説明

マンコンベア

【課題】乗客負荷に応じてきめ細かに速度を可変するマンコンベアを提供する。
【解決手段】マンコンベアは、マンコンベアの踏段が連結される踏段チェーンを周回運転する電動機3を駆動するインバータ13を備えるマンコンベアにおいて、上記踏段上の乗客負荷を検出する第1の検出手段25と、マンコンベアの乗口に設けられたセンサ9から出力される乗客が通過するときレベルが変化する乗口検出信号に基づき単位時間当たりの通過乗客数からなる乗客密度を検出する第2の検出手段26と、上記乗客負荷が所定の負荷閾値以下且つ上記乗客密度が所定の密度閾値以下のとき、上記踏段の移動速度が中速になるように中速指令を、上記乗客負荷が所定の負荷閾値を超えるまたは上記乗客密度が所定の密度閾値を超えるとき、上記踏段の移動速度が高速になるように高速指令を上記インバータに指令する速度指令手段27と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレータや歩く歩道などのマンコンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマンコンベアは、速度を可変できるようにした乗客コンベアであり、可変する速度を少なくとも2段階有し、第1の速度を低速とし、第2の速度は第1の速度より高速とするとともに、それらの速度可変手段を電力変換器に設けて行うように構成している。
その速度可変の切替えは、インバータ出力電流検出回路により、電力変換器の出力電流を検出して、その検出した電流値とあらかじめ設定した出力電流値を比較することにより、第1の速度指令と第2の速度指令のいずれかを選択することにより切替ている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このマンコンベアでは、一般的なインバータ装置にフィードバック用に装備されている出力電流検出回路を活用することができるので、自動運転付きエスカレータの乗降口に設ける光電装置などのような大掛かりな検出装置を追加することなく、マンコンベアの利用実態に合わせてマンコンベアの運転速度を下げることにより、電力消費を低減して省エネ効果を安価に上げることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−335270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、乗客負荷に応じた速度選択ではないので、きめ細かに速度を選択することができないという問題がある。
【0006】
この発明の目的は、乗客負荷に応じてきめ細かに速度を可変するマンコンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係わるマンコンベアは、マンコンベアの踏段が連結される踏段チェーンを周回運転する電動機を駆動するインバータを備えるマンコンベアにおいて、上記踏段上の乗客負荷を検出する第1の検出手段と、マンコンベアの乗口に設けられたセンサから出力される乗客が通過するときレベルが変化する乗口検出信号に基づき単位時間当たりの通過乗客数からなる乗客密度を検出する第2の検出手段と、上記乗客負荷が所定の負荷閾値以下且つ上記乗客密度が所定の密度閾値以下のとき、上記踏段の移動速度が中速になるように中速指令を、上記乗客負荷が所定の負荷閾値を超えるまたは上記乗客密度が所定の密度閾値を超えるとき、上記踏段の移動速度が高速になるように高速指令を上記インバータに指令する速度指令手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係わるマンコンベアの効果は、乗客負荷と乗客密度の両方を併用して速度制御することにより、それぞれの欠点を補うことができるので、速度制御に関して正確さとレスポンスの向上を図ることができるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わるエスカレータの構成を示す構成図である。図2は、この発明の実施の形態1に係わるコンベア制御装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わるマンコンベアとして、エスカレータを例に取り上げて以下説明するが、歩く歩道などにもこの発明を適用することができる。
この発明の実施の形態1に係わるエスカレータは、図1に示すように、三相電源1の交流電力を可変電圧・可変周波数の交流電力に電力変換するコンベア制御装置2、コンベア制御装置2から供給される可変電圧・可変周波数の交流電力により駆動される電動機3、電動機3に連結され電動機3の回転を必要な速度に減速してスプロケット6を回転する減速機4、減速機4とスプロケット6を連結する駆動チェーン5、駆動チェーン5によって減速機4に従動して回転するスプロケット6、スプロケット6に巻回される無端状の踏段チェーン7、踏段チェーン7に連結された踏段8を備える。
【0010】
また、実施の形態1に係わるエスカレータは、乗口に配置される乗客ポスト9、電動機3の回転軸に連結され電動機3の回転速度を計測するエンコーダ10を備える。
乗客ポスト9には、図示しない投光器と受光器が備えられ、投光器から投光される光線が通過する乗客により遮られると乗口検出信号のレベルがHIGHに変化する。この乗口検出信号は、コンベア制御装置2に送られる。
エンコーダ10により計測される回転速度から、踏段8の移動速度が検出されるので、以下の説明では踏段8の移動速度をマンコンベア速度と称する。
また、実施の形態1に係わるエスカレータは、エスカレータの運転状態やセンサの状態などを乗客に案内する図示しないスピーカや表示器を備える。
【0011】
実施の形態1に係わるコンベア制御装置2は、図2に示すように、三相電源1の交流電力を直流電力に変換する交直電力変換器12、直流電力を可変電圧・可変周波数の交流電力に変換するインバータ13、三相交流電流を計測する第1の計器用変流器15、直流回路16の直流電圧を計測する電圧計17、可変電圧・可変周波数の交流電流を計測する第2の計器用変流器18、コンベア制御装置全体を制御する制御装置19を備える。
なお、インバータ13は、電動機3が減速するときに発生する回生電力を直流電力に変換することができる。また、交直電力変換器12は、インバータ13により回生された直流電力を三相電源1側に戻すことができる。
【0012】
実施の形態1に係わる制御装置19は、交直電力変換器12を制御する交直電力変換器制御手段21、インバータ13を制御するインバータ制御手段22、および表示案内手段23を有する。
インバータ制御手段22は、第2の計器用変流器18から送られてくる電動機3に流れる電流から乗客負荷を算出する第1の検出手段としての乗客負荷算出手段25、乗口検出信号を所定の時間幅で積分し乗客密度を算出する第2の検出手段としての乗客密度算出手段26、乗客負荷、乗口検出信号、乗客密度および電動機3の回転速度に基づいて速度指令を求めインバータ13に送る速度指令手段27を有する。
表示案内手段23は、スピーカや表示器への出力を制御する。
【0013】
速度指令手段27は、図3に示すように、乗客未検出時間、疎密判定および負荷判定に基づいて、速度10m/分の低速指令、速度20m/分の中速指令または速度30m/分の高速指令の速度指令を求め、インバータ13に指令する。なお、上述の速度指令の値は一例であり、エスカレータが設置される場所などを考慮して適宜設定すれば良い。また、待機時には踏段の移動を停止しても良い。
乗客未検出時間は、最後に乗口検出信号のレベルがHIGHに変わった時点から計時される時間である。そして、乗客未検出時間が所定の時間、例えば3分以上のときは、エスカレータに乗った乗客の全てがエスカレータから降りたと判断して、マンコンベア速度を待機時の低速にするために低速指令をインバータ13に送る。
一方、待機時に乗口検出信号のレベルがHIGHに変わったときは、乗客がエスカレータに乗り込もうとしていると判断し、マンコンベア速度を閑散時の中速にするために中速指令をインバータ13に送る。
【0014】
速度指令手段27は、疎密判定として、乗客密度が所定の密度閾値以上のときエスカレータに乗り込もうとしている乗客が多いとして「密」の判定を下し、乗客密度が所定の密度閾値未満のときエスカレータに乗り込もうとする乗客が少ないとして「疎」の判定を下す。乗客密度は、例えば所定の時間幅を7秒間とし、その間の乗口検出信号のレベルが2秒以上HIGHのとき、2/7となり、密度閾値を2/7とすると、乗客密度は密度閾値以上となるので、「密」の判定が下される。逆に、乗口検出信号のレベルが5秒以上でLOEWのとき、乗客密度は2/7未満となり、乗客密度は密度閾値未満となるので、「疎」の判定が下される。
【0015】
そして、速度指令手段27は、「密」の判定を下したとき、マンコンベア速度を混雑時の高速にするために高速指令をインバータ13に送る。逆に、「疎」の判定を下したとき、負荷判定でも「負荷小」の判定が下されていれば、踏段チェーン7が例えば半周分移動する時間経過後、マンコンベア速度を閑散時の中速にするために中速指令をインバータ13に送る。
【0016】
速度指令手段27は、負荷判定として、乗客負荷が所定の負荷閾値以上のときエスカレータに乗っている乗客が多いとして「負荷大」の判定を下し、乗客負荷が所定の負荷閾値未満のときエスカレータに乗っている乗客が少ないとして「負荷小」の判定を下す。例えば、負荷閾値が10人の乗客が乗っているときに該当する値とすると、10人以上の乗客がエスカレータに乗っているときは「負荷大」の判定を下し、逆に9人以下の乗客がエスカレータに乗っているときは「負荷小」の判定を下す。
【0017】
そして、速度指令手段27は、「負荷大」の判定を下したとき、マンコンベア速度を混雑時の高速にするために高速指令をインバータ13に送る。逆に、「負荷小」の判定を下したとき、疎密判定でも「疎」の判定が下されていれば、踏段チェーン7が例えば半周分移動する時間経過後、マンコンベア速度を閑散時の中速にするために中速指令をインバータ13に送る。
【0018】
次に、疎密判定で「疎」の判定が下されているときに、負荷判定が「負荷小」から「「負荷大」、さらに「負荷小」に変わる場合の速度の制御について図4を参照して説明する。
最初は待機時の低速でマンコンベア速度が制御されている。そして、時点t11で乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変化したので、マンコンベア速度を閑散時の中速に変更する。時点t11から時点t12の間に乗客がエスカレータに乗り込んできているので、乗客負荷が増加し、時点t12で乗客負荷が負荷閾値以上に達し、「負荷大」の判定が下される。そして、「負荷大」の判定が所定の時間T11に亘って継続した時点t13で、マンコンベア速度を混雑時の高速に変更する。なお、時間T11は、乗客が確かに乗ったことを確認するための時間であり、時間T11に亘って「負荷大」の判定が継続することを確認する。例えば、時間T11は、2秒位である。
【0019】
次に、時点t15で乗客負荷が負荷閾値未満に達し、「負荷小」の判定が下される。そして、「負荷小」の判定が所定の時間T12に亘って継続した時点t16で、マンコンベア速度を閑散時の中速に変更する。なお、時間T12は、乗っている多くの乗客がエスカレータから確実に降りるための時間であり、例えば、踏段チェーン7が半周する時間に合わされている。
また、時点t14から所定の時間T13に亘って乗口検出信号のレベルがLOWに固定された時点t17で、マンコンベア速度を待機時の低速に変更する。なお、時間T13は、最後にエスカレータに乗り込んだ乗客が確実にエスカレータから降りることのできる時間であり、例えば、時間T13は、3分位である。
【0020】
次に、負荷判定で「負荷小」の判定が下されているときに、疎密判定が「疎」から「「密」、さらに「疎」に変わる場合の速度の制御について図5を参照して説明する。
最初は待機時の低速でマンコンベア速度が制御されている。そして、時点t21で乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変化したので、マンコンベア速度を閑散時の中速に変更する。時点t21から時点t22の間では疎らに乗客が乗り込んできているが、乗客密度は密度閾値以下であり、「疎」の判定が下されている。
【0021】
ところが、時点t22から時点t23の間に密に乗客が乗り込んできたので、時点t23で乗客密度が密度閾値以上に達し、「密」の判定が下される。そして、マンコンベア速度を混雑時の高速に変更する。
次に、その後乗客の乗り込みが疎らになり、時点t24で、「疎」の判定が下される。そして、「疎」の判定が所定の時間T21に亘って継続した時点t26で、マンコンベア速度を閑散時の中速に変更する。なお、時間T21は、乗り込んできた多数の乗客がエスカレータから確実に降りるための時間であり、例えば、踏段チェーン7が半周する時間に合わされている。
また、時点t25から時間T13に亘って乗口検出信号のレベルがLOWに固定された時点t27で、マンコンベア速度を待機時の低速に変更する。
【0022】
乗客負荷はエスカレータの踏段8に乗っている乗客の総重量に相当するので、比較的正確に乗客の数を推定できるが、乗客が乗り込んだ後で速度を切り替えるので、レスポンスが遅い。
一方、乗客密度はエスカレータに乗る前の乗客数を計数するので、レスポンスは速いが、多数の乗客集団が乗り込もうとすると、乗客が重なって乗客ポスト9を通過してしまい、乗客数を正確に検出することができない。
そこで、乗客負荷と乗客密度の両方を併用して速度制御することにより、それぞれの欠点を補うことができるので、速度制御に関して正確さとレスポンスの向上を図ることができる。
【0023】
また、乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変わったときマンコンベア速度を中速に変えるので、乗客が乗り込もうとするとき同時に速度が早められ、レスポンスが向上する。
また、乗口検出信号のレベルが最後にHIGHからLOWに変わってから3分位経過して低速に変えるので、全ての乗客を中速以上で運ぶことができる。
また、乗客負荷が負荷閾値未満に達しても踏段チェーンの半周分高速で動かすので、乗客負荷の大きいときの乗客を高速で運ぶことができる。
【0024】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係わるエスカレータは、実施の形態1に係わるエスカレータと速度指令手段が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態1に係わる速度指令手段27は、待機時に乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変わったときマンコンベア速度を低速から中速に変えるが、実施の形態2に係わる速度指令手段は、待機時に乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変わったとき、マンコンベア速度を閑散時の中速または混雑時の高速にするために中速指令または高速指令をインバータ13に送る。このとき、時間帯によりマンコンベア速度を中速または高速に切り換える。例えば、出勤時、昼休み時、または退社時など混雑が予想される時間帯の場合、乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変わったとき、高速指令をインバータ13に送る。それ以外のときは、中速指令をインバータ13に送る。
【0025】
このように、乗客がエスカレータに乗り込むことを検出したとき時間帯などにより、エスカレータの速度を切り換えることにより、スムーズな人の移動を助けることができる。
【0026】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係わるエスカレータは、実施の形態1に係わるエスカレータと速度指令手段が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態3に係わる速度指令手段は、実施の形態1に係わる速度指令手段27と所定の時間に亘って乗口検出信号のレベルがHIGHに固定されたときセンサなどに異常があるとして疎密判定を一時停止することが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態3に係わる速度指令手段は、所定の時間に亘って乗口検出信号のレベルがHIGHに固定されたとき、疎密判定を停止し、負荷判定だけで速度指令を求める。
そして、実施の形態3に係わる速度指令手段は、乗口検出信号のレベルがHIGHからLOWに復帰したとき、停止していた疎密判定を再開する。
【0027】
次に、負荷判定で「負荷小」の判定が下されているときに、乗口検出信号のレベルが一端HIGHに固定され、その後LOWに復帰した場合の速度制御について図6を参照して説明する。なお、乗口検出信号のレベルがHIGHに固定してしまうのは、投光器と受光器の間に乗客が立ち止まったり、投光器または受光器の光の出入口がガムなどで塞がれたりしたとき発生する。
【0028】
最初は、待機時の低速でマンコンベア速度が制御されている。そして、時点t31で乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変化したのでマンコンベア速度を中速に変更する。
次に、時点t32で乗口検出信号のレベルがLOWからHIGHに変化し、時点t33で乗客密度が密度閾値以上に達するので、「密」の判定が下され、マンコンベア速度を混雑時の高速に変える。
次に、時点t32から所定の時間T31に亘って乗口検出信号のレベルがHIGHに固定されているので、時点t32から時間T31経過した時点t34で、センサが塞がれていると判断し、マンコンベア速度が常時高速になるのを防ぐために、マンコンベア速度を閑散時の中速に変更する。なお、時点t34では負荷密度が負荷閾値未満であるので、「負荷小」の判定が下されている。そして、センサが塞がれていると判断したとき、警報を管理室などに発し、管理人が点検修理する。このようにすることにより乗口検出信号を正常に復帰することができる。
【0029】
次に、時点t35で乗口検出信号のレベルがHIGHからLOWに復帰したので、センサ塞がれが解消されたと判断し、疎密判定を再開する。この時点での疎密判定は、時点t35以前の乗口検出信号のレベルはLOWであるとして行われる。なお、時点t35では、乗客負荷が負荷閾値未満であるので、「負荷小」の判定が下され、乗客密度が密度閾値未満であるので、「疎」の判定が下される。
【0030】
このように乗口検出信号のレベルが所定の時間に亘ってHIGHに固定されたとき、投光器と受光器の間に乗客が立ち止まったり、投光器または受光器の光の出入口がガムなどで塞がれたりしているとして疎密判定を停止することにより、常時マンコンベア速度が高速になることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるエスカレータの構成を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わるコンベア制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1における速度選択の種類である。
【図4】疎密判定で「疎」の判定が下されている場合の負荷判定に従って行う速度制御パターンを示すタイミングチャートである。
【図5】負荷判定で「負荷小」の判定が下されている場合の疎密判定に従って行う速度制御パターンを示すタイミングチャートである。
【図6】負荷判定で「負荷小」の判定が下されている場合の乗口検出信号が一旦HIGHレベルに固定されたときの速度制御パターンを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 三相電源、2 コンベア制御装置、3 電動機、4 減速機、5 駆動チェーン、6 スプロケット、7 踏段チェーン、8 踏段、9 乗客ポスト、10 エンコーダ、12 交直電力変換器、13 インバータ、15、18 計器用変流器、16 直流回路、17 電圧計、19 制御装置、21 交直電力変換器制御手段、22 インバータ制御手段、23 表示案内手段、25 乗客負荷算出手段、26 乗客密度算出手段、27 速度指令手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンコンベアの踏段が連結される踏段チェーンを周回運転する電動機を駆動するインバータを備えるマンコンベアにおいて、
上記踏段上の乗客負荷を検出する第1の検出手段と、
マンコンベアの乗口に設けられたセンサから出力される乗客が通過するときレベルが変化する乗口検出信号に基づき単位時間当たりの通過乗客数からなる乗客密度を検出する第2の検出手段と、
上記乗客負荷が所定の負荷閾値以下且つ上記乗客密度が所定の密度閾値以下のとき、上記踏段の移動速度が中速になるように中速指令を、上記乗客負荷が所定の負荷閾値を超えるまたは上記乗客密度が所定の密度閾値を超えるとき、上記踏段の移動速度が高速になるように高速指令を上記インバータに指令する速度指令手段と、
を有することを特徴とするマンコンベア。
【請求項2】
上記速度指令手段は、上記踏段が停止または低速で移動している場合、上記乗口検出信号が乗客が通過するときのレベルに変わる時点で、上記踏段の移動速度が中速になるように中速指令を上記インバータに指令することを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項3】
上記速度指令手段は、最後に上記乗口検出信号が乗客が通過するときのレベルに変わった時点から所定の時間経過する時点で、上記踏段の移動速度が低速または零になるように低速指令または零指令を上記インバータに指令することを特徴とする請求項1または2に記載のマンコンベア。
【請求項4】
上記速度指令手段は、上記乗客負荷が所定の負荷閾値以下になった時点または上記乗客密度が密度閾値以下になった時点のいずれか遅い時点から少なくとも上記踏段チェーンの半周分の運転時間経過する時点で、上記踏段の移動速度が中速になるように中速指令を上記インバータに指令することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマンコンベア。
【請求項5】
マンコンベアの踏段が連結される踏段チェーンを周回運転する電動機を駆動するインバータを備えるマンコンベアにおいて、
上記踏段上の乗客負荷を検出する第1の検出手段と、
マンコンベアの乗口に設けられたセンサから出力される乗客が通過するときレベルが変化する乗口検出信号に基づき単位時間当たりの通過乗客数からなる乗客密度を検出する第2の検出手段と、
上記踏段が停止または低速で移動している場合、上記乗口検出信号が乗客が通過するときのレベルに変わった時点で、上記踏段の移動速度が中速または高速になるように中速指令または高速指令を上記インバータに指令する速度指令手段と、
を有することを特徴とするマンコンベア。
【請求項6】
上記第1の検出手段は、計測される上記電動機に流れる電流値に基づいて上記乗客負荷を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマンコンベア。
【請求項7】
上記マンコンベアの乗口に設けられたセンサは、乗口床板付近の両側に設けられ、通過する乗客により投光された光が遮られる遮光形センサであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマンコンベア。
【請求項8】
上記速度指令手段は、上記乗口検出信号が乗客が通過するときのレベルに所定の時間に亘って固定された場合、上記乗客密度と無関係に上記乗客負荷だけに従って求めた速度指令を上記インバータに指令することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマンコンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−184282(P2008−184282A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19361(P2007−19361)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】