説明

マンゴスチン栄養補給組成物

ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来する栄養補給組成物を提供する。このマンゴスチン栄養補給組成物は、マンゴスチン果実の果肉と果皮との新規な組み合わせを使用しており、人々の一般的な健康を改善するための組成物をもたらすために、選択された濃縮ジュースを付加することで補完することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガルシニア・マンゴスターナL樹木、別名マンゴスチンの木の果実に由来する栄養補給組成物に関する。特に、本発明は、マンゴスチン果実の果肉および果皮からなる混合体を備えた栄養補給組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マンゴスチンの木(ガルシニア・マンゴスターナL)は、フランス人探検家ローラン・ガルサン(Laurant Garcin:1683−1751)にちなんで名付けられ、世界の熱帯地域では、かなり昔から栽培されてきた。マンゴスチンの木は、東南アジアまたはインドネシアに起源を持つと推定され、主に、マレー半島、ミャンマー、タイ、カンボジア、ヴェトナム、スンダ列島およびモルッカ諸島に自生している。マンゴスチン果実は、熱帯でとれる果実の中でも最も美味しい果実の1つとして非常に称賛されているが、それほど重要な熱帯果実とは思われておらず、マンゴチンの木は、長年に渡り、主に、純粋に植物学上の興味の対象とされてきた。
【0003】
マンゴスチンの木は、黄色の樹脂ラテックスを含んだフレーク状の黒い樹皮を持つ、5から25メートル程度の高さの、ゆっくりと成長する滑らかな常緑樹である。マンゴスチンの木は、場所にもよるが、樹齢6〜20年ほどで果実がなり、100年に至るまでその実を結ぶ。マンゴスチンの果実は、暗い赤紫色から黒紫色に熟し、通常は、滑らかであるか、或いは、褐色がかった傷跡をもつ。マンゴスチンの果皮または外皮は厚く頑丈で、苦くて黄色がかった樹脂を滲み出させる。食べられる果肉または仮種皮は、マンゴスチン果実のわずか25%から30%に過ぎず、残りは、頑丈で苦みのある果皮である。マンゴスチン果実は、通常75から120のグラム程度であり、よく発達した2〜3個の種子を含む。
【0004】
マンゴスチンの木は、長年にわたって、様々な異なる用途に使用されている。その木材は、棚、建材、外柵、および調度品に使用される。ペクチン、タンニン、樹脂、およびイエローラテックスを含んだ果皮は、革をなめして、黒色に染色する場合に使用される。果肉は、たいていはデザートとして使われるが、缶詰にされたり保存食にされたりすることもある。しかしながら、外皮から果肉を取る際には、切った果皮のタンニンおよび樹皮が、果肉に接触しないように、注意を払う必要がある。マンゴスチンの外皮、葉、および樹皮は、マンゴスチンが自生する地域においては、民間薬の成分として用いられている。マンゴスチンの厚い外皮は、カタル、膀胱炎、下痢、赤痢、湿疹、発熱、腸炎、かゆみ、および皮膚炎を治療するために用いられる。マンゴスチンの葉は、先住民の間では、お茶として飲まれる場合や、或いは下痢、赤痢、発熱、鵞口瘡カジンダのための煎じ薬として使用される場合もある。また、マンゴスチンの樹皮の調合薬が、尿生殖器の痛みおよび口腔症に用いることができることは、良く知られている。
【0005】
ガルシニア・マンゴスターナL樹木におけるいくつかの薬効成分は、薬理学上および臨床治療上の研究対象であった。これらの研究によって、マンゴスチンの葉、木、果皮、および種子の仮種皮における化学的成分が単離され、以下に示すような、生物活性の組成物を含むことが判った。即ち、1,6‐ジヒドロキシ‐3‐メトキシ‐2‐(3‐メチル‐2‐ブテニル)キサントン、1,5,8‐トリヒドロキシ‐3‐メトキシ‐2‐(3‐メチル‐2‐ブテニル)キサントン、マクルリン、1、3、6、7‐テトラヒドロキシ・キサントン、1,3,6,7‐テトラヒドロキシ・キサントン‐O‐β‐D‐グルコシド、クリサンテミン、シアニジン‐3‐O‐β‐D‐ソホロサイド(sophoroside)、8‐ジオキシガルタニン、1、5‐ジヒドロキシ‐2‐イソペンテニル‐3‐メトキシ・キサントン、1,7‐ジヒドロキシ‐2‐イソペンテニル‐3‐メトキシ・キサントン、5,9‐ジヒドロキシ‐8‐メトキシ‐2,2‐ジメチル‐7‐(3‐メチル‐2‐ブテニル)2(H)、6(H)‐ピラノ‐(3,2,6)‐キサントン‐6‐1、フルクトース、ガルシノンA、B、C、DおよびE、ガルタニン、グルコース、シス‐ヘキス3‐エニル・アセテート、3‐イソマンゴスチン、3‐イソマンゴスチン水和物、1‐イソマンゴスチン、1‐イソマンゴスチン水和物、コラノン(Kolanone)、マンゴスチン、β‐マンゴスチン、α‐マンゴスチン、マンゴスチン‐3,6‐ジ‐O‐グルコシド、ノルマンゴスチン(Normangostin)、ショ糖、タンニン、BR‐キサントン‐A、BR‐キサントンB、カラバキサントン・ジメチルカラバキサントン(calabaxanthone demethylcalabaxanthone)、2‐(γ,γ‐ジメチルアリル)‐1,7‐ジヒドロキシ‐3‐メトキシ・キサントン、2,8‐ビス‐(γ,γ‐ジメチルアリル)‐1,3,7‐トリヒドロキシ・キサントン、1,3,5,8‐テトラヒドロキシ‐2,4‐ジフェニル・キサントン、および、マンゴスタノールを含む。これらの化学的成分の大多数はキサントンであり、このキサントンとは、生物活性な組成物であり、健康上の様々な利益を目的とした薬理学上の研究において注目を増しつつある。
【0006】
しかしながら、それぞれのキサントン組成物についての薬理学上有利な点があり、そして、東南アジアおよびインドネシアにおいてマンゴスチン樹木から取れる樹皮、葉、および果実の外皮が原住民の薬として使用されているにも関わらず、果肉および果皮を含んだマンゴスチン果実全体としての総体的な便益を含有した栄養補給組成物は知られていない。実際のところ、食べるために果肉を取り出す場合、内部のおいしい果肉が、樹脂とタンニンとを含んだ外側の果皮につかないように、注意を払わねばならないということが認識されている程度であって、これらの樹皮およびタンニンは、伝統的には、革を処理して着色するのに使われているだけである。
【0007】
栄養補給の技術においては、果肉と果皮の両方を含んだマンゴスチン果実全体が持つ健康上の便益を提供する栄養補給組成物のためのニーズが存在する。また効果的な方法で人間の多様な病気や健康状態を治療するために、天然キサントンが豊富な栄養補給組成物のためのニーズが存在する。更には、経済的に製造することのできる天然キサントン製品のための技術のニーズが、存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はガルシニア・マンゴスターナL樹木、別名マンゴスチンの木の果実に由来する栄養補給組成物に関する。特に、本発明は、マンゴスチン果実の果肉および果皮を含んだ天然キサントンが豊富な、有効なる栄養補給組成物に関する。これらの組成物は、好ましくは、選択された濃縮ジュースを含んだマンゴスチン果実の果肉と果皮との混合体を備える。また、本発明は、天然のキサントンが豊富な、有効なる健康サプリメントをもたらすガルシニア・マンゴスターナL樹木の栄養補給組成物を製造する方法に関する。更に、栄養補給組成物を製造する方法は、経済的に機能する。
【0009】
本発明の第一の目的は、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実の果肉および果皮からなる新規な混合物を通じて、人間の全般的な健康維持に貢献する栄養補給組成物を提供することにある。この混合体の効果は、選択された濃縮ジュースを様々な分量で添加することで、増加する。
【0010】
本発明の他の目的は、マンゴスチン果実全体の総体的な利益を提供する栄養補給組成物を提供することにあり、また、天然キサントン組成物の有効な供給源となることである。
【0011】
本発明の他の目的は、ガルシニア・マンゴスターナL樹木に由来した天然キサントンを治療上有効な量だけ含んだ、抗菌性および抗炎症性の組成物を提供することにある。
【0012】
本発明の更なる他の目的は、抗酸化特性を備えたキサントンの豊富な自然製品を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、有益な抗細菌作用を持ったガルシニア・マンゴスターナL樹木からとれる栄養補給組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、ガルシニア・マンゴスターナL樹木からとれる栄養補給組成物を製造する為のプロセスを提供することにあり、この組成物は、マンゴスチンの果肉および果皮の独特な配合のみによって、或いは相補的に濃縮ジュースの量を増すことによって、全体的な有益性を生み出す。
【0015】
本発明の更に他の目的は、ガルシニア・マンゴスターナL樹木のまるごとの果実から取れる栄養補給組成物を製造するための経済的な方法を提供することにある。
【0016】
前述した目的、その他の目的、効果、そして本発明を特徴づける様々な点は、以下に示される、本発明の実施形態に係る所定の実施例の記述より明らかになる。
【0017】
本発明の方法およびプロセスは、栄養補助健康サプリメントの分野において特に有益であることが示されているが、本発明の方法およびプロセスが、製薬上および医療上のニーズにおける幅広い多様性を満たす為に、様々な異なる適用および様々な異なる製造分野で利用することができるということは、当業者にとっては明らかである。
【0018】
本発明に係る上述の特徴および効果は、更に付け加えられる特徴や効果と同様に、以下の記述において、また添付される特許請求の範囲において説明され、或いは、より明らかにされる。本発明を特徴づけていると思われる幾つかの新規な特徴は、添付される特許請求の範囲において説明されている。更に、本発明の特徴、および効果は、本発明の実際の製品によって理解されていてもよく、或いは、これ以降の説明によって、当業者にとって明らかになってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明はガルシニア・マンゴスターナL樹木、別名マンゴスチンの木の果実に由来する栄養補給組成物に関する。特に、ここで記述される本発明に係る組成物は、選択されたジュースと他の植物化学成分とを含有する、マンゴスチン果実の果肉および果皮の組み合わせによる天然キサントン組成物を、独自に提供する。また本発明は、ここに記載される栄養補給組成物を経済的な方法で製造するプロセスに関する。
【0020】
本明細書で用いられる専門的な用語は、特定の実施形態を説明するという目的のためだけに使用されており、本発明の範囲を限定するものではないと解するべきである。また、本明細書および添付された特許請求の範囲で用いられる場合、文章の前後のつながりから複数であることが明らかではない場合には、単数形で記された用語は、複数の意味を更に含むと理解すべきである。本明細書における開示、および特許請求の範囲において、「栄養補給(Nutraceutical)」という用語は、「人間や動物が消費した場合に、規定食(ダイエット)上の、又は健康上の利益を提供することのできる組成物又は化学物質」を意味する。
【0021】
別に定義されない限りにおいて、本明細書における全ての学術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同義で用いられる。ここに記載された内容と同様または同等ないかなる方法や物質も、本発明に係る実際の製品や試験に用いることが可能であるが、本明細書においては、本発明に係る好適な方法、組成物、および物質が記載されている。本明細書において引用される全ての引用内容は、参照することによりその全てを組み込むことができる。
【0022】
ガルシニア・マンゴスターナL樹木、別名マンゴスチンの木は、自生する地域においては多様な用途に用いられることが知られている。例えば、東南アジアおよびインドネシアでは、マンゴスチン果実の果皮を煎じたものだけでなく、マンゴスチンの木から取れる葉や根や樹皮などを煎じたものを使った民間薬が多数ある。例えば文献によると、厚いマンゴスチン果皮は収斂剤として、或いは、カタル、膀胱炎、下痢、赤痢、湿疹、発熱、腸の不調、かゆみ、皮膚病を処理するためのさまざまな煎じ薬として使用することができる。葉、根、および樹皮を用いたその他の医療的な用途は、当業者にとっては明らかであろう。また、マンゴスチン果実の外側の果皮は、ペクチン、タンニン、樹脂、およびイエロー・ラテックスを含むのだが、これらは革を処理して黒色に着色するために使われる。
【0023】
厚い外側の果皮とは対照的に、食用となるマンゴスチン果実の内側の果肉は、その絶妙な味のため広く評価されている。1つのマンゴスチン果実の内側の果肉は、一般的には、4から8個の、みずみずしい白色の個別の果肉から構成される。白色の個別の果肉を食用に取り出す場合、これらの個別の果肉を、外側の果皮より滲み出る樹脂やタンニンやその他の物質で染めてしまわないように注意を払わねばならない。果肉をおいしく保つ為に、暗紫色で染色性のある苦い果皮から離しておかねばならないということは、マンゴスチン果実を知る人々にとっては、公知である。
【0024】
キサントンは、生物的に活性な植物性フェノールであって、ある限られた植物の種類に天然に存在する。キサントンの一般的な構造を以下に示す。
【化1】

【0025】
生合成の観点からいうと、キサントンはフラボノイドに関連するもので、3つのマロニル補酵素Aユニットの代わりに2つのマロニル補酵素Aユニットを有するフェニルプロパノイド先駆物質の凝結物によって形成される。キサントンは、抗うつ、抗結核、抗菌、抗ウイルス、抗炎症、強心性、抗白血病、抗腫瘍、抗潰瘍、抗肝毒、抗アレルギー、および抗アレルギー性鼻炎に対する活性および作用を持った重要な薬理特性を有する。薬理学研究者や植物学研究者らは、マンゴスチン果皮の薬効成分は、その皮に含まれる天然キサントンによるものであるということを発見した。無関係な植物科であるリンドウ科や、グッテルフェラーエ科(Gutterferae)は、主としてハイドロキサントンを天然に生成している科であり、それらからジメチルエーテルが見つかっている。ガルシニア・マンゴスターナL樹木は、天然に生成される非常に多くのキサントンを含んでおり、グッテルフェラーエ科(Gutterferae)に属する。
【0026】
近年の研究から、γ−マンゴスチン化合物、即ち、ガルシニア・マンゴスターナL樹木で見つかる天然キサントンが、シクロオキシゲナーゼおよびプロスタグランジンE統合体と同様に、型Aおよび型Bのモノアミンオキシダーゼを抑制することが判ってきた(ナカタニほか、63 Biochemical Pharmacology 73‐79、2002年)。通常の状態における脳において、プロスタグランジンE(PGE)のレベルは、非常に低いか検知されない程度である。しかし、細胞組織の炎症、多発性硬化症、およびエイズに関連した痴呆の症例の最中においては、PGEのレベルは上昇し、ニューロンの活動、グリア細胞、および内皮細胞に影響を及ぼしうる。また、PGEのレベルが高くなることにより、ミクログリア/マクロファージおよびリンパ球の機能にも影響を及ぼす。プロスタグランジンの生成は、炎症、痛み、および発熱に関係があると広く理解されている。シクロオキシゲナーゼは、プロスタグランジン生成物における律速酵素である。シクロオキシゲナーゼ(COX)には、刺激に応答して発現する2つのイソ型、即ち、構成上本質的なCOX−1と炎症の誘導性のCOX−2とがある。キサントンであるγ−マンゴスチンは、PGEと同様に、両方のCOXイソ型の活動を直接的に抑制することがわかっており、この事実は、このキサントンが、発熱や痛みの症状の治療と同様に、炎症の治療にも望ましいことを示している。本発明における栄養補給組成物は、人々に健康促進と一般的な幸福を与える為に、γ−マンゴスチンを含む治療上で重要なキサントンを、自然な供給源を用いて提供するものである。
【0027】
本発明では、単一の栄養補給組成物におけるマンゴスチンの果皮および果肉の混合体が、驚くべき健康便益を与えることが発見された。キサントンを豊富に含んだマンゴスチンの果皮と果肉の混合体の効果は、選択的なジュースと植物性化学成分とによって強化され、これらの物質は、天然のキサントン化合物と相乗作用的に反応すると考えられている。本発明の好ましい形態においては、マンゴスチン果実の果皮と果肉との混合体は、濃縮されたアルファルファのジュース、濃縮されたリンゴのジュース、濃縮されたアプリコットのジュース、濃縮されたバナナのジュース、濃縮されたブルーベリーのジュース、濃縮されたカンタロープのジュース、濃縮されたニンジンのジュース、濃縮されたセロリのジュース、濃縮されたチェリーのジュース、濃縮されたクランベリーのジュース、濃縮されたぶどうのジュース、濃縮されたグレープフルーツのジュース、濃縮された緑大麦のジュース、濃縮された緑レタスのジュース、濃縮されたケールのジュース、濃縮されたキーウィフルーツのジュース、濃縮されたオレンジのジュース、濃縮されたパパイアのジュース、濃縮されたパセリのジュース、濃縮された西洋梨のジュース、濃縮された西洋梨のピューレ、濃縮されたパイナップルのジュース、濃縮されたプルーンのジュース、濃縮されたラズベリーのジュース、濃縮されたホウレンソウのジュース、濃縮されたイチゴのジュース、および濃縮されたトマトのジュースからなるグループから選択された1つ以上のジュースを添加することにより補完される。
【0028】
本発明の栄養補給組成物は、マンゴスチン果実の果肉と果皮の混合体に由来する天然キサントン化合物を含む治療物を供給する。本発明に係る一つの実施形態において、マンゴスチン果実の果肉と果皮との混合体の重量は、マンゴスチンの混合体と選択された濃縮ジュースの総重量に対して、3〜50%、好ましくは5〜25%、より好ましくは10〜20%である。本発明の他の形態において、マンゴスチン果実の果肉と果皮とを有する栄養補給組成物は、経口投与のために厳密に配合されてもよい。しかしながら、本発明の組成物は、タブレット、カプセル、撒布、水溶液、検査液、および経皮的送達手段等の公知の技術を用いて供給することができる。マンゴスチンの果皮と果実の果肉との混合体に、ある選択された濃縮ジュースが補完された場合には、液体飲料が便利な供給形態である。しかし、他の供給形態も同様に効果的であって、単に粉末を利用することが求められるかもしれないし、濃縮ジュースと同じ形態が求められるかもしれない。本発明の栄養補給組成物をタブレットやカプセルにする形態は、当業者によって知られた方法を用いて、その製造やコーティングを行うことができる。本発明の栄養補給組成物が液体飲料の形態である場合、水と、マンゴスチン混合体および濃縮ジュースとの比率は1:1、好ましくは3:1、最も好ましくは4:1である。
【0029】
本発明の栄養補給組成は、大規模かつ経済的な製法で生産することができる。発明されたプロセスの一実施形態において、丸ごとの果実がガルシニア・マンゴスターナL樹木から採集され、生産設備へ輸送される。輸送中、新鮮な果実は周囲温度で保持されてもよいし、必要に応じて凍らせてもよい。果実の果肉と果皮とを含んだ丸ごとのマンゴスチン果実は、次に、市販のグラインダーや混合機器を用いて、果肉と果皮の混合体へと粉砕される。結果として生じたマンゴスチン果実の果肉と果皮の混合体は、更に、上述された、1つ以上の選択された濃縮ジュースを添加する工程を経てよい。本発明における、液体飲料のかたちを取る形態においては、選択された濃縮ジュースおよび水が、上記に記載した範囲と比率に示される総量となるように添加される。液体の栄養補給組成物は、消費者へ分配するために、例えば、低温殺菌、瞬間殺菌、滅菌、UHT滅菌、加圧密閉、凍結、フリーズドライ、光照射など当業者にとって既知の様々な手法を用いて処理され、瓶詰めされ、或いは包装される。標準的な技術を用いることにより、栄養補給組成物を、乾燥させた形態やその他の形態で製造してもよい。
【0030】
ここで記載された栄養補給マンゴスチン組成物が、健康全般を改良するというその有効性は、以下の臨床例によって示されるが、これらの例は、説明という目的のために取り上げられているだけであって、治療上の用途が、これらの例に限定されることを示すものではない。マンゴスチン果実の果肉と果皮の混合物からなる治療的な組成物は、本明細書に記載された実施形態に従って製造された。各被験者は、三週間、本発明に係る飲料を3オンス摂取した。結果、以下のような定性的な結果が得られた。
【実施例1】
【0031】
被験者は、慢性的な背中の痛み、嘔気、及びめまいを患う62歳の女性であった。本研究の以前では、1日3回、モルヒネを服用することでこの背中の痛みに対処していた。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は、活力増加と嘔気の減少とを経験し、また、めまいが低減した。
【実施例2】
【0032】
被験者は、慢性的な、閉塞性肺疾患、筋肉痛、疲労、および胸線機能障害を患う56歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は、気分と活力とに改善を感じると共に、肩と背中の筋肉痛にも改善を経験した。
【実施例3】
【0033】
被験者は、過敏性大腸症候群を患う55歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は便通が規則的になった。
【実施例4】
【0034】
被験者は、慢性的な首の痛み、家族に特有な高脂血症、疲労、および不眠症を患う30歳の男性であった。マンゴスチン栄養食品組成物を定期的に摂取した後、被験者は活力を取り戻すと共に、低密度リポタンパク質が減少するという経験をした。
【実施例5】
【0035】
被験者は、低カリウム血症、疲労、および体重増加を患う52歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は活力を取り戻すと共に、カリウムレベルが正常化するという経験をした。
【実施例6】
【0036】
被験者は、変形性関節症、クロストリディウム・ディフィシル大腸炎、疲労、食欲減退、低カリウム血症、および手足の指先の麻痺を患う63歳の女性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は大腸炎の改善、手首および手の痛み低減、そしてカリウムレベルの正常化を経験した。
【実施例7】
【0037】
被験者は、手のひら、指、足のうら、口内、および食道の剥離を引き起こす重度のアレルギー症状を患う66歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は完全に治癒した。
【実施例8】
【0038】
被験者は、倦怠感、筋肉痛、肝炎、膜性増殖性腎炎、糖尿病および高脂血症を患う57歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は低密度リポタンパク質が30ポイント減少し、高密度リポタンパク質が10ポイント増加し、活力が増し、体重が14ポンド減少し、倦怠感が無くなるという経験をした。
【実施例9】
【0039】
被験者は、慢性的に、真皮発疹を患う30歳の男性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、発疹は完全に無くなった。
【実施例10】
【0040】
被験者は、活力不足に悩む25歳の女性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は活力が増す経験をした。
【実施例11】
【0041】
被験者は、極度の疲労と憂鬱感を患う28歳の女性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は、明らかなる活力の増加を経験した。
【実施例12】
【0042】
被験者は、過敏性大腸症候群を患う26歳の女性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は腹痛の減少、周期的な便通、そして活力の増加を経験した。
【実施例13】
【0043】
被験者は、32歳の男性のマラソンランナーで、かつ、鉄人レースの競技者であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は活力の増加を経験した。
【実施例14】
【0044】
被験者は、重度の関節炎を患う70歳の女性であった。マンゴスチン栄養補給組成物を定期的に摂取した後、被験者は関節炎が完治すると共に、活力の増加を経験した。
【0045】
本発明は、その発明の思想、或いは本質的な特徴から逸脱しない範囲において、他の様々な形態で実施することができる。記載された実施形態は、全ての点において例示としてみなされるべきであり、限定的にみなされるべきではない。従って、本発明の範囲は、前述の記載ではなく、添付された特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の趣意の範囲内におけるあらゆる変更が、本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木の果実から取れる栄養補給組成物であって、前記果実は、内部に果肉、外側に果皮を有しており、当該栄養補給組成物は、前記果肉と前記果皮との混合物を備える栄養補給組成物。
【請求項2】
前記栄養補給組成物は、更に、1つ以上の濃縮されたジュースを備える請求項1に記載の栄養補給組成物。
【請求項3】
前記濃縮されたジュースは、
濃縮されたアルファルファのジュース、濃縮されたリンゴのジュース、濃縮されたアプリコットのジュース、濃縮されたバナナのジュース、濃縮されたブルーベリーのジュース、濃縮されたカンタロープのジュース、濃縮されたニンジンのジュース、濃縮されたセロリのジュース、濃縮されたチェリーのジュース、濃縮されたクランベリーのジュース、濃縮されたぶどうのジュース、濃縮されたグレープフルーツのジュース、濃縮された緑大麦のジュース、濃縮された緑レタスのジュース、濃縮されたケールのジュース、濃縮されたキーウィフルーツのジュース、濃縮されたオレンジのジュース、濃縮されたパパイアのジュース、濃縮されたパセリのジュース、濃縮された西洋梨のジュース、濃縮された西洋梨のピューレ、濃縮されたパイナップルのジュース、濃縮されたプルーンのジュース、濃縮されたラズベリーのジュース、濃縮されたホウレンソウのジュース、濃縮されたイチゴのジュース、および濃縮されたトマトのジュースからなるグループから選択された、請求項2に記載の栄養補給組成物。
【請求項4】
ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木の果実から取れる栄養補給組成物であって、前記果実は、内部に果肉、外側に果皮を有しており、当該栄養補給組成物は、
前記果肉と前記果皮との混合物と、
1つ以上の濃縮されたジュースと
を備え、
前記果肉および前記果皮の混合物の重量百分率は、前記混合物と前記1つ以上のジュースの総重量に対して、3%から50%である栄養補給組成物。
【請求項5】
前記濃縮されたジュースは、
濃縮されたアルファルファのジュース、濃縮されたリンゴのジュース、濃縮されたアプリコットのジュース、濃縮されたバナナのジュース、濃縮されたブルーベリーのジュース、濃縮されたカンタロープのジュース、濃縮されたニンジンのジュース、濃縮されたセロリのジュース、濃縮されたチェリーのジュース、濃縮されたクランベリーのジュース、濃縮されたぶどうのジュース、濃縮されたグレープフルーツのジュース、濃縮された緑大麦のジュース、濃縮された緑レタスのジュース、濃縮されたケールのジュース、濃縮されたキーウィフルーツのジュース、濃縮されたオレンジのジュース、濃縮されたパパイアのジュース、濃縮されたパセリのジュース、濃縮された西洋梨のジュース、濃縮された西洋梨のピューレ、濃縮されたパイナップルのジュース、濃縮されたプルーンのジュース、濃縮されたラズベリーのジュース、濃縮されたホウレンソウのジュース、濃縮されたイチゴのジュース、および濃縮されたトマトのジュースからなるグループから選択された、請求項4に記載の栄養補給組成物。
【請求項6】
ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木から取れる栄養補給組成物を製造するための製造方法であって、
a)ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木から生の果実を採取する段階であり、前記生の果実は内部に果肉、外部に果皮を含んでおり、
b)前記生の果実を、前記果肉と前記果皮とが互いに混じりあって、果実/果皮混合体を成すように粉砕する段階と、
c)前記果実/果皮混合体を更に処理する段階と、
を備える製造方法。
【請求項7】
前記果実/果皮混合体を更に処理する段階は、1つ以上の濃縮ジュースを加える段階を有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記濃縮されたジュースは、
濃縮されたアルファルファのジュース、濃縮されたリンゴのジュース、濃縮されたアプリコットのジュース、濃縮されたバナナのジュース、濃縮されたブルーベリーのジュース、濃縮されたカンタロープのジュース、濃縮されたニンジンのジュース、濃縮されたセロリのジュース、濃縮されたチェリーのジュース、濃縮されたクランベリーのジュース、濃縮されたぶどうのジュース、濃縮されたグレープフルーツのジュース、濃縮された緑大麦のジュース、濃縮された緑レタスのジュース、濃縮されたケールのジュース、濃縮されたキーウィフルーツのジュース、濃縮されたオレンジのジュース、濃縮されたパパイアのジュース、濃縮されたパセリのジュース、濃縮された西洋梨のジュース、濃縮された西洋梨のピューレ、濃縮されたパイナップルのジュース、濃縮されたプルーンのジュース、濃縮されたラズベリーのジュース、濃縮されたホウレンソウのジュース、濃縮されたイチゴのジュース、および濃縮されたトマトのジュースからなるグループから選択された、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木から取れる栄養補給組成物を製造するための製造方法であって、
a)ガルシニア・マンゴスターナ・L樹木から生の果実を採取する段階であり、前記生の果実は内部に果肉、外部に果皮を含んでおり、
b)前記生の果実を、前記果肉と前記果皮とが互いに混じりあって、果実/果皮混合体を成すように粉砕する段階と、
c)前記果実/果皮混合体の重量百分率が、前記果実/果皮混合体および前記濃縮されたジュースの総重量に対して、3%から50%であるように、1つ以上の濃縮されたジュースを加える段階と、
を備える製造方法。
【請求項10】
前記濃縮されたジュースは、
濃縮されたアルファルファのジュース、濃縮されたリンゴのジュース、濃縮されたアプリコットのジュース、濃縮されたバナナのジュース、濃縮されたブルーベリーのジュース、濃縮されたカンタロープのジュース、濃縮されたニンジンのジュース、濃縮されたセロリのジュース、濃縮されたチェリーのジュース、濃縮されたクランベリーのジュース、濃縮されたぶどうのジュース、濃縮されたグレープフルーツのジュース、濃縮された緑大麦のジュース、濃縮された緑レタスのジュース、濃縮されたケールのジュース、濃縮されたキーウィフルーツのジュース、濃縮されたオレンジのジュース、濃縮されたパパイアのジュース、濃縮されたパセリのジュース、濃縮された西洋梨のジュース、濃縮された西洋梨のピューレ、濃縮されたパイナップルのジュース、濃縮されたプルーンのジュース、濃縮されたラズベリーのジュース、濃縮されたホウレンソウのジュース、濃縮されたイチゴのジュース、および濃縮されたトマトのジュースからなるグループから選択された、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記栄養補給組成物を瞬間低温殺菌する段階
を更に備えた請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2006−504790(P2006−504790A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550303(P2004−550303)
【出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/034616
【国際公開番号】WO2004/041184
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(502390164)ディービーシー エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】