メタルコア製造装置
【課題】より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供する。
【解決手段】板状の素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、素材の前記接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、素材の前記切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き取り量を調節する圧延量調節ユニットと、を有するメタルコア製造装置とする。
【解決手段】板状の素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、素材の前記接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、素材の前記切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き取り量を調節する圧延量調節ユニットと、を有するメタルコア製造装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルコア製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドア等の隙間に配置され風や雨等が自動車内に入り込むのを防止するウェザーストリップや自動車の内装とボディとの取り合いに付されるウェルト等は、一般に樹脂材料やゴム材料の内部に芯材(メタルコア)を有したものであって、この芯材によってU字状等一定の形状を安定的に保ち、自動車の車体に強く嵌め込ませることで所望の効果を達成することができる。
【0003】
一般にメタルコアは、板状の素材に切れ目を入れて接続部と切断部を形成し、延伸して切断部にスリットを形成し、素材を略梯子状にすることによって製造される。公知のメタルコアの製造方法として、例えば下記特許文献1にメタルコアを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにメタルコアは自動車の様々な部品において用いられる重要な部材であって、長い場合は自動車一台当り数十メートルに達する場合もある。このため、メタルコアに用いられる金属の量を少なくすることで近年の自動車の軽量化、低コスト化を図ることができる。例えば現在メタルコアの厚さは0.5mm程度が主流であるが、0.3mm程度まで薄くすることができれば40%も軽量化が可能となる。
【0006】
ところが、メタルコアは上記の通り、板状の素材を圧延することによって切断部にスリットを形成するものであり、メタルコアの素材を薄くすることはスリット幅の調整が困難となることを意味する。具体的には、素材の厚さにおける誤差が0.1mm程度である場合、素材の厚さが0.5mm程度であれば20%程度の誤差となるが、素材の厚さが0.3mm程度であれば33%程度の誤差となる。
【0007】
一方で、メタルコアの性能は、スリットの幅の均一性に大きく依存する。具体的には、スリットの幅が均一でない場合、この均一でない部分に力が集中することでメタルコアを曲げた際にその部分で折れやすくなってしまう等の問題が生じる。このため、スリットの幅はできる限り均一にしなければならないが、上記のような誤差に起因するスリット幅の不均一さをどのように解決するのかといったことについては検討がなされていない。このことは上記特許文献1においても同様である。
【0008】
以上、本発明は上記課題を鑑み、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の一の観点に係るメタルコア製造装置は、素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、素材の接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、素材の切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き込み量を調節する圧延量調節ユニットと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によって、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るメタルコア製造装置の概略を示す図である。
【図2】実施形態に係る板状の素材の形状の概略を示す図である。
【図3】実施形態に係る巻き取られた板状の素材の概要を示す図である。
【図4】実施形態に係る切れ目を入れられた素材の概略を示す図である。
【図5】実施形態に係るランシングユニットを素材Mの送り方向に垂直な面による断面の概略図を示す図である。
【図6】実施形態に係るランシングユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図7】実施形態に係る第一のアンビルユニットの概略を示す図である。
【図8】実施形態に係る第一のアンビルユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図9】実施形態に係るスリットが形成された素材の概略を示す図である。
【図10】実施形態に係る第一のストレッチユニットの概略を示す図である。
【図11】実施形態に係る第一のストレッチユニットの一方のロールのロール面の概略断面図である。
【図12】実施形態に係る第一のストレッチユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図13】実施形態に係る第二のストレッチユニットの概略を示す図である。
【図14】実施形態に係る第二のストレッチユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図15】実施形態に係る第二のアンビルユニットの概略を示す図である。
【図16】実施形態に係る第二のアンビルユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図17】実施形態に係るスリット幅計測ユニットの概略を示す図である。
【図18】実施形態に係る第一のダンサーユニットの概略を示す図である。
【図19】実施形態に係る第二のダンサーユニットの概略を示す図である。
【図20】実施形態に係る第三のダンサーユニットの概略を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態の例示に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係るメタルコア製造装置(以下「本装置」という。)1の概略図である。本図で示すように、本装置1は、素材Mに切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニット2と、素材を平坦にする第一のアンビルユニット3と、素材の接続部を圧延する第一のストレッチユニット4と、素材の接続部を圧延する第二のストレッチユニット5と、素材を平坦にする第二のアンビルユニット6と、素材の切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニット7と、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き込み量を調節する引き込み量調節ユニット8と、を有する。
【0014】
また本装置1は、ランシングユニット2と第一のアンビルユニット3の間に第一のダンサーユニット91を、第一のアンビルユニット3と第一のストレッチユニット4の間に第二のダンサーユニット92を、第一のストレッチユニット4と第二のストレッチユニット5の間に第三のダンサーユニット93を、それぞれ有している。
【0015】
本実施形態においてランシングユニット2は、板状の素材を引き込むとともに素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けて後段の第一のアンビルユニット3に素材を送ることのできるものである。
【0016】
本実施形態において、メタルコアの材料となる板状の素材Mは、図2で示すように細長い板状の素材であって、一般的には、図3で示すように、渦巻状に巻き取られてランシングユニット2等により適宜引かれ、加工を加えられていく。なお素材は圧延可能な金属である。
【0017】
ここで図4に、ランシングユニット2によって切れ目を入れられた板状の素材の概略図を示しておく。ここで、「切断部」とは、素材の幅方向に切れ目が入れられている部分をいい、「接続部」とは、素材の幅方向に切れ目が入れられていない切断部以外の部分をいう。なお、素材Mを切断する歯の形状にもよるが、切断された素材Mは、多くの場合、切断により段差が形成されたものとなっている。
【0018】
また本実施形態におけるランシングユニット2は、上記の通り、メタルコアの原材料である板状の素材Mに切れ目を入れることができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば歯が形成されたロール面が噛み合わされるように配置された一対のロール211、221と、この一対のロール211及び221を回転可能に支持するロール回転軸212、222と、この回転軸212、222を回転させるロール駆動部23と、を有している。
【0019】
ここでロール駆動部23としては、限定されるわけではないが、例えば回転するモータ231と、このモータ231の回転を回転軸22+2に伝えるチェーン232とを有していることが好ましい。なおモータ231は、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ231のチェーン232は、モータ231の軸2311と一方の回転軸222に巻かれ、モータ231の回転を回転軸222の回転に伝達しているが、回転軸212、222にはロール211、221のほか、ギア213、223が固定されており、回転軸222の回転を他方の回転軸212に伝え、同じ回転数を保つことができる。図5に、この構成によるランシングユニット2の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0020】
なお、本実施形態のランシングユニット2は、更に、回転軸212、222同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部24を有している。ロール回転軸距離調節部24としては、限定されるわけではないが、回転軸212、222の両端をそれぞれ保持する軸受け241と242と、軸受け241、242をそれぞれ保持するハウジング243、244と、ハウジング243、244同士に反発する力を発生させる反発部材245と、ハウジング243、244の間を締め付ける締め付け部材246と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材246を用いて締め付けることでハウジング243、244の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材246を緩めることでハウジング243、244の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。ランシングユニット2のハウジング243、244を含めて側面から見た場合の概略図を図6に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことは、より細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0021】
なお、締め付け部材246としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸2461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材2462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材2462のみを用いて構成することもできる。
【0022】
本実施形態において第一のアンビルユニット3は、ランシングユニット2の後段に設けられ、ランシングユニット2によって板状の素材Mを平坦にすることのできるものである。具体的に説明すると、ランシングユニット2によって切れ目を入れられた素材Mは、一般に段差が形成されてしまっており(例えば図4参照)、この状態で後段のストレッチユニットに圧延された場合、この段差が正確なスリット形成を阻害してしまうおそれがあるため、改めて素材Mを平坦にすることで正確なスリット形成を実現することができる。なお、第一のアンビルユニット3も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材Mを引き入れることができるとともに、平坦にした後、後段の第一のストレッチユニット4に素材を送ることのできるものである。
【0023】
また本実施形態における第一のアンビルユニット3は、上記の通り、切れ目を入れられた板状の素材Mを平らにすることができるものであれば限定されないが、例えば平坦なロール面が対応して配置された一対のロール311、321と、この一対のロール311及び321を回転可能に支持するロール回転軸312、322と、この回転軸312、322を回転させるロール駆動部33と、を有している。
【0024】
ここでロール駆動部33としては、限定されるわけではないが、例えば上図のように、回転するモータ331と、このモータの回転を回転軸322に伝えるチェーン332とを有していることが好ましい。なおモータは、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ331のチェーン332は、モータ331の軸3311と一方の回転軸322に巻かれ、モータ331の回転を回転軸322の回転に伝達しているが、回転軸312、322にはロール311、321のほか、ギア323、313が固定されており、回転軸322の回転を他方の回転軸312に伝え、同じ回転数を保つことができる。図7に、この構成による第一のアンビルユニット3の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0025】
また、本実施形態の第一のアンビルユニット3は、回転軸312、322同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部34を有している。ロール回転軸距離調節部34としては、限定されるわけではないが、回転軸312、322の両端をそれぞれ保持する軸受け341と342と、軸受け341、342をそれぞれ保持するハウジング343、344と、ハウジング343、344同士に反発する力を発生させる反発部材345と、ハウジング343、344の間を締め付ける締め付け部材346と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材346を用いて締め付けることでハウジング343、344の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材346を緩めることでハウジング343、344の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第一のアンビルユニット3のハウジング343、344を含めて側面から見た場合の概略図を図8に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことは、より細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0026】
なお、締め付け部材346としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸3461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材3462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材3462のみを用いて構成することもできる。
【0027】
本実施形態において第一のストレッチユニット4は、素材の接続部を圧延することにより素材の切断部にスリットを形成することができるものである。第一のストレッチユニット4によってスリットが形成された素材Mの概略図を図9に示しておく。なお、第一のストレッチユニット4も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材を引き込むことができるとともに、圧延した後、後段の第二のストレッチユニット5に素材を送ることのできるものである。
【0028】
また本実施形態における第一のストレッチユニット4は、上記の通り、素材Mの接続部、好ましくは接続部のみを圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成することができるものであれば限定されないが、それぞれ平坦面4111に素材の接続部の位置に対応した凸部4112が形成されたロール面を有して対向して配置された一対のロール411、421と、この一対のロール411及び421を回転可能に支持するロール回転軸412、422と、この回転軸412、422を回転させるロール駆動部43と、を有していることが好ましい。図10に、この構成による第一のストレッチユニット4の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。またこの場合における、ロール411のロール面の概略断面図について図11に示しておく。
【0029】
ここでロール駆動部43としては、限定されるわけではないが、例えば回転するモータ431と、このモータ431の回転を回転軸422に伝えるチェーン432とを有していることが好ましい。なおモータ431は、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ431のチェーン432は、モータ431の軸4311と一方の回転軸422に巻かれ、モータ431の回転を回転軸422の回転に伝達しているが、回転軸412、422にはロール411、421のほか、ギア423、413が固定されており、回転軸422の回転を他方の回転軸412に伝え、同じ回転数を保つことができる。
【0030】
また、本実施形態の第一のストレッチユニット4は、回転軸412、422同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部44を有している。ロール回転軸距離調節部44としては、限定されるわけではないが、回転軸412、422の両端をそれぞれ保持する軸受け441と442と、軸受け441、442をそれぞれ保持するハウジング443、444と、ハウジング443、444同士に反発する力を発生させる反発部材445と、ハウジング443、444の間を締め付ける締め付け部材446と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材446を用いて締め付けることでハウジング443、444の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材446を緩めることでハウジング443、444の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。このようにすることで圧延量を調節することができるようになり、スリットの幅を調節することができる。第一のストレッチユニット4のハウジング443、444を含めて側面から見た場合の概略図を図12に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0031】
なお、締め付け部材446としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸4461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材4462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材4462のみを用いて構成することもできる。
【0032】
本実施形態において第二のストレッチユニット5は、上記第一のストレッチユニット4と同様であり、素材Mの接続部を圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成すること又はスリット幅の調整ができるものである。なお、第二のストレッチユニット5も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材Mを引き込むことができるとともに、平坦にした後、後段の第二のアンビルユニット6に素材を送ることのできるものである。
【0033】
本実施形態では、接続部を圧延するストレッチユニットを二つ設けることで、素材の延伸方向に対し切断部と接続部の位置が異なるメタルコアの作製にも対応することができるといった効果もある。
【0034】
また本実施形態における第二のストレッチユニット5は、上記の通り、素材Mの接続部、好ましくは接続部のみを圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成することができるものであれば限定されないが、上記第一のストレッチユニット4と同様に、それぞれ平坦面に素材の接続部の位置に対応した凸部が形成されたロール面を有して対向して配置された一対のロール511、521と、この一対のロール511及び521を回転可能に支持するロール回転軸512、522と、この回転軸512、522を回転させるロール駆動部43と、を有している。
【0035】
ここでロール駆動部53としては、限定されるわけではないが、例えば上図のように、回転するモータと、このモータの回転を回転軸に伝えるチェーンとを有していることが好ましい。なおモータは、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ531のチェーンは、モータ531の軸5311と一方の回転軸512に巻かれ、モータ531の回転を回転軸512の回転に伝達しているが、回転軸512、522にはロール511、521のほか、ギア523、513が固定されており、回転軸512の回転を他方の回転軸522に伝え、同じ回転数を保つことができる。図13に、この構成による第二のストレッチユニット5の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0036】
また、本実施形態の第二のストレッチユニット5は、回転軸512、522同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部54を有している。ロール回転軸距離調節部54としては、限定されるわけではないが、回転軸512、522の両端をそれぞれ保持する軸受け541と542と、軸受け541、542をそれぞれ保持するハウジング543、544と、ハウジング543、544同士に反発する力を発生させる反発部材545と、ハウジング543、544の間を締め付ける締め付け部材546と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材546を用いて締め付けることでハウジング543、544の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材546を緩めることでハウジング543、544の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第二のストレッチユニット5のハウジング543、544を含めて側面から見た場合の概略図を図14に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0037】
なお、締め付け部材546としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸5461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材5462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材5462のみを用いて構成することもできる。
【0038】
また本実施形態において第二のアンビルユニット6は、第二のストレッチユニット5の後段に配置され、素材Mを平坦にすることができるものであり、より具体的には、スリット幅計測ユニット7及び引き込み量調節ユニット8と協働して、第一及び第二のストレッチユニットによって形成されたスリットの幅を最終調整することのできるものである。例えば、第二のストレッチユニットにより圧延され形成されたスリット幅が所望の幅よりも狭い場合、第二のアンビルユニット6の回転速度を上げて素材に引っ張り力を生じさせる。この結果、スリットの幅を広げることができ、所望のスリット幅とすることができる。
【0039】
また本実施形態における第二のアンビルユニット6は、上記の通り、素材Mの接続部及び切断部を圧延することができるものであれば限定されないが、例えば平坦なロール面が対応して配置された一対のロール611、621と、この一対のロール611及び621を回転可能に支持するロール回転軸612、622と、この回転軸612、622を回転させるロール駆動部63と、を有していることが好ましい。
【0040】
ここでロール駆動部63としては、限定されるわけではないが、運転時において、ロールの回転速度を変化させて、より好ましくは第二のストレッチユニット5におけるロールの回転速度に対する第二のアンビルユニット6のロールの回転速度の比を変化させて素材送り出し量を調節し、第二のストレッチユニット5と第二のアンビルユニット6の間に引っ張り力を加えることができるようにしていることが好ましく、この一例としてサーボモータを用いた例であることは好ましい。第二のストレッチユニット5のモータと第二のアンビルユニット6のモータの回転数の比を変化させることで、アンビルユニット6の引き込み量を調節し、例えば引っ張り力を生じさせることでスリット幅が所望の量よりも狭い場合、素材Mの形状を不必要に変形させることなく、スリット幅のみを広げることができるといった効果がある。なお、モータ631のチェーン632は、モータ631の軸6311と一方の回転軸622に巻かれ、モータ631の回転を回転軸622の回転に伝達しているが、回転軸612、622にはロール611、621のほか、ギア623、613が固定されており、回転軸622の回転を他方の回転軸612に伝え、同じ回転数を保つことができる。図15に、この構成による第二のアンビルユニット6の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0041】
また本実施形態における第二のアンビルユニット6は、回転軸612、622同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部64を有している。ロール回転軸距離調節部64としては、限定されるわけではないが、回転軸612、622の両端をそれぞれ保持する軸受け641と642と、軸受け641、642をそれぞれ保持するハウジング643、644と、ハウジング643、644同士に反発する力を発生させる反発部材645と、ハウジング643、644の間を締め付ける締め付け部材646と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材646を用いて締め付けることでハウジング643、644の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材646を緩めることでハウジング643、644の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第二のアンビルユニット6のハウジング643、644を含めて側面から見た場合の概略図を図16に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0042】
なお、締め付け部材646としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸6461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材6462と、を有して構成することができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材6462のみを用いて構成することもできる。
【0043】
また本実施形態においてスリット幅計測ユニット7は、第二のアンビルユニット6の後段に設けられ、素材の前記切断部のスリット幅を計測し、そのスリット幅を圧延量調節ユニット8に出力することのできるものである。
【0044】
本実施形態のスリット幅計測ユニット7の構成としては、スリット幅を計測できる限りにおいて限定されるわけではないが、素材Mに対し光を発する発光部71と、素材から反射される光を受光する受光部72とを有し、第二のアンビルユニット6のロールの径及び回転数に基づき材料の送り速度を算出し、更に、所定の期間において受光部が光を受光した回数を計測し、上記送り速度と階数とをカウントしてスリット幅を算出するスリット幅算出処理部73を有することが好ましい。図17に、この構成によるスリット幅計測ユニットの概略図を示しておく。
【0045】
また本実施形態において引き込み量調節ユニット8は、スリット幅計測ユニット7の測定結果に基づき、上記第二のアンビルユニット6の引き込み量を調節することのできるものである。具体的には、上記第二のアンビルユニット6におけるロール駆動部63を駆動し、例えばモータの回転数を調節してロールの回転数を調節し、最終的なスリット幅を調節する。具体的には、上記の通り、第二のストレッチユニット5により圧延され形成されたスリット幅が所望の幅よりも狭い場合、第二のアンビルユニット6の回転速度を上げて素材に引っ張り力を生じさせる。この結果、スリットの幅を広げることができ、所望のスリット幅とすることができる。
【0046】
また本実施形態のメタルコア製造装置1には、更に、第二のストレッチユニット6によるロール回転軸距離調節部54を駆動する距離調整アクチュエータ547を有している。距離調整アクチュエータ547は、上記スリット幅計測ユニット7に接続されており、引き込み量調節ユニット8と協働してより詳細に素材Mに形成されるスリット幅を調整することができる。例えば、スリット幅計測ユニット7が計測したスリット幅が所望の幅よりも広かった場合、距離調整アクチュエータ547を調整して回転軸間の距離を広げて素材Mに加える圧力を下げ、スリット幅を狭めることができ、逆にスリット幅が所望の幅よりも狭かった場合、第二のアンビルユニット6のロールの回転数を上げ、アンビルユニット6の引き込み量を増加させてスリットの幅を広げることができる。なお一般に、ストレッチユニットによるスリット幅の調節量の範囲はアンビルユニットによるスリット幅の調節量よりも小さいものであるため、ストレッチユニットだけでは調整しきれないより正確なスリット幅調整が可能となり、ストレッチユニットとアンビルユニットの双方の調整により特にこの効果が顕著となる。
【0047】
本実施形態において第一のダンサーユニット91は、ランシングユニット2と第一のアンビルユニット3の間に配置されるものであって、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度と、第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度を調節することができるものである。
【0048】
第一のダンサーユニット91の構造としては、限定されるわけではないが、メインロール911、このメインロール911を挟むよう配置されるガイドロール914、915、メインロール911及びこのロール911を回転可能に保持する回転軸912と、このメインロール911及び回転軸912をランシングユニット2が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット913と、上記各要素を保持する支柱916を有する。なお移動ユニット913は、メインロール911にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度が第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール911にかかる負荷が軽減されるため、メインロール911が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度が第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール911にかかる負荷が大きくなるため、メインロール911が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段のランシングユニット2のロールの回転速度を落とすことができる。図18に、この構成による第一のダンサーユニット91の概略図を示しておく。
【0049】
本実施形態において第二のダンサーユニット92は、第一のアンビルユニット3と第一のストレッチユニット4の間に配置されるものであって、ほぼ上記第一のダンサーユニット91と同様のものを用いることができる。
【0050】
第二のダンサーユニット92の構成は、限定されるわけではないが、メインロール921、このメインロール921を挟むよう配置されるサブロール924、925、メインロール921及びこのメインロール921を回転可能に保持する回転軸922と、このメインロール921及び回転軸922を第一のアンビルユニット3が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット923と、上記各要素を保持する支柱926を有する。なお移動ユニット923は、メインロール921にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、第一のアンビルユニット3から送り出される板状の素材の速度が第一のストレッチユニット4が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール921にかかる負荷が軽減されるため、メインロール921が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、第一のアンビルユニット3から送り出される板状の素材の速度が第一のストレッチユニット4が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール921にかかる負荷が大きくなるため、メインロール921が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段の第一のアンビルユニット3のロールの回転速度を落とすことができる。図19に、この構成による第二のダンサーユニット92の概略図を示しておく。
【0051】
本実施形態において第三のダンサーユニット93は、第一のストレッチユニット4と第二のストレッチユニット5の間に配置されるものであって、ほぼ上記第一のダンサーユニット91と同様のものを用いることができる。
【0052】
第三のダンサーユニット93の構成は、限定されるわけではないが、メインロール931、このメインロール931を挟むよう配置されるサブロール934、935、メインロール931及びこのメインロール931を回転可能に保持する回転軸932と、このメインロール931及び回転軸932を第一のストレッチユニット4が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット933と、上記各要素を保持する支柱936を有する。なお移動ユニット933は、メインロール931にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、第一のストレッチユニット4から送り出される板状の素材の速度が第二のストレッチユニット5が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール931にかかる負荷が軽減されるため、メインロール931が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、第一のストレッチユニット4から送り出される板状の素材の速度が第二のストレッチユニット5が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール931にかかる負荷が大きくなるため、メインロール931が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段の第一のストレッチユニット4のロールの回転速度を落とすことができる。図20に、この構成による第三のダンサーユニット93の概略図を示しておく。
【0053】
以上、本実施形態により、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、ストレッチユニットを二つ設けた例を示しているが、場合によってはストレッチユニットをひとつにすることもできる。この場合、第二のストレッチユニット及び第三のダンサーユニットを削除し、第二のストレッチユニットの動作を第一のストレッチユニットに兼ねさせる(第二のユニットを第一のユニットと読み変える)ことで対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、メタルコア製造装置として産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0056】
1…メタルコア製造装置、2…ランシングユニット、3…第一のアンビルユニット、4…第一のストレッチユニット、5…第二のストレッチユニット、6…第二のアンビルユニット、7…スリット幅計測ユニット、8…引き込み量調節ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルコア製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドア等の隙間に配置され風や雨等が自動車内に入り込むのを防止するウェザーストリップや自動車の内装とボディとの取り合いに付されるウェルト等は、一般に樹脂材料やゴム材料の内部に芯材(メタルコア)を有したものであって、この芯材によってU字状等一定の形状を安定的に保ち、自動車の車体に強く嵌め込ませることで所望の効果を達成することができる。
【0003】
一般にメタルコアは、板状の素材に切れ目を入れて接続部と切断部を形成し、延伸して切断部にスリットを形成し、素材を略梯子状にすることによって製造される。公知のメタルコアの製造方法として、例えば下記特許文献1にメタルコアを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにメタルコアは自動車の様々な部品において用いられる重要な部材であって、長い場合は自動車一台当り数十メートルに達する場合もある。このため、メタルコアに用いられる金属の量を少なくすることで近年の自動車の軽量化、低コスト化を図ることができる。例えば現在メタルコアの厚さは0.5mm程度が主流であるが、0.3mm程度まで薄くすることができれば40%も軽量化が可能となる。
【0006】
ところが、メタルコアは上記の通り、板状の素材を圧延することによって切断部にスリットを形成するものであり、メタルコアの素材を薄くすることはスリット幅の調整が困難となることを意味する。具体的には、素材の厚さにおける誤差が0.1mm程度である場合、素材の厚さが0.5mm程度であれば20%程度の誤差となるが、素材の厚さが0.3mm程度であれば33%程度の誤差となる。
【0007】
一方で、メタルコアの性能は、スリットの幅の均一性に大きく依存する。具体的には、スリットの幅が均一でない場合、この均一でない部分に力が集中することでメタルコアを曲げた際にその部分で折れやすくなってしまう等の問題が生じる。このため、スリットの幅はできる限り均一にしなければならないが、上記のような誤差に起因するスリット幅の不均一さをどのように解決するのかといったことについては検討がなされていない。このことは上記特許文献1においても同様である。
【0008】
以上、本発明は上記課題を鑑み、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の一の観点に係るメタルコア製造装置は、素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、素材の接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、素材の切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き込み量を調節する圧延量調節ユニットと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によって、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るメタルコア製造装置の概略を示す図である。
【図2】実施形態に係る板状の素材の形状の概略を示す図である。
【図3】実施形態に係る巻き取られた板状の素材の概要を示す図である。
【図4】実施形態に係る切れ目を入れられた素材の概略を示す図である。
【図5】実施形態に係るランシングユニットを素材Mの送り方向に垂直な面による断面の概略図を示す図である。
【図6】実施形態に係るランシングユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図7】実施形態に係る第一のアンビルユニットの概略を示す図である。
【図8】実施形態に係る第一のアンビルユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図9】実施形態に係るスリットが形成された素材の概略を示す図である。
【図10】実施形態に係る第一のストレッチユニットの概略を示す図である。
【図11】実施形態に係る第一のストレッチユニットの一方のロールのロール面の概略断面図である。
【図12】実施形態に係る第一のストレッチユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図13】実施形態に係る第二のストレッチユニットの概略を示す図である。
【図14】実施形態に係る第二のストレッチユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図15】実施形態に係る第二のアンビルユニットの概略を示す図である。
【図16】実施形態に係る第二のアンビルユニットのハウジングを側面から見た場合の概略図である。
【図17】実施形態に係るスリット幅計測ユニットの概略を示す図である。
【図18】実施形態に係る第一のダンサーユニットの概略を示す図である。
【図19】実施形態に係る第二のダンサーユニットの概略を示す図である。
【図20】実施形態に係る第三のダンサーユニットの概略を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態の例示に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係るメタルコア製造装置(以下「本装置」という。)1の概略図である。本図で示すように、本装置1は、素材Mに切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニット2と、素材を平坦にする第一のアンビルユニット3と、素材の接続部を圧延する第一のストレッチユニット4と、素材の接続部を圧延する第二のストレッチユニット5と、素材を平坦にする第二のアンビルユニット6と、素材の切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニット7と、スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき第二のアンビルユニットの素材引き込み量を調節する引き込み量調節ユニット8と、を有する。
【0014】
また本装置1は、ランシングユニット2と第一のアンビルユニット3の間に第一のダンサーユニット91を、第一のアンビルユニット3と第一のストレッチユニット4の間に第二のダンサーユニット92を、第一のストレッチユニット4と第二のストレッチユニット5の間に第三のダンサーユニット93を、それぞれ有している。
【0015】
本実施形態においてランシングユニット2は、板状の素材を引き込むとともに素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けて後段の第一のアンビルユニット3に素材を送ることのできるものである。
【0016】
本実施形態において、メタルコアの材料となる板状の素材Mは、図2で示すように細長い板状の素材であって、一般的には、図3で示すように、渦巻状に巻き取られてランシングユニット2等により適宜引かれ、加工を加えられていく。なお素材は圧延可能な金属である。
【0017】
ここで図4に、ランシングユニット2によって切れ目を入れられた板状の素材の概略図を示しておく。ここで、「切断部」とは、素材の幅方向に切れ目が入れられている部分をいい、「接続部」とは、素材の幅方向に切れ目が入れられていない切断部以外の部分をいう。なお、素材Mを切断する歯の形状にもよるが、切断された素材Mは、多くの場合、切断により段差が形成されたものとなっている。
【0018】
また本実施形態におけるランシングユニット2は、上記の通り、メタルコアの原材料である板状の素材Mに切れ目を入れることができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば歯が形成されたロール面が噛み合わされるように配置された一対のロール211、221と、この一対のロール211及び221を回転可能に支持するロール回転軸212、222と、この回転軸212、222を回転させるロール駆動部23と、を有している。
【0019】
ここでロール駆動部23としては、限定されるわけではないが、例えば回転するモータ231と、このモータ231の回転を回転軸22+2に伝えるチェーン232とを有していることが好ましい。なおモータ231は、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ231のチェーン232は、モータ231の軸2311と一方の回転軸222に巻かれ、モータ231の回転を回転軸222の回転に伝達しているが、回転軸212、222にはロール211、221のほか、ギア213、223が固定されており、回転軸222の回転を他方の回転軸212に伝え、同じ回転数を保つことができる。図5に、この構成によるランシングユニット2の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0020】
なお、本実施形態のランシングユニット2は、更に、回転軸212、222同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部24を有している。ロール回転軸距離調節部24としては、限定されるわけではないが、回転軸212、222の両端をそれぞれ保持する軸受け241と242と、軸受け241、242をそれぞれ保持するハウジング243、244と、ハウジング243、244同士に反発する力を発生させる反発部材245と、ハウジング243、244の間を締め付ける締め付け部材246と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材246を用いて締め付けることでハウジング243、244の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材246を緩めることでハウジング243、244の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。ランシングユニット2のハウジング243、244を含めて側面から見た場合の概略図を図6に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことは、より細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0021】
なお、締め付け部材246としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸2461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材2462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材2462のみを用いて構成することもできる。
【0022】
本実施形態において第一のアンビルユニット3は、ランシングユニット2の後段に設けられ、ランシングユニット2によって板状の素材Mを平坦にすることのできるものである。具体的に説明すると、ランシングユニット2によって切れ目を入れられた素材Mは、一般に段差が形成されてしまっており(例えば図4参照)、この状態で後段のストレッチユニットに圧延された場合、この段差が正確なスリット形成を阻害してしまうおそれがあるため、改めて素材Mを平坦にすることで正確なスリット形成を実現することができる。なお、第一のアンビルユニット3も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材Mを引き入れることができるとともに、平坦にした後、後段の第一のストレッチユニット4に素材を送ることのできるものである。
【0023】
また本実施形態における第一のアンビルユニット3は、上記の通り、切れ目を入れられた板状の素材Mを平らにすることができるものであれば限定されないが、例えば平坦なロール面が対応して配置された一対のロール311、321と、この一対のロール311及び321を回転可能に支持するロール回転軸312、322と、この回転軸312、322を回転させるロール駆動部33と、を有している。
【0024】
ここでロール駆動部33としては、限定されるわけではないが、例えば上図のように、回転するモータ331と、このモータの回転を回転軸322に伝えるチェーン332とを有していることが好ましい。なおモータは、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ331のチェーン332は、モータ331の軸3311と一方の回転軸322に巻かれ、モータ331の回転を回転軸322の回転に伝達しているが、回転軸312、322にはロール311、321のほか、ギア323、313が固定されており、回転軸322の回転を他方の回転軸312に伝え、同じ回転数を保つことができる。図7に、この構成による第一のアンビルユニット3の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0025】
また、本実施形態の第一のアンビルユニット3は、回転軸312、322同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部34を有している。ロール回転軸距離調節部34としては、限定されるわけではないが、回転軸312、322の両端をそれぞれ保持する軸受け341と342と、軸受け341、342をそれぞれ保持するハウジング343、344と、ハウジング343、344同士に反発する力を発生させる反発部材345と、ハウジング343、344の間を締め付ける締め付け部材346と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材346を用いて締め付けることでハウジング343、344の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材346を緩めることでハウジング343、344の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第一のアンビルユニット3のハウジング343、344を含めて側面から見た場合の概略図を図8に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことは、より細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0026】
なお、締め付け部材346としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸3461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材3462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材3462のみを用いて構成することもできる。
【0027】
本実施形態において第一のストレッチユニット4は、素材の接続部を圧延することにより素材の切断部にスリットを形成することができるものである。第一のストレッチユニット4によってスリットが形成された素材Mの概略図を図9に示しておく。なお、第一のストレッチユニット4も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材を引き込むことができるとともに、圧延した後、後段の第二のストレッチユニット5に素材を送ることのできるものである。
【0028】
また本実施形態における第一のストレッチユニット4は、上記の通り、素材Mの接続部、好ましくは接続部のみを圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成することができるものであれば限定されないが、それぞれ平坦面4111に素材の接続部の位置に対応した凸部4112が形成されたロール面を有して対向して配置された一対のロール411、421と、この一対のロール411及び421を回転可能に支持するロール回転軸412、422と、この回転軸412、422を回転させるロール駆動部43と、を有していることが好ましい。図10に、この構成による第一のストレッチユニット4の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。またこの場合における、ロール411のロール面の概略断面図について図11に示しておく。
【0029】
ここでロール駆動部43としては、限定されるわけではないが、例えば回転するモータ431と、このモータ431の回転を回転軸422に伝えるチェーン432とを有していることが好ましい。なおモータ431は、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ431のチェーン432は、モータ431の軸4311と一方の回転軸422に巻かれ、モータ431の回転を回転軸422の回転に伝達しているが、回転軸412、422にはロール411、421のほか、ギア423、413が固定されており、回転軸422の回転を他方の回転軸412に伝え、同じ回転数を保つことができる。
【0030】
また、本実施形態の第一のストレッチユニット4は、回転軸412、422同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部44を有している。ロール回転軸距離調節部44としては、限定されるわけではないが、回転軸412、422の両端をそれぞれ保持する軸受け441と442と、軸受け441、442をそれぞれ保持するハウジング443、444と、ハウジング443、444同士に反発する力を発生させる反発部材445と、ハウジング443、444の間を締め付ける締め付け部材446と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材446を用いて締め付けることでハウジング443、444の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材446を緩めることでハウジング443、444の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。このようにすることで圧延量を調節することができるようになり、スリットの幅を調節することができる。第一のストレッチユニット4のハウジング443、444を含めて側面から見た場合の概略図を図12に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0031】
なお、締め付け部材446としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸4461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材4462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材4462のみを用いて構成することもできる。
【0032】
本実施形態において第二のストレッチユニット5は、上記第一のストレッチユニット4と同様であり、素材Mの接続部を圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成すること又はスリット幅の調整ができるものである。なお、第二のストレッチユニット5も上記ランシングユニット2の場合と同様、板状の素材Mを引き込むことができるとともに、平坦にした後、後段の第二のアンビルユニット6に素材を送ることのできるものである。
【0033】
本実施形態では、接続部を圧延するストレッチユニットを二つ設けることで、素材の延伸方向に対し切断部と接続部の位置が異なるメタルコアの作製にも対応することができるといった効果もある。
【0034】
また本実施形態における第二のストレッチユニット5は、上記の通り、素材Mの接続部、好ましくは接続部のみを圧延することにより素材Mの切断部にスリットを形成することができるものであれば限定されないが、上記第一のストレッチユニット4と同様に、それぞれ平坦面に素材の接続部の位置に対応した凸部が形成されたロール面を有して対向して配置された一対のロール511、521と、この一対のロール511及び521を回転可能に支持するロール回転軸512、522と、この回転軸512、522を回転させるロール駆動部43と、を有している。
【0035】
ここでロール駆動部53としては、限定されるわけではないが、例えば上図のように、回転するモータと、このモータの回転を回転軸に伝えるチェーンとを有していることが好ましい。なおモータは、運転状態において回転数を安定的に保つためインバータモータであることが好ましい。なお、モータ531のチェーンは、モータ531の軸5311と一方の回転軸512に巻かれ、モータ531の回転を回転軸512の回転に伝達しているが、回転軸512、522にはロール511、521のほか、ギア523、513が固定されており、回転軸512の回転を他方の回転軸522に伝え、同じ回転数を保つことができる。図13に、この構成による第二のストレッチユニット5の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0036】
また、本実施形態の第二のストレッチユニット5は、回転軸512、522同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部54を有している。ロール回転軸距離調節部54としては、限定されるわけではないが、回転軸512、522の両端をそれぞれ保持する軸受け541と542と、軸受け541、542をそれぞれ保持するハウジング543、544と、ハウジング543、544同士に反発する力を発生させる反発部材545と、ハウジング543、544の間を締め付ける締め付け部材546と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材546を用いて締め付けることでハウジング543、544の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材546を緩めることでハウジング543、544の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第二のストレッチユニット5のハウジング543、544を含めて側面から見た場合の概略図を図14に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0037】
なお、締め付け部材546としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸5461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材5462と、を有して構成することができる。この場合ネジ部材を回すことで締め付けることができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材5462のみを用いて構成することもできる。
【0038】
また本実施形態において第二のアンビルユニット6は、第二のストレッチユニット5の後段に配置され、素材Mを平坦にすることができるものであり、より具体的には、スリット幅計測ユニット7及び引き込み量調節ユニット8と協働して、第一及び第二のストレッチユニットによって形成されたスリットの幅を最終調整することのできるものである。例えば、第二のストレッチユニットにより圧延され形成されたスリット幅が所望の幅よりも狭い場合、第二のアンビルユニット6の回転速度を上げて素材に引っ張り力を生じさせる。この結果、スリットの幅を広げることができ、所望のスリット幅とすることができる。
【0039】
また本実施形態における第二のアンビルユニット6は、上記の通り、素材Mの接続部及び切断部を圧延することができるものであれば限定されないが、例えば平坦なロール面が対応して配置された一対のロール611、621と、この一対のロール611及び621を回転可能に支持するロール回転軸612、622と、この回転軸612、622を回転させるロール駆動部63と、を有していることが好ましい。
【0040】
ここでロール駆動部63としては、限定されるわけではないが、運転時において、ロールの回転速度を変化させて、より好ましくは第二のストレッチユニット5におけるロールの回転速度に対する第二のアンビルユニット6のロールの回転速度の比を変化させて素材送り出し量を調節し、第二のストレッチユニット5と第二のアンビルユニット6の間に引っ張り力を加えることができるようにしていることが好ましく、この一例としてサーボモータを用いた例であることは好ましい。第二のストレッチユニット5のモータと第二のアンビルユニット6のモータの回転数の比を変化させることで、アンビルユニット6の引き込み量を調節し、例えば引っ張り力を生じさせることでスリット幅が所望の量よりも狭い場合、素材Mの形状を不必要に変形させることなく、スリット幅のみを広げることができるといった効果がある。なお、モータ631のチェーン632は、モータ631の軸6311と一方の回転軸622に巻かれ、モータ631の回転を回転軸622の回転に伝達しているが、回転軸612、622にはロール611、621のほか、ギア623、613が固定されており、回転軸622の回転を他方の回転軸612に伝え、同じ回転数を保つことができる。図15に、この構成による第二のアンビルユニット6の素材Mの送り方向に垂直な面により切断した断面の概略図を示しておく。
【0041】
また本実施形態における第二のアンビルユニット6は、回転軸612、622同士の距離を調節するロール回転軸距離調節部64を有している。ロール回転軸距離調節部64としては、限定されるわけではないが、回転軸612、622の両端をそれぞれ保持する軸受け641と642と、軸受け641、642をそれぞれ保持するハウジング643、644と、ハウジング643、644同士に反発する力を発生させる反発部材645と、ハウジング643、644の間を締め付ける締め付け部材646と、を有していることが好ましい。このようにすることで、締め付け部材646を用いて締め付けることでハウジング643、644の間の距離即ち回転軸間の距離を短くして素材に対して強い力を加えることができるようになる一方、締め付け部材646を緩めることでハウジング643、644の間の距離即ち回転軸間の距離を長くして素材に加える力を弱めることができるようになる。第二のアンビルユニット6のハウジング643、644を含めて側面から見た場合の概略図を図16に示しておく。なお、この場合において、少なくともいずれかのハウジングにおいて、ハウジングと軸受けの間にロードセル等の圧力検出装置を配置しておくことはより細かな圧力調節を行なうことができる点において好ましい。
【0042】
なお、締め付け部材646としては、限定されるわけではないが、例えば、締め付け方向に対し垂直にハウジングを貫通し、ハウジングを回転可能に接続する軸6461と、締め付け方向に対し平行にハウジングを貫通するネジ部材6462と、を有して構成することができる。もちろん、締め付ける力のバランスを取ることができれば複数のネジ部材6462のみを用いて構成することもできる。
【0043】
また本実施形態においてスリット幅計測ユニット7は、第二のアンビルユニット6の後段に設けられ、素材の前記切断部のスリット幅を計測し、そのスリット幅を圧延量調節ユニット8に出力することのできるものである。
【0044】
本実施形態のスリット幅計測ユニット7の構成としては、スリット幅を計測できる限りにおいて限定されるわけではないが、素材Mに対し光を発する発光部71と、素材から反射される光を受光する受光部72とを有し、第二のアンビルユニット6のロールの径及び回転数に基づき材料の送り速度を算出し、更に、所定の期間において受光部が光を受光した回数を計測し、上記送り速度と階数とをカウントしてスリット幅を算出するスリット幅算出処理部73を有することが好ましい。図17に、この構成によるスリット幅計測ユニットの概略図を示しておく。
【0045】
また本実施形態において引き込み量調節ユニット8は、スリット幅計測ユニット7の測定結果に基づき、上記第二のアンビルユニット6の引き込み量を調節することのできるものである。具体的には、上記第二のアンビルユニット6におけるロール駆動部63を駆動し、例えばモータの回転数を調節してロールの回転数を調節し、最終的なスリット幅を調節する。具体的には、上記の通り、第二のストレッチユニット5により圧延され形成されたスリット幅が所望の幅よりも狭い場合、第二のアンビルユニット6の回転速度を上げて素材に引っ張り力を生じさせる。この結果、スリットの幅を広げることができ、所望のスリット幅とすることができる。
【0046】
また本実施形態のメタルコア製造装置1には、更に、第二のストレッチユニット6によるロール回転軸距離調節部54を駆動する距離調整アクチュエータ547を有している。距離調整アクチュエータ547は、上記スリット幅計測ユニット7に接続されており、引き込み量調節ユニット8と協働してより詳細に素材Mに形成されるスリット幅を調整することができる。例えば、スリット幅計測ユニット7が計測したスリット幅が所望の幅よりも広かった場合、距離調整アクチュエータ547を調整して回転軸間の距離を広げて素材Mに加える圧力を下げ、スリット幅を狭めることができ、逆にスリット幅が所望の幅よりも狭かった場合、第二のアンビルユニット6のロールの回転数を上げ、アンビルユニット6の引き込み量を増加させてスリットの幅を広げることができる。なお一般に、ストレッチユニットによるスリット幅の調節量の範囲はアンビルユニットによるスリット幅の調節量よりも小さいものであるため、ストレッチユニットだけでは調整しきれないより正確なスリット幅調整が可能となり、ストレッチユニットとアンビルユニットの双方の調整により特にこの効果が顕著となる。
【0047】
本実施形態において第一のダンサーユニット91は、ランシングユニット2と第一のアンビルユニット3の間に配置されるものであって、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度と、第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度を調節することができるものである。
【0048】
第一のダンサーユニット91の構造としては、限定されるわけではないが、メインロール911、このメインロール911を挟むよう配置されるガイドロール914、915、メインロール911及びこのロール911を回転可能に保持する回転軸912と、このメインロール911及び回転軸912をランシングユニット2が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット913と、上記各要素を保持する支柱916を有する。なお移動ユニット913は、メインロール911にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度が第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール911にかかる負荷が軽減されるため、メインロール911が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、ランシングユニット2から送り出される板状の素材の速度が第一のアンビルユニット3が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール911にかかる負荷が大きくなるため、メインロール911が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段のランシングユニット2のロールの回転速度を落とすことができる。図18に、この構成による第一のダンサーユニット91の概略図を示しておく。
【0049】
本実施形態において第二のダンサーユニット92は、第一のアンビルユニット3と第一のストレッチユニット4の間に配置されるものであって、ほぼ上記第一のダンサーユニット91と同様のものを用いることができる。
【0050】
第二のダンサーユニット92の構成は、限定されるわけではないが、メインロール921、このメインロール921を挟むよう配置されるサブロール924、925、メインロール921及びこのメインロール921を回転可能に保持する回転軸922と、このメインロール921及び回転軸922を第一のアンビルユニット3が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット923と、上記各要素を保持する支柱926を有する。なお移動ユニット923は、メインロール921にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、第一のアンビルユニット3から送り出される板状の素材の速度が第一のストレッチユニット4が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール921にかかる負荷が軽減されるため、メインロール921が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、第一のアンビルユニット3から送り出される板状の素材の速度が第一のストレッチユニット4が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール921にかかる負荷が大きくなるため、メインロール921が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段の第一のアンビルユニット3のロールの回転速度を落とすことができる。図19に、この構成による第二のダンサーユニット92の概略図を示しておく。
【0051】
本実施形態において第三のダンサーユニット93は、第一のストレッチユニット4と第二のストレッチユニット5の間に配置されるものであって、ほぼ上記第一のダンサーユニット91と同様のものを用いることができる。
【0052】
第三のダンサーユニット93の構成は、限定されるわけではないが、メインロール931、このメインロール931を挟むよう配置されるサブロール934、935、メインロール931及びこのメインロール931を回転可能に保持する回転軸932と、このメインロール931及び回転軸932を第一のストレッチユニット4が素材を送り出す方向に対して垂直な方向(以下「垂直方向」という。)に移動させる移動ユニット933と、上記各要素を保持する支柱936を有する。なお移動ユニット933は、メインロール931にかかる負荷に応じて垂直方向に上下することができる。この結果、第一のストレッチユニット4から送り出される板状の素材の速度が第二のストレッチユニット5が引き込む板状の素材の速度よりも早い場合、メインロール931にかかる負荷が軽減されるため、メインロール931が上昇し、素材が不必要に撓んでしまうことを防止することができ、一方、第一のストレッチユニット4から送り出される板状の素材の速度が第二のストレッチユニット5が引き込む板状の素材の速度よりも遅い場合、メインロール931にかかる負荷が大きくなるため、メインロール931が下降し、素材が引っ張られることにより切れてしまうことを防止するよう、前段の第一のストレッチユニット4のロールの回転速度を落とすことができる。図20に、この構成による第三のダンサーユニット93の概略図を示しておく。
【0053】
以上、本実施形態により、より正確にスリット幅を制御することのできるメタルコア製造装置を提供することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、ストレッチユニットを二つ設けた例を示しているが、場合によってはストレッチユニットをひとつにすることもできる。この場合、第二のストレッチユニット及び第三のダンサーユニットを削除し、第二のストレッチユニットの動作を第一のストレッチユニットに兼ねさせる(第二のユニットを第一のユニットと読み変える)ことで対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、メタルコア製造装置として産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0056】
1…メタルコア製造装置、2…ランシングユニット、3…第一のアンビルユニット、4…第一のストレッチユニット、5…第二のストレッチユニット、6…第二のアンビルユニット、7…スリット幅計測ユニット、8…引き込み量調節ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、
前記素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、
前記素材の前記接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、
前記素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、
前記素材の前記切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、
前記スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき前記第二のアンビルユニットの素材引き取り量を調節する圧延量調節ユニットと、を有するメタルコア製造装置。
【請求項2】
前記第一のストレッチユニットと、前記第二のアンビルユニットとの間に、更に、前記素材の前記接続部を圧延する第二のストレッチユニットを有する請求項1記載のメタルコア製造装置。
【請求項1】
板状の素材に切れ目を入れて接続部及び切断部に分けるランシングユニットと、
前記素材を平坦にする第一のアンビルユニットと、
前記素材の前記接続部を圧延する第一のストレッチユニットと、
前記素材を平坦にする第二のアンビルユニットと、
前記素材の前記切断部のスリット幅を計測するスリット幅計測ユニットと、
前記スリット幅計測ユニットの測定結果に基づき前記第二のアンビルユニットの素材引き取り量を調節する圧延量調節ユニットと、を有するメタルコア製造装置。
【請求項2】
前記第一のストレッチユニットと、前記第二のアンビルユニットとの間に、更に、前記素材の前記接続部を圧延する第二のストレッチユニットを有する請求項1記載のメタルコア製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−6056(P2012−6056A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145688(P2010−145688)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(592020563)株式会社藤井製作所 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(592020563)株式会社藤井製作所 (3)
【Fターム(参考)】
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