説明

メトホルミン及びジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤の併用医薬組成物

本発明は、即時放出型のDPP−4阻害剤、シタグリプチン又は薬学的に許容されるその塩でコーティングされた、持続放出型のメトホルミン又は薬学的に許容されるその塩の固定容量の組み合わせを含む医薬組成物である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
2型糖尿病は、インシュリン抵抗性及びインシュリン分泌障害の二重内分泌性異常を伴う複合病態生理から生じる慢性及び進行性疾患である。2型糖尿病の治療は、通常は食事療法及び運動により開始され、続いて経口抗糖尿病単剤治療である。多くの患者にとって、これらの治療法は、長期治療の際に血糖を十分制御せず、診断後の数年以内に併用療法の必要性が生じる。しかし、2種以上の経口抗糖尿病薬の併用処方は、多くの患者にとって従うには複雑で困難な治療計画となる場合がある。2種以上の経口抗糖尿病剤を単一の錠剤に組み合わせることは、患者の毎日の薬の服用に複雑さを加えることなく併用療法を実施する潜在的な手段を提供する。そのような製剤は、高血圧(ロサルタンカリウム及びヒドロクロロチアジドの組み合わせであるHYZAAR(登録商標))及びコレステロール低下(シンバスタチン及びエゼチミブの組み合わせであるVYTORIN(登録商標))のような他の疾患適応症において十分に受け入れられてきた。有効で耐性の十分な治療の選択は、組み合わせ錠剤の設計において主要な工程である。更に、成分は、相補的作用機序及び適合する薬物動態学的プロフィールを有することが必須である。2種の経口糖尿病剤を含有する市販されている組み合わせ錠剤の例には、Glucovance(登録商標)(メトホルミン及びグリブリド)、Avandamet(登録商標)(メトホルミン及びロシグリタゾン)及びMetaglip(登録商標)(メトホルミン及びグリピジド)が含まれる。
【0002】
メトホルミンは、微小血管性及び大血管性糖尿病合併症の全体的な負担を低減し、2型糖尿病患者の寿命を延長することが証明されている唯一の経口抗糖尿病薬である。更に、メトホルミン治療は、多くの場合に、過体重の患者における体重の低減及び脂質異常症の患者における脂質プロフィールの改善と関連している。塩酸メトホルミンは、即時放出型又は持続放出型のいずれかで、500、750、850及び1000ミリグラムの錠剤投与強度の製剤として米国又は他の場所で市販されている。メトホルミンの持続放出型製剤は、活性薬剤の血漿のより均一な持続を与え、そして要求される投与頻度を減少することによる、より良好なコンプライアンスを提供するという観点から、即時放出型を超える利点を有している。
【0003】
ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤は、2型糖尿病患者の治療又は血糖コントロールの改善のために開発された新規なクラスの薬剤である。既に市販の許可がされているか、又は2型糖尿病の治療のための臨床開発下にある特定のDPP−4阻害剤には、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、メログリプチン、アログリプチン、デナグリプチン、カルメグリプチン、リナグリプチン、デュトグリプチン、P93/01(Prosidion)、Roche0730699、TS021(Taisho)及びE3024(Eisai)が含まれる。例えば、ヒト2型糖尿病患者へのシタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン及びサクサグリプチンの経口投与は、有意に低減されたHbA1cレベルを伴って、空腹時グルコース及び食後グルコース分泌を低減することがわかった。2型糖尿病治療のためのDPP−4阻害剤の適用に関する検討において、以下の文献が参照される:(1)A.H.Stonehouse,et al.,”Management of Type 2 diabetes:the role of incretin mimetics,Exp.Opin.Pharmacother.,7:2095−2105(2006);(2)B.D.Green,etal.,”Inhibition of dipeptidyl peptidase−IV activity as a therapy of Type 2 diabetes,”Exp.Opin.Emerging Drugs,11:525−539(2006);(3)M.M.J.Combettes,”GLP−1 and Type 2 diabetes:physiology and new clinical advances,”Curr.Opin.Pharmacol.,6:598−605(2006);及びR.K.Campbell,”Rationale for Dipeptidyl Peptidase 4 Inhibitors:A New Class of Oral Agents for the Treatment of Type 2 Diabetes Mellitus,”Ann.Pharmacother.,41:51−60(2007)。
【0004】
下記構造式Iを有するリン酸シタグリプチンは、(2R)−4−オキソ−4−〔3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ〔1,2,4〕トリアゾロ 〔4,3−α〕ピラジン−7(8H)−イル〕−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンのリン酸二水素塩である。
【0005】
【化1】

【0006】
一実施態様において、リン酸シタグリプチンは、結晶性一水和物の形態である。シタグリプチンの遊離塩及び薬学的に許容されるその塩は、米国特許第6,699,871号に開示されており、その内容は全体が引用例として本明細書に組み込まれる。結晶性リン酸シタグリプチン一水和物は、米国特許第7,326,708号に開示されており、その内容は全体が引用例として本明細書に組み込まれる。リン酸シタグリプチンは、米国、欧州、カナダ及びメキシコを含む、2型糖尿病の治療のために、いくつかの国において市販薬として認められており、米国及び他の場所でJANUVIA(登録商標)の商標をつけている。レビューとして、D.Drucker,et al.,”Sitagliptin,”Nature Reviews Drug Discovery,6:109−110(2007);C.F.Deacon,”Dipeptidyl peptidase 4 inhibition with sitagliptin:a new therapy for Type 2 diabetes,”Exp.Opin.Invest.Drugs,16:533−545(2007);K.A.Lyseng−Williamson,”Sitagliptin,”Drugs,67:587−597(2007);及びB.Gallwitz,”Sitagliptin:Profile of a Novel DPP−4 Inhibitor for the Treatment of Type 2 Diabetes(Update),”Drugs of Today,43:801−814(2007)を参照されたい。
【0007】
シタグリプチン及びメトホルミンの併用は、2型糖尿病患者において、実質的かつ追加的な血糖改善をもたらす(B.J.Goldstein,et al.,”Effect of Initial Combination Therapy with Sitagliptin,a DPP−4 Inhibitor,and Metformin on Glycemic Control in Patients with Type 2 Diabetes,”Diabetes Care,30:1979−1987(2007)及びB.Gallwitz,”Sitagliptin with Metformin:Profile of a combination for the treatment of Type 2 diabetes,”Drugs of Today,43:681−689(2007))。即時放出型のメトホルミン及びシタグリプチンの両者の固定用量併用剤は、メトホルミン又はシタグリプチン単独では十分に制御されない2型糖尿病の成人患者、又は既にシタグリプチン及びメトホルミンの併用治療を受けている患者のために、米国、欧州及びメキシコを含むいくつかの国において市販薬として認められている。この併用剤は、U.S.ではJANUMET(登録商標)としてブランド化されている。JANUMET(登録商標)は、シタグリプチン50mg及びメトホルミン500mg又は1000mgを含む。即時放出型のシタグリプチン及び即時放出型のメトホルミンの固定用量併用を含む医薬組成物が、2007年7月12日に公開されたPCT国際公開WO2007/078726に開示されている。
【0008】
メトホルミンの持続放出型製剤は、米国特許第6,340,475号;米国特許6,635,280号;米国特許第6,866,866号;米国特許第6,475,521;及び米国特許第6,660,300号に開示されている。持続放出型メトホルミン及びチアゾリジンジオン高血糖治療薬を含む医薬製剤が、WO 2004/026241(2004年4月1日)及びWO 2006/107528(200610月12日)に開示されている。DPP−4阻害剤及び低速放出型のメトホルミンを含む医薬組成物が、米国特許出願公開2007/0172525(2007年7月26日)及び米国特許出願公開2008/0064701(2008年3月13日)に開示されている。即時放出型の抗高血糖スルホニルウレアグリメピリド及び持続性メトホルミンの安定型医薬組成物は米国特許出願公開2007/0264331(2007年11月15日)に開示されている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、湿式又は乾式製造法により調製した、固定用量の、即時放出型シタグリプチンでコーティングされた持続放出型のメトホルミンの医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物の一実施態様においては、錠剤の投与形態、特にフィルムコート錠剤におけるものである。
【0010】
湿式又は乾式法による、シタグリプチン及びメトホルミンの固定用量併用医薬組成物の調製方法をも提供する。湿式法は湿式造粒を含む。
【0011】
本発明の他の態様は、本発明の医薬組成物の治療的有効量を、治療を必要とする宿主に投与することによる、2型糖尿病の治療法を提供する。
【0012】
本発明の、これら及び他の態様は、以下の詳細な説明から容易に明らかとなるであろう。
【0013】
発明の要旨
本発明は、即時放出形態のDPP−4阻害剤、シタグリプチン又は薬学的に許容されるその塩でコーティングされた、持続放出形態のメトホルミン又は薬学的に許容されるその塩を含む新規な医薬組成物、このような組成物の調製方法、並びにこのような組成物を用いた2型糖尿病の治療方法に関する。特に、本発明は、即時放出型のリン酸シタグリプチンでコーティングされた、持続放出型の塩酸メトホルミンを含む医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】塩酸メトホルミン500、850又は1000ミリグラムを含む持続放出型(マトリクス)錠剤コアと比較した、塩酸メトホルミン500ミリグラムを含む即時放出型(IR)錠剤のインビトロにおける溶解プロフィールを示すグラフである。
【図2】市販されている、即時放出型塩酸メトホルミン及び即時放出型リン酸シタグリプチンの固定用量併用剤であるJANUMET(登録商標)におけるリン酸シタグリプチンと比較した、本発明の医薬組成物における薬剤塗膜層からのリン酸シタグリプチンのインビトロにおける溶解プロフィールを示すグラフである。
【0015】
発明の詳細な記載
本発明の一態様は、即時放出型のDPP−4阻害剤、シタグリプチン又は薬学的に許容されるその塩でコーティングされた、持続放出型のメトホルミン又は薬学的に許容されるその塩の固定用量併用剤を含む医薬組成物に関する。この医薬組成物は、2種の抗高血糖薬の同時薬剤投与に適切な投与形態に製剤化される。特定の個体製剤は、即時放出型のリン酸シタグリプチンでコーティングした、持続放出型の塩酸メトホルミンの固定用量併用剤を含む錠剤に関する。
【0016】
シタグリプチンの好ましい薬学的に許容される塩は、前記構造式Iのリン酸二水素塩(リン酸シタグリプチン)である。リン酸二水素塩の好ましい形態は、米国特許第7,326,708号に開示されている結晶性一水和物であり、その内容は全体が引用例として本明細書に組み込まれる。
【0017】
シタグリプチン及び薬学的に許容されるその塩の調製は米国特許第6,699,871号に開示されており、その内容は全体が参照として本明細書に組み込まれる。リン酸シタグリプチン一水和物の調製は米国特許第7,326,708号に開示されており、その内容は全体が引用例として本明細書に組み込まれる。
【0018】
本発明の固定用量併用医薬組成物内に含まれる、無水シタグリプチン遊離塩(活性基)の単位投与量強度(unit dosage strength)は、25、50及び100ミリグラムである。すなわち、医薬組成物中で用いられる、リン酸シタグリプチン一水和物の無水シタグリプチン遊離塩に対する当量は、それぞれ32.125、64.25及び128.5ミリグラムである。
【0019】
本発明の固定用量併用剤中に包含される塩酸メトホルミンの単位投与量強度は、500、750、850及び1000ミリグラムである。この、塩酸メトホルミンの単位投与量強度は、米国内で2型糖尿病の治療のために市販することが承認されている投与量強度を表す。
【0020】
本発明の固定用量併用剤中のシタグリプチン及び塩酸メトホルミンの投与量強度(dosage strength)の特定の実施態様は以下の通りである:
【0021】
(1)シタグリプチン25ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物32.125ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン250mg;
(2)シタグリプチン25ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物32.125ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン500mg;
(3)シタグリプチン25ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物32.125ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン750mg;
(4)シタグリプチン25ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物32.125ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン850mg;
(5)シタグリプチン25ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物32.125ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン100mg;
(6)シタグリプチン50ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物64.25ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン500mg;
(7)シタグリプチン50ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物64.25ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン750mg;
(8)シタグリプチン50ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物64.25ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン850mg;
(9)シタグリプチン50ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物64.25ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン1000mg;
(10)シタグリプチン100ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物128.5ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン500mg;
(11)シタグリプチン100ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物128.5ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン750mg;
(12)シタグリプチン100ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物128.5ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン850mg;
(13)シタグリプチン100ミリグラム(リン酸シタグリプチン一水和物128.5ミリグラムと同等)及び塩酸メトホルミン1000mg。
【0022】
本発明の特定の態様においては、本発明の医薬組成物は、持続放出型物質を含む、塩酸メトホルミンの内核マトリクス製剤を含む。マトリクス製剤は、錠剤形態に圧縮される。本発明の態様の一実施態様においては、持続放出型物質は、20℃において水中に2%溶液で存在する場合に、少なくとも10,000cPのグレードの見かけ粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。この実施態様の一クラスにおいては、HPMCは、20℃において水中に2%溶液で存在する場合に、少なくとも80,000cPのグレードの見かけ粘度を有する。このクラスの一サブクラスにおいては、HPMCは、20℃において水中に2%溶液で存在する場合に約80,000cP〜約120,000cP(通常値100,000cP)のグレードの見かけ粘度を有する。他の実施態様においては、塩酸メトホルミンの薬物付加(drug loading)は約50%〜約70%の範囲である。
【0023】
メトホルミンマトリクス錠剤は、湿式又は乾式法により調製される。一実施態様においては、メトホルミンマトリクス錠剤は湿式加工法により調製される。この実施態様の一クラスにおいては、メトホルミンマトリクス錠剤は湿式造粒法により調製される。高せん断造粒又は流動床造粒のいずれかの湿式造粒を用いることができる。
【0024】
高せん断湿式造粒法においては、最初に塩酸メトホルミンを、造粒溶媒として水又は水性エタノール混合物を用いて適切な結合剤と混合する。一実施態様においては、高せん断造粒法は、3〜8%のレベルの造粒液体を用い、3.58m/秒の先端速度を用いる。次いで、得られる顆粒を乾燥し、分級し、約500〜約800ミクロンの範囲の平均粒子サイズとする。得られる顆粒から生成される成形体は、約200〜400MPaの範囲の圧縮圧力にわたり、約2〜約3メガパスカル[Mpa]の引張強度を示す。適切な結合剤の実施態様には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉1500、ポリビニルピロリドン(ポビドン)及びコポビドンが含まれる。好ましい結合剤はポリビニルピロリドン(ポビドン)である。
【0025】
次いで、分級したメトホルミンの顆粒を、場合により適切な流動促進剤及び/又は適切な滑沢剤を含んでいてもよい、前記で定義したような高粘度のHPMCからなり、約50%〜約70%の最終的なメトホルミンの薬物負荷を与える顆粒外賦形剤と混合する。最終的な配合製剤の引張強度は、約200MPa〜約400MPaの圧縮圧力にわたり約2.0MPa〜約2.5MPaである。最終混合物は、修飾されたカプセル形状のツーリングを用いて約30キロニュートン(kN)の圧縮力において回転機上で圧縮され、約30〜35キロポンド(kp)の錠剤硬度(破断荷重)をもたらす。
【0026】
滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、硬化ヒマシ油及びその混合物が含まれる。好ましい滑沢剤はステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウム又はその混合物である。流動促進剤の例には、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びタルクが含まれる。一実施態様においては、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素であり、滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムである。
【0027】
代表的なメトホルミンコア錠剤の組成を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
本発明の第二の態様においては、持続放出型メトホルミンコア錠剤は、25mg、50mg又は100mgに対応する最終的な乾燥固体の増量が得られるまでシタグリプチン塩の水性懸濁液によりコーティングされている。
【0030】
シタグリプチンコーティング懸濁液は、投与形態の後に続く経口接種を実施するためにシタグリプチンの急速な溶解及び吸収を可能にするために、薬剤が、実質的に非晶質形態として存在するように即時放出型ポリマーフィルム中で安定な固体溶液を生成するように設計されている。皮膜形成ポリマーの実施態様は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリビニルアルコール/PEG3350である。皮膜形成ポリマーとして用いられるHPMCの特定の形態はHPMC2910である。コーティング懸濁液は、場合により、グレード400〜3350のポリエチレングリコール及びクエン酸トリエチルのような可塑剤;含水ケイ酸アルミニウム(カオリン)のような分散剤;着色剤;及び酸化的分解を阻止する抗酸化剤からなる群から選択される1種以上の賦形剤を含んでもよい。抗酸化剤は、α−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコフェロールを豊富に含む天然起源の抽出物、L−アスコルビン酸並びにそのナトリウム又はカルシウム塩、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)からなる群から選択される。一実施態様においては、抗酸化剤は没食子酸プロピルである。
【0031】
シタグリプチンコーティング懸濁液を、全固体濃度が約12%〜17%w/wになるように調製する。シタグリプチンコーティング懸濁液をメトホルミンマトリクス錠剤に塗布し、活性薬剤成分(API)塗膜層中に蒸着した固体の量を調節し、所望のシタグリプチン投与量を実現する。リン酸シタグリプチン50mgの塗膜の効力は、100mgの効力の2分の1の増量を表す。
【0032】
代表的なシタグリプチン塗膜コーティング懸濁液の組成を表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
塗膜コーティング操作は、従来の、バッフルを備え、孔のあいた通気孔を有する皿中で実施し、約40℃〜約44℃の範囲の調節された排気温度で実施される。コーティング皿を通す噴霧速度及びエアフローは、錠剤ベッドの全体の幅の均一なコーティング及び範囲を引き起こすように調整される。塗布されるコーティング懸濁液の量は、錠剤コアの増量割合により調整され、通常は約19〜約22%の範囲である。この範囲は、シタグリプチンの含量均一性アッセイについて、約2〜4%の標準偏差を有し、所望の25mg、50mg又は100mgに近いシタグリプチン薬剤アッセイをもたらす。コーティング工程の時間は約4〜7時間である。
【0035】
本発明の最終的な医薬組成物は錠剤である。このような錠剤は、二酸化チタン及び/又は酸化鉄、色素及びレーキのような他の着色剤を含む、ヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物;二酸化チタン及び/又は酸化鉄、色素及びレーキのような他の着色剤を含む、ポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレングリコール(PEG)との混合物;又は他の任意の適切な即時放出型塗膜コーティング剤を用いて、更に塗膜コーティングしてもよい。コーティングは味を隠し、最終の錠剤を更に安定化させる。市販の塗膜コートは、Colorconにより供給される製剤化された粉末配合物のOpadry(登録商標)である。
【0036】
本発明の医薬錠剤組成物は、医薬品製剤の分野において公知の多種多様の賦形剤から選択される、1種以上の追加の製剤配合剤を含んでもよい。医薬組成物の望ましい特性によれば、多くの任意の成分を、錠剤組成物の調製における公知の使用に基づき、単独又は組み合わせて選択することができる。このような成分には、希釈剤、圧縮助剤、流動促進剤、崩壊剤、滑沢剤、香味料、調味料、甘味料及び保存料が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「錠剤」なる用語は、コーティングされているかコーティングされていないかに関わらず、任意の形態及びサイズの圧縮医薬投与製剤を意味する。
【0038】
一実施態様においては、メトホルミンマトリクス錠剤は湿式造粒(高せん断及び/又は流動床)により調製される。造粒は、造粒溶液を通すか、又は造粒機ボウルに加えた乾燥粉末に通すかのいずれかで結合剤を加え、顆粒を生成する工程である。湿式造粒法において関与する工程は以下の工程を含む。
【0039】
(1)活性薬剤成分、塩酸メトホルミンを造粒機ボウルに加え;
(2)工程Iに任意の崩壊剤を加え;
(3)高せん断造粒については、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルセルロース)を乾燥し、造粒機ボウルに加え、短時間乾燥混合し、次いで界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を含むか含まない水を加え;流動床造粒については、塩酸メトホルミンを造粒機ボウルに加え、水中に界面活性剤を含むか、又は含まない結合剤を含む造粒溶液を流動化させるために加え;
(4)高せん断造粒により調製された顆粒を、オーブン中でトレイ上で乾燥するか、又は流動床乾燥機中で乾燥させ、流動床造粒により調製された顆粒については、顆粒を流動床乾燥機中で乾燥させ、
(5)乾燥した顆粒を適切なミル中で再分級し;
(6)少なくとも10,000cP〜約800,000cPの見かけ粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを、適切なミキサー中で乾燥及び分級した顆粒と混合し;
(7)任意の希釈剤(例えば、微結晶性セルロース、二塩基性リン酸カルシウム二水和物)を、乾燥及び分級した顆粒と、適切なミキサー中で混合し;
(8)工程7からの配合物に、適切なミキサー中、滑沢剤及び流動促進剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム及びフマル酸ステアリルナトリウム)を加え;そして
(9)工程8からの潤滑化された顆粒混合物を、所望の錠剤イメージに圧縮する。
【0040】
本発明は、本発明の固定用量併用医薬組成物の1種の治療的有効量を、治療を必要とする宿主に経口的に投与することを含む、2型糖尿病の治療方法をも提供する。一実施態様においては、このような治療を必要とする宿主はヒトである。他の実施態様においては、医薬組成物は錠剤の投与形態である。固定用量の併用剤を含む医薬組成物は、1日に1回(QD)、1日に2回(BID)、1日に3回(TID)又は1日に4回投与してもよい。
【0041】
以下の実施例は、本発明の範囲内で、実施態様を更に説明及び実証する。実施例は、説明の目的のためにのみ与えられ、本発明を限定するものとして解釈されることを意図せず、本発明の多くの変形は、本発明の趣旨及び範疇を逸脱せずに可能である。
【0042】
実施例1
合計12%のリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を用いる、シタグリプチン50又は100ミリグラムと、塩酸メトホルミン1000ミリグラムとを含む固定用量併用剤
【0043】
【化2】

【0044】
実施例1の調製における工程
(1)適切なミルを通過させることにより、塩酸メトホルミンを解砕し;
(2)解砕したメトホルミン及びPVP乾燥粉末結合剤を高せん断造粒機の造粒機ボウルに移し、顆粒が生成するまで3〜8%のレベルの総乾燥粉末バッチサイズで水を用いて粒状にし;
(3)顆粒を、50℃のオーブン中、水分含有量が2%未満になるまで乾燥し;
(4)乾燥した顆粒を適切なミル中で分級し、約500〜800ミクロンの平均顆粒粒径を得;
(5)乾燥及び分級した顆粒を、Methocel K100M及び前もって選別した(メッシュ#60)二酸化ケイ素と混合し;
(6)前もって選別した(メッシュ#60)フマル酸ステアリルナトリウム及び工程5からの混合物を適切なミキサー中で混合し、最終混合物を生成し;
(7)工程6からの最終混合物を約30kNの主要な圧縮力で、回転式錠剤プレス内で圧縮し、目標重量範囲及び硬度で錠剤を生成し;
(8)リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を、適切なホモジナイザーを用いて、固体が溶解するまで、必要量の精製水中、全ての賦形剤(カオリンを除く)及びリン酸シタグリプチンを混合することにより調製し;
(9)前もって選別した(メッシュ#60)カオリン粉末を、リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液に加え、粉末がコーティング懸濁液中で均一に分散するまで適切なミキサーを用いて混合し;
(10)工程7からの圧縮錠剤コアを、単一又は複数のスプレーガンを取り付けたバッフルを備えた、側面に孔のあいた通気口を備えた、コーティング皿内に取り込み、錠剤ベッドの全体の幅を覆う噴霧ファンを作製し;
(11)40〜44℃の排気温度が、約270〜350立方フィート/分(CFM)の流入エアーフローに到達するまで、回転式コーティング皿中で錠剤ベッドを加温し;
(12)加温した、コーティングしていない錠剤の平均重量を、初期開始重量として測定し;
(13)適切な噴霧速度及び噴霧圧力で、リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を錠剤ベッドに噴霧し;
(14)要求される増量が得られるまで、錠剤重量を監視しながらリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液の噴霧を続け;
(15)シタグリプチン(遊離塩として)50mgに対する130mg当量、又はシタグリプチン(遊離塩として)100mgに対する260mg当量のほぼ乾燥したコートを錠剤コアの全体に蒸着し;
(16)噴霧を停止し、錠剤を乾燥し、コーティング皿から解放した。
【0045】
実施例2
合計17%のリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を用いる、シタグリプチン50又は100ミリグラムと、塩酸メトホルミン1000ミリグラムとを含む固定用量併用剤
【0046】
【化3】

【0047】
実施例2の調製における工程
(1)適切なミルを通過させることにより、塩酸メトホルミンを解砕し;
(2)解砕したメトホルミン及びPVP乾燥粉末結合剤を高せん断造粒機の造粒機ボウルに移し、顆粒が生成するまで3〜8%のレベルの総乾燥粉末バッチサイズで水を用いて粒状にし;
(3)顆粒を、50℃のオーブン中、水分含有量が2%未満になるまで乾燥し;
(4)乾燥した顆粒を適切なミル中で分級し、約500〜800ミクロンの平均顆粒粒径を得;
(5)乾燥及び分級した顆粒を、Methocel K100M及び前もって選別した(メッシュ#60)二酸化ケイ素と混合し;
(6)前もって選別した(メッシュ#60)フマル酸ステアリルナトリウム及び工程5からの混合物を混合し、最終混合物を生成し;
(7)工程6からの最終混合物を約30kNの主要な圧縮力で、回転式錠剤プレス内で圧縮し、目標重量範囲及び硬度で錠剤を生成し;
(8)リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を、適切なホモジナイザーを用いて、固体がコーティング懸濁液中で均一に分散するまで、必要量の精製水中、全ての賦形剤及びリン酸シタグリプチンを混合することにより分散し;
(9)工程7からの圧縮錠剤コアを、単一又は複数のスプレーガンを取り付けたバッフルを備えた、側面に孔のあいた通気口を備えた、コーティング皿内に取り込み、錠剤ベッドの全体の幅を覆う噴霧ファンを作製し;
(10)40〜44℃の排気温度が、約270〜350CFMの流入エアーフローに到達するまで、回転式コーティング皿中で錠剤ベッドを加温し;
(11)加温した、コーティングしていない錠剤の平均重量を、初期開始重量として測定し;
(12)適切な噴霧速度及び噴霧圧力で、リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を錠剤ベッドに噴霧し;
(13)要求される増量が得られるまで、錠剤重量を監視しながらリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液の噴霧を続け;
(14)シタグリプチン(遊離塩として)50mgに対する91mg当量、又はシタグリプチン(遊離塩として)100mgに対する182mg当量のほぼ乾燥したコートを錠剤コアの全体に蒸着し;
(15)噴霧を停止し、錠剤を乾燥し、コーティング皿から解放した。
【0048】
実施例3
合計12%のリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液及び10%のOpadry I(登録商標)白色懸濁液を用いる、シタグリプチン50又は100ミリグラムと、塩酸メトホルミン1000ミリグラムとを含む固定用量併用剤
【0049】
【化4】

【0050】
実施例3の調製における工程
(1)適切なミルを通過させることにより、塩酸メトホルミンを解砕し;
(2)解砕したメトホルミン及びPVP乾燥粉末結合剤を高せん断造粒機の造粒機ボウルに移し、顆粒が生成するまで3〜8%のレベルの総乾燥粉末バッチサイズで水を用いて粒状にし;
(3)顆粒を、50℃のオーブン中、水分含有量が2%未満になるまで乾燥し;
(4)乾燥した顆粒を適切なミル中で分級し、約500〜800ミクロンの平均顆粒粒径を得;
(5)乾燥及び分級した顆粒を、Methocel K100M及び前もって選別した(メッシュ#60)二酸化ケイ素と混合し;
(6)前もって選別した(メッシュ#60)フマル酸ステアリルナトリウム及び工程5からの混合物を適切なミキサー中で混合し、最終混合物を生成し;
(7)工程6からの最終混合物を約30kNの主要な圧縮力で、回転式錠剤プレス内で圧縮し、目標重量範囲及び硬度で錠剤を生成し;
(8)リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を、適切なホモジナイザーを用いて、固体が溶解するまで、必要量の精製水中、全ての賦形剤(カオリンを除く)及びリン酸シタグリプチンを混合することにより調製し;
(9)前もって選別した(メッシュ#60)カオリンを、リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液に加え、粉末がコーティング懸濁液中で均一に分散するまで適切なミキサーを用いて混合し;
(10)工程7からの圧縮錠剤コアを、単一又は複数のスプレーガンを取り付けたバッフルを備えた、側面に孔のあいた通気口を備えた、コーティング皿内に取り込み、錠剤ベッドの全体の幅を覆う噴霧ファンを作製し;
(11)40〜44℃の排気温度が、約270〜350CFMの流入エアーフローに到達するまで、回転式コーティング皿中で錠剤ベッドを加温し;
(12)加温した、コーティングしていない錠剤の平均重量を、初期開始重量として測定し;
(13)適切な噴霧速度及び噴霧圧力で、リン酸シタグリプチンコーティング懸濁液を錠剤ベッドに噴霧し;
(14)要求される増量が得られるまで、錠剤重量を監視しながらリン酸シタグリプチンコーティング懸濁液の噴霧を続け;
(15)シタグリプチン(遊離塩として)50mgに対する129mg当量、又はシタグリプチン(遊離塩として)100mgに対する258mg当量のほぼ乾燥したコートを錠剤コアの全体に蒸着し;
(16)噴霧を停止し、錠剤を乾燥し、コーティング皿から解放し;
(17)必要量の精製水中、Opadry I粉末を分散させることによりOpadryのカラー懸濁液を調製し、約10%(w/w)の濃度を得;
(18)工程16からのコーティングされた錠剤を、単一又は複数のスプレーガンを取り付けたバッフルを備えた、側面に孔のあいた通気口を備えた、コーティング皿内に取り込み、錠剤ベッドの全体の幅を覆う噴霧ファンを作製し;
(19)40〜44℃の排気温度が、約270〜350CFMの流入エアーフローに到達するまで、回転式コーティング皿中で錠剤ベッドを加温し;
(20)加温した、錠剤の平均重量を、初期開始重量として測定し;
(21)適切な噴霧速度及び噴霧圧力で、Opadryカラー懸濁液を錠剤ベッドに噴霧し;
(22)要求される増量が得られるまで、錠剤重量を監視しながらOpadryコーティング懸濁液を用いた噴霧を続け;
(23)31〜33mgのほぼ乾燥したオーバーコートを錠剤コアの全体に蒸着し、所望の最終的な錠剤の色及びイメージを作り出し;
(24)噴霧を停止し、錠剤を乾燥し、コーティング皿から解放する。
【0051】
本発明のいくつかのメトホルミンマトリクス錠剤についてのインビトロにおける溶解プロフィール(薬剤放出速度)を測定し、図1に示す。3種の持続放出型製剤は、ラベルクレームの約80%以上が約4〜8時間以内に溶解する、十分に区別されるメトホルミン薬剤放出速度を生じる。標的とする薬剤の放出時間は、メトホルミンの比較的狭い吸収ウインドウのために消化管からであった。回腸及び結腸の下部においてメトホルミンの吸収は最小であり、消化管の通過8時間後に投与形態で残存する薬剤の非吸収をもたらす。
【0052】
薬物塗膜層からのリン酸シタグリプチンの溶解プロフィールも測定し、図2に示す。溶解は30分以内に完了し、市販されている即時放出型の塩酸メトホルミン及び即時放出型のリン酸シタグリプチンの固定容量併用剤である、JANUMET(登録商標)中のリン酸シタグリプチンの溶解に匹敵することがわかった。
【0053】
本発明を、特定の実施態様を参照して開示及び説明したが、当業者は、種々の変形、修飾及び置換を本発明の趣旨及び範疇を逸脱せずになし得ることを理解するであろう。例えば、前記に記載の好ましい投与量以外の有効な投与量を、特定の病状について治療されるヒトの反応性における変化の結果として適用してもよい。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定され、このような請求の範囲は、妥当である限り広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩酸メトホルミン及び持続放出賦形剤を含む内核マトリクス組成物を含み、シタグリプチン又は薬学的に許容されるその塩を含む外皮即時放出型組成物、並びに少なくとも1種の賦形剤を含む錠剤の形態の医薬組成物。
【請求項2】
前記持続放出賦形剤が、水中に2%溶液で存在する場合に、少なくとも10,000cPの見かけ粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、水中に2%溶液で存在する場合に80,000cPの見かけ粘度を有する、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、水中に2%溶液で存在する場合に、約80,000〜約120,000cPの見かけ粘度を有する、請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記塩酸メトホルミンが、前記内核マトリクス組成物中に約50%〜約70%の量で存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記内核マトリクス組成物が、更に結合剤を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記結合剤がポリビニルピロリドンである、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
流動促進剤及び滑沢剤からなる群から選択される1種又は2種の賦形剤を更に含む、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、前記滑沢剤がフマル酸ステアリルナトリウムである、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記外皮コーティング即時放出型組成物が、更に皮膜形成ポリマー、並びに可塑剤、分散剤、着色剤及び抗酸化剤からなる群から選択される1種以上の賦形剤を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記皮膜形成ポリマーがHPMC2910である、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記可塑剤がポリエチレングリコール3350であり、前記分散剤が含水ケイ酸アルミニウムであり、前記抗酸化剤が没食子酸プロピルである、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記シタグリプチンの薬学的に許容される塩がリン酸二水素塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記シタグリプチンが、25、50又は100ミリグラムの単位投与量強度で存在し、前記塩酸メトホルミンが、500、750、850又は1000ミリグラムの単位投与量強度で存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1記載の医薬組成物をヒトに経口投与することを含む、治療を必要とするヒトにおける2型糖尿病の治療方法。
【請求項16】
最終的な即時放出型フィルムコートを更に含む、請求項1記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−510986(P2011−510986A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545056(P2010−545056)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/031087
【国際公開番号】WO2009/099734
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】