説明

メタン発酵システム

【課題】メタン発酵槽でのバイオガス回収率を向上する。
【解決手段】有機物を可溶化槽3で可溶化し、可溶化有機物を固液分離装置4で固液分離し、有機物分離液をメタン発酵槽5でメタン発酵しバイオガスを得、メタン発酵槽5の消化汚泥を排水処理装置12に導入する一方で、消化汚泥の一部を、可溶化槽3でのpH低下を緩衝し且つ可溶化に必要な菌を添加すべくラインL4を介して可溶化槽3に供給する。排水処理装置12では、メタン発酵槽5の消化汚泥を導入し活性汚泥処理及び凝集分離処理の少なくとも一方の処理を行い、活性汚泥処理による余剰汚泥(好気性汚泥)及び凝集分離処理による凝集汚泥(酸性側の汚泥)の少なくとも一方をラインL5を介して可溶化槽3に供給する。この汚泥供給により、メタン発酵槽5からの消化汚泥の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生を抑止し、メタン発酵槽5でのバイオガス回収率を向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタン発酵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可燃ごみを破砕装置で破砕し、この破砕装置で破砕された可燃ごみを選別装置で生ごみと異物に選別し、この選別装置で選別された生ごみを可溶化槽で可溶化し、この可溶化槽で可溶化された生ごみを固液分離装置で固液分離し、この固液分離装置で固液分離された生ごみをメタン発酵槽でメタン発酵処理に供し、メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスを得る一方で、メタン発酵槽の消化汚泥を脱水機で脱水して脱水消化汚泥と脱水分離液とに分離し、この脱水機で分離された脱水分離液を排水処理設備で所定の水質となるように処理して系外に排出し、さらに、メタン発酵槽の消化汚泥の一部を可溶化槽に供給し、可溶化槽でのpH低下を緩衝すると共に可溶化に必要な菌を添加するようにしたメタン発酵システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−329396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記メタン発酵システムにあっては、前述のように、メタン発酵槽の消化汚泥の一部を可溶化槽に供給している。このため、可溶化槽に供給された消化汚泥が生ごみと接触してバイオガスが発生し、この可溶化槽で発生したバイオガスは脱臭装置で脱臭されて系外に放出されるため、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が低下してしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が向上されたメタン発酵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるメタン発酵システムは、有機物を可溶化する可溶化槽と、この可溶化槽で可溶化された可溶化有機物を固液分離する固液分離装置と、この固液分離装置で固液分離された有機物分離液をメタン発酵するメタン発酵槽と、メタン発酵槽からの消化汚泥を導入し活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理を行う排水処理装置と、メタン発酵槽からの消化汚泥の一部を可溶化槽に供給するための供給ラインと、排水処理装置の処理で生じた汚泥を可溶化槽に供給するための汚泥供給ラインと、を具備したことを特徴としている。
【0006】
このようなメタン発酵システムによれば、有機物は、後段のメタン発酵を速やかに行うべく可溶化槽で可溶化され、この可溶化槽で可溶化された可溶化有機物は、固液分離装置で固液分離され、この固液分離装置で固液分離された有機物分離液は、メタン発酵槽でメタン発酵されてバイオガスが得られる。このメタン発酵槽の消化汚泥は排水処理装置に供給される一方で、消化汚泥の一部は、可溶化槽でのpH低下を緩衝すると共に可溶化に必要な菌を添加すべく供給ラインを介して可溶化槽に供給される。排水処理装置では、メタン発酵槽の消化汚泥が導入され活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理が行われる。この排水処理装置にあっては、活性汚泥処理の場合には余剰汚泥が生じ、凝集分離処理の場合には凝集汚泥が生じ、活性汚泥処理と凝集分離処理を組み合わせた処理の場合には余剰汚泥及び凝集汚泥が生じる。この活性汚泥処理による余剰汚泥は好気性汚泥であり、凝集汚泥処理による凝集汚泥は凝集剤としてポリ鉄、硫酸バンド、塩化鉄等を加えるため酸性側に片寄る汚泥であり、この余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥が、汚泥供給ラインを介して可溶化槽に供給される。このように可溶化槽には、好気性汚泥や酸性側の汚泥が供給されるため、メタン発酵槽から供給される消化汚泥の一部による可溶化槽でのバイオガスの発生が抑止され、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が向上される。また、このように排水処理装置から可溶化槽に汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥)が供給される結果、メタン発酵槽から可溶化槽に供給する消化汚泥の量が、生ごみの2〜3倍に低減され(特開2005−329396号公報記載の技術では4〜7倍)、メタン発酵槽から供給される消化汚泥の一部による可溶化槽でのバイオガスの発生が一層抑止され、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が一層向上される。また、排水処理装置で、例えば鉄を凝集剤として凝集分離処理を行う場合には、鉄を含む凝集汚泥が可溶化槽に供給され、メタン発酵槽では鉄により硫化水素が硫化鉄に固定されバイオガス中に含まれる硫化水素が低減するため、メタン発酵槽の後段に、メタン発酵槽で生じたバイオガスを脱硫する脱硫装置を設ける場合には、脱硫装置の負荷が低減され、当該脱硫装置を小型化することが可能とされる。
【0007】
ここで、メタン発酵槽からの消化汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離する汚泥濃縮装置と、汚泥濃縮装置の濃縮汚泥をメタン発酵槽に供給するための濃縮汚泥供給ラインと、を具備し、排水処理装置は、メタン発酵槽からの消化汚泥に代えて、汚泥濃縮装置の濃縮分離液を導入し上記何れかの処理を行い、供給ラインは、メタン発酵槽からの消化汚泥の一部に代えて、汚泥濃縮装置の濃縮分離液の一部を可溶化槽に供給するのが好ましい。
【0008】
このような構成を採用した場合、メタン発酵槽からの消化汚泥は、汚泥濃縮装置で濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離され、この汚泥濃縮装置で分離された濃縮汚泥が、濃縮汚泥供給ラインを介してメタン発酵槽に供給されるため、メタン発酵槽内の汚泥濃度が高く維持され、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が一層向上される。また、メタン発酵槽からの消化汚泥の一部に代えて、上記濃縮分離液の一部が供給ラインを介して可溶化槽に供給されるため、この濃縮分離液はメタン発酵槽からの消化汚泥と比べると濃度が低く、従って、可溶化槽でのバイオガスの発生が一層抑止され、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が一層向上される。なお、濃縮汚泥をメタン発酵槽に供給しないと、メタン発酵槽内の汚泥濃度が低下してしまうことになる。また、汚泥濃縮装置を設けずにメタン発酵槽内の汚泥濃度を維持すべく、メタン発酵槽からの消化汚泥を脱水機で脱水し当該脱水機で分離された脱水消化汚泥をメタン発酵槽に供給することが考えられるが、脱水助剤の使用量が増加することと、脱水助剤が汚泥に蓄積しメタン発酵を阻害するため、好ましくない。
【0009】
また、汚泥濃縮装置の濃縮分離液を導入して脱水し脱水消化汚泥と脱水分離液とに分離する脱水機を備え、排水処理装置は、汚泥濃縮装置の濃縮分離液に代えて、脱水機からの脱水分離液を導入し上記何れかの処理を行うのが好ましい。
【0010】
このような構成を採用した場合、汚泥濃縮装置の濃縮分離液が脱水機に導入されて脱水されるが、この濃縮分離液は脱水前に汚泥濃縮装置で濃縮されているため、脱水の際に必要となる脱水助剤の使用量が低減され、ランニングコストの低減が図られる。
【0011】
ここで、対象を有機物である例えば生ごみ等とすると、可溶化槽からは重量物が排出されず当該重量物を除去する必要が無いため、固液分離装置は、可溶化槽の可溶化有機物の排出口の直下に配置され、可溶化槽の排出口からの可溶化有機物を固液分離する構成を採用できる。これによれば、可溶化槽から固液分離装置に可溶化有機物を送るためのポンプが不要とされ、低コスト化が図られる。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明によるメタン発酵システムによれば、メタン発酵槽でのバイオガスの回収率が向上されたメタン発酵システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるメタン発酵システムの好適な実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、メタン発酵システムを示すブロック構成図、図2は、可溶化槽及び固液分離装置を示す側面構成図、図3は、固液分離装置としてのスクリュープレスを示す側面構成図、図4及び図5は、メタン発酵槽及び上部異物排出装置を示す各図、図6及び図7は、メタン発酵槽及び他の上部異物排出装置を示す各図である。
【0014】
図1に示すように、メタン発酵システム1は、対象を生ごみとするもので、破砕装置2、可溶化槽3、固液分離装置4、メタン発酵槽5、脱硫装置(脱硫設備)6、ガスホルダ7、発電機8をこの順に接続し、メタン発酵槽5に対してラインL1を介して汚泥濃縮装置9を、この汚泥濃縮装置9に対してラインL3を介して脱水機10を各々接続し、さらに、この脱水機10に対して排水処理装置(排水処理設備)12を接続すると共に、この脱水機10及び固液分離装置に対して発酵乾燥機11を接続して備えている。
【0015】
また、このメタン発酵システム1は、汚泥濃縮装置9とメタン発酵槽5とを接続する濃縮汚泥供給ラインL2と、ラインL3と可溶化槽3とを接続する供給ラインL4と、排水処理装置12と可溶化槽3とを接続する汚泥供給ラインL5と、を備えて成る。
【0016】
破砕装置2は、施設に搬入された生ごみを破砕するものである。この破砕装置2としては、竪型又は横型の切断機、竪型又は横型のスイングハンマ、竪型又は横型のリンググラインダ、単軸又は多軸の低速回転破砕機等が採用される。なお、この破砕装置2の前段に、生ごみを収集した袋を破袋するために破袋機、除袋機を設けても良い。破袋機としては、圧縮型、回転型、熱溶断型があり、圧縮型には、加圧刃式、直立刃式が、回転型には、ドラム式、回転刃式、剪断式が各々ある。
【0017】
この破砕装置2の後段の可溶化槽3は、破砕装置2で破砕された破砕生ごみを、後段のメタン発酵槽5で速やかにメタン発酵させるべく、可溶化するものである。具体的には、破砕装置2で破砕された破砕生ごみを導入し、これに加えて生ごみの調整剤として、排水処理装置12の処理で生じた汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又はこれら両汚泥;詳しくは後述)を汚泥供給ラインL5を介して導入すると共に汚泥濃縮装置9で分離された濃縮分離液(詳しくは後述)の一部を供給ラインL4を介して導入し、撹拌混合することで、生ごみを可溶化する。生ごみの調整剤としての機能は、可溶化槽3でのpH低下を緩衝すると共に可溶化に必要な菌の添加である。この可溶化槽3での撹拌には、機械撹拌機による撹拌、ポンプによる液撹拌、ガスブロワ又はガスコンプレッサによるガス撹拌等があるが、機械撹拌機による撹拌が好ましい。
【0018】
図2に示すように、機械撹拌機3aは、可溶化槽3の略中央に、複数の撹拌機羽根3bが設けられた撹拌機軸3cを、当該撹拌機羽根3bが液中に浸漬するように吊設し、この撹拌機軸3cを縦型の撹拌機用電動機3dにより回転させるものであり、撹拌機羽根3bの回転により可溶化槽3内を好適に撹拌する。そして、可溶化槽3の底部には、当該可溶化槽3で可溶化された可溶化生ごみ(酸発酵生ごみ)を後段に排出するための排出口3eが設けられている。
【0019】
ここで、濃縮分離液の生ごみに対する供給量は、本実施形態では、生ごみ1に対して2〜3程度とされている(特開2005−329396号公報記載の技術では、生ごみ1に対して、消化汚泥の供給量が4〜7)。このように生ごみに対して濃縮分離液を比較的多く供給することで、後段の固液分離装置4で固液分離されて排出される脱水異物に、本来メタン発酵するべき有機物が混入する割合が低下し、メタン発酵槽5でのバイオガスの発生量が増加する。なお、濃縮分離液、及び、排水処理装置12の処理で生じた汚泥は、可溶化槽3に直接供給しても良く、また、可溶化槽3に生ごみを導入するラインに供給するようにしても良い。
【0020】
この可溶化槽3では、メタン発酵槽5でのメタン発酵を容易とするように温度調整及び濃度調整が行われ、生ごみが酸発酵し、有機物が乳酸、酢酸等に低分子化される。この可溶化槽3での生ごみの調整温度は、30°C〜60°Cである。ここで、メタン発酵槽5でのメタン発酵温度が38°C前後の中温発酵では可溶化槽内温度を38°C〜40°Cに、メタン発酵槽5でのメタン発酵温度が55°C前後の高温発酵では可溶化槽内温度を55°C〜60°Cに各々設定するが、中温発酵のメタン発酵でも可溶化槽内温度を55°C〜60°Cとする場合もある。また、可溶化槽3での生ごみの調整濃度は、メタン発酵槽5の方式によって異なるが、概ね5%〜25%である。
【0021】
また、可溶化槽3での滞留時間は、1〜48時間とするのが良い。ここで、酸発酵は、滞留時間が長くなるに連れて進行するが、可溶化槽内のpHが低下すると共に酸発酵速度も低下するため、滞留時間は8時間程度とするのが特に好ましい。また、滞留時間をこれ以上長くすると、可溶化槽3の容量を大きくする必要があると共に加熱熱量が増加するため、経済的に好ましくない。
【0022】
なお、可溶化槽3は、酸素を遮断して嫌気的な条件で運転する場合と、空気に触れた状態又は積極的に空気や酸素を吹き込んで好気的な条件で運転する場合とがあるが、何れの場合も、適正な運転条件であれば、生ごみの可溶化は進行する。
【0023】
因みに、この可溶化槽3で生じるバイオガスを含むガスは脱臭装置(不図示)に導入されて脱臭され系外に放出される。
【0024】
図1に戻って、可溶化槽3の後段の固液分離装置4は、可溶化槽3で可溶化された可溶化生ごみを、生ごみ分離液と脱水異物とに固液分離するものであり、図2に示すように、可溶化槽3の排出口3eの直下に配置されている。具体的には、固液分離装置4は、可溶化生ごみの投入口4dが、可溶化槽3の排出口3eの直下に位置するように配置されている。このように、固液分離装置4が可溶化槽3の排出口3eの直下に配置されているのは、対象が生ごみであり、可溶化槽3からは重量物が排出されず当該重量物を除去する必要が無いためである。
【0025】
この固液分離装置4としては、スクリュープレス脱水機、遠心脱水機、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、多重円板脱水機、ドラムスクリーン等が採用されるが、生ごみには、粒径の大きい異物が混入している場合があるため、このような異物の選別除去能力が高いスクリュープレス脱水機(以下単にスクリュープレスと呼ぶ)を採用するのが好ましい。
【0026】
このスクリュープレスは、図3に示すように、内部に、回転するスクリュー羽根4aを備え、このスクリュー羽根4aを収容するケーシング4bに、内外を連通する所定径の選別孔4cを多数有し、投入口4dから投入された可溶化生ごみを、前半部で重力脱水し、後半部で、スクリュー羽根4aの押し出しによる圧搾力と回転による剪断力で脱水して、生ごみ分離液と脱水異物とに分離し、生ごみ分離液を生ごみ分離液排出口4eから排出する一方で、脱水異物を、送り方向の終端に設けられている脱水異物排出口4fから排出する。
【0027】
ここで、可溶化生ごみを生ごみ分離液と脱水異物とに効果的に分離する(生ごみから異物を効果的に除去する)には、スクリュープレスの選別孔4cによる選別粒度を5mm〜20mmとするのが好ましい。
【0028】
そして、導入される可溶化生ごみの濃度が15%である場合には、スクリュープレスにより、生ごみ分離液の濃度は10.7%となり、生ごみに含まれる異物の80%以上が脱水異物として除去される。この脱水異物は、その含水率が50%程度である。なお、選別孔4cは、スリットの場合もある。
【0029】
図1に示すように、固液分離装置4の後段のメタン発酵槽5は、固液分離装置4で分離された生ごみ分離液をメタン発酵し、メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスを生成するものである。具体的には、固液分離装置4からの生ごみ分離液を導入し、これに加えて、汚泥濃縮装置9で濃縮された濃縮汚泥を濃縮汚泥供給ラインL2を介して導入し、撹拌混合することで、生ごみ分離液をメタン発酵する。このように濃縮汚泥を導入しているのは、メタン発酵槽5内の汚泥濃度を高く維持するためである。なお、濃縮汚泥は、メタン発酵槽5に直接供給しても良く、また、メタン発酵槽5に生ごみ分離液を導入するラインに供給するようにしても良い。
【0030】
このメタン発酵槽5での撹拌には、機械撹拌機による撹拌、ポンプによる液撹拌、ガスブロワ又はガスコンプレッサによるガス撹拌等があるが、機械撹拌機による撹拌が好ましい。
【0031】
図4及び図5に示すように、機械撹拌機5aは、メタン発酵槽5の略中央に、複数の撹拌機羽根5bが設けられた撹拌機軸5cを、当該撹拌機羽根5bが液中に浸漬するように吊設し、この撹拌機軸5cを縦型の撹拌機用電動機5dにより回転させるものであり、撹拌機羽根5bの回転によりメタン発酵槽5内を好適に撹拌する。
【0032】
このようなメタン発酵槽5には、メタン発酵槽5の液面の異物を排出するための上部異物排出装置20が付設されている。この上部異物排出装置20は、メタン発酵槽5の中央から離間した位置に、掻取ブレード20aが設けられた掻取ブレード軸20bを、当該掻取ブレード20aが液面に浸漬するように吊設し、この掻取ブレード軸20bを縦型の上部異物排出装置用電動機20cにより回転させ、この掻取ブレード軸20bと共に回転する掻取ブレード20aにより液面の異物を掻き取り異物排出区画20dに集め異物排出口20eを介してメタン発酵槽5外に排出するものである。この液面異物は、図1に示すように、脱水機10に導入されて脱水される。
【0033】
また、この上部異物排出装置20に代えて、図6及び図7に示す上部異物排出装置21を用いても良い。この上部異物排出装置21は、撹拌機軸5cに外挿される中空の第一掻取ブレード軸21bを吊設すると共に、この第一掻取ブレード軸21bの外周面に水平方向に張り出す第二掻取ブレード軸21fを設け、この第二掻取ブレード軸21fの先端の下面に、掻取ブレード21aが液面に浸漬するように配設し、第一掻取ブレード軸21bを横型の上部異物排出装置用電動機21cにより回転させ、これらの第一、第二掻取ブレード軸21b,21fと共に回転する掻取ブレード21aにより液面の異物を掻き取り異物排出区画21dに集め異物排出口21eを介してメタン発酵槽5外に排出するものである。なお、この上部異物排出装置21には、第二掻取ブレード軸21f及び掻取ブレード21aが垂れ下がらないように、メタン発酵槽5の周壁面に沿ってその内側に突出し第二掻取ブレード軸21fの先端部下面を下から支える円環状の軸サポート21gが設けられている。
【0034】
このようなメタン発酵槽5にあっては、メタン発酵後の残渣である消化汚泥を適宜底部から引き抜くためのバルブ(不図示)を備えている。
【0035】
図1に示すように、メタン発酵槽5の後段の脱硫装置6は、メタン発酵槽5で発生したバイオガスを脱硫するためのものである。
【0036】
ガスホルダ7は、脱硫装置6で脱硫された脱硫バイオガスを一旦貯留するためのものである。
【0037】
発電機8は、ガスホルダ7からの脱硫バイオガスを燃料として用い発電するものである。
【0038】
また、メタン発酵槽5にラインL1を介して接続される汚泥濃縮装置9は、メタン発酵槽5からの消化汚泥を濃縮するものであり、ここでは、沈降分離槽が用いられ、底部に沈降する濃縮汚泥と上澄液としての濃縮分離液とに分離する。この濃縮汚泥は、前述したように、濃縮汚泥供給ラインL2を介してメタン発酵槽5に供給される。なお、汚泥濃縮装置9は、沈降分離槽の他、ドラムスクリーン、膜分離装置、加圧浮上装置等も使用でき、要は、汚泥を濃縮できれば良い。
【0039】
汚泥濃縮装置9にラインL3を介して接続されると共にメタン発酵槽5に接続される脱水機10は、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液及びメタン発酵槽5の液面異物を導入し脱水して脱水消化汚泥と脱水分離液とに分離するものである。ここで、大きい異物は先の固液分離装置4で除去されているため、脱水機10の前段にスクリーンを設ける必要は無く、液面異物及び濃縮分離液の直接の投入が可能である。この脱水機10としては、スクリュープレス、遠心脱水機、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、多重円板脱水機等が採用される。
【0040】
また、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液の一部は、前述したように、ラインL3から分岐した供給ラインL4を介して可溶化槽3に供給される。
【0041】
脱水機10及び固液分離装置4に接続される発酵乾燥機11は、固液分離装置4で固液分離された脱水異物及び脱水機10で分離された脱水消化汚泥を導入し発酵乾燥させるものである。この発酵乾燥機11としては、円筒式、平面式、サイロ式、円錐式等が採用される。円筒式には、ロータリーキルン式、リボン撹拌式、半円筒パドル式が、平面式には、スクープ式、パドル式が、サイロ式には、オーガー式、撹拌羽根式が、円錐式には、スクリュー式が各々あるが、脱水異物及び脱水消化汚泥を槽内に投入する投入装置と、槽内に給気する給気装置と、槽内を所定に撹拌する撹拌装置と、槽内の温度を所定温度に調整する温度調整装置と、脱水異物及び脱水消化汚泥を発酵乾燥させた発酵乾燥異物を残渣として排出する排出装置と、を備えているのが好ましい。
【0042】
発酵乾燥機内の温度は、通常は有機物の発熱により調整は不要であり、50°C〜70°Cに維持されるが、寒冷地や運転立ち上げ時は加熱することが好ましい。また、通気は、堆積する脱水異物等の容量1m当たり最大で100L/分で十分である。この発酵乾燥機11の排気ガスには、高濃度のアンモニア等の悪臭物質が含まれているため、排気ガスを捕集し脱臭処理することが好ましい。このため、発酵乾燥機11としては、排気ガスを捕集し易い構造のものを採用するのが好ましい。排気ガスを捕集し易いのは、円筒式、サイロ式、円錐式等であるが、発酵乾燥機が大型化する場合はやむを得ず平面式を採用することもある。
【0043】
発酵乾燥機11の容量は、投入される脱水異物等の量により決定される。通常、堆肥化する場合には良好な堆肥を得るために滞留日数を1日当たりの投入量の7〜14日とするが、本実施形態では乾燥のみを目的としているため、滞留日数は、投入される脱水異物等の含水率により変化するが、概ね1日〜7日程度で良く、通常は3日程度で良い。
【0044】
脱水機10に接続される排水処理装置12は、脱水機10で分離された脱水分離液を導入し所定の処理、具体的には、活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理を行うものである。このような活性汚泥処理にあっては余剰汚泥が生じ、凝集汚泥処理にあっては凝集汚泥が生じ、これらを組み合わせた処理にあっては余剰汚泥及び凝集汚泥が生じる。この活性汚泥処理による余剰汚泥は好気性汚泥であり、凝集汚泥処理による凝集汚泥は凝集剤としてポリ鉄、硫酸バンド、塩化鉄等を加えるため酸性側に片寄る汚泥であり、何れにしても消化汚泥と比較して生ごみのメタン化を抑制する汚泥である。そして、この排水処理装置12で生じた汚泥は、前述したように、汚泥供給ラインL5を介して可溶化槽3に供給される。
【0045】
なお、本実施形態のメタン発酵システム1にあっては、対象が生ごみであるため、従来技術(特開2005−329396号公報記載の技術)で必要とされた選別装置(可燃ごみを選別生ごみと選別異物とに選別する装置)は不要とされている。
【0046】
このように構成されたメタン発酵システム1によれば、施設に搬入された生ごみは破砕装置2で破砕され、この破砕装置2からの破砕生ごみは可溶化槽3で可溶化され、この可溶化槽3からの可溶化生ごみは固液分離装置4で生ごみ分離液と脱水異物とに固液分離され、固液分離装置4からの生ごみ分離液は、メタン発酵槽5でメタン発酵されバイオガスが生成される。
【0047】
このメタン発酵槽5では、軽量の異物が液面に浮上するが、この液面異物は、図4及び図5、又は、図6及び図7に示した上部異物排出装置20,21により効果的に槽外に排出される。
【0048】
メタン発酵槽5からの消化汚泥は汚泥濃縮装置9で濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離され、濃縮汚泥はメタン発酵槽5に供給される。従って、メタン発酵槽5では、その汚泥濃度を高く維持した状態でメタン発酵が行われる。
【0049】
一方、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液は、脱水機10に供給されると共に、その一部が可溶化槽3に供給され、脱水機10では濃縮分離液が脱水消化汚泥と脱水分離液に分離される。この脱水機10で分離された脱水消化汚泥及び固液分離装置4で分離された脱水異物は発酵乾燥機11で発酵乾燥され、この発酵乾燥機11からの発酵乾燥異物である残渣は系外に排出される。
【0050】
一方、脱水機10で分離された脱水分離液は、排水処理装置12に供給され、活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理に浴し、何れかの処理で生じた汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥)が可溶化槽3に供給される。そして、排水処理装置12の活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理により、脱水分離液は規定の水質とされ、系外に排水される。
【0051】
ここで、可溶化槽3にあっては、当該可溶化槽3でのpH低下を緩衝すると共に可溶化に必要な菌を添加すべく、汚泥濃縮装置9から供給された濃縮分離液により、可溶化槽3でバイオガスが発生しやすくなっている。
【0052】
しかしながら、本実施形態にあっては、可溶化槽3に対して、排水処理装置12から汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥)が供給されているため、この排水処理装置12から供給される好気性汚泥(余剰汚泥)や酸性側の汚泥(凝集汚泥)により、汚泥濃縮装置9から供給される濃縮分離液の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生が抑止されている。従って、後段のメタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が向上されている。
【0053】
そして、このようにメタン発酵槽5での回収率が高められたバイオガスは、脱硫装置6で脱硫される。このとき、排水処理装置12で、例えば鉄を凝集剤として凝集分離処理を行う場合には、鉄を含む凝集汚泥が汚泥供給ラインL5を介して可溶化槽3に供給され、メタン発酵槽5では鉄により硫化水素が硫化鉄に固定されバイオガス中に含まれる硫化水素が低減するため、脱硫装置6の負荷が低減され、当該脱硫装置6を小型化することが可能とされる。
【0054】
そして、脱硫装置6で脱硫された脱硫バイオガスは、ガスホルダ7で貯留されてから、発電機8の燃料として用いられ、当該発電機8で効率的に発電が成される。
【0055】
このように、本実施形態においては、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液の一部が、可溶化槽3でのpH低下を緩衝すると共に可溶化に必要な菌を添加すべく可溶化槽3に供給される一方で、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液が脱水機10で脱水されこの脱水分離液が排水処理装置12に導入されて活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理が行われることで生じた汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥)が、可溶化槽3に供給されるため、汚泥濃縮装置9から供給される濃縮分離液の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生が抑止され、後段のメタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が向上されている。また、このように排水処理装置12から可溶化槽3に汚泥(余剰汚泥又は凝集汚泥又は両汚泥)が供給される結果、汚泥濃縮装置9から供給される濃縮分離液の量が、消化汚泥を供給する特開2005−329396号公報に記載の従来技術(生ごみの4〜7倍)に比して、生ごみの2〜3倍に低減され、汚泥濃縮装置9から供給される濃縮分離液の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生が一層抑止されている。従って、後段のメタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が一層向上されている。また、汚泥濃縮装置9から可溶化槽3に供給される濃縮分離液は、メタン発酵槽5から可溶化槽3に消化汚泥を供給する従来技術に比べると濃度が低いため、可溶化槽3でのバイオガスの発生が一層抑止されている。従って、後段のメタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が一層向上されている。
【0056】
また、汚泥濃縮装置9で分離された濃縮汚泥がメタン発酵槽5に供給されるため、メタン発酵槽5内の汚泥濃度が高く維持され、メタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が一層向上されている。また、メタン発酵槽5からの消化汚泥を、汚泥濃縮装置9で濃縮分離してから、濃縮分離液を脱水機10で脱水するようにしているため、メタン発酵槽5からの消化汚泥を直接脱水する従来技術に比して、脱水の際に必要となる脱水助剤の使用量が低減され、ランニングコストの低減が図られている。
【0057】
さらに、固液分離装置4は、可溶化槽3の可溶化生ごみの排出口3eの直下に配置されているため、可溶化槽3から固液分離装置4に可溶化生ごみを送るためのポンプが不要とされ、低コスト化が図られている。
【0058】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好ましいとして、汚泥濃縮装置9の濃縮分離液を脱水機10で脱水し脱水分離液を排水処理装置12に導入するようにしているが、脱水機10を無くし汚泥濃縮装置9の濃縮分離液を直接排水処理装置12に導入するようにしても良い。
【0059】
さらに、上記実施形態においては、特に好ましいとして、汚泥濃縮装置9でメタン発酵槽5からの消化汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離し、濃縮汚泥供給ラインL2により濃縮汚泥をメタン発酵槽5に供給する一方で、濃縮分離液の一部を供給ラインL4により可溶化槽3に供給するようにしているが、この汚泥濃縮装置9及び濃縮汚泥供給ラインL2を無くし、図1に括弧書きで示すようにメタン発酵槽5からの消化汚泥をラインL1,L3を介して直接排水処理装置12に導入し当該排水処理装置12で上記何れかの処理を行う一方で、供給ラインL4によりメタン発酵槽5からの消化汚泥の一部を可溶化槽3に供給するようにしても良い。この場合も、上記実施形態と同様に、可溶化槽3には、排水処理装置12から汚泥供給ラインL5を介して、好気性汚泥である余剰汚泥や酸性側の汚泥である凝集汚泥が供給されるため、メタン発酵槽5から供給ラインL4を介して可溶化槽3に供給される消化汚泥の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生が抑止され、メタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が向上されると共に、メタン発酵槽5から供給ラインL4を介して可溶化槽3に供給される消化汚泥の量が、生ごみの2〜3倍に低減され、メタン発酵槽5から供給ラインL4を介して可溶化槽3に供給される消化汚泥の一部による可溶化槽3でのバイオガスの発生が一層抑止され、メタン発酵槽5でのバイオガスの回収率が一層向上される。また、メタン発酵槽5の後段の脱硫装置6の負荷が低減され、当該脱硫装置6を小型化できるという上記実施形態の効果も同様にして得られる。
【0060】
さらに、上記実施形態においては、特に好適であるとして、対象を生ごみとしているが、生ごみに限定されるものではなく、生ごみと共に畜産廃棄物、下水汚泥等を合わせて処理することも可能であり、要は、対象は有機物であれば良い。なお、このように対象を有機物とした場合には、破砕装置2からの破砕生ごみは破砕有機物となり、可溶化槽3からの可溶化生ごみは可溶化有機物となり、固液分離装置4からの生ごみ分離液は有機物分離液となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係るメタン発酵システムを示すブロック構成図である。
【図2】図1中の可溶化槽及び固液分離装置を示す側面構成図である。
【図3】図1中の固液分離装置としてのスクリュープレスを示す側面構成図である。
【図4】図1中のメタン発酵槽を上部異物排出装置と共に示す側面構成図である。
【図5】図4の平面構成図である。
【図6】図1中のメタン発酵槽を他の上部異物排出装置と共に示す側面構成図である。
【図7】図6の平面構成図である。
【符号の説明】
【0062】
1…メタン発酵システム、3…可溶化槽、3e…可溶化槽の排出口、4…固液分離装置(スクリュープレス)、5…メタン発酵槽、9…汚泥濃縮装置(沈降分離槽)、10…脱水機、12…排水処理装置、L2…濃縮汚泥供給ライン、L4…供給ライン、L5…汚泥供給ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物を可溶化する可溶化槽と、
この可溶化槽で可溶化された可溶化有機物を固液分離する固液分離装置と、
この固液分離装置で固液分離された有機物分離液をメタン発酵するメタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽からの消化汚泥を導入し活性汚泥処理又は凝集分離処理又はこれらを組み合わせた処理の何れかの処理を行う排水処理装置と、
前記メタン発酵槽からの消化汚泥の一部を前記可溶化槽に供給するための供給ラインと、
前記排水処理装置の前記処理で生じた汚泥を前記可溶化槽に供給するための汚泥供給ラインと、を具備したメタン発酵システム。
【請求項2】
前記メタン発酵槽からの前記消化汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離する汚泥濃縮装置と、
前記汚泥濃縮装置の前記濃縮汚泥を前記メタン発酵槽に供給するための濃縮汚泥供給ラインと、を具備し、
前記排水処理装置は、前記メタン発酵槽からの前記消化汚泥に代えて、前記汚泥濃縮装置の前記濃縮分離液を導入し前記何れかの処理を行い、
前記供給ラインは、前記メタン発酵槽からの前記消化汚泥の一部に代えて、前記汚泥濃縮装置の前記濃縮分離液の一部を前記可溶化槽に供給することを特徴とする請求項1記載のメタン発酵システム。
【請求項3】
前記汚泥濃縮装置の前記濃縮分離液を導入して脱水し脱水消化汚泥と脱水分離液とに分離する脱水機を備え、
前記排水処理装置は、前記汚泥濃縮装置の前記濃縮分離液に代えて、前記脱水機からの前記脱水分離液を導入し前記何れかの処理を行うことを特徴とする請求項2記載のメタン発酵システム。
【請求項4】
前記固液分離装置は、前記可溶化槽の前記可溶化有機物の排出口の直下に配置され、当該排出口からの前記可溶化有機物を固液分離することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のメタン発酵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−330881(P2007−330881A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165069(P2006−165069)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(507036050)住友重機械エンバイロメント株式会社 (88)
【Fターム(参考)】