説明

メダル貸しシステム及びメダル貸し方法

【課題】遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることを課題とする。
【解決手段】メダル貸しシステム3では、「メダル貸し操作」という明らかな遊技継続意思を受け付けた場合には、MAXBET状態になるまでのBET操作もしくはメダル投入操作が行われなくとも、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うことで、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化することができるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機(回胴式遊技機)と、メダル貸し操作に応答して貸メダルのメダル貸し指示をCRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステム及びメダル貸し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店においては、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機が店内に配設されている。このうち、パチスロ機では、メダル投入又はBET操作、レバー操作、ストップボタン操作の順に遊技客から遊技操作を受け付け、これらの遊技操作に基づいて、入賞役の抽選、リール駆動、リール停止制御及びメダル払出しなどを単位遊技の処理動作として行っている(例えば、特許文献1参照。)。なお、「BET操作」とは、パチスロ機にクレジットされたメダルを遊技投資対象とする操作を指す。
【0003】
この単位遊技の処理動作を具体的に説明すると、パチスロ機は、メダルの投入やBETボタンの操作が行われた後にレバーがON状態に操作されると、特賞や小役などの入賞役の抽選を行い、リールを回転駆動させてストップボタンの押下を受け付ける。その後、ストップボタンの押下操作を受け付けると、ストップボタンの押下タイミング並びに抽選結果に応じてリールの停止制御を行い、このようにして有効ライン上に停止させた図柄の組合せが予め規定された入賞役の図柄の組合せに該当する場合には、その入賞役に対応付けられたメダルを払出す。
【0004】
また、現行では、パチスロ機に併設されるメダル貸し機とは接続されず、メダルの貸出しに関与しないパチスロ機、いわゆる「現金機」が広範に設置されているが、近年では、メダル貸し機とインターフェース接続され、メダルの貸出しに関与するCRパチスロ機、いわゆる「CR機」に移行していく傾向にある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−117065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来技術(特許文献1)では、パチスロ遊技にてBET操作をほぼ単位遊技ごとに行わせることを強いることとなり、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を損なってしまうという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、パチスロ遊技におけるBET操作を簡略化し、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることができるメダル貸しシステム及びメダル貸し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係るメダル貸しシステムは、賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、メダル貸し操作に応答して前記貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、前記メダル貸し操作に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明に係るメダル貸しシステムは、上記の発明において、前記遊技可能BET枚数は、メダル3枚であって、前記BET受付処理手段は、現BET受付枚数が0枚である場合には、前記貸メダル3枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が1枚である場合には、前記貸メダル2枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が2枚である場合には、前記貸メダル1枚のBETを受け付けるように処理することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明に係るメダル貸しシステムは、上記の発明において、前記貸メダル供与制御手段は、前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御として、前記CRパチスロ機のクレジットに加算させるか、前記CRパチスロ機内部の投出機構から投出させるか、或いは、前記メダル貸し処理機内部の投出機構から投出させるかのいずれかの供与制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明に係るメダル貸しシステムは、賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、所定の紙幣の入金に応答して、該紙幣相当分の有価価値を遊技用記録媒体に価値付けるとともに、該遊技用記録媒体に価値付けた有価価値のうち所定分の有価価値を減算する減算処理を行い、該減算分の有価価値に相当する貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、前記紙幣の入金に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明に係るメダル貸しシステムは、賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、前記CRパチスロ機におけるBET操作を検出するBET操作検出手段と、前記BET操作検出手段によってBET操作が検出された場合に、前記CRパチスロ機におけるクレジット残数が単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数以上であるか否かを判定するBET可否判定手段と、前記BET可否判定手段によって遊技可能BET枚数に満たないと判定された場合に、前記メダル貸し指示を行うメダル貸し指示実行手段と、前記メダル貸し指示実行手段によるメダル貸し指示に応答して、前記遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明に係るメダル貸し方法は、賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、メダル貸し操作に応答して前記貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムに用いるメダル貸し方法であって、前記メダル貸し操作に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理工程と、前記BET受付処理工程によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御工程と
を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メダル貸し操作に応答して、CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うこととしたので、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能なメダル貸しシステム及びメダル貸し方法が得られるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明によれば、現BET受付枚数が0枚である場合には、貸メダル3枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が1枚である場合には、貸メダル2枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が2枚である場合には、貸メダル1枚のBETを受け付けるように処理することとしたので、BET受付枚数がいずれの枚数でも貸メダルにて遊技可能BET枚数にすることが可能なメダル貸しシステムが得られるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御として、CRパチスロ機のクレジットに加算させるか、CRパチスロ機内部の投出機構から投出させるか、或いは、メダル貸し処理機内部の投出機構から投出させるかのいずれかの供与制御を行うこととしたので、BET分を除く残りの貸メダルを多様な形態で供与することが可能なメダル貸しシステムが得られるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、紙幣の入金に応答して、CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うこととしたので、入金即メダル貸し時のBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能なメダル貸しシステムが得られるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、CRパチスロ機におけるBET操作を検出し、BET操作を検出した場合に、CRパチスロ機におけるクレジット残数が単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数以上であるか否かを判定し、遊技可能BET枚数に満たないと判定された場合にメダル貸し指示を行い、このメダル貸し指示に応答して、遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うこととしたので、クレジット不足時においてメダル貸し操作及びそのメダル貸し操作で借受けた貸メダルのBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能なメダル貸しシステムが得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の添付図面を参照して、本発明に係るメダル貸しシステム及びメダル貸し方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るメダル貸しシステム(メダル貸し方法)を実施例1、2及び3として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を実施例4として説明する。
【実施例1】
【0020】
以下の実施例1では、実施例1に係るメダル貸しシステムの概要および特徴、このメダル貸しシステムを構成する各装置の構成および処理の流れを順に説明する。
【0021】
[概要および特徴(実施例1)]
まず最初に、図1及び図2を用いて、実施例1に係るメダル貸しシステムの概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示すシステム構成図であり、また、図2は、実施例1に係るメダル貸しシステムの特徴を説明するための概念図である。
【0022】
図1に示すように、遊技店内に設置される遊技システム1は、プリペイドカードに関連付けられた度数の残数を管理するための管理装置、ターミナルコントローラ(以下、プリペイドカード管理T/Cと称す)10を頂点にして、「島」と呼ばれるグループごとに設けられた島コントローラ20及びカード発行機60が接続された構成となる。
【0023】
さらに、島コントローラ20には、各島に設置された複数のCRパチスロ機40それぞれに併設されたカード処理ユニット(以下、適宜これをCRユニット30と言う)が接続されている。
【0024】
この遊技システム1では、プリペイドカードPC(CRユニット30及びカード発行機60により遊技者に対して発行され、発行店の識別情報、カード固有の識別コード、発行額、カード種別などが記録される)を遊技用記録媒体として用いることができる。
【0025】
CRユニット30は、プリペイドカードPCに関連付けられた度数の残数(以下、残度数と言う)を上限としてメダルの貸出し処理を行うことを主機能とするものであり、遊技店に設置された複数のCRパチスロ機40それぞれに対して1台ずつペアとなるように用意され、CRパチスロ機40の相互間に挟まれる形で設置されており、これら両者は、「現金機」であるパチスロ機とは相違し、相互に通信可能なようにインターフェース接続されている。
【0026】
CRパチスロ機40は、遊技客による遊技操作に応答して、入賞役の抽選、リール駆動、リール停止制御及び賞メダルの供与制御を行うパチスロ機であるが、本実施例1のように、「CR機」であるCRパチスロ機40では、賞メダルの供与制御に加えて貸メダルの供与制御を行う。なお、ここで言う「供与制御」とは、遊技客に物理的または電子的にメダルを供与するための制御を指し、例えば、メダルホッパからのメダル投出制御やクレジットへのクレジット加算制御などを指す。また、「クレジット」とは、メダルの投入や入賞によるメダルの払出しが生じた場合に通常50枚を上限としてパチスロ機内部にてその払出し枚数を記憶する機構であり、その枚数分のメダルを預かるとともに、当該枚数分のメダルの投出を保証しており、遊技投資操作を受け付けるBET操作によって人手によるメダル投入と同様の機能を果たさせる機能を有する。
【0027】
また、貸出操作装置50は、貸出操作受付用にCRパチスロ機40に付設された操作装置であり、貸出ボタン502の押下を通じてメダル貸し操作を受け付けることを主機能とするものである。
【0028】
カード発行機60は、現金が入金された場合に、該入金金額に応じた有価価値(度数)が関連付けられるプリペイドカードPCの発行処理並びにプリペイドカードPCに関連付けられた度数に対する加算処理を主機能とするものである。
【0029】
プリペイドカード管理T/C10は、プリペイドカードの識別情報(プリペイドカードID)及びこのプリペイドカードの残度数を記憶管理する装置である。例えば、CRユニット30にて高額紙幣が挿入された場合には、CRユニット30から発行対象となる内蔵カードのプリペイドカードIDとともに挿入紙幣の金額を受け付け、当該プリペイドカードIDに挿入紙幣分の金額を価値付けた後、CRユニット30に「価値付け完了通知」を返信する。なお、本実施例では、カードに記録した磁気データを改ざんするなどの不正行為を防止する観点から、プリペイドカードには「度数」を記録せず、プリペイドカードIDのみを記録する構成を採用することとする。
【0030】
この遊技システム1内には、メダル貸し操作に応答して貸メダルのメダル貸し指示をCRパチスロ機40に行うCRユニット30と、CRユニット30からのメダル貸し指示に応答して貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機40からなるメダル貸しシステム3が設けられている。
【0031】
ここで、本実施例1に係るメダル貸しシステム3は、メダル貸し操作に応答して、CRパチスロ機40にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数(以下、「MAXBET枚数」と言う)に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う点に主たる特徴があり、かかる一連の処理によって、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化し、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることができるようにしている。
【0032】
すなわち、実施例1に係るメダル貸しシステム3では、「メダル貸し操作」という明らかな遊技継続意思を受け付けた場合には、MAXBET状態になるまでのBET操作もしくはメダル投入操作が行われなくとも、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することで、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化することができるようにしている。
【0033】
この主たる特徴を図2を用いて具体的に説明すると、このメダル貸しシステム3におけるCRユニット30では、CRパチスロ機40に付設された貸出操作装置50を通じてメダル貸し操作を受け付けると(1)、挿入中のプリペイドカードの残度数から所定分の度数(例えば、1回の貸出操作で貸し出される度数を「10度数」とする)を減算し(2)、その減算度数分についてメダル貸し指示をCRパチスロ機40に行う(3)。なお、当然のことながら、CRユニット30に残度数があるプリペイドカードが挿入されてない場合には、メダル貸しと引き換えに得るべき対価がないので、メダル貸し操作を受け付けても動作しない。
【0034】
一方、CRパチスロ機40では、CRユニット30からメダル貸し指示を受け付けた場合に、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにBETを受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態にならなければ、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理し(4)、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う(5)。例えば、図2の例で言えば、現クレジットに残っているクレジット残数「1」と引き換えに「1BET」を受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態に足らなければ、MAXBET枚数に足りない不足分のメダル「2枚」を貸メダルと引き換えに「2BET」を自動的に受け付けるよう処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダル「48枚」をクレジットに加算するように制御する。
【0035】
したがって、上記した従来技術の例で言えば、パチスロ遊技にてBET操作をほぼ単位遊技ごとに行わせるのではなく、「メダル貸し操作」という明らかな遊技継続意思を受け付けた場合には、貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することとしたので、上記した主たる特徴のように、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能になる。
【0036】
さらに、本実施例1に係るメダル貸しシステム3によれば、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることにより、CRパチスロ機の稼働率を向上させることも可能になる。
【0037】
また、CRユニット30及びCRパチスロ機40が協働したメダル貸しの運用として、CRパチスロ機40では、CRユニット30からのメダル貸し指示を受け付けた場合に、メダルホッパからの投出で貸メダルを供与するのであれば、貸メダルすべてをメダルホッパから投出させる供与制御が想定され、また、クレジットへの加算で貸メダルを供与するのであれば、貸メダルすべてをクレジットに加算させる供与制御が想定される。
【0038】
このうち、すべての貸メダルをクレジットに加算させる貸メダルの供与制御(例えば、クレジットを一度に「50」加算)を行う場合には、メダル貸し操作時にクレジットが残っているとクレジットへの加算を行うことができない運用となるのに、現行のパチスロ遊技では、毎ゲームごとに3枚のMAXBETを必要とするので、MAXBETに満たない1枚あるいは2枚のメダルがクレジットに余る可能性が高く、メダル貸し時にクレジットの返却操作を強いるケースが生じるという問題も考えられる。
【0039】
しかし、本実施例1に係るメダル貸しシステム3によれば、メダル貸し操作時にクレジット残数及び貸メダルの一部が自動BETされるので、メダル貸し操作時にクレジットに存在する残数を低減させることができ(少なくとも、遊技客が新たに貸メダルを借り受けないと絶対に遊技不能になるクレジット数、すなわちMAXBETに満たない1枚あるいは2枚のクレジットがメダル貸し時に残る状況を防止でき)、クレジット加算による貸メダルの供与制御を円滑に行わせることが可能になる。
【0040】
[メダル貸しシステム3の構成]
続いて、実施例1に係るCRユニット30及びCRパチスロ機40の構成並びに機能を説明する。図3は、実施例1に係るCRユニット30及びCRパチスロ機40の外観を示した正面図である。
【0041】
図3に示すように、CRユニット30は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、その前面パネルには、カードランプ301、現金ランプ302、紙幣挿入口303、返却レバー304、種別ランプ305、7SEG表示部306、設定ボタン307及びカード挿入口308が設けられている。
【0042】
カードランプ301および現金ランプ302は、制御部38からの制御信号に基づいて点灯し、プリペイドカードおよび現金の受け付け可能状態を遊技者に報知するためのものである。紙幣挿入口303は、紙幣を受け入れてこれを紙幣処理部(BVユニット部)34に取り込むための開口である。なお、この紙幣処理部34は、取り込まれた紙幣の金種を識別し、この識別結果を制御部38に与えるとともに、取り込んだ紙幣を島端回収ボックスに搬出させるべく紙幣搬送路へ導出する。
【0043】
返却レバー304は、投入した貨幣を返却するためのものである。種別ランプ305は、貸し出す遊技媒体の種類、つまりパチンコ玉およびメダルのいずれを貸し出すかを点灯表示するためのものである。ここではCRパチスロ機40の台間に配設されているのでメダルの点灯表示がなされる。
【0044】
7SEG表示部306は、7セグメントのLEDから形成される表示部であり、CRパチスロ機40に付設される貸出操作装置50にてメダル貸し操作が1回行われるごとに貸し出されるメダルの枚数表示を行う。設定ボタン307は、メダル貸し操作が1回行われるごとに貸し出されるメダルの枚数(貸し出し単位)を利用者が設定するためのものである。
【0045】
カード挿入口308は、プリペイドカードを受け入れてこれを後述するカードリーダ(C/R35)35に取り込むための開口である。このC/R35は、取り込んだカードを読み取り、その読み取り結果を制御部38に与える処理を行う。
【0046】
一方、CRパチスロ機40は、貨幣もしくはプリペイドカードを使って借り受けたメダルを用いて遊技を行うパチスロ機であり、図3に示すように、メダル投入口401と、スタートレバー402と、3つのリール403〜405と、各リールの回転をストップさせるストップボタン406〜408と、CRパチスロ機40又はCRユニット30から払い出される賞メダルおよび貸メダルを受け入れる受け皿409と、1枚掛け用及び3枚掛け用のクレジット投入ボタン(BETボタン)410及び411と、3つのリール403〜405の図柄が揃った際に獲得したメダル数が表示される払出し表示部412と、クレジット数を表示するクレジット表示部413と、BET受付枚数を表示するBET受付枚数表示部414と、パチスロ遊技に関する各種演出などを表示する液晶パネル46aとを備える。
【0047】
このCRパチスロ機40では、メダル投入口401に1〜3枚のメダルを投入してスタートレバー402を操作すると、3つのリール403〜405がそれぞれ回転し、各リールのストップボタン406〜408を押下すると、それぞれのリール403〜405の回転が停止する。また、クレジット表示部413にメダル枚数が残っている場合には、BETボタン410又は411を押下し、スタートレバー402を操作すると、メダル投入口401に3枚のメダルを投入してスタートレバー402を操作した場合と同様に、3つのリール403〜405がそれぞれ回転する。なお、3枚のメダルを投入してゲームを行う3枚掛けの場合には横3列および斜め2列の合計5列が対象となり、通常は、この有効ラインが5列となる3枚掛けでパチスロ遊技が行なわれる。
【0048】
そして、3つのリール403〜405の対象領域に一定の絵柄が揃うと、払い出し表示部412に絵柄の種類に応じた獲得メダル枚数が表示されるとともに、この表示された枚数のメダルが払い出される。具体的には、このメダルは直ちに受け皿409に払い出されるわけではなく、クレジットとして内部保留され、クレジット表示部413の表示内容がメダル枚数分だけ加算される。
【0049】
また、CRパチスロ機40には、後述する内部IF部43を通じて、メダル貸し操作を受け付けることを主機能とする貸出操作装置50が付設されており、この貸出操作装置50は、図3に示すように、CRユニット30に挿入中のプリペイドカードの残度数を表示する残度数表示部501と、メダル貸し要求を受け付ける貸出ボタン502と、プリペイドカード返却要求を受け付ける返却ボタン503とを備える。
【0050】
次に、図3に示したCRユニット30の内部構成について説明する。図4は、図3に示したCRユニット30の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このCRユニット30は、操作部31と、表示部32と、IF部33と、BVユニット部34と、カードリーダ(C/R)35と、カード収納部36と、搬送/繰出機構部37と、制御部38とを有する。
【0051】
操作部31は、図3に示した各種ボタン群、返却レバー304や設定ボタン307などの総称である。表示部32は、カードランプ301、現金ランプ302及び7SEG表示部306などの総称である。
【0052】
IF部33は、当該CRユニット30と他の装置(例えば、プリペイドカード管理T/C10、島コントローラ20及びCRパチスロ機40などの装置)の間で各種通信の制御を行う処理部である。
【0053】
BVユニット部34は、紙幣挿入口303に挿入された紙幣の金種を識別する紙幣識別機であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部38に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。
【0054】
C/R35は、カード挿入口308に挿入されたプリペイドカードや会員カードなどの各種カードに記録された情報を読み込むカードリーダであり、具体的には、これら各種カードからプリペイドカードの識別情報や会員カードの識別情報を読み込み、該読み込んだ情報を制御部38に出力する。
【0055】
カード収納部36は、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部であり、遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものである。例えば、遊技客によって紙幣が挿入されると、複数枚のプリペイドカードのうちの一枚がC/R35の位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。
【0056】
搬送/繰出機構部37は、各種カードの搬送/繰出を行う機構部である。具体的には、カード挿入口308から挿入されたプリペイドカードをC/R35に搬送したり、C/R35内に保持されたプリペイドカードをカード収納部36に搬送したり、また、カード収納部36に収納された内蔵プリペイドカードをC/R35に繰り出したり、C/R35に保持されたプリペイドカードをカード挿入口308に繰り出したりする。
【0057】
制御部38は、CRユニット30の全体制御を司る制御部であり、特に本発明に関連するものとしては、メダル貸し処理部38aを備える。
【0058】
メダル貸し処理部38aは、メダル貸し操作に応答して貸メダルのメダル貸し指示をCRパチスロ機40に行う処理部であり、CRパチスロ機40に付設された貸出操作装置50を通じてメダル貸し操作を受け付けると、挿入中のプリペイドカードの残度数から所定分の度数(例えば、1回の貸出操作で貸し出される度数を「10度数」とする)を減算し、その減算度数分についてメダル貸し指示をCRパチスロ機40に行う。なお、本実施例1では、CRユニット30及びCRパチスロ機40の間において、1回のメダル貸し指示につき1度数分のメダル「5枚」の供与が行われるように規定されており、例えば、「10度数」分のメダルの貸出しを行う場合には、CRユニット30からCRパチスロ機40に対して計10回のメダル貸し指示が行われることとなる。
【0059】
ここで、本実施例1に係るCRユニット30の基本動作を具体的に説明すると、メダル貸し処理部38aは、紙幣挿入口303より紙幣が挿入されると、BVユニット部34にて判別された挿入紙幣の金額をC/R35の内蔵のプリペイドカードに価値付けた後に、プリペイドカードに価値付けた金額に相当する残度数をCRパチスロ機40に付設される貸出操作装置50の残度数表示部501にて表示させる。なお、ここで言う「価値付け」とは、内蔵のプリペイドカードのプリペイドカードID及び挿入紙幣の金額に相当する残度数をプリペイドカード管理T/C10に通知し、プリペイドカード管理T/C10にて当該プリペイドカードIDに残度数を対応付けて記憶させる処理を指す。
【0060】
この場合、当該プリペイドカードの残度数が「0」であることはないので、メダル貸し処理部38aは、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行する。
【0061】
また、メダル貸し処理部38aは、カード挿入口308よりプリペイドカードが挿入されると、挿入されたプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応する残度数をプリペイドカード管理T/C10に問合せ、この問合せにより得られた残度数を貸出操作装置50の残度数表示部501にて表示させる。
【0062】
このとき、メダル貸し処理部38aは、当該プリペイドカードの残度数が「0」でなければ、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行し、また、当該プリペイドカードの残度数が「0」であれば、搬送/繰出機構部37に残度数なしのプリペイドカードをカード収納部36内部に収納させる。
【0063】
ここで、メダル貸し処理部38aは、貸出操作装置50にて貸出ボタン502の押下操作を受け付けた場合、すなわちメダル貸し操作を受け付けた場合には、CRユニット30及びCRパチスロ機40の間で協働して行われる「メダル貸し処理」を行い、このとき、挿入中のプリペイドカードの残度数が「0」になれば、搬送/繰出機構部37に残度数なしのプリペイドカードをカード収納部36内部に収納させる。なお、かかる「メダル貸し処理」の詳細については、CRパチスロ機40の内部構成とともに後述する。
【0064】
また、メダル貸し処理部38aは、貸出操作装置50にて返却ボタン503の押下操作を受け付けた場合、すなわちプリペイドカードの返却要求を受け付けた場合に、搬送/繰出機構部37に対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口308に繰り出させる。
【0065】
このように、貸出操作装置50にて貸出ボタン502の押下操作が行われることを契機に、挿入中のプリペイドカードの残度数減算、次いで、CRユニット30からCRパチスロ機40にメダル貸し指示が行われ、「メダル貸し処理」が開始されることとなる。
【0066】
次に、図3に示したCRパチスロ機40の内部構成を説明する。図5は、図3に示したCRパチスロ機40の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このCRパチスロ機40は、操作部41と、表示部42と、IF部43と、リール駆動部44と、メダルホッパ45aと、ホッパ駆動部45bと、副制御部46と、液晶パネル46aと、スピーカ46bと、記憶部47と、主制御部48とを有する。
【0067】
このうち、操作部41は、図3に示したスタートレバー402、ストップボタン406〜408、BETボタン410及び411、貸出ボタン502及び返却ボタン503の総称である。表示部42は、副制御部46に帰属した各種演出に係る表示を行う液晶パネル46aを除く、払出し表示部412、クレジット表示部413、BET受付枚数表示部414及び残度数表示部501の総称である。
【0068】
IF部43は、CRユニット30とデータ通信するためのインターフェースであり、リール駆動部44は、左リール403、中リール404及び右リール405の回転駆動及び停止制御を行う処理部である。また、メダルホッパ45aは、内部にメダルを貯留するホッパであり、さらに、ホッパ駆動部45bは、メダルホッパ45aを駆動制御する処理部である。
【0069】
副制御部46は、主制御部48からの出力をもとにパチスロ遊技に関する各種演出の制御を行う処理部であり、具体的には、主制御部48の遊技制御部48aから入賞役の抽選結果が入力されると、この抽選結果(例えば、ハズレ、小役の当選、ボーナスの当選)に応じて各種演出を選択し、選択された演出を操作部41の操作タイミングに合わせて液晶パネル46a及びスピーカ46bに出力させる。なお、本実施例1では、副制御部46が主制御部48に対して制御指令や情報などを入力することはなく、主制御部48から副制御部46への一方向で通信が行われる。
【0070】
記憶部47は、主制御部48による各種処理に必要なデータ(設定データ)およびプログラム(遊技プログラム)を記憶する記憶デバイスであり、本発明に関連する情報としては、現クレジットの残数を表すクレジット情報47a並びにBET受付枚数を表すBET情報47bを記憶している。
【0071】
主制御部48は、CRパチスロ機40全体を制御する制御部であり、操作部41における遊技操作に基づいて、入賞役の抽選、リール駆動、リール停止制御及び賞メダルの供与制御を行うことを主機能とする遊技制御部48aを備える他、本発明に密接に関連する処理部として、BET受付処理部48b及び貸メダル供与制御部48cを備える。
【0072】
このうち、BET受付処理部48bは、BETを受け付けるように処理することを主機能とする処理部であり、操作部41におけるBET操作又はメダル投入口へのメダル挿入操作401と引き換えにBET受付処理を行う他、「メダル貸し処理」時には、MAXBET枚数に満たない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理する。
【0073】
具体的には、CRユニット30からメダル貸し指示を受け付けた際に、記憶部47に記憶されたBET情報47bを参照して現BET受付枚数がMAXBET状態でなければ、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにBETを受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態にならなければ、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理する。
【0074】
例えば、現クレジットのBET受付処理を行った後にBET受付枚数が「0枚」である場合には、貸メダル3枚のBETを受け付けるように処理し、BET受付枚数が「1枚」である場合には、貸メダル2枚のBETを受け付けるように処理し、また、BET受付枚数が「2枚」である場合には、貸メダル1枚のBETを受け付けるように処理することで、BET受付枚数がいずれの枚数でも貸メダルにてMAXBET状態にすることができるようにしている。
【0075】
貸メダル供与制御部48cは、CRユニット30からのメダル貸し指示に応答して貸メダルの供与制御を行う処理部である。具体的には、CRユニット30からメダル貸し指示を受け付けた際に、BET受付処理部48bにて貸メダルによるBET受付処理を行ったならば、メダル貸し指示分の貸メダルのうち、BET受付処理部48bによるBET受付分を除いた残りの貸メダル数について記憶部47に記憶されるクレジット情報47aを加算更新し、また、BET受付処理部48bによるBET受付処理を行わずとも現BET受付枚数がMAXBET状態であった場合には、メダル貸し指示分の貸メダル数「5枚」について記憶部47に記憶されるクレジット情報47aを加算更新し、これらいずれかの加算更新終了後にメダル貸し完了応答をCRユニット30に行う。なお、これらクレジット情報47aの加算更新に伴ってクレジット表示部413も同様に加算表示される。
【0076】
[処理の流れ]
次に、本実施例1に係るメダル貸しシステムの各種処理の流れを説明する。なお、ここでは、CRユニット30にて行われる(1)基本制御処理を説明してから、CRユニット30及びCRパチスロ機40が協働して行う(2)メダル貸し処理を説明する。
【0077】
(1)基本制御処理
前述したように、ここでは、図6を用いて、実施例1に係るCRユニット30の基本制御処理を説明する。図6は、実施例1に係るCRユニット30の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。この「基本制御処理」は、CRユニット30の電源がON状態である限り、再帰的に行われる処理である。
【0078】
同図に示すように、紙幣挿入口303より紙幣が挿入されると(ステップS601肯定)、メダル貸し処理部38aは、BVユニット部34にて判別された挿入紙幣の金額をC/R35の内蔵のプリペイドカードに価値付けた後(ステップS602)に、プリペイドカードに価値付けた金額に相当する残度数をCRパチスロ機40に付設される貸出操作装置50の残度数表示部501にて表示させる(ステップS603)。なお、当然のことながら、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、かかる「価値付け処理」は行われることなく、挿入紙幣は返却される。
【0079】
この場合、当該プリペイドカードの残度数が「0」であることはないので(ステップS604肯定)、メダル貸し処理部38aは、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行する(ステップS605)。
【0080】
また、カード挿入口308よりプリペイドカードが挿入されると(ステップS606肯定)、メダル貸し処理部38aは、挿入されたプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応する残度数をプリペイドカード管理T/C10に問合せ(ステップS607)、この問合せにより得られた残度数を貸出操作装置50の残度数表示部501にて表示させる(ステップS603)。
【0081】
このとき、当該プリペイドカードの残度数が「0」でなければ(ステップS604肯定)、メダル貸し処理部38aは、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行し(ステップS605)、また、当該プリペイドカードの残度数が「0」であれば(ステップS604否定)、搬送/繰出機構部37に残度数なしのプリペイドカードをカード収納部36内部に収納させ(ステップS608)、処理を終了する。
【0082】
ここで、貸出操作装置50にて貸出ボタン502の押下操作を受け付けた場合、すなわちメダル貸し操作を受け付けた場合(ステップS605肯定)には、メダル貸し処理部38aは、CRユニット30及びCRパチスロ機40の間で協働して行われる「メダル貸し処理」を行い(ステップS609)、このとき、挿入中のプリペイドカードの残度数が「0」になれば(ステップS604肯定)、搬送/繰出機構部37に残度数なしのプリペイドカードをカード収納部36内部に収納させ(ステップS608)、処理を終了し、また、挿入中のプリペイドカードの残度数が「0」でなければ(ステップS604肯定)、貸出操作受付待機状態に再度移行する(ステップS605)。
【0083】
また、貸出操作装置50にて返却ボタン503の押下操作を受け付けた場合、すなわちプリペイドカードの返却要求を受け付けた場合(ステップS610肯定)に、メダル貸し処理部38aは、搬送/繰出機構部37に対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口308に繰り出させ(ステップS611)、処理を終了する。
【0084】
(2)メダル貸し処理
次に、図7を用いて、実施例1に係るメダル貸し処理を説明する。図7は、実施例1に係るメダル貸し処理に関するCRユニット30及びCRパチスロ機40間の制御シーケンスを示す図である。この処理は、上記した「基本制御処理」にてメダル貸し操作を受け付けた場合、すなわち貸出操作装置50にて貸出ボタン502の押下操作を受け付けた場合(ステップS605肯定)に開始される。
【0085】
図7に示すように、貸出操作装置50にて貸出ボタン502が押下されると、CRユニット30におけるメダル貸し処理部38aは、挿入中のプリペイドカードのプリペイドカードIDを含む残度数減算指示をプリペイドカード管理T/C10に行い、プリペイドカード管理T/C10に当該プリペイドカードIDの残度数から所定分の度数「10度数」を減算させた後(ステップS701)に、CRパチスロ機40に対してメダル貸し指示を行う(ステップS702)。
【0086】
このメダル貸し指示を受け付けたCRパチスロ機40において、BET受付処理部48bは、記憶部47に記憶されたBET情報47bを参照して現BET受付枚数がMAXBET状態でなければ(ステップS703否定)、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにBETを受け付けるように処理し(ステップS704)、それでもMAXBET状態にならなければ(ステップS705否定)、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理する(ステップS706)。
【0087】
続いて、貸メダル供与制御部48cは、メダル貸し指示分の貸メダルのうち、BET受付処理部48bによるBET受付分を除いた残りの貸メダル数について記憶部47に記憶されるクレジット情報47aを加算更新し(ステップS707)、メダル貸し完了応答をCRユニット30に行う(ステップS708)。なお、このクレジット情報47aの加算更新に伴ってクレジット表示部413も同様に加算表示される。
【0088】
一方、BET受付処理部48bにて貸メダルによるBET受付処理を行わずとも現BET受付枚数がMAXBET状態であった場合(ステップS703肯定又はステップS705肯定)には、貸メダル供与制御部48cは、メダル貸し指示分の貸メダル数について記憶部47に記憶されるクレジット情報47aを加算更新し(ステップS707)、メダル貸し完了応答をCRユニット30に行う(ステップS708)。なお、このクレジット情報47aの加算更新に伴ってクレジット表示部413も同様に加算表示される。
【0089】
このメダル貸し完了応答を受け付けたCRユニット30では、貸出操作装置50の残度数表示部501に表示される残度数を減算表示する更新を行い(ステップS709)、規定度数「10度数」分のメダル貸しが終了するまで(ステップS710肯定)、CRユニット30及びCRパチスロ機40は、上記のステップS702〜S709までの処理を繰り返し行う。
【0090】
上述してきたように、本実施例1に係るメダル貸しシステム3によれば、メダル貸し操作に応答して、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うように構成したので、メダル貸し操作時のBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能である。
【実施例2】
【0091】
次に、実施例2に係るメダル貸しシステムを説明する。なお、以下の実施例2では、実施例1に係るメダル貸しシステム3と相違する点を中心に本実施例2に係るメダル貸しシステム5を説明することとし、実施例1に係るメダル貸しシステム3と同様の構成及び同様の機能を発揮するものについては説明を省略する。
【0092】
前述したように、ここでは、本実施例2に係るメダル貸しシステム5と実施例1に係るメダル貸しシステム3との相違点を説明する。すなわち、実施例1に係るメダル貸しシステム3では、メダル貸し操作時におけるBET操作の簡略化に着眼したものであるのに対し、本実施例2に係るメダル貸しシステム5では、入金即メダル貸し機能を備えるCRユニット70にて入金即メダル貸し時におけるBET操作の簡略化に着眼したものである点が主として相違する。
【0093】
図8は、実施例2に係るメダル貸しシステム5の特徴を説明するための概念図である。同図に示すように、このメダル貸しシステム5におけるCRユニット70では、紙幣挿入口303より紙幣が挿入されると(1)、該挿入紙幣相当分の度数を内蔵のプリペイドカードに価値付ける(2)とともに、該プリペイドカードに価値付けた度数のうち所定分の度数(例えば、「10度数」)を減算する減算処理を行い(3)、該減算分の度数に相当する貸メダルのメダル貸し指示をCRパチスロ機に行う(4)。
【0094】
一方、CRパチスロ機40では、実施例1と同様に、CRユニット70からメダル貸し指示を受け付けた場合に、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにBETを受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態にならなければ、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理し(5)、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う(6)。例えば、図8の例で言えば、現クレジットに残っているクレジット残数「1」と引き換えに「1BET」を受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態に足らなければ、MAXBET枚数に足りない不足分のメダル「2枚」を貸メダルと引き換えに「2BET」を自動的に受け付けるよう処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダル「48枚」をクレジットに加算するように制御する。
【0095】
このように、「紙幣入金」という明らかな遊技継続意思を受け付けた場合には、MAXBET状態になるまでのBET操作もしくはメダル投入操作が行われなくとも、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することで、入金即メダル貸し時のBET操作を簡略化することができるようにしている。
【0096】
したがって、本実施例2に係るメダル貸しシステム5によれば、「紙幣入金」という明らかな遊技継続意思を受け付けた場合には、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することとしたので、入金即メダル貸し時のBET操作を簡略化することができ、実施例1と同様、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能になる。
【0097】
また、本実施例2に係るメダル貸しシステム5では、実施例1に係るメダル貸しシステム3と相違する構成は特になく、入金即メダル貸し機能の付加に伴い、本実施例2に係るCRユニット70では紙幣入金時にもメダル貸し指示が行われる点が実施例1に係るCRユニット30と相違するので、以下では、この点を中心に図9を用いて、本実施例2に係るCRユニット70の基本制御処理を説明する。
【0098】
図9は、実施例2に係るCRユニット70の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。この「基本制御処理」は、実施例1に係るCRユニット30にて行われる基本制御処理と同様、CRユニット70の電源がON状態である限り、再帰的に行われる処理である。
【0099】
同図に示すように、紙幣挿入口303より紙幣が挿入されると(ステップS601肯定)、実施例1に係るCRユニット30と同様に、メダル貸し処理部38aは、BVユニット部34にて判別された挿入紙幣の金額をC/R35の内蔵のプリペイドカードに価値付けた後(ステップS602)に、プリペイドカードに価値付けた金額に相当する残度数をCRパチスロ機40に付設される貸出操作装置50の残度数表示部501にて表示させる(ステップS603)。
【0100】
ここで、実施例2に係るCRユニット70では、実施例1のように、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行するのではなく、貸出操作装置50にて貸出ボタン502の押下操作なしにCRユニット70及びCRパチスロ機40で実施例1にて説明した「メダル貸し処理」を行う(ステップS901)。
【0101】
このとき、当該プリペイドカードの残度数が「0」になれば(ステップS604否定)、搬送/繰出機構部37に残度数なしのプリペイドカードをカード収納部36内部に収納させ(ステップS608)、処理を終了する。また、当該プリペイドカードの残度数が「0」でなければ(ステップS604肯定)、貸出操作装置50にてメダル貸し操作が行われるのを待機する貸出操作受付待機状態に移行する(ステップS605)。
【0102】
上述してきたように、本実施例2に係るメダル貸しシステム5によれば、紙幣の入金に応答して、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うこととしたので、入金即メダル貸し時のBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能である。
【実施例3】
【0103】
次に、実施例3に係るメダル貸しシステム7を説明する。なお、以下の実施例3では、実施例1に係るメダル貸しシステム3と相違する点を中心に本実施例3に係るメダル貸しシステム7を説明することとし、実施例1に係るメダル貸しシステム3と同様の構成及び同様の機能を発揮するものについては説明を省略する。
【0104】
前述したように、ここでは、本実施例3に係るメダル貸しシステム7と実施例1に係るメダル貸しシステム3との相違点を説明する。すなわち、実施例1に係るメダル貸しシステム3では、メダル貸し操作時におけるBET操作の簡略化に着眼したものであるのに対し、本実施例3に係るメダル貸しシステム7では、クレジットによるBET受付処理がなされてもMAXBET状態に満たない状況下(すなわち、遊技継続にメダルの借受けが不可欠である状況下)でのBET操作に着目し、かかる状況下でのBET操作時においてメダル貸し操作及びそのメダル貸し操作で借受けた貸メダルのBET操作を簡略化した点が主として相違する。
【0105】
図10は、実施例3に係るメダル貸しシステム7の特徴を説明するための概念図である。同図に示すように、このメダル貸しシステム7におけるCRパチスロ機80では、BET操作を受け付けると(1)、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であるか否かを判定し(2)、MAXBET枚数に満たないと判定した場合には、CRユニット90からのメダル貸し指示を要請するメダル貸し指示要請通知をCRユニット90に行う(3)。
【0106】
このメダル貸し指示要請通知を受け付けたCRユニット90では、挿入中のプリペイドカードの残度数から所定分の度数(例えば、1回の貸出操作で貸し出される度数を「10度数」とする)を減算し(4)、その減算度数分についてメダル貸し指示をCRパチスロ機80に行う(5)。なお、当然のことながら、CRユニット90に残度数があるプリペイドカードが挿入されてない場合には、メダル貸しと引き換えに得るべき対価がないので、メダル貸し操作を受け付けても動作しない。
【0107】
このメダル貸し指示を受け付けたCRパチスロ機80では、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにBETを受け付けるように処理し、さらに、それでもMAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理し(6)、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う(7)。例えば、図10に示すように、現クレジットにクレジット数「1」が残っている場合には、クレジット残数「1」と引き換えに「1BET」を受け付けるように処理し、それでもMAXBET状態に足りない不足分のメダル「2枚」を貸メダルと引き換えに「2BET」を自動的に受け付けるよう処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダル「48枚」をクレジットに加算するように制御する。
【0108】
このように、「クレジット不足時のBET操作」という遊技継続にメダルの借受けが不可欠である状況下での遊技継続意思を受け付けた場合には、貸出操作装置50にてメダル貸し操作を受け付けずとも、CRユニット90にてメダル貸し指示を行い、さらに、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することで、クレジット不足時においてメダル貸し操作及びそのメダル貸し操作で借受けた貸メダルのBET操作を簡略化することができるようにしている。
【0109】
したがって、本実施例3に係るメダル貸しシステム7によれば、「クレジット不足時のBET操作」という遊技継続にメダルの借受けが不可欠である状況下での遊技継続意思を受け付けた場合には、CRユニット90にてメダル貸し指示を自動的に行い、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを自動的に受け付けるよう処理することとしたので、クレジット不足時においてメダル貸し操作及びそのメダル貸し操作で借受けた貸メダルのBET操作を簡略化することができ、実施例1と同様、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能になる。
【0110】
次に、かかる相違点に伴って、本実施例3に係るメダル貸しシステム7と実施例1に係るメダル貸しシステム3との間で相違する構成を説明する。すなわち、本実施例3に係るメダル貸しシステム7では、「クレジット不足時のBET操作」、すなわち遊技継続にメダルの借受けが不可欠である状況下での遊技継続意思を検知するための機能部がCRパチスロ機80に付加されている点が主として相違する。
【0111】
図11は、実施例3に係るCRパチスロ機80の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施例3に係るCRパチスロ機80は、実施例1に係るCRパチスロ機40に比較して、BET可否判定部81をさらに備える点が相違している。
【0112】
このBET可否判定部81は、クレジット残数がMAXBET枚数以上であるか否かを判定する処理部である。具体的には、操作部41を通じてBET操作を検出した場合に、記憶部47に記憶されたクレジット情報47a及びBET情報47bを参照して、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であるか否かを判定し、その結果、MAXBET枚数に満たないと判定した場合には、メダル貸し指示要請通知をCRユニット90に行う。
【0113】
このメダル貸し指示要請通知を受け付けたCRユニット90では、かかるメダル貸し指示要請通知を契機に、挿入中のプリペイドカードの残度数減算、次いで、CRユニット90からCRパチスロ機80にメダル貸し指示を行い、「メダル貸し処理」を開始する。なお、上述した実施例1のように、かかる「メダル貸し処理」にて貸メダルによるBET受付処理が行われ、BET受付枚数がMAXBET状態にされる。
【0114】
一方、BET可否判定部81は、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であると判定した場合には、クレジットによるBET受付処理をBET受付処理部48bに依頼し、この依頼を受け付けたBET受付処理部48bでは、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにMAXBETを受け付けるように処理する。
【0115】
このようにして、クレジットによるBET受付処理又は貸メダルによるBET受付処理のいずれかが行われ、現BET受付枚数がMAXBET状態になると、遊技制御部48aでは、スタートレバー402の操作を監視し、スタートレバー402の操作を検知したことを契機に「遊技状態」に移行し、操作部41の遊技操作に基づいて、入賞役の抽選、リール駆動、リール停止制御及び賞メダルの供与制御を行う。
【0116】
次に、かかるBET可否判定部81の機能がCRパチスロ機80に付加されることに伴い、本実施例3に係るCRパチスロ機80では、遊技待機状態における処理動作が実施例1に係るCRパチスロ機40と相違するので、以下では、図12を用いて、本実施例3に係るCRパチスロ機80のBET可否判定処理を説明する。
【0117】
図12は、実施例3に係るBET可否判定処理の手順を示すフローチャートである。この「BET可否判定処理」は、遊技待機状態である場合にのみ行われる処理であり、操作部41を通じてBET操作を検出することを契機に開始される。
【0118】
同図に示すように、操作部41を通じてBET操作を検出すると(ステップS1201肯定)、記憶部47に記憶されたクレジット情報47a及びBET情報47bを参照して、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であるか否かを判定する(ステップS1202)。
【0119】
このとき、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であると判定した場合(ステップS1202肯定)には、BET可否判定部81は、クレジットによるBET受付処理をBET受付処理部48bに依頼する(ステップS1203)。なお、この依頼を受け付けたBET受付処理部48bでは、現クレジットに残っているクレジット残数と引き換えにMAXBETを受け付けるように処理する。
【0120】
ここで、現クレジット残数がMAXBET枚数に満たないと判定した場合(ステップS1202否定)には、BET可否判定部81は、CRユニット90に対してメダル貸し指示要請通知を行い(ステップS1204)、その後、CRパチスロ機80では、CRユニット90と協働して「メダル貸し処理」を行う(ステップS1205)。なお、既に説明したように、かかる「メダル貸し処理」にて貸メダルによるBET受付処理が行われ、BET受付枚数がMAXBET状態にされる。
【0121】
このようにして、クレジットによるBET受付処理(ステップS1203)、或いは、貸メダルによるBET受付処理(ステップS1205)が行われ、現BET受付枚数がMAXBET状態になると、遊技制御部48aでは、スタートレバー402の操作を監視し(ステップS1206)、スタートレバー402の操作を検知したならば(ステップS1206肯定)、「遊技状態」に移行し(ステップS1207)、処理を終了する。なお、遊技状態移行後には、遊技制御部48aによって入賞役の抽選、リール駆動、リール停止制御及び賞メダルの供与制御などの処理が行われる。
【0122】
上述してきたように、本実施例3に係るメダル貸しシステム7によれば、CRパチスロ機80におけるBET操作を検出し、BET操作を検出した場合に、現クレジット残数がMAXBET枚数以上であるか否かを判定し、MAXBET枚数に満たないと判定した場合にメダル貸し指示を行い、このメダル貸し指示に応答して、MAXBET枚数に足りない不足分のメダルを貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理し、BET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行うように構成したので、クレジット不足時においてメダル貸し操作及びそのメダル貸し操作で借受けた貸メダルのBET操作を簡略化することができ、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることが可能である。
【実施例4】
【0123】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0124】
(1)BET分を除く残りの貸メダルの取り扱い
例えば、上記した実施例1、2及び3では、BET分を除く残りの貸メダルをクレジット加算する実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CRパチスロ機内部のメダルホッパからメダルそのものを投出するようにしてもよいし、また、CRユニット内部にメダルホッパを設け、このメダルホッパから投出するようにしてもよい。すなわち、これによって、BET分を除く残りの貸メダルを多様な形態で供与することが可能になる。
【0125】
(2)貸出ボタンの設置場所
また、上記した実施例1、2及び3では、メダル貸し操作を受け付ける「貸出ボタン」をCRパチスロ機40又は80に付設された貸出操作装置50に設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、この「貸出ボタン」をCRユニットに設けてもよいし、また、CRユニット及びCRパチスロ機の双方に「貸出ボタン」を設けるようにしてもよい。
【0126】
(3)BET枚数
また、上記した実施例1、2及び3では、MAXBET枚数をメダル3枚とする実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MAXBET枚数がメダル1枚、メダル2枚もしくはそれ以上の任意の枚数と規定されたCRパチスロ機にも本発明を同様に適用することができる。
【0127】
(4)実施例の組合せ
上記した実施例1、2及び3は、それぞれの実施例を独立して実施することもできるし、また、それぞれの実施例を任意に組合せて実施することもできる。例えば、実施例1、2及び3すべての機能を備えたメダル貸しシステムを構成するようにしてもよい。
【0128】
(5)その他
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0129】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上のように、本発明に係るメダル貸しシステム及びメダル貸し方法は、パチスロ遊技におけるBET操作を簡略化し、遊技客のパチスロ遊技に係る利便性を向上させることができるメダル貸しシステム及びメダル貸し方法に適している。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】実施例1に係る遊技システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】実施例1に係るメダル貸しシステム3の特徴を説明するための概念図である。
【図3】実施例1に係るCRユニット30及びCRパチスロ機40の外観を示した正面図である。
【図4】図3に示したCRユニット30の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図3に示したCRパチスロ機40の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】実施例1に係るCRユニット30の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例1に係るメダル貸し処理に関するCRユニット30及びCRパチスロ機40間の制御シーケンスを示す図である。
【図8】実施例2に係るメダル貸しシステム5の特徴を説明するための概念図である。
【図9】実施例2に係るCRユニット70の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例3に係るメダル貸しシステム7の特徴を説明するための概念図である。
【図11】実施例3に係るCRパチスロ機80の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図12】実施例3に係るBET可否判定処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 遊技システム
3,5,7 メダル貸しシステム
10 プリペイドカード管理T/C
20 島コントローラ
30,70,90 CRユニット
31 操作部
32 表示部
33 IF部
34 BVユニット部
35 カードリーダ(C/R)
36 カード収納部
37 搬送/繰出機構部
38 制御部
38a メダル貸し処理部
40,80 CRパチスロ機
41 操作部
42 表示部
43 IF部
44 リール駆動部
45a メダルホッパ
45b ホッパ駆動部
46 副制御部
46a 液晶パネル
46b スピーカ
47 記憶部
48 主制御部
48a 遊技制御部
48b BET受付処理部
48c 貸メダル供与制御部
81 BET可否判定部
50 貸出操作装置
60 カード発行機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、メダル貸し操作に応答して前記貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、
前記メダル貸し操作に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、
前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段と
を備えたことを特徴とするメダル貸しシステム。
【請求項2】
前記遊技可能BET枚数は、メダル3枚であって、
前記BET受付処理手段は、現BET受付枚数が0枚である場合には、前記貸メダル3枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が1枚である場合には、前記貸メダル2枚のBETを受け付けるように処理し、現BET受付枚数が2枚である場合には、前記貸メダル1枚のBETを受け付けるように処理することを特徴とする請求項1に記載のメダル貸しシステム。
【請求項3】
前記貸メダル供与制御手段は、前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御として、前記CRパチスロ機のクレジットに加算させるか、前記CRパチスロ機内部の投出機構から投出させるか、或いは、前記メダル貸し処理機内部の投出機構から投出させるかのいずれかの供与制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のメダル貸しシステム。
【請求項4】
賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、所定の紙幣の入金に応答して、該紙幣相当分の有価価値を遊技用記録媒体に価値付けるとともに、該遊技用記録媒体に価値付けた有価価値のうち所定分の有価価値を減算する減算処理を行い、該減算分の有価価値に相当する貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、
前記紙幣の入金に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、
前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段と
を備えたことを特徴とするメダル貸しシステム。
【請求項5】
賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムであって、
前記CRパチスロ機におけるBET操作を検出するBET操作検出手段と、
前記BET操作検出手段によってBET操作が検出された場合に、前記CRパチスロ機におけるクレジット残数が単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数以上であるか否かを判定するBET可否判定手段と、
前記BET可否判定手段によって遊技可能BET枚数に満たないと判定された場合に、前記メダル貸し指示を行うメダル貸し指示実行手段と、
前記メダル貸し指示実行手段によるメダル貸し指示に応答して、前記遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理手段と、
前記BET受付処理手段によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御手段と
を備えたことを特徴とするメダル貸しシステム。
【請求項6】
賞メダル並びに貸メダルの供与制御を行うCRパチスロ機と、メダル貸し操作に応答して前記貸メダルのメダル貸し指示を前記CRパチスロ機に行うメダル貸し処理機とからなるメダル貸しシステムに用いるメダル貸し方法であって、
前記メダル貸し操作に応答して、前記CRパチスロ機にて単位遊技を実行することが可能な遊技可能BET枚数に足りない不足分のメダルを前記貸メダルと引き換えにBETを受け付けるように処理するBET受付処理工程と、
前記BET受付処理工程によるBET受付分を除いた残りの貸メダルの供与制御を行う貸メダル供与制御工程と
を含んだことを特徴とするメダル貸し方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate