説明

ミクロ構造を持つ金属箔

【課題】自動車の排ガスシステム内の高い熱及び動荷重に耐える、特に触媒活性素材の担体を提供。
【解決手段】金属箔が、金属箔1の内側領域3に配置した、少なくとも1つのスリット2を含み、この少なくとも1つのスリット2が、少なくとも1部、その金属箔1の表面構造5から突出しているミクロ構造を有しており、この少なくとも1つのスリット2が少なくとも1つのエッジ領域6に凹所を有していることを特徴とする、少なくとも1つのスリット2を含んでいる金属箔1とする。担体は構成は、少なくとも部分的に構造化した金属箔1より成り、それらを流体貫流可能に積層し及び/又は巻回し、その際それらの金属箔1を上記したようにして形成した、少なくとも自動車の排ガスを浄化する構成部材用担体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属箔、特に自動車の内燃機関の排ガス浄化のため、金属箔の内部領域内のみに延び、少なくとも部分的に該金属箔の表面構造から突出するミクロ構造を制限する、少なくとも1つのスリットを含む触媒活性素材の担体として使用される金属箔に関する。
【0002】
例えばオットーエンジンやディーゼルエンジン等の自動車用内燃機関の排ガスを処理する際に、比較的大きな表面積を提供する排ガス管内に構成部材又は構造物を配置することは周知である。これらの構成部材は通常吸着性で、触媒活性な或いは類似の他の被覆を備えており、その際それらの構成部材の大きな表面積の故に、流過する排ガスと緊密な接触が実現される。このような構成部材には例えば排ガス中に含まれる粒子を濾過して除く濾過素子、排ガス中に含まれる有害物質(例えばNOx)を少なくとも時間の制限下に蓄積する吸着装置、触媒コンバータ(例えば三元触媒、酸化触媒、還元触媒その他)、その流れに作用する、つまり貫流する排ガスの乱流に対するディフューザ、或いは内燃機関の寒冷時始動直後の排ガスを所望の温度に加温する加熱素子がある。自動車の排ガスシステム内の使用条件に関し、以下に述べる担体基板、即ちセラミックス製ハニカム体、押出成形ハニカム体及び金属箔より成るハニカム体が主として好適であることが実証されている。担体基板がその機能に常に適合できるという事実の故に、耐高温性で、耐食性の金属箔は、特に好適なその出発材料として用いられる。
【0003】
少なくとも部分的に構造化された複数の金属箔でハニカム体を製造し、これを引続きケーシングに入れ、こうして単数又は複数の上述した被覆を施すことができる担体を形成することは公知である。その際それらの一部構造化した金属箔は、基本的に互いに並列するチャネルが形成されるように配置されている。これを保証するため、例えばそれらの金属箔の一部が、とりわけ規則的に反復する構造において優れている一次構造を備えており、特に正弦波形、鋸歯構造、長方形の波形、三角形の波形、オメガ波形等々の形を備えている。それらの一次構造を備えた、場合によっては平坦な中間層と交互する金属箔は、上下に積層され、互いに接合され、1ケーシング内に装入されている。こうして基本的に互いに並列なチャネルを有する1個のハニカム体が形成される。
【0004】
更に、排ガスがハニカム体に入ると直ちに層流が形成され、その際このようなチャネルの中心にある部分排ガス流の領域のガスの交換が、例えば触媒活性なチャネル壁面の範囲で行われなくなることを特に阻止するため、二次構造をこの種の金属箔内に入れることは公知である。この二次構造ないしはミクロ構造は、このようなチャネルの内部で部分排ガス流に一種の乱流を惹起させる、流れに逆らう表面を形成する。これが部分排ガス流自体を激しく混合させ、その結果排ガス中に含まれる有害物質がチャネル壁面と緊密に接触することを保証する。更にこのような二次構造により、チャネルに横方向の流路を形成することが可能となり、それらは隣接するチャネル内の部分排ガス流との気体交換を可能にする。この理由から、例えば案内面、ミクロ構造、突起、突出部、翼、タブ、孔等々から成る二次構造が公知である。このような金属製のハニカム体を製造した場合、セラミックス材料から成るものに比べて明らかにその多様性が著しく高められる。このような複雑なチャネル壁面は、特に高額の技術的費用なしでは実現不可能のものである。
【0005】
更に排ガス処理時に、エンジンの始動後、ほぼ即座に排ガス中に含まれる有害物質の成分置換を行うことは特に重要である。その際これは、法律上の規定又は方針によれば、特に高効率で行われるべきである。このため、従来益々薄い金属箔が使用されてきた。極めて薄い金属箔は表面固有の極く低い熱容量を生じ、これは流過する排ガスに熱を奪われることが比較的少なく、又はそれらの金属箔自体が比較的急速に温度上昇することを意味する。このことは排ガスシステム内に目下使われている触媒活性な被覆が約230〜270℃の一定のエンジン始動温度で、初めて有害物質の成分置換を開始する故重要である。この温度を目標とし、僅か数秒後に、既に有害物質を少なくとも98%の効率で置換すべく、例えば20μm以下の厚さの箔が使用されてきた。
【0006】
しかし上述の目標設定により、一連の製造及び施工技術上の問題が生ずる。このような針金細工の構造、特に二次構造又はミクロ構造の製造は、通常極めて高価で、そのため長期の耐用期間を実現すべく、特に的確に作動する工具を必要とする。その際一方では成形工程を、また他方では、場合によっては切削工程を実施せねばならない。工具の費用を節約すべく、できるだけ多くの加工工程を1つの工具に統合して行わせ、その二次構造の形状の故に、当該工具の磨耗を検査する必要がある。更に、この比較的に薄い金属箔を、不所望な冷間加工に曝すことのないよう、適切な速度で送らねばならないという問題がある。常温での加工による硬化は、金属箔の成形特性に悪影響を及ぼし得る。
【0007】
その上、素材の厚さが薄いため、金属箔に折り皺、巻き上がり及び/又は亀裂が入り易い等の危険性がある。これら不所望な変形は、既にその製造時にも、また搬送時又は自動車の排ガス装置内での使用中にも起こり、また増大する。折り皺は、例えば自動車の排ガスシステム内の高い熱及び動荷重で伝わり、時には流路を詰まらせ、又は亀裂を形成し、ハニカム構造の整合性に危険を及ぼす。更にこのように折り皺をつけられ又は変形された一次及び/又は二次構造が不所望に排ガスに妨害されて、ハニカム体に対する背圧の上昇を起す可能性があり、これは場合によってはエンジンの出力を低下させる原因になる。
【0008】
この点から出発し、本発明の課題は、自動車の排ガスシステム内の高い熱及び動荷重に耐える、特に触媒活性素材の担体を提供することにある。複雑に組立てられ、また比較的簡単には曲らない大きな表面を備えてはいるが、耐久性の金属箔を提供することで、特に冒頭に記載した技術上の問題を克服する。排ガスの浄化に特に有効な装置を備えるため、特に担体の内部でその金属箔の構造を、出きるだけ長期間維持して使用できるよう保証する必要がある。
【0009】
これらの課題は、請求項1に記載の特徴を有する金属箔及び請求項10に記載の特徴に基づくこの種の金属箔でできた担体により解決される。他の有利な形態は、各従属請求項に記載してある。その際請求項に個々に記載の特徴は任意に、有効に組合せ可能である。
【0010】
即ち、本発明による金属箔は、その内側領域内に、金属箔の表面構造から突出するミクロ構造を部分的に制限する少なくとも1つのスリットを持ち、この少なくとも1つのスリットが、そのエッジ領域の一部に凹所を有することを特徴とする。
【0011】
まず第1に、複数又は多数のスリットがこの金属箔内に存在可能であり、少なくともその1つが金属箔の内側領域内に延びている。これは特に、スリットが金属箔の縁と接触しておらず、即ち金属箔の素材により完全にそのエッジを囲まれていることを意味する。但し、スリットを複雑に形成することもでき、即ち一方向だけに延ばさず、即ちI字形の替わりに、例えばV、W、T、X字等に類似の形に延びていてもよく、その場合、複雑なスリットのエッジ領域の2つの箇所に、全てに凹所を備えることも可能である。特に完全に金属箔の内側領域内にあるスリットは、一方では金属箔自体による流体の交換を可能にすべく、また他方では、冒頭に記載したように、そのスリットがミクロ構造又は二次構造を形成すべく、その素材中に入れられる。ミクロ構造とは、通常、金属箔内又は金属箔上に局所的に限定されて存在し、特に、突起、波形、上方への湾曲等を意味する。それらのミクロ構造は、例えば突起、翼、エッジ又は類似の構造で形成できる。それらのミクロ構造は、特に金属箔の表面に沿って運ばれる流体の流れに、通常金属箔内又は金属箔上に局所的に制限して、渦巻き帯域又は沈静帯域を生じるよう作用し、こうして時には、その流体に渦流を生じさせ、時には流動速度の低下させる役目をする。このようなミクロ構造の作用や形態に関しては、その内容が完全に本発明と関連している、例えは国際特許出願公開第01/80978号パンフレットを参照されたい。
【0012】
ミクロ構造の他に、更にその金属箔は所謂、表面構造又は一次構造を有する。これは、金属箔自体が平面ではなく、重なった構造を有することを意味する。周知の通り、自動車の排ガスシステム内で触媒活性成分の担体として使用される金属箔は、この箔が他の金属箔と共に担体に形成されている場合、多数のチャネルを形成する表面構造を備える。通常これらの表面構造は、波形或いはジグザク形にも形成される。波形の場合、例えば一種の正弦波形又はオメガ状の波形が特に好適である。これら表面構造は通常金属箔又は結果として生じた担体の全長に亘って延び、その際場合により、表面構造の高さ又は幅において、連続的に或は急激に変化するものであることも公知である。即ち、要約すると、この場合、その表面構造は、流体貫流可能なチャネルを担体の軸方向に形成する役目をし、一方、ミクロ構造は、その最重要用件として、この表面構造により形成されたそれらのチャネルの内部で、流れに影響を及ぼすと言う考え方から出発する。従って、ミクロ構造は、かかるチャネルの内部領域内に達し、チャネルを許容するよう、それより大きくもまた高くもなく形成すべきである。このチャネルの形に応じ、ミクロ構造は任意の箇所から、即ち底面と側面から、さもなければ天井範囲からも、その内部領域に達する。
【0013】
本発明は、スリットが少なくとも縁の一部に、凹所を持つことを提案する。該スリットの縁領域の全てに凹所、特に同形の凹所を形成してもよい。通常、このスリットは、線状(I字形)の形をしている。これは、通常それらのエッジ領域が尖っているか極めて小さい半径(例えば0.05mm以下)で突出していることを意味する。この種スリットは、通常スタンピング製造法により形成され、真直ぐにI字形に延びている。
【0014】
ミクロ構造を製造すべく、スリットの直近に存在する金属箔の範囲を、適切な工具で、例えば案内面が生ずるよう上向きに湾曲させる。この曲げ操作で、スリット周囲のエッジ領域内の材料は、著しい荷重を受ける。こうして、金属箔の熱及び動的挙動を変化させる例えば冷間加工プロセスが、スリットの周りで生ずる。自動車の排ガスシステム内で用いるこの種案内面又は金属箔に部分的に作用する著しい負荷は、スリットのエッジ領域内に著しい切欠きを形成し得る。スリットのエッジ領域から始まり、更に金属箔の素材内に延びる亀裂は、この担体の機能全体を危険に曝すが、剥れた断片は、貫流する排ガス流により著しく加速され、排ガス浄化のため後方に配置された構成部材に衝突する。その場合もまた、この断片がチャネルを塞ぎ、気孔を詰まらせ、素材を剥し、被覆等を破壊する。
【0015】
この作用は、スリットの少なくとも1つのエッジ領域内に凹所を設けることで確実に回避できる。この凹所は、切欠き効果が部分的であっても、金属箔に著しく変形した範囲が生じないよう、比較的大きな半径を持つ。特にスリットがエッジ領域の何れにも、この凹所を1つずつ備えるとよい。その際、例えば交叉したスリットを設けることができ、各末端範囲にこの種凹所を設けると有利である。この凹所とは、換言すれば、線状のスリットの拡大を意味し、従って末端範囲内に拡大されたスリットが設けられる。そのため丸い断面、丸みをつけた最終側面を持ち、比較的幅広の切欠き、アンダーカット又は類似の形が提供される。更に凹所は、単数又は複数の屈曲した或いは角度をつけた末端範囲を備えたスリットの形にも形成可能である。その際当該エッジ領域は、凹所に関しては、種々の形に形成し得る。この種凹所を持つスリットの製造は、切削仕上げ法、例えばレーザ光線による切断、スタンピング、圧縮又は類似の方法により容易に金属を切削できる。
【0016】
更に金属箔の表面構造が、長手方向に延びる波の山と波の谷を持ち、波に似た形を有するとよい。波に似た形は、特に金属箔を一端から見て正弦波に見える形を含む。波の山又は谷は、特に金属箔の軸の全長に亘って延び、それらは互いに並列して走っている。
【0017】
その際波に似た形を、波長と波高により表すことができると特に有利である。波長に対する波高の比率は、3.0〜1.0、特に2.5〜1.1、有利には2.0〜1.3の範囲である。ここで波の山と谷は、通常、波の最高点と最深点を意味する。波長は、その表面構造、例えば2つの直接隣り合う波の山又は谷の間のような、表面構造の2つの直接隣り合う類似した極値間の間隔を言う。波高は、2つの異なる極大値の差、例えば波の山から谷への高さの差を言う。通常、波高と波長は互いに垂直に測定される。その際、基本的に波高又は波長に関し、製造技術上の観点から回避不能の偏差が生じる。ここに挙げた特有値は、統計上の平均値を意味し、製造技術上の許容誤差を常に考慮する必要がある。
【0018】
ここに挙げた波長の波高に対する比率は、金属箔の変形度を表す指標でもある。金属箔が、まず第1に基本的に平らであり、次いで、例えば波形圧延処理で表面構造を付与するなら、波長の波高に対する比率が小さい、例えば2.0以下であることは、波の山又は谷が相対的に緊密に並列に配置されることを意味し、他方、波の山の谷に対する高さの差が大きいなら、極めて急勾配な側面を持ち、狭いチャネルが形成されることを意味する。このように著しく変形した金属箔では、製造時に既に、材料が疲労する危険性が存在し、そのため例えば工具の増大する摩滅で、後に拡大する危険のある亀裂が生じ得る。従ってこの金属箔のスリットのエッジ領域内に凹所を配置することが特に重要である。
【0019】
もう1つの形態では、ミクロ構造が金属箔の表面構造から形成され、特に長手方向に、好適には10〜35°の範囲の角度をなす傾斜した案内面を含む。かかる案内面は、部分流を金属箔の表面から削ぎ取り、所望の範囲に向けるのに適する。この案内面については、独国実用新案第20117873号明細書を参照されたい。
【0020】
もう1つの形態によれば、金属箔は、各々1つのミクロ構造を少なくとも部分的に制限する2つのスリットを持つ。これは、換言すれば、ミクロ構造の少なくとも1つが、2つの方向を一対のスリットにより制限され、その際、その間にある金属箔の範囲が全般の表面構造に比べて際立ち、突出しているか、その他の方法で変形されたことを意味する。この場合、通常、例えば排ガスの流れ方向に左程傾斜せずに配置される面が形成され、こうしてガス流に比較的僅かな分流が生じる。これは、このようなミクロ構造が比較的僅かな流れ抵抗を示すことから、生じた圧力損失に有利な作用をもたらす。
【0021】
金属箔のもう1つの形態では、少なくとも1つの凹所が角に丸みをつけた形、特に少なくとも0.1mmの曲率半径を持つ円弧の形を持つ。0.1mm以上、特に0.2mm以上の曲率半径で、亀裂の形成や拡大が明らかに低下することを実験的に確認した。その理由は、単純なスリットと比べて、使用中の金属箔の材料応力が30%以下の範囲で低下することにある。このスリットのエッジ領域の応力の削減は亀裂の形成を阻止する。
【0022】
この金属箔のもう1つの形態では、金属箔の長手方向に並列する線(列)内及び/又は長手方向に対し横の列に多数のミクロ構造を配列する。特に、ミクロ構造を波の山又は谷に存在するよう配置するとよく、その際、波の山に配置したミクロ構造が、波の谷へと及び、また波の谷に配置したミクロ構造が波の山へと延びる。換言すれば、このような金属箔を平らな土台上に配置した場合、ミクロ構造が、各々波の山と谷の何れかにより限定された2つの平面内に配置されることを意味する。従って、ミクロ構造は、担体の場合、後に流れ溝の内部に配置される。その相互の配置について、場合によっては又は列の片寄りが、金属箔の長さ又は幅に関しても起こり得る。
【0023】
更に、金属箔を耐熱性に富み、かつ耐食性のアルミニウム及びクロムを含む鋼から形成するとよい。その場合金属箔が、好ましくは0.015〜0.15mm、特に0.03〜0.08mmの厚みを持つことを推奨する。それとは異なり、ニッケルベース又はその合金を含む金属箔を使用することも基本的に可能である。ここで挙げた材料は、自動車の排ガスシステム内で腐食条件下に使用するのに適する。この場合、金属箔の厚さは、排ガスシステム内での金属箔の使用箇所又は目的に応じ選択できる。基本的に比較的厚い金属箔は、熱容量が大きく、従ってこの金属箔は、例えば蓄熱器としても使用できる。更にその箔の厚さが増すと、当然安定度の上昇が結果として生じ、従って当該金属箔は、特に高い動荷重に曝し得る。約0.015〜0.05mmの範囲内の比較的薄い金属箔は、比較的僅かな熱容量しか持たず、従ってこの箔は例えば素早く環境温度に適応する。これは、このような金属箔が、その内燃機関の常温始動後に流過する排ガスにより急速に暖められ、こうして、その上に塗布されている触媒を迅速に活性化できることを意味する。
【0024】
もう1つの形態では、そのミクロ構造の表面構造からの波高の高さが、0.3〜0.95(30%〜95%)の範囲内、特に0.5〜0.8(50%〜80%)範囲内の最長の波高の高さを有する。これは、換言すれば、ミクロ構造が金属箔の表面構造から明らかに認識可能に突出していることを意味する。こうすることのみが、通常、金属箔を層流の形で流過する排ガス量を、乱流に変換することを可能にする。
【0025】
本発明のもう1つの形態では、少なくとも一部構造化した多数の金属箔製の排ガスを浄化する構造部材用の担体を提案する。その際金属箔は、担体を流体が貫流可能に積層し及び/又は巻回してなり、複数の金属箔の少なくとも1つが、前記の金属箔からなる。
【0026】
これに関連し、担体は金属箔の表面構造により少なくとも部分的に形成された、主に長手方向に延びる多数のチャネルを有し得る。その際少なくとも1つのミクロ構造は、流体が担体を貫流する際に、隣接するチャネルへと向かわせるべく、特に流体の流れに影響を及ぼす手段となる。換言すれば、このようにして、1つの流れの影響が、少なくとも部分的にチャネルの長手方向又は排ガスの主流の方向に対し斜め又は垂直な方向に行われる。その際このミクロ構造は、流れに影響を及ぼす複数の手段を備えてもよい。こうして、そのミクロ構造を、例えばその突起、開口、段部、折返し等により排ガスに一定の偏向を生じさせる案内面により形成することも可能である。
【0027】
更に、担体が、15.5〜155個/cmの範囲のチャネル密度、特に46.5〜93個/cmの範囲内のチャネル密度を有するとよい。その場合それらの金属箔は、波長に対する波高の比率が2.0〜1.3の範囲であると好ましい。
【0028】
更にもう1つの担体の形態では、担体は、その長手方向に垂直な横断面上に、少なくとも長手方向の一部範囲内に、一様なミクロ構造の分布を有する。この担体の排ガスの主流方向とその担体を横断してほぼ一致する担体の長手方向に、多数のチャネルが特に配向される。1断面がチャネルに垂直であると考えれば、当該チャネルは1種のハニカム構造と認識できる。このような断面に関して、統計的意味でミクロ構造が一様に分布することを提案する。これは、換言すれば、隣接するミクロ構造へのほぼ同じ間隔が与えられ及び/又は各々一定数のチャネルだけが単位断面積当たりに配置されることを意味する。これは、金属箔又は担体に特に均一な負荷を生じ、ピーク応力を低下できる。
【0029】
更に、1断面内に多数のミクロ構造を担体の長手方向に垂直に配置し、その際、ミクロ構造を、貫流する流体が部分的に異なる方向に向かうように形成するとよい。これは、特にこの断面の一部範囲に、ミクロ構造により、放射状に外側に向かう偏向が可能であり、それに対し、隣接する断面の一部範囲内には、この流体又は排ガスの方向変換を、逆方向に斜め又は屈曲した方向に行えることを意味する。
【0030】
ミクロ構造の配向又は結果として生ずる担体を貫流する流体の偏向は、主に担体自体内の金属箔の配置によっても決定される。従って渦巻状に巻回した金属箔の場合、通常放射方向のみに偏向が起り、一方金属箔を積層又は単純に曲げ、巻き込んだ形、S字形又は類似の配置の場合には、ミクロ構造の異なる方向付けが隣接する範囲内に可能になる。かくして、明らかに一層複雑に流れを混合する型が結果として生じる。
【0031】
更に、担体は、少なくとも1つ金属箔に加え、付加的に以下に記載する一群の要素の少なくとも1つを含んでいてもよい。即ち、 特に主として金属箔の表面構造の極値部に密接し、好ましくはこれと接合している少なくとも1つの平坦な金属層、 特に主として金属箔の表面構造の極値部に密接し、好ましくはこれと接合している少なくとも1つの多孔性の繊維層、 この担体を少なくとも1つの区間内で囲んでいる、少なくとも1つのケーシング、 担体を少なくとも1つの接合領域内で囲んでおり、かつケーシングに接合する役目をする、少なくとも1つのスリーブ、 担体の少なくとも1つの領域内に施された少なくとも1つの被覆および/又は 少なくとも1つの測定装置。
【0032】
平坦な金属層に関しては、周知の如く平坦な金属層と構造化した金属箔とを交互に積層し、こうして各チャネルを制限することができる。平滑な金属層と構造化した金属箔の、かかる積層を、引続きそれらが所望の担体の形を持つよう巻付け又は屈曲させ得る。担体の形として、円形、楕円形、多角形並びに円筒形、円錐形、長方形の公知である。
【0033】
気孔のある繊維層を備えることは、特に、この担体を排ガス流中の粒子又は他の固体、液体又は気体状の構成要素のフィルタとして使用する場合に有効である。この点についても、独国実用新案第20117873号明細書を参照されたい。この明細書は、気孔のある繊維層に関しても報告している。
【0034】
平坦な金属層又は気孔のある繊維層を金属箔と接合する技術として、一般に全ての公知の接合技術が採用できるが、特に溶接或いはろう接が適している。
【0035】
金属箔の担体又は積層体の周りを囲み、ケーシングに接合する機能を持つ補助的箔を特徴とするスリーブについて説明する。こうすると、チャネルを形成する金属層又は金属箔のケーシングへの直接の噛み合いによる接合を防止できる。スリーブの機能については、例えば国際特許出願第01/79670号パンフレットの開示内容を参照されたい。
【0036】
被覆は各々担体の機能に応じて選択可能である。即ち、排ガス中に含まれる有害物質を触媒的に変換する、主に貴金属、金属又は希土類で形成された被覆が公知である。更に一種の蓄積機能を提供する被覆は、特に窒素酸化物が一般的である。被覆を、金属箔の表面積の更なる拡大のために使用でき、その場合、通常ウオッシコートが使用可能である。このような被覆を少なくとも担体の1領域内に設け得る。その場合、特に担体は、 例えば種類、層厚、表面が平らではない等に関して異なる被覆及び/又は 極く一部に被覆を備えており、その場合この領域が担体の内側領域内に周囲の面に接触することなく存在していても、また付加的に、或いは別法で軸の長さの一部だけに延びている被覆を有することを意味している。
【0037】
測定器、特にセンサ等を備えると、例えば担体の機能の点検に役立つ。センサとして、特に、所謂ラムダゾンデ又は温度センサが多様に使用され、その場合排ガス中又は担体内に存在する測定値は、通常ケーシングを経てエンジン制御又はその他の制御ユニット又は調整ユニットに転送される。
【0038】
最後に、上記の担体を、次に挙げる排ガス浄化用構成部材の群、即ち 触媒コンバータ、流れ撹拌機、吸着装置、粒子トラップの構成要素として、排ガス装置内に使用することを提案する。
【0039】
触媒コンバータ、流れ撹拌機、吸着装置又は粒子トラップの異なる使用範囲や形状は、この分野の専門家に公知であり、従ってここに記載の各排ガスシステム内の構成要素として、各々の課題に適合させることは、通常容易に可能である。担体に対する熱及び動荷重が常に高く、またミクロ構造のスリット内の亀裂の拡大を、この場合明らかに削減でき、従って、これまで挙げてきた全ての構成部材の寿命は明らかに延びる。こうして、排ガス浄化に関する法的に要求される限界値を、高い整備又は修理の費用をかけずに長期に亘って保持することができる。
【0040】
本発明を図面に基づき以下に詳述する。この場合図面は特に優れた、好適な実施例を示すものであるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0041】
図1は、ミクロ構造を持つ金属箔の一部を、概略的に斜視図で示す。金属箔1は、ここに図示した部分断面内に、2つのスリット2で部分的に囲まれたミクロ構造4を含み、前記スリット2は金属箔1の内側領域3内のみに延びている。このミクロ構造4は、金属箔1の表面構造5から突出している。表面構造5は、波の山9と谷10で形成されている。スリット2のエッジ領域6は、次の図面2−1、2−2及び2−3に拡大して示す。
【0042】
図2−1、2−2及び2−3は、スリット2で境界付けられたミクロ構造4の細部を示す。スリット2は、ミクロ構造4が金属箔1の表面構造5から突出するよう形成することを可能にする。ここで図2−1は、エッジ領域6を単純なスリット2として示し、本発明による凹所7のない形に対応する。エッジ領域6にある尖端の移行部は切欠きを持ち、従ってミクロ構造4が金属箔1に向かって相対移動する際、スリット2の連続的な拡大が起こる。従って最終的にミクロ構造4全体が金属箔1から分離する危険がある。これを回避すべく、凹所7をスリット2のエッジ領域6に設ける。図2−2の凹所7には、特に0.2〜0.4mmの範囲内の曲率半径16を有する円弧15を形成している。図2−3は、凹所7をアンダーカットとして示す。切欠き効果を削減する別の凹所7の形も同様に使用できる。
【0043】
図3は、本発明による担体に組立て可能な、ミクロ構造4を持つ2枚の金属箔1の配置を斜視図で概略的に示す。それらは同様にまた、全長に亘り主に長手方向に延びる波の山9と谷10のある表面構造5を有する。金属箔1の当該ミクロ構造4は、「相互に」及び「同じ方向に」配列している。「相互に」とは、ミクロ構造4が互いに上方及び下方に、この金属箔1の表面構造5に対し長手方向(8)に見られる如く、延びていることを意味する。「同じ方向に」とは、ミクロ構造4の境界を定めるスリット2が同一の方向を指し示し、ミクロ構造4の前方に突出しているか、ミクロ構造を、上流に向かい制限していることを意味する。このミクロ構造4は、開口45を有する案内面13として形成されている。案内面13は、主に長手方向8に経過する流れを斜め方向47に逸らす作用をする。スリット2のエッジ領域6内でも、やはりその凹所7は明らかな拡大を示している。
【0044】
図4は、担体21の実施形の細部を濾過体又は粒子トラップとして、斜視図で、断面を示している。2つの互いに隣接して配置された金属箔1を、それらの間に配置した繊維層27と共に示す。矢印25で示す流れ方向を変えるため、金属箔1は複数の案内面13を持つ。こうして、排ガスが、そこに含まれる粒子46と共にフィルタ層27に浸透し、その結果粒子46は繊維層27の表面上又は内部に、それらが気体状成分に置換可能となるまで保持される。そのため断続的な再生が著しい熱の供給或いは連続的な再生がCRTプロセスにより行われ、その際前記粒子がフィルタ本体中に滞留する時間を、化学反応に必要な反応相手が存在し得る長さに延長するとよい。
【0045】
ミクロ構造4又は案内面13は、金属箔1の表面構造5から突出している。長手方向8に斜めの配置を持ち、その際10〜35°の範囲の角度14を有する。案内面13又はミクロ構造4は、表面構造5から、波高に関し0.3〜0.95の範囲の最大限の高さ20を持つ。スリット2のエッジ領域6内に、同様に凹所7を設けている。この金属箔1は、流体の流れ方向(矢印25)に貫流可能なチャネル22を形成する表面構造5を持つ。
【0046】
図5は、流れ方向(矢印25)に排ガスが貫流可能なチャネル22を形成する複数の金属箔1を持った担体21を縦断面図で示す。ここに図示した担体21は、流れ撹拌機として働き、流れて来るほぼ放物線形の排ガス流の流れの輪郭48を均質化する機能を持つ。担体21は、排ガスが隣接するチャネル22内に流入可能な開口45を形成するミクロ構造4を持った複数の金属箔1を有する。その際、担体21内のミクロ構造4の配置は、一部領域23内に、断面24(図示せず)の上に、長手方向8に対し垂直に、ミクロ構造4の一様な分布生じるよう選択している。金属箔1又は担体21は、区間29内でケーシング28で囲まれ、ここでは、区間29は、担体21の軸の長さ全体を包含しており、その上にケーシング28は、担体21の軸の長さを越えて延びている。金属箔1のケーシング28への接合は、比較的中心部に配置した接合領域32のスリーブ30で行われる。
【0047】
図示の担体21、即ち流れ撹拌機は、その他に被覆31を備えた領域33を持つ。但しこの領域33は、区間29と同様、担体21の軸の全長に亘り延びていてもよい。
【0048】
図6は、1断面内にケーシング28を持つ担体21のもう1つの形を示す。この場合、金属箔1は、S字形にうねりかつ構造化した金属箔1と、平坦な金属層26とからなる。金属箔1と平坦な金属層26の表面構造5は、共にミクロ構造4又は案内面13が突出したチャネル22を形成する。ミクロ構造4又は案内面13は、それに対し横方向に、この図では矢印25で示す、特に断面24内に横の流れが生じるよう、担体21を貫流する流体を偏向させる。金属層26又は金属箔1の好適には全ての末端部は、同様に表面構造5を有するスリーブ30と接合されている。スリーブ30は、担体21の外側輪郭の周囲全体に配置されている。スリーブ30をケーシング28と部分的に接合することで、また場合によっては(軸及び/又は周囲の方向に)金属箔1又は金属層26をずらして接合することで、ケーシング28と金属箔1又は金属層26の異なる膨張挙動を調整できる。
【0049】
図7は、自動車用排ガス浄化装置の構造を示す。自動車は内燃機関40を持ち、燃料としてガソリン、ディーゼル燃料、ナタネ油又はその他のエネルギー源を使用できる。気筒容積43(又は燃焼室)内で排ガスを生じるが、これが最終的に環境に放出される前に、場合によっては以下に記載する構成部材を通過する。
内燃機関40の吸引した空気を圧縮するターボチャージャ42、
測定装置34付き流れ撹拌機37、
粒子トラップ39、
触媒コンバータ36、
吸着装置38、
もう1つの触媒コンバータ(例えば三元触媒コンバータ)、
互いに排ガス管41により接合された、排ガスを浄化するための個々の構成要素。
燃焼作用又は排ガス装置35又は内燃機関40の作用に影響を及ぼすデータは、エンジン制御装置44に転送される。
【0050】
図8は、本発明による金属箔の製造に使用可能な製造工程を概略的に示す。
工程(A):基本的に平滑な金属箔1から出発し、その金属箔1の内側領域3内にある列18及び/又は線17内にスリット2を入れる。その際スリット2は、スリットのエッジ領域6の各々に凹所7を持つように形成する。
工程(B):このように前処理した金属箔1を成形する製造プロセス。例えば波形圧延を施し、表面構造5を形成する。図示の表面構造5は、互いに並列して延びる波の山9と谷10を持つ。この表面構造5又は波に似た形状は波長11と波高12をパラメータとして表示できる。図示の金属箔1の実施形態では、波長11の波高2に対する比率は約3.0である。
工程(C):図8Cは、そのミクロ構造4を形成する第2の成形仕上げプロセス後の金属箔1を示している。波の山9上又は波の谷10内に配置したスリット2は、ミクロ構造4の境界を定めるべく形成され、かつ金属箔1の素材中で折り返されている。この折返しにより、開口45を有する案内面13が生じ、波の谷10を始点とする案内面13は上方へと延び、また波の山9を始点とする案内面13は下方に突出している。
工程(D):この最終段階で、波長11の波高12に対する特に低い比率が形成される。その際例えば、表面構造5が明らかに比較的小さい波長11を持つよう、金属箔1を圧縮してもよい。この金属箔の製造に関しては、独国特許第10304814号明細書を参照されたい。
【0051】
図9は、流体の流れ(矢印25で概略的に図示)に旋回を生じさせる、ミクロ構造4を持つ金属箔1の細部を斜視図で示す。金属箔1の内側領域3内に配置した少なくとも1つのスリット2を有する金属箔1を示しており、スリット2は、少なくとも部分的に金属箔1の表面構造5から突出するミクロ構造4が、球面領域53を形成することを特徴とする。該球面領域53又は形成されたその面は、流れてくる流体や排ガスに、しばしば薄層の形で流れ、一方向に単純に偏向するばかりか、少なくとも1回旋回し、回転又は渦巻く糸状の流れを生じさせる。一方この糸状の流れがチャネル壁に向かって著しく偏向を生じた場合、チャネル内に著しい圧力損失を生ずる原因となるが、球面領域53により対応して励起させた後に、チャネル内の流体の螺旋状の流れにより、圧力損失は明らかに低下する。この圧力損失は、自動車の構造内で重要な意味を持ち、エンジンの出力に直接影響を及ぼす。この場合、球面領域53のあるミクロ構造4を持つ金属箔1を、本発明によるスリット2をエッジ領域6の凹所7に関係なく製造でき、しかもここに記載した金属箔をあらゆる観点で有利に担体と組合せ、又は同じ用途に用いることができる。
【0052】
球面領域53は、例えばミクロ構造4が平坦でなく、図9内に断面を示す如く、横方向47に平行であると考えた場合、少なくとも1つの高点51と、1つの低点50を持ち得る。これは、特にそのミクロ構造4のエッジ54に該当する。高点51と低点50は、高さ52のそれらの値により互いに区別でき、その際これで特に局所的極点が表される。この場合、高さ52は、特にチャネルの底面55迄の垂直な間隔56又はこの金属箔1の波の谷10を介しての一平面を表す。
【0053】
有利な1形態では、球面領域53は、横方向47に平行で、ミクロ構造4を通る、異なる切断面の少なくとも高点51又は低点50が、長手方向8に直線的に配置されないように形成している。これは、例えばミクロ構造4の移行領域49に対する高点51及び/又は低点50の間隔56が、長手方向8に変化することを意味する。
【0054】
1実施形によれば、付加的に少なくとも1つの切断面内にミクロ構造4を経て、その長手方向8と平行に高点51と低点50を備えてもよく、特にミクロ構造4の直線的な経過は存在しない。この場合も、むしろ高点51及び/又は低点50からエッジ54への間隔が、全ての断面内で長手方向8に等しく平行でないのが好ましい。
【0055】
図9に示す実施形では、低点50は、長手方向8に平行に推移しておらず、少なくとも長手方向8に対し横の区間を有し、特に立体的な軌道に適合していることを特徴とする輪郭57を形成している。この輪郭57は、特に連続した軌道を示す。即ち角、エッジ等を有していない。輪郭57は、好ましくはその進路に沿って変化する高さ52を有する。この輪郭57は、第1の高さ52と、隣接して配置されている流体が流れてくるエッジ54の移行範囲49への第1の間隔56で始まり、最後にそのもう1つのエッジ54に、一層大きな第2の間隔56を空けていると特に有利である。このような形状のミクロ構造4のより、こうして接触した流体の流れは、同時に水平方向と垂直方向との両方向47に、長手方向8に垂直な排出路を獲得する。
【0056】
ここに開示した金属箔又はここに開示した担体は、自動車の排ガスシステム内で特にその高い寿命において優れている。その上、各使用領域で、精確に適合する流動断面を生じさせることができ、従って特に効果的な、又は極めて適応力のある担体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明によるミクロ構造のある金属箔の遠近法による細部概観図。
【図2−1】凹所を形成していないスリットのあるミクロ構造を示す図。
【図2−2】凹所を形成した第1の実施例のスリットを持つミクロ構造を示す図。
【図2−3】凹所を形成した別の実施例のスリットを持つミクロ構造を示す図。
【図3】金属箔の第1の形態の担体の組立を示す概観図。
【図4】ミクロ構造並びに繊維層のある金属箔より成る担体の細部概観図。
【図5】長手方向の担体の組立の概略図。
【図6】別の形態の担体断面の組立の概略図。
【図7】排ガス装置の組立を遠近法による示した概略図。
【図8】本発明による金属箔の実施形の製造工程の概略図。
【図9】旋回を生じさせるミクロ構造を持つ、遠近法による細部概観図。
【符号の説明】
【0058】
1 金属箔、2 スリット、3 内側領域、4 ミクロ構造、5 表面構造、6 スリットのエッジ領域、7 凹所、8 長手方向、9 波の山、10 波の谷、11 波長、12 波高、13 案内面、14 角度、15 円弧、16 曲率半径、17 スリットの線、18 スリットの横の列、19 金属箔の厚さ、20 波長の最大限の延び、21 担体、22 チャネル、23 部分領域、24 断面、26 金属層、27 繊維層、28 ケーシング、29 区間、30 スリーブ、31 被覆、32 接合領域、33 セクタ、34 測定装置、35 排ガス装置、36 触媒コンバータ、37 流れ撹拌機、38 吸着装置、39 粒子トラップ、40 内燃機関、41 排ガス管、42 ターボチャージャ、43 気筒容積、44 エンジン制御装置、45 開口、46 粒子、47 横方向、48 流れの輪郭、49 移行領域、50 低点、51 高点、52 高さ、53 球面領域、54 エッジ、55 チャネル底面、56 間隔、57 輪郭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔(1)の内部領域(3)に配置した少なくとも1つのスリット(2)を備えた金属箔(1)であって、
前記少なくとも1つのスリット(2)は、少なくとも部分的に金属箔(1)のミクロ構造(4)の境界を定め、該ミクロ構造(4)は金属箔(1)の表面構造(5)から突出しているものにおいて、
前記ミクロ構造(4)が球面領域(53)を形成することを特徴とする金属箔。
【請求項2】
部分表面を横方向(47)に見て、ミクロ構造(4)が少なくとも1つの低点(50)と高点(51)を有することを特徴とする請求項1記載の金属箔。
【請求項3】
横方向(47)に対して平行な種々の部分表面の少なくとも1つの波の山(51)又は谷(50)が、長手方向(8)内において整列しないように球面領域(53)が形成されていることを特徴とする請求項2記載の金属箔。
【請求項4】
波の山(51)と谷(50)が、ミクロ構造(4)を通して少なくとも1つの部分表面に設けられており、前記部分表面が前記長手方向(8)に対し平行であることを特徴とする請求項1から3の1つに記載の金属箔。
【請求項5】
波の谷(50)が長手方向(8)と平行に推移せず、長手方向(8)に対し横の区間を有する三次元の通路に相当する輪郭(57)を形成することを特徴とする請求項1から4の1つに記載の金属箔。
【請求項6】
輪郭(57)が連続した軌道を示すことを特徴とする請求項記載の金属箔。
【請求項7】
輪郭(57)の高さ(52)がその進路に沿って変化することを特徴とする請求項5又は6記載の金属箔。
【請求項8】
排気ガスを浄化するための部品の担体(21)であって、少なくとも部分的に構造化された複数の金属箔(1)を含み、該箔は流体が前記担体を貫流できるように積層および/又は巻回されているものにおいて、
前記複数の金属箔(1)の少なくとも1枚が請求項1から6の1つに従う金属箔(1)であることを特徴とする担体。
【請求項9】
この担体(21)が少なくとも1枚の金属箔(1)の他に以下に記載する構成要素の群、即ち
金属箔(1)の表面構造(5)の波の山と谷(9、10)に密接し、これと接合している少なくとも1枚の平坦な金属層(26)、
金属箔(1)の表面構造(5)の波の山と谷(9、10)に密接し、これと結合している多孔性の繊維層(27)、
この担体(21)を少なくとも1つの区間(29)内で囲んでいる少なくとも1つのケーシング(28)、
この担体(21)を少なくとも接合領域(32)内で囲んでおり、またケーシング(28)に結合する役目をする少なくとも1つのスリーブ(30)、
担体(21)の少なくとも1つのセクタ(33)内に施された少なくとも1つの被覆(31)及び
少なくとも1つの測定装置(34)
の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項記載の担体。
【請求項10】
排ガス装置(35)内に排ガスの浄化のため、
触媒コンバータ(36)、
流れ攪拌機(37)、
吸着装置(38)及び
粒子トラップ(39)
からなる構成部材の群の構成部材として、請求項記載の担体を使用する方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−36860(P2011−36860A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223771(P2010−223771)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【分割の表示】特願2006−529942(P2006−529942)の分割
【原出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【出願人】(500038927)エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング (156)
【Fターム(参考)】