説明

マーク作製装置およびマーク作製方法

【課題】貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製するマーク作製装置を提供する。
【解決手段】マーク作製装置10は、カメラ1によって撮影した基準マークMSの画像に基づいてカメラ1から基準マークMSまでの第1の距離およびカメラ1に対して基準マークMSが存在する方向に関する第1の方向情報を検出するとともに、基準マークMSの位置情報、第1の距離および第1の方向情報に基づいてカメラ1の位置を決定する。また、マーク作製装置10は、カメラ1によって撮影したダミーマークの画像に基づいて、カメラ1の位置の決定方法と同じ決定方法によってダミーマークDMの位置を決定する。そして、マーク作製装置10は、その決定したダミーマークDMの位置を貼付すべき場所の位置情報として含むマークM1を作製し、印刷器5によって印刷する。印刷されたマークM1は、ダミーマークDMの位置に貼付される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マーク作製装置およびマーク作製方法に関し、特に、地下街および道路等に配置されるマークを作製するマーク作製装置およびマーク作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)を搭載した携帯電話機が知られている(特許文献1)。この携帯電話機は、GPSによって自己の位置を検出し、その検出した位置を管理サーバへ送信する。このように、従来、GPSによって自己の位置を検出して管理サーバへ知らせる携帯電話機が知られている。
【0003】
また、街頭の各所に設置された2次元バーコードをカメラによって撮影して自己の位置を検出する携帯電話機が知られている(特許文献2)。この2次元バーコードは、設置場所の正確な位置を示す情報として住所の情報および経緯度の情報を含む。そして、携帯電話機は、撮影した2次元バーコードに記録された設置場所の正確な位置情報を読み取り、その読み取った設置場所の正確な位置情報を自己の位置情報とする。
【特許文献1】特開2006−236160号公報
【特許文献2】特開2005−341369号公報
【非特許文献1】出口浩一郎著「画像と空間」,p.48−p.53.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2には、位置情報を含む2次元バーコードの作製方法が開示されていない。
【0005】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製するマーク作製装置を提供することである。
【0006】
また、この発明の別の目的は、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製するマーク作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によれば、マーク作製装置は、撮影器と、第1および第2の位置決定手段と、マーク作製手段と、印刷器とを備える。撮影器は、実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報が記録された基準マークと、実際のサイズが記録され、かつ、所望の位置に配置されたダミーマークとを撮影する。第1の位置決定手段は、撮影器によって撮影された基準マークの画像である第1の画像を処理することによって、撮影器から基準マークまでの距離である第1の距離と、基準マークに対して撮影器が存在する向き・傾きに関する第1の方向情報と、基準マークの位置情報とを検出し、その検出した第1の距離、第1の方向情報および基準マークの位置情報に基づいて撮影器の位置および方位・傾きを決定する。第2の位置決定手段は、撮影器によって撮影されたダミーマークの画像である第2の画像を処理することによって、撮影器からダミーマークまでの距離である第2の距離と、ダミーマークに対して撮影器が存在する向き・傾きに関する第2の方向情報とを検出し、第2の距離、第2の方向情報および第1の位置決定手段によって決定された撮影器の位置を示す位置情報に基づいてダミーマークの位置および方位・傾きを決定する。マーク作製手段は、ダミーマークの実際のサイズと、第2の位置決定手段によって決定されたダミーマークの位置および方位・傾きを示す位置および方位・傾き情報とを記録したマークを作製する。印刷器は、マーク作製手段によって作製されたマークを印刷する。
【0008】
好ましくは、第1の位置決定手段は、第1の画像を処理して基準マークの実際のサイズと第1の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第1の画像のサイズとのサイズ比を演算し、その演算したサイズ比が基準マークから第1の画像への縮小率に一致することを用いて第1の距離を検出する。第2の位置決定手段は、第2の画像を処理してダミーマークの実際のサイズと第2の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第2の画像のサイズとのサイズ比を演算し、その演算したサイズ比がダミーマークから第2の画像への縮小率に一致することを用いて第2の距離を検出する。
【0009】
好ましくは、マーク作製装置は、方向測定装置をさらに備える。方向測定装置は、撮影器から基準マークまでの直線が基準マークと成す仰角および水平角を測定する。そして、第1の位置決定手段は、方向測定装置によって測定された仰角および水平角を用いて撮影器の位置および方位・傾きを補正する。また、第2の位置決定手段は、第1の位置決定手段によって補正された撮影器の位置を用いてダミーマークの位置を決定する。
【0010】
好ましくは、マーク作製装置は、位置測定装置をさらに備える。位置測定装置は、撮影器の位置および方位・傾きを測定する。そして、第1の位置決定手段は、位置測定装置によって測定された位置および方位・傾きを用いて第1の方向情報を補正し、その補正した第1の方向情報を用いて撮影器の位置および方位・傾きを決定する。
【0011】
好ましくは、マーク作製装置は、方位測定装置をさらに備える。方位測定装置は、撮影器に対して基準マークが存在する方位を測定する。そして、第1の位置決定手段は、方位測定装置によって方位を用いて、決定した撮影器の位置および方位・傾きを補正する。また、第2の位置決定手段は、第1の位置決定手段によって補正された撮影器の位置を用いてダミーマークの位置および方位・傾きを決定する。
【0012】
好ましくは、基準マークは、各々が位置および方位・傾き情報と実際のサイズとを含む複数の基準マークからなる。撮影器は、複数の基準マークを撮影する。第1の位置決定手段は、複数の基準マークの画像である複数の第1の画像を処理することによって、撮影器から複数の基準マークまでの複数の第1の距離と、複数の基準マークに対して撮影器が存在する向き・傾きに関する複数の第1の方向情報と、複数の基準マークの複数の位置情報とを検出し、その検出した複数の第1の距離、複数の第1の方向情報および複数の位置情報とに基づいて撮影器の位置および方位・傾きを決定する。
【0013】
好ましくは、複数の基準マークは、撮影器の位置を決定するときの精度に対応して付与される等級をさらに含む。
【0014】
また、この発明によれば、マーク作製方法は、撮影器が、実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報が記録された基準マークを撮影する第1のステップと、位置決定手段が、撮影器によって撮影された基準マークの画像である第1の画像を処理することによって、撮影器から基準マークまでの距離である第1の距離と、基準マークに対して撮影器が存在する向き・傾きに関する第1の方向情報と、基準マークの位置情報とを検出する第2のステップと、位置決定手段が、検出した第1の距離、第1の方向情報および基準マークの位置情報に基づいて撮影器の位置および方位・傾きを決定する第3のステップと、撮影器が、実際のサイズが記録され、かつ、所望の位置に配置されたダミーマークを撮影する第4のステップと、位置決定手段が、撮影器によって撮影されたダミーマークの画像である第2の画像を処理することによって、撮影器からダミーマークまでの距離である第2の距離と、ダミーマークに対して撮影器が存在する向き・傾きに関する第2の方向情報とを検出する第5のステップと、位置決定手段が、検出した第2の距離、第2の方向情報および撮影器の位置情報に基づいてダミーマークの位置および方位・傾きを決定する第6のステップと、マーク作製手段が、ダミーマークの実際のサイズと、第6において決定されたダミーマークの位置および方位・傾きを示す位置および方位・傾き情報とを記録したマークを作製する第7のステップと、印刷器が、第7のステップにおいて作製されたマークを印刷する第8のステップとを備える。
【0015】
好ましくは、第2のステップは、位置決定手段が、第1の画像を処理して基準マークの実際のサイズと第1の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第1の画像のサイズとのサイズ比を演算する第1のサブステップと、位置決定手段が、演算したサイズ比が基準マークから第1の画像への縮小率に一致することを用いて第1の距離を検出する第2のサブステップとを含む。第5のステップは、位置決定手段が、第2の画像を処理してダミーマークの実際のサイズと第2の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第2の画像のサイズとのサイズ比を演算する第3のサブステップと、位置決定手段が、演算したサイズ比がダミーマークから第2の画像への縮小率に一致することを用いて第2の距離を検出する第4のサブステップとを含む。
【0016】
好ましくは、第1のステップから第6のステップは、撮影器の位置を変えながら繰り返し実行される。
【発明の効果】
【0017】
この発明においては、基準マークが撮影され、その撮影された基準マークの画像に基づいて撮影器から基準マークまでの第1の距離および撮影器に対して基準マークが存在する向き・傾きに関する第1の方向情報が検出される。そして、第1の距離、第1の方向情報および基準マークの位置情報に基づいて撮影器の位置および方位・傾きが決定される。また、所望の位置に配置されたダミーマークが撮影され、その撮影されたダミーマークの画像に基づいて撮影器からダミーマークまでの第2の距離および撮影器に対してダミーマークが存在する向き・傾きに関する第2の方向情報が検出される。そして、第2の距離、第2の方向情報および撮影器の位置情報に基づいてダミーマークの位置および方位・傾きが決定される。そうすると、決定された位置および方位・傾きを貼付すべき場所の位置および方位・傾き情報として含むマークが作製され、印刷される。
【0018】
したがって、この発明によれば、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態によるマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態によるマーク作製装置10は、カメラ1と、位置決定手段2と、記憶手段3と、マーク作製手段4と、印刷器5とを備える。
【0021】
カメラ1は、位置決定手段2から撮影指示PHGを受けると、後述する基準マークとダミーマークとを撮影し、その撮影した基準マークの画像Gとダミーマークの画像Gとを位置決定手段2へ出力する。
【0022】
位置決定手段2は、マーク作製装置10が起動されると、撮影指示PHGを生成してカメラ1へ出力する。
【0023】
また、位置決定手段2は、カメラ1から画像G,Gを受け、その受けた画像G,Gがマークの画像であるか否かを判定する。そして、位置決定手段2は、画像G,Gがマークの画像であると判定すると、画像Gを処理し、後述する方法によって、カメラ1から基準マークまでの距離L1および基準マークに対してカメラ1が存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1を検出する。その後、位置決定手段2は、基準マークの位置および方位・傾き情報、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、カメラ1の位置および方位・傾きPcを求め、その求めた位置および方位・傾きPcを記憶手段3に記憶する。
【0024】
さらに、位置決定手段2は、画像Gを処理し、後述する方法によって、カメラ1からダミーマークまでの距離L2およびダミーマークに対してカメラ1が存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2を検出する。そして、位置決定手段2は、カメラ1の位置および方位・傾き情報、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、ダミーマークの位置および方位・傾きPtを求める。
【0025】
そうすると、位置決定手段2は、ダミーマークの実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtをマーク作製手段4へ出力する。
【0026】
記憶手段3は、各種の情報を記憶するとともに、位置決定手段2からの読み出し要求に応じて各種の情報を出力する。
【0027】
マーク作製手段4は、実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtを位置決定手段2から受け、その受けた実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtを書き込んだマークを作製し、その作製したマークを印刷器5へ出力する。
【0028】
印刷器5は、マーク作製手段4から受けたマークを印刷する。
【0029】
図2は、図1に示す位置決定手段2の構成を示す機能ブロック図である。図2を参照して、位置決定手段2は、制御手段21と、画像処理手段22と、距離決定手段23と、検出手段24とを含む。
【0030】
制御手段21は、マーク作製装置10が起動されると、撮影指示PHGを生成してカメラ1へ出力する。また、制御手段21は、画像処理手段22からダミーマークの実際のサイズGDSを受け、検出手段24からダミーマークの位置および方位・傾きPtを受けると、その受けた実際のサイズGDSおよび位置および方位・傾きPtをマーク作製手段4へ出力する。
【0031】
画像処理手段22は、カメラ1から画像G,Gを受け、その受けた画像G,Gに基づいて、後述する方法によって、画像G,Gがマークの画像であるか否かを判定する。そして、画像処理手段22は、画像G,Gがマークの画像であると判定すると、画像Gに基づいて、基準マークに記録された実際のサイズASSと、基準マークの配置位置を示す位置および方位・傾き情報PSSとを読み出す。また、画像処理手段22は、画像GのサイズGSSを検出する。
【0032】
さらに、画像処理手段22は、画像Gに基づいて、ダミーマークに記録された実際のサイズADSを読み出すとともに、画像GのサイズGDSを検出する。
【0033】
そうすると、画像処理手段22は、位置および方位・傾き情報PSSを検出手段24へ出力し、画像G、実際のサイズASS、サイズGSS、画像G、実際のサイズADSおよびサイズGDSを距離決定手段23へ出力する。
【0034】
距離決定手段23は、画像G、実際のサイズASSおよびサイズGSSに基づいて、後述する方法によって、カメラ1から基準マークまでの距離L1、および基準マークに対してカメラ1が存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1を検出する。
【0035】
また、距離決定手段23は、画像G、実際のサイズADSおよびサイズGDSに基づいて、後述する方法によって、カメラ1からダミーマークまでの距離L2、およびダミーマークに対してカメラ2が存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2を検出する。
【0036】
そして、距離決定手段23は、距離L1および方向情報IFHK1を検出すると、その検出した距離L1および方向情報IFHK1を検出手段24へ出力し、距離L2および方向情報IFHK2を検出すると、その検出した距離L2および方向情報IFHK2を検出手段24へ出力する。
【0037】
検出手段24は、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受ける。そして、検出手段24は、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向IFHK1に基づいて、後述する方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを求め、その求めた位置および方位・傾きPcを記憶手段3に格納する。
【0038】
その後、検出手段24は、距離決定手段23から距離L2および方向情報IFHK2を受けると、記憶手段3から位置および方位・傾きPcを読み出し、距離L2、方向情報IFHK2および位置および方位・傾きPcに基づいて、後述する方法によって、ダミーマークの位置および方位・傾きPtを求める。そして、検出手段24は、その求めた位置および方位・傾きPtを制御手段21へ出力する。
【0039】
図3は、画像処理の方法を説明するための図である。図3を参照して、画像処理手段22は、画像Gをカメラ1から受け、その受けた画像Gに対してグレースケール変換を施し、そのグレースケール変換を施した画像を適応型閾値処理によって2値化し、画像G1を取得する。この場合、適応型閾値処理は、グレースケール変換を施した画像G内のドット模様が識別可能なように閾値を決定して画像Gを処理するものである。
【0040】
そして、画像処理手段22は、2値化した画像G1に対して連結成分処理を施す。より具体的には、画像処理手段22は、同じ値を持つ画素が互いに連結して1つの塊を形成している領域REG1を連結成分として抽出する(図3の(a)参照)。これによって、連結成分REG1が基準マークの候補領域として抽出される。
【0041】
画像処理手段22は、エッジ抽出フィルタを内蔵しており、連結成分処理した画像G1からエッジ抽出フィルタを用いて連結成分REG1の輪郭PRF1を抽出する。より具体的には、画像処理手段22は、エッジ抽出フィルタを用いて、隣り合う画素の濃度値を引き算して連結成分REG1の輪郭PRF1を抽出する(図3の(b)参照)。なお、図3の(b)においては、輪郭PRF1を見易くするために、連結成分REG1の内部における濃度値の引き算の結果を省略している。
【0042】
そして、画像処理手段22は、輪郭PRF1を抽出すると、輪郭PRF1の四辺を構成する直線のフィッティングを試み、フィッティングが成功した場合、輪郭PRF1によって囲まれた領域を基準マークの画像であると判定する。一方、画像処理手段22は、フィッティングが失敗した場合、輪郭PRF1によって囲まれた領域を基準マークの画像ではないと判定する。
【0043】
なお、画像処理手段22は、4個の直線を輪郭PRF1に沿って配置できるか否かによってフィッティングが成功したか失敗したかを判定する。基準マークは、四角形からなるので、画像Gが基準マークを撮影した画像である場合、4個の直線を輪郭PRF1に沿って配置できるはずである。したがって、4個の直線を輪郭PRF1に沿って配置できるか否かによってフィッティングが成功したか否かを判定することにしたものである。
【0044】
なお、画像処理手段22は、ダミーマークを撮影した画像Gに対しても、画像Gに対して施した処理と同じ処理を施す。
【0045】
次に、カメラ1から基準マークまたはダミーマークまでの距離を求める方法について説明する。図4は、四角形の図形を撮影したときの画像を示す図である。図4を参照して、四角形の図形を撮影すると、画像g1が得られる。
【0046】
画像g1の4頂点の画像平面上での座標を(x,y),(x,y),(x,y),(x,y)とすると、2つの点(x,y),(x,y)を通る直線は、ax+by=cによって表され、a,b,cは、次式によって表される。
【0047】
【数1】

【0048】
また、2つの点(x,y),(x,y)を通る直線は、ax+by=cによって表され、a,b,cは、次式によって表される。
【0049】
【数2】

【0050】
この場合、この2つの直線の交点が一組の平行な対辺の延長線が作る消失点であるので、その点を(U1,V1)とすれば、U1,V1は、次式によって表される。
【0051】
【数3】

【0052】
同じようにして、もう一組の平行な対辺から、もう1つの消失点(U2,V2)は、次式によって表される。
【0053】
【数4】

【0054】
そして、2つの消失点(U1,V1),(U2,V2)の座標を用いて消失線を求める。その後、画像g1の2つの対角線を引くことによって画像g1の重心Gの座標を求める。以下、重心Gは、画像g1の中心Iに一致しているものとする。
【0055】
引き続いて、画像g1の中心Iから消失線に下ろした垂線の足Vの座標を求め、中心I(=G)および点Vを通る直線を求める。そして、線分Iの長さを求める。
【0056】
画像g1をデコードして画像g1の元になった図形の実際のサイズを検出し、その検出した実際のサイズを画像g1の元になった図形の面積Srとする。この発明においては、実際のサイズは、画像g1の元になった図形の面積として図形に書き込まれている。
【0057】
また、画像g1が存在する領域のピクセル数を数えることによって画像g1の面積Siを取得する。
【0058】
図5は、カメラ1からマークまでの距離を求める方法を説明するための図である。図5に示す図は、図4において、重心Gおよび点Vを通り、かつ、図4の紙面に垂直に切ったときの断面図である。そして、図5において、点Oは、カメラ1の視点である。
【0059】
図5を参照して、カメラ1の焦点距離をfとし、画像面が対象面と成す角をσとすると、次式が成立する。
【0060】
【数5】

【0061】
また、画像g1の元になった図形から画像g1への面積の縮小率s(α)は、次式によって表される(非特許文献1)。
【0062】
【数6】

【0063】
なお、式(6)において、dは、視点Oから対象面までの距離であり、αは、線分OPがz軸と成す角度である。
【0064】
焦点距離fは、既知であり、画像の中心Iと点Vとの距離は、中心Iおよび点Vの座標から求めることができるので、式(5)によって角度σを求めることができる。
【0065】
画像の中心Iにおいては、α=0であり、式(6)の左辺は、Si/Srに等しいので、その求めた角度σ、焦点距離f、α=0およびs(α)=Si/Srを式(6)に代入することによって距離dを求めることができる。
【0066】
その結果、視点Oから対象面上の図形の重心までの距離は、d/cosσによって求めることができる。このように、この発明においては、図形の実際のサイズ(=面積)と画像のサイズ(=面積)とのサイズ比(=面積比)が実際の図形から画像g1への縮小率に一致することを用いてカメラ1の視点Oから図形までの距離を決定する。
【0067】
再び、図4を参照して、画像g1の1つの頂点、たとえば、点(x,y)から、重心Gおよび点Vを通る直線へ垂線を下ろした場合の重心Gから垂線の足までの長さをsとし、重心Gから点(x,y)までの長さをtとすると、s,tは、対象面上では、それぞれ、式(7),(8)によって表される。
【0068】
【数7】

【0069】
【数8】

【0070】
α=0を代入して式(8)を式(7)によって除算し、その除算結果(=t/(s・cosσ))を用いると、カメラ1から見た図形の対象面上での方位角方向の回転角をθとして、次式が成立する。
【0071】
【数9】

【0072】
その結果、方位角θは、次式によって表される。
【0073】
【数10】

【0074】
角度σは、上述したように画像面と対象面との成す角度であるので、視点Oから対象面上の図形を見たときの仰角に相当する。したがって、上述した方法によって仰角σおよび方位角θを求めることによって、カメラ1に対して図形が存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK(=[σ,θ])を取得できる。
【0075】
位置決定手段2の距離決定手段23は、基準マークの画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1から基準マークまでの距離L1(=d/cosσ)を決定し、カメラ1に対して基準マークが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1(=[σ,θ])を取得する。
【0076】
また、距離決定手段23は、ダミーマークの画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1からダミーマークまでの距離L2(=d/cosθ)を決定し、カメラ1に対してダミーマークが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2(=[σ,θ])を取得する。
【0077】
距離決定手段23は、距離L1および方向情報IFHK1を取得すると、その取得した距離L1および方向情報IFHK1を検出手段24へ出力し、距離L2および方向情報IFHK2を取得すると、その取得した距離L2および方向情報IFHK2を検出手段24へ出力する。
【0078】
検出手段24は、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受けると、その受けた位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、カメラ1の位置および方位・傾きPcを検出する。
【0079】
図6は、カメラ1の位置および方位・傾きを検出する方法を説明するための図である。図6を参照して、検出手段24は、位置および方位・傾き情報PSSによって示される1点Aをxyz空間に取り、その1点Aからx軸の正の方向へ長さL1を有する直線SL1を引く。そして、検出手段24は、その引いた直線SL1の1点Aの座標を保持しながら直線SL1をx−z平面において角度σだけ回転させ、直線SL2を得る。その後、検出手段24は、直線SL2の1点Aの座標を保持しながら直線SL2をx−y平面において角度θだけ回転させ、直線SL3を得る。そして、検出手段24は、直線SL3の他方端の点Bの座標を位置および方位・傾きPcとして検出し、その検出した位置および方位・傾きPcを記憶手段3に記憶する。
【0080】
また、検出手段24は、距離決定手段23から距離L2および方向情報IFHK2を受けると、記憶手段3から位置および方位・傾きPcを読み出し、位置および方位・傾きPc、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、位置および方位・傾きPcを検出したときの方法と同じ方法によってダミーマークの位置および方位・傾きPtを検出する。
【0081】
図7は、マークの例を示す平面図である。図7を参照して、基準マークMSは、正方形の形状を有する2次元バーコードからなり、自己の実際のサイズASS(=面積)および自己が配置された位置および方位・傾き情報PSSがドットパターンによって記録される。そして、位置および方位・傾き情報PSSは、座標[x,y,z]からなる(図7の(a)参照)。なお、位置および方位・傾き情報PSSは、絶対位置情報または相対位置情報からなる。
【0082】
したがって、画像処理手段22は、上述した方法によって画像g1が基準マークMSであると判定すると、画像g1のドットパターンを検出して基準マークMSに記録された実際のサイズASSおよび位置および方位・傾き情報PSSを読み出す。
【0083】
また、ダミーマークDMは、正方形の形状を有する2次元バーコードからなり、自己の実際のサイズADSがドットパターンによって記録される(図7の(b)参照)。
【0084】
したがって、画像処理手段22は、上述した方法によって画像g1がダミーマークDMであると判定すると、画像g1のドットパターンを検出してダミーマークDMに記録された実際のサイズADSを読み出す。
【0085】
図8から図10は、それぞれ、実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報を含むマークを作製する方法を説明するための第1から第3の概念図である。図8を参照して、基準マークMSが地下街の通路50に配置されている。そして、基準マークMSは、上述したように、配置位置の位置および方位・傾き情報PSSおよび実際のサイズASSがドットパターンによって記録されている。また、地下街には、たとえば、書店70が通路50に面して配置されている。
【0086】
位置および方位・傾き情報PSSが相対位置からなる場合、位置および方位・傾き情報PSSは、たとえば、書店70の出入口71の点71Aを原点としたxyz座標からなる。
【0087】
マーク作製装置10は、地下街の通路50に設置され、カメラ1は、通路50に配置された基準マークMSを撮影し、その撮影した基準マークMSの画像Gを位置決定手段2へ出力する。
【0088】
そして、位置決定手段2の画像処理手段22は、カメラ1から受けた画像Gを画像処理し、上述した方法によって、画像Gが基準マークMSの画像であると判定すると、画像Gに書き込まれた実際のサイズASSおよび位置および方位・傾き情報PSSを読み出す。また、画像処理手段22は、上述した方法によって、画像GのサイズGSSを検出する。そして、画像処理手段22は、位置および方位・傾き情報PSSを検出手段24へ出力し、実際のサイズASS、画像GのサイズGSS、および画像Gを距離決定手段23へ出力する。
【0089】
距離決定手段23は、実際のサイズASS、画像GのサイズGSS、および画像Gを画像処理手段22から受け、その受けた実際のサイズASS、画像GのサイズGSS、および画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1から基準マークMSまでの距離L1を決定するとともに、カメラ1に対して基準マークMSが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1を検出する。そして、距離決定手段23は、距離L1および方向情報IFHK1を検出手段24へ出力する。
【0090】
検出手段24は、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受ける。そして、検出手段24は、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によってカメラ1の位置および方位・傾きPcを検出し、その検出した位置および方位・傾きPcを記憶手段3へ記憶する。
【0091】
その後、図9を参照して、ダミーマークDMが地下街の通路50の所望の位置に配置される。そして、ダミーマークDMが配置された領域の四隅に領域線RL1〜RL4が書かれる。そうすると、マーク作製装置10のカメラ1は、ダミーマークDMの方向へ向けられ、ダミーマークDMを撮影する。そして、カメラ1は、その撮影したダミーマークDMの画像Gを位置決定手段2へ出力する。
【0092】
位置決定手段2の画像処理手段22は、カメラ1から受けた画像Gを画像処理し、上述した方法によって、画像GがダミーマークDMの画像であると判定すると、画像Gに書き込まれた実際のサイズADSを読み出す。また、画像処理手段22は、上述した方法によって、画像GのサイズGDSを検出する。そして、画像処理手段22は、実際のサイズADS、画像GのサイズGDS、および画像Gを距離決定手段23へ出力するとともに、実際のサイズADSを制御手段21へ出力する。
【0093】
距離決定手段23は、実際のサイズADS、画像GのサイズGDS、および画像Gを画像処理手段22から受け、その受けた実際のサイズADS、画像GのサイズGDS、および画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1からダミーマークDMまでの距離L2を決定するとともに、カメラ1に対してダミーマークDMが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2を検出する。そして、距離決定手段23は、距離L2および方向情報IFHK2を検出手段24へ出力する。
【0094】
検出手段24は、距離決定手段23から距離L2および方向情報IFHK2を受けると、位置および方位・傾きPcを記憶手段3から読み出し、位置および方位・傾きPc、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によってダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを検出し、その検出した位置および方位・傾きPtを制御手段21へ出力する。
【0095】
制御手段21は、画像処理手段22から実際のサイズADSを受け、検出手段24から位置および方位・傾きPtを受ける。そして、制御手段21は、実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtをマーク作製手段4へ出力する。
【0096】
マーク作製手段4は、実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtを位置決定手段2(=制御手段21)から受けると、その受けた実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtをドットパターンに書き込んでマークM1を作製し、その作製しちゃマークM1を印刷記5へ出力する。そして、印刷器5は、マーク作製手段4から受けたマークM1を印刷する。これによって、2次元バーコードからなるマークM1が作製される。
【0097】
図10を参照して、マークM1が作製されると、ダミーマークDMが剥がされ、マークM1は、領域線RL1〜RL4によって囲まれた領域に貼り付けられる。その後、マーク作製装置10は、上述した動作を繰り返し実行して、マークM2〜M7を作製し、その作製されたマークM2〜M7は、通路50の所望の位置に貼付される。
【0098】
なお、基準マークMSの位置および方位・傾き情報PSSが絶対位置情報からなる場合、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtは、絶対位置からなり、基準マークMSの位置および方位・傾き情報PSSが相対位置情報からなる場合、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtは、相対位置からなる。
【0099】
図11は、マークを作製する方法を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、マーク作製装置10の制御手段21は、n=1を設定し(ステップS1)、n=N(Nは作製するマークの個数)であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0100】
ステップS2において、n=Nではないと判定されると、制御手段21は、撮影指示PHGを生成してカメラ1へ出力する。そして、カメラ1は、基準マークMSを撮影し(ステップS3)、その撮影した基準マークMSの画像Gを位置決定手段2へ出力する。
【0101】
その後、位置決定手段2は、上述した方法によって画像Gが基準マークMSの画像であると判定すると、画像Gに基づいて、基準マークMSの位置および方位・傾きPtを取得する(ステップS4)。そして、位置決定手段2は、基準マークMSの画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1から基準マークMSまでの距離L1を検出するとともに、カメラ1に対して基準マークMSが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1を取得する(ステップS5)。
【0102】
引き続いて、位置決定手段2は、基準マークMSの位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを検出し(ステップS6)、その検出した位置および方位・傾きPcを記憶手段3に記憶する。
【0103】
その後、ダミーマークDMが所望の位置に配置され、カメラ1は、ダミーマークDMを撮影し(ステップS7)、その撮影したダミーマークDMの画像Gを位置決定手段2へ出力する。
【0104】
そして、位置決定手段2は、上述した方法によって画像GがダミーマークDMの画像であると判定すると、画像Gに基づいて、ダミーマークDMの実際のサイズADSを取得する(ステップS8)。その後、位置決定手段2は、ダミーマークDMの画像Gに基づいて、上述した方法によって、カメラ1からダミーマークDMまでの距離L2を検出するとともに、カメラ1に対してダミーマークDMが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2を取得する(ステップS9)。
【0105】
位置決定手段2は、距離L2および方向情報IFHK2を取得すると、記憶手段3から位置および方位・傾きPcを読み出し、位置および方位・傾きPc、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によって、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを検出する(ステップS10)。
【0106】
そして、位置決定手段2は、ダミーマークDMの実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtをマーク作製手段4へ出力し、マーク作製手段4は、実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPtをドットパターンによって書き込んで2次元バーコードからなるマークを作製し、その作製したマークを印刷器5へ出力する。印刷器5は、マーク作製手段4から受けたマークを印刷する(ステップS11)。
【0107】
そして、制御手段21は、n=n+1を設定する(ステップS12)。その後、一連の動作は、ステップS2へ戻り、ステップS2において、n=Nであると判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS12が繰り返し実行される。そして、ステップS2において、n=Nであると判定されると、一連の動作は終了する。
【0108】
上述したように、マーク作製装置10は、基準マークMSの画像Gに基づいて、カメラ1から基準マークMSまでの距離L1とカメラ1に対して基準マークMSが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1とを検出し、画像Gに書き込まれた基準マークMSの位置および方位・傾きPtと、距離L1および方向情報IFHK1とに基づいてカメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する。また、マーク作製装置10は、所望の位置に配置されたダミーマークDMの画像Gに基づいて、カメラ1からダミーマークDMまでの距離L2とカメラ1に対してダミーマークDMが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK2とダミーマークDMの実際のサイズADSとを検出し、カメラ1の位置および方位・傾きPc、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定する。そして、マーク作製装置10は、ダミーマークDMの実際のサイズADSおよび位置および方位・傾きPt(=貼付すべき場所の位置情報)を書き込んだマークを作製する。
【0109】
したがって、この発明によれば、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製することができる。
【0110】
図12は、この発明の実施の形態による他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。この発明の実施の形態によるマーク作製装置は、図12に示すマーク作製装置10Aであってもよい。図12を参照して、マーク作製装置10Aは、図1に示すマーク作製装置10の位置決定手段2を位置決定手段2Aに代え、GPS(Global Positioning System)受信機6を追加したものであり、その他は、マーク作製装置10と同じである。
【0111】
GPS受信機6は、GPS衛星からマーク作製装置10の経緯度を受信し、その受信した経緯度に基づいて、公知の方法によってマーク作製装置10の位置情報PSFGを演算し、その演算した位置情報PSFGを位置決定手段2Aへ出力する。
【0112】
位置決定手段2Aは、GPS受信機6から位置情報PSFGを受け、その受けた位置情報PSFGを用いて方向情報IFHK1を補正する。そして、位置決定手段2Aは、その補正した方向情報IFHK1_H、距離L1および位置および方位・傾き情報PSSに基づいて、上述した方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する。
【0113】
図13は、図12に示す位置決定手段2Aの構成を示す機能ブロック図である。図13を参照して、位置決定手段2Aは、図2に示す位置決定手段2の検出手段24を検出手段24Aに代えたものであり、その他は、位置決定手段2と同じである。
【0114】
検出手段24Aは、GPS受信機6から位置情報PSFGを受ける。そして、検出手段24Aは、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受けると、位置および方位・傾き情報PSS、位置情報PSFGおよび距離L1に基づいて、方向情報IFHK1を補正して方向情報IFHK1_Hを得る。より具体的には、検出手段24Aは、位置および方位・傾き情報PSSによって決定される点を始点とし、位置情報PSFGによって決定される点を終点とし、長さL1を有する直線を引き、その引いた直線の始点から終点へ向かう方向情報を方向情報IFHK1_Hとして検出する。
【0115】
そうすると、検出手段24Aは、位置および方位・傾き情報PSS、方向情報IFHK1_Hおよび距離L1に基づいて、上述した方法によってカメラ1の位置および方位・傾きPcを検出する。検出手段24Aは、その他は、検出手段24と同じ動作を行なう。
【0116】
図14は、図12に示すマーク作製装置10Aにおけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS6をステップS6Aに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
【0117】
図14を参照して、上述したステップS1〜ステップS6が順次実行された後、位置決定手段2Aは、GPS受信機6から受けた位置情報PSFGを用いて、上述した方法によって方向情報IFHK1を方向情報IFHK1_Hに補正し、基準マークMSの位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1_Hに基づいて、上述した方法によってカメラ1の位置および方位・傾きPcを検出する(ステップS6A)。
【0118】
その後、上述したステップS7〜ステップS12が順次実行され、一連の動作が終了する。
【0119】
このように、マーク作製装置10Aは、実測された自己の位置情報PSFGを用いて、カメラ1に対して基準マークMSが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1を補正し、その補正した方向情報IFHK1_Hを用いてカメラ1の位置および方位・傾きPcを決定するので、より正確にダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定できる。
【0120】
図15は、この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。この発明の実施の形態によるマーク作製装置は、図15に示すマーク作製装置10Bであってもよい。図15を参照して、マーク作製装置10Bは、図1に示すマーク作製装置10の位置決定手段2を位置決定手段2Bに代え、水準器7を追加したものであり、その他は、マーク作製装置10と同じである。
【0121】
水準器7は、カメラ1に対して基準マークMSが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK_Mを計測し、その計測した方向情報IFHK_Mを位置決定手段2Bへ出力する。
【0122】
位置決定手段2Bは、水準器7から方向情報IFHK_Mを受け、その受けた方向情報IFHK_Mを用いてカメラ1の位置および方位・傾き情報Pcを補正し、その補正した位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3に記憶する。そして、位置決定手段2Bは、距離L2および方向情報IFHK2を取得すると、記憶手段3から位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3から読み出し、位置および方位・傾き情報Pc_H、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によって、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定する。
【0123】
図16は、図15に示す位置決定手段2Bの構成を示す機能ブロック図である。図16を参照して、位置決定手段2Bは、図2に示す位置決定手段2の検出手段24を検出手段24Bに代えたものであり、その他は、位置決定手段2と同じである。
【0124】
検出手段24Bは、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受けると、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する。そして、検出手段24Bは、水準器7から方向情報IFHK_Mを受け、その受けた方向情報IFHK_Mを用いて位置および方位・傾きPcを位置および方位・傾きPc_Hに補正する。より具体的には、検出手段24Bは、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK_Mに基づいて、上述した方法によって検出したカメラ1の位置および方位・傾きを位置および方位・傾きPc_Hとして検出する。
【0125】
そして、検出手段24Bは、その検出した位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3に記憶する。その後、検出手段24Bは、距離決定手段23から距離L2および方向情報IFHK2を受けると、記憶手段3から位置および方位・傾き情報Pc_Hを読み出し、位置および方位・傾き情報Pc_H、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によってダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを検出する。
【0126】
図17は、図15に示すマーク作製装置10Bにおけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。図17に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS6をステップS6Bに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
【0127】
図17を参照して、上述したステップS1〜ステップS6が順次実行された後、位置決定手段2Bは、基準マークMSの位置および方位・傾きPt、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によってカメラ1の位置および方位・傾きPcを検出し、その検出した位置および方位・傾きPcを水準器7が計測した方向情報IFHK_Mを用いて位置および方位・傾きPc_Hに補正する(ステップS6B)。
【0128】
その後、上述したステップS7〜ステップS12が順次実行され、一連の動作が終了する。なお、図17に示すフローチャートのステップS10においては、位置および方位・傾きPc_Hを用いてダミーマークDMの位置および方位・傾きPtが検出される。
【0129】
このように、マーク作製装置10Bは、実測された自己から基準マークMSへ向かう方向の方向情報IFHK_Mを用いて、カメラ1の位置および方位・傾きPcを補正し、その補正した位置および方位・傾きPc_Hを用いてダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定するので、より正確にダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定できる。
【0130】
図18は、この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。この発明の実施の形態によるマーク作製装置は、図18に示すマーク作製装置10Cであってもよい。図18を参照して、マーク作製装置10Cは、図1に示すマーク作製装置10の位置決定手段2を位置決定手段2Cに代え、方位センサー8を追加したものであり、その他は、マーク作製装置10と同じである。
【0131】
方位センサー8は、カメラ1に対して基準マークMSが存在する方位に関する方位情報IFDR_Mを計測し、その計測した方位情報IFDR_Mを位置決定手段2Cへ出力する。
【0132】
位置決定手段2Cは、方位センサー8から方位情報IFDR_Mを受け、その受けた方位情報IFDR_Mを用いてカメラ1の位置および方位・傾き情報Pcを補正し、その補正した位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3に記憶する。そして、位置決定手段2Cは、距離L2および方向情報IFHK2を取得すると、記憶手段3から位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3から読み出し、位置および方位・傾き情報Pc_H、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によって、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定する。
【0133】
図19は、図18に示す位置決定手段2Cの構成を示す機能ブロック図である。図19を参照して、位置決定手段2Cは、図2に示す位置決定手段2の検出手段24を検出手段24Cに代えたものであり、その他は、位置決定手段2と同じである。
【0134】
検出手段24Cは、画像処理手段22から位置および方位・傾き情報PSSを受け、距離決定手段23から距離L1および方向情報IFHK1を受けると、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する。そして、検出手段24Cは、方位センサー8から方位情報IFDR_Mを受け、その受けた方位情報IFDR_Mを用いて位置および方位・傾きPcを位置および方位・傾きPc_Hに補正する。より具体的には、検出手段24Cは、図6に示す直線SL3の1点Aの座標を保持しながら点Bから点Aへの方位が方位情報IFDR_Mに一致するように点Bの座標を変え、点Bから点Aへの方位が方位情報IFDR_Mに一致したときの点Bの座標を位置および方位・傾き情報Pc_Hとして検出する。
【0135】
そして、検出手段24Cは、その検出した位置および方位・傾き情報Pc_Hを記憶手段3に記憶する。その後、検出手段24Cは、距離決定手段23から距離L2および方向情報IFHK2を受けると、記憶手段3から位置および方位・傾き情報Pc_Hを読み出し、位置および方位・傾き情報Pc_H、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によってダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを検出する。
【0136】
図20は、図18に示すマーク作製装置10Cにおけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。図20に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS6をステップS6Cに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
【0137】
図20を参照して、上述したステップS1〜ステップS6が順次実行された後、位置決定手段2Cは、基準マークMSの位置および方位・傾きPt、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によってカメラ1の位置および方位・傾きPcを検出し、その検出した位置および方位・傾きPcを方位センサー8が計測した方位情報IFDR_Mを用いて位置および方位・傾きPc_Hに補正する(ステップS6C)。
【0138】
その後、上述したステップS7〜ステップS12が順次実行され、一連の動作が終了する。なお、図20に示すフローチャートのステップS10においても、位置および方位・傾きPc_Hを用いてダミーマークDMの位置および方位・傾きPtが検出される。
【0139】
このように、マーク作製装置10Cは、実測された自己から基準マークMSへ向かう方位の方位情報IFDR_Mを用いて、カメラ1の位置および方位・傾きPcを補正し、その補正した位置および方位・傾きPc_Hを用いてダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定するので、より正確にダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定できる。
【0140】
図21は、この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。この発明の実施の形態によるマーク作製装置は、図21に示すマーク作製装置10Dであってもよい。
【0141】
図21を参照して、マーク作製装置10Dは、図1に示すマーク作製装置10の位置決定手段2を位置決定手段2Dに代え、レーザー距離測定器9を追加したものであり、その他は、マーク作製装置10と同じである。
【0142】
レーザー距離測定器9は、マーク作製装置10Dから基準マークMSまたはダミーマークDMの4頂点までの距離LA1〜LA4を測定し、その測定した距離LA1〜LA4を位置決定手段2Dへ出力する。
【0143】
位置決定手段2Dは、カメラ1から受けた画像Gと、レーザー距離測定器9から受けた距離LA1〜LA4とに基づいて、後述する方法によって、カメラ1から基準マークMSまでの距離L1および方向情報IFHK1を検出する。そして、位置決定手段2Dは、位置および方位・傾き情報PSS、距離L1および方向情報IFHK1に基づいて、上述した方法によって、カメラ1の位置および方位・傾きPcを検出する。
【0144】
その後、位置決定手段2Dは、カメラ1から受けた画像Gと、レーザー距離測定器9から受けた距離LA1〜LA4とに基づいて、後述する方法によって、カメラ1からダミーマークMSまでの距離L2および方向情報IFHK2を検出する。そして、位置決定手段2Dは、位置および方位・傾き情報Pc、距離L2および方向情報IFHK2に基づいて、上述した方法によって、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを検出する。
【0145】
図22は、図21に示す位置決定手段2Dの構成を示す機能ブロック図である。図22を参照して、位置決定手段2Dは、図2に示す位置決定手段2の画像処理手段22を画像処理手段22Aに代え、距離決定手段23を距離決定手段23Aに代えたものであり、その他は、位置決定手段2と同じである。
【0146】
画像処理手段22Aは、上述した方法によって画像Gが基準マークMSの画像であると判定すると、画像Gに基づいて、位置および方位・傾き情報PSSおよび実際のサイズASSを読み出し、その読み出した位置および方位・傾き情報PSSを検出手段24へ出力するとともに、画像Gおよび実際のサイズASSを距離決定手段23Aへ出力する。
【0147】
また、画像処理手段22Aは、上述した方法によって画像GがダミーマークDMの画像であると判定すると、画像Gに基づいて実際のサイズADSを読み出し、画像Gおよび実際のサイズADSを距離決定手段23Aへ出力する。
【0148】
距離決定手段23Aは、画像処理手段22Aから実際のサイズASS,ADSおよび画像G,Gを受ける。また、距離決定手段23Aは、基準マークMSの4頂点までの距離LAS1〜LAS4およびダミーマークDMの4頂点までの距離LAD1〜LAD4をレーザー距離測定器9から受ける。
【0149】
図23は、基準マークMSまたはダミーマークDMまでの距離L1,L2およびカメラ1に対して基準マークMSまたはダミーマークDMが存在する向き・傾きに関する方向情報IFHK1,IFHK2を決定する方法を説明するための図である。
【0150】
図23を参照して、距離決定手段23Aは、画像G、実際のサイズASSおよび距離LAS1〜LAS4を受けると、レーザー距離測定器9の位置Oから画像Gの4頂点a〜dまで4本の直線SL4〜SL7を引く(図23の(a)参照)。直線SL4〜SL7は、それぞれ、距離LAS1〜LAS4に等しい長さを有する。
【0151】
そして、距離決定手段23Aは、頂点aと頂点bとの中点を点pとし、頂点bと頂点dとの中点を点qとし、頂点dと頂点cとの中点を点rとし、頂点cと頂点aとの中点をsとし、レーザー距離測定器9の位置Oから点p,q,r,sまでの直線をそれぞれ直線SL8〜SL11とすると、直線SL8〜SL11の長さLAS5〜LAS8は、それぞれ、次式のようになる。
【0152】
【数11】

【0153】
そして、点pと点rとを結ぶ直線SL13は、点qと点sとを結ぶ直線SL14と中点で交差し、2つの直線SL13,SL14の交点が画像Gの中心Gとなる。
【0154】
そうすると、レーザー距離測定器9の位置Oから中心Gまでの直線SL12の長さLAS9は、次式によって表される(図23の(b)参照)。
【0155】
【数12】

【0156】
したがって、距離決定手段23Aは、レーザー距離測定器9から受けた距離LAS1〜LAS4を用いて、式(11),(12)によってレーザー距離測定器9の位置Oから重心Gまでの距離LAS9を演算し、その演算した距離LAS9をカメラ1から基準マークMSまでの距離L1として決定する。
【0157】
2つの直線SL13,SL14の長さは、等しく、その長さをLAS10とすると、基準マークMSは、正方形からなるので、LAS10=(実際のサイズASS)1/2となる。
【0158】
したがって、距離決定手段23Aは、画像処理手段22Aから受けた実際のサイズASSの平方根を演算することによって長さLAS10を求める。
【0159】
点O,q,sを通る平面における図23の(b)に示す図面の断面図は、図23の(c)に示す図になる。そして、線分O−q、線分O−sおよび線分s−qの長さは、それぞれ、LAS6,LAS8,LAS10となる。また、点qから線分O−sの延長線に下ろした垂線の足をtとし、線分q−tが線分q−sとなる角をσとすると、線分s−tの長さは、LAS10×sinσとなる。そして、次式が成立する。
【0160】
【数13】

【0161】
式(13)を整理すると、角度σは、次式によって表される。
【0162】
【数14】

【0163】
また、点O,r,pを通る平面における図23の(b)に示す図面の断面図は、図23の(d)に示す図になる。そして、線分O−r、線分O−pおよび線分r−pの長さは、それぞれ、LAS7,LAS5,LAS10となる。また、点rから線分O−pの延長線に下ろした垂線の足をuとし、線分r−uが線分r−pとなる角をθとすると、線分p−uの長さは、LAS10×sinθとなる。そして、次式が成立する。
【0164】
【数15】

【0165】
式(15)を整理すると、角度θは、次式によって表される。
【0166】
【数16】

【0167】
したがって、距離決定手段23Aは、距離LAS1〜LAS4および長さLAS10(=(実際のサイズASS)1/2)と式(11),(13)〜(16)とを用いて角度σ,θを演算する。角度σは、カメラ1から基準マークMSを見たときの仰角になり、角度θは、カメラ1から基準マークMSを見たときの水平角となる。
【0168】
その結果、距離決定手段23Aは、距離LAS1〜LAS4および実際のサイズASSに基づいて、方向情報IFHF1を検出できる。
【0169】
距離決定手段23Aは、距離LAD1〜LAD4および実際のサイズADSに基づいて、上述した方法によって、距離L2および方向情報IFHK2を検出する。
【0170】
図24は、図21に示すマーク作製装置10Dにおけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。図24に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS5およびステップS9をそれぞれステップS5AおよびステップS9Aに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
【0171】
図24を参照して、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行された後、位置決定手段2Dは、レーザー距離測定器9が測定した基準マークMSの4頂点までの距離LAS1〜LAS4を用いて、上述した方法によって、距離L1および方向情報IFHK1を取得する(ステップS5A)。
【0172】
そして、上述したステップS6〜ステップS8が順次実行された後、位置決定手段2Dは、レーザー距離測定器9が測定したダミーマークDMの4頂点までの距離LAD1〜LAD4を用いて、上述した方法によって、距離L2および方向情報IFHK2を取得する(ステップS9A)。
【0173】
その後、上述したステップS10〜ステップS12が順次実行され、一連の動作が終了する。
【0174】
このように、マーク作製装置10Dは、自己から基準マークMSまたはダミーマークDMの4頂点までの距離LAS1〜LAS4,LAD1〜LAD4を測定し、その測定した距離LAS1〜LAS4を用いた演算によって距離L1および方向情報IFHK1を取得し、その測定した距離LAD1〜LAD4を用いた演算によって距離L2および方向情報IFHK2を取得する。
【0175】
したがって、容易にダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定できる。
【0176】
なお、上記においては、マーク作製装置10,10A,10C,10Dは、1個の基準マークMSに基づいてカメラ1の位置および方位・傾きPcを決定すると説明したが、この発明においては、これに限らず、マーク作製装置10,10A,10C,10Dは、複数の基準マークに基づいてカメラ1の位置および方位・傾きPcを決定するようにしてもよい。そして、複数の基準マークは、カメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する際の精度に対応して付与された等級をドットパターンによって含む。
【0177】
したがって、マーク作製装置10,10A,10C,10Dは、カメラ1の位置および方位・傾きPcの精度に応じて、複数の基準マークの中から基準マークを選択してカメラ1の位置および方位・傾きPcを決定できる。
【0178】
また、この発明においては、マーク作製装置10,10A,10C,10Dは、カメラ1の位置を複数の位置に変えてダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定するようにしてもよい。この場合、図11、図14、図17、図20および図24に示すフローチャートがカメラ1の位置を変える回数分だけ繰り返し実行され、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtが決定される。これによって、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを精度良く決定できる。
【0179】
なお、カメラ1は、「撮影器」を構成し、画像Gは、「第1の画像」を構成し、画像Gは、「第2の画像」を構成する。
【0180】
また、カメラ1の位置および方位・傾きPcを決定する位置決定手段2,2A,2B,2C,2Dは、「第1の位置決定手段」を構成し、ダミーマークDMの位置および方位・傾きPtを決定する位置決定手段2,2A,2B,2C,2Dは、「第2の位置決定手段」を構成する。
【0181】
さらに、GPS受信機6は、「位置測定装置」を構成し、水準器7は、「方向測定装置」を構成し、方位センサー8は、「方位測定装置」を構成する。
【0182】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0183】
この発明は、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製するマーク作製装置に適用される。また、この発明は、貼付すべき場所の位置情報を含むマークを作製するマーク作製方法に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】この発明の実施の形態によるマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示す位置決定手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】画像処理の方法を説明するための図である。
【図4】四角形の図形を撮影したときの画像を示す図である。
【図5】カメラからマークまでの距離を求める方法を説明するための図である。
【図6】カメラの位置および方位・傾きを検出する方法を説明するための図である。
【図7】マークの例を示す平面図である。
【図8】実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報を含むマークを作製する方法を説明するための第1の概念図である。
【図9】実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報を含むマークを作製する方法を説明するための第2の概念図である。
【図10】実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報を含むマークを作製する方法を説明するための第3の概念図である。
【図11】マークを作製する方法を説明するためのフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態による他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】図12に示す位置決定手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】図12に示すマーク作製装置におけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図16】図15に示す位置決定手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図17】図15に示すマーク作製装置におけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図19】図18に示す位置決定手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図20】図18に示すマーク作製装置におけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態によるさらに他のマーク作製装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図22】図21に示す位置決定手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図23】基準マークまたはダミーマークまでの距離およびカメラに対して基準マークまたはダミーマークが存在する向き・傾きに関する方向情報を決定する方法を説明するための図である。
【図24】図21に示すマーク作製装置におけるマークの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0185】
1 カメラ、2,2A,2B,2C,2D 位置決定出手段、3 記憶手段、4 マーク作製手段、5 印刷器、6 GPS受信機、7 水準器、8 方位センサー、9 レーザー距離測定器、10,10A,10B,10C,10D マーク作製装置、21 制御手段、22,22A 画像処理手段、23,23A 距離決定手段、24,24A,24B,24C 検出手段、50 通路、70 店、71 入口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報が記録された基準マークと、実際のサイズが記録され、かつ、所望の位置に配置されたダミーマークとを撮影する撮影器と、
前記撮影器によって撮影された前記基準マークの画像である第1の画像を処理することによって、前記撮影器から前記基準マークまでの距離である第1の距離と、前記基準マークに対して前記撮影器が存在する向き・傾きに関する第1の方向情報と、前記基準マークの位置情報とを検出し、その検出した第1の距離、前記第1の方向情報および前記基準マークの位置情報に基づいて前記撮影器の位置および方位・傾きを決定する第1の位置決定手段と、
前記撮影器によって撮影された前記ダミーマークの画像である第2の画像を処理することによって、前記撮影器から前記ダミーマークまでの距離である第2の距離と、前記ダミーマークに対して前記撮影器が存在する向き・傾きに関する第2の方向情報とを検出し、前記第2の距離、前記第2の方向情報および前記第1の位置決定手段によって決定された前記撮影器の位置を示す位置情報に基づいて前記ダミーマークの位置および方位・傾きを決定する第2の位置決定手段と、
前記ダミーマークの実際のサイズと、前記第2の位置決定手段によって決定された前記ダミーマークの位置および方位・傾きを示す位置および方位・傾き情報とを記録したマークを作製するマーク作製手段と、
前記マーク作製手段によって作製されたマークを印刷する印刷器とを備えるマーク作製装置。
【請求項2】
前記第1の位置決定手段は、前記第1の画像を処理して前記基準マークの実際のサイズと前記第1の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第1の画像のサイズとのサイズ比を演算し、その演算したサイズ比が前記基準マークから前記第1の画像への縮小率に一致することを用いて前記第1の距離を検出し、
前記第2の位置決定手段は、前記第2の画像を処理して前記ダミーマークの実際のサイズと前記第2の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第2の画像のサイズとのサイズ比を演算し、その演算したサイズ比が前記ダミーマークから前記第2の画像への縮小率に一致することを用いて前記第2の距離を検出する、請求項1に記載のマーク作製装置。
【請求項3】
前記撮影器から前記基準マークまでの直線が前記基準マークと成す仰角および水平角を測定する方向測定装置をさらに備え、
前記第1の位置決定手段は、前記方向測定装置によって測定された仰角および水平角を用いて前記撮影器の位置および方位・傾きを補正し、
前記第2の位置決定手段は、前記補正された撮影器の位置を用いて前記ダミーマークの位置を決定する、請求項1または請求項2に記載のマーク作製装置。
【請求項4】
前記撮影器の位置および方位・傾きを測定する位置測定装置をさらに備え、
前記第1の位置決定手段は、前記位置測定装置によって測定された位置および方位・傾きを用いて前記第1の方向情報を補正し、その補正した第1の方向情報を用いて前記撮影器の位置および方位・傾きを決定する、請求項1または請求項2に記載のマーク作製装置。
【請求項5】
前記撮影器に対して前記基準マークが存在する方位を測定する方位測定装置をさらに備え、
前記第1の位置決定手段は、前記方位測定装置によって方位を用いて、前記決定した前記撮影器の位置および方位・傾きを補正し、
前記第2の位置決定手段は、前記補正された撮影器の位置および方位・傾きを用いて前記ダミーマークの位置および方位・傾きを決定する、請求項1または請求項2に記載のマーク作製装置。
【請求項6】
前記基準マークは、各々が位置および方位・傾き情報と実際のサイズとを含む複数の基準マークからなり、
前記撮影器は、前記複数の基準マークを撮影し、
前記第1の位置決定手段は、前記複数の基準マークの画像である複数の第1の画像を処理することによって、前記撮影器から前記複数の基準マークまでの複数の第1の距離と、前記複数の基準マークに対して前記撮影器が存在する向き・傾きに関する複数の第1の方向情報と、前記複数の基準マークの複数の位置情報とを検出し、その検出した複数の第1の距離、前記複数の第1の方向情報および前記複数の位置情報とに基づいて前記撮影器の位置および方位・傾きを決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマーク作製装置。
【請求項7】
前記複数の基準マークは、前記撮影器の位置を決定するときの精度に対応して付与される等級をさらに含む、請求項6に記載のマーク作製装置。
【請求項8】
撮影器が、実際のサイズおよび位置および方位・傾き情報が記録された基準マークを撮影する第1のステップと、
位置決定手段が、前記撮影器によって撮影された基準マークの画像である第1の画像を処理することによって、前記撮影器から前記基準マークまでの距離である第1の距離と、前記基準マークに対して前記撮影器が存在する向き・傾きに関する第1の方向情報と、前記基準マークの位置情報とを検出する第2のステップと、
前記位置決定手段が、前記検出した第1の距離、前記第1の方向情報および前記基準マークの位置情報に基づいて前記撮影器の位置および方位・傾きを決定する第3のステップと、
前記撮影器が、実際のサイズが記録され、かつ、所望の位置に配置されたダミーマークを撮影する第4のステップと、
前記位置決定手段が、前記撮影器によって撮影されたダミーマークの画像である第2の画像を処理することによって、前記撮影器から前記ダミーマークまでの距離である第2の距離と、前記ダミーマークに対して前記撮影器が存在する向き・傾きに関する第2の方向情報とを検出する第5のステップと、
前記位置決定手段が、前記検出した第2の距離、前記第2の方向情報および前記撮影器の位置情報に基づいて前記ダミーマークの位置および方位・傾きを決定する第6のステップと、
マーク作製手段が、前記ダミーマークの実際のサイズと、前記第6において決定された前記ダミーマークの位置および方位・傾きを示す位置および方位・傾き情報とを記録したマークを作製する第7のステップと、
印刷器が、前記第7のステップにおいて作製されたマークを印刷する第8のステップとを備えるマーク作製方法。
【請求項9】
前記第2のステップは、
前記位置決定手段が、前記第1の画像を処理して前記基準マークの実際のサイズと前記第1の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第1の画像のサイズとのサイズ比を演算する第1のサブステップと、
前記位置決定手段が、前記演算したサイズ比が前記基準マークから前記第1の画像への縮小率に一致することを用いて前記第1の距離を検出する第2のサブステップとを含み、
前記第5のステップは、
前記位置決定手段が、前記第2の画像を処理して前記ダミーマークの実際のサイズと前記第2の画像のサイズとを検出し、その検出した実際のサイズと第2の画像のサイズとのサイズ比を演算する第3のサブステップと、
前記位置決定手段が、前記演算したサイズ比が前記ダミーマークから前記第2の画像への縮小率に一致することを用いて前記第2の距離を検出する第4のサブステップとを含む、請求項8に記載のマーク作製方法。
【請求項10】
前記第1のステップから前記第6のステップは、前記撮影器の位置を変えながら繰り返し実行される、請求項8または請求項9に記載のマーク作製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2008−311789(P2008−311789A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155680(P2007−155680)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】