説明

メタンガスの回収装置

【課題】 生成効率が高く、操作性や整備性に優れた簡易なメタンガスの回収装置を提供する。
【解決手段】 水を加えた有機系廃棄物が導入される供給部12cが設けられ、内部が気密状態に保持可能な構造を有するとともに、上部に気密状態を解除可能な開閉弁を介して排気管24が接続され、かつ底部に廃棄物の移送管23が接続された溶解槽2と、底部と下部側壁とが一体化された有底筒状の下部本体31および天井部33aと筒状の上部側壁33bとが一体化されて下方に開口する上部本体33を有し、上部側壁が下部側壁内に対向配置された状態で上部本体が下部本体に対して上下方向に移動自在に設けられ、かつ下部本体に有機系廃棄物を供給する移送管23が接続された発酵槽3と、この発酵槽内に配設された上記生成したメタンガスを排出するガス管4とにより概略構成した。移送管を、下流側に向けて漸次下方に向けて傾斜して配管した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家畜糞尿、生ゴミ等の有機系廃棄物を原材料として、嫌気的発酵によりメタンガス等のバイオガスを発生させて、このバイオガスからメタンガスを回収するためのメタンガスの回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、メタンガスは、家畜糞尿を嫌気的発酵させることによりバイオガスとともに発生するため、環境に優しい等の利点から発電システムに利用されている。また、電気やガスといったライフラインが行き渡らない国においても貴重な電力源として使用することが可能であり、多量に存在する家畜糞尿を有効活用することができる。
この発電システムとしては、例えば特許文献1に示すように、家畜糞尿等を希釈水により希釈する希釈手段と、この希釈手段により希釈された家畜糞尿等をポンプにより汲み上げて嫌気的発酵処理して、メタンガス等のバイオガスを生成させる発酵槽とを備えたものが知られている。
【0003】
しかしながら、上記発電システムにおいては、操作やメンテナンスの複雑な装置を利用することが困難であり、例えば、上述のポンプに希釈された家畜糞尿等が詰まった場合には直ちに発電システムを利用することができなくなるという問題がある。このため、操作性や整備性にすぐれた簡易な装置を提供することが必要となる。
さらには、メタンガスが唯一の電力源ともなりうるため、生成効率の高い装置を提供することが望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−331701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、生成効率が高く、かつ、操作性や整備性に優れた簡易なメタンガスの回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の請求項1に記載の発明は、水を加えた家畜糞尿、生ゴミ等の微生物の混在する有機系廃棄物が導入される供給部が設けられ、内部が気密状態に保持可能な構造を有するとともに、上部に上記気密状態を解除可能な開閉弁を介して排気管が接続され、かつ底部に上記有機系廃棄物を移送する移送管が接続されてなる、上記有機系廃棄物を微生物により溶解させることにより炭酸ガスや水素等の気体を発生させる溶解槽と、底部と下部側壁とが一体化された有底筒状の下部本体および天井部と筒状の上部側壁とが一体化されて下方に開口する上部本体を有し、上記上部側壁が下部側壁内に対向配置された状態で上記上部本体が下部本体に対して上下方向に移動自在に設けられ、かつ上記下部本体に上記移送管の他端部が接続されてなる、上記有機系廃棄物の嫌気的発酵によりメタンガスを生成する発酵槽と、この発酵槽内に配設されて上記生成したメタンガスを排出するガス管とを備えており、かつ、上記移送管は、下流側に向けて漸次下方に向けて傾斜して配管されていることを特徴とするメタンガスの回収装置である。
【0007】
上述の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメタンガスの回収装置において、前記発酵槽の上部本体の上部側壁外面に内部に貯留されたメタンガス量を計測するための目盛りが付されていることを特徴とするものである。
【0008】
上述の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のメタンガスの回収装置において、前記発酵槽が、並列的に複数設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
上述の請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のメタンガスの回収装置において、前記溶解槽が、上記供給部に有機系廃棄物に水を添加して混合液として供給する添加槽が上流側に接続して設けられており、かつ、上記添加槽が、上記供給部の溶解槽内の圧力より高くなるように圧力ヘッドとなる位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
上述の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のメタンガスの回収装置において、前記ガス管には、上記メタンガス中に含まれる硫化水素を吸着除去する脱硫装置と、脱硫装置の後段に、硫化水素が接触することにより腐食する部材を内在させた表示器とが介装されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
上述の請求項1に記載の発明によれば、供給部から水を加えた家畜糞尿、生ゴミ等の有機系廃棄物を導入して、上記有機系廃棄物を微生物により溶解させることにより発生する炭酸ガスや水素等の気体が、開閉弁を開口することにより排気管から一部排出されて、移送管を通じて発酵槽内に供給されないため、これらの気体により発酵槽内のメタン菌が死滅することを防止できる。
【0012】
また、有機系廃棄物は、溶解槽内が上記気体の残部によって加圧されることにより、漸次下方に向けて傾斜して配管された移送管を通じて発酵槽内に供給される。さらに、発酵槽内に供給された有機系廃棄物の嫌気的発酵によりメタンガスが生成されても、下部本体に対して上部本体が上方に移動して加圧状態にならないため、確実に溶解槽から発酵槽へと供給される。その結果、ポンプ等を不要とする簡易な装置によって有機系廃棄物を溶解槽から発酵槽へと供給することができ、メタンガスを回収することができる。
このメタンガスは、発酵槽に備えられたガス管の他端部にそのまま接続、又は他端部に接続されたボンベに詰めて搬送することにより家庭等の各供給先に提供することができる。
【0013】
上述の請求項2に記載の発明によれば、上部側壁外面に付された目盛りによって、内部に貯留されたメタンガス量を計測することができ、この計測により正常に嫌気的発酵が行われていることを容易に確認することができ、整備性に優れている。
【0014】
上述の請求項3に記載の発明によれば、発酵槽が並列的に複数設けられているため、溶解させた有機系廃棄物を1槽の発酵槽に供給して嫌気的発酵によりメタンガスを主成分とするバイオガスを生成させている間に、有機系廃棄物をその他の発酵槽に供給してバイオガスを生成させることにより、長時間かかる嫌気的発酵を効率的に行うことができる。また、上部側壁外部に目盛りが付されている場合には、嫌気的発酵が終了して上部本体が降下している発酵槽を容易に把握・確認して、溶解した有機系廃棄物を供給することができ、より操作性が向上する。延いては、複数の発酵槽に溶解した有機系廃棄物を効率的に供給することにより、メタンの生成効率を向上させることができる。
【0015】
上述の請求項4に記載の発明によれば、前記溶解槽の上流側に、有機系廃棄物に水を添加して混合液として供給する添加槽が、上記供給部の溶解槽内の圧力より高くなるように圧力ヘッドとなる位置に設けられているため、溶解槽に有機系廃棄物を供給することが可能になるとともに、有機系廃棄物と併せてメタン菌を死滅させる空気等が供給されることを防止することができる。
【0016】
上述の請求項5に記載の発明によれば、上記ガス管には、脱硫装置が介装されているため、上記メタンガス中に含まれる硫化水素を吸着除去することができる。また、この脱硫装置の後段に、硫化水素が接触することにより腐食する鉄粉等の部材を内在させた表示器が介装されているため、脱硫装置の交換時期を目視にて把握することが可能であり、整備を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るメタンガスの回収装置の一実施形態を、図1及び図2を用いて説明する。
【0018】
本実施形態におけるメタンガスの回収装置は、上流側から下流側に向けて、家畜糞尿、生ゴミ等の微生物の混在する有機系廃棄物に水分を添加して混合液とする添加槽1と、この混合液中の固形分である有機系廃棄物を微生物により溶解させることにより炭酸ガス及び水素等の気体を発生させる溶解槽2と、溶解させた有機系廃棄物の嫌気的発酵によりメタンガスを主成分とするバイオガスを発生させる複数の発酵槽3と、このバイオガスを回収するガス管4とが接続されて概略構成されている。
【0019】
この添加槽1は、蓋部11が開閉自在な箱体からなり、地面上に組まれた基台10上に載置されている。そして、底部に排出管12の上流端12aが接続されており、側部14の対向する両面に粉砕刃13aを備えた回転軸13が装通されている。また、この回転軸13の両端部にハンドル13bが取り付けられている。
【0020】
この排出管12は、開閉弁12bを介装して漸次下方へ向けて配設されており、上流側が基台10の骨組みの隙間に介装されて、下流側が地中に埋設されている。そして、下流端12c(供給部)が溶解槽2の下部に接続されており、添加槽1が下流端12cの溶解槽2内の圧力より高くなるように圧力ヘッドとなる位置に配設されるべく、高低差を設けて配管されている。
【0021】
この溶解槽2は、地中に掘られた円柱状の凹部21aの底中央部に移送管23の供給口23a用の窪み21bが連続して形成されて、コンクリートで周縁部が象られた穴21と、この凹部21aの底周縁部に沿って垂直に配設された筒状の上部側壁22bと上部側壁22bの上端部に周縁部が配設された天井部22aとが一体化されて、内部に略円柱状の空洞を具備する上部本体22とから概略構成されている。このコンクリートは、地中に有機系廃棄物や発生した気体等が浸透するのを防止するものである。
【0022】
また、溶解槽2は、上部側壁22bの内壁下部に一端部が配設され、この一端部から空洞の直径線上に水平に延在して、他端部が対向する上部側壁22bの内壁下部に配設された棒状部材27aと、この棒状部材27aの中央部に回転可能に立設して、蓋体22を装通して上端部が蓋体上方に配設された垂直な軸部27bと、この軸部27bに固設された略切頭円錐体の攪拌翼27cと、軸部27bの上端部に接続されたハンドル27dとから構成される攪拌器27が設けられている。この攪拌翼27cの下部には、外周上方に向けて突出した突出部27c’が形成されており、この突出部27’によって混合液を上方に掻き上げるようになっている。
また、蓋体22の天井部22aに、コックが介装された排気管24と、圧力計25と、温度計26とが装通されて設けられている。
【0023】
この穴21の底部には、中央部に複数(図1では2本)の移送管23が接続されている。
この移送管23は、各々供給口23aが穴21の底部より上方に配設されており、蓋体22内の空洞上部に供給口を配設したガス供給管28が接合されている。このガス供給管28の接合部より下流側に開閉弁23bが介装されて、下流側に向けて下方へ傾斜するように配設されている。
また、この開閉弁23bが地表面に設けられるように溶解槽2と後述の発酵槽3との間には、穴部20が設けられている。
【0024】
上記発酵槽3は、複数(図1では2槽)設けられており、各々移送管23の下流端に接続されている。また、発酵槽3は、地中に掘られた円柱状の凹部31aの底中央部に移送管23の排出口23c用の窪み31bが連続して形成されて、コンクリートで周縁部が象られた穴31(下部本体)に対して、この凹部31aの側壁(下部側壁)に沿って凹部31aの底周縁部に垂直に立設された筒状の側部33b(上部側壁)と側部33bの上端部に周縁部が配設された天井部33aとが一体化されて、内部に略円柱状の空洞を具備する蓋体33(上部本体)が上下方向に移動可能に設けられている。
【0025】
そして、穴31内には、有機系廃棄物を発酵させるための複数の多孔質体(例えば蹴鞠)9が設けられており、穴31の下方の地中内には、ヒータ39が埋設されている。
【0026】
さらに、発酵槽3には、攪拌機37が設けられており、この攪拌機37は、両端部が回転方向に折れ曲がった二本の棒状体が上下方向に向けて互いに中央部で交差され、この交差部が軸部37bに取り付けられてなる攪拌翼37cが三組設けられている点を除き、攪拌器27と同様にして構成されている。
【0027】
この蓋体33は、側部33bの外壁に内部の気体量を計測するための目盛りが付されており、穴31の周囲の地表面に等間隔に配設された4基のガイドローラ32のローラ部32aが側部33bに当接して、内部のメタンガス等の気体量に応じて上下移動可能になっている。また、蓋体33の天井部33aに、各々圧力計34と温度計36とが装通されて設けられており、開閉弁35が介装されたガス管4の上流端が接続されて設けられている。
【0028】
上記ヒータ39は、太陽光及びエンジンの排熱により加温された温水が循環供給されて、発酵槽3内の混合液が50℃〜55℃の範囲内に保たれるように下方から加熱するようになっている。
さらに、穴31には、上記窪み31bに各々廃液管38の供給口38aが配設されている。
【0029】
この廃液管38は、開閉弁38bが介装されており、下流側に向けて下方へ傾斜するように配設されている。この開閉弁38bが地表面に設けられるように発酵槽3と後述の廃液槽8の間には、穴部30が設けられている。
【0030】
この廃液槽8は、地中に掘られ、コンクリートで外周部81aが象られた円柱状の凹部81からなり、廃液管38の排出口38cが配設されている。
【0031】
上記蓋体33の天井部33aに接続されたガス管4は、上流側から下流側に向けて脱硫装置5及びインジケータ6(表示器)、加圧装置(図示を略す)が介装されており、下流端にボンベ7が接続されている。
この脱硫装置5は、内部に一般的な脱硫剤が充填されて、この脱硫剤によって硫化水素が吸着除去されるようになっている。
また、インジケータ6は、透明容器内に鉄粉が充填されている。
【0032】
次に、上述のメタンガス回収装置の作用を説明する。
まず、溶解槽2の排気管24のコックを開口し、開閉弁12bを閉じた状態にして、添加槽1に所定量の水分を供給して、この水分中に有機系廃棄物を添加する。
このように開閉弁12bを設置した添加槽1に先に水分を供給することにより、空の添加槽1に目分量にて有機形廃棄物の種類により所望の水分量を容易に供給可能にするとともに、排気管12中に固形分である有機系廃棄物が詰まることを防止する。
次いで、ハンドル13bを回転させて、回転軸13とともに粉砕刃13aを回転させることにより有機系廃棄物が粉砕されて、水分とともに攪拌されることにより流動性のある混合液となる。
【0033】
次いで、添加槽1に設けられた飛散防止用の蓋部11を閉じた後、開閉弁12bを開くと、混合液が排出管12を介して溶解槽2に供給される。
その後、開閉弁12bを閉じ、添加槽1内に水分を満たすように供給して、この水分中に添加槽1内に付着した有機系廃棄物を溶解させた後、再度開閉弁12bを開く。すると、水分が溶解槽2に供給されて、混合液中の有機系廃棄物と水分との体積比が1:9〜1:10となる。
【0034】
次に、ハンドル27dを回転させて、攪拌翼27cを3〜4回転させることにより混合液中の有機系廃棄物を微生物により溶解させる。この際、溶解槽2は、地中に掘られた穴21により構成されているため恒温に保たれている。このため、供給された有機系廃棄物から炭酸ガスや水素ガス等の気体が発生して、排気管24から一部放出されるとともに、残部の気体により溶解槽2内の圧力が上昇する。この排気管24からの気体の放出が終了した際、排気管24のコックを閉じて、圧力計25により計測される溶解槽2内の圧力が0.5kg/cm2 以上になった後に、開閉弁23bを開口する。
【0035】
すると、溶解された有機系廃棄物が発酵槽3に供給される。この際、移送管23の供給口23aが穴21の底部より上方に配設されているため、この有機系廃棄物とともに小石や金属片等の不純物が供給されることを防止する。また、移送管23は、下方へ傾斜して、混合液が発酵槽3に供給されるようになっており、さらには、蓋体22内の空洞上部に供給口を配設したガス供給管28が接合されているため、加圧状態になった溶解槽2内で充満している炭酸ガス及び水素ガスの一部が供給されることにより混合液が発酵槽3に押し出されて、洗浄される。
また、発酵槽3は、地中に掘られた穴31により構成されているため恒温に保たれており、特に、外気温が低い場合には、ヒータ39に温水が供給されて、混合液が50℃〜55℃に保たれるようになっている。
【0036】
次いで、開閉弁35を開口するとともに、ハンドル37dをゆっくり2〜4回転させる。すると、混合液が攪拌翼37cによって攪拌され、嫌気的発酵によりメタンガス等のバイオガスが発生して、発酵槽3の蓋体33が除々上昇するとともに、ガス管4にバイオガスが供給される。また、ヒータ39に温水を供給する場合には、さらにハンドル37dを2時間に1〜2回程ゆっくり回転させ、急激な温度変化によりメタン菌が死滅することを防止する。
【0037】
すると、ガス管4に供給されたバイオガスは、脱硫装置5に供給されて、吸着剤により硫化水素が除去されて、メタンガスのみがインジケータ6に供給されて、加圧装置(図示を略す)を介してボンベ7に貯留される。また、脱硫装置5により硫化水素が除去されなくなった場合には、インジケータ6内の鉄分が腐食されるため、脱硫装置5の吸着剤を交換する必要がある。
【0038】
他方、これと併行して、上述と同様に、その他の発酵槽3に接続された移送管23の開閉弁23bを開口して、溶解された有機系廃棄物を次の発酵槽3に供給することにより、長時間かかる嫌気的発酵を効率的に行う。
【0039】
次いで、圧力計25により計測される溶解槽2内の圧力が0kg/cm2 となったら、開閉弁23bを閉じる。その後、発酵槽3内にてバイオガスが発生しなくなり、蓋体33が降下してせり上がり量0cmになった際、開閉弁38bを開口して、溶解槽2内の圧力により、混合液が、下流側に向けて下方へ傾斜するように設けられた廃液管38を介して廃液槽8へ排出される。
これにより廃液槽8に蓄積された混合液中の水分を取り出して、上述の添加槽1に供給してもよい。
【0040】
なお、本発明の排水処理設備は、上述の実施の形態に限られない。例えば、発酵槽3は、1槽であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】メタンガスの回収装置の一実施形態を示した正面図である。
【図2】図1のII−IIの縦断面説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・添加槽
2・・・溶解槽
3・・・発酵槽
4・・・ガス管
12c・・排出管の下流端(供給部)
31・・・穴(下部本体)
31a・・・凹部の側壁(下部側壁)
33・・・蓋体(上部本体)
33a・・・天井部
33b・・・側部(上部側壁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加えた家畜糞尿、生ゴミ等の微生物の混在する有機系廃棄物が導入される供給部が設けられ、内部が気密状態に保持可能な構造を有するとともに、上部に上記気密状態を解除可能な開閉弁を介して排気管が接続され、かつ底部に上記有機系廃棄物を移送する移送管が接続されてなる、上記有機系廃棄物を微生物により溶解させることにより炭酸ガスや水素等の気体を発生させる溶解槽と、
底部と下部側壁とが一体化された有底筒状の下部本体および天井部と筒状の上部側壁とが一体化されて下方に開口する上部本体を有し、上記上部側壁が下部側壁内に対向配置された状態で上記上部本体が下部本体に対して上下方向に移動自在に設けられ、かつ上記下部本体に上記移送管の他端部が接続されてなる、上記有機系廃棄物の嫌気的発酵によりメタンガスを生成する発酵槽と、
この発酵槽内に配設されて上記生成したメタンガスを排出するガス管とを備えており、
かつ、
上記移送管は、下流側に向けて漸次下方に向けて傾斜して配管されていることを特徴とするメタンガスの回収装置。
【請求項2】
前記発酵槽の上部本体は、上部側壁の外面に内部に貯留されたメタンガス量を計測するための目盛りが付されていることを特徴とする請求項1に記載のメタンガスの回収装置。
【請求項3】
前記発酵槽は、並列的に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタンガスの回収装置。
【請求項4】
前記溶解槽は、上記供給部に有機系廃棄物に水を添加して混合液として供給する添加槽が上流側に接続して設けられており、かつ、
上記添加槽は、上記供給部の溶解槽内の圧力より高くなるように圧力ヘッドとなる位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のメタンガスの回収装置。
【請求項5】
前記ガス管には、上記メタンガス中に含まれる硫化水素を吸着除去する脱硫装置と、脱硫装置の後段に、硫化水素が接触することにより腐食する部材を内在させた表示器とが介装されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のメタンガスの回収装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−834(P2007−834A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186515(P2005−186515)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(505241784)
【Fターム(参考)】