説明

ムスカリン受容体アンタゴニストとベータ−2−アドレナリン受容体アゴニストの組み合わせ

本発明は、選抜したムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分を含む、慢性閉塞性肺疾患および喘息のような呼吸器疾患の処置に使用するための、医薬製品、キットまたは組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息の処置に使用するための複数の薬学的活性物質の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
肺の必須機能は、汚染物、微生物、アレルゲン、および発癌物質を含む環境に非常に大量に曝される脆い構造を必要とする。生活様式の選択肢および遺伝的構成物の相互作用に起因する宿主因子は、この暴露への応答に影響する。肺の損傷または感染は、広範囲の呼吸器系の疾患(または呼吸器疾患)を引き起こし得る。多くのこれらの疾患は、公衆衛生に非常に重要である。呼吸器疾患は、急性肺傷害、急性呼吸器窮迫症候群(ARDS)、職業性肺疾患、肺癌、結核、線維症、塵肺、肺炎、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息を含む。
【0003】
最も一般的な呼吸器疾患の一つは喘息である。喘息は、一般に、間欠的な気流閉塞が原因の臨床症状を伴う気道の炎症性障害として定義される。それは喘鳴、呼吸困難および咳の発作により臨床的に特徴付けられる。それは、有病率および重症度が上昇しているように見える、慢性機能障害性の障害である。先進国における子供の15%および成人の5%が喘息を患っていると概算される。故に、治療は通常の生活が可能となるような症状の抑制および同時に根底の炎症の処置の基礎を提供することを目的とすべきである。
【0004】
COPDは、通常の呼吸を妨害し得る肺疾患の大きな群を意味する。現在の臨床ガイドラインは、COPDを完全には可逆性ではない気流の制限により特徴付けられる疾患状態として定義する。機能の制限は、通常進行性であり、そして有害な粒子およびガスへの肺の炎症性応答と関連する両方である。このような粒子およびガスの最も重要な一因は、少なくとも西洋ではタバコの煙である。COPD患者は咳、息切れ、および痰の過剰な産生を含む種々の症状を有する;このような症状は、好中球、マクロファージ、および上皮性細胞を含む多くの細胞区画の機能障害に由来する。COPDに含まれる2つの最も重要な状態は慢性気管支炎および気腫である。
【0005】
慢性気管支炎は、気管支の長期にわたる炎症であり、それは増加した粘膜の産生および他の変化をもたらす。患者の症状は、咳および痰の喀出である。慢性気管支炎は、より頻繁で重篤な呼吸器感染、気管支の収縮および閉塞、呼吸困難および身体障害に至り得る。
【0006】
気腫は、肺胞および/または最小気管支の末端に影響する慢性肺疾患である。肺はその弾力性を失い、故に、肺のこれらの領域は拡張する。これらの拡張領域は古い空気を捕捉し、それを新鮮な空気と効率的に交換しない。これは呼吸困難をもたらし、そして血中に送達される酸素が不十分となり得る。気腫の患者の優勢な症状は息切れである。
【0007】
呼吸器疾患の処置に使用さえる治療剤はβ−アドレナリン受容体アゴニストを含む。これらの薬剤(ベータ2(β)−アゴニストとしても既知)は、気管支平滑筋の弛緩、気道閉塞の軽減、肺高度膨脹の軽減および息切れの減少により、呼吸器疾患の症状を軽減するために使用し得る。1日1回β2アゴニストとして現在治験下にある化合物群が、Expert Opin. Investig. Drugs 14(7), 775-783(2005)に記載されている。
【0008】
呼吸器疾患の治療に使用される治療剤の他のクラスはムスカリンアンタゴニストである。ムスカリン受容体は、5種のファミリーメンバーM、M、M、MおよびMを有するG−タンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーである。5種のムスカリンサブタイプ中、3種(M、MおよびM)が、ヒト肺組織上に生理学的作用を発揮することが知られている。副交感神経は、ヒト気道における反射気管支収縮の主経路であり、ムスカリン受容体上へのアセチルコリンの放出により気道緊張を仲介する。気道緊張は、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような呼吸器障害の患者で増加し、この理由のためにムスカリン受容体アンタゴニストは気道疾患処置における使用のために開発されている。診療においてはしばしば抗コリン剤とも呼ばれるムスカリン受容体アンタゴニスト(antagonsists)は、COPDの個体の第一線治療剤として広範な承認を得ており、それらの使用は文献において詳細にレビューされている(例えばLee et al, Current Opinion in Pharmacology 2001,1, 223-229)。
【0009】
β−アドレナリン受容体アゴニストまたはムスカリンアンタゴニストでの処置はかなりの利益をもたらすことができるが、これらの薬剤の効果はしばしば満足とはほど遠い。さらに、喘息およびCOPDのような呼吸器疾患の複雑さの観点から、何らかの一つのメディエーターが本疾患を単独で十分に処置できるとは考えにくい。それ故に、COPDおよび喘息のような呼吸器疾患に対する新規治療の、特に疾患修飾能を有する治療の緊急な医学的要求がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は:
[2−((S)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩、および
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩
から選択されるムスカリンアンタゴニストである第一活性成分;
およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分
を組み合わせて含む、医薬製品を提供する。
【0011】
有益な治療効果が、本発明のムスカリンアンタゴニストをβ−アドレナリン受容体アゴニストと組み合わせて使用したならば、呼吸器疾患の処置において観察され得る。この有益な治療効果は、2種の活性成分を同時に(一つの医薬製剤としてまたは別々の製剤を介していずれでも)、または連続的にまたは別々の医薬製剤を介して別々に投与したときに、観察され得る。
【0012】
本発明の医薬製品は、例えば、第一および第二成分を混合して含む医薬組成物であり得る。あるいは、本医薬製品は、例えば、第一活性成分の製剤および第二成分の製剤と、所望により、それを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与についての指示を含む、キットであり得る。
【0013】
本発明の組み合わせ中の第一活性成分は:
[2−((S)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩;および
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩
から選択されるムスカリンアンタゴニストである。
【0014】
本発明のムスカリンアンタゴニストは、M3受容体に対する高い有効性を示す、WO2007/017669(PCT/GB2006/002956)に記載された新規クラスの化合物の選抜メンバーである。ムスカリンアンタゴニストの名称は、実施例に記載された構造式、およびカーン・インゴルド・プレローグシステムにより割り振られた立体化学に基づき、MDL Information Systems Inc.により供給されるIsisDraw Version 2.5のAutonom 2000プラグインにより作製されたIUPAC名である。例えば、名称[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムは、構造式:
【化1】

から作製された。
【0015】
本発明のムスカリン受容体アンタゴニストはアンモニウム塩である。本塩アニオンは、単または多価(例えば二価)酸の任意の薬学的に許容されるアニオンであり得る。本発明の一態様において、本塩アニオンはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレート)、ナパジシル酸塩(napadisylate)(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩)、イセチオン酸塩(2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、メシル酸塩(メタンスルホン酸塩)、マレイン酸塩((Z)−3−カルボキシ−アクリル酸塩)、フマル酸塩、コハク酸塩(3−カルボキシ−プロピオン酸塩)、リンゴ酸塩((S)−3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロピオン酸塩)、キシナホ酸塩およびp−アセトアミド安息香酸塩から選択される。
【0016】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが
[2−((S)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムトシレート、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムマレイン酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムコハク酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムマレート、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムナパジシル酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイド、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムナパジシル酸塩、
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムメシル酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムブロマイド、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩、
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド、
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩、および
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムメシル酸塩
から選択される。
【0017】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが、ブロマイドまたはナパジシル酸塩の形である。
【0018】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストがナパジシル酸塩の形である。本ムスカリンアンタゴニストがナパジシル酸塩であるとき、カチオン/アニオン比は代わり得て、例えば1:1または2:1または1:1〜2:1の間の値であり得る。
【0019】
本発明の一態様において、本ムスカリンアンタゴニストはナパジシル酸塩の形であり、ここで、ナパジシル酸塩カチオン/アニオン比が2:1である。すなわちヘミナパジシル酸塩である。この態様に従うムスカリンアンタゴニストの例は
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、および
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
を含む。
【0020】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストがブロマイド塩の形である。
【0021】
本発明の組合せの第二成分はβ−アドレナリン受容体アゴニストである。本発明のβ−アドレナリン受容体アゴニストは、β−受容体を刺激でき、気管支拡張剤として作用する任意の化合物または物質であり得る。本明細書の文脈において、特記しない限り、β−アドレナリン受容体アゴニストについての全ての言及は、該β−アドレナリン受容体アゴニストから形成され得る活性塩、溶媒和物または誘導体および任意のエナンチオマーおよびそれらの混合物を含む。β−アドレナリン受容体アゴニストの可能な塩または誘導体の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、マレイン酸の塩のような酸付加塩、および薬学的に許容されるエステル(例えばC−Cアルキルエステル)である。本β−アゴニストはまた溶媒和物、例えば水和物の形であってもよい。
【0022】
この態様の医薬製品に使用し得るβ−アドレナリン受容体アゴニストの例は、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール(例えば硫酸塩として)、フォルモテロール(例えばフマル酸塩として)、サルメテロール(例えばキシナホ酸塩として)、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロール(例えばメシル酸塩として)、ピルブテロールまたはインダカテロールを含む。この態様のβ−アドレナリン受容体アゴニストは、長時間作用型β−アゴニスト(すなわち24時間を超えて持続する活性を有するβ−アゴニスト)、例えばサルメテロール(例えばキシナホ酸塩として)、フォルモテロール(例えばフマル酸塩として)、バンブテロール(例えば塩酸塩として)、カルモテロール(TA 2005、2(1H)−キノロン、8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−[[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチルエチル]−アミノ]エチル]−モノ塩酸塩、[R−(R*,R*)]として化学的に同定され、また、Chemical Abstract Service Registry Number 137888-11-0により同定され、米国特許4,579,854に開示)、インダカテロール(CAS no 312753-06-3; QAB-149)、ホルムアニリド誘導体、例えばWO2002/76933に開示の3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド誘導体、例えばWO2002/88167に開示の3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシ−メチル)フェニル]エチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、WO2003/042164およびWO2005/025555に開示のアリールアニリン受容体アゴニスト、WO2004/032921、US2005/222144に開示のインドール誘導体、化合物GSK 159797、GSK 159802、GSK 597901、GSK 642444およびGSK 678007であり得る。
【0023】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロールである。フォルモテロールの化学名はN−[2−ヒドロキシ−5−[(1)−1−ヒドロキシ−2−[[(1)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミドである。フォルモテロールの製造は、例えば、WO92/05147に開示されている。この態様の一局面において、β−アドレナリン受容体アゴニストはフマル酸フォルモテロールである。本発明が、フォルモテロールの全光学異性体およびラセミ体を含むそれらの混合物の使用を包含することは当然である。それ故、例えば、用語フォルモテロールは、N−[2−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミド、N−[2−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−[[(1S)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミドおよびラセミ体を含むそのようなエナンチオマーの混合物を包含する。
【0024】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストは:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、
またはその薬学的に許容される塩から選択される。この態様に従うβ−アドレナリン受容体アゴニストは、本出願の実験的製造の章に記載の通りに製造し得る。この態様のβ−アドレナリン受容体アゴニストの名称は、IUPAC NAME, ACD Labs Version 8 naming packageにより作製したIUPAC名である。
【0025】
本発明のさらなる態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストは:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン二臭化水素酸塩
から選択される。
【0026】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0027】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0028】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0029】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0030】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0031】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩である、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0032】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0033】
本発明の一態様において、本ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0034】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0035】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0036】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0037】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0038】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0039】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0040】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0041】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストが7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0042】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストが7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0043】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストが7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0044】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストが7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0045】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩であり、β−アドレナリン受容体アゴニストが7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドである。この態様の他の局面において、ムスカリン受容体アンタゴニストが[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムナパジシル酸塩(例えばヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)である。
【0046】
本発明の組み合わせは、呼吸器疾患の処置において有益な治療効果を提供し得る。このような可能性のある効果の例は、1種以上の次のパラメータの改善を含む:炎症性細胞の減少した肺への流入、軽度および重度増悪、FEV(一秒量)、肺活量(VC)、最大呼気流量(PEF)、症状スコアおよびクオリティ・オブ・ライフ。
【0047】
本発明のムスカリンアンタゴニスト(第一活性成分)およびβ−アドレナリン受容体アゴニスト(第二成分)は、呼吸器疾患を処理するために同時に、連続的にまたは別々に投与してよい。連続的投与により、複数活性成分を、任意の順番で、一方を他方の直後に投与することを意味する。それらを別々に、ただし、一般には、4時間以上間隔をあけずに、より好都合には2時間以上間隔をあけずに、より好都合には30分以上間隔をあけずに、最も好都合には10分以上間隔をあけずに投与したとき、それらは所望の効果を奏し得る。
【0048】
本発明のこれらの活性成分は、錠剤、カプセル、ピル、粉末、水性または油性溶液または懸濁液、エマルジョンおよび滅菌注射可能水性または油性溶液または懸濁液のような慣用の前進投与形態を使用して、経口または非経腸(例えば静脈内、皮下、筋肉内または関節内)投与により投与し得る。これらの活性成分はまた、溶液、懸濁液、エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で局所的(肺および/または気道)に投与してよい。これらの投与形態は、通常、例えば、アジュバント、担体、結合剤、平滑剤、希釈剤、安定化剤、緩衝化剤、乳化剤、粘性調節剤、界面活性剤、防腐剤、風味剤および着色剤から選択され得る、1種以上の薬学的に許容される成分を含む。当業者には理解される通り、これらの活性成分の最も適切な投与方法は、多くの因子による。
【0049】
本発明の一態様において、これらの活性成分を別々の医薬製剤を介して投与する。それ故、一局面において、本発明は、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分の製剤、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分の製剤、および所望によりそれを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与についての指示を含む、キットを提供する。
【0050】
他の態様において、これらの活性成分を一つの医薬組成物を介して投与し得る。それ故、本発明は、さらに、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分とβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分を混合して含む、医薬組成物を提供する。
【0051】
本発明の医薬組成物は、ムスカリンアンタゴニスト(第一活性成分)とβ−アドレナリン受容体アゴニスト(第二成分)および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することにより製造し得る。それ故、本発明のさらなる局面において、本発明のムスカリンアンタゴニストとβ−アドレナリン受容体アゴニストおよび薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、医薬組成物の製造方法が提供される。
【0052】
本発明に従い投与する各活性成分の治療投与量は、用いる特定の活性成分、活性成分を投与する投与方式、および処置する状態または障害により変わることは当然である。
【0053】
本発明の一態様において、本発明のムスカリンアンタゴニストを吸入を介して投与する。吸入を介して投与するとき、本発明のムスカリンアンタゴニストの投与量は、一般に、0.1マイクログラム(μg)〜5000μg、0.1〜1000μg、0.1〜500μg、0.1〜100μg、0.1〜50μg、0.1〜5μg、5〜5000μg、5〜1000μg、5〜500μg、5〜100μg、5〜50μg、5〜10μg、10〜5000μg、10〜1000μg、10〜500μg、10〜100μg、10〜50μg、20〜5000μg、20〜1000μg、20〜500μg、20〜100μg、20〜50μg、50〜5000μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜100μg、100〜5000μg、100〜1000μgまたは100〜500μgの範囲である。この投与量を、一般に、1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、そして最も好都合には1日1回投与する。
【0054】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストは、好都合には吸入により投与し得る。吸入を介して投与するとき、β−アゴニストの投与量は、一般に、0.1〜50μg、0.1〜40μg、0.1〜30μg、0.1〜20μg、0.1〜10μg、5〜10μg、5〜50μg、5〜40μg、5〜30μg、5〜20μg、5〜10μg、10〜50μg、10〜40μg10〜30μg、または10〜20μgの範囲である。この投与量を、一般に、1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、そして最も好都合には1日1回投与する。
【0055】
一態様において、本発明は、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分を組み合わせで含み、ここで、各活性成分が吸入投与用に製剤されている、医薬製品を提供する。
【0056】
本発明のこれらの活性成分は、好都合には、溶液、懸濁液、エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で吸入を介して局所的(例えば肺および/または気道に局所的)に投与される。例えば定量吸入器を、適当な噴射剤に分散され、そしてエタノール、界面活性剤、平滑剤または安定化剤のようなさらなる賦形剤を伴うまたは伴わない、これらの活性成分の投与に使用してよい。適当な噴射剤は炭化水素、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカン(例えばヘプタフルオロアルカン)噴射剤、またはそのような噴射剤の混合物を含む。好ましい噴射剤はP134aおよびP227であり、その各々を単独で、または他の噴射剤および/または界面活性剤および/または他の賦形剤と組み合わせて使用し得る。霧状化された水性懸濁液または、好ましくは、溶液も、適当なpHおよび/または張性調節なしに、単位投与量または多回投与量製剤のいずれかとして、用いてもよい。
【0057】
これらの活性成分の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアロゾルを、経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入用に、本化合物は望ましくは微粉化される。微粉化化合物は、好ましくは10μm未満の質量中央径を有し、C−C20脂肪酸またはその塩、(例えば、オレイン酸)、胆汁酸塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤のような分散剤の助けを借りて、噴射剤混合物中に懸濁させ得る。
【0058】
一つの可能性は、本発明の微粉化化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または他のポリオールとの混合である。適当な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは、微粉化化合物を他の物質でコートしてよい。粉末混合物をまた、各々所望の量の活性化合物を含む硬ゼラチンカプセルに分配してよい。
【0059】
他の可能性は、微粉化化合物の、吸入工程中に破壊する球体への加工である。この球体化粉末は、例えば、投与ユニットが所望量を測定し、次いでそれが患者により吸入されるTurbuhaler(登録商標)として既知のもののような多回投与吸入器の薬剤貯蔵部に充填してよい。このシステムで、活性成分は、担体物質を伴ってまたは伴わず、患者に送達される。
【0060】
本発明の組み合わせは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全てのタイプの慢性気管支炎(それに付随する呼吸困難を含む)、喘息(アレルギー性および非アレルギー性;‘喘鳴幼児症候群')、成人/急性呼吸器窮迫症候群(ARDS)、慢性呼吸器閉塞、気管支機能亢進、肺線維症、肺気腫、およびアレルギー性鼻炎、他の投薬治療、特に他の吸入薬治療の結果としての気道反応性亢進の増悪または塵肺(例えばアルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症および綿肺症)のような呼吸器管障害の処置または予防に有用である。
【0061】
乾燥粉末吸入器を、これらの活性成分を薬学的に許容される担体を伴ってまたは伴わず、後者の場合、微粉化粉末としてまたはオーダード・ミックスチャーとして投与するのに使用してよい。乾燥粉末吸入器は一回投与または多回投与であってよく、乾燥粉末または粉末含有カプセルを使用してよい。
【0062】
定量吸入器、ネブライザーおよび乾燥粉末吸入器は既知であり、種々のこのような装置が利用可能である。
【0063】
本発明は、さらに、治療において同時に、連続的にまたは別々に使用するための、本発明の医薬製品、キットまたは医薬組成物を提供する。
【0064】
本発明は、さらに、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患または喘息の処置における、本発明の医薬製品、キットまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0065】
本発明は、さらに、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患または喘息の処置用医薬の製造における、本発明の医薬製品、キットまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0066】
本発明は、なおさらに、呼吸器疾患の処置方法であって:
(a)一定(治療的有効)投与量の本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分;および
(b)一定(治療的有効)投与量のβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分;
を、それを必要とする患者に同時に、連続的にまたは別々に投与することを含む、方法を提供する。
【0067】
本明細書の文脈において、用語“治療”はまた、相反する指示が特にない限り、“予防”も含む。用語“治療用”および“治療的”もこれに従い解釈すべきである。予防はまた、当該状態または障害の以前の事象を有しているか、または、それ以外にリスクが増加していると見なされるヒトの処置に特に適切であると期待される。特定の状態または障害を発症するリスクのあるヒトは、一般に該状態または障害の家族歴を有するか、または遺伝的試験またはスクリーニングで、該状態または障害の発症に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0068】
本発明の医薬製品、キットまたは組成物は、所望により呼吸器疾患の処置における使用に適当な第三活性成分を含んでよい。本発明に包含し得る第三活性成分の例は
ホスホジエステラーゼ阻害剤、
ケモカイン受容体機能のモジュレーター、
キナーゼ機能の阻害剤、
プロテアーゼ阻害剤、
ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、および
非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト
を含む。
【0069】
この態様の第三活性成分として使用し得るホスホジエステラーゼ阻害剤は、PDE4阻害剤、例えば、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、PDE3阻害剤およびPDE5阻害剤を含む。例は、次の化合物を含む:
(Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−2−[4−(2−インダニルオキシ−5−メトキシ−2−ピリジル]プロペンニトリル、
N−[9−アミノ−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−3−カルボキサミド(CI−1044)
3−(ベンジルオキシ)−1−(4−フルオロベンジル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
(1S−exo)−5−[3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルオキシ)−4−メトキシフェニル]テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(アチゾラム)、
N−(3,5,ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(AWD−12−281)、
β−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド(CDC−801)、
N−[9−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−4−カルボキサミド(CI−1018)、
cis−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(シロミラスト)
8−アミノ−1,3−ビス(シクロプロピルメチル)キサンチン(シパムフィリン(cipamfylline))
N−(2,5−ジクロロ−3−ピリジニル)−8−メトキシ−5−キノリンカルボキサミド(D−4418)、
5−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−2−イミノチアゾリジン−4−オン(ダルブフェロン)、
2−メチル−1−[2−(1−メチルエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]−1−プロパノン(イブジラスト)、
2−(2,4−ジクロロフェニルカルボニル)−3−ウレイドベンゾフラン−6−イルメタンスルホネート(リリミラスト(Lirimilast))、
(−)−(R)−5−(4−メトキシ−3−プロポキシフェニル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(メソプラム(mesopram))、
(−)−cis−9−エトキシ−8−メトキシ−2−メチル−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−6−(4−ジイソプロピルアミノカルボニルフェニル)−ベンゾ[c][1,6]ナフチリジン(プマフェントリン(Pumafentrine))、
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド(ロフルミラスト)、
ロフルミラストのN−オキシド、
5,6−ジエトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(Tibenelast)
2,3,6,7−テトラヒドロ−2−(メシチルイミノ)−9,10−ジメトキシ−3−メチル−4H−ピリミド[6,1−a]イソキノリン−4−オン(trequinsin)および
3−[[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−メチル]−N−エチル−8−(1−メチルエチル)−3H−プリン−6−アミン(V−11294A)。
【0070】
この態様の第三活性成分として使用し得るケモカイン受容体機能のモジュレーターの例は、CCR3受容体アンタゴニスト、CCR4受容体アンタゴニスト、CCR5受容体アンタゴニストおよびCCR8受容体アンタゴニストを含む。
【0071】
この態様の第三活性成分として使用し得るキナーゼ機能の阻害剤の例は、p38キナーゼ阻害剤およびIKK阻害剤を含む。
【0072】
この態様の第三活性成分として使用し得るプロテアーゼ阻害剤の例は、好中球エラスターゼ阻害剤またはMMP12阻害剤を含む。
【0073】
この態様の第三活性成分として使用し得るステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニストの例は、ブデソニド、フルチカゾン(例えばプロピオン酸エステルとして)、モメタゾン(例えばフロ酸エステルとして)、ベクロメタゾン(例えば17−プロピオン酸塩または17,21−ジプロピオン酸エステルとして)、シクレソニド、ロテプレドノール(例えばエタボネートとして)、エチプレドノール(例えばジクロアセテートとして)、トリアムシノロン(例えばアセトニドとして)、フルニソリド、ゾチカゾン(zoticasone)、フルモキソニド(flumoxonide)、ロフレポニド、ブチキソコート(例えばプロピオン酸エステルとして)、プレドニゾロン、プレドニゾン、チプレダン(tipredane)、ステロイドエステル類、例えば6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステルおよび6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、DE4129535に従うステロイドエステル類、WO2002/00679、WO2005/041980に従うステロイド、またはステロイドGSK 870086、GSK 685698およびGSK 799943を含む。
【0074】
この態様の第三活性成分として使用し得る非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニストのモジュレーターの例は、WO2006/046916に記載のものを含む。
【0075】
本発明を、以下の非限定的実施例により説明する。実施例において、次の図を提示する:
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】ムスカリンアンタゴニスト2(MA2)[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドのX線粉末回折パターン:結晶形態A
【図2】ムスカリンアンタゴニスト7(MA7)[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩のX線粉末回折パターン:結晶形態1
【図3】ムスカリンアンタゴニスト7(MA7)のX線粉末回折パターン:結晶形態2
【図4】ムスカリンアンタゴニスト7(MA7)のX線粉末回折パターン:結晶形態3
【図5】ムスカリンアンタゴニスト11(MA11)[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩のX線粉末回折パターン:結晶形態A
【図6】インビトロでのモルモット気管におけるフォルモテロール(1nM)存在下の、フォルモテロール(1nM)、化合物A(MA2)(10nM)および化合物A(10nM)による1μMのメタコリン誘発緊張の阻害%
【図7】インビトロでのモルモット気管におけるフォルモテロール(1nM)存在下の、フォルモテロール(1nM)、化合物B(MA11)(10nM)および化合物B(10nM)による1μMのメタコリン誘発緊張の阻害%
【図8】モルモットにおけるメタコリン誘発気管支収縮:3μg/kgおよび27μg/kgの化合物A(BA1)、0.2μg/kgの化合物Z(MA2)または3μg/kgの化合物Aと0.2μg/kgの化合物Zの組み合わせ。
【図9】モルモットにおけるメタコリン誘発気管支収縮:1μg/kgおよび27μg/kgの化合物A(BA1)、0.01μg/kgの化合物Y(MA11)または1μg/kgの化合物Aと0.01μg/kgの化合物Yの組み合わせ
【0077】
ムスカリンアンタゴニストの製造
本発明のムスカリンアンタゴニストは、次の方法で製造し得る。ここに記載のものと異なる塩は、ここに記載のものに準じた方法を使用して、慣用の化学により製造し得る。
【0078】
ムスカリンアンタゴニスト製造のための一般的実験の詳細
特記しない限り、次の一般的条件をムスカリンアンタゴニストの製造に使用した。
全ての反応は、特記しない限り、窒素雰囲気下で行った。
NMRスペクトルは、400MHzで操作する5mm逆検出三重共鳴プローブと共にVarian Unity Inova 400分光計で、または400MHzで操作する5mm逆検出三重共鳴TXIプローブと共にBruker Avance DRX 400分光計で、または300MHzで操作する標準5mm二重周波数プローブと共にBruker Avance DPX 300分光計で行った。シフトは、テトラメチルシランに対するppmで示す。
【0079】
生成物をカラムクロマトグラフィーで生成したとき、‘フラッシュシリカ'は、0.035〜0.070mm(220〜440メッシュ)のクロマトグラフィー用シリカゲル(例えばFluka silica gel 60)を意味し、そして、カラム溶出を加速させるために10p.s.iまでの窒素を適用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)が使用されているとき、それは、蛍光インディケーター(254nm)と共に、プレートを使用したシリカゲルTLC、典型的にアルミニウムホイルプレート上の3×6cmシリカゲル(例えばFluka 60778)を意味する。全溶媒および市販試薬は受領したまま使用した。
【0080】
HPLCで精製した、塩基性中心を含む全化合物は、特記しない限りTFA塩として得た。
【0081】
分取HPLC条件:
C18逆相カラム(100×22.5mm i.d.。7μm粒子径を有するGenesisカラム)。230nmでUV検出。
【0082】
LC/MS系
使用した液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)系:
LC−MS方法1
C18逆相カラム(5μm粒子径の100×3.0mm Higgins Clipeus)を備えたWaters Platform LCT、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表1】

検出−MS、ELS、UV(各100μl分画を254nmでインラインUVディテクターで検出しMSに供する)
MSイオン化方法−エレクトロスプレー(陽イオン)
【0083】
LC−MS方法2
C18逆相カラム(30×4.6mm Phenomenex Luna 3μm粒子径)を備えたWaters Platform LC、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表2】

検出−MS、ELS、UV(各100μl分画をインラインUVディテクター検出しMSに供する)
MSイオン化方法−エレクトロスプレー(陽および陰イオン)
【0084】
LC−MS方法3
C18逆相カラム(30×4.6mm Phenomenex Luna 3μm粒子径)を備えたWaters Micromass ZQ、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表3】

検出−MS、ELS、UV(各100μl分画をインラインUVディテクター検出しMSに供する)
MSイオン化方法−エレクトロスプレー(陽および陰イオン)
【0085】
LC−MS方法4
C18逆相カラム(5μm粒子径の100×3.0mm Higgins Clipeus)を備えたWaters Micromass ZQ、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表4】

検出−MS、ELS、UV(各100μl分画をインラインUVディテクター検出しMSに供する)
MSイオン化方法−エレクトロスプレー(陽イオン)
【0086】
X線粉末回折(XRPD)パターンを、高解像度Philips X-Pert MPD機で、反射モードおよびθ−2θコンフィギュレーションで、0.03°インクリメントあたり100秒間暴露で、2°〜40° 2θの走査範囲にわたり集めた。X線を、45kVおよび40mAで走査した銅チューブにより作製した。直接光線束X線の波長は、モノクロメーターを使用したため1.5406Å(Kα)であった。データを、〜2mgの本化合物を載せたゼロ背景ホルダー上に回収した。ホルダー(PANalyticalにより提供)は、シリコンの一結晶から成り、それは、2°〜40° 2θ範囲の非回折平面に沿って切断し、次いで光学的平面仕上げに磨いた。この表面へのX線投射は、Bragg消光により打ち消された。生データを電子的に貯蔵し、評価を生または平滑化回折パターンで行った。XRPDを環境温度および相対湿度で記録した。
【0087】
示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを、アルミニウム・パンおよび穿孔した蓋と共に、TA Q1000示差走査熱量計を使用して測定した。サンプル重量は0.5〜5mgの間で変化した。本工程は、窒素ガス流(50ml/分)下で、10℃/分で一定速度で温度を上昇させて、25〜300℃の試験温度で行った。
【0088】
熱重量分析(TGA)サーモグラムは、白金パンを用い、TA Q500熱重量分析器を使用して測定した。サンプル重量は1〜5mgの間で変化した。本工程は、窒素ガス流(60ml/分)下で、10℃/分で一定速度で温度を上昇させて、25〜200℃の試験温度で行った。
【0089】
GVSプロファイルを、Dynamic Vapour Sorption DVS-1装置を使用して測定した。固体サンプル約1−5mgをガラス容器に入れ、サンプル重量をデュアル・サイクル・ステップ方法の間記録した(10%RHの段階で40から90から0から90から0%相対湿度(RH))。GVSプロファイルを環境温度で記録した。
【0090】
実験部分で使用した略語:
Aq=水性
DCM=ジクロロメタン
DMF=ジメチルホルムアミド
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
GVS=重量測定的蒸気収着
MeOH=メタノール
RT=RT
Rt=保持時間
THF=テトラヒドロフラン
Satd=飽和
【0091】
ここに記載するムスカリンアンタゴニスト、およびその製造に使用した中間体は、MDL Information Systems. Inc.から供給された、IsisDraw version 2.5用のAutonom 2000プラグインにより作製したIUPAC名で示している。
【実施例】
【0092】
ムスカリンアンタゴニスト製造に使用した中間体
ムスカリンアンタゴニストの製造に使用した次の中間体1−16は、次の通り製造した:
【0093】
中間体1:2−オキソ−2−フェニル−N−プロプ−2−イニル−アセトアミド
【化2】

塩化オキサリル(6.1g、48mmol)を、フェニルグリオキシル酸(6.0g、40mmol)および3滴のDMFの乾燥DCM(50mL)溶液に添加した。反応混合物をRTで3時間撹拌し、次いで溶媒を除去した。残渣を乾燥DCM(50mL)に取り込み、溶液を0℃に冷却した。プロパルギルアミン(2.2g、40mmol)およびトリエチルアミン(4.05g、40mmol)の混合物を10分間にわたり注意深く添加し、次いで混合物をRTに温めた。撹拌を2.5時間続け、次いで水(10mL)を添加した。混合物を1M HCl、飽和炭酸水素ナトリウム(水性)、次いで塩水で洗浄した。有機相を、次いで乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去した。残渣をシクロヘキサンから結晶化し、生成物を明褐色固体として得た。
収量:5.75g、76%。LC−MS(方法3):Rt 2.47分、m/z 188 [MH]。
【0094】
中間体2:(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン
【化3】

メタンスルホン酸(10g、104mmol)を、2−オキソ−2−フェニル−N−プロプ−2−イニル−アセトアミド(中間体1)(2.4g、12.83mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)溶液に滴下した。得られた溶液を90℃で66時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を除去した。暗色残渣をDCMおよび水に分配した。DCMフラクションを1M HCl(2x)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水性、2x)、次いで塩水で洗浄した。溶液を乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去して、粗生成物を得た。精製を、シクロヘキサン/EtOAc(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーを介して達成した。これにより、生成物をオフホワイト色固体として得た。
収量:1.0g、41%。LC−MS(方法3):Rt 2.94分、m/z 188 [MH]。
【0095】
中間体3:(5−ブロモメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン
【化4】

(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン(中間体2)(0.8g、4.28mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(0.9g、5.06mmol)および2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(56mg、0.34mmol)の四塩化炭素(8mL)の混合物を、1.5時間加熱還流した。反応混合物をRTに冷却し、濾過した。濾液をDCMで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水性)および塩水で洗浄した。それを乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去した。精製を、シクロヘキサン/EtOAc(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーを介して達成した。これにより、生成物を黄色固体として得た。
収量:0.9g、79%。LC−MS(方法3):Rt 3.26分、m/z 266、268 [MH]。
【0096】
中間体4:(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン
【化5】

(5−ブロモメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン(中間体3)(0.18g、0.68mmol)をTHF中ジメチルアミンの2M溶液(3mL、6mmol)に溶解した。混合物を、ほぼ即座に形成した沈殿と共にRTで1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をDCMおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水性)に分配した。水性相をDCMで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去して、生成物をオレンジ色油状物として得て、それは静置により結晶化した。
収量:0.16g、99%。LC−MS(方法2):Rt 1.22分、m/z 231 [MH]。
【0097】
中間体5:シクロヘキシル−(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール
【化6】

(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノン(中間体2)(3.0g、16mmol)の32mL乾燥THF溶液を、0℃で窒素下、10分間にわたり、ジエチルエーテル中シクロヘキシルマグネシウムクロライドの2M溶液(10mL、20mmol)の滴下により処理した。得られた深黄色溶液を0℃で約30分間撹拌し、その間に沈殿が形成し、次いでRTで1.5時間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(水性)で注意深く処理した。混合物をRTで10分間撹拌し、次いで水(10mL)で希釈した。相を分離し、有機相を塩水で洗浄した。合わせた水性相をDCMで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、粗生成物を得て、それをエーテルでトリチュレートし、濾取し、乾燥させた。
収量:3.65g、84%。LCMS(方法3):Rt 3.78分、m/z 272 [MH]。
【0098】
中間体6:(5−ブロモメチル−オキサゾール−2−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール
【化7】

シクロヘキシル−(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体5)(3.0g、11.1mmol)の1,2−ジクロロエタン(22mL)溶液を、N−ブロモ−スクシンイミド(2.16g、12.2mmol)、続いて2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(0.18g、2.1mmol)で処理した。混合物を80℃で2.5時間加熱し、次いでRTに冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水性)を添加し、相を分離した。有機層を塩水で洗浄し、合わせた水性層をDCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、粗生成物を褐色油状物として得た。精製を、33−100%DCM/シクロヘキサン、続いて25%EtOAc/DCMで溶出するカラムクロマトグラフィーを介して達成した
収量:1.85g、48%。LCMS(方法3):Rt 4.27分、m/z 350、352 [MH]。
【0099】
中間体7:2−フェネチルオキシ−エタノール
【化8】

2−フェネチルオキシ−エタノールの製造はJ. Med. Chem. 1983, 26, 1570-1576に記載されている。
【0100】
中間体8:[2−(2−ブロモ−エトキシ)−エチル]−ベンゼン
【化9】

トリフェニルホスフィン(1.65g、6.3mmol)を、2−フェネチルオキシ−エタノール(中間体7)(950mg、5.7mmol)および四臭化炭素(2.09g、6.3mmol)のDCM(25mL)溶液に添加し、RTで6時間撹拌した。次いでさらに当量のトリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素を添加し、一夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を溶離剤としてシクロヘキサンを使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製した。純粋フラクションの濃縮により、生成物を透明油状物として得た。
収量:1.25g、96%。
1H NMR(CDCl3): δ 2.91(t, 2H), 3.44(t, 2H), 3.71(t, 2H), 3.76(t, 2H), 7.19-7.24(m, 3H), 7.27-7.31(m, 2H)ppm。
【0101】
中間体9:2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エタノール
【化10】

水酸化カリウム(1.19g、21.3mmol)のエチレングリコール(12mL、213mmol)中の混合物を130℃で3時間加熱し、次いで35℃に冷却し、4−メチル臭化ベンジル(3.94g、21.3mmol)を添加した。反応混合物を35℃で20時間加熱し、RTに冷却し、水およびジエチルエーテルに分配した。水性層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮乾固して、褐色油状物を得た。これを0−100%ジエチルエーテル/シクロヘキサンの勾配を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製した。純粋フラクションを合わせ、濃縮して、黄色液体を得た。
収量:2.97g、84%。
1H NMR(CDCl3): δ 2.04(t, 1H), 2.35(s, 3H), 3.58(t, 2H), 3.75(m, 2H), 4.52(s, 2H), 7.16(d, 2H), 7.23(d, 2H)ppm。
【0102】
中間体10:1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−メチル−ベンゼン
中間体8に使用した方法に準じるが、1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−メチル−ベンゼン(中間体9)を2−フェネチルオキシ−エタノール(中間体9)の代わりに使用して製造した:
【化11】

収量:85%。
1H NMR(CDCl3): δ 2.35(s, 3H), 3.47(t, 2H), 3.76(t, 2H), 4.55(s, 2H), 7.16(d, 2H), 7.24(d, 2H)ppm。
【0103】
中間体11:4−(3−ブロモ−プロポキシ)−1,2−ジクロロ−ベンゼン
【化12】

3,4−ジクロロフェノール(1.98g、12.14mmol)、1,3−ジブロモプロパン(6.0mL、59mmol、および炭酸カリウム(2.5g、18mmol)のアセトニトリル中の混合物を80℃で一夜加熱した。反応混合物をRTに冷却し、濾過し、濾液を水およびジエチルエーテルに分配した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮し、溶離剤として0−10%ジエチルエーテル/シクロヘキサンを使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物を得た。
収量:2.96g、86%。
1H NMR(CDCl3): δ 2.32(m, 2H), 3.59(t, 2H), 4.08(t, 2H), 6.77(dd, 1H), 7.00(d, 1H), 7.32(d, 1H)ppm。
【0104】
中間体12:2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エタノール
中間体9に使用した方法に準じるが、3,4−ジクロロベンジルクロライドを4−メチル臭化ベンジルの代わりに使用して、製造した:
【化13】

収量:72%。
1H NMR(CDCl3): δ 1.83(br.s, 1H), 3.61(t, 2H), 3.79(t, 2H), 4.52(s, 2H), 7.17(dd, 1H), 7.42(d, 1H), 7.45(d, 1H)ppm。
【0105】
中間体13:4−(2−ブロモ−エトキシメチル)−1,2−ジクロロ−ベンゼン
中間体8に使用した方法に準じるが、2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エタノール(中間体12)を2−フェネチルオキシ−エタノール(中間体7)の代わりに使用して、製造した:
【化14】

収量:定量的。
1H NMR(CDCl3): δ 3.50(t, 2H), 3.80(t, 2H), 4.53(s, 2H), 7.19(dd, 1H), 7.42(d, 1H), 7.46(d, 1H)ppm。
【0106】
中間体14:メタンスルホン酸2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチルエステル
【化15】

メタンスルホニルクロライド(980μL、12.6mmol)の乾燥DCM(10mL)溶液を、冷却した(0℃)2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エタノール(2.14g、11.46mmol)およびジイソプロピル(propy)エチルアミン(2.0mL、23mmol)の乾燥DCM(10mL)溶液にゆっくり添加した。反応混合物をRTに一夜温めた。水を添加し、有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮した。残渣を0−20%ジエチルエーテル/シクロヘキサンの勾配を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、純粋生成物を得た。
収量:1.87g、67%。
1H NMR(CDCl3): δ 3.03(s, 3H), 3.74(m, 2H), 4.39(m, 2H), 4.54(s, 2H), 7.27(d, 2H), 7.33(d, 2H)ppm。
【0107】
中間体15:1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−クロロ−ベンゼン
【化16】

メタンスルホン酸2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチルエステル(中間体14)(1.37g、5.18mmol)およびリチウムブロマイド(1.80g、20.7mmol)のアセトン(15mL)中の混合物を一夜加熱還流した。反応混合物を濃縮乾固し、残渣をDCMおよび水に分配した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮し、溶離剤としてDCM/シクロヘキサン(1:3)を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物を無色油状物として得た。
収量:0.67g、78%。
1H NMR(CDCl3): δ 3.49(t, 2H), 3.79(t, 2H), 4.55(s, 2H), 7.30(d, 2H), 7.32(d, 2H)ppm。
【0108】
中間体16:シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール
【化17】

(5−ブロモメチル−オキサゾール−2−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール(中間体6)(3.2g、9.2mmol)のTHF(40mL)溶液を、THF中ジメチルアミンの2M溶液(40mL、80mmol)で処理した。懸濁液が数分間撹拌後に形成した。反応混合物を一夜RTに静置し、次いで固体を濾取し、廃棄した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をDCMおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水性)に分配した。有機層を乾燥させ(NaSO)、蒸発させて、表題化合物を固体として得た。
収量:2.74g、95%。
LC−MS(方法1):Rt 6.57分、m/z 315 [MH]。
1H NMR(DMSO-d6): δ 0.92-1.29(m, 6H), 1.42-1.74(m, 4H), 2.10(s, 6H), 2.22(m, 1H), 3.45(s, 2H), 5.90(s, 1H), 6.98(s, 1H), 7.18-7.22(m, 1H), 7.27-7.34(m, 2H), 7.40-7.46(m, 2H)ppm。
【0109】
シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体16)(2.74g)の2個のエナンチオマーが、5μm シリカゲル上に固定化されたアミラーゼトリス(3,5−ジメチルフェニル−カルバメート)と共に包装された250×20mm Chiralpak(登録商標) IAカラムを使用した分取キラルHPLCにより分離された。カラムを、0.1%ジエチルアミンで緩衝化された5%EtOHのヘプタン溶液で、15mL/分で輸出した。最初に溶出するエナンチオマー(Rt 8.5分)は、(S)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体16a)を白色固体として提供した。
【0110】
中間体16a:(S)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール
【化18】

収量:0.73g、27%。
LC−MS(方法1):Rt 6.50分、m/z 315 [MH]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.12-1.39(m, 7H), 1.62-1.76(m, 3H), 2.25(s, 6H), 2.29-2.32(m, 1H), 3.54(ddAB, 2H), 3.70(br.s, 1H), 6.84(s, 1H), 7.24(t, 1H), 7.33(t, 2H), 7.64(d, 2H)ppm。
【0111】
二番目に溶出するエナンチオマー(Rt 10.3分)は、(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体16b)を白色固体として提供した。
【0112】
中間体16b:(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール
【化19】

収量:1.04g、38%。
LC−MS(方法1):Rt 6.48分、m/z 315 [MH]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.10-1.39(m, 7H), 1.62-1.76(m, 3H), 2.25(s, 6H), 2.29-2.35(m, 1H), 3.54(ddAB, 2H), 3.70(br.s, 1H), 6.84(s, 1H), 7.24(t, 1H), 7.33(t, 2H), 7.64(d, 2H)ppm。
【0113】
ムスカリンアンタゴニスト1(MA1):[2−((S)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド
【化20】

(S)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体16a)(0.060g、0.19mmol)および3−フェノキシプロピルブロマイド(0.215g、1mmol)のアセトニトリル(1.33mL)およびクロロホルム(2mL)中の溶液を、RTで5日間静置した。溶媒を除去して、粗生成物を得た。精製を、DCM、DCM中、2.5%、5%、10%、次いで20%MeOHで連続的に溶出するカラムクロマトグラフィーで達成した。
収量:50mg、43%。
LC−MS(方法1):Rt 8.32分、m/z 449 [M]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.06-1.17(m, 3H), 1.23-1.36(m, 4H), 1.52-1.85(m, 3H), 2.28-2.35(m, 3H), 3.32(s, 3H), 3.33(s, 3H), 3.63(dd, 2H), 4.04(t, 2H), 5.23(ddAB, 2H), 6.85(d, 2H), 6.98(t, 1 H), 7.20(t, 1H), 7.26-7.30(m, 4H), 7.55-7.58(m, 3H)ppm。
【0114】
ムスカリンアンタゴニスト2(MA2):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド
【化21】

(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(中間体16b)(98mg、0.31mg)および3−フェノキシプロピルブロマイド(740mg、3.44mmol)のクロロホルム(1.5mL)およびアセトニトリル(1.5mL)中の溶液を、50℃で22時間加熱した。RMを無色粘性油状物まで濃縮乾固して、それをジエチルエーテルでトリチュレートして、白色ゴム状物を得た。これを2.5−25%MeOH/DCMで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物を濁った粘性油状物として得た。真空下、45℃で1−2日間乾燥させて、白色固体を得た。
収量:142mg、86%。
LC−MS(方法1):Rt 8.41分、m/z 449 [M]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.06-1.16(m, 3H), 1.21-1.37(m, 4H), 1.59-1.74(m, 3H), 2.32(m, 3H), 3.32(s, 3H), 3.33(s, 3H), 3.61(dd, 2H), 4.03(t, 2H), 4.14(br.s, 1H), 5.20(ddAB, 2H), 6.85(d, 2H), 6.98(t, 1H), 7.19(t, 1H), 7.26-7.30(m, 4H), 7.55-7.58(m, 3H)ppm。
【0115】
ムスカリンアンタゴニスト2(MA2):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド−結晶形態A
MA2結晶形態Aの製造のための一般的実験条件は、MA 11の製造[2]について下記に記載のものと同一である。
【0116】
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール
(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾ−2−イル)−フェニル−メタノンをTHF(8.4L/kg)に溶解し、0±5℃の温度まで冷却し、それにシクロヘキシルマグネシウムクロライド(1.3当量、トルエン/THF中20w/w%溶液として)を少なくとも1時間にわたり添加した。反応混合物を20℃に40分間にわたり加熱し、20℃で少なくとも1時間撹拌し、その時点で生成物への変換はHPLCで>96%であった。反応混合物を、23.1w/w%NHCl(3.97L/kg)および水(3.97L/kg)の混合物に添加した。相を分離し、水性層を酢酸エチル(7L/kg)で抽出した。合わせた有機層を水(5.25L/kg)で洗浄し、体積の70%を蒸留により除去した(p≧130mbar、50℃)。蒸留残渣に、アセトニトリル(7.82L/kg)を添加し、懸濁液を完全に溶解するまで加熱した(70℃)。反応物を、次いで0℃に7時間にわたり冷却し、0℃で少なくとも1時間撹拌した。反応生成物(±)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールを、次いで濾過により回収し、3回冷アセトニトリル(1.65L/kg)で洗浄した。この方法で達成される収率は、60−70%の範囲であり、達成された純度は>97%ピーク面積(HPLC)および>97%w/w(NMR)であった。R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールを、このラセミ混合物から、溶離剤としてアセトニトリル:イソプロパノール:ジエチルメチルアミン(90:10:0.1)を使用するChiralpak ADカラムでのキラルSMBクロマトグラフィーにより分離した。
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールの製造の別法はWO2007/017669(実施例6)に記載。
(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾ−2−イル)−フェニル−メタノンの製造はWO2007/017669(中間体4)に記載。
【0117】
(MA2)結晶形Aの種晶の製造方法 − 方法1
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(1当量)および3−フェノキシプロピルブロマイド(1.1当量)をイソプロパノール(4.3L/kg)に懸濁した。得られた懸濁液を少なくとも20時間、または生成物への変換がHPLCで>98%となるまで加熱還流した。得られた溶液をイソプロパノール(2L/kg)で希釈し、50℃に冷却した。50℃で、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(9.5L/kg)を添加し、溶液を50℃でさらに2時間撹拌し、その間に自発的な結晶化が起こった。混合物を、3時間にわたり徐々に0℃まで冷却し、0℃で少なくとも1時間撹拌した。結晶生成物を濾過により回収し、4回冷TBME(0.16L/kg)で洗浄した。この方法での生成物の収率は>80%であり純度は>98%ピーク面積(HPLC)および>97%w/w(NMR)であった。
【0118】
(MA2)結晶形Aの種晶の製造方法 − 方法2
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(1当量)および3−フェノキシプロピルブロマイド(1.1当量)をイソプロパノール(3.14L/kg)中でスラリー化した。得られた懸濁液を還流まで加熱し(100℃)、そこで完全に溶解した。8 1/2時間加熱還流後、反応混合物を一夜環境温度に冷却した。HPLCでの分析は、生成物への完全な変換を示した。反応混合物(0.043L/kg)のサンプルを取り、TBME(0.14L/kg)を滴下し、それにより沈殿が起こった。この懸濁液を環境温度で反応混合物に添加し、そこで結晶化が起こった。得られた懸濁液を0℃に冷却し、その温度で3時間撹拌した。生成物を、イソプロパノール(2.14L/kg)を容器からフィルターへの移動を助けるために使用して濾過により回収した。フィルターケーキをイソプロパノール(1L/kg)で洗浄し、ロータリーエバポレーターで一夜乾燥させた。粗生成物を白色固体として86%収率で得た。
粗生成物をTBME(粗生成物に対して10.4L/kg)に入れ、環境温度で2時間撹拌した。生成物を濾過により回収し、フィルターケーキをTBME(20ml)で洗浄し、ロータリーエバポレーターで一夜乾燥させた。粗生成物からの収率は94%であり、純度は、HPLCにより98.3%ピーク面積であった。
【0119】
(MA2)結晶形Aの製造
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(1当量)のイソプロパノール(4.44L/kg)溶液に、環境温度で3−フェノキシプロピルブロマイド(1.1当量)を添加した。混合物を還流温度(83℃)で90分間加熱し、20時間還流で撹拌した。その後混合物を13分間にわたり57℃に冷却した。サンプルを取り、次いで反応混合物を再び還流に加熱した。反応変換は、HPLCで98.4%であることが判明した。
反応混合物をイソプロパノール(5.55L/kg)で希釈し、57℃に冷却した。溶液を加熱インラインフィルターを通して撹拌している容器に濾過した。リアクターおよびフィルター・ラインを温(55℃)イソプロパノール(1.11L/kg)で洗浄した。撹拌している容器の中身をリアクターに戻し、イソプロパノール(1.11L/kg)で濯いだ。イソプロパノール(5.55L/kg)を47℃−50℃の温度および200mbarの圧力で留去した。残渣を52℃に冷却した。この温度でTBME(10L/kg)を35分間にわたり添加した。得られた溶液を2時間、50℃で撹拌した。種晶(1.18%w/w(インプット(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチル−オキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール)について)を添加し、混合物をさらに2時間、50℃で撹拌した。形成した懸濁液を3時間にわたり0℃に冷却し、その温度で13時間撹拌した。濾過後フィルターケーキを4回、1℃−8℃の冷TBME(1.48L/kg、1.67L/kg、2.04L/kgおよび2.04L/kg)で濯いだ。フィルターケーキを窒素流中で4.5時間予め乾燥させ、その後それをさらにロータリーエバポレーターで45℃および≧12mmbarで乾燥させて、生成物を結晶白色固体として得た。2.7kg規模でこの方法で得られた収率は90.5%であり、純度は98.3%ピーク面積(HPLC)および98.9%w/w(NMR)であった。乾燥減量は0.23%w/wであった(重量測定で)。
【0120】
ムスカリンアンタゴニスト2(MA2)結晶形Aの分析
‘結晶形態Aの種晶の製造方法 − 方法2'で得た結晶形態AのサンプルをXRPD、DSCおよびTGAで分析した。
DSCで測定した形態Aの融点は、150℃(開始)(±2℃)でった。融解前にTGAで観察された重量損失は無視でき、ほぼ0.0%であった。GVS測定は、80%RH(±0.2%)で0.8%重量増加(%w/w)となった。
ムスカリンアンタゴニスト2(MA2)結晶形AのXRPDスペクトルを図1に示す。
【0121】
ムスカリンアンタゴニスト3(MA3):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイド
MA2の製造に使用した方法に従うが、[2−(2−ブロモ−エトキシ)−エチル]−ベンゼン(中間体10)を3−フェノキシプロピルブロマイドの代わりに使用して製造。
【化22】

収量:94%。
LC−MS(方法1):Rt 8.50分、m/z 463 [M]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.06-1.39(m, 6H), 1.55(m, 1H), 1.65-1.79(m, 3H), 2.40(m, 1H), 2.90(t, 2H), 2.94(s, 6H), 3.47(m, 2H), 3.78(t, 2H), 3.86(m, 2H), 4.56(s, 2H), 7.12(m, 1H), 7.19-7.28(m, 5H), 7.32-7.37(m, 3H), 7.55(m, 2H)。
【0122】
ムスカリンアンタゴニスト4(MA4):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド
MA2の製造に使用した方法に従うが、4−(3−ブロモ−プロポキシ)−1,2−ジクロロ−ベンゼン(中間体11)を3−フェノキシプロピルブロマイドの代わりに使用して製造。
【化23】

収量:59%。
LC−MS(方法4):Rt 8.85分、m/z 517 [M]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.08-1.40(m, 7H), 1.60-1.76(m, 3H), 2.34(m, 3H), 3.34(s, 6H), 3.65(m, 2H), 3.99(m, 3H), 5.25(ddAB, 2H), 6.73(dd, 1H), 6.96(d, 1H), 7.22(t, 1H), 7.26-7.34(m, 3H), 7.56(m, 3H)ppm
【0123】
ムスカリンアンタゴニスト5(MA5):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド
MA2の製造に使用した方法に従うが、4−(2−ブロモ−エトキシメチル)−1,2−ジクロロ−ベンゼン(中間体13)を3−フェノキシプロピルブロマイドの代わりに使用して製造。
【化24】

収量:86%。
LC−MS(方法1):Rt 9.07分、m/z 517 [M]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.09-1.37(m, 7H), 1.60-1.77(m, 3H), 2.31(m, 1H), 3.33(s, 6H), 3.91(m, 2H), 3.98(m, 3H), 4.55(s, 2H), 5.20(ddAB, 2H), 7.17(dd, 1H), 7.24(m, 1H), 7.31(t, 2H), 7.40(d, 1H), 7.44, (d, 1H), 7.48, (s, 1H), 7.56(d, 2H)ppm。
【0124】
ムスカリンアンタゴニスト6(MA6):[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド
MA2の製造に使用した方法に従うが、1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−クロロ−ベンゼン(中間体15)を3−フェノキシプロピルブロマイドの代わりに使用して製造。
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(0.40g、1.27mmol)および1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−クロロ−ベンゼン(中間体15)(0.67g、2.68mmol)のクロロホルム(4mL)およびアセトニトリル(4mL)中の溶液を、50℃で3日間加熱した。反応混合物を濃縮乾固して、黄色油状物、それを2.5−25%MeOH/DCMで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物を白色泡状物として得た。収量、0.68g、92%
【化25】

収量:92%。
LC−MS(方法1):Rt 8.72分、m/z 483 [M]。
1H NMR(CDCl3): δ 1.08-1.40(m, 7H), 1.61-1.76(m, 3H), 2.31(m, 1H), 3.32(s, 6H), 3.88(m, 2H), 3.94(m, 2H), 4.03(br. s, 1H), 4.54(s, 2H), 5.17(ddAB, 2H), 7.21-7.26(m, 3H), 7.28-7.34(m, 4H), 7.46(s, 1H), 7.56(d, 2H)ppm。
【0125】
ムスカリンアンタゴニスト7(MA7):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
【化26】

[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド(MA2)(201mg、0.372mmol)、ナフタレン−1,5−ジスルホンネート二ナトリウム塩(68mg、0.21mmol)、DCM(2.8mL)、および水(2.8mL)の混合物を、RTで一夜激しく撹拌した。固体を濾過により回収し、DCM/水混合物で洗浄し、真空下40℃で乾燥させた。得られたMA7のサンプルを以後MA7非晶形と呼ぶ
H NMRは、ヘミ塩(カチオン/アニオンの2:1比)に対応するスペクトルを示した。
収量:208mg、94%。
LC−MS(方法1):Rt 8.35分、m/z 449 [M+]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.04-1.37(m, 12H), 1.55-1.75(m, 8H), 2.22(m, 4H), 2.40(m, 2H), 3.01(s, 6H), 3.02(s, 6H), 3.37(m, 2H), 3.97(m, 4H), 4.67(s, 4H), 6.89(d, 4H), 6.95(t, 2H), 7.21(t, 2H), 7.28(m, 8H), 7.51(m, 8H), 8.19(d, 2H), 9.02(d, 2H)ppm。
【0126】
塩形態1
MA7非晶形(上記の通り製造)を、トルエン中、撹拌しながら60°で48時間加熱し、撹拌しながらRTに冷却して、生成物を小板として得た。生成物を濾過により回収し、真空で50℃で3時間乾燥させた。
形態1の融点をDSCで測定し、その間に試験中の形態1は、脱水し、続いて、脱水和した形態1が、全てまたは一部無水形態に変換し、225℃±2℃(開始)で融解した。TGAで測定した水分含量は0.7%(±0.2%)であった。GVS測定は、80%RH(±0.5%)で3.1%重量増加(%w/w)であった。
形態1のXRPDスペクトルを図2に示す。
さらなる量の形態1を次の通り製造した:MA7非晶形を、溶液の熱濾過を使用して還流しているアセトニトリルから結晶化させ、撹拌しながらRTに冷却して、生成物を小板として得た。生成物を濾過により回収し、トルエン中、60℃で19時間撹拌した。固体を溶媒のデカントにより回収し、真空で50℃で3時間乾燥させた。XRPDおよびDSC分析は、形態1と一致した。
【0127】
塩形態2
MA7非晶形をアニソール中154℃で3時間加熱し、次いでRTで48時間静置した。固体を溶媒のデカントにより回収し、45℃で真空下乾燥させた。DSCで測定した形態2の融点は227℃±2℃(開始)であることが判明した。TGAで測定した水分含量は0.0%であった。GVS測定は、80%RH(±0.2%)で0.7%重量増加(%w/w)であることが示された。
形態2のXRPDスペクトルを図3に示す。
さらなる量の形態2を次の通り製造した:MA7非晶形を還流しているクロロベンゼンから結晶化させ、RTまでゆっくり冷却させて、微細針状物として生成物を得た。生成物を濾過により回収し、RTで一夜真空下乾燥させた。XRPDおよびDSC分析は、形態2と一致した。
さらなる量の形態2を次の通り製造した:MA7非晶形を、トルエン中、80℃で少なくとも60時間にわたり撹拌した。固体を溶媒のデカントにより回収し、45℃で真空下乾燥させた。XRPDおよびDSC分析は、形態2と一致した。
【0128】
塩形態3
MA7非晶形を、還流しているアセトン/水混合物から、溶液の熱濾過を使用して結晶化させ、撹拌しながらRTに冷却して、生成物を白色粉末として得た。生成物を濾過により回収し、RTで一夜真空下乾燥させた。
形態3の融点をDSCで測定し、その間に試験中の形態3は脱水および続いて脱水和した形態3が、全てまたは一部無水形態に変換し、224℃±2℃(開始)で融解した。TGAで測定した水分含量は2.1%(±0.2%)。GVS測定は、80%RH(±0.2%)で3.0%重量増加(%w/w)であった。
形態3のXRPDスペクトルを図4に示す。
【0129】
ムスカリンアンタゴニスト8(MA8):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
MA7に使用した方法に従うが、[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウムブロマイド(MA3)を[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドの代わりに使用して製造。
【化27】

収量:98%。
LC-MS(方法1):Rt 8.64分, m/z 463 [M+]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.05-1.39(m, 12H), 1.53(m, 2H), 1.68(m, 4H), 1.77(m, 2H), 2.39(m, 2H), 2.85(s, 12H), 2.87(t, 4H), 3.36(m, 4H), 3.72(t, 4H), 3.76(m, 4H), 4.46(s, 4H), 7.11(m, 2H), 7.20(m, 8H), 7.22-7.27(m, 2H), 7.33(t, 6H), 7.54(m, 6H), 8.20(dd, 2H), 9.02(d, 2H)ppm。
還流しているアセトニトリルから結晶化させ、RTまでゆっくり冷却させて、微細針状物として生成物を得た。融点:215−216(10℃/分)。
【0130】
ムスカリンアンタゴニスト9(MA9):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
MA7に使用した方法に従うが、[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド(MA4)を[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドの代わりに使用して製造。
【化28】

収量:56%。
LC−MS(方法1):Rt 9.13分、m/z 517 [M]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.05-1.37(m, 12H), 1.56-1.75(m, 8H), 2.23(m, 4H), 2.40(m, 2H), 3.03(s, 6H), 3.04(s, 6H), 3.34(m, 4H), 3.96(m, 4H), 4.68(s, 4H), 6.85(dd, 2H), 7.09(d, 2H), 7.21(m, 2H), 7.30(t, 4H), 7.42(d, 2H), 7.52(m, 8H), 8.20(dd, 2H), 9.02(dd, 2H)ppm。
熱MeOHから結晶化。融点:225−227℃(1℃/分)。
【0131】
ムスカリンアンタゴニスト10(MA10):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
MA7に使用した方法に従うが、[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド(MA5)を[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドの代わりに使用して製造。
【化29】

収量:76%。LC−MS(方法1):Rt 9.06分、m/z 517 [M]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.05-1.37(m, 12H), 1.54(m, 2H), 1.63-1.76(m, 6H), 2.38(m, 2H), 3.03(s, 12H), 3.47(m, 4H), 3.86(m, 4H), 4.51(s, 4H), 4.71(s, 4H), 7.22-7.33(m, 8H), 7.46(s, 2H), 7.52(m, 10H), 8.20(dd, 2H), 9.02(d, 2H)ppm。
【0132】
ムスカリンアンタゴニスト11(MA11):[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
製造[1]
MA11は、MA7に使用した方法に従うが、[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド(MA6)を[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドの代わりに使用して製造し得る。製造実施例を以下に記載する。
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイド(0.20g、0.36mmol)、ナフタレン−1,5−ジスルホネート二ナトリウム塩(0.059g、0.18mmol)、DCM(2.8mL)、および水(2.8mL)の混合物を、RTで一夜激しく撹拌した。N−ヘプタン(1.0mL)を添加し、混合物を激しく撹拌した。静置により、2個の透明層および黄色油状物が得られたDCM(1.0mL)を添加し(油状物の溶解を引き起こす)、混合物をRTで一夜撹拌し、白色固体の沈殿をもたらした。固体を濾過により回収し、DCM/水混合物で洗浄し、真空下、50℃で乾燥させた。
H NMRは、ヘミ塩(カチオン/アニオンの2:1比)に対応するスペクトルを示した。
収量:0.17g、77%。
【化30】

LC−MS(方法1):Rt 8.62分、m/z 483 [M]。
1H NMR(CD3OD): δ 1.04-1.37(m, 12H), 1.53(m, 2H), 1.64-1.76(m, 6H), 2.38(m, 2H), 3.03(s, 12H), 3.46(m, 4H), 3.85(m, 4H), 4.52(s, 4H), 4.70(s, 4H), 7.24(m, 2H), 7.34(m, 12H), 7.43(s, 2H), 7.52(m, 6H), 8.20(d, 2H), 9.02(d, 2H)ppm。
【0133】
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩の‘塩形態A'
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(上記の通り製造)(107mg、0.17mmol)を、最小量のMeCNにRTで溶解した。溶液を加熱し、次いでRTに再冷却した。得られた結晶固体を濾取し、真空下で乾燥させた。収量:83mg、78%。この経路で製造した生成物の分析はXRPDによって行い、生成物は‘塩形態A'として同定された。
【0134】
製造[2]
製造[2]の一般的実験条件
全反応を、特記しない限り不活性ガス雰囲気下で行った。
NMRスペクトルは、Bruker AVANCE400分光計で得た:周波数:400MHz;2チャンネル;z−勾配。温度範囲:0−120℃。
HPLC条件:
PhenomenexLuna C18(2)カラム(50×4.6mm)、3μm粒子径。210nmでUV検出。A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出。勾配:
【表5】

LC−MS方法:上記の通りのLC方法。MS:HP-1100 MSD。検出−API-ES、陽モード。
【0135】
製造[2]
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(1当量)および1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−クロロ−ベンゼン(2当量)の2−プロパノール(5体積)の混合物を52℃で164時間加熱した。HPLCは98%の変換を示した。反応混合物を蒸発乾固して、[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドを得た。[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムブロマイドの粗サンプルをジクロロメタン(4.98体積)に溶解し、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジ−ナトリウム塩(1当量)の水(10体積)を室温で10分間にわたり添加した。混合物をジクロロメタン(4.98体積)で希釈し、1時間室温で撹拌した。スターラーをオフにし、エマルジョンを安定化させ、その後分離した。有機層にtert−ブチルメチルエーテル(tBME)(10体積)および2−プロパノール(1.6体積)の混合物を室温で72分間にわたり添加した。得られた懸濁液を濾過し、ケーキをtBME(2.15体積)で濯いだ。乾燥(浴温度40−50℃、5−10mbarでのロータリーエバポレーター)により、[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を得た。130gの(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールを使用してこの方補により得られた収量は216g、83%であった。H NMRは、ヘミ塩(カチオン/アニオンの2:1比)に対応するスペクトルを示した。
【0136】
‘塩形態A'への変換は、上記で製造した[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩の粗バッチのアセトニトリル(13.8体積)への溶解により達成した。懸濁液を加熱還流し、1時間還流で撹拌した。次いで懸濁液を70℃に冷却し、この温度で一夜撹拌した。懸濁液を室温に冷却し、固体濾過し、アセトニトリル(1.4体積)で洗浄し、乾燥(浴温度40−50℃、5−10mbarでのロータリーエバポレーター)させて、‘塩形態A'。216gの粗[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を出発物質として使用してこの変換により得られた収量は203.5g、94%であった。
【0137】
製造[3]
製造[3]の一般的実験条件は製造[2]と同様である
(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノール(1当量)および1−(2−ブロモ−エトキシメチル)−4−クロロ−ベンゼン(2当量)の2−プロパノール(5体積)の混合物を、次の温度プログラムに付した:
70℃(内部温度)で1時間にわたる加熱、70℃で26時間の撹拌、次いで20℃への30分間にわたる冷却。変換をHPLCで確認する。
反応混合物を蒸発乾固し(浴温度40−50℃、5−10mbarでのロータリーエバポレーター)、残渣をジクロロメタン(8.9体積)に溶解した。この溶液に、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジ−ナトリウム塩(1当量)の水(17.7体積)溶液を少なくとも10分間にわたり添加した。得られた混合物をジクロロメタン(8.9体積)で希釈し、撹拌を室温で1時間続けた。スターラーをオフにし、エマルジョンを安定化させ、その後分離した。有機層に少なくとも60分間にわたり室温で、tBME(17.7体積)および2−プロパノール(2.86体積)の混合物を添加した。形成した懸濁液を室温で10〜60分間撹拌し、次いで濾過した。フィルターケーキをtBME(2×3.46体積)で洗浄し、乾燥減量(LOD)≦2w/w%が得られるまで乾燥させる(浴温度40−50℃、5−10mbarでのロータリーエバポレーター)。物質を(22.9体積)のアセトニトリルに懸濁し、懸濁液を次の温度プログラムに付した:
少なくとも30分間にわたる加熱還流。還流で60〜70分間撹拌、次いで70℃(内部温度)への冷却、70℃で16〜24時間の撹拌および最後に、1時間にわたる20℃までの冷却。懸濁液を濾過し、フィルターケーキをアセトニトリル(4.61体積)で洗浄した。物質を、LOD≦1w/w%が得られるまで乾燥させる(浴温度40−50℃、5−10mbarでのロータリーエバポレーター)。
【0138】
25.0gの(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールを使用してこの方法により得られた収量は38.7g、78%であった。
129.9gの(R)−シクロヘキシル−(5−ジメチルアミノメチルオキサゾール−2−イル)−フェニル−メタノールを使用してこの方法で得られた収量は203.6g、79%であった。
HPLCおよびNMRは、ヘミ塩(カチオン/アニオンの2:1比)に対応するスペクトルを示した。
【0139】
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩のMA 11塩形態Aの固体状態分析
DSCで測定した形態Aの融点は233℃(開始)(±3℃)であることが判明した。TGAによる融解前に観察された重量損失は非常に少なかった(0.0%から0.5%)。GVS測定は、80%RH(±0.3%)で0.5%(%w/w)未満の重量増加を示した。
‘MA11塩形態A'のXRPDスペクトルは図5に示す。
‘塩形態A'を50mmジェットミルで、排出圧5barおよび製粉圧1.5−2barで微粉化し、(90%収量)を得た。乾燥粉末フィーダーを備えたMalvernLaser回折により測定した微粉化物質の粒径はd(0,1)0,77μm:d(0,5)、1,45μ:d(0,9):2,65μmであった。微粉化‘塩形態A'の脱凝集特性の治験的評価は、相対湿度(0−75%RH)の範囲にわたり、優れた微粒子フラクション(FPF>60%)を示した。
【0140】
ムスカリンアンタゴニストの生物学的活性
化合物のムスカリンアンタゴニストの阻害効果を、ムスカリン受容体放射性リガンド結合アッセイにより測定した。
[H]−N−メチルスコポラミン([H]−NMS)およびヒトムスカリン受容体(M2またはM3)を発現する市販の細胞膜を使用した放射性リガンド結合試験を使用した、M2およびM3受容体に対するムスカリンアンタゴニストの親和性を評価した。TRIS緩衝液中の膜を、96ウェルプレート中、[H]−NMSおよびM3アンタゴニストと、種々の濃度で3時間インキュベートした。膜および結合した放射性リガンドを、次いで濾過により回収し、一夜乾燥させた。シンチレーション液を、次いで添加し、結合した放射性リガンドをCanberra Packard Topcountシンチレーションカウンターを使用して計測した。
【0141】
各ムスカリン受容体でのアンタゴニスの半減期を、別の放射性リガンド[H]−QNBを使用し、上記親和性アッセイを適合させて測定した。アンタゴニストを、3時間、[H]−QNBリガンドで測定したKiより10倍高い濃度で、ヒトムスカリン受容体を発現する膜とインキュベートした。この時間の最後に、[H]−QNBを、試験した受容体についてのそのKdより25倍高い濃度で添加し、インキュベーションを15分間から180分間までの種々の時間続けた。膜および結合した放射性リガンドを、次いで濾過により回収し、一夜乾燥させた。シンチレーション液を、次いで添加し、結合した放射性リガンドをCanberra Packard Topcountシンチレーションカウンターを使用して計測した。
[H]−QNBがムスカリン受容体に結合することが検出される速度は、アンタゴニストが受容体から解離する速度、すなわち該受容体上の該アンタゴニストの半減期と合致する。
【0142】
次の化合物を受容体結合アッセイで試験した:
【表6】

【0143】
β−アドレナリン受容体アゴニストの製造
本発明の組み合わせにおいて用い得る次のβ−アドレナリン受容体アゴニストを、次の通り製造した。
【0144】
β−アドレナリン受容体アゴニストの製造に関する一般的実験詳細
H NMRスペクトルをVarian Inova 400MHzまたはVarian Mercury-VX 300MHz装置で記録した。クロロホルム−d(δ 7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d 2.50ppm)、アセトニトリル−d 1.95ppm)またはメタノール−d 3.31ppm)の中央ピークを内部参照として使用した。カラムクロマトグラフィーをシリカゲル(0.040−0.063mm、Merck)を使用して行った。特記しない限り、出発物質は市販品であった。全溶媒および市販試薬は研究室グレードであり、受領したまま使用した。
【0145】
次の方法をLC/MS分析に使用した:
装置Agilent 1100;カラムWaters Symmetry 2.1 x 30mm;質量APCI;流速0.7ml/分;波長254nm;溶媒A:水+0.1%TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA;勾配15−95%/B 8分間、95%B 1分間。
【0146】
分析的クロマトグラフィーを、3.5μm粒子径のSymmetry C18−カラム、2.1×30mmで、移動相としてアセトニトリル/水/0.1%トリフルオロ酢酸を、0.7ml/分の流速で8分間にわたり5%から95%アセトニトリルの勾配で使用して行った。
【0147】
実施例中に使用した略語または用語は次の意味を有する:
【表7】

【0148】
β−アドレナリン受容体アゴニストおよびその製造に使用した中間体は、記載の構造に基づき、IUPAC NAME, ACDLabs Version 8 naming packageを使用して命名する。
【0149】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):製造1
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩
【化31】

a) tert−ブチル3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパノエート
1−ナフタレンエタノール(10g)を、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(Triton B(登録商標);0.9mLのメタノール中40%溶液)で処理し、得られた混合物を真空で30分間撹拌した。混合物を、次いで0℃に冷却し、アクリル酸tert−ブチル(8.19g)で処理した。得られた混合物を室温にゆっくり温め、一夜撹拌した。粗混合物を続いてアルミニウムオキシド(30g)に吸着させ、ジエチルエーテル(200mL)で溶出した。有機物を濃縮して、粗物質(16.6g)を得て、それを1:8、ジエチルエーテル:ヘキサンで溶出するフラッシュシリカクロマトグラフィーで精製して、副題化合物を得た(12.83g)。
1H NMR(CDCl3) δ 8.05(dd, 1H), 7.84(dd, 1H), 7.72(dd, 1H), 7.54-7.34(m, 4H), 3.81-3.69(m, 4H), 3.35(t, 2H), 2.52-2.47(m, 2H), 1.45(s, 9H)。
【0150】
b) 3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸
tert−ブチル3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパノエート(6.19g)をジクロロメタン(30mL)に取り込み、トリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、さらに1mLのトリフルオロ酢酸を添加し、溶液を一夜撹拌した。混合物を濃縮し、2M 水酸化ナトリウム溶液(30mL)に取り込み、エーテル(2×20mL)で洗浄した。水性層を続いて酸性化し(1M塩酸を使用)、エーテル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機物を塩水で洗浄し(20mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、副題化合物(5.66g)を無色油状物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.05(bs, 1H), 7.85(bs, 1H), 7.74(bs, 1H), 7.50-7.38(m, 4H), 3.84-3.75(bm, 4H), 3.39(bs, 2H), 2.65(bs, 2H)。
【0151】
c) N−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−プロパンアミド
塩化オキサリル(0.33g)を、3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(0.53g)のジクロロメタン(10mL)溶液に滴下し、ジメチルホルムアミド(1滴)を添加し、撹拌を室温で1時間続けた。混合物を続いて濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に再溶解し、2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)エタノール(0.35g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.56g)のジクロロメタン(10mL)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、希釈し(ジクロロメタン、50mL)、水(2×20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗生成物(0.91g)を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(5−7%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出)で精製して、0.63gの副題化合物を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.05(d, 1H), 7.85(d, 1H), 7.73(d, 1H), 7.52-7.47(m, 2H), 7.42-7.35(m, 2H), 3.84-3.78(m, 6H), 3.72-3.70(m, 1/2H), 3.45-3.35(m, 6H), 2.79-2.77(m, 1+1/2H), 2.62-2.58(m, 2H), 2.54-2.49(m, 4H), 1.04-1.01(m, 6H)。
【0152】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
ジメチルスルホキシド(0.097g)のジクロロメタン(1mL)溶液を、塩化オキサリル(0.079g)のジクロロメタン(10mL)溶液に−78℃で添加した。反応物を15分間撹拌し、次いでN−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−プロパンアミド(0.22g)のジクロロメタン(1mL+1mLの洗液)溶液を添加し、反応混合物をさらに15分間撹拌した。トリエチルアミン(0.29g)を添加し、反応物を1時間にわたり室温に温め、混合物を続いて希釈し(ジクロロメタン30mL)、有機物を重炭酸ナトリウム(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、副題化合物(0.21g)を得た。
【0153】
粗生成物をメタノール(10mL)に溶解し、7−(2−アミノエチル)−4−ヒドロキシ−1,3−benチアゾール−2(3H)−オン塩酸塩(Organic Process Research & Development 2004, 8(4), 628-642;0.131gに略記の方法に従い製造)を、酢酸(0.1mL)および水(0.1mL)と共に添加した。室温で30分間撹拌後、ナトリウムシアノボロハイドライド(0.020g)を添加し、反応混合物を一夜撹拌した。アンモニア(メタノール中7N、1mL)を添加し、混合物を濃縮した。粗残渣を1%アンモニア;5%−7%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。粗生成物を次工程に直接使用した。
【0154】
e) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩
【化32】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.052g)をエタノール(1.5mL)に溶解し、48%臭化水素酸(21μl)で処理した。白色固体二臭化水素酸塩(0.058g)を濾過により回収した。
MS:APCI(+ve)579(M+1)
1H NMR δ(DMSO)11.78-11.71(m, 1H), 10.11-10.06(m, 1H), 9.51-9.43(m, 0.33H), 9.21-9.13(m, 0.66H), 8.75-8.66(m, 1H), 8.59-8.51(m, 1H), 8.06(d, 1H), 7.95-7.90(m, 1H), 7.79(d, 1H), 7.60-7.48(m, 2H), 7.47-7.39(m, 2H), 6.87(t, 1H), 6.76(dd, 1H), 3.78-3.53(m, 10H), 3.25-3.09(m, 10H), 2.91-2.80(m, 2H), 2.73-2.61(m, 2H), 1.26-1.15(m, 6H)。NMRは、298Kでロータマーの約2:1混合物を示す。
【0155】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):製造2
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩
【化33】

a) N'−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチル−エタン−1,2−ジアミン。
【化34】

N,N−ジエチル−エチレンジアミン(150g)のメタノール(500mL)溶液を、グリオキサールジメチルアセタール(60wt%水溶液、225g)で、10−15℃で急速に滴下処理した。添加完了後溶液を15℃に、次いで22℃に温め、この温度で16時間静置した。反応混合物を5%パラジウム/炭素(Johnson-Mattheyタイプ38Hペースト、15g)で処理し、GC/MSで判断して反応が完了するまで6barで水素化した。触媒を濾過により除去し、濾液を蒸発乾固し(トルエン共沸、2.5L)、196.2gの副題化合物を得た。
1H NMR(CDCl3):4.48(t, 1H), 3.39(s, 6H), 2.75(d, 2H), 2.69(t, 2H), 2.57-2.48(m, 6H), 1.01(ts, 6H)。
【0156】
b) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド。
【化35】

塩化オキサリル(151mL)を、45分間にわたり、3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(389g)(実施例7工程b))のジクロロメタン(2.1L)およびDMF(0.5mL)の溶液に滴下した。反応混合物をさらに16時間撹拌した。混合物を続いて濃縮し、DCM(1.7L)に再溶解し、1.75時間にわたり、0℃でN'−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(325g)およびイソプロピルジエチルアミン(551mL)のDCM(1.7L)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(5x1L)、水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、650gの副題化合物を得た。
m/e 431(M+H、100%)
【0157】
c) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド。
【化36】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(93g)のDCM(270mL)溶液を、0℃で、トリフルオロ酢酸(270mL)で1.5時間にわたり滴下処理した。添加後反応混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水性飽和重炭酸ナトリウム溶液に注いだ(1800mL、注意)。水性混合物をDCM(4x400mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を次反応に直接使用した。
【0158】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩。
【化37】

7−(2−アミノ−エチル)−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン塩酸塩(53g)の乾燥NMP(216mL)懸濁液を、60℃に加熱し、NaOH(8.2g)のメタノール(102mL)溶液で一度に処理した。明オレンジ色懸濁液を室温に冷却し、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミドのジクロロメタン(475mL)溶液で20分間にわたり滴下処理した。反応物を25分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(91.5g)を、次いで少しずつ20分間にわたり添加し、混合物をさらに50分間撹拌した。反応混合物を水(1.8L)に注ぎ、酸性溶液(pH5)をtert−ブチルメチルエーテル(TBME)(3x500mL)で洗浄した。水性相を酸性固体炭酸カリウムの添加によりpH8に塩基性化し、ジクロロメタン(3x750mL)で抽出した;合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、暗色油状物を得た。これをエタノール(200mL)に溶解し、48%水性臭化水素酸(73mL)を添加した。溶液を30分間熟成(aged)させ、次いで蒸発乾固した。残渣をエタノール(560mL)でトリチュレートした;得られた固体を濾過により回収し、真空で50℃で乾燥させた。粘性固体を沸騰エタノール(100mL)に懸濁し、熱い間に濾過した。回収した固体を真空で50℃で乾燥させた。この物質をエタノール/水(3:1、500mL)から再結晶した。一日静置後、得られた固体を濾過により回収し、氷冷エタノール(75mL)で洗浄した。真空で50℃で24時間の乾燥により、57gの表題化合物を得た。
【0159】
β−アドレナリン受容体アゴニスト2:(BA2):
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩
【化38】

a) tert−ブチル3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパノエート
2−(3−クロロフェニル)エタノール(20g)をベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(Triton B(登録商標))(2.67mL)で処理し、得られた混合物を真空で30分間撹拌した。混合物を、次いで0℃に冷却し、アクリル酸t−ブチル(17.40g)で処理した。反応物を室温に温め、16時間撹拌した。混合物をエーテル(75mL)で溶出するアルミニウムオキシド(15g)を通して溶出した。回収した濾液を濃縮して、副題化合物(34.40g)を油状物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 7.26-7.07(m, 4H), 3.69-3.59(m, 4H), 2.86-2.81(t, 2H), 2.50-2.45(t, 2H), 1.43(s, 9H)
【0160】
b) 3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパン酸
tert−ブチル3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパノエート(実施例1a)、34.40g)をジクロロメタン(150mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(50mL)で処理した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで真空で濃縮し、ジクロロメタン(2×10mL)と共沸した。残渣をジクロロメタン(300mL)に取り込み、飽和炭酸水素ナトリウム(200mL)で抽出した。塩基性層をジクロロメタン(20mL)で洗浄し、次いで2M塩酸で酸性化した。酸性層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、副題化合物(24.50g)を油状物として得た。
m/e 227 [M−H]
【0161】
c) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド
【化39】

塩化オキサリル(9.50mL)を、45分間にわたり、3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパン酸(22.50g)(実施例1b)のジクロロメタン(120ml)およびDMF(0.5mL)中の溶液に滴下した。反応混合物をさらに16時間撹拌した。混合物を続いて濃縮し、DCM(1.7L)に再溶解し、1.75時間にわたり、0℃で、N'−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(20.20g)(実施例16a)およびイソプロピルジエチルアミン(34.43mL)のDCM(200mL)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(3x1L)、水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、39.50gの副題化合物を得た。
m/e 415(M+H、83%)
【0162】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド
【化40】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド(実施例1c)(20g)のDCM(500mL)溶液を、0℃でトリフルオロ酢酸(50mL)で30分間にわたり滴下処理した。添加後反応混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(1800mL、注意)に注いだ。水性混合物をDCM(3x400mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を次反応に直接使用した。
【0163】
e) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩
【化41】

7−(2−アミノ−エチル)−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン塩酸塩(11.77g)の乾燥NMP(50mL)懸濁液を、65℃に温め、NaOH(1.83g)のメタノール(23mL)溶液で一度に処理した。明オレンジ色懸濁液を室温に冷却し、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド(実施例1d)のジクロロメタン(50mL)溶液で、30分間にわたり滴下処理した。反応物を30分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(20.33g)を、次いで少しずつ20分間にわたり添加し、混合物をさらに16時間撹拌した。反応混合物を水(1.8L)に注ぎ、酸性固体炭酸カリウムの添加によりpH8に塩基性化し、ジクロロメタン(2x500mL)で抽出した;合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、暗色油状物。残渣を、溶離剤として10%(0.1%水性NH/MeOH)/DCMを用いるシリカクロマトグラフィで精製して、副題化合物を褐色油状物として得た。収量(6.58g)。これをエタノール(150mL)に溶解し、48%水性臭化水素酸(10mL)を添加した。溶液を30分間熟成(aged)させ、次いで蒸発乾固した。残渣をエタノール(100mL)でトリチュレートした;得られた固体を濾過により回収し、真空で50℃で乾燥させた。この物質をエタノール/水(6:1、500mL)から再結晶させた;一日静置後、得られた固体を濾過により回収し、氷冷エタノール(75mL)で洗浄した。真空で50℃で24時間の乾燥により、4.96gの表題化合物を得た。
MS:APCI(+ve):563(M+1)99.3%purity(T9505M)。
1H NMR(DMSO, 90℃), δ 11.75-11.73(m, 1H), 10.08-10.06(d, 1H), 8.65(bs, 1H), 7.33-7.19(m, 4H), 6.89-6.84(t, 1H), 6.77-6.74(m, 1H), 3.68-3.58(m, 8H), 3.17-3.16(m, 10H), 2.86-2.80(m, 4H), 2.67-2.62(m, 2H), 1.23-1.19(t, 6H)。
元素分析
CHNS C:46.54%(46.39);H:5.75%(5.70);N:7.94%(7.73);S:4.46%(4.42)
【0164】
β−アドレナリン受容体アゴニスト3:(BA3):
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン二臭化水素酸塩
【化42】

a) 1−クロロ−2−[(E)−2−ニトロビニル]ベンゼン
【化43】

2−クロロベンズアルデヒド(Aldrich販売)(10.0g)をニトロメタン(26.05g)および酢酸アンモニウム(21.92g)の酢酸(200mL)溶液と混合し、混合物を40分間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸の大部分を真空で除去した。残渣をジクロロメタンに溶解し、水、次いで炭酸カリウム溶液(x2)、次いで再び水で洗浄した。有機物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて所望の物質をオレンジ色油状物として得た(12.83g)。
1H NMR δ( CDCl3)8.41(d, 1H), 7.62-7.57(m, 2H), 7.52-7.48(m, 1H), 7.43(dt, 1H), 7.34(ddd, 1H)
【0165】
b) 2−(2−クロロフェニル)エタンアミン
【化44】

アルミニウムハイドライドを、硫酸(8.40mL)の乾燥THF(60mL)溶液の、撹拌している1.0MリチウムアルミニウムハイドライドのTHF(314mL)溶液への、0−10℃での、窒素雰囲気下の滴下により製造した。5℃で30分間撹拌後、1−クロロ−2−[(E)−2−ニトロビニル]ベンゼン(12.83g)の乾燥THF(160mL)溶液を、内部温度を0℃〜10℃に維持しながら滴下した。添加完了時反応物を5分間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、次いで0℃に冷却し、イソプロパノール(22mL)を、温度を20℃以下に維持しながら注意深く滴下した。2M 水酸化ナトリウム(35mL)を、温度を20℃以下に維持しながら注意深く滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いでセライト層を通して濾過し、それを、次いでTHF(x3)で洗浄した。濾液を蒸発乾固した。残渣を物質を充填するために酢酸エチルを、次いで溶離剤として10%トリエチルアミンの酢酸エチル溶液、続いて10%トリエチルアミンの45%エタノール:45%酢酸エチル溶液を使用して、シリカカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、所望の物質(4.66g)を得た。
1H NMR δ( CDCl3)7.36(dd, 1H), 7.25-7.13(m, 3H), 2.98(dt, 2H), 2.91-2.87(m, 2H)
【0166】
c) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート
【化45】

撹拌している2−(2−クロロフェニル)エタンアミン(25.57g)およびトリエチルアミン(22.87mL)の乾燥THF(300mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(35.85g)の乾燥THF(50mL)溶液を、10分間にわたり、環境温度で、窒素雰囲気下に添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空で除去して、所望の物質を黄色油状物として得た(42.0g)。
1H NMR δ(CDCL3)7.35(d, 1H), 7.25-7.14(m, 3H), 4.57(s, 1H), 3.43-3.35(m, 2H), 2.95(t, 2H), 1.43(d, 9H)
【0167】
d) tert−ブチルアリル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート
【化46】

エーテル(x3)で洗浄した水素化ナトリウム(鉱油中60%)(7.23g)の、乾燥DMF(200mL)懸濁液に、tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート(42.0g)の乾燥DMF(50mL)溶液を、15分間に渡り、35℃で、窒素雰囲気下に添加した。添加完了時、混合物を50℃で90分間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いでアリルブロマイド(15.63mL)を、温度を外的冷却を使用して25℃に維持しながらゆっくり添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水で希釈し、酢酸エチル(x3)で抽出した。有機物を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、1%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で充填し、次いで溶離剤としてイソヘキサンと酢酸エチル(0%、1%、2%、%5)を使用するシリカカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、所望の物質(27.0g)を得た。数個の混合フラクションが存在し、従って、それらを合わせ、上記の通りシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、さらに4gの所望の物質で精製した。生成物の両方の製造分(crops)を合わせて、合計31.0gを得た。
1H NMR δ( CDCl3)7.36-7.31(m, 1H), 7.21-7.12(m, 3H), 5.83-5.68(m, 1H), 5.17-5.05(m, 2H), 3.86-3.66(m, 2H), 3.41(t, 2H), 3.03-2.90(m, 2H), 1.43(s, 9H)
HPLC:95.90%@ 220nm [M+H−Boc]+=196.1(計算値=295.1339)(マルチモード+)
【0168】
e) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化47】

tert−ブチルアリル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート(31.0g)を、2−メルカプトエタノール(7.37mL)、およびAIBN(1.15g)と混合し、65℃で45分間撹拌した。混合物を冷却し、さらにメルカプトエタノール(1mL)およびAIBN(200mg)を添加した。混合物を、次いで65℃でさらに30分間加熱した。物質を、物質を20%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で充填し、次いで20%酢酸エチルのイソヘキサン溶液、50%への変更により溶出する、シリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(31.94g)を得た。
1H NMR δ( CDCl3)7.38-7.32(m, 1H), 7.22-7.13(m, 3H), 3.75-3.68(m, 2H), 3.41(t, 2H), 3.32-3.14(m, 2H), 3.03-2.91(m, 2H), 2.72(t, 2H), 2.54-2.36(m, 2H), 1.85-1.71(m, 2H), 1.42(s, 9H)
HPLC:92.31%@ 220nm [M+H−Boc]+=274.1(計算値=373.1478)(マルチモード+)
【0169】
f) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−オキソエチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化48】

三酸化硫黄:ピリジン複合体(30.52g)をDMSO(200mL)に溶解し、室温で、窒素雰囲気下、15分間撹拌した。DCM(100mL)、続いてtert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]プロピル}カルバメート(23.9g)およびヒューニッヒ塩基(63.5mL)のDCM(160mL)溶液を添加し、それを一度に添加した(発熱)。得られた混合物を環境温度で15分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、次いで1N HCl、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。物質を20%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で溶出するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(12.43g)を得た。
1H NMR δ( CDCl3)9.46(t, 1H), 7.36-7.32(m, 1H), 7.21-7.13(m, 3H), 3.40(t, 2H), 3.29-3.13(m, 4H), 3.02-2.90(m, 2H), 2.45-2.34(m, 2H), 1.82-1.69(m, 2H), 1.49-1.36(m, 9H)
【0170】
g) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化49】

tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−オキソエチル)チオ]プロピル}カルバメート(11.32g)をメタノール(200mL)と酢酸(1.74ml)の混合物に溶解した。7−[(1R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン塩酸塩(8.0g)を溶液に添加し、混合物を室温で、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。ナトリウムシアノボロハイドライド(1.92g)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残渣を水で希釈し、0.880 水性アンモニアで塩基性化し、酢酸エチル(x3)で抽出した(抽出中セライドを通して濾過)。有機物を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて褐色残渣(15.5g)を得た。物質を、溶離剤としてDCMとMeOH(2%、5%、10%、20%および30%、全て1%0.880水性NHを含む)を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(6.67g)(38%収量)を得た。
1H NMR δ(DMSO)7.43-7.38(m, 1H), 7.30-7.21(m, 3H), 6.86(d, 1H), 6.69(d, 1H), 4.56(dd, 1H), 3.23-3.10(m, 2H), 2.88(t, 2H), 2.71-2.48(m, 8H), 2.46-2.39(m, 2H), 1.72-1.62(m, 2H), 1.40-1.22(m, 9H)
HPLC:97.46%@ 220nm [M+H]+=582.1(計算値=582.1863)(マルチモード+)
【0171】
h) 7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン二臭化水素酸塩
【化50】

撹拌しているパートg)からのBoc化合物(5.93g)のDCM(20mL)懸濁液に、トリフルオロ酢酸(20mL)を0℃で添加し、得られた混合物を窒素下で30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、溶媒を除去し、次いでトルエン(x2)と共沸させた。残渣をアセトニトリルに溶解し、48%水性HBrで酸性化し、真空で濃縮した(乾燥のためではない)。混合物をアセトニトリルでさらに希釈し、沈殿した固体を濾過により回収し、アセトニトリルで洗浄し、真空下で乾燥させて、6.35gを得た。3.8%不純物が存在し(パートe)からの異性体)、それ故物質をアセトニトリル:水1:1混合物に再溶解し、分取HPLC(Sunfire 30x80mm C8カラム;NHOAc緩衝液;10分間にわたりアセトニトリル5−50%)を使用して精製した。得られた物質を、一夜、デシケーター中、10mbarでKOHおよびHSOで乾燥させた。得られたジ酢酸塩を水に溶解し、0.880水性アンモニアで塩基性化した。白色ゴム状物が形成し、それ故水性物をデカントして捨て、ゴム状物を真空で乾燥させて、遊離塩基(4.11g)を得た。これを熱エタノールに溶解し、溶液を濾過し、次いで室温に冷却した。溶液を48%水性HBrで酸性化し、結晶化させた。白色固体を濾過により回収し、エタノールで洗浄し、真空で乾燥させて、3.81gの製造分1を得た。
1H NMR δ(DMSO)11.67(s, 1H), 10.15(s, 1H), 8.70(s, 4H), 7.50-7.30(m, 4H), 6.94(d, 1H), 6.78(d, 1H), 6.45(s, 1H), 4.96-4.90(m, 1H), 3.22-3.02(m, 10H), 2.86-2.76(m, 2H), 2.66(t, 2H), 1.91(quintet, 2H)
HPLC:99.63%@ 220nm [M+H]+=482(計算値=482.1339)(マルチモード+)
【表8】

【0172】
母液を蒸発乾固し、次いでアセトニトリルでトリチュレートした。固体を濾過により回収して、719mgの製造分2(合計4.53g)を得た。
1H NMR δ(DMSO)11.67(s, 1H), 10.15(s, 1H), 8.80-8.60(m, 4H), 7.50-7.29(m, 4H), 6.94(d, 1H), 6.78(d, 1H), 6.45(s, 1H), 4.96-4.89(m, 1H), 3.22-3.00(m, 10H), 2.85-2.76(m, 2H), 2.66(t, 2H), 1.90(quintet, 2H)
HPLC:99.20%@ 220nm [M+H]+=482(計算値=482.1339)(マルチモード+)
【表9】

【0173】
β−アドレナリン受容体アゴニストの生物学的活性
アドレナリンβ2仲介cAMP製造
細胞調製
H292細胞を、225cmのflasksインキュベーターで37℃で、5%COで、10%(v/v)FBS(ウシ胎児血清)および2mMのL−グルタミン含有RPMI培地中増殖させた。
【0174】
実験方法
付着H292細胞を組織培養flasksから、AccutaseTM細胞脱離溶液で15分間処理することにより除去した。Flasksを15分間、加湿インキュベーターで37℃、5%COでインキュベートした。脱離細胞をRPMI培地(10%(v/v)FBSおよび2mMのL−グルタミン含有)に0.05×10細胞/mLで再懸濁した。100μL中の5000細胞を、組織培養処理96ウェルプレートの各ウェルに添加し、細胞を一夜、加湿インキュベーターで37℃、5%COでインキュベートした。培養培地を除去し、細胞を2回100μLアッセイ緩衝液で洗浄し、50μLアッセイ緩衝液(10mMのHEPES pH7.4および5mMのグルコース含有HBSS溶液)で置き換えた。細胞を室温で20分間休ませ、その後25μLのロリプラム(2.4%(v/v)ジメチルスルホキシド含有アッセイ緩衝液に1.2mMで製造)を添加した。細胞を、ロリプラムと10分間インキュベートし、その後化合物Aを添加し、細胞を60分間、室温でインキュベートした。アッセイ中の最終ロリプラム濃度は300μMであり、最終媒体濃度は1.6%(v/v)ジメチルスルホキシドであった。上清の除去により反応を停止し、1回100μLアッセイ緩衝液で線樹脂、50μL溶解緩衝液で置き換えた。細胞単層を−80℃で30分間(または一夜)凍結させた。
【0175】
AlphaScreenTM cAMP検出
cAMP(環状アデノシン一リン酸)の細胞溶解物中の濃度をAlphaScreenTM方法を使用して測定した。凍結細胞プレートを、プレートシェーカーで20分間融解し、次いで10μLの細胞溶解物を96ウェル白色プレートに写した。ビオチニル化cAMPとプレインキュベートした、40μLの混合したAlphaScreenTM検出ビーズを各ウェルに添加し、プレートを室温で10時間、暗所でインキュベートした。AlphaScreenTMシグナルを、製造社の推奨設定で、EnVision分光光度計(Perkin-Elmer Inc.)を使用して使用して測定した。cAMP濃度を標準cAMP濃度を使用した同じ実験で決定した較正曲線を参照して決定した。化合物Aの濃度応答曲線を構築し、データをpEC50および内因性活性両方を決定するために4パラメータロジスティック方程式に適合させた。内因性活性を、各実験でフォルモテロールについて決定された最大活性に対する分画として示した。結果は表1にある。
【0176】
選択性アッセイ
アドレナリンα1D
膜調製
膜を、組み換えヒトα1受容体を発現するヒト胚腎臓293(HEK293)細胞から調製した。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0177】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。10μLの[H]−プラゾシン(0.3nM最終濃度)および10μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[H]−プラゾシン結合について10μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または10μLのBMY7378(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して100μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0178】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([H]−プラゾシン結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([H]−プラゾシン結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果は下記表1に示す。
【0179】
アドレナリンβ1
膜調製
組み換えヒトアドレナリンベータ1受容体を含む膜をEuroscreenから得た。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0180】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。10μLの[125I]−ヨードシアノピンドロール(0.036nM最終濃度)および10μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[125I]−ヨードシアノピンドロール結合について10μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または10μLのプロプラノロール(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して100μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0181】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果は下記表1に示す。
【0182】
ドーパミンD2
膜調製
組み換えヒトドーパミンサブタイプD2s受容体を含む膜を、Perkin Elmerから得た。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0183】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。30μLの[H]−スピペロン(0.16nM最終濃度)および30μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[H]−スピペロン結合について30μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または30μLのハロペリドール(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して300μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0184】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([H]−スピペロン結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([H]−スピペロン結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果は表1に示す。
【表10】

【0185】
インビトロ組み合わせデータ
メタコリンで前収縮させたモルモットからの単離気管軟骨輪に対する化合物活性の評価。
β2−アドレナリン受容体アゴニストおよび/またはムスカリンM3受容体アンタゴニストの添加は、ムスカリンアゴニスト、メタコリンで前収縮させた単離モルモット気管軟骨輪の弛緩を引き起こす。雄アルビノDunkin Hartleyモルモット(300−350g)を頸椎脱臼により殺し、気管を摘出した。付着結合組織を除去し、気管を、輪状セグメント(2−3mm幅)に切った。これらを修飾Krebs溶液組成(mM):NaCl 117.56、KCl 5.36、NaHPO 1.15、MgSO 1.18、グルコース 11.10、NaHCO 25.00およびCaCl 2.55を含む10mLの器官浴(organ bath)に懸濁させた。これを37℃に維持し、O中5%COで連続的に通気し、インドメタシン(2.8μM)、コルチコステロン(10μM)、アスコルベート(1mM)、CGP20712A(1μM)およびフェントラミン(3μM)をKrebs溶液に添加した:インドメタシンは、シクロオキシゲナーゼ生成物の合成による平滑筋緊張を阻止するため、コルチコステロンは取り込み2工程を避けるため、アスコルベートはカテコラミン酸化を阻止するため、そしてCGP20712Aおよびフェントラミンは、各々β1−およびα−アドレナリン受容体活性化の何らかの複雑な作用を避けるため。
気管軟骨輪を、一方が等尺性力変換器(isometric force transducer)および他方が器官浴の固定支持体に結合した2このステンレススチール・フックの間に懸濁させた。等尺性力(isometric force)の変化を記録した。アセチル−β−メチルコリンクロライド(メタコリン)、インドメタシン、コルチコステロン−21−アセテート、塩酸フェントラミン、アスコルビン酸、CGP20712A 硫酸メタンをSigma Chemical Companyから得た。インドメタシンを10%w/v NaCOに、コルチコステロン−21−アセテートをエタノールにおよび他の化合物をDMSOに溶解した。ムスカリンアンタゴニスト(MA2)、(MA11)およびフォルモテロールを、組織への添加前にKrebsに希釈し、浴中のDMSOレベルは<0.1%であった。
【0186】
ムスカリンアンタゴニスト2(MA2):[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイドおよびフォルモテロール
各実験の最初に、1.0g.wt.の力を組織に適用し、これを力が定常的になるまで30分間の平衡化期間の間持続させた。次いで組織を1μMのムスカリンアゴニスト、メタコリンに暴露して、組織生存能を評価した。組織を浸漬Krebs溶液を変えることにより3回洗浄した。30分後、組織を再び1μMのメタコリンで前収縮させた。収縮がプラトーに達したとき、1nMのフォルモテロール、10nMのムスカリンアンタゴニスト(MA2)(結晶形態A)または両方の組み合わせを浸漬培地に添加し、60分間静置した。
【0187】
データをウィンドウズ用ソフトウェアADInstruments Chart5を使用して集め、生じた緊張をメタコリン添加前およびその応答がプラトーに達した後に測定した。化合物MA2および/またはフォルモテロールに対する応答を、その添加後10分間隔で測定した。全ての応答は、メタコリン誘発収縮の阻害パーセントとして示した。結果を図6および表2に示し、ここで、化合物Aは(MA2)である。
【表11】

【0188】
ムスカリンアンタゴニスト11(MA11):[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩およびフォルモテロール
各実験の最初に、1.0g.wt.の力を組織に適用し、これを力が定常的になるまで30分間の平衡期間の間持続させた。次いで組織を1μMのムスカリンアゴニスト、メタコリンに暴露して、組織生存能を評価した。組織を浸漬Krebs溶液を変えることにより3回洗浄した。30分後、組織を再び1μMのメタコリンで前収縮させた。収縮がプラトーに達したとき、1nMのフォルモテロール、10nMのムスカリンアンタゴニストMA11または両方の組み合わせを浸漬培地に添加し、60分間静置した。
【0189】
データをウィンドウズ用ソフトウェアADInstruments Chart5を使用して集め、生じた緊張をメタコリン添加前およびその応答がプラトーに達した後に測定した。化合物(MA11)および/またはフォルモテロールに対する応答を、その添加後10分間隔で測定した。全ての応答は、メタコリン誘発収縮の阻害パーセントとして示した。結果を図7および表3に示し、ここで、化合物Bは(MA11)である。
【表12】

【0190】
インビボ組み合わせデータ
麻酔をかけたモルモットにおける肺機能の評価
雄Dunkin-Hartleyモルモット(300−600g)の体重を量り、媒体(0.05Mホスフェート、0.1%Tween 80、0.6%食塩水、pH6)または化合物を、回復可能なガス麻酔(酸素中5%ハロタン)下に気管内経路を介して投与した。動物に、化合物または媒体をメタコリン投与2時間前に投与した。モルモットにペントバルビタール(60mg/mL溶液の1mL/kgのi.p.)で、最初の気管支収縮剤投与の約30分前に麻酔をかけた。気管をカニューレ処理し、動物を一定容積呼吸器ポンプ(Harvard Rodent Ventilator model 683)を5mL/kgの1回換気量で60回呼吸/分の速度で換気した。頚静脈を、メタコリン投与または麻酔維持(必要に応じて0.1mLのペントバルビタール溶液、60mg/mL)のためにカニューレ処理した。
【0191】
動物を、気道抵抗を測定するためにFlexivent System(SCIREQ, Montreal, Canada)に写した。動物を、5mL/kgの1回換気量で60回呼吸/分で換気した(擬-正弦曲線換気パターン)。2−3cm HOの呼気終末陽圧換気を適用した。呼吸器抵抗を、Flexivent“スナップショット”施設(1秒間、1Hz周波数)を使用して測定した。安定な基線抵抗値が得られたら、動物にメタコリンを、約4分間隔で、頚静脈カテーテルを介して、投与量を増加させながら(0.5、1、2、3および5μg/kg、i.v)投与した。気管支収縮剤の各投与後、ピーク抵抗値を記録した。モルモットを、肺機能測定完了後、約1.0mLのペントバルビタールナトリウム(Euthatal)の静脈内投与で麻酔した。
【0192】
化合物によりもたらされる気管支保護(bronchoprotection)のパーセンテージを、次の通り、各投与量の気管支収縮剤で計算した:
【数1】

ここで、%変化Rvehは、媒体処置群における気道抵抗の平均最大変化パーセントである。報告した結果は、5μg/kgのメタコリン後に測定し、気管支保護%として示した(平均±平均s.e.)。
【0193】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩およびムスカリンアンタゴニスト2(MA2)[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウムブロマイド
モルモットに媒体、3および27μg/kgの化合物(BA1)、0.2μg/kgの化合物(MA2)(結晶形A)または3μg/kgの化合物(BA1)と0.2μg/kgの化合物(MA2)の組み合わせを気管内経路を介して投与した。メタコリンの静脈内投与量を増加させていくと(0.5、1、2、3および5μg/kg)、媒体処置動物で、媒体投与2時間後に0.5μg/kgで13±2.6%から5μg/kgで2530±280%の範囲の用量依存性気管支収縮を引き起こした(n=9)。化合物(MA2)の0.2μg/kgでの気管内投与は、メタコリン誘発気管支収縮の13%阻害を引き起こした(抵抗の2210±268%増加、n=8)。メタコリン2時間前の化合物(BA1)(3および27μg/kg)の気管内投与は、メタコリン誘発気管支収縮の17および81%阻害を引き起こした(各々抵抗の2090±239および470±221%;各々n=8および6)。化合物(MA2)(0.2μg/kg)と化合物(BA1)(3μg/kg)の組み合わせは、メタコリン誘発気管支収縮の55%阻害を引き起こした(抵抗の1140±151%増加;n=8)(図8参照 − そこでは化合物Aは(BA1)であり、そして化合物Zは(MA2)である)。
【0194】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド二臭化水素酸塩およびムスカリンアンタゴニスト11(MA11):[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウムヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩
モルモットに、媒体、1および27μg/kgの化合物(BA1)、0.01μg/kgの化合物(MA11)または1μg/kgの化合物(BA1)と0.01μg/kgの化合物(MA11)の組み合わせを気管内経路を介して投与した。メタコリンの静脈内投与量を増加させていくと(0.5、1、2、3および5μg/kg)、媒体処置動物で、媒体投与2時間後に、0.5μg/kgで14±2.6%から5μg/kgで2240±269%の範囲の用量依存性気管支収縮を引き起こした(n=10)。化合物(MA11)の0.2μg/kgでの気管内投与は、メタコリン誘発気管支収縮の16%阻害を引き起こした(抵抗の1880±272%増加、n=6)。メタコリン2時間前の化合物(BA1)(1および27μg/kg)の気管内投与は、メタコリン誘発気管支収縮の38および89%阻害を引き起こした(各々抵抗の1380±333および242±69%増加;各々n=8および6)。化合物(MA11)(0.2μg/kg)と化合物(BA1)(3μg/kg)の組み合わせは、メタコリン誘発気管支収縮の43%阻害を引き起こした(抵抗の1273±260%増加;n=7)(図9参照 − そこでは化合物Aは(BA1)であり、そして化合物Yは(MA11)である)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[2−((S)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(2−フェネチルオキシ−エチル)−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−プロピル]ジメチル−アンモニウム塩、
[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ジメチル−アンモニウム塩、および
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩
から選択されるムスカリンアンタゴニストである第一活性成分;
およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分
を組み合わせて含む、医薬製品。
【請求項2】
第一活性成分が。ブロマイドまたはナパジシル酸塩であるムスカリンアンタゴニストである、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
第一活性成分がブロマイド塩であるムスカリンアンタゴニストである、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
第一活性成分がナパジシル酸塩であるムスカリンアンタゴニストである、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロールである、請求項1〜4のいずれかに記載の製品。
【請求項6】
β−アドレナリン受容体アゴニストが:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、
またはその薬学的に許容される塩
から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の製品。
【請求項7】
呼吸器疾患の処置用医薬の製造における、請求項1〜6のいずれかに記載の製品の使用。
【請求項8】
呼吸器疾患が慢性閉塞性肺疾患である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
呼吸器疾患の処置方法であって:
(a)一定(治療的有効)投与量の請求項1〜4のいずれかに記載のムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分および
(b)一定(治療的有効)投与量のβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分;
を、それを必要とする患者に同時に、連続的にまたは別々に投与することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかに記載のムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分の製剤、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分の製剤および所望によりそれを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与についての指示を含む、キット。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれかに記載のムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二成分を混合して含む、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−518059(P2010−518059A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548735(P2009−548735)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000404
【国際公開番号】WO2008/096126
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(507259730)アージェンタ ディスカバリー リミテッド (23)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】