説明

メモリアクセス装置

【課題】リード要求のデータサイズとメモリのアクセス単位が一致していない場合でも高速にデータを読み出す。
【解決手段】メモリコマンド出力制御部90が、CPU10のリード要求に基づいてメモリ装置30からアクセス単位ごとにデータを読み出し、リード予備データ保持部60が、読み出されたデータのうち最後のアクセス単位のデータを保持する。CPU10から次のリード要求があった場合に、データ選択制御部70は、リード要求の対象となっているデータのうちリード予備データ保持部60に保持されていないアクセス単位のデータのみをメモリコマンド出力制御部90を介してメモリ装置30から読み出し、メモリ装置30から読み出したデータとリード予備データ保持部60の保持データをCPU10に返す。同一のアクセス単位を重複してメモリ装置30から読み出す必要がなく、これにより高速なデータ読み出しが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリからのデータの読み出しを高速化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のECC(Error Correcting Code)制御機能付メモリ制御装置は、ECC制御機能のないメモリ制御装置と比較して、データをメモリからリードする際にECCの検査および訂正の処理が余分に必要であり性能上不利である。
このため、従来のECC制御機能付メモリ制御装置は、リード要求の来ていない必要以上の先のアドレスのデータをある一定の量分あらかじめリードしてメモリ制御装置内のバッファに保持しておき、後にバッファ内にデータが記憶されているメモリのアドレスに対してリード要求が来た場合には、あらたにメモリに対するリード処理を行うことはせず、あらかじめリードして保持しておいたバッファ内のデータをリード要求元に送信することによって高速化を行っていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−149501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のメモリ制御装置は、水平ECC方式を採用し、データの幅方向にECC用のビット、またはECC用のメモリ素子を用意し(例えば図4で4の列をECC用ビット、またはデータとは別の素子とした場合)、なおかつ1回のメモリアクセスに必要となるサイズがリード要求元の要求するデータのサイズと同一か、いずれかがもう一方の整数倍である場合には効果があるが、その場合はメモリの素子にコストがかかるという課題がある。
【0005】
また、近年の組込み機器などでは、メモリの容量自体はさほど大きなものが必要ではなく、ECC用にデータ幅の広いメモリ素子の使用、またはECC用にメモリ素子を別途用意するなどのコストをかけないで製品の信頼性を向上することが求められている。
そのためデータの深さ方向にECCを付加する垂直ECC方式の採用も必要となってきているが、メモリ上のデータの配置が深さ方向にずれていくため、従来のメモリ制御装置ではデータをあらかじめ余分にリードしてバッファに保持しておくために、リード要求のあったアドレスがメモリ上の、メモリのアクセス単位に対して途中のアドレスであった場合には余分なリードアクセスが発生してしまうという課題がある。
【0006】
例えば、メモリでは垂直ECC方式を採用した図3のようなデータの配置がなされているが、リード要求元では図2のようなECCのないデータの配置でメモリのアドレスを認識している場合を想定する。
この場合に、ECCのないリード要求元のデータの配置(図2)上の10番地から16バイト(メモリのアクセス単位で1BANK分)をリードしようとすると、図3のメモリのアクセス単位(1BANKごと)ではBANK1とBANK2のリードが必要である。
このため、リード要求元のデータ配置(図2)上の次のBANKである20番地から1BANK分のリードを行うには、メモリのデータ配置(図3)ではBANK2とBANK3のリードが必要である。
このように、リード要求元のデータ配置(図2)上の10番地と20番地をリードするためには、BANK2(図3)を2回リードしなければならない。
あらかじめ先のアドレスまでバッファに先読みする従来の技術であっても、半端分が残るBANKまでリードした場合は、データとECCバイトが全て揃っている範囲内で、ECC検査、訂正を行い、バッファに入れるため、半端分を読み捨てる必要がある。
そして半端分のBANKのメモリリードが必要になった場合、再度同一のBANKをメモリから読み出す必要があり、効率的ではなかった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決することを主な目的としており、リード要求のデータサイズとメモリ装置のアクセス単位が一致していない場合でも高速にデータを読み出せる方式を実現することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るメモリアクセス装置は、
アドレス空間を特定サイズのアクセス単位で区切ってデータを記憶しているメモリ装置に接続され、
前記メモリ装置を用いるプロセッサ装置から前記メモリ装置内のデータに対するリード要求があった場合に、リード要求で要求されているデータが含まれるように前記メモリ装置からアクセス単位に従ってデータを読み出し、前記メモリ装置から読み出したデータを前記プロセッサ装置に対して出力するメモリアクセス部と、
前記メモリアクセス部により読み出されたデータのうち最後尾のアクセス単位のデータを選択して記憶するデータ記憶部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メモリ装置から読み出されたデータのうち最後尾のアクセス単位のデータをデータ記憶部にて保持するため、次のリード要求では、データ記憶部で保持されているアクセス単位以外のアクセス単位のみをメモリ装置から読み出せばよいので、リード要求のデータサイズとメモリ装置のアクセス単位が一致していない場合でも、同一のアクセス単位を再度メモリ装置から読み出す必要がなく、これにより高速なデータ読み出しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係るメモリ制御システムの構成例を示す図。
【図2】リード要求元で認識しているデータとアドレスの関係を例示する図。
【図3】メモリ装置におけるデータとアドレスの関係を例示する図。
【図4】データの幅方向にECC用のビットを用意した構成を示す図。
【図5】実施の形態2に係るメモリ制御システムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態では、リード要求のデータサイズに対してメモリ装置のアクセス単位が半端な場合におけるデータ読み出しの高速化を実現する方式を説明する。
図1は、本実施の形態に係るこの発明のメモリ制御システムの構成例を示す。
【0012】
図1において、10は、プロセッサ装置たるCPU(Central Processing Unit)である。
11は、CPUコマンドバスである。
12は、CPUデータバスである。
【0013】
30は、メモリ装置(以下、単にメモリ30とも表記する)である。
メモリ装置30は、図4に示すように、アドレス空間を特定サイズのアクセス単位(図4の場合は16バイト)で区切ってデータを記憶している。
【0014】
20は、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部である。
ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20は、CPU10からメモリ30に対するCPUコマンドバス11を通じて受信したアドレス情報を含むライト要求について、CPUデータバス12を通じて受信したデータに対しECCを付加する。
また、CPUコマンドバス11を通じて受信したアドレスをメモリ30上のアドレスに変換して、メモリ30に対してメモリコマンドバス100を通じてアドレス情報を含むライト要求を発行し、ライト対象データをメモリデータバス500を通じて送信する。
また、CPU10からメモリ30に対するCPUコマンドバス11を通じて受信したアドレス情報を含むリード要求について、CPUコマンドバス11を通じて受信したアドレスをメモリ30上のアドレスに変換して、メモリ30に対してメモリコマンドバス100を通じてアドレス情報を含むリード要求を発行し、メモリ30から受信したリードデータをメモリデータバス500を通じて受信する。
なお、CPU10とECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20との接続方法は、本構成のように1対1での接続でもよいし、I/Oバスとのブリッジやその他の機能手段が接続される汎用バスであってもよい。
【0015】
70は、データ選択制御部である。
データ選択制御部70は、CPU10からメモリ装置30内のデータに対するリード要求があった場合に、リード要求で要求されているデータが含まれるようにメモリ装置30からアクセス単位に従ってデータを読み出し、メモリ装置30から読み出したデータをECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20を介してCPU10に対して出力する。
より具体的には、データ選択制御部70はECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20からメモリ30に対して発行されたメモリコマンドをメモリコマンドバス100を介して入力し、メモリコマンドがメモリ30へのリード要求であった場合、リード予備データ保持部60に保持されているデータのメモリ30上に格納されているアドレスをリード予備データアドレス保持部50から入力して両者を比較し、比較した結果が一致した場合はリード予備データバス300から入力したリード予備データ保持部60のデータを選択してメモリデータバス500に出力し、比較した結果が一致しなかった場合はメモリ30からリードし、メモリデータインターフェースバス200を介して入力したデータを選択してメモリデータバス500に出力する。
また、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20からメモリ30に対して発行されたメモリコマンドをメモリコマンドバス100を介して入力し、メモリコマンドがメモリ30へのライト要求であった場合、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20からメモリデータバス500を介して入力したライトデータをそのままメモリ30へ出力する。
データ選択制御部70は、メモリコマンド出力制御部90とともに、メモリアクセス部を構成する。
【0016】
90は、メモリコマンド出力制御部である。
メモリコマンド出力制御部90は、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100を介して発行したメモリリードコマンドのアドレスがリード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスと一致した場合に、その情報をデータ選択制御部70からリード予備データアドレスヒット制御バス900によって受信し、メモリ30へはリードアクセスを出力しないようにする。
また、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100を介して発行したメモリリードコマンドのアドレスがリード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスと一致しなかった場合に、メモリ30に対してメモリリードアクセスを行う。
メモリコマンド出力制御部90は、データ選択制御部70とともにメモリアクセス部を構成する。
【0017】
60は、リード予備データ保持部である。
リード予備データ保持部60は、データ選択制御部70及びメモリコマンド出力制御部90により読み出されたデータのうち最後尾のアクセス単位(BANK)のデータを選択して記憶する。
リード予備データ保持部60は、データ記憶部の例である。
【0018】
50は、リード予備データアドレス保持部である。
リード予備データアドレス保持部50は、リード予備データ保持部60にデータが記憶される最後尾のアクセス単位のアドレス範囲を記憶する。
リード予備データアドレス保持部50は、アドレス記憶部の例である。
【0019】
また、100はメモリコマンドバスであり、200はメモリデータインターフェースバスであり、300はリード予備データバスである。
500はメモリデータバスであり、600はメモリデバイスコマンドバスであり、700はメモリコマンドデータ同期信号であり、900はリード予備データアドレスヒット制御バスである。
【0020】
なお、図1において、一点鎖線にて囲んでいる範囲が、本願のメモリアクセス装置に相当する。
【0021】
次に動作について説明する。
最初に、CPU10からメモリ30へのリード動作を説明する。
【0022】
CPU10は、メモリ30へのリード要求をCPUコマンドバス11を介してECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20に発行する。
ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20は、CPU10からのメモリ30へのリード要求を受信すると、メモリコマンド出力制御部90に対してメモリコマンドバス100を介してメモリ30へのリード要求を発行する。
【0023】
リード時は、データ選択制御部70はリード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスとECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100に出力したアドレスを比較し、一致した場合はデータ選択制御部70はリード予備データアドレスヒット制御バス900により、メモリコマンド出力制御部90に通知され、メモリコマンド出力制御部90はメモリ30に対してリードアクセスは発行しない。
この場合、データ選択制御部70はリード予備データ保持部60からリード予備データバス300を介して入力したデータをメモリデータバス500に出力する。
【0024】
一方、アドレスが一致しなかった場合、すなわち、データ選択制御部70がリード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスとECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100に出力したアドレスを比較した結果、両アドレスが一致しなかった場合は、メモリコマンド出力制御部90がメモリ30に対してリードアクセスを行う。
リードしたデータはメモリデータインターフェースバス200を介してデータ選択制御部70に入力する。
データ選択制御部70は、メモリデータインターフェースバス200から受信したデータをメモリデータバス500を介してECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20に出力する。
ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20は、メモリデータバス500から入力したデータについてECC検査、訂正処理を行ったあとCPU10にCPUデータバス12を介してデータを送信する。
また、データ選択制御部70はメモリデータインターフェースバス200から受信中のデータについて、次に受信するデータがメモリにアクセスする単位(1BANK)で最後のBANKであった場合にリード予備データアドレスヒット制御バス900を介してリード予備データ保持部60と、リード予備データアドレス保持部50に通知する。
次に受信するBANK単位のデータがリード中の最後のBANKの場合、リード予備データ保持部60はそのデータを格納し、リード予備データアドレス保持部50はそのアドレスを格納する。
【0025】
例えば、図3のメモリ上に配置されたデータについて、CPU10からはECCバイト分を除いた図2のように認識されている。
ここで、CPU10が0番地から1回のメモリアクセス単位であるf番地までをリードしようとすると、実際にはECCバイトを含めたメモリ30上の13番地まで必要となるため、ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20は図3のBANK0とBANK1のリードをメモリ30に要求する。
ここで、リード予備データ保持部60にてBANK1のデータを保持しないと、次にCPU10が図2の10番地から1回のメモリアクセス単位である1f番地までをリードしようとすると、図3のメモリ30上ではBANK1とBANK2のリードが必要であり、もう一度BANK1をリードしなければならず効率的ではない。
しかし、本実施の形態では、メモリアクセスの最後のBANKをリード予備データ保持部60に格納している。
このため、上記の例において、図3のBANK0とBANK1のデータをメモリ30から読み出した際に、最後のBANKのデータであるBANK1のデータをリード予備データ保持部60に格納する。
このため、次に、図2の10番地から1f番地までのリード要求(図3のBANK1とBANK2のリード要求)がきた場合は、BANK1はリード予備データ保持部60からデータを読み出し、BANK2のみメモリ30に対してリードアクセスすることで、CPU10より要求されたデータを返送することができる。
【0026】
特許文献1のように、例えばECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20の中で、あらかじめ先のアドレスまでリードしたデータをバッファに保持しておく場合でも、図2の0番地から1f番地までをリードして保持した場合は、メモリ30に対しては図3のBANK0、BANK1、BANK2のリードを発行しており、さらに先のアドレス20番地から2f番地をリードしようとすると、もう一度BANK2のリードが必要となり効率的ではない。
また、図3のメモリ上で、きりのよいアドレス(例えば4f番地)までをあらかじめリードしようとした場合には、バッファの容量を大きくしなければならず、またその先のリードが発行されなかったときは無駄となる。
さらにCPU10が汎用バスに接続されている場合は、CPU10以外のメモリリードを要求する手段が有った場合はCPU10が長時間メモリを占有することになり、システムの性能が犠牲になることもある。
【0027】
このように、本実施の形態では、垂直ECCを採用したメモリ構成において、アドレスがずれることによりメモリアクセス単位(BANK)について半端なメモリアクセスが発生する場合でも、その半端分のBANKのデータを保持することができ、半端分のBANKのデータについて重複してメモリアクセスを行う必要がなく、無駄なメモリアクセスを排除することができる。
【0028】
次に、CPU10からメモリ30へのライト動作について説明する。
【0029】
CPU10は、メモリ30へのライト要求をCPUコマンドバス11を介し、書き込みするデータはCPUデータバス12を介してECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20に発行する。
ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20は、CPU10からのメモリ30へのライト要求を受信すると、メモリコマンド出力制御部90に対してメモリコマンドバス100を介してメモリ30へのライト要求を発行する。
【0030】
ライトするデータはECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20によりECCを付加され、メモリデータバス500を介して送信するが、データ選択制御部70は、ライト時はメモリデータバス500から入力したデータをメモリデータインターフェースバス200に出力する。
ライト時は、データ選択制御部70はリード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスとECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100に出力したアドレスを比較し、一致した場合はリード予備データ保持部60は、リード予備データアドレスヒット制御バス900を受信してメモリデータインターフェースバスのデータを読み込んで格納し、リード予備データアドレス保持部50はメモリコマンドバス100から入力したアドレスを格納する。
【0031】
一方、アドレスが一致しない場合、すなわち、リード予備データアドレス保持部50に格納しているアドレスとECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20がメモリコマンドバス100に出力したアドレスを比較した結果、両アドレスが一致しなかった場合は、リード予備データ保持部60とリード予備データアドレス保持部50は格納しているデータ、アドレスを更新しない。
また、メモリコマンド出力制御部90はメモリコマンドバス100から受信したECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20からのライト要求に対し、メモリデバイスコマンドバス600を介してメモリ30に対しメモリライトコマンドを発行する。
ライトするデータはメモリデータインターフェースバス200を介してデータ選択制御部からメモリ30に転送されるが、メモリコマンドとの同期はメモリコマンドデータ同期信号700によって行う。
例えばメモリコマンドを発行したタイミングをメモリコマンドデータ同期信号700によってメモリコマンド出力制御部90からデータ選択制御部70に通知し、メモリコマンド出力制御部90はその情報からデータを出力するタイミングを計って出力するなどといった方法でよい。
ここは接続するメモリ30の種類によりタイミングは異なる。
【0032】
以上、本実施の形態では、
CPUとECC制御機能を備えメモリへのリードおよびライトアクセスを制御する手段を備えたシステムであって、
CPUがECCつきのデータをメモリからリードした際に、最後にアクセスしたメモリアクセスの単位分のデータを保持するリード予備データ保持部と、
リード予備データ保持部に格納されたデータのメモリ上のアドレスを保持するリード予備データアドレス保持部と、
リード予備データアドレス保持部とメモリアクセス要求のアドレスを比較する機能と比較した結果が一致した場合にリード予備データ保持部のデータを選択する手段と、
リード予備データアドレス保持部とメモリアクセス要求のアドレスを比較する機能と比較した結果が一致しなかった場合にメモリからリードしたデータを選択する部を備えたデータ選択制御部と、
リード予備データアドレス保持部とメモリアクセス要求のアドレスを比較する機能と比較した結果が一致した場合にメモリへのアクセス要求を出さない機能を備えたメモリコマンド出力制御部を備えるメモリ制御システムを説明した。
【0033】
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、CPUがメモリからリードしたときに最後にアクセスしたBANKのみを保持するようにしたものであるが、次にマルチタスクや、複数のリード要求元があるような場合に、複数のアドレスについて最後にアクセスしたBANKを保持する実施形態を示す。
図5は、このような場合のメモリ制御システムの一例を示す。
【0034】
基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、リード予備データ保持部51、リード予備データアドレス保持部61を追加し、複数のBANKデータを保持するため、データ選択制御部70は複数のリード予備データアドレス保持部とメモリコマンドバス100から入力するアドレスとの比較を行う。
また、複数のリード予備データ保持部とリード予備データアドレス保持部があるため、リードした最後のBANKをどのリード予備データ保持部に格納するかを選択するリード予備データ選択部1100と、そのアドレスをどのリード予備データアドレス保持部に格納するかを選択するリード予備データアドレス選択部1000を備える。
【0035】
次に、動作について説明する。
【0036】
基本的な動作は実施の形態1と同様であるが、リード予備データアドレス選択部1000はメモリからリードしたデータのアドレスをどのリード予備データアドレス保持部に格納するかを選択する。
例えば、リード予備データアドレス保持部51に格納されているアドレスの次のアドレスについてのリードだった場合は、そのリード予備データアドレス保持部51に格納する。
または最近使用されたリード予備データアドレス保持部に格納する。
または複数あるリード予備データアドレス保持部について順番に格納する。
これらの格納方法については、システムにとって都合のよい方法を選択すればよい。
【0037】
データ選択制御部70は、複数あるリード予備データアドレスとメモリコマンドバス100から入力するアドレスとの比較を行い、一致したアドレスがあるかないかの判断を行う。
一致したアドレスがあった場合は、リード予備データアドレスヒット制御バス900を介してメモリコマンド出力制御部90に通知し、メモリ30へのリードアクセスが発行されないようにする。
そして、一致したリード予備データアドレス保持部に対応するリード予備データ保持部のデータをデータ選択制御部70はメモリデータバス500を介してECC制御機能付メモリリード/ライト制御部20に出力する。
また、データ選択制御部70は、リード予備データ保持部に保持されていないデータについては、実施の形態1と同様に、メモリ装置30から対象となるデータを読み出し、CPU10に返す。
このとき、メモリ装置30から読み出したデータのうちの最後のBANKのデータは、いずれかのリード予備データ保持部に保持される。
【0038】
以上のように、複数のアドレスに対するメモリへの最後のBANKデータを保持するようにしているので、マルチタスクなどで発生する複数のアドレス系統へのアクセスに対応することができる。
また、CPU10だけでなくメモリへのアクセス要求元が複数ある場合にも複数のアドレス系統へのアクセスに対応することができる。
【0039】
以上、本実施の形態では、リード予備データ保持部と、リード予備データアドレス保持部を複数備えるメモリ制御システムを説明した。
【符号の説明】
【0040】
10 CPU、11 CPUコマンドバス、12 CPUデータバス、20 ECC制御機能付メモリリード/ライト制御部、30 メモリ装置、50 リード予備データアドレス保持部、51 リード予備データアドレス保持部、60 リード予備データ保持部、61 リード予備データ保持部、70 データ選択制御部、90 メモリコマンド出力制御部、100 メモリコマンドバス、200 メモリデータインターフェースバス、300 リード予備データバス、500 メモリデータバス、600 メモリデバイスコマンドバス、700 メモリコマンドデータ同期信号、900 リード予備データアドレスヒット制御バス、1000 リード予備データアドレス選択部、1100 リード予備データ選択部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレス空間を特定サイズのアクセス単位で区切ってデータを記憶しているメモリ装置に接続され、
前記メモリ装置を用いるプロセッサ装置から前記メモリ装置内のデータに対するリード要求があった場合に、リード要求で要求されているデータが含まれるように前記メモリ装置からアクセス単位に従ってデータを読み出し、前記メモリ装置から読み出したデータを前記プロセッサ装置に対して出力するメモリアクセス部と、
前記メモリアクセス部により読み出されたデータのうち最後尾のアクセス単位のデータを選択して記憶するデータ記憶部とを有することを特徴とするメモリアクセス装置。
【請求項2】
前記メモリアクセス部は、
リード要求があった場合に、リード要求で要求されているデータの一部が前記データ記憶部に記憶されていれば、前記データ記憶部に記憶されているデータを読み出すとともに、前記リード要求で要求されているデータのうち前記データ記憶部に記憶されているデータを除く部分が含まれるように前記メモリ装置からアクセス単位に従ってデータを読み出し、前記データ記憶部及び前記メモリ装置から読み出したデータを前記プロセッサ装置に対して出力することを特徴とする請求項1に記載のメモリアクセス装置。
【請求項3】
前記メモリアクセス装置は、更に、
前記データ記憶部にデータが記憶される最後尾のアクセス単位のアドレス範囲を記憶するアドレス記憶部を有し、
前記メモリアクセス部は、
前記アドレス記憶部に記憶されているアドレス範囲を参照して、前記リード要求で要求されているデータの一部が前記データ記憶部に記憶されているか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載のメモリアクセス装置。
【請求項4】
前記メモリアクセス装置は、
複数組のデータ記憶部とアドレス記憶部とを有することを特徴とする請求項3に記載のメモリアクセス装置。
【請求項5】
前記メモリアクセス部は、
リード要求があった場合に、複数のアドレス記憶部に記憶されているアドレス範囲を参照して、前記リード要求で要求されているデータの一部が記憶されているデータ記憶部を特定し、特定したデータ記憶部に記憶されているデータを読み出すとともに、前記リード要求で要求されているデータのうち前記データ記憶部に記憶されているデータを除く部分が含まれるように前記メモリ装置からアクセス単位に従ってデータを読み出し、前記データ記憶部及び前記メモリ装置から読み出したデータを前記プロセッサ装置に対して出力することを特徴とする請求項4に記載のメモリアクセス装置。
【請求項6】
前記メモリアクセス装置は、
垂直ECC(Error Correcting Code)方式によりECCビットが配置されているメモリ装置に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のメモリアクセス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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