説明

ミシンのソフトウェア提供システム、ミシン及びコンピュータ読取り可能な記録媒体

【課題】 有償で提供するミシン制御用プログラムの不正使用を防止することができ、しかもミシン制御用プログラムを作成したメーカが不利益を被ることのないようにすることである。
【解決手段】 ユーザーAがコンピュータ3に入力したミシンNOとCDキーとミシンNOから作成した認証キーデータとがウェブサーバ2に登録され、コンピュータ3に表示された認証キーデータをユーザーAがミシン4に入力すると、認証キーデータから求めた演算識別データとミシンNOとが一致し、ユーザーAは購入した有償のミシン制御用プログラムを使用できる。しかし、ユーザーBが自分のミシンNOとユーザーAから借り受けたCD−ROM7のCDキーとをコンピュータ3に入力した場合、ウェブサーバ2においてCDキーが既に登録されているため、受信した認証キーデータとユーザーBのミシンNOとが異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体によりユーザー向けに販売されたミシン用制御プログラムを、有償で購入したユーザー以外のユーザーが無償で不正に使用できないように、不正使用を防止するようにしたミシンのソフトウェア提供システム、ミシン及びコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD-ROMで配布する有償の電子データを、ユーザー(クライアント)の端末装置(所謂、パーソナルコンピュータ)にダウンロードさせる場合、このCD-ROMを購入したユーザー以外のユーザーに対して使用できないように、つまり不正使用を防止するようにした配布データ不正使用防止技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の電子データ配布管理システム(電子データ配布管理装置)は、クライアント端末から「ユーザー特定情報」と「ソフトウェア要求情報」とをウェブサーバ(1b)に送信すると、ウェブサーバ(1a)からソフトウェア管理サーバ(1b)に「認証コード」と「ソフトウェアの種類」と「数量」とが送信され、ソフトウェア管理サーバ(1b)からメールサーバ(1c)に、認証コード管理モジュールを埋め込んだソフトウェアを添付し、この添付ファイル付き電子メールが送信される。
【0004】
クライアント端末からメールサーバ(1c)に対してメール受信動作を行なうと、メールサーバ(1c)からクライアント端末に、添付ファイル付き電子メールが送信される。このため、電子データを購入していない第三者が電子データとしのソフトウェアを不正に入手した場合に、同一の認証コードであっても、暗号化の時期によって暗号コードが異なるようにしているので、そのソフトウェアを使用できないようにしてある。
【0005】
また、特許文献2に記載のソフトウェア製品の不正コピー抑制制御プログラムは、不正ユーザーに対してもオンラインショップ入店用のユーザID及びパスワードが生成され、正規ユーザーは特典として与えられたクレジットを利用してショッピング等が可能になる。しかし、正規ユーザーが不正ユーザの使用を許可した場合、本来、正規ユーザーに割り当てられていたクレジットを正規ユーザーが利用することができないようになり、不利益を被るようにしてある。
【特許文献1】特開2002−132365号公報 (第8〜12頁、図2)
【特許文献2】特開2002−258963号公報 (第7〜9頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、特許文献1に記載の電子データ配布管理システムにおいては、クライアント端末から要求した電子データを、サーバからクライアント端末に送信する場合の不正使用を防止する技術について記載されており、特許文献2に記載のソフトウェア製品の不正コピー抑制制御プログラムは、不正使用を許可した正規ユーザーが不利益を被るように構成し、正規ユーザー自体が不正使用をさせないように心理的に防止するようにした不正使用防止技術が記載されている。
【0007】
ところで、最近では、各種の縫製用ミシンに端末装置が接続され、この端末装置から縫製データをミシンに送信して縫製するようにした縫製システムが提案されている。そこで、ミシンの駆動制御に使用する制御プログラムを必要に応じてバージョンアップさせる場合にも、CD−ROMで提供される更新用制御プログラムを端末装置からミシンに送信し、ミシン側で制御プログラムを更新処理するようにしてある。
【0008】
このような場合には、特許文献1,2に記載された不正使用防止技術においては、ミシンに対して更新用制御プログラムの不正使用の防止には対応できないので、CD−ROMで提供される更新用制御プログラムの第三者による不正使用を防止することが不可能である。特に、更新プログラムが有償の場合、更新用制御プログラムを作成したメーカが代金を徴収することができず、不利益を被るという不都合が起こる。
【0009】
本発明の目的は、有償で提供されるミシン用制御プログラムの不正使用を防止することができ、しかもミシン制御用プログラムを作成したメーカが不利益を被ることのないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のミシンのソフトウェア提供システムは、通信回線に接続されたサーバと、通信回線を介してサーバと種々のデータを送受信する端末装置と、この端末装置に装着可能な且つミシン制御用プログラムを記録した記録媒体と、端末装置との間でデータを送受信可能なミシン制御部を有するミシンとを備え、記録媒体を識別する為に記録媒体に記録された媒体識別データと、ミシンに付与され且つミシン制御部に記憶されたミシン識別データと、サーバに設けられ、端末装置から送信される媒体識別データとミシン識別データに基づいて、これら識別データが最初に送信された場合だけミシン識別データに固有の認証キーデータを生成し前記媒体識別データと対応付けて認証キーデータ記憶部に記憶し、その後媒体識別データと同一の媒体識別データとミシン識別データと異なるミシン識別データとが送信された場合には認証キーデータ記憶部のデータを更新することなく維持して認証キーデータを端末装置に送信する認証キーデータ作成手段と、ミシン制御部に設けられ、端末装置から受けたミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定手段と、ミシン制御部に設けられ、判定手段から有償の判定結果を受けた場合にサーバの認証キーデータ記憶部から端末装置に送信される認証キーデータを受けてこの認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データとミシン制御部に記憶したミシン識別データとを照合する照合手段と、ミシン制御部に設けられ、照合手段から一致する照合結果を受けた場合、端末装置を介して記録媒体から読み込んだミシン制御用プログラムを起動する起動手段とを備えたものである。
【0011】
サーバに設けられた認証キーデータ作成手段は、端末装置から送信される媒体識別データとミシン識別データに基づいて、これら識別データが最初に送信された場合だけミシン識別データに固有の認証キーデータを生成し媒体識別データと対応付けて認証キーデータ記憶部に記憶し、その後媒体識別データと同一の媒体識別データとミシン識別データと異なるミシン識別データとが送信された場合には認証キーデータ記憶部のデータを更新することなく維持して認証キーデータを端末装置に送信する。
【0012】
ミシン制御部に設けられた判定手段は、端末装置から受けた媒体識別データに含まれるミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する。ミシン制御部に設けられた照合手段は、判定手段から有償の判定結果を受けた場合に、サーバの認証キーデータ記憶部から端末装置に送信される認証キーデータを受けてこの認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データとミシン制御部に記憶したミシン識別データとを照合する。そこで、ミシン制御部に設けられた起動手段は、照合手段から一致する照合結果を受けた場合、端末装置を介して記録媒体から読み込んだミシン制御用プログラムを起動する。
【0013】
しかし、有償で記録媒体を購入したユーザーとは異なる他人がユーザーから記録媒体を借り受けた場合、この借り受けた記録媒体の記録媒体識別データはサーバに登録済みであるため、サーバから送信される認証キーデータを演算により復元したミシン識別データは元々のユーザーのミシン識別データであるため、他人が所有するミシンのミシン識別データと一致せず、ミシン制御用プログラムの他人による不正な使用ができなくなる。
【0014】
請求項2のミシンのソフトウェア提供システムは、請求項1において、前記判定手段は、記録媒体の記録媒体識別データとミシン制御部に記憶されている記録媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するものである。
【0015】
請求項3のミシンのソフトウェア提供システムは、請求項2において、前記判定手段が有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力する為の認証キー入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えるものである。
【0016】
請求項4のミシンのソフトウェア提供システムは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記照合手段は、認証キーデータを入力する為の入力手段と、この入力手段から入力される記認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有するものである。
【0017】
請求項5のミシンのソフトウェア提供システムは、請求項4において、前記入力手段は、液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルで構成されたものである。
【0018】
請求項6のミシンは、端末装置との間でデータを送受信可能に構成されると共にミシン識別データが記録されたミシン制御装置と、ミシン制御装置に設けられ、端末装置から受けたミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定手段と、ミシン制御装置に設けられ、判定手段から有償の判定結果を受けた場合に端末装置から送信される認証キーデータを受けてこの認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データとミシン制御装置に記憶されているミシン識別データとを照合する照合手段と、ミシン制御装置に設けられ、照合装置から一致する照合結果を受けた場合に端末装置を介して読み込んだミシン制御用プログラムを起動する起動手段とを備えたものである。
【0019】
ミシン制御装置は、ミシン識別データを記録しており、端末装置との間でデータを送受信する。ミシン制御装置に設けられた判定手段は、端末装置から受けた媒体識別データに含まれるミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する。ミシン制御装置に設けられた照合手段は、判定手段から有償の判定結果を受けた場合に、端末装置から送信される認証キーデータを受けてこの認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データとミシン制御装置に記憶したミシン識別データとを照合する。そこで、ミシン制御装置に設けられた起動手段は、照合手段から一致する照合結果を受けた場合、端末装置を介して記録媒体から読み込んだミシン制御用プログラムを起動する。
【0020】
しかし、有償で記録媒体を購入したユーザーとは異なる他人がユーザーから記録媒体を借り受けた場合、この借り受けた記録媒体の記録媒体識別データはサーバに登録済みであるため、サーバから送信される認証キーデータを演算により復元したミシン識別データは元々のユーザーのミシン識別データであるため、他人が所有するミシンのミシン識別データと一致せず、ミシン制御用プログラムの他人による不正な使用ができなくなる。
【0021】
請求項7のミシンは、請求項6において、前記判定手段は、端末装置から受けた媒体識別データとミシン制御装置に記憶されている媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するものである。
【0022】
請求項8のミシンは、請求項7において、前記判定手段が有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えるものである。
【0023】
請求項9のミシンは、請求項6〜8の何れかにおいて、前記照合手段は、認証キーデータを入力するための入力手段と、この入力手段から入力される認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有するものである。
【0024】
請求項10のミシンは、請求項9において、前記入力手段は、液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルで構成されたものである。
【0025】
請求項11のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、端末装置との間でデータを送受信可能に構成されると共にミシン識別データが記録されたミシン制御装置を有するミシンのコンピュータに、端末装置から受けたミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定ルーチンと、判定ルーチンから有償の判定結果を受けた場合に認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データと前記ミシン識別データとを照合する照合ルーチンと、照合ルーチンから一致する照合結果を受けた場合に端末装置を介して読み込んだミシン制御用プログラムを起動する起動ルーチンとを実行させるためのプログラムを記録したものである。
【0026】
コンピュータ読取り可能な記録媒体は、端末装置との間でデータを送受信可能に構成されると共にミシン識別データが記録されたミシン制御装置を有するミシンのコンピュータに、判定ルーチンと、照合ルーチンと、起動ルーチンとを実行させるためのプログラムを記録したので、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータで実行させることにより、請求項6と同様に作用する。
【0027】
請求項12のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項11において、前記判定ルーチンは、端末装置から受けた媒体識別データとミシン制御装置に記憶されている媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するものである。
【0028】
請求項13のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項12において、前記判定ルーチンが有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御ルーチンを含むものである。
【0029】
請求項14のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項11〜13の何れかにおいて、前記照合ルーチンは、認証キーデータを入力するための入力ルーチンと、この入力ルーチンから入力される認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算ルーチンとを含むものである。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明によれば、端末装置と、記録媒体と、ミシンとを備え、更に、媒体識別データと、ミシン識別データと、サーバに設けられた認証キーデータ作成手段と、ミシン制御部に設けられた判定手段と、照合手段と、起動手段とを備えたので、記録媒体を有償で正規に購入したユーザーとは異なる他人がユーザーから記録媒体を借り受けて使用する場合には、この借り受けた記録媒体の記録媒体識別データはサーバに登録済みであり、サーバから送信される認証キーデータを復元したミシン識別データは元々の持ち主のミシン識別データであるため、他人が所有するミシンのミシン識別データと一致せず、ミシン制御用プログラムが起動しないので、ミシン制御用プログラムの他人による不正な使用を確実に防止することができる。更に、記録媒体の不正使用を確実に防止できるので、記録媒体のメーカが不利益を被ることは絶対にない。
【0031】
請求項2の発明によれば、前記判定手段は、記録媒体の記録媒体識別データとミシン制御部に記憶されている記録媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するので、記録媒体に有償又は無償を指示する専用の判定情報を記録させる必要がなくなる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0032】
請求項3の発明によれば、前記判定手段が有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力する為の認証キー入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えるので、ユーザーは専用の認証キー入力画面を介して認証キーデータを正確に且つ確実に入力することができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
【0033】
請求項4の発明によれば、前記照合手段は、認証キーデータを入力する為の入力手段と、この入力手段から入力される記認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有するので、ユーザーは認証キーデータを入力手段を介して入力するだけで、記認証キーデータからミシン識別データに相当する演算識別データを簡単に求めることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
【0034】
請求項5の発明によれば、前記入力手段は、液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルで構成されるので、ユーザーは認証キー入力画面を見ながら指で軽くタッチするだけで認証キーデータを容易に入力することができる。その他請求項4と同様の効果を奏する。
【0035】
請求項6の発明によれば、ミシン制御装置と、ミシン制御装置に設けられた、判定手段と、照合手段と、起動手段とを備えたので、記録媒体を有償で正規に購入したユーザーとは異なる他人がユーザーから記録媒体を借り受けて使用する場合には、端末装置から送信される認証キーデータを復元したミシン識別データは元々の持ち主のミシン識別データであるため、他人が所有するミシンのミシン識別データと一致せず、ミシン制御用プログラムが起動しないので、ミシン制御用プログラムの他人による不正な使用を確実に防止することができる。更に、記録媒体の不正使用を防止できるので、記録媒体のメーカが不利益を被ることは絶対にない。
【0036】
請求項7の発明によれば、前記判定手段は、端末装置から受けた媒体識別データとミシン制御装置に記憶されている媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するので、請求項2と同様の効果を奏する。その他請求項6と同様の効果を奏する。
【0037】
請求項8の発明によれば、前記判定手段が有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えるので、請求項3と同様の効果を奏する。その他請求項7と同様の効果を奏する。
【0038】
請求項9の発明によれば、前記照合手段は、認証キーデータを入力するための入力手段と、この入力手段から入力される認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有するので、請求項4と同様の効果を奏する。その他請求項6〜8の何れかと同様の効果を奏する。
【0039】
請求項10の発明によれば、前記入力手段は、液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルで構成されたので、請求項5と同様の効果を奏する。その他請求項9と同様の効果を奏する。
【0040】
請求項11の発明によれば、コンピュータ読取り可能な記録媒体に、判定ルーチンと、照合ルーチンと、起動ルーチンとを実行させるためのプログラムを記録したので、この記録媒体に記録されたプログラムを、ミシン制御装置を有するミシンのコンピュータで実行させることにより、請求項6と同様の効果を奏する。
【0041】
請求項12の発明によれば、前記判定ルーチンは、端末装置から受けた媒体識別データとミシン制御装置に記憶されている媒体識別データとを比較することにより、ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定するので、請求項2と同様の効果を奏する。その他請求項11と同様の効果を奏する。
【0042】
請求項13の発明によれば、前記判定ルーチンが有償であると判定した場合に、ミシンに設けられた液晶ディスプレイに認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように液晶ディスプレイを制御する表示制御ルーチンを含むので、請求項3と同様の効果を奏する。その他請求項12と同様の効果を奏する。
【0043】
請求項14の発明によれば、前記照合ルーチンは、認証キーデータを入力するための入力ルーチンと、この入力ルーチンから入力される認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算ルーチンとを含むので、請求項4と同様の効果を奏する。その他請求項11〜13の何れかと同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本実施例のミシンのソフトウェア提供システム、ミシン及びコンピュータ読取り可能な記録媒体は、ミシン制御用プログラムを有するCD−ROMのCDキーと、このCD−ROMを購入した正規のユーザーが所有するミシンのミシンNOと、ミシンNOに基づいて作成した認証キーデータとをセットにしてウェブサーバに記憶しておき、CD−ROMを購入していない不正なユーザーが認証キーデータを要求した場合には、正規のユーザー用の認証キーデータを不正なユーザーに提供するようにし、ミシンNOの不一致により、不正なユーザーのミシンを起動させないようにして、不正使用を確実に防止するようにしてある。
【実施例】
【0045】
先ず、このミシンのソフトウェア提供システムシステム1の概要について説明する。
図1に示すように、ミシンのソフトウェア提供システム1は、ネットワーク上に設けられたウェブサーバ2と、このウェブサーバ2にインターネット等の通信回線5を介して接続されたパーソナルコンピュータ3(端末装置であり、以後、単にコンピュータという)と、このコンピュータ3に接続コード6により接続された縫製可能なミシン4等から構成されている。
【0046】
ウェブサーバ2は、図1に示すように、大型コンピュータからなり、通信回線5を介してURLによりアクセスされたコンピュータ3と通信可能になっている。このウェブサーバ制御部2Aには、図2に示すように、コンピュータ3から送信される「ミシンNO(ミシン識別データ、例えば、製造シリアル番号)」とCD−ROM7に固有の「CDキー(媒体識別データ)」とを受信するミシンNO/CDキー受信部2aと、ミシンNOに基づいて「認証キー(認証キーデータ)」を演算により作成する認証キーデータ作成部2bと、「CDキー」と「ミシンNO」と「認証キー」とをセットにした認証情報を記憶するデータ記憶部2c(認証キーデータ記憶部)と、「認証キー」をコンピュータ3に送信する認証キーデータ送信部2d等が設けられている。
【0047】
コンピュータ3は、図1に示すように、通信回線5を介してウェブサーバ2に接続されている。このコンピュータ制御部3Aには、図2に示すように、CD−ROM7を装着して記録されている記録情報を読取り可能なCD読取り部3aと、キーボードからなりユーザーによる「ミシンNO」や「CDキー」の入力が可能なミシンNO/CDキー入力部3bと、これら「ミシンNO」や「CDキー」をウェブサーバ2に送信するミシンNO/CDキー送信部3cと、ウェブサーバ2から送信されてきた「認証キー」を受信する認証キーデータ受信部3dと、受信した「認証キー」を表示する認証キーデータ表示部3e等からなっている。
【0048】
このCD−ROM7には、「ミシン制御用プログラム」と、このミシン制御用プログラムが有償であるのか無償であるのかを判定できる「バージョン情報」と、「CDキー」等が記録されている。ここで、バージョン情報は、「Va.bc」で規定されている。但し、小文字「a〜c」は数字である。即ち、バージョン情報は、「V1.00」、「V2.00」であり、バージョン情報が同じであっても個々に識別されたCDキーが割り振られている。
【0049】
しかし、CD−ROM7が有償であって、このCD−ROM7に記録されているミシン制御用プログラムが更新される場合には、「V2.00」、「V3.00」、「V4.00」・・のように、バージョン情報が順次更新される。但し、ミシン制御用プログラムの「バグ」を無くしたような改良であって、無償の場合には、「V2.00」→「V2.01」、「V3.00」→「V3.01」のように更新される。
【0050】
CD−ROM7が有償の場合には、通常のミシン制御用プログラムに加えて、最新の機能であって、ユーザーにとって有効な種々の機能、例えば「マウス機能」、「USBメモリ機能」、「布押え上下動機能」等のオプション的なアプリケーションプログラムが必要に応じて追加されている。
【0051】
「マウス機能」について簡単に説明する。ミシン4の外装カバーにUSB端子(ユニバーサル・シリアル・バス端子)がオプションとして設けられている場合に、このUSB端子にマウスを接続した場合、液晶ディスプレイに表示される複数の「機能名」や入力設定する0〜9の「数値」を、マウスの操作で移動する「矢印ポインタ」で指示できるようになっている。
【0052】
「USBメモリ機能」について簡単に説明する。前述したUSB端子に、ユニット化されたUSBメモリを接続でき、ミシン制御部4Aに記憶している縫製データを記憶させたり、USBメモリに記憶された縫製データを読み込んでミシン制御部4Aの不揮発性メモリに記憶できるようになっている。
【0053】
「布押え上下動機能」について簡単に説明する。ミシン4の縫製開始を指示するとこれに連動して押え足(図示略)が下動し、縫製停止を指示するとこれに連動して押え足が上動するようにっている。
【0054】
ミシン4は、図1に示すように、釜回転機構を有するベッド部41と、液晶ディスプレイを有する脚柱部42と、針棒上下駆動機構を有するアーム部43等からなり、接続コード6を介して電気的にコンピュータ3に接続されている。ここで、ミシン4に設けられたミシン制御部4Aは、CPUやROM及びRAMを有するマイクロコンピュータからなっている。
【0055】
ミシン制御部4Aには、図2に示すように、縫製制御部4aと、不揮発性メモリからなりミシン制御用プログラムのバージョン情報が更新される毎に最新のバージョン情報を記憶するバージョン情報記憶部4bと、不揮発性メモリからなり「ミシンNO」を記憶したミシンNO記憶部4cと、液晶ディスプレイからなり認証キーの入力可能な入力画面を表示する認証キーデータ表示部4dと、透明なタッチパネルからなりユーザーによる認証キー入力が可能な認証キーデータ入力部4eと、認証キーから演算識別データを生成する認証キーデータ逆演算部4fと、この演算識別データとミシンNOとを照合するミシンNO照合部4g等からなっている。
【0056】
次に、ウェブサーバ制御部2Aにより実行される認証キーデータ作成制御について、図3のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
【0057】
この認証キーデータ作成制御は微小時間毎に繰返して実行され、コンピュータ3からミシンNOとCDキーとを受信した場合(S11:Yes)、受信したCDキーが登録されていない場合には(S12:No)、送信されたミシンNOとCDキーとをセットにして登録される(S13)。受信したCDキーが既に登録されている場合には(S12:Yes)、CDキーとセットにして登録されているミシンNOが読み込まれる(S16)。
【0058】
次に、受信した或いは読み込んだミシンNOから認証キーデータを演算により求める演算処理のための認証キーデータ演算制御(図4参照)が実行される(S14)。この制御が開始されると、先ず、ミシンNOが所定ビット数(例えば、4ビット)からなる2進数に変換され(S21)、この2進数の各ビットが反転処理される(S22)。即ち、ビット「0」はビット「1」に、ビット「1」はビット「0」に変換される。
【0059】
次に、所定ビット数の2進数が、下位側から上位側に向けて逆順になるように並び替えられ(S23)、4ビットのうちの上位2ビットと下位2ビットが入れ換えられる(S24)。そして、最終的に、このように並び替えられた2進数が10進数に変換される(S25)。次に、認証キーデータ演算制御において、S14の演算により求められた認証キーデータがコンピュータ3に送信される(S15)。
【0060】
次に、コンピュータ制御部3Aにより実行される認証キーデータ表示制御について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
この制御が開始され、ミシン制御部4Aから制御プログラムのロード要求があった場合には(S32:Yes)、CD読取り部3aで読み込まれたCD−ROM7のミシン制御用プログラムがミシン制御部4Aに送信される(S36)。
【0061】
一方、ウェブサーバ2から送信された認証キーデータを受信した場合には(S32:No、S33:Yes)、この受信した認証キーが認証キーデータ表示部3eに表示される(S37)。ところで、ミシンNO/CDキー入力部3bにミシンNOとCDキーとが入力されている場合には(S34:Yes)、ウェブサーバ2に、これらミシンNOとCDキーとが送信される(S35)。
【0062】
次に、ミシン制御部4Aにより実行されるプログラム更新制御について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
この制御が開始され、コンピュータ3からミシン制御用プログラムとこのバージョン情報BJを受信した場合には(S41:Yes)、この受信したミシン制御用プログラムが図示しない不揮発性メモリに、古い制御プログラムを更新して記憶される(S42)。
【0063】
次に、バージョン情報記憶部4bに記憶されている現在のバージョン情報が読み込まれ(S43)、現在のバージョン情報の番号よりも、受信したバージョン情報BJの番号の方が大きい場合、つまり有償の制御プログラムの場合には(S44:Yes)、認証キーデータ表示部4dに認証キーデータ入力画面が表示される(S45)。このとき、ユーザーは、S37において認証キーデータ表示部3eに表示されている認証キーを見ながら、或いはメモをしておく等して、この認証キーを認証キーデータ入力部4eにより入力する(S46)。
【0064】
次に、認証キーデータ入力部4eに認証キーが入力された場合(S47:Yes)、この認証キーから演算識別データが演算される(S48)。この演算識別データのための演算処理は、図4に示す認証キーデータ演算処理を逆に行なう逆演算処理により求められる。次に、求められた演算識別データとミシンNO記憶部4cから読み込んだミシンNOとが照合され、一致する場合には(S49:Yes)、新規のバージョン情報BJがバージョン情報記憶部4bに更新して記憶され(S50)、更新した新規のミシン制御用プログラムが起動される(S51)。
【0065】
ここで、コンピュータ制御部3Aからミシン制御用プログラム以外の制御コマンドを受信した場合には(S41:No)、その受信した制御コマンドに基づく各種の処理が実行される(S52)。また、求められた演算識別データとミシンNO記憶部4cから読み込んだミシンNOとが照合の結果、一致しない場合には(S49:No)、認証キーデータ表示部4dの液晶ディスプレイにエラーが表示される(S53)。
【0066】
ここで、ウェブサーバ制御部2Aのうちの図3に示す認証キーデータ作成制御を実行する認証キーデータ作成部2bが認証キーデータ作成手段に相当する。ミシン制御部4Aがミシン制御装置に相当する。プログラム更新制御のS44が判定ルーチンに相当し、このS44を実行するミシン制御部4Aが判定手段に相当する。プログラム更新制御のS45が表示制御ルーチンに相当し、このS45を実行するミシン制御部4Aの特に認証キーデータ表示部4dが表示制御手段に相当する。
【0067】
プログラム更新制御のS46〜S49が照合ルーチンに相当し、このS46〜S49を実行するミシン制御部4Aの特にミシンNO照合部4gが照合手段に相当する。プログラム更新制御のS46が入力ルーチンに相当し、このS46を実行するミシン制御部4Aの特に認証キーデータ入力部4eが入力手段に相当する。プログラム更新制御のS48が識別データ演算ルーチンに相当し、このS48を実行するミシン制御部4Aの特に認証キーデータ逆演算部4fが識別データ演算手段に相当する。プログラム更新制御のS51が起動ルーチンに相当し、このS51を実行するミシン制御部4Aが起動手段に相当する。
【0068】
ところで、各種のコンピュータ読取り可能な記録媒体に、前述した判定ルーチンと、照合ルーチンと、起動ルーチンとを実行させるためのプログラム(プログラム更新制御)を記録するようにし、この記録媒体に記録されたプログラム更新制御を、ミシン制御部(ミシン制御装置)4Aであるコンピュータで実行させるようにしてもよい。この場合にも、前述したのと同様の作用及び効果を奏することができる。
【0069】
次に、ミシンのソフトウェア提供システム1の作動について説明する。
ユーザーAがメーカの提供により販売されているCD−ROM7を有償で新規に購入し、このCD−ROM7に記録されているミシン制御用プログラムに更新する場合について説明する。
【0070】
ユーザーAは、購入したCD−ROM7(バージョン情報:V3.00)をコンピュータ3のCD読取り部3aに装着することにより、CD−ROM7に記録されている新規のミシン制御用プログラムをミシン制御部4Aにロードしておく。そして、使用しているミシン4のミシンNOが例えば「8」であり、購入したCD−ROM7のCDキーが例えば「BR5」であるとする。
【0071】
この場合、ユーザーAは、ミシンNO「8」とCDキー「BR5」とを、ミシン4に接続されているコンピュータ3のミシンNO/CDキー入力部3bから入力する。このとき、コンピュータ3はミシンNO/CDキー入力部3bに入力されたミシンNO「8」とCDキー「BR5」とを、ウェブサーバ2に送信する。
【0072】
ウェブサーバ2は、受信したCDキー「BR5」が未登録なので、ミシンNO「8」から認証キーデータ「11」を演算により求め、CDキー「BR5」とミシンNO「8」と認証キー「11」とをセットにして登録し、認証キー「11」をコンピュータ3に送信する。コンピュータ3は、送信された認証キーを受信し、認証キーデータ表示部3eに表示する。そこで、ユーザーAは、表示された認証キー「11」を認証キーデータ入力部4eに、タッチパネルを介してテンキーを用いて入力する。
【0073】
ミシン制御部4Aは、コンピュータ3から受信したミシン制御用プログラムに付随するバージョン情報BJ(V3.00)の整数番号「3」の方が、バージョン情報記憶部4bに記憶している現在のバージョン情報(V1.00)の整数番号「1」よりも大きく、有償のミシン制御用プログラムの場合、認証キーデータ表示部4dに、認証キーデータ入力画面を表示する。
【0074】
そこで、ユーザーAは、この認証キーデータ入力画面を介して、認証キー「11」を認証キーデータ入力部4eにより入力する。その結果、ミシン制御部4Aは、認証キー「11」から演算識別データ「8」を逆演算により求め、この演算識別データ「8」とミシンNO「8」とが照合により一致するので、最新のミシン制御用プログラムを起動させるとともに、新規のバージョン情報(V3.00)をバージョン情報記憶部4bに記憶する。
【0075】
一方、ユーザーBは、ユーザーAが購入したCD−ROM7(バージョン情報:V3.00)を借り受け、前述したように、ユーザーBが所有するミシン4のミシンNO(例えば「12」)を取得し、このミシンNO「12」と、借り受けたCD−ROM7のCDキー「BR5」とを、ミシン4に接続されているコンピュータ3から入力すると、これらミシンNO「12」とCDキー「BR5」とがウェブサーバ2に送信される。
【0076】
ウェブサーバ2は、受信したCDキー「BR5」が既に登録されている場合、このCDキー「BR5」とセットにして記憶している認証キー「11」をコンピュータ3に送信する。そこで、コンピュータ3は、受信した認証キー「11」を認証キーデータ表示部3eに表示するので、ユーザーBは認証キー「11」を認証キーデータ入力部4eに入力する。この場合、ミシン制御部4Aは、コンピュータ3から受信したミシン制御用プログラムに付随するバージョン情報BJ(V3.00)の番号「3」の方が、バージョン情報記憶部4bに記憶している現在のバージョン情報(V2.00)の番号「2」よりも大きく、有償のミシン制御用プログラムであると判定する。
【0077】
ミシン制御部4Aは、更に、認証キー「11」に基づいて、逆演算により演算識別データ「8」を求める。この場合、演算識別データ「8」とミシンNO「12」とが一致しないので、最新のミシン制御用プログラムの起動を禁止する。それ故、購入したユーザーAに対して、購入していないユーザーBによる不正使用を防止することができ、CD−ROM7のメーカが不利益を被ることが絶対にない。
【0078】
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)ウェブサーバ制御部2Aにおいて、ミシンNOに基づいて認証キーデータを演算により求める認証キーデータ演算の演算内容(図4参照)は、一例を示すに過ぎず、所定の暗号数値を用いて暗号化する等、各種の暗号化処理を適用することが可能である。
【0079】
2)ユーザーが有償のミシン制御用プログラムを不正に使用しようとしたことにより、エラー表示された場合には、このエラー処理を解除することにより、古いバージョンのミシン制御用プログラムを復帰させて、ミシン4が更新前の縫製制御により起動できるように構成するようにしてもよい。
【0080】
3)記録媒体は、CD−ROMの代わりに、フレキシブルディスク、DVD、メモリーカード等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明のミシンのソフトウェア提供システムの概略図である。
【図2】ウェブサーバとコンピュータとミシンの機能ブロック図である。
【図3】認証キーデータ作成制御のプログラムである。
【図4】認証キーデータ演算制御のフローチャートである。
【図5】認証キーデータ表示制御のフローチャートである。
【図6】プログラム更新制御のフローチャートである。
【0082】
1 ミシンのソフトウェア提供システム
2 ウェブサーバ
2A ウェブサーバ制御部
2c データ記憶部
3 コンピュータ
3A コンピュータ制御部
4 ミシン
4A ミシン制御部
4d 認証キーデータ表示部(液晶ディスプレイ)
4e 認証キーデータ入力部(タッチパネル)
5 通信回線
7 CD−ROM


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線に接続されたサーバと、通信回線を介して前記サーバと種々のデータを送受信する端末装置と、この端末装置に装着可能な且つミシン制御用プログラムを記録した記録媒体と、前記端末装置との間でデータを送受信可能なミシン制御部を有するミシンとを備え、
前記記録媒体を識別する為に記録媒体に記録された媒体識別データと、
ミシンに付与され且つミシン制御部に記憶されたミシン識別データと、
前記サーバに設けられ、前記端末装置から送信される前記媒体識別データとミシン識別データに基づいて、これら識別データが最初に送信された場合だけ前記ミシン識別データに固有の認証キーデータを生成し前記媒体識別データと対応付けて認証キーデータ記憶部に記憶し、その後前記媒体識別データと同一の媒体識別データと前記ミシン識別データと異なるミシン識別データとが送信された場合には前記認証キーデータ記憶部のデータを更新することなく維持して認証キーデータを前記端末装置に送信する認証キーデータ作成手段と、
前記ミシン制御部に設けられ、前記端末装置から受けた前記ミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定手段と、
前記ミシン制御部に設けられ、前記判定手段から有償の判定結果を受けた場合に前記サーバの認証キーデータ記憶部から前記端末装置に送信される前記認証キーデータを受けてこの認証キーデータから前記ミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データとミシン制御部に記憶したミシン識別データとを照合する照合手段と、
前記ミシン制御部に設けられ、前記照合手段から一致する照合結果を受けた場合、前記端末装置を介して前記記録媒体から読み込んだミシン制御用プログラムを起動する起動手段と、
を備えたことを特徴とするミシンのソフトウェア提供システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記記録媒体の記録媒体識別データとミシン制御部に記憶されている記録媒体識別データとを比較することにより、前記ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定することを特徴とする請求項1に記載のミシンのソフトウェア提供システム。
【請求項3】
前記判定手段が有償であると判定した場合に、前記ミシンに設けられた液晶ディスプレイに前記認証キーデータを入力する為の認証キー入力画面を表示するように前記液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のミシンのソフトウェア提供システム。
【請求項4】
前記照合手段は、前記認証キーデータを入力する為の入力手段と、この入力手段から入力される前記認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシンのソフトウェア提供システム。
【請求項5】
前記入力手段は、前記液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルであることを特徴とする請求項4に記載のミシンのソフトウェア提供システム。
【請求項6】
端末装置との間でデータを送受信可能に構成されると共にミシン識別データが記録されたミシン制御装置と、
前記ミシン制御装置に設けられ、前記端末装置から受けたミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定手段と、
前記ミシン制御装置に設けられ、前記判定手段から有償の判定結果を受けた場合に前記端末装置から送信される認証キーデータを受けてこの認証キーデータから前記ミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データと前記ミシン制御装置に記憶されているミシン識別データとを照合する照合手段と、
前記ミシン制御装置に設けられ、前記照合装置から一致する照合結果を受けた場合に前記端末装置を介して読み込んだ前記ミシン制御用プログラムを起動する起動手段と、
を備えたことを特徴とするミシン。
【請求項7】
前記判定手段は、前記端末装置から受けた媒体識別データと前記ミシン制御装置に記憶されている前記媒体識別データとを比較することにより、前記ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定することを特徴とする請求項6に記載のミシン。
【請求項8】
前記判定手段が有償であると判定した場合に、前記ミシンに設けられた液晶ディスプレイに前記認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように前記液晶ディスプレイを制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項7に記載のミシン。
【請求項9】
前記照合手段は、前記認証キーデータを入力するための入力手段と、この入力手段から入力される前記認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算手段とを有することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のミシン。
【請求項10】
前記入力手段は、前記液晶ディスプレイの前面に配置された透明タッチパネルであることを特徴とする請求項9に記載のミシン。
【請求項11】
端末装置との間でデータを送受信可能に構成されると共にミシン識別データが記録されたミシン制御装置を有するミシンのコンピュータに、
前記端末装置から受けたミシン制御用プログラムのバージョン情報に基づいて有償か無償かを判定する判定ルーチンと、
前記判定ルーチンから有償の判定結果を受けた場合に認証キーデータから前記ミシン識別データに相当する演算識別データを生成して、この演算識別データと前記ミシン識別データとを照合する照合ルーチンと、
前記照合ルーチンから一致する照合結果を受けた場合に前記端末装置を介して読み込んだ前記ミシン制御用プログラムを起動する起動ルーチンと、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項12】
前記判定ルーチンは、前記端末装置から受けた媒体識別データと前記ミシン制御装置に記憶されている前記媒体識別データとを比較することにより、前記ミシン制御用プログラムが有償か無償かを判定することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項13】
前記判定ルーチンが有償であると判定した場合に、前記ミシンに設けられた液晶ディスプレイに前記認証キーデータを入力するための認証キーデータ入力画面を表示するように前記液晶ディスプレイを制御する表示制御ルーチンを含むことを特徴とする請求項12に記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記照合ルーチンは、前記認証キーデータを入力するための入力ルーチンと、この入力ルーチンから入力される前記認証キーデータからミシン識別データと同じ演算識別データを演算する識別データ演算ルーチンとを含むことを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−97577(P2008−97577A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175003(P2007−175003)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】