説明

ミスト発生ユニット付き空気清浄機

【課題】ミスト発生ユニットを搭載した空気清浄機において、空気清浄機から離れた箇所でのミスト生成を可能にする。
【解決手段】空気清浄機1は着脱可能なミスト発生ユニット50を搭載する。ミスト発生ユニット50の水槽53には、電解水を生成する電解電極58と、水をミスト化する超音波振動板63が設けられている。ミスト発生ユニット50はコネクタ部70とコネクタ部33の接続による有線接続を通じて空気清浄機1から電力供給を受ける。ミスト発生ユニット50は二次電池74を内蔵しており、空気清浄機1から取り外された時は二次電池74を電源として動作を行う。ミスト発生ユニット50は、赤外線送受信装置90を通じて空気清浄機1の制御部21から動作指令を受け取り、赤外線送受信装置90を通じて自己の備えるセンサ群からの信号を制御部21に伝える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミスト発生ユニット付き空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機には、室内空気の加湿の目的で、ミスト発生ユニットが組み合わせられることが多い。特許文献1にミスト発生ユニット付き空気清浄機の例を、特許文献2、3にミスト発生装置の例を見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載された空気清浄機には、電解ミスト発生ユニットが組み合わせられている。水を電気分解することにより生成された電解水は、超音波振動子によってミスト化され、そのミストは空気清浄機内で清浄化された空気を用いて機外へと放散される。
【0004】
特許文献2、3に記載されたミスト発生ユニットでは、板の厚さ方向に貫通する微細な穴を多数設けた振動板の下面に、液面から突き出す保液材または吸液材が接触している。振動板が振動すると、前記微細な穴を通じてミストが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−37589号公報(国際特許分類:A61L9/14、A61L9/01、C02F1/46)
【特許文献2】特許第2599844号公報(国際特許分類:B06B1/06)
【特許文献3】特開平6−320083号公報(国際特許分類:B05B17/06、F24F6/12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気清浄機はかなりの大きさがあり、どこにでも置けるというものではない。そのため、空気清浄機に搭載したミスト発生ユニットを、ミストを必要とする場所に近づけたくても、それができないという事態がしばしば発生していた。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ミスト発生ユニットを搭載した空気清浄機において、空気清浄機から離れた箇所でのミスト生成を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、着脱可能なミスト発生ユニットを搭載した空気清浄機であって、前記ミスト発生ユニットは、前記空気清浄機への搭載状態では有線接続を通じ当該空気清浄機から電力供給を受けて動作し、前記空気清浄機から取り外されたときは内蔵電池を電源として動作することを特徴としている。
【0009】
この構成によると、空気清浄機から離れた場所でもミスト発生ユニットを稼働させ、その場所に濃度の高いミストを供給することができる。
【0010】
また本発明は、上記構成のミスト発生ユニット付き空気清浄機において、前記空気清浄機は、前記ミスト発生ユニットを無線通信で制御することを特徴としている。
【0011】
この構成によると、煩わしい配線無しでミスト発生ユニットを制御することができる。ミスト発生ユニットを空気清浄機に搭載したときにも無線通信で制御することとすれば、空気清浄機にミスト発生ユニット制御用配線を設ける必要がなくなる。
【0012】
また本発明は、上記構成のミスト発生ユニット付き空気清浄機において、前記空気清浄機と前記ミスト発生ユニットは双方向通信機能を備え、且つそれぞれ外部環境の状態を検知するセンサを備え、前記空気清浄機の制御部は、当該空気清浄機と前記ミスト発生ユニットそれぞれのセンサからの信号を総合的に処理して、空気清浄機とミスト発生ユニットそれぞれの動作を決定することを特徴としている。
【0013】
この構成によると、空気清浄機とミスト発生ユニットそれぞれのセンサの検知結果を活用して、室内空気の改質を効率的に行うことができる。
【0014】
また本発明は、上記構成のミスト発生ユニット付き空気清浄機において、前記ミスト発生ユニットは電解水生成機能を備えることを特徴としている。
【0015】
この構成によると、水を電解水に変え、その電解水のミストを放散することにより、電解水の殺菌力や脱臭力を利用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、通常は空気清浄機に搭載されているミスト発生ユニットを空気清浄機から取り外して離れた場所に置き、その場所でミスト発生ユニットを稼働させることができるから、空気清浄機から離れた場所にも濃度の高いミストを供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るミスト発生ユニット付き空気清浄機の正面図である。
【図2】図1の空気清浄機の垂直断面図である。
【図3】図1の空気清浄機の背面図である。
【図4】図1の空気清浄機の上面図である。
【図5】図1の空気清浄機に搭載されているミスト発生ユニットの垂直断面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った垂直断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿った垂直断面図である。
【図8】図5のミスト発生ユニットの、蓋を取り除いた状態の上面図である。
【図9】空気清浄機の回路ブロック図である。
【図10】ミスト発生ユニットの回路ブロック図である。
【図11】空気清浄機とミスト発生ユニットの運転モード決定基準として用いられる第1のグラフである。
【図12】空気清浄機とミスト発生ユニットの運転モード決定基準として用いられる第2のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初に、ミスト発生ユニット付き空気清浄機の構造を図1から図4までの図に基づき説明する。
【0019】
空気清浄機1は、前後方向に偏平な箱形のハウジング10の内部にフィルタユニット11と送風ユニット12を備えている。フィルタユニット11は粗塵用フィルタ、細塵用フィルタ、脱臭フィルタなど複数のフィルタを組み合わせたものであり、ハウジング10の前面側に位置する。送風ユニット12はファン13とこれを回転させるモータ14を備え、フィルタユニット11の背面側に位置する。ファン13はシロッコファンであり、それを囲むファンケーシング15がハウジング10の内部に形成されている。ファンケーシング15は、フィルタユニット11に面する側に吸気口16を有し、ハウジング10の上面の、正面から見て左側にあたる位置に排気口17を有している。排気口17は格子状のグリル18(図4参照)より覆われる。
【0020】
ハウジング10の上部には電装室19が形成される。電装室19に収納された電気回路基板20に、図9に示す制御部21が形成されている。制御部21の中心をなすのはマイクロコンピュータ22である。マイクロコンピュータ22はガスセンサ23、埃センサ24、温湿度センサ25、操作回路26、及び受信回路27から信号を受け取り、モータ14を駆動するドライブ回路28に指令を与え、送信回路29に通信用データを送る。ドライブ回路28は交流電源30から交流電力の供給を受ける。交流電源30は整流回路31にも交流電力を供給し、整流回路31はそれを直流に変換して直流出力部32に出力する。直流出力部32は、図2に示すコネクタ部33の中の1対の端子を構成するものである。
【0021】
ハウジング10の正面は着脱可能なカバー40によって覆われる。カバー40はフィルタユニット11の前面まで空気を流通させる空気流通部を備えている。空気流通部の形成にあたっては、カバー40とハウジング10の間に隙間を形成してそれを空気流通部としてもよいし、カバー40に通気口を形成することとしてもよい。
【0022】
カバー40は、電装室19の正面に設けられた操作パネル部34を露出させる窓41を有している。操作パネル部34には、操作回路26の入力インターフェースとなる操作キー群と、表示部を構成するLEDや液晶パネルが配置されている。それに加えて操作パネル部34には、室内空気をガスセンサ23と温湿度センサ25に接触させるための通気口35と、室内空気を埃センサ24に接触させるための通気口36が形成されている。さらに操作パネル部34には、受信回路27及び送信回路29のインターフェースとなる赤外線送受信装置(図示せず)の送受信窓37が設けられる。送受信窓37は透明なレンズで覆われている。
【0023】
電装室19の裏側の、正面から見て右側にあたる位置に、ミスト発生ユニット50が搭載される。ミスト発生ユニット50の構造は後で詳しく説明する。
【0024】
空気清浄機1の動作は次の通りである。操作パネル部34を通じての操作で送風ユニット12を駆動すると、カバー40の空気流通部から空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気はフィルタユニット11を通り抜け、吸気口16からファンケーシング15に入り、排気口17から上方に吹き出される。空気に含まれていた塵埃や臭いはフィルタユニット11で濾過あるいは吸着され、清浄になった空気が室内に戻されることになる。送風ユニット12を駆動すると同時にミスト発生ユニット50を動作させると、ミスト発生ユニット50から発生するミストが室内に拡散する。
【0025】
続いて、図5から図12までの図に基づきミスト発生ユニット50の構造と働きを説明する。ミスト発生ユニット50は、上面が開口となった箱形の容器51と、容器51の上面を覆う蓋52を備える。容器51の内部には水槽53が形成される。
【0026】
水槽53の内部は仕切板54により2区画に区分され、容器51の中央に近い方の区画が電解室55、他方の区画が貯水室56となる。仕切板54は水槽53の底まで届いていないので、電解室55と貯水室56は連通状態にある。
【0027】
電解室55には天井板57が設けられ、ここから、1対の電解電極58と、1個の渇水検知電極59(図6参照)が垂下する。天井板57は電解電極58と渇水検知電極59を支持するともに、電解室55の天井部をシールするものである。電解電極58と渇水検知電極59は、容器51を横断する形で配置された電気回路基板60(図6参照)に電気的に接続されている。
【0028】
電解室55の下部には、横方向に張り出す袋小路状の導水路61が形成される。導水路61の天井には平面形状円形の窓62が形成される。窓62は超音波振動板63で閉塞される。押さえ枠64とシール部材65により、超音波振動板63は窓62から外に水を漏らさないようしっかりと取り付けられる。
【0029】
超音波振動板63は圧電振動子を備え、この圧電振動子に電圧を印加することにより超音波振動板63は超音波振動する。超音波振動板63には、その肉厚方向に微細な貫通穴が多数形成されている。
【0030】
導水路61は超音波振動板63に水を供給する水路となる。水路断面積は超音波振動板63の出力及び水槽53の容積により決定される。
【0031】
超音波振動板63の上の、容器51と蓋52で囲まれた空間がミスト発生室66となる。ミスト発生室66には2箇所に通気口が設けられる。その1は容器51の側面に形成された通気口67であって、これは空気清浄機1の排気口17より浄化済みの空気の一部を取り入れるためのものである。その2は蓋52の上面から突出する煙突状の通気口68であって、これは通気口67から取り入れた空気とミストの混合気体を上向きに吹き出すためのものである。
【0032】
図6に示すように、容器51には、電解室55に隣接してコネクタ部70が設けられる。コネクタ部70は容器51内のピンホルダ71から下向きに突出する複数のピン72を有する。ピン72も電気回路基板60に電気的に接続されている。
【0033】
図7に示すように、容器51には、ミスト発生室66に隣接して電池室73が形成され、その中に、内蔵電池として二次電池74が収納されている。
【0034】
蓋52の内部は、ミスト発生室66の一部となる部分以外の部分が、垂直仕切壁75と水平仕切壁76により電装室77として区画される。電装室77に収納された電気回路基板78に、図10に示す制御部80が形成されている。制御部80はマイクロコンピュータ81とエンコーダ82を含む。
【0035】
マイクロコンピュータ81は受信回路83から信号を受け取り、ドライブ回路84に指令を与える。ドライブ回路84は図9の直流出力部32または二次電池74から直流電力の供給を受けて電解電極58に電圧を印加する。ドライブ回路84はまた、発振回路85を励起させて超音波振動板63を超音波振動させる。
【0036】
エンコーダ82は、渇水検知電極59と、電気回路基板78に設けられたガスセンサ86、埃センサ87、及び温湿度センサ88から信号を受け取り、それらを通信用データに変換して送信回路89に送る。
【0037】
図6に示すように、電気回路基板78には受信回路83及び送信回路89のインターフェースとなる赤外線送受信装置90が設けられている。電装室77には赤外線送受信装置90の送受信窓91が設けられる。送受信窓91は透明なレンズで覆われている。赤外線送受信装置90、受信回路83、及び送信回路89の組み合わせにより、ミスト発生ユニット50は空気清浄機1に対し双方向通信機能を有することになる。
【0038】
この他電装室77には、ガスセンサ86、埃センサ87、及び温湿度センサ88に室内空気を接触させるための通気口92、93が形成されている。
【0039】
ミスト発生ユニット50を空気清浄機1の所定の位置にはめ込むと、空気清浄機1側のコネクタ部33にミスト発生ユニット50側のコネクタ部70が接続する。これによりミスト発生ユニット50は空気清浄機1に有線接続されて電力供給を受けることになる。以後ミスト発生ユニット50は、コネクタ部33の直流出力部32から供給された直流電力で電解電極58に電圧を印加し、超音波振動板63を発振させ、さらには二次電池74の充電を行う。
【0040】
空気清浄機1の制御部21からミスト発生ユニット50の制御部80への指令伝達は赤外線による無線通信で行われる。空気清浄機1の送信回路29から送信された指令はミスト発生ユニット50の受信回路83で受信され、この指令を受けてマイクロコンピュータ81はドライブ回路84を駆動する。逆に、渇水検知電極59、ガスセンサ86、埃センサ87、及び温湿度センサ88からの信号はエンコーダ82で通信用データに変換され、送信回路89から送信される。制御部21は受信回路27でそれを受信し、マイクロコンピュータ22で解析する。
【0041】
上記のようにミスト発生ユニット50を空気清浄機1に搭載するのに前後して、蓋52を外し、貯水室56に水を注ぐ。水は貯水室56に連通した電解室55に入り、電解室55から導水路61に入る。導水路61の水位が上昇すると、超音波振動板63の下面に水が直接接触する。超音波振動板63に形成した貫通穴は微細なので、超音波振動板63の上面に水が浸み出すことはない。これにより超音波振動板63は、上面は大気に露出し、下面は水に直接接触した状態となる。
【0042】
水を注ぎ続けると、超音波振動板63で塞き止められた形の導水路61を水が満たした後も電解室55と貯水室56の水位は上昇する。貯水室56の内面に表示された水位線まで水を注いだ後、注水をやめ、容器51に蓋52を被せる。蓋52に設けられたシール部材94が貯水室56の開口部を水密に閉ざすので、水槽53内の水が外部に漏れることはない。容器51と蓋52の間には適宜の鎖錠手段を設け、蓋52を閉じた状態が保たれるようにする。この状態でコネクタ部70とコネクタ部33が接続されていれば、電解室55で電解水を生成し、ミスト発生室66で電解水のミストを発生させる準備が整ったことになる。操作パネル部34を通じての操作で制御部21より制御部80に赤外線通信で指令を送り、ドライブ回路84を駆動すると、ドライブ回路84が電解電極58に電圧を印加し、電気分解が開始される。
【0043】
1対の電解電極58に、互いに逆極性となるように交互に所定の電圧(例えば10V)を印加すると、電解室55内の水が電気分解される。水が水道水である場合、その中に塩素が含まれているから、電気分解により次のような電気化学反応が生じる。
(陽極側)
4HO−4e→4H+O↑+2H
2Cl→Cl+2e
O+Cl⇔HClO+H+Cl
(陰極側)
4HO+4e→2H↑+4OH
(電極板間)
+OH→H
上記電気化学反応により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。電解室55で生成された電解水は貯水室56や導水路61の水と混じり合うから、結局、水槽53の水全体が電解水に置き換わって行くことになる。
【0044】
上記のようにして電解水を生成した後、発振回路85を励起して超音波振動板63を超音波振動させると、超音波振動板63の貫通穴を通じてミスト発生室66に電解水のミストが噴き出す。前述の通り、空気清浄機1の排気口17より通気口67を通じて取り入れた浄化済みの空気に電解水ミストが混じり、その混合気体は通気口68から吹き出され、排気口17からの排気流とともに室内に拡散する。これにより、室内空気を加湿することができる。またミストが電解水ミストであることにより、室内空気の殺菌や脱臭を行うことができる。ミストが電解水である必要がない場合は、電解電極58に電圧を印加しないで、水槽53内の水をただの水のままにしておけばよい。
【0045】
ミストの発生は、超音波振動板63の上に水が乗っていない状態で行われるから、超音波振動板63のエネルギー消費量はそれほど多くなくて済む。貫通穴を通るのはミストだけであり、高速の水滴が飛び出す訳ではないから、その水滴が容器51や蓋52に当たってそれらを劣化させることもない。
【0046】
水がミストとして消費されるにつれ、電解室55と貯水室56の水位が低下する。超音波振動板63の下面よりも電解室55と貯水室56の水位の方が高い間は、その高さの差による水圧で水が超音波振動板63に確実に接触し、効率良く霧化が続けられる。
【0047】
電解室55と貯水室56の水位が低下し続けると、渇水検知電極59が水面から離れ、超音波振動板63の下面も水に接触しなくなるという水位に達する。渇水検知電極59が液面から離れた時点で超音波振動板63への電圧印加は停止される。これにより、霧化が生じない状態で超音波振動板63を空運転することによる超音波振動板63の消耗を防ぐことができる。電解電極58に電圧を印加して電解水生成を行っていた場合は、その電圧印加も同時に停止されるようにするとよい。
【0048】
ミスト発生ユニット50は、空気清浄機1から離れた場所に置くことができる。コネクタ部70をコネクタ部33から引き抜くようにしてミスト発生ユニット50を空気清浄機1から取り外すと、それ以後ミスト発生ユニット50は、二次電池74を電源として電解水の生成及び電解水ミストの生成を行うことになる。これにより、空気清浄機1から離れた場所に濃度の高い電解水ミストを供給できる。
【0049】
本実施形態では、空気清浄機1の制御部21は、空気清浄機1のセンサ群からの信号とミスト発生ユニット50のセンサ群からの信号を以下に説明する手法で処理し、空気清浄機1とミスト発生ユニット50を動作させる。
【0050】
制御部21は、まず、表1に従いガスセンサ総合判定を行う。
【0051】
【表1】

【0052】
空気清浄機1のガスセンサ23とミスト発生ユニット50のガスセンサ86は、室内空気に存在することが好ましくないガスを検知した場合、ガスの量により、検知結果を「きれい」「普通」「汚い」の3段階に区分する。ガスセンサ23の検知結果が「きれい」で、ガスセンサ86の検知結果も「きれい」であった場合、ガスセンサ総合判定は「きれい」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「きれい」で、ガスセンサ86の検知結果が「普通」であった場合、ガスセンサ総合判定は「普通」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「きれい」で、ガスセンサ86の検知結果が「汚い」であった場合、ガスセンサ総合判定は「汚い」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「普通」で、ガスセンサ86の検知結果が「きれい」であった場合、ガスセンサ総合判定は「普通」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「普通」で、ガスセンサ86の検知結果も「普通」であった場合、ガスセンサ総合判定は「普通」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「普通」で、ガスセンサ86の検知結果が「汚い」であった場合、ガスセンサ総合判定は「汚い」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「汚い」で、ガスセンサ86の検知結果が「きれい」であった場合、ガスセンサ総合判定は「汚い」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「汚い」で、ガスセンサ86の検知結果が「普通」であった場合、ガスセンサ総合判定は「汚い」とされる。ガスセンサ23の検知結果が「汚い」で、ガスセンサ86の検知結果も「汚い」であった場合、ガスセンサ総合判定は「汚い」とされる。以上の結果をまとめたものが表1である。
【0053】
空気清浄機1の埃センサ24とミスト発生ユニット50の埃センサ87は、空気中の埃を検知した場合、埃の量により、検知結果を「少ない」「普通」「多い」の3段階に区分する。そして制御部21は、埃センサ24の検知結果と埃センサ87の検知結果、及びガスセンサ総合判定の結果を総合して、空気清浄機運転モードとミスト発生ユニット運転モードを決定する。空気清浄機運転モードは送風ユニット12の運転モードに他ならず、それは「停止」「弱」「中」「強」の4段階の区分となっている。ミスト発生ユニット運転モードは電解水ミストの生成量をパラメータとして定められ、「停止」「少」「中」「多」の4段階の区分となっている。
【0054】
表2には、ミスト発生ユニット50の埃センサ87の検知結果が「少ない」の時の空気清浄機運転モードとミスト発生ユニット運転モードが示されている。
【0055】
【表2】

【0056】
ガスセンサ総合判定が「きれい」で、空気清浄機1の埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「停止」、ミスト発生ユニット運転モードも「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「停止」、ミスト発生ユニット運転モードも「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードは「少」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「弱」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果も「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「弱」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードは「少」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「少」とされる。以上の結果をまとめたものが表2である。
【0057】
表3には、ミスト発生ユニット50の埃センサ87の検知結果が「普通」の時の空気清浄機運転モードとミスト発生ユニット運転モードが示されている。
【0058】
【表3】

【0059】
ガスセンサ総合判定が「きれい」で、空気清浄機1の埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「停止」、ミスト発生ユニット運転モードも「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「停止」、ミスト発生ユニット運転モードも「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「弱」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果も「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「弱」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「停止」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「中」とされる。以上の結果をまとめたものが表3である。
【0060】
表4には、ミスト発生ユニット50の埃センサ87の検知結果が「多い」の時の空気清浄機運転モードとミスト発生ユニット運転モードが示されている。
【0061】
【表4】

【0062】
ガスセンサ総合判定が「きれい」で、空気清浄機1の埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「きれい」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「多」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果も「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「中」、ミスト発生ユニット運転モードも「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「普通」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「多」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「少ない」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「普通」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「中」とされる。ガスセンサ総合判定が「汚い」で、埃センサ24の検知結果が「多い」であった場合、空気清浄機運転モードは「強」、ミスト発生ユニット運転モードは「多」とされる。以上の結果をまとめたものが表4である。
【0063】
表2から表4までに示したミスト発生ユニット運転モードは、空気清浄機1の温湿度センサ25が検知する外部環境の温度と湿度に応じて修正される。図11は温度を横軸にとり、湿度を縦軸にとったグラフであって、その中に「ウィルスが活動しやすい環境」と「カビ菌が活動しやすい環境」が概念的にハッチングで示されている。「ウィルスが活動しやすい環境」は概して低湿度域に属し、「カビ菌が活動しやすい環境」は概して高湿度域に属する。外部環境が図11のハッチング領域に属するときは、空気清浄機1の制御部21は、上記表中のミスト発生ユニット運転モードを以下のように変換してミスト発生ユニット50を稼働させる。
【0064】
「停止」→「中」
「少」 →「中」
「中」 →「多」
「多」 →「多」
この時生成するミストは、言うまでもなく電解水ミストである。
【0065】
図12も図11と同様のグラフであるが、その中には「ハウスダスト・花粉の舞い上がりやすい環境」が概念的にハッチングで示されている。「ハウスダスト・花粉の舞い上がりやすい環境」は概して低温低湿域に属する。外部環境が図12のハッチング領域に属するときは、制御部21は上記表中のミスト発生運転モードを全て「多」に置き換えてミスト発生ユニット50を稼働させる。この時生成するミストも電解水ミストである。
【0066】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、ミスト発生ユニットが空気清浄機に搭載されたときの指令及び信号の伝達は、無線通信でなく有線接続を通じて行うこととすることができる。また表2から表4で示した空気清浄機とミスト発生ユニットの運転モードは一例であって、適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ミスト発生ユニットを搭載する空気清浄機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 空気清浄機
10 ハウジング
11 フィルタユニット
12 送風ユニット
19 電装室
20 電気回路基板
21 制御部
33 コネクタ部
34 操作パネル部
40 カバー
50 ミスト発生ユニット
51 容器
52 蓋
53 水槽
55 電解室
56 貯水室
58 電解電極
61 導水路
62 窓
63 超音波振動板
66 ミスト発生室
70 コネクタ部
74 二次電池
78 電気回路基板
80 制御部
90 赤外線送受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なミスト発生ユニットを搭載した空気清浄機であって、
前記ミスト発生ユニットは、前記空気清浄機への搭載状態では有線接続を通じ当該空気清浄機から電力供給を受けて動作し、前記空気清浄機から取り外されたときは内蔵電池を電源として動作することを特徴とするミスト発生ユニット付き空気清浄機。
【請求項2】
前記空気清浄機は、前記ミスト発生ユニットを無線通信で制御することを特徴とする請求項1に記載のミスト発生ユニット付き空気清浄機。
【請求項3】
前記空気清浄機と前記ミスト発生ユニットは双方向通信機能を備え、且つそれぞれ外部環境の状態を検知するセンサを備え、前記空気清浄機の制御部は、当該空気清浄機と前記ミスト発生ユニットそれぞれのセンサからの信号を総合的に処理して、空気清浄機とミスト発生ユニットそれぞれの動作を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のミスト発生ユニット付き空気清浄機。
【請求項4】
前記ミスト発生ユニットは電解水生成機能を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のミスト発生ユニット付き空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−246618(P2010−246618A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96561(P2009−96561)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】