028】
事象判定装置20は、異常検出レベルが「1」である場合には、計数部13による検出結果で示される踏段の人数を判定し(ステップS3)、この人数が0または1人である場合には、運転継続による危険度が高く、弱者や危険荷物の有無にかかわらず、速やかに運転停止する必要があるとして、マンコンベア制御装置30によりマンコンベア40の運転を急停止させる(ステップS4)。
また、事象判定装置20は、異常検出レベルが「3」である場合には、アナウンス装置21により、乗客への乗降部混雑注意アナウンスをさせる(ステップS5)。
【0029】
事象判定装置20は、異常検出レベルが「2」である場合には、計数部13による検出結果で示される踏段の人数を判定し(ステップS6)、属性検出部14による検出結果で示される弱者人数を判定し(ステップS7)、付帯物検出部15による検出結果で示される危険荷物数を判定する(ステップS8)。
【0030】
また、事象判定装置20は、踏段の人数が定員以下で弱者人数がゼロであって危険荷物数がゼロである場合、または、異常検出レベルが「1」である場合のステップS3で判定した踏段の人数が2人以上である場合は、乗客の怪我の危険があるのでマンコンベア40の運転を停止すべきだが、ステップS4のようにマンコンベア40を急停止する必要はないとして、アナウンス装置21により、マンコンベア40の運転停止の事前アナウンスをさせ(ステップS9)、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の運転を減速制御しながら停止させる(ステップS10)。このアナウンス内容は、アナウンス装置21が音声出力装置である場合は、事象判定装置20の内部メモリに記憶される所定のメッセージ音声であり、アナウンス装置21が文字表示装置である場合は、事象判定装置20の内部メモリに記憶される所定のメッセージ文字情報である。
【0031】
また、事象判定装置20は、異常検出レベルが「1」である場合のステップS3で判定した踏段の人数が2人以上である場合は、運転継続による危険度が高いが、ステップS4のようにマンコンベア40を急停止すると踏段の2人以上の乗客に対する急激な制御となり当該乗客にかえって危険が及ぶ可能性があるとして、前述したステップS9およびステップS10の制御を行なう。
【0032】
また、事象判定装置20は、踏段の人数が定員より多い場合は、運転継続による危険度が高いが、踏段が混雑しているために、ステップS11のように運転停止させると乗客にかえって危険が及ぶ可能性があるとして、アナウンス装置21により、乗客への警告アナウンスをさせる(ステップS11)。
【0033】
また、事象判定装置20は、踏段の人数が定員以下で弱者人数が1以上である場合、または、踏段の人数が定員以下で弱者人数がゼロであって危険荷物数が1以上である場合は、または弱者や付帯物が存在しており、ステップS11のように運転停止させると乗客に危険が及ぶ可能性があるとして、前述したように、アナウンス装置21により、乗客への警告アナウンスをさせる。
ステップS11による停止後またはステップS4による急停止後は、異常解消監視処理が開始される(ステップS12)。
【0034】
図8は、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる異常解消監視処理の一例を示すフローチャートである。
この異常解消監視処理は、事象判定装置20が行なう処理であり、図6に示した内容が対応する。事象判定装置20は、異常検出部12からの検出結果が、異常検出レベル「1」、「2」、「3」にいずれかから異常なしとなった、つまり、発生していた異常が解消した場合は(ステップS21のYES)、計数部13による検出結果で示される踏段の人数を判定し(ステップS22)、属性検出部14による検出結果で示される弱者人数を判定し(ステップS23)、付帯物検出部15による検出結果で示される危険荷物数を判定する(ステップS24)。
【0035】
事象判定装置20は、踏段の人数がゼロである場合は、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の通常運転を開始させる(ステップS25)。
また、事象判定装置20は、踏段の人数が1以上から定員以下で弱者人数がゼロであって危険荷物数がゼロである場合は、ステップS25のように通常運転開始させると乗客に対する急激な制御となり当該乗客に危険が及ぶ可能性があるとして、アナウンス装置21により、マンコンベア40の運転開始前の注意事前アナウンスをさせ(ステップS26)、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の運転を徐々に速度を上げながら開始させる(ステップS27)。
【0036】
また、事象判定装置20は、踏段の人数が定員より多い場合、踏段が混雑しているために、ステップS26のように運転開始させると乗客に危険が及ぶ可能性があるとして、アナウンス装置21により、停止中のマンコンベアの踏段上を歩行するよう乗客に促すアナウンスをさせる(ステップS28)。
【0037】
また、事象判定装置20は、踏段の人数が1以上から定員以下で弱者人数が1以上である場合、または、踏段の人数が1以上から定員以下で弱者人数がゼロであって危険荷物数が1以上である場合は、乗客に弱者が含まれている、または危険荷物が存在しているために、ステップS26のように運転開始させると乗客に危険が及ぶ可能性があるとして、前述したように、アナウンス装置21により、停止中のマンコンベアの踏段上を歩行するよう乗客に促すアナウンスをさせる。
ステップS27による運転開始後またはステップS25による通常運転開始後は、前述した異常発生監視処理が開始される(ステップS29)。
【0038】
以上のように、本発明の第1の実施形態におけるマンコンベア監視システムでは、異常検出時に、異常検出レベル、踏段の人数、弱者の人数、危険荷物数に応じて、乗客に危険が及ばないように、マンコンベアの急停止、減速制御しながらの停止、または警告アナウンスを行ない、異常解消時には、異常検出レベル、踏段の人数、弱者の人数、危険荷物数に応じて、乗客に危険が及ばないように、マンコンベアの通常運転開始、または、徐々に速度を上げながらの運転開始、または、停止中のマンコンベアの踏段上を歩くように乗客に促すアナウンスを行なうので、よって、マンコンベアの異常発生、異常解消時の速度変更、停止、開始の制御による乗客に対する2次災害を防ぐ事ができ、異常発生時及び異常解消時における乗客の安全を保つことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるマンコンベア監視システムの構成のうち、図1に示したものと同一部分の説明は省略する。
複数のマンコンベアが設置されている場所で、あるマンコンベアの異常発生時や異常解消時に各マンコンベアの動作が連携していないと、異常発生していない他のマンコンベアの乗客にかかる2次災害や混乱を招く可能性がある。本実施形態では、この問題を解消するために、複数のマンコンベアでの間で、画像処理装置10や事象判定装置20の処理内容を各マンコンベア間で通信して、各マンコンベアの事象判定装置20は、自己のマンコンベアの乗客の状況をもとに、マンコンベアの安全な速度変更、運転停止、運転開始の制御を行なう。
【0040】
図9は、本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムの構成例を示す図である。
図9に示すように、本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムは、第1の実施形態で説明した構成に加え、通信処理部50、メモリ51をさらに備える。メモリ51は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、各マンコンベアの配置位置や相関情報を記憶する。相関情報とは、自己のマンコンベアと他のマンコンベアの位置関係が直列であるか並列であるかを示す情報である。
【0041】
他のマンコンベア監視装置61,62,63のそれぞれは、前述したステレオカメラユニット1、画像入力部2,3、画像処理装置10、人物抽出部11、異常検出部12、計数部13、属性検出部14、付帯物検出部15、事象判定装置20、マンコンベア制御装置30、マンコンベア40、通信処理部50、メモリ51を備える。通信処理部50は、画像処理装置10の出力情報と事象判定装置20の出力情報を、ネットワーク60で共有し、異常発生または異常解消に伴ったマンコンベアの運転制御を他のマンコンベア監視装置61,62,63との間で連係して行なう。
【0042】
図10は、本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる複数マンコンベア連携異常発生監視処理の一例を示すフローチャートである。
この複数マンコンベア連携異常発生監視処理は、事象判定装置20が行なう処理である。事象判定装置20は、他のマンコンベアの画像処理装置10の異常検出部12からの、異常検出レベル「1」、「2」、「3」のいずれかである事を示す検出結果を入力した場合、つまり、他のマンコンベアでの異常が発生した場合には(ステップS31のYES)、アナウンス装置21により、他マンコンベアでの異常発生を示す注意アナウンスをさせる(ステップS32)。
事象判定装置20は、異常検出レベルを示す検出結果の出力元のマンコンベアが自己のマンコンベア40と並列関係にあるか否かをメモリ51に記憶される配置情報および相関関係の情報をもとに判定する(ステップS33)。
【0043】
事象判定装置20は、ステップS33の処理で「YES」と判定した場合には、第1の制御可能判定処理を行なう(ステップS34)。この第1の制御可能判定処理は、画像処理装置10の各部の処理結果をもとに、自己のマンコンベア40の乗り場付近の踏段が混雑中で、マンコンベア40の降り場付近の踏段が空き中で、踏段の人数が定員以下で、弱者の人数が0で、かつ、危険荷物数が0であるか否かを判定する処理である。
【0044】
事象判定装置20は、第1の制御可能判定処理における条件を満たす場合には、自己のマンコンベア40に対して並列関係にある、異常が発生した他のマンコンベアの乗り場付近の踏段が混雑する可能性があり、この混雑を解消するために自己のマンコンベア40の高速運転を行なう必要があり、また、弱者や付帯物が検出されないので自己のマンコンベア40の速度制御を実行しても問題ないとして、アナウンス装置21により、高速化前注意アナウンスをさせ(ステップS35)、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の運転速度の高速化制御をさせる(ステップS36)。
【0045】
また、事象判定装置20は、ステップS33の処理で「NO」と判定した場合には、異常検出レベルを示す検出結果の出力元のマンコンベアが自己のマンコンベア40から先の直列関係にあるマンコンベアであるか否かをメモリ51に記憶される配置情報および相関関係の情報をもとに判定する(ステップS37)。
【0046】
事象判定装置20は、ステップS37の処理で「YES」と判定した場合には、第2の制御可能判定処理を行なう(ステップS38)。この第2の制御可能判定処理は、画像処理装置10の各部の処理結果をもとに、自己のマンコンベア40の乗り場付近の踏段が空き中で、マンコンベア40の降り場付近の踏段が混雑中で、踏段の人数が定員以下で、弱者の人数が0で、危険荷物の数が0であるか否かを判定する処理である。
【0047】
事象判定装置20は、第2の制御可能判定処理における条件を満たす場合には、自己のマンコンベア40の降り場から先の直列関係にある、異常が発生した他のマンコンベアの乗り場付近の踏段、及び自己マンコンベア40の降り場付近の踏段が混雑する可能性があり、この混雑を解消するために自己のマンコンベア40の低速運転を行なう必要があり、また、弱者や付帯物が検出されないので自己のマンコンベア40の速度制御を実行しても問題ないとして、アナウンス装置21により、低速化前注意アナウンスをさせ(ステップS39)、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の運転速度の低速化制御をさせる(ステップS40)。
【0048】
ステップS34,37,38の処理で「NO」と判定された場合には、ステップS31の処理に戻る。また、ステップS36またはステップS40の処理の終了後は、事象判定装置20は、複数マンコンベア連携異常解消監視処理を開始する(ステップS41)。
【0049】
図11は、本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムによる複数マンコンベア連携異常解消監視処理の一例を示すフローチャートである。
この複数マンコンベア連携異常解消監視処理は、事象判定装置20が行なう処理である。事象判定装置20は、他のマンコンベアの画像処理装置10の異常検出部12からの、異常検出レベル「1」、「2」、「3」のいずれかである事を示す検出結果を入力していた状態で、この検出結果が異常なしを示す検出結果に変化した場合、つまり、他のマンコンベアでの異常が解消したか否かを判定する(ステップS51)。
【0050】
事象判定装置20は、ステップS51の処理で「NO」と判定した場合には、前述した複数マンコンベア連携異常発生監視処理による自己のマンコンベア40の低速化制御中または高速化制御中であるので、アナウンス装置21により、乗客への自己マンコンベアの速度変更運転中の注意アナウンスをさせる(ステップS52)。
事象判定装置20は、ステップS51の処理で「YES」と判定した場合には、第3の制御可能判定処理を行なう(ステップS53)。この第3の制御可能判定処理は、画像処理装置10の各部による処理結果をもとに、自己のマンコンベア40の踏段の人数が定員以下で、弱者の人数が0で、危険荷物の数が0であるか否かを判定する処理である。
【0051】
事象判定装置20は、第3の制御可能判定処理における条件を満たす場合には、自己のマンコンベア40に対して並列関係にある、異常が発生した他のマンコンベアの乗り場付近の踏段の混雑が解消した、または自己のマンコンベア40の降り場から先の直列関係にある、異常が発生した他のマンコンベアの乗り場付近の踏段の混雑及び自己のマンコンベア40の降り場付近の踏段の混雑が解消したために、自己のマンコンベア40の定常速度による運転が再開可能となったとして、アナウンス装置21により、定常速度への速度変更前注意アナウンスをさせ(ステップS55)、マンコンベア制御装置30により、マンコンベア40の定常速度による運転制御を再開させる(ステップS56)。ステップS56の処理の終了後は、事象判定装置20は、複数マンコンベア連携異常解消監視処理を終了する。
【0052】
以上のように、本発明の第2の実施形態におけるマンコンベア監視システムでは、他のマンコンベアの異常が発生した場合には、このマンコンベアと自己のマンコンベア40との間の関係をもとに自己のマンコンベアの低速化制御を行なったり高速化制御を行なったりするので、直列または並列関係にある複数のマンコンベア間における混雑を解消することができるので、この混雑による乗客への2次災害や混乱を防止する事もできる。
【0053】
この第2の実施形態の変形例を説明する。この変形例では、事象判定装置20は、自己のマンコンベア40が、並列関係にある他のマンコンベアとともに運転している場合で、自己のマンコンベア40に弱者が所定人数以上乗っていている場合は、マンコンベア制御装置30により自己のマンコンベア40の速度を減速して、当該弱者が搭乗し易いようにする。
【0054】
また、事象判定装置20は、自己のマンコンベア40が、並列関係にある他のマンコンベアとともに運転している場合で、自己のマンコンベア40に弱者が乗っていていない場合で、混雑が認められる場合は、マンコンベア制御装置30により自己のマンコンベア40の速度を高速化して、混雑が解消するようにする。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。乗客がいない時に停止しているマンコンベアに新たな乗客が乗ろうとした際に、急激な速度変更、運転停止または運転開始の制御を行なうと事故が発生する可能性がある。本実施形態は、この問題を解決するために、乗客がいない状態で停止しているマンコンベアに新たな乗客が近づいた際に、この乗客に危険を及ぼさないマンコンベア運転制御を行なう。
【0056】
図12は、本発明の第3の実施形態におけるマンコンベア監視システムによるマンコンベア停止中からの起動処理の一例を示すフローチャートである。
初期状態では、マンコンベア40は停止しているとする。事象判定装置20は、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果をもとに、乗客が乗り場付近の踏段に近づいたか否かを判定する(ステップS61)。
【0057】
事象判定装置20は、ステップS61の処理で「YES」と判定した場合には、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果および属性検出部14による検出結果をもとに、前述した近づいた乗客が弱者であるか否かを判定する(ステップS62)。
【0058】
事象判定装置20は、ステップS62の処理で「YES」と判定した場合には、アナウンス装置21により、乗り込みを促すアナウンスをさせた上で(ステップS63)、前述した近づいた乗客が踏段上に乗り込むまで待機する(ステップS64)。
【0059】
事象判定装置20は、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果をもとに、前述した近づいた乗客が踏段上に乗り込んだと判定した場合には、マンコンベア40の通常速度により走行させると弱者である乗客に危険が及ぶ可能性があるとして、アナウンス装置21により、乗り込んだ乗客に対する、マンコンベアの動作を開始する旨のアナウンスをさせ(ステップS65)、マンコンベア制御装置30によりマンコンベア40の速度が当初は低速で通常速度まで徐々に加速していく速度制御を行なう(ステップS66)。
【0060】
また、事象判定装置20は、ステップS62の処理で「NO」と判定した場合、つまり前述した近づいた乗客が弱者でない場合には、マンコンベア40の通常速度による走行させても問題がないとして、アナウンス装置21により、乗り込んだ乗客に対する、マンコンベアの動作を開始する旨のアナウンスをさせ(ステップS67)、マンコンベア制御装置30によりマンコンベア40の通常速度による走行するよう制御を行なう(ステップS68)。
【0061】
ステップS66またはステップS68の処理後は、事象判定装置20は、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果をもとに、一定時間以上にわたって、マンコンベア40に搭乗する乗客がいないと判定した場合は(ステップS62のYES)、マンコンベア制御装置30によりマンコンベア40の運転を停止させる(ステップS70)。
【0062】
以上のように、本発明の第3の実施形態におけるマンコンベア監視システムでは、乗客がいない場合に停止しているマンコンベアに近づいた乗客が弱者である場合は、マンコンベアの動作を開始する旨のアナウンス行なった上で、マンコンベア40の速度が当初は低速で通常速度まで加速していく速度制御を行なうので、乗客がいない状態で停止しているマンコンベアに新たに搭乗しようとする人の状況に応じた、安全で乗り易い運転制御を行なう事ができる。
【0063】
本実施形態におけるマンコンベア監視システムは、マンコンベア40に乗った乗客が弱者である場合に、この乗客がマンコンベア40から安全に降り易い運転制御を行なうこともできる。具体的には、事象判定装置20は、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果および属性検出部14による検出結果をもとに、踏段に乗り込んでマンコンベアの降り場に近付いた乗客が弱者である場合には、アナウンス装置21により、乗り込んだ乗客に対する、マンコンベアの速度を減速する旨のアナウンスをさせ、マンコンベア制御装置30によりマンコンベア40の速度が減速するよう制御を行なう。
【0064】
また、前述した各実施形態で説明したアナウンス装置21である音声出力装置や文字表示装置をマンコンベアの乗り場から降り場までの間の複数個所に設置し、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果や属性検出部14による検出結果をもとに、弱者の現在位置に最も近いアナウンス装置21による当該弱者向けのメッセージを出力したり、異常検出部12による検出結果をもとに、複数のアナウンス装置21のうち異常の原因となっている箇所最も近いアナウンス装置21により注意を促すメッセージを出力したりするようにしてもよい。
【0065】
また、前述したように、アナウンス装置21である音声出力装置や文字表示装置をマンコンベアの乗り場から降り場までの間の複数個所に設置した上で、画像処理装置10の人物抽出部11による抽出結果や異常検出部12による検出結果をもとに、マンコンベア上で異常な挙動をする人物を、画像処理の追跡技術を用いて追尾して、この追尾結果で示される当該人物の現在位置最も近いアナウンス装置21により警告メッセージを出力するようにしてもよい。
【0066】
前述した実施形態では、マンコンベアをカメラにより撮影して、この撮影した画像をもとに、人物を抽出すると説明したが、音響センサ、光センサ、温度センサなどをマンコンベアの周囲に設け、圧力センサや振動センサをマンコンベアの乗降板などにさらに設け、これらの物理量センサの検出結果も考慮して人物を抽出したり、この人物の属性を判定したりするようにしてもよい。このように各種の物理量センサを用いることで、人物の性別や年齢の判定精度が向上する。
また前述した圧力センサを用いれば乗客の付帯物の重量を検出することができるので、付帯物の検出の精度を向上させることができる。
【0067】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…ステレオカメラユニット、2,3…画像入力部、10…画像処理装置、11…人物抽出部、12…異常検出部、13…計数部、14…属性検出部、15…付帯物検出部、20…事象判定装置、30…マンコンベア制御装置、40…マンコンベア、50…通信処理部、51…メモリ、60…ネットワーク、61,62,63…他のマンコンベア監視装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンコンベアの乗客の人数を検出する乗客検出手段と、
前記乗客検出手段により検出した乗客の属性を検出する属性検出手段と、
前記乗客検出手段により検出した乗客の付帯物を検出する付帯物検出手段と、
前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果及び前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が安全に前記マンコンベアを利用できるように当該マンコンベアの運転制御を行なうマンコンベア制御手段と
を備えたことを特徴とするマンコンベア監視システム。
【請求項2】
前記マンコンベアを撮影する撮影部をさらに備え、
前記乗客検出手段は、
前記撮影部による撮影画像を解析することで前記乗客の人数を検出し、
前記付帯物検出手段は、
前記撮影部による撮影画像を解析することで前記乗客の付帯物を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項3】
前記撮影部は、前記マンコンベアを撮影する複数のカメラであり、
前記乗客検出手段は、
前記撮影部による撮影画像を3次元領域において解析することで前記乗客を奥行き方向を含めて検出し、
前記付帯物検出手段は、
前記撮影部による撮影画像を3次元領域において解析することで前記乗客の付帯物を奥行き方向を含めて検出する
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項4】
前記乗客検出手段により検出した乗客に起因する異常を検出する異常検出手段をさらに備え、
前記マンコンベア制御手段は、
前記異常検出手段により前記異常を検出した場合に、前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果、及び前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が安全に前記マンコンベアを利用できるように当該マンコンベアの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項5】
前記異常検出手段は、
前記異常の解消を検出し、
前記マンコンベア制御手段は、
前記異常の解消を前記異常検出手段により検出した場合に、前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果及び前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が安全に前記マンコンベアを利用できるように前記マンコンベアの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項6】
前記マンコンベアが複数設置されており、
前記マンコンベア制御手段は、
他のマンコンベアについて乗客に起因する異常が発生した場合に、自己のマンコンベアの前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果、前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記複数のマンコンベアでの混雑が解消するように自己のマンコンベアの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項7】
前記マンコンベア制御手段は、
他のマンコンベアについて前記異常が解消した場合に、自己のマンコンベアの前記乗客検出手段による検出結果、前記属性検出手段による検出結果、前記付帯物検出手段による検出結果に応じて、前記複数のマンコンベアの乗客が安全に利用できるように自己のマンコンベアの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項6に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項8】
前記マンコンベアは、並列関係にある複数のマンコンベアであり、
前記マンコンベア制御手段は、
前記乗客検出手段による検出結果及び前記属性検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が前記並列関係にあるマンコンベアの混雑が解消するように当該マンコンベアの速度制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項9】
前記乗客検出手段は、
前記マンコンベアへ乗り込もうとする新たな乗客を検出し、
前記マンコンベア制御手段は、
前記マンコンベアに乗客が一定時間乗らない場合は当該マンコンベアの運転を停止し、この停止した状態で、前記乗客検出手段により前記新たな乗客を検出時に、前記属性検出手段による検出結果に応じて、前記乗客が前記マンコンベアに乗り込んだことを前記乗客検出手段により検出した場合に当該マンコンベアを運転開始する
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項10】
前記マンコンベアの複数個所に設置され、前記異常検出手段により異常を検出した場合に当該異常を示す音声を出力する音声出力装置をさらに備え、
前記異常検出時に、前記乗客検出手段による検出結果、前記付帯物検出手段による検出結果及び前記属性検出手段による検出結果に応じて決定した箇所に設置される音声出力装置により音声を出力させる事象判定部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項11】
前記異常検出手段により異常を検出した場合に当該異常を示す音声を出力する音声出力装置が前記マンコンベアの複数個所に設置され、
前記撮影部による撮影画像中の前記乗客検出部により検出した乗客を追跡する追跡検出部と、
前記異常検出時に前記追跡した乗客に最も近い箇所に設置される音声出力装置により出力させる事象判定部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項12】
前記マンコンベアの複数個所に設置され、前記異常検出手段により異常を検出した場合に当該異常を示す文字を出力する文字出力装置をさらに備え、
前記異常検出時に、前記乗客検出手段による検出結果、前記付帯物検出手段による検出結果と及び前記属性検出手段による検出結果に応じて決定した箇所に設置される文字出力装置により出力させる事象判定部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。
【請求項13】
前記異常検出手段により異常を検出した場合に当該異常を示す文字を出力する文字出力装置が前記マンコンベアの複数個所に設置され、
前記撮影部による撮影画像中の前記乗客検出部により検出した乗客を追跡する追跡検出部と、
前記異常検出時に前記追跡した乗客に最も近い箇所に設置される文字出力装置により出力させる文字出力制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−195289(P2011−195289A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64362(P2010−64362)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】