説明

メチレン化ポリスチレンの殺菌性粒子

【課題】殺菌性ポリマーを提供すること。
【解決手段】ペンダントN−ハラミンおよびN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレン。殺菌性粒子が、高度に架橋されたメチル化ポリスチレンビーズを出発物質として、種々のN−ハラミン前駆体化合物と反応させることにより、調製された。生じたポリマービーズは、塩素または臭素によりハロゲン化される。その多孔性ビーズは、多孔性ビーズは、使い捨てのオムツ、乳児の水着、失禁用パッド、包帯、生理用ナプキン、パンティライナー、マットレスカバー、靴中敷き、スポンジ、動物のトイレ砂、カーペット、および織物のような物品において吸収剤物質と混合された場合に、消毒の用途、ならびに衛生化および有害な臭気の制御のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、水および空気の濾過用途において病原性微生物およびウイルスを不活化し、それによりその水および/または空気をヒトの消費のために安全にするための、高度に架橋された多孔性N−ハラミン殺菌性ポリマーの使用に関する。本発明はまた、市販される製品(例えば、使い捨てオムツ、乳児の水着、失禁用パッド、包帯、生理用ナプキン、パンティライナー、スポンジ、マットレスのカバー、靴の中敷き、動物用トイレ砂、カーペット、織物、およびエアフィルター)における有害な臭気ならびに感染症を生じ得る微生物(例えば、細菌、真菌、および酵母)を不活化して、これらの製品を、一般的な使用条件の下で有害な臭気および病原性生物を含まなくするためのこれらのポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
種々の殺菌性ポリマー(例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム物質、ハロゲン化スルホンアミド、およびビグアナイド(Trends Polym.Sci.4:364(1996)参照))が、合成され、そして殺菌活性について試験されたが、N−ハラミンとして公知である比較的新しい種類の化合物が大いに優れた特性(殺菌効力、長時間の安定性、および効力が失われた際の再生能を含む)を有することが示された。殺菌性N−ハラミンポリマーの一つの例は、ポリ−1,3−ジクロロ−5−(4’−ビニルフェニル)ヒダントインであり、これは、ポリスチレンの安価な誘導体であり、そしてこれは特許文献1(本明細書中全体にわたり参考として援用される)に最初に記載された。水フィルターの消毒用途における使用のためのその殺菌性特性の次の開示が、近年示された(Ind.Eng.Chem.Res.33:168(1994);Water Res.Bull.32:793(1996);Ind.Eng.Chem.Res.34:4106(1995);J.Virolog.Meth.66:263(1997);Trends in Polym.Sci.4:364(1996);Water Cond.& Pur.39:96(1997)参照)。このポリマーは、広いスペクトルの病原体(Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Candida albicans、Klebsiella terrigena、Legionella pneumophila、およびロタウイルスなどを含む)に対して有効である。このポリマーは、水の消毒用途においておよそ数秒間の接触時間で大幅な対数減少を引き起こす。さらに、このポリマーは、少なくとも約4℃〜約37℃の範囲の室温で、少なくとも約4.5〜約9.0のpH値で効果的であり、かつ生物汚染により引き起こされる大きな塩素要求量を含有する水中においてさえも作用可能である。
【0003】
殺菌性ヒダントインポリマーは、水および有機化合物中に不溶性であり、従って液体培地においては移動しない。このポリマーは、乾式保存において長期間安定である(周囲温度おいて少なくとも一年の貯蔵寿命)。このポリマーは、工業規模で生産され得る。さらに、これまでに得られた全ての証拠は、このポリマーが接触においてヒトおよび動物に無毒であり、かつ感作しないことを示唆する。
【0004】
種々の微生物(特定の細菌、真菌、および酵母)は、他の有用な市販製品において不快な臭気を産生する体液(例えば、尿および血液)の分解または生物膜の形成を助長することが可能である。細菌(例えば、Bacterium ammoniagenesおよびProteus mirabilis)は、尿の分解を顕著にさせて、ウレアーゼ酵素の触媒機構により有害なアンモニアガスを形成することが公知である(例えば、特許文献2を参照)。このポリマーのポリ−1,3−ジクロロ−5−メチル−5−(4’−ビニルフェニル)ヒダントインは、Proteus mirabilisの不活化に有効であり、従ってアンモニアガスにより作り出される不快な臭気を最小にすることが、示された(米国特許出願第09/685,963号、(本明細書中に全体が参考として援用される)。また、このポリマーは、体液に不溶性であり、皮膚表面へ移動せず、従って使い捨てオムツ、失禁用パッド、包帯、生理用ナプキン、およびパンティライナーに有用である。
【0005】
しかし、均一な粒子としてポリ−1,3−ジクロロ−5−メチル−5−(4’−ビニルフェニル)ヒダントインの調製は、冗長であり、三工程の合成、および試薬(例えば、シアン化カリウムおよび二硫化炭素)の使用、ならびにそれら工程の内の一つにおける高圧リアクタの使用を必要とする。完全に塩素化された場合、このポリマーは、約20重量%の塩素と結合し、顕著な塩素の臭気を生じる。従って、新規の殺菌性化合物が、これら不利益がより少なくなるように開発されることが望まれる。
【0006】
米国特許出願第09/948,945号(本明細書中にその全体が参考として援用される)は、ペンダントN−ハラミンを有する高度に架橋されたポリスチレンの殺菌性ビーズを記載する。この出願において、先行技術における前述の欠点が取り扱われた。しかし、他の代替方法が望ましい。本出願は、先行技術の欠点を満たし、そしてさらに関連するアドバンテージを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,490,983号明細書
【特許文献2】米国特許第5,992,351号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、メチレン基によってスチレンのベンゼン環に結合するペンダントハロゲン化N−ハラミン基および非ハロゲン化N−ハラミン基を有する反復スチレン単位を有するポリマーに関する。非ハロゲン化形態は、N−ハラミン前駆体と呼ばれる。一つの局面において、本発明は、ペンダントN−ハラミン前駆体を有するメチレン化ポリスチレン化合物に関し、N−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレン化合物に関し、かつこれらの調製のための方法に関する。
【0009】
N−ハラミン基は、複素環式の単環式の4員環〜7員環であり、その環の少なくとも3個の成分は、炭素であり、その環の1〜3個の成分は、窒素ヘテロ原子であり、その環の0〜1個の成分は、酸素へテロ原子であり、そして0〜2個の炭素成分は、カルボニルである。少なくとも一つの環窒素は、これに結合している塩素原子または臭素原子を有する。前駆体N−ハラミン基は、どの環窒素にも塩素原子も臭素原子も欠く複素環式基である。前駆体N−ハラミン基は、全ての環窒素に結合している水素またはヒドロキシアルキル基を有し、この環窒素は、連結基に結合していない。一つの実施形態において、この連結基は、メチレン基である。このメチレン基は、N−ハラミンまたはN−ハラミン前駆基をポリスチレンのベンゼン環に結合する。N−ハラミンまたはN−ハラミン前駆基の代表は、ハロゲン化ヒダントイン、ハロゲン化イミダゾリジノン、ハロゲン化オキサゾリジノン、およびハロゲン化イソシアヌレートならびに非ハロゲン化ヒダントイン、非ハロゲン化イミダゾリジノン、非ハロゲン化オキサゾリジノン、および非ハロゲン化イソシアヌレートである。
【0010】
本発明のポリマー化合物は、メチレン化ポリスチレン粒子に由来することが好ましい。この粒子は、吸収性材料を伴う吸収性コアを有する吸収性物品に使用され得る。メチレン化ポリスチレンとは、このベンゼン環に結合しているメチレン基を有するポリスチレンをいう。このメチレン基は、N−ハラミンまたはN−ハラミン前駆基に対する結合である。代表的なメチル化ポリスチレンは、ポリ(p−メチル)スチレンである。代表的な官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(p−クロロメチル)スチレンである。本発明の一つの実施形態において、ジビニルベンゼンで架橋されているクロロメチル化ポリスチレンは、本発明の化合物を製造するための出発物質として使用される。しかし、他の架橋剤が、利用され得る。本発明の殺菌性化合物について認識される使用は、種々の細菌保有媒体(水、油、および空気が挙げられるが、これらに限定されない)の消毒である。本発明の化合物は、吸収性材料と混合され得、そして消毒用、および体液に含有される有機物質の分解により引き起こされる不快な臭気の予防のための吸収性物品へ組み込まれる。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、N−ハラミン前駆基を有するメチレン化ポリスチレンおよびその殺菌性誘導体の合成に関する。N−ハラミン前駆体は、少なくとも一つの環窒素が、ハロゲンに結合される場合、殺菌性にされる。好ましくは、このハロゲンは、塩素原子かまたは臭素原子のいずれかである。
【0012】
本発明の化合物を生成する一つの実施形態において、N−ハラミン前駆体に対して反応する高度に架橋された官能化メチル化ポリスチレンの多孔性ビーズが出発物質として使用される。このメチル化ポリスチレンは、ハロゲン(例えば、塩素原子)をメチル基上に配置して、N−ハラミンまたはN−ハラミン前駆基に対して反応するポリスチレンを作ることにより、官能化される。
【0013】
一つの実施形態において、本発明は、ポリスチレンを提供し、このポリスチレンは、メチレン基によりそのポリスチレンのベンゼン環のうちの少なくともいくつかに対して結合されているN−ハラミン前駆基を有する。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、ポリスチレンを提供し、このポリスチレンは、メチレン基によりそのポリスチレンのベンゼン環のうち少なくともいくつかに対して結合している殺菌性N−ハラミン基を有する。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明は、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成するための方法を提供する。この方法は、官能化メチル化ポリスチレンとN−ハラミン前駆体およびアルカリ金属塩基とを反応させて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程を包含する。一つの実施形態において、使用される官能化メチル化ポリスチレンは、約70℃〜約120℃の温度において、約12時間〜約96時間、N−ハラミン前駆体および上記塩基と反応させられる。このポリスチレンを殺菌性とするためには、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチレン化ポリスチレンをハロゲン化しペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを生成することが必要である。
【0016】
ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成するための代替的な実施形態は、N−ハラミン前駆体とアルカリ金属塩基とを反応させて、このN−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩を製造することを含む。一つの実施形態において、このN−ハラミン前駆体は、約25℃〜約100℃の温度において約15分間〜約2時間、上記アルカリ金属塩基と反応させられる。この方法は、上記N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩と官能化メチル化ポリスチレンとを反応させて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程を包含する。一つの実施形態において、使用される官能化メチル化ポリスチレンは、約70℃〜約120℃の温度において約4時間〜約96時間、N−ハラミン前駆体塩と反応させられる。ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを製造するいずれかの方法が、殺菌性誘導体を生成するために使用され、そしてその方法は、ペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを生成するためにペンダントN−ハラミン前駆基を有するハロゲン化メチル化ポリスチレンを必要とする。
【0017】
本発明の一つの実施形態は、水および空気の消毒のためのフィルター中における殺菌性ポリマー化合物の使用に関する。
【0018】
本発明の一つの実施形態は、適用例(使い捨てオムツ、乳児用水着、失禁用パッド、包帯、生理用ナプキン、パンティライナーなど)における消毒および体液の臭気の制御に関する。
【0019】
出発物質としてクロロメチル化ポリスチレンビーズを使用して本発明に従って製造される殺菌性化合物は、合成のために以前よりも少数の工程しか必要とせず、以前に生成されたN−ハラミンポリマー(米国特許第5,490,983号、Worleyら)よりも塩素ガス抜けが少ないが適切な殺菌性効力は維持する。クロロメチル化ポリスチレンビーズが、イオン交換樹脂および弱殺菌性ポリ第四級アンモニウム塩を調製するために従来利用された(米国特許第4,349,646号および米国特許第4,826,924号)が、強力な殺菌性N−ハラミン部分を伴っては官能化されなかった。
【0020】
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
メチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、ペンダントN−ハラミン前駆基を有する少なくとも3%架橋されている、メチル化ポリスチレン。
(項目2)
項目1に記載のメチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン前駆基は、ヒダントイン基を含む、メチル化ポリスチレン。
(項目3)
項目1に記載のメチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン前駆基は、イミダゾリジノン基を含む、メチル化ポリスチレン。
(項目4)
項目1に記載のメチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン前駆基は、イソシアヌレート基を含む、メチル化ポリスチレン。
(項目5)
項目1に記載のメチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン前駆基は、オキサゾリジノン基を含む、メチル化ポリスチレン。
(項目6)
項目1に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、架橋ポリスチレンである、メチル化ポリスチレン。
(項目7)
項目6に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、ジニルベンゼンで架橋されている、メチル化ポリスチレン。
(項目8)
項目6に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、約3〜約10%架橋されている、メチル化ポリスチレン。
(項目9)
項目6に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、約5〜約8%架橋されている、メチル化ポリスチレン。
(項目10)
ペンダントN−ハラミン基を有する、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目11)
項目10に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン基は、ヒダントイン基を含む、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目12)
項目10に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン基は、イミダゾリジノン基を含む、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目13)
項目10に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン基は、オキサゾリジノン基を含む、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目14)
項目10に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、前記N−ハラミン基は、イソシアヌレート基を含む、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目15)
項目10に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、架橋ポリスチレンである、メチル化ポリスチレン。
(項目16)
項目15に記載のメチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、ジビニルベンゼンで架橋されている、メチル化ポリスチレン。
(項目17)
項目15に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、約3〜約10%架橋されている、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目18)
項目15に記載の殺菌性メチル化ポリスチレンであって、該ポリスチレンは、約5〜約8%架橋されている、殺菌性メチル化ポリスチレン。
(項目19)
反復単位を有するポリマーであって、該単位は、式
【化1】


を有し、Rは、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含み、該ポリマーは、少なくとも3%架橋されている、ポリマー。
(項目20)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化2】


を有し、RおよびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、Xは、水素である、ポリマー。
(項目21)
項目20に記載のポリマーであって、RおよびRは、メチルである、ポリマー。
(項目22)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化3】


を有し、RおよびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、Xは、塩素または臭素である、ポリマー。
(項目23)
項目22に記載のポリマーであって、RおよびRは、メチルである、ポリマー。
(項目24)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化4】


を有し、RおよびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、Xは、水素である、ポリマー。
(項目25)
項目24に記載のポリマーであって、RおよびRは、メチルである、ポリマー。
(項目26)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化5】


を有し、RおよびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、Xは、塩素または臭素である、ポリマー。
(項目27)
項目26に記載のポリマーであって、RおよびRは、メチルである、ポリマー。
(項目28)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化6】


を有し、R、R、R、およびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、かつXは、水素である、ポリマー。
(項目29)
項目28に記載のポリマーであって、R、R、R、およびRは、メチルである、ポリマー。
(項目30)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化7】


を有し、R、R、R、およびRは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから独立して選択され、Xは、塩素または臭素である、ポリマー。
(項目31)
項目30に記載のポリマーであって、R、R、R、およびRは、メチルである、ポリマー。
(項目32)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化8】


を有し、Rは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから選択され、Xは、水素である、ポリマー。
(項目33)
項目32に記載のポリマーであって、Rは、メチルまたはエチルである、ポリマー。
(項目34)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化9】


を有し、Rは、C〜Cアルキル、フェニル、およびアリールから選択され、Xは、塩素または臭素である、ポリマー。
(項目35)
項目34に記載のポリマーであって、Rは、メチルまたはエチルである、ポリマー。
(項目36)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化10】


を有し、Xは、水素である、ポリマー。
(項目37)
項目19に記載のポリマーであって、Rは、式
【化11】


を有し、少なくとも一つのXは、塩素または臭素である、ポリマー。
(項目38)
ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチレン化ポリスチレンを製造する方法であって、該方法は、
官能化メチル化ポリスチレンとN−ハラミン前駆体およびアルカリ金属塩基とを反応させて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目39)
項目38に記載の方法であって、前記官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(クロロメチル)スチレンを含む、方法。
(項目40)
請求項(項目38に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体は、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含む、方法。
(項目41)
請求項(項目38に記載の方法であって、前記反応は、約70〜約120℃の温度で約12〜約96時間生じる、方法。
(項目42)
ペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを製造する方法であって、該方法は、
官能化メチル化ポリスチレンとN−ハラミン前駆体およびアルカリ金属塩基とを反応させ、ペンダントN−ハラミン前駆体を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程、ならびに
該ペンダントN−ハラミン前駆体を有するメチル化ポリスチレンをハロゲン化させて、該ペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目43)
項目42に記載の方法であって、前記官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(クロロメチル)スチレンを含む、方法。
(項目44)
項目42に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体は、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含む、方法。
(項目45)
項目42に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、炭酸塩を含む、方法。
(項目46)
項目42に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、水酸化物を含む、方法。
(項目47)
項目42に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、水素化物を含む、方法。
(項目48)
項目42に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、ナトリウム塩基またはカリウム塩基を含む、方法。
(項目49)
項目42に記載の方法であって、前記反応は、無水ジメチルホルムアミド中で生じる、方法。
(項目50)
項目42に記載の方法であって、前記反応は、無水ジメチルスルホキシド中で生じる、方法。
(項目51)
項目42に記載の方法であって、前記反応は、約70℃〜約120℃の温度で約12時間〜約96時間生じる、方法。
(項目52)
ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを製造する方法であって、該方法は、
N−ハラミン前駆体とアルカリ金属塩基とを反応させて該N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩を生成する工程;および
該N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩と官能化メチル化ポリスチレンとを反応させて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目53)
項目52に記載の方法であって、前記官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(クロロメチル)スチレンを含む、方法。
(項目54)
請求項52に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体は、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含む、方法。
(項目55)
請求項(項目52に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体と前記アルカリ金属塩基との反応は、約25℃〜約100℃の温度で約15分間〜約2時間生じる、方法。
(項目56)
請求項52に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩と前記メチル化ポリスチレンとの反応は、約70℃〜約120℃の温度で約4時間〜約96時間生じる、方法。
(項目57)
ペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを製造するための方法であって、該方法は、
N−ハラミン前駆体とアルカリ金属塩基とを反応させて、該N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩を生成する工程;
該N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩と官能化メチル化ポリスチレンとを反応させて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを生成する工程;および
該ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンをハロゲン化させて、該ペンダントN−ハラミン前駆基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを生成する工程、を包含する、方法。
(項目58)
項目57に記載の方法であって、前記官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(クロロメチル)スチレンを含む、方法。
(項目59)
請求項(項目57に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体は、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含む、方法。
(項目60)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、炭酸塩を含む、方法。
(項目61)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、水酸化物を含む、方法。
(項目62)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、水素化物を含む、方法。
(項目63)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩基は、ナトリウム塩基またはカリウム塩基を含む、方法。
(項目64)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩と前記メチル化ポリスチレンとの反応は、無水ジメチルホルムアミド中で生じる、方法。
(項目65)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩と前記メチル化ポリスチレンとの反応は、無水ジメチルスルホキシド中で生じる、方法。
(項目66)
項目57に記載の方法であって、前記N−ハラミン前駆体と前記アルカリ金属塩基との反応は、約25℃〜約100℃の温度で約15分間〜約2時間生じる、方法。
(項目67)
項目57に記載の方法であって、前記アルカリ金属塩と前記メチル化ポリスチレンとの反応は、約70℃〜約120℃の温度で約4時間〜約96時間生じる、方法。
(項目68)
吸収性物品であって、該吸収性物品は、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを含む、吸収性物品。
(項目69)
項目68に記載の吸収性物品であって、該吸収性物品は、吸収性材料をさらに含む、吸収性物品。
(項目70)
項目69に記載の吸収性物品であって、前記吸収性材料は、セルロースを含む、吸収性物品。
(項目71)
項目69に記載の吸収性物品であって、前記吸収性材料は、超吸収性ポリマーを含む、吸収性物品。
(項目72)
吸収性物品であって、該吸収性物品は、ペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンを含む、吸収性物品。
(項目73)
項目72に記載の吸収性物品であって、該吸収性物品は、吸収性材料をさらに含む、吸収性物品。
(項目74)
項目73に記載の吸収性物品であって、前記吸収性材料は、セルロースを含む、吸収性物品。
(項目75)
項目73に記載の吸収性物品であって、前記吸収性材料は、超吸収性ポリマーを含む、吸収性物品。
(項目76)
N−ハラミン前駆基を有するポリスチレンであって、該N−ハラミン前駆基は、該ポリスチレンのベンゼン環のうち少なくともいくつかに対してメチレン基によって結合されている、ポリスチレン。
(項目77)
殺菌性N−ハラミン基を有するポリスチレンであって、該殺菌性N−ハラミン基は、該ポリスチレンのベンゼン環のうち少なくともいくつかに対してメチレン基によって結合されている、ポリスチレン。
(項目78)
反復単位を有するメチル化ポリスチレンであって、該単位は、式
【化12】


を有し、Rは、ヒダントイン基、イミダゾリジノン基、オキサゾリジノン基、またはイソシアヌレート基を含む、メチル化ポリスチレン。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、以下の具体的な詳細な説明を実施形態およびここに含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0022】
本発明の一つの実施形態は、反復単位を有するポリマーを提供し、この反復単位は、構造
【0023】
【化13】

を有する。
【0024】
この反復単位のR部分は、
【0025】
【化14】

【0026】
【化15】

のN−ハラミン前駆体(Xが、水素である場合)またはN−ハラミン(Xは、塩素または臭素である場合)のうちから選択される。
【0027】
、R、R、およびRは、C〜Cアルキル、フェニル、またはアリールから独立して選択され、Xは、水素、塩素、または臭素であり、この化合物が、殺菌性N−ハラミンである場合は、これらの少なくとも一つは、塩素または臭素でなければならず、N−ハラミン前駆体についてはXは、塩素でも臭素でもない。「独立して選択される」は、C〜Cアルキル、フェニルおよびアリールから選択される部分を伴う一以上のR基の可能な全ての組み合わせを含む。従って、このR基は、全て同一の基であっても、全て異なる基であっても、任意の他の組み合わせであっても良い。ポリマー化合物が、ホモポリマーである場合、この反復単位は、連続的に現れ、またはこのポリマー化合物が、コポリマーである場合、この反復単位は、一以上の異なる反復単位を伴う。
【0028】
本発明の一つの局面において、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレン、およびペンダントN−ハラミン基を有する殺菌性メチル化ポリスチレンが、提供され、このN−ハラミン基およびN−ハラミン前駆基は、ハロゲン化ヒダントイン、ハロゲン化イミダゾリジノン、ハロゲン化オキサゾリジノン、もしくはハロゲン化イソシアヌレートまたは非ハロゲン化ヒダントイン、非ハロゲン化イミダゾリジノン、非ハロゲン化オキサゾリジノン、もしくは非ハロゲン化イソシアヌレートのいずれかである。
【0029】
一つの実施形態において、本発明は、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを提供する。このメチル化ポリスチレンは、高度に架橋されたクロロメチル化ポリスチレンから誘導される。ペンダントN−ハラミン基を有するこのメチル化ポリスチレンは、複素環式部分の窒素に結合したハロゲンの効力により殺菌性である。本発明のこのメチル化ポリスチレンは、高度に架橋され、そのため不溶性のポリマービーズである。一つの実施形態において、ペンダントN−ハラミン基を有するこのメチル化ポリスチレンは、殺菌性ポリマービーズである。
【0030】
この殺菌性ポリマービーズは、水、切削油、または空気の消毒のためのフィルターにおいて使用され得る。この殺菌性ポリマービーズは、吸収性材料と混合され得る。適切な吸収性材料としては、使い捨てオムツ中の材料が挙げられ、天然繊維および合成繊維を含む。この天然繊維の中には、最も一般には木材パルプに由来するセルロース繊維がある。合成繊維としては、ポリオレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレンおよびポリエチレンが挙げられる。超吸収性ポリマーは、本発明の殺菌性ポリマーと組み合わされ得る。吸収性物品においては、本発明の殺菌性ポリマーは、体液に関与する用途例(使い捨てオムツ、乳児用水着、失禁用パッド、包帯、生理用ナプキン、パンティライナー、マットレスのカバー、靴の中敷き、スポンジ、および動物用トイレ砂を含む)について、約0.1〜約5.0重量%、より好ましくは約1.0重量%より構成され得る。この重量%は、上記ポリマーと任意の吸収性コア成分(例えば、木材パルプ、任意の合成繊維または天然繊維、セルロース繊維、ポレオレフィン繊維、超吸収性ポリマーなど)との総重量に基づく。空気フィルター、コーティング、または利用可能なフィルター材料への殺菌性ポリマーの単なるはめ込みについては、約0.1〜約2.0重量%、より好ましくは約0.5〜約1.0重量%が、適していると考えられる。この重量%は、ポリマーと任意のフィルター材料との総重量に基づく。
【0031】
本発明の殺菌性ポリマービーズは、上記ビーズに触れる水または空気媒体中に含まれる病原性微生物およびウイルスを不活化する。いくつかの用途において、上記媒体をこのビーズへ貫流させ、そして接触させることが望ましい。この殺菌性ビーズは、有害な臭気を防止するかまたは最小化にする。この殺菌性ビーズは、体液中の有機物の分解を増強して、アンモニアまたは他の有害な物質にする微生物を、不活化すると考えられる。殺菌性である場合、微生物の不活化によってこのビーズは、空気フィルターにおける有害な臭気を防止するかまたは最小化にする。これらの微生物としては、白カビおよびカビを生ずるもの、ならびにビーズの表面に接触し得るいずれかの液体またはエアロゾルに由来するものが挙げられる。この殺菌性ポリマーの作用メカニズムは、微生物と、このポリマーのN−ハラミン基に共有結合する塩素原子または臭素原子との表面接触の結果であると考えられる。この塩素原子または臭素原子は、微生物の細胞へと転移される。微生物の細胞において、これらの塩素原子または臭素原子は、微生物の細胞において完全には理解されていないが、おそらくその生物に含まれる酵素内に含まれる必須基の酸化を含む機構を介して不活化を引き起こす。
【0032】
上記殺菌性ポリマービーズを組み込む広範な種類のカートリッジ式濾過装置が使用され得る(小さい水処理場ならびに大きな飛行機、ホテル、およびコンベンションセンターの空気処理システムにおける非常に大きな単位、ならびに家庭用のガラス瓶および水栓のために使用され得る小さなフィルター、ならびにバックパッキングおよび軍事分野での使用のための携帯用デバイスを含む)。広範な種類の吸収性材料および充填用材料が、上記殺菌性ポリマーと組み合わせて使用され得、有害な臭気を防止することを補助する。吸収性材料は、液体、エアロゾル粒子、および固体の汚染物質を、殺菌性ポリマービーズが、臭気を引き起こす微生物と接触し得るのに充分な期間、保持することが可能である。吸収性材料としては、膨張可能な粘土、ゼオライト、アルミナ、シリカ、セルロース、木材パルプ、超吸収性ポリマーおよび繊維(ポリオレフィン繊維(例えばポリプロピレン繊維およびポリエチレン繊維)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。この吸収性材料は、さらにアジュバント(例えば美容目的の脱臭剤、芳香剤、顔料、色素およびこれらの混合物)を含み得る。この殺菌性ポリマービーズは、オムツ、失禁用製品、乳児用水着、パンティライナー、生理用ナプキンなどの吸収性コア中に使用され得る。
【0033】
以前の臭気を制御する技術を超える本発明の殺菌性ポリマービーズの顕著な利点は、本発明のビーズが、市販の殺生物剤(第四級アンモニウム塩)よりも病原性微生物(例えば、S.aureusおよびP.aeruginosa)に対してずっと有効な殺生物剤であることである。この殺菌性ポリマービーズは、臭気を引き起こす微生物の不活化および疾患を引き起こす病原体の不活化という、二重の機能を供給し得る。従って、この殺菌性ポリマービーズは、医療環境における広範な用途を有する。
【0034】
本発明の実施は、ヒトおよび動物の両方の体液により生じる臭気ならびに風媒性および飲料水媒性の生物へ適用されるということが、理解されるべきである。
【0035】
別の局面においては、本発明は、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンおよびペンダントN−ハラミン基を有するメチル化ポリスチレンを生成するための方法を提供する。最初の事項として、N−ハラミン前駆体またはN−ハラミン基に対して反応するように官能化されたメチル化ポリスチレンが得られた。一つの実施形態において、このメチル化ポリスチレンは、塩素原子をメチレン基に対して結合することにより官能化される。ある代表的な官能化メチル化ポリスチレンは、ポリ(p−クロロメチル)スチレンである。架橋ポリ(クロロメチル)スチレンは、非常に小さな微粒子サイズからの範囲で商業的供給源から入手可能である。
【0036】
一般に、化学反応は、全ての反応物質が、この反応物質の最大限の接触を確保する溶媒和物に溶解された場合に、最もよく進む。高度に架橋されたクロロメチル化ポリスチレンビーズ(ジメチルホルムアミド(DMF)に不溶性であった)の不均質反応は、N−ハラミン前駆体化合物と混合されただけの場合にDMFにおいてよく進行したことは、予測されなかった。しかし、不均質相において実行された反応は、官能化メチル化ポリスチレンビーズに対するN−ハラミン前駆体の適切な反応を提供することから証明された。この殺菌性ポリマービーズは、出発物質の高度に架橋されたクロロメチル化ポリスチレン粒径に依存して種々の粒径で製造され得る。高度に架橋されたクロロメチル化ポリスチレンの別の利点は、このビーズが多孔性であり、効率的不均質反応を実施することが可能であることである。非多孔性ビーズは、同時に低殺菌性効力もまた伴って使用され得る。理想的には、本明細書中に記載される用途のために、この殺菌性ポリマービーズの粒径は、約100〜約1500μmの範囲内が好ましく、約200〜約800μmの範囲内がより好ましい。これらの範囲内の粒径は、微生物学により汚染された流体に適切な流動特性を提供し、そして作業者の呼吸器系が細かいエアロゾル化粒子に曝される危険性を低下させる。これらの二つの要因は、米国特許第5,490,983号に開示される粉末バージョンのポリ−1,3−ジクロロ−5−メチル−5−(4’−ビニルフェニル)ヒダントインまたはポリ−1,3−ジブロモ−5−メチル−5−(4’−ビニルフェニル)ヒダントインを超える顕著な改善を提供し、そして米国特許出願第09/685,963号に記載されるような臭気を制御するための使用を提供する。好ましくは、本明細書中で企図される用途について、この殺菌性ポリマービーズは、約10nm〜約100nmの範囲、より好ましくは、約30nm〜約70nmの範囲における孔径を有すべきである。この多孔性構造は、合成反応の工程において有利であり、それはこの高架橋化ビーズが、有機溶媒および水に不溶であるためである。出発物質のクロロメチル化ポリスチレンの架橋の程度は、約3重量%〜約10重量%の範囲内にし、硬度および溶解性の欠如を確実にするべきである。一つの実施形態において、架橋の程度は、約5重量%〜約8重量%である。多数の型の高架橋多孔性クロロメチル化ポリスチレンビーズが存在し、これらは、本発明の合成反応工程において使用され得る。架橋クロロメチル化ポリスチレンビーズの供給者としては、Suqing Group(Jiangyin,Jiangsu,PRC)およびPurolite Company(Philadelphia,PA)が挙げられる。
【0037】
ペンダントN−ハラミン前駆体を有するメチル化ポリスチレンを作製する代表的な方法は、以下のとおりである。一つの実施形態において、清潔な高架橋多孔性クロロメチル化ポリスチレンビーズが、媒体(例えば、DMF)に懸濁される。このクロロメチル化ポリスチレンビーズは、N−ハラミン前駆体(例えば、5,5−ジメチルヒダントイン)と、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸カリウム)の存在下で約70℃〜約120℃、好ましくは約95℃の温度で、約12時間〜約96時間反応させられて、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを産生する。この反応のための時間は、代表的に、炭酸アルカリ金属が使用される場合は、72時間である。
【0038】
代替的な実施形態において、このN−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩は、最初にN−ハラミン前駆体とアルカリ金属塩基とを約25℃〜約100℃の温度で、約15分間〜約2時間反応させることにより、調製される。このアルカリ金属塩基は、好ましくは、炭酸塩、水酸化物、または水素化物であり、そしてナトリウムまたはカルシウムから選択されるアルカリ金属を含む。このN−ハラミン前駆体とクロロメチル化ポリスチレンとの間の反応時間は、N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩が最初に調製される場合、減少する。次いで、この塩は、N−ハラミン前駆体のアルカリ金属塩とクロロメチル化ポリスチレンとの間のその後の反応において使用され、ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンを産生する。この続く反応のための時間および温度は、約70℃〜約120℃の温度で、約4時間〜約96時間であるが、代表的には約12時間以下である。従って、この全調製時間は、後者の2工程の反応方法を使用することにより減少させ得る。
【0039】
いずれかの方法により作製された単離生成物ビーズは、精製の目的で煮沸水中において洗浄される。ペンダントN−ハラミン前駆基を有するメチル化ポリスチレンビーズを作製した後、このビーズの水性懸濁液は、塩素化または臭素化されこのビーズに殺菌性を提供する。ハロゲン化は、水性塩基で、遊離塩素(例えば、ガス状の塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)または遊離臭素(例えば、液体臭素、臭化ナトリウム/ペルオキジ一硫酸カリウム)の供給源にこのビーズを曝すことにより達成される。塩素ガスが使用される場合、このリアクタは好ましくは、約10℃まで冷却され、望ましくない副作用を防止する。周囲温度は、遊離ハロゲンの他の述べられた供給源のために使用され得、そしてこの反応は、リアクタにおいて、または非ハロゲン化前駆体を詰められたカートリッジフィルター内においてインサイチュで実施され得る。これらの方法を使用して、ビーズの約6〜7重量%の塩素および約8〜9重量%の臭素の一般的な負荷が、通常得られる。
【0040】
本発明は、より詳細に以下の実施例に記載され、これらの実施例は、例示としてのみ意図される。なぜなら、これらの実施例における多数の改変および変更物は、当業者に明白であるからである。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
(塩素化したメチル化ポリスチレンヒダントインビーズの代表的な調製法)
180〜425μmの範囲の粒径を有するが未確定の孔径を有する5.6%架橋されたクロロメチル化ポリスチレンの多孔性ビーズ(20.85重量%の塩素を含有する)(Suqing Group(Jiangyin,Jiangsu,PRC)から得られる)を、25℃で30分間、アセトン(400mg/mL)にこのビーズを浸すこと、次いで濾過漏斗において3回アセトン(0.5mL/g)をこのビーズを通過させることにより、洗浄した。50℃において減圧下で恒量まで乾燥させた後、20.3g(約0.12モルの活性塩素)のビーズを、コンデンサを備えた250mLフラスコ中150mLの無水DMFに懸濁した。次いで16.5gの無水炭酸カリウム(0.12モル)および15.4g(0.12モル)の5,5−ジメチルヒダントインを添加し、そしてこの混合物を、95℃で72時間、撹拌した。この混合物を25℃まで冷却した後、吸引濾過を使用して、このビーズを単離した。次いでこのビーズを、15分間500mLの煮沸水に浸し、その後100mLの煮沸水で3回洗浄した。次いでこのビーズを、85℃で減圧下において恒量(27.2gまたは追加34.0%)まで乾燥させた。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、1715cm−1および1776cm−1に顕著なバンド(二つの予期されるカルボニル伸長バンド)を示し、これはヒダントイン官能基の存在を示した。
【0042】
次いで上記のようなヒダントイン官能基を有する10.0gの多孔性ビーズを、50mLの5.25%の次亜塩素酸ナトリウムおよび50mLの水(このpHは、2N酢酸の添加により7.5に調整した)を含むフラスコ中で懸濁した。この混合物を、25℃で45分間撹拌し、濾過し、そして25℃にて100mLの水で3回洗浄した。このように塩素化したビーズを、50℃で減圧下において、その重量が定常になるまで乾燥させた。チオ硫酸ナトリウム/ヨウ素滴定は、乾燥させたビーズの塩素負荷が、6.23重量%であることを示した。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、一塩素化ヒダントイン官能基について予想されるとおり1726cm−1および1790cm−1に顕著なバンドを示した。
【0043】
(実施例2)
(塩素化したメチル化ポリスチレンヒダントインビーズの代替的な代表的な調製法)
5,5−ジメチルヒダントインのカリウム塩を、25.6g(0.2モル)の5,5−ジメチルヒダントインと11.2g(0.2モル)の水酸化カリウムとを100mLの煮沸エタノール中で撹拌しながら反応させることにより、調製した。このエタノールおよび生成水を、白色の塩が得られるまで減圧下において除去した。この塩を、200mLの無水DMFに添加し、そして全ての塩が溶解されるまで95℃まで加熱した。次いで8.12g(約0.048モルの活性塩素)の清浄になったクロロメチル化ポリスチレンビーズを添加し、そしてこの混合物を、約100℃で12時間、撹拌しながら加熱した。ヒダントインの未反応カリウム塩およびDMFを、さらなる使用のためにリサイクルし、そしてヒダントイン基により官能化されたビーズを洗浄し、そして実施例1のような恒量まで85℃で減圧下において乾燥させた。この様式で調製したビーズの重量は、11.0g(追加35.5重量%)であった。実施例1のようなビーズの塩素化は、6.3重量%の塩素付加を生じた。この塩素化ビーズを調製する代替方法は、ヒダントイン部分による官能化のための反応時間が、かなり減少される(72時間から12時間まで)ので実施例1における方法よりも優れているようである。
【0044】
(実施例3)
(臭素化したメチレン化ポリスチレンヒダントインビーズの代表的な調製法)
実施例1に記載するように調製したメチル化ポリスチレンヒダントインビーズ(5.0g)を、40mLの10%次亜塩素酸ナトリウムおよび40mLの水を含有する溶液中に懸濁した。このpHは、2N酢酸を使用して7.0に調製した。この混合物を、25℃で1時間、撹拌した。この臭素化ビーズを、濾過により除去し、100mLの水で3回洗浄し、そして恒量が得られるまで減圧下で乾燥させた。チオ硫酸ナトリウム/ヨウ素滴定により決定された臭素の含有量は、8.2重量%であった。KBrペレットにおけるこのビーズの小サンプル(粉末まで粉砕)の赤外線スペクトルは、一臭素化ヒダントイン官能基の存在と一致する1714cm−1および1776cm−1で顕著なバンドを示した。
【0045】
(実施例4)
(塩素化したメチル化ポリスチレンヒドロキシメチルヒダントインビーズの代表的な調製法)
180〜425μmの範囲の粒径を有するが未確定の孔径を有する5.6%架橋されたクロロメチル化ポリスチレンの多孔性ビーズ(20.85重量%の塩素を含有する)(Suqing Group(Jiangyin,Jiangsu,PRC)から得られる)を、実施例1に記載するように洗浄した。50℃で減圧下において恒量まで乾燥させた後、10.57g(約0.062モルの活性塩素)のビーズを、コンデンサを備えた250mLフラスコ中150mLの無水DMFに懸濁した。次いで10.7gの無水炭酸カリウム(0.078モル)および12.3g(0.078モル)の1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントインを添加し、そしてこの混合物を、100℃で48時間撹拌した。この混合物を25℃まで冷却した後、吸引濾過を使用してヒダントイン基により官能化されたビーズを単離した。次いでこのビーズを、100mLの水で3回洗浄し、15分間250mLの煮沸水に浸し、そして続いて100mLの水で2回洗浄した。次いでこのビーズを、85℃で減圧下において恒量(13.98gまたは追加32.3%重量)まで乾燥させた。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、1715cm−1および1777cm−1に顕著なバンド(二つの予期されるカルボニルの伸長バンド)を示し、これはヒダントイン官能基の存在を示した。
【0046】
次いで上記のようなヒダントイン基を用いて官能化した5.0gの多孔性ビーズを、40mLの5.25%の次亜塩素酸ナトリウムおよび40mLの水(このpHは、2N酢酸の添加により7.5に調整した)を含むフラスコに懸濁した。この混合物を、25℃で1時間撹拌し、濾過し、そして25℃で100mLの水で3回洗浄した。このように塩素化したビーズを、50℃で減圧下において、その重量が定常になるまで乾燥させた。チオ硫酸ナトリウム/ヨウ素滴定は、乾燥させたビーズの塩素負荷が、6.83重量%であることを示した。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、一塩素化ヒロキシメチルヒダントイン官能基について予想されるとおり1728cm−1および1792cm−1に顕著なバンドを示した。
【0047】
(実施例5)
(塩素化したメチル化ポリスチレンイミダゾリジノンビーズの代表的な調製法)
250mLフラスコに2.84g(0.02モル)の2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(TMIO)(Tsao,ら、Biotech.Prog.7:60(1991)に記載されるように調製した、0.49g(0.02モル)の水素化ナトリウムおよび100mLの無水DMFを添加した。25℃で2時間この混合物を撹拌した後、6.0g(0.035モルの活性塩素)のクロロメチル化ポリスチレンビーズを、添加した。この混合物を、95℃で48時間、撹拌し、冷却し、濾過し、そしてイミダゾリジノン基により官能化したビーズを、100mLの水で2回洗浄し、次いで15分間煮沸水中に保持した。濾過後、このビーズを、再び100mLの水で二回洗浄し、次いで75℃で減圧下において恒量(6.65g)が得られるまで乾燥させた。追加重量%は、10.8%であった。この追加比率は、先の実施例において記載した他のビーズについての比率よりも小さかった。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、1613cm−1および1696cm−1に顕著なバンドを示し、これは複素環部分のアミド窒素においてこのポリマービーズにおそらく結合したイミダゾリジノン官能基の存在を示した。
【0048】
次いでイミダゾリジノン基を用いて官能化した3.4gのこのビーズを、25℃で1時間、pH7.5(4N酢酸の添加により調整された)において20mLの5.25%次亜塩素酸ナトリウムおよび20mLの水に浸した。濾過しそして100mLの水で3回洗浄した後、このビーズを、50℃で減圧下において、恒量になるまで乾燥させた。チオ硫酸ナトリウム/ヨウ素滴定は、乾燥させたビーズの塩素負荷が、2.85重量%であることを示した。KBrペレット中のこのビーズの小サンプル(粉体まで粉砕)の赤外線スペクトルは、1609cm−1および1717cm−1に顕著なバンド(やや小さい塩素負荷を示す)を示した。
【0049】
(実施例6)
(塩素化したメチル化ポリスチレンヒダントインビーズの安定性)
実施例1に記載するように調製した塩素化したメチル化ポリスチレンヒダントインビーズ(5.0g)を、約50℃で減圧下において、恒量を得るまで乾燥させた。これらのビーズを、フタをした褐色のボトルに保存した。90日間にわたって定期的に、サンプルを、チオ硫酸塩ナトリウム/ヨウ素滴定手順を使用する塩素含有量の分析的測定のために取り出した。このデータを、表1に示す。
【0050】
【表1】

このビーズの塩素の安定性は、非常に良く、そしてこのビーズが、96日より長く殺菌性であり続けると結論することが可能である。
【0051】
(実施例7)
(代表的な殺菌性ポリマービーズの殺菌効力の試験)
実施例1〜4において調製したビーズを、水中に含まれる二つの病原体に対する殺菌活性について試験した。この試験において、約3.3g〜3.4gの殺菌性ハロゲン化ビーズを、内径1.3cm、長さ約7.6cm(ビーズが空庄容積(empty bed volume)は、2.9〜4.4mLの範囲)を有するガラスカラムへ詰めた。非ハロゲン化ビーズの同一のサンプルカラムを調製しコントロールとして使用した。要求量のない水(demand−free water)を用いて、流出物中に検出し得る遊離塩素が0.2mg/L未満または遊離臭素が0.5mg/L未満になるまで洗浄した後、50mLの水性溶液(pH7.0にリン酸で緩衝化された、3.6〜5.5×10CFU(コロニー形成単位)/mLのグラム陽性細菌(Staphylococcus aureus(ATCC 6538))または4.9〜6.8×10CFU(コロニー形成単位)/mLのグラム陰性細菌(0157:H7 Escherichia coli(ATCC 43895))を含有する要求量のない水)を、約2.9〜4.4mL/秒の一様な流量でこのカラムにポンプで通し、1回の通過あたりカラム内で約1秒の接触時間を達成するようにした。この流出物の25μLのアリコートを、プレーティング前に0.02Nチオ硫酸ナトリウムを用いてクエンチングし、そして50mLの接種物の残りをこのカラムを通してすぐに再利用した。このプロセスを、さらに4回繰り返した(すなわち、このカラムを6回通過した)。この二種の細菌の完全な不活化(6.6〜6.8 log/mL)を達成するために必要な接触時間は、塩素化されたメチル化ポリスチレンヒダントインビーズについては1秒〜2秒であり、そして臭素化されたメチル化ポリスチレンヒダントインビーズおよび塩素化されたメチル化ポリスチレンヒドロキシメチルヒダントインビーズについては1秒以下であった。この塩素化されたメチル化ポリスチレンイミダゾリジノンビーズについては、より長い接触時間(S.aureusを6.6 log/mL減ずるために2〜3秒、およびE.coliを約4.0 log/mLに減ずるために約6秒)を必要とした。非ハロゲン化ビーズを含有するコントロールカラムは、同一の濃度の接種物を使用した場合、60秒より長い接触時間においていずれの細菌の減少ももたらさなかった。これはハロゲン化カラム中の細菌を、濾過によりただ排除したよりも不活化したことを示した。
【0052】
この実施例における結果は、実施例1〜5において記載されるように調製したビーズが、水性溶液中の細菌性病原体に対してかなりの効力を有すること、および水(特に再循環する水)の消毒に使用するために優れた物質であることを示す。
【0053】
(実施例8)
(臭気の制御)
実施例1に記載されるように調製した約6.2重量%の塩素負荷を含有するビーズを、Proteus mirabilisの不活化によりアンモニア発生を制御するこのビーズの効力について調べた。
【0054】
5mg〜10mgの塩化ビーズと1.0gの木材パルプ混合物(0.5重量%または1.0重量%のビーズ)を、混合器(Hamilton Beach 7 Blend Master Model 57100、ホイップ設定)中で200mLの蒸留水と混合することにより調製した。木材パルプのパッドを製造する減圧濾過および続いて、25℃で空気中において乾燥させた後、このサンプルを、ペトリ皿に置いた。
【0055】
高レベルの臭気を与えることが公知である接種物を処方した。この処方物は、25mLのプールされたヒトの女性の尿と1.25gの尿素と約1mLの約1.3×10CFU/mLのProteus mirabilisの水性懸濁液との混合物を9mL含有した。
【0056】
非ハロゲン化ポリマーを含むコントロールの木材パルプを含む各サンプルに、上に記載した処方物の1mLを接種し、そしてこのペトリ皿を、パラフィルムを用いて密閉して、そして37℃で24時間インキュベートした。次いで、このサンプルを、0.25mg/L〜30mg/Lの範囲の検出が可能であるDrager管(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA,およびLab Safety Supply,Janesville,WI)を使用してアンモニア産生について測定した。このコントロールサンプルは、2時間〜4時間の接触時間間隔において30mg/Lより大きいアンモニア濃度を記録し、一方塩素化サンプル(0.5%および1.0%のビーズ/木材パルプ混合物)は、4時間の接触後にわずか1.5〜2.0mg/L、ならびに24時間の接触後にわずか約2.0mg/Lのアンモニア濃度を記録した。
【0057】
この多孔性塩化ビーズが、木材パルプのような吸収性物質との非常に少ない混合物でさえアンモニア発生(従って、有害な臭気)を防止する点で非常に有効である、と結論できる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態を、例証しかつ記載したが、本発明の趣旨および目的から逸脱することなくこれらの実施形態において種々の変更をなし得ることが、理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の方法。

【公開番号】特開2010−18820(P2010−18820A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254474(P2009−254474)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【分割の表示】特願2004−550178(P2004−550178)の分割
【原出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(504087374)オーバーン ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】