説明

メモリカードソケット

【課題】複数種類のメモリカードに共用でき、かつメモリカードの装着時におけるコンタクトとコンタクトパッドとの接触状態を各種のメモリカードの性能を発揮するのに適した状態とすることができるメモリカードソケットを提供することにある。
【解決手段】高速型メモリカードMC2においては、パッドPが露出するパッド用空所110のメモリカードソケットへの挿入方向に沿った方向における長さが、従来型メモリカードMC1よりも相対的に長くなっている点に着目し、高速型メモリカードMC2のみに設けられたパッドP10に対応するコンタクトC10に、高速型メモリカードMC2のパッド用空所110の上記挿入方向側を向いた内面110aに当接せずに、従来型メモリカードMC1のパッド用空所110の内面110aに当接することによって、接触部81bをメモリカードMC1,MC2に共通のパッドP3から離間させる乗り上げ部81cを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードソケット、特にSDメモリカードやマルチメディアカード(MMC)などのメモリカードや、SDメモリカードと同様の大きさ及び端子配列を有するSDIOカードを挿抜自在に接続するためのメモリカードソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小型で大容量のメモリカードとしてSDメモリカードが提供されている。SDメモリカードは、当該SDメモリカードを使用する電気機器等に搭載されたメモリカードソケットに装着されて使用される(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
ところで、SDメモリカードとしては、図14(a)〜(c)に示すものが広く普及している。図14に示すSDメモリカードMC1は、書換可能な不揮発性の記憶素子(例えばフラッシュメモリなど)を含む回路部(図示せず)が内蔵された矩形板状のカード体100を備えている。SDメモリカードMC1は、カード体100の長手方向の一端部(図14(a)における上端部)からメモリカードソケットに挿入されるものであり、以下の説明では、カード体100の長手方向を前後方向と規定し、カード体100の長手方向の一端部(SDメモリカードMC1のメモリカードソケットへの挿入方向側の端部)を前端部という。
【0004】
図14に示すSDメモリカードMC1では、カード体100の厚み方向の一面(図14(b)における右面)側の前端部に、複数のパッド(コンタクトパッド)Pが、カード本体1の幅方向(図14(a)における左右方向)において並ぶ形に設けられている。SDメモリカードMC1は、データ転送用の4個のパッドPと、グラウンド用の2個のパッドPと、電源用の1個のパッドPと、コマンド用の1個のパッドPと、クロック用の1個のパッドPとの計9個のパッドPを備えている。なお、以下の説明では9個のパッドPを区別するためにパッドPを必要に応じて符号P1〜P9で表す。
【0005】
これらパッドPは、カード体100の上記一面側の前端部に形成される8つのパッド用空所110の底面(上記一面側を向いた面)に露出している。各パッド用空所110は前端側が開放されており(すなわちカード体100の上記一面の前端部には、前端側の面が低くなる段差が形成されており)、メモリカードソケットへの装着時には、メモリカードソケットのコンタクトC(図2参照)が前端側から挿入される。パッド用空所110内に挿入されたコンタクトCは、当該パッド用空所110内のパッドPと接触接続される。図14に示すSDメモリカードMC1では、パッド用空所110がカード体100の幅方向に8つ並ぶ形に設けられており、図14(a)における左側から1番目のパッド用空所110内にはパッドP1が、2番目のパッド用空所110にはパッドP2が、3番目のパッド用空所110内にはパッドP3が、4番目のパッド用空所110にはパッドP4が、5番目のパッド用空所110内にはパッドP5が、6番目のパッド用空所110にはパッドP6が、7番目のパッド用空所110内にはパッドP7が、8番目のパッド用空所110にはパッドP8,P9が露出している。
【0006】
また、隣接するパッド用空所110間には絶縁用のリブ106が配置されている。リブ106は、カード体100の前後方向を長手方向とする長尺状に形成されている。
【0007】
ところで、カード体100の幅方向における両側縁それぞれには突部101が形成され、カード体100の前端部の片方の角部(図14(a)の右上の角部)には、斜めに傾斜する(法線方向が図14(a)における左上方向を向いた面よりなる)切欠部102が形成されている。また、カード体100の幅方向における一側縁(図14(a)における左側縁)には、メモリカードソケットの係合爪との係合に使用される係合凹所103が形成され、他側縁(図14(a)における右側縁)には凹部104が形成されている。この凹部104を、ライトプロテクトスイッチの摘み105を前後方向にスライド移動自在に配置するためのものである。
【0008】
上述のSDメモリカードMC1は、動作モードを切り替えて使用することが可能であり、動作モードに応じて各パッドPの機能が切り替えられる。例えば、SDメモリカードMC1は、データの高速転送が可能なモードを有しており、当該モードでは、4個のコンタクトパッドを介してデータ転送を行うことで、1クロックサイクルで4ビットのデータ転送が可能である。
【0009】
このようなSDメモリカードMC1は、例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラのような映像記録機器(電気機器)の記憶媒体として使用されることが多い。
【0010】
近年では、映像記録機器の高精細度化が進んでおり、記憶媒体に記憶されるコンテンツが大容量化している。そのため、大容量のデータをリアルタイムで記録したり、コンピュータ等の外部機器に転送したりする場合に、上述の従来のSDメモリカードMC1ではデータの転送速度が十分速いとはいえず、データの転送等に比較的長い時間がかかっていた。
【0011】
そこで、データの転送速度を高速化した次世代のSDメモリカード(以下、高速型メモリカードという)が提案されている。
【0012】
高速型メモリカードMC2は、図15(a)〜(c)に示すように、主としてパッドPの配列が、上述した従来のSDメモリカード(以下、従来型メモリカードという)MC1と異なっている。すなわち、高速型メモリカードMC2は、従来型メモリカードMC1の9個のパッドPに加えて、高速モード(高速転送)用の4個のパッドPを備えている。なお、以下の説明では13個のパッドPを区別するためにパッドPを必要に応じて符号P1〜P13で表す。
【0013】
ここで、高速型メモリカードMC2における9個のパッドP1〜P9は、従来型メモリカードMC1と共通するコンタクトパッドである。一方、高速モード用の4個のパッドP10〜P13は、従来型メモリカードMC1にはないコンタクトパッドである。パッドP10,P11は、上記挿入方向(図15(a)における上方向)において共通のコンタクトパッドであるパッドP3と並ぶ形に配置され、当該パッドP3の代わりに使用される代替のコンタクトパッドである。同様に、パッドP12,P13は、上記挿入方向において共通のコンタクトパッドであるパッドP6と並ぶ形に配置され、当該パッドP6の代わりに使用される。
【0014】
高速型メモリカードMC2においては、パッドP3,P6は、前後方向の寸法が他のパッドP1,2,4,5,7〜9に比べて短くなっている。また、パッドP3,P6の前端位置は、他のパッドP1,P2,P4,P5,P7〜P9の前端位置よりも後方にあり、これによって、パッドP3の前端側にパッドP10,P11を、パッドP6の前端側にパッドP12,P13をそれぞれ幅方向に並べて配置するスペースを確保している。
【0015】
このような高速型メモリカードMC2は、従来型メモリカードMC1と同様の動作を行うSDモードと、より高速のデータ転送が可能な高速モードとを有している。SDモードでは、従来型メモリカードMC1と共通する9個のパッドP1〜P9が使用される。当該SDモードでは、上述したように4個のコンタクトパッドを用いて4ビットのデータを送受信する。一方、高速モードでは、パッドP3に代えてパッドP10,P11が、パッドP6に代えてパッドP12,P13が使用される(すなわち、高速モードでは、パッドP1,P2,P4,P5,P7〜13の計11個が使用される)。そして、高速モードでは、パッドP10,P11の対と、パッドP12,P13の対とによって、それぞれ1ビットの差動データ信号を送受信する。このような高速モードにおいては、SDモードよりも1クロックサイクルで伝送可能なビット数が少なくなるが、差動データを送受信することで動作クロックの周波数を飛躍的に高くできる。そのため、高速モードではSDモードに比べて高速なデータ伝送を実現できる。
【0016】
このように高速型メモリカードMC2を使用することによって、従来型メモリカードMC1を使用する場合に比べて高速のデータ転送が可能になり、データの転送等にかかる時間を短縮することができる。
【0017】
しかし、現状では、従来型メモリカードMC1に対応した電気機器が既に多く生産され、普及している。当然ながら、このような電気機器には、従来型メモリカードMC1に対応したメモリカードソケット(以下、従来型ソケットという)が採用されている。
【0018】
そのため、高速型メモリカードMC2は、従来型ソケットにも使用できる(従来型ソケットに装着した状態でもデータ伝送が可能となる)ことが要求されている。
【0019】
かかる点を考慮して、高速型メモリカードMC2の外形サイズは、従来型メモリカードMC1の外形サイズとほぼ同サイズに設定されている。しかし、高速型メモリカードMC2と従来型メモリカードMC1とを判別することができるように、高速型メモリカードMC2のカード体100の前端角部に設けられる切欠部107の形状を、従来型メモリカードMC1のカード体100の前端角部に設けられる切欠部102と異ならせている。
【0020】
高速型メモリカードMC2の切欠部107は、従来型メモリカードMC1と同じ位置でカード体100の前面に隣接する第1切欠部108と、第1切欠部108に連続して設けられ、カード体100の側面(図15(a)における左側面)に隣接する第2切欠部109とで構成される。第2切欠部109は第1切欠部108よりカード体100の後方にずらして設けられている。したがって、カード体100の前端角部には段差が形成されている。このような段差は、従来型ソケットと高速型メモリカードMC2に対応したメモリカードソケット(以下、高速対応型ソケットという)とにおいて、メモリカードソケットに対する高速型メモリカードMC2の位置を異ならせるために設けられている。
【0021】
すなわち、従来型ソケットに高速型メモリカードMC2の第1切欠部108と衝合する衝合部を設け、高速対応型ソケットに高速型メモリカードMC2の第2切欠部109と衝合する衝合部を設けることにより、従来型ソケットと高速対応型ソケットとで高速型メモリカードMC2の差し込み位置を前後方向(SDメモリカードMC1,MC2の挿抜方向)に異ならせることができる(高速対応型ソケットでは、従来型ソケットよりも高速型メモリカードMC2をより奥まで差し込むことができる)。
【0022】
これによって、高速型メモリカードMC2を高速対応型ソケットに装着した際には、当該ソケットのコンタクトを、パッドP3,P6ではなくこれらの前方に位置するパッドP10〜P13に接触させることができる。一方、高速型メモリカードMC2を従来型ソケットに装着した際には、当該ソケットのコンタクトをパッドP10〜P13ではなくこれらの後方に位置するコンタクトパッドP3,P6に接触させることができる。
【0023】
このように上記衝合部を有するメモリカードソケットでは、高速型メモリカードMC2と従来型メモリカードMC1との間に互換性を持たせることが可能となる。
【0024】
しかしながら、メモリカードソケットには、上記衝合部を具備しないものも存在する。上記衝合部を具備しない種類のメモリカードソケットでは、従来型メモリカードMC1と高速型メモリカードMC2とで挿入位置を異ならせることができないので、挿入位置によってメモリカードの種類を判別することができない。
【0025】
そこで、メモリカードの電気的特性によってメモリカードの種類を判別し、その判別結果に応じてコンタクトの切替/選択を行うメモリカードソケットが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このものでは、使用しないコンタクトをメモリカードソケットの内部回路から電気的に切り離すことによって、コンタクトの切替/選択を行う。
【特許文献1】特開2004−71175号公報
【特許文献2】特開2003−249290号公報
【特許文献3】特開2004−14499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
特許文献3に記載された技術を採用すれば、衝合部がないメモリカードソケットにおいても、メモリカードの種類を判別することが可能になり、これによって、従来型メモリカードMC1と高速型メモリカードMC2の両方を使用することが可能になる。
【0027】
しかしながら、このものでは、従来型メモリカードMC1の装着位置と高速型メモリカードMC2の装着位置とが同じになるから、従来型メモリカードMC1では使用されない高速モード用のコンタクトがパッドP3,P6に接触する場合がある。
【0028】
ここで、従来型メモリカードMC1に対しては使用しない高速モード用のコンタクトが、メモリカードソケットの内部回路から電気的に切り離されていたとしても、これら使用されないコンタクトがパッドP3,P6に接触していれば、高周波特性や信号伝送特性に悪影響が生じ、その結果、十分な性能を発揮できず、規定の転送速度に達しないという現象が起こってしまう。
【0029】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、複数種類のメモリカードに共用でき、かつメモリカードの装着時におけるコンタクトとコンタクトパッドとの接触状態を各種のメモリカードの性能を発揮するのに適した状態とすることができるメモリカードソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、書換可能な不揮発性の記憶素子が内蔵される矩形板状のカード体の厚み方向の一面側に複数のコンタクトパッドを備え、コンタクトパッドの配列により分類される複数種類のメモリカードを挿抜可能なカード挿入口を有し、当該カード挿入口から挿入されたメモリカードを保持するソケット本体と、ソケット本体に保持されたメモリカードの複数のコンタクトパッドと接触導通する複数のコンタクトとを備えるメモリカードソケットであって、カード体の上記一面側におけるメモリカードソケットへの挿入方向側の端部には、上記一面側を向いた面にコンタクトパッドが露出するとともに上記挿入方向側からコンタクトが挿入されるパッド用空所が設けられ、複数のコンタクトパッドには、上記複数種類のメモリカード全てが有する共通のコンタクトパッドと、上記挿入方向において共通のコンタクトパッドと並ぶ形に配置され当該共通のコンタクトパッドの代わりに使用される代替のコンタクトパッドとがあり、代替のコンタクトパッドを有するメモリカードにおいては、上記挿入方向に沿った方向におけるパッド用空所の長さが、代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードよりも相対的に長くなっており、複数のコンタクトには、共通のコンタクトパッドに接触導通される共通のコンタクトと、代替のコンタクトパッドに接触導通される代替のコンタクトとが含まれ、代替のコンタクトは、代替のコンタクトパッドに接触される接触部と、乗り上げ部とを有し、乗り上げ部は、代替のコンタクトパッドを有するメモリカードの装着時にはパッド用空所における上記挿入方向側を向いた内面に当接せず、かつ代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードの装着時にはパッド用空所の上記内面に当接して接触部が当該パッド用空所内の共通のコンタクトパッドから離間する形に代替のコンタクトを変形させるように接触部よりも代替のコンタクトの先端側に位置していることを特徴とする。
【0031】
請求項1の発明によれば、代替のコンタクトパッドを有するメモリカードの装着時には、乗り上げ部がパッド用空所の内面に当接しないから、代替のコンタクトの接触部が代替のコンタクトパッドに接触して、代替のコンタクトと代替のコンタクトパッドとの間が接触導通する。一方、代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードの装着時には、乗り上げ部がパッド用空所の内面に当接し、これによって、接触部が当該パッド用空所内の共通のコンタクトパッドから離間する形に代替のコンタクトが変形するので、代替のコンタクトと共通のコンタクトパッドとの間が絶縁される。このように、代替のコンタクトパッドを有するメモリカードの装着時には、代替のコンタクトパッドに代替のコンタクトが接触し、代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードの装着時には、共通のコンタクトパッドに代替のコンタクトが接触しないから、信号伝送特性が変化して十分な性能を発揮できず、規定の転送速度に達しないという問題が発生することを回避することができる。その結果、複数種類のメモリカードに共用しながらも、メモリカードの装着時におけるコンタクトとコンタクトパッドとの接触状態を各種のメモリカードの性能を発揮するのに適した状態とすることが可能となる。
【0032】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記代替のコンタクトは、金属材料により上記接触部と上記乗り上げ部が一体に形成されてなることを特徴とする。
【0033】
請求項2の発明によれば、代替のコンタクトを容易に製造することができ、低コスト化を図ることができる。
【0034】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、少なくとも上記乗り上げ部は、長尺状の金属板を長手方向に直交する面内における断面形状がL字形状となるように折り曲げてなることを特徴とする。
【0035】
請求項3の発明によれば、乗り上げ部の強度を向上させることができるので、乗り上げ部がパッド用空所の内面に当たることによって乗り上げ部が塑性変形して、設計どおりの動作を行うことができなくなってしまうことを抑制することができる。
【0036】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、上記乗り上げ部は、絶縁性を有する材料よりなることを特徴とする。
【0037】
請求項4の発明によれば、乗り上げ部が金属材料よりなる場合に比べれば、コンタクトにおける金属部分を少なくすることができるので、耐ノイズ性能を向上することができ、高周波特性の改善が図れる。また、乗り上げ部が共通のコンタクトパッドと接触することによって代替のコンタクト間が短絡されることを防止することができる。
【0038】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、上記パッド用空所内に露出する複数の上記代替のコンタクトパッドそれぞれに対応する上記代替のコンタクトの上記乗り上げ部は、相互に連結されていることを特徴とする。
【0039】
請求項5の発明によれば、代替のコンタクトにおいてパッド用空所の上記内面と当接する部位の面積(接触面積)を増やすことができ、安定した動作が可能になる。また、複数の代替のコンタクトの乗り上げ部を相互に連結したことによって、代替のコンタクトが同じタイミングで変形するようになるから、代替のコンタクトの接触部が離間するタイミングを揃えることができる。さらに、寸法誤差などによって一の代替のコンタクトの乗り上げ部がうまく機能しない場合でも、他の代替のコンタクトの乗り上げ部によって一の代替のコンタクトの接触部を共通のコンタクトパッドから離間させることが可能になる。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、複数種類のメモリカードに共用でき、かつメモリカードの装着時におけるコンタクトとコンタクトパッドとの接触状態を各種のメモリカードの性能を発揮するのに適した状態とすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
(実施形態1)
本実施形態のメモリカードソケットは、従来技術で説明した従来型のSDメモリカードMC1(図14参照)と高速型のSDメモリカードMC2(図15参照)との両方に対応可能としたメモリカードソケットである。これらメモリカードMC1,MC2は、従来技術で説明したとおり、書換可能な不揮発性の記憶素子が内蔵される矩形板状のカード体100の厚み方向の一面側に複数のパッドPを備えており、パッドPの配列(すなわち、パッドPの数や配置位置など)により高速型か従来型かに分類される。
【0042】
本実施形態のメモリカードソケットは、図2および図4に示すように、複数種類のメモリカードMC1,MC2を挿抜可能なカード挿入口3aを有し、カード挿入口3aから挿入されたメモリカードMC1,MC2を保持するソケット本体3と、ソケット本体3に保持されたメモリカードMC1,MC2の複数(従来型メモリカードMC1にあっては9本、高速型メモリカードMC2にあっては13本)のパッドPと接触導通する複数(本実施形態では13本)のコンタクトCを保持するコンタクトブロック4とを備えている。なお、以下の説明では、複数のコンタクトCを区別するために必要に応じて符号C1〜C13で表す。
【0043】
ソケット本体3は、図4に示すように、扁平な矩形箱状に形成されており、ベースシェル1およびカバーシェル2からなる。なお、以下の説明では、説明の簡略化のために特に断りがない限り、図4に示すように、ソケット本体3の厚み方向を上下方向、幅方向を左右方向、SDメモリカードMC1,MC2が挿抜される方向を前後方向と規定するが、これはメモリカードソケットの取付方向を限定するものではない。
【0044】
ベースシェル1は、例えば厚さが極薄い矩形板状のステンレス金属板に打ち抜き加工かつ曲げ加工を施すことにより形成され、左右両端部を上側に折り曲げて側片1bを形成したものであり(但し、左側の側片は図示せず)、上側および前後両側が開放されている。ベースシェル1の前部および右側部には下側に突出する複数個の突出片1cが折り曲げ形成されており、これらの突出片1cをコンタクトブロック4の基体(保持体)6下面に開口した圧入溝(図示せず)に圧入することで、ベースシェル1の下面にコンタクトブロック4が圧入固定されるようになっている。なお、ベースシェル1の前端よりやや後方には、コンタクトブロック4に保持されるコンタクトCを逃がすための貫通孔1dが複数形成されている。また、ベースシェル1の後側縁の左端には、メモリカードMC1,MC2の通過位置よりも外側の位置から下側方向に突出し、さらにその先端側が前方に突出する側面視L字形の支持片1eが折り曲げ形成されている。
【0045】
カバーシェル2は、厚さが極薄い矩形板状のステンレス金属板に打ち抜き加工かつ曲げ加工を施すことにより形成され、カバーシェル2の前縁からは上方に突出する曲げ片(図示せず)が折り曲げ形成されている。また、カバーシェル2には、曲げ片よりもやや後端寄りの位置に、上方に突出する複数個の突出片(図示せず)が切り起こしによって形成されている。したがって、下面にコンタクトブロック4の基体6が固定されたベースシェル1の下側にカバーシェル2を載置して、カバーシェル2の突出片をコンタクトブロック4の基体6に設けた圧入溝(図示せず)に圧入するとともに、カバーシェル2の周縁部とベースシェル1との当接部位をレーザ溶接などの方法で溶接することにより、カバーシェル2がベースシェル1およびコンタクトブロック4に対して固定され、前面にカード挿入口3aが開口する扁平な箱状のソケット本体3が構成される。
【0046】
コンタクトブロック4は、図2に示すように、上下方向における平面視形状が略コ字形に形成された樹脂成形品からなる基体6を備えている。基体6は、ベースシェル1およびカバーシェル2の前側辺に沿って配置されて、ソケット本体3の前面を閉塞する側部6aと、側部6aの左右両側部から後方に突出しベースシェル1の側片1bに沿って配置される一対の側部6b,6bとで構成されている。
【0047】
また、本実施形態のメモリカードソケットは、メモリカードMC1,MC2をソケット本体3に対して固定する機能と、ソケット本体3からの取り出しを容易にする機能とを実現するスライダ機構部を備えている。当該スライダ機構部は、スライダ5と、付勢ばね7と、スライダロック手段とで構成されている。スライダ5は、合成樹脂成形品からなり、メモリカードMC1,MC2の左側縁に沿って前後方向に移動する短冊形の側部5aと、側部5aの先端部(前端部)から右側方に突出してカード体100の切欠部102(高速型メモリカードMC2にあっては第1切欠部108)に当接する側部5bとが一体に形成されている。したがって、従来型メモリカードMC1がカード挿入口3aから挿入された際には、従来型メモリカードMC1の切欠部102が側部5bの傾斜面と衝合し、高速型メモリカードMC2がカード挿入口3aから挿入された際には、高速型メモリカードMC2の第1切欠部108が側部5bの傾斜面と衝合する。その結果、メモリカードMC1,MC2をソケット本体3に挿入する際に、メモリカードMC1,MC2を介して押力を受けてスライダ5は前方に移動する。なお、図2中の5cは、スライダ5の側部5bと他の部材との干渉を避けるための逃げ溝である。
【0048】
付勢ばね7は、スライダ5を後方(カード挿入口3a側)に常時付勢するコイルばねよりなる。スライダロック手段は、スライダ5の最前部位置への移動後のメモリカードMC1,MC2の押力の解除時に、スライダ5を所定位置(図2に図示する位置)でロックし、該ロック後にメモリカードMC1,MC2への押力が加わってスライダ5が前方移動するときにロックを解除するものである。このようなスライダロック手段は、従来周知のものを採用することができるから詳細な構成の図示および説明は省略する。
【0049】
次に本実施形態のメモリカードソケットの特徴となるコンタクトC1〜C13について説明する。
【0050】
コンタクトC1〜C13は、高速型メモリカードMC2に設けられた複数のパッドP1〜P13(I/O接触面)にそれぞれ個別に接触導通するものである。これらコンタクトC1〜C13は、コンタクトブロック4の基体6の側部6aに圧入あるいは側部6aと同時成形されており、これによって高速型メモリカードMC2のパッドP1〜P13に対応する各位置に保持されている。なお、高速型メモリカードMC2においては、パッドP10,P11がパッドP3の前方に、パッドP12,P13がパッドP6の前方に位置している。そのため、本実施形態のメモリカードソケットでは、コンタクトC10,C11とコンタクトC3、コンタクトC12,C13とコンタクトC6とが接触しないように、コンタクトC10〜C13をコンタクトC1〜C9より上方に位置させている。
【0051】
コンタクトC1〜C9は、メモリカードMC1,MC2に共通して設けられるパッドP1〜P9にそれぞれ接触導通される共通のコンタクトであり、側部6aの後面側(カード挿入口3a側)より突出される接触端子80と、側部6aの前面より突出される半田付け端子9とを備えている。なお、コンタクトC1〜C9は同形状のものであるから、代表してコンタクトC3についてのみ説明する。また、図1では、分かり易さを考慮してパッドP3,P10を簡略化して図示している。
【0052】
コンタクトC3の接触端子80は、弾性を有する金属材料製の板材より曲成され、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片80aと、ばね片80aの先端部(後端部)に設けられる接触部80bとを連続一体に有している。接触部80bは、左右方向に直交する面内(図1(a)における紙面内)における断面形状が下方に凸となる円弧状に形成されている。このようなコンタクトC3の側部6aからの突出量は、メモリカードMC1,MC2の装着時に、接触部80bを対応するパッドP3と弾接させることができる大きさに設定される。
【0053】
コンタクトC10〜C13は、高速型メモリカードMC2にのみ設けられる高速伝送用のパッドP10〜P13にそれぞれ接触導通される高速モード用のコンタクト(代替のコンタクト)であり、側部6aの後面側(カード挿入口3a側)より突出される接触端子81と、側部6aの前面より突出される半田付け端子9とを備えている。なお、コンタクトC10とコンタクトC12は同形状であり、コンタクトC11とコンタクトC13は同形状かつコンタクトC10と左右対称となる形状であるから、代表してコンタクトC10についてのみ説明する。
【0054】
コンタクトC10の接触端子81は、コンタクトC3同様に弾性を有する金属材料により形成されており、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片81aと、パッドP10に接触される接触部81bと、乗り上げ部81cとを連続一体に有している。ばね片81aは接触部81bが所定の接圧でパッドP10と接触するように中腹部で折り曲げられている。接触部81bは、高速型メモリカードMC2の装着時にパッドP10と対向するばね片81aの側縁部(左側縁部)より下方に垂設されており、その先端面は、下方に凸となる円弧状に形成されている。
【0055】
乗り上げ部81cは、高速型メモリカードMC2の装着時には接触部81bをパッドP10に接触させ、従来型メモリカードMC1の装着時には接触部81bをパッドP3から離間させるためのものである。この乗り上げ部81cは、図5(a)〜(d)に示すように、代替のパッドP10〜P13を有する高速型メモリカードMC2のパッド用空所110の長さ(メモリカードソケットへの挿入方向に沿った方向における長さであり、メモリカードソケットへの挿入方向側を向いたパッド用空所110の内面110aとカード体100の前端縁との距離に等しい)L1が、代替のパッドP10〜P13を有しない従来型メモリカードMC1のパッド用空所110の長さL2よりも相対的に長くなっていることを利用して、接触部81bをパッドP3から離間させる。
【0056】
乗り上げ部81cは、高速型メモリカードMC2の装着時(図1(a),(b)参照)にはパッド用空所110の上記内面110aおよびパッド用空所110内のコンタクトC3に当接せず、かつ従来型メモリカードMC1の装着時(図1(c),(d)参照)にはパッド用空所110aの内面110aに当接して、カード体100によって上方に持ち上げられることによって接触部81bがパッド用空所110内のパッドP3から離間する形にコンタクトC10を変形させることができるように、接触部81bよりもコンタクトC10の先端側に設けられている。
【0057】
このような乗り上げ部81cは、左右方向に直交する面内における断面形状が下方に凸となるく字形に形成されている。これによって、乗り上げ部81cにおいてパッド用空所110の内面110aと対向する面がパッド用空所110の内面110aに当接した際に、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに沿ってカード体100の上面側に移動し易く(すなわちコンタクトC10が変形し易く)している。
【0058】
以上により本実施形態のメモリカードソケットは構成されており、以下に本実施形態のメモリカードソケットにメモリカードMC1,MC2を装着した際の各コンタクトC1〜C13の状態について図1を参照して説明する。
【0059】
高速型メモリカードMC2の装着時には、図1(a),(b)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たらないので、コンタクトC10は上記のように変形しない。そのため、接触部81bがパッドP10に接触し、パッドP10とコンタクトC10との間が電気的に導通する。また、コンタクト10の乗り上げ部81cはパッドP3に当接(接触)しないため、パッドP3を介してコンタクトC10,C11間が短絡されることがない。この点はコンタクトC11〜C13においても同様であり、また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0060】
一方、従来型メモリカードMC1の装着時には、図1(c),(d)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たるため、乗り上げ部81cはパッド用空所110内からカード体100の後端部側に乗り上げるように上方に移動させられる。これによって、コンタクトC10は、接触部81bがパッドP3から離間する形に変形することになり、その結果、パッドP3とコンタクトC10との間が電気的に絶縁される。この点はコンタクトC11〜C13においても同様である。また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0061】
以上述べたように、本実施形態のメモリカードソケットは、書換可能な不揮発性の記憶素子が内蔵される矩形板状のカード体100の厚み方向の一面側に複数のパッドPを備え、パッドPの配列により分類される複数種類のメモリカードMC1,MC2を挿抜可能なカード挿入口3aを有し、当該カード挿入口3aから挿入されたメモリカードMC1,MC2を保持するソケット本体3と、ソケット本体3に保持されたメモリカードMC1,MC2の複数のパッドPと接触導通する複数のコンタクトCとを備えている。
【0062】
複数のコンタクトCには、メモリカードMC1,MC2に共通のパッドP1〜P9に接触導通される共通のコンタクトC1〜C9と、メモリカードMC2のみに設けられパッドP3,P6の代わりに使用される代替のパッドP10〜P13に接触導通される代替のコンタクトC10〜C13とが含まれている。
【0063】
そして、代替のコンタクトC10〜C13は、パッドP10〜P13に接触される接触部81bと、乗り上げ部81cとを有しており、乗り上げ部81cは、高速型メモリカードMC2の装着時にはパッド用空所110の内面110aに当接せず、かつ従来型メモリカードMC1の装着時にはパッド用空所110の内面110aに当接して接触部81bが当該パッド用空所110内の共通のパッドP3,P6から離間する形に代替のコンタクトC10〜C13を変形させるように接触部81bよりも代替のコンタクトC10〜C13の先端側に位置している。
【0064】
そのため、代替のパッドP10〜P13を有するメモリカードMC2の装着時には、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当接しないから、代替のコンタクトC10〜C13の接触部81bが代替のパッドP10〜P13に接触して、代替のコンタクトC10〜C13と代替のパッドP10〜P13との間が接触導通する。一方、代替のパッドP10〜P13を有しないメモリカードMC1の装着時には、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当接し、これによって、接触部81bが当該パッド用空所110内の共通のパッドP3,P6から離間する形に代替のコンタクトC10〜C13が変形するので、代替のコンタクトC10〜C13と共通のパッドP3,P6との間が絶縁される。
【0065】
このように、高速型メモリカードMC2の装着時には、高速モード用のコンタクトC10〜C13が高速モード用のパッドP10〜P13に接触し、従来型メモリカードMC1の装着時には、高速モード用のコンタクトC10〜C13が共通のパッドP3,P6に接触しないから、高速モード用のコンタクトC10〜C13が共通のパッドP3,P6に接触することによって信号伝送特性が変化して十分な性能を発揮できず、規定の転送速度に達しないという問題が発生することを回避することができる。
【0066】
したがって、本実施形態のメモリカードソケットによれば、複数種類のメモリカードMC1,MC2に共用でき、かつメモリカードMC1,MC2の装着時におけるコンタクトCとパッドPとの接触状態を各種のメモリカードMC1,MC2の性能を発揮するのに適した状態とすることができる。
【0067】
また、本実施形態では、代替のコンタクトC10〜C13は、金属材料により接触部81bと乗り上げ部81cが一体に形成されてなるので、代替のコンタクトC10〜C13を容易に製造することができ、低コスト化を図ることができる。
【0068】
しかも、本実施形態の構成によれば、コンタクトC10〜C13の形状を異ならせるだけでよいから、特許文献3のような内部回路が不要になって構成が簡単になり、小型化および低コスト化が図れる。また、従来型ソケットと異なる部分はコンタクトC10〜C13の有無のみであるから、従来型ソケットの部品を流用することができて、さらなる低コスト化が期待できる。
【0069】
(実施形態2)
本実施形態のメモリカードソケットは、図6〜図8に示すように、コンタクトCの接触端子80,81の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
以下、本実施形態のメモリカードソケットの特徴となるコンタクトC1〜C13について説明する。本実施形態におけるコンタクトC1〜C13も実施形態1と同様に高速型メモリカードMC2に設けられた複数のパッドP1〜P13にそれぞれ個別に接触導通するものであり、コンタクトブロック4によって高速型メモリカードMC2のパッドP1〜P13に対応する各位置に保持されている。なお、実施形態1では、コンタクトC10,C11とコンタクトC3、コンタクトC12,C13とコンタクトC6とが接触しないように、コンタクトC10〜C13をコンタクトC3,C6より上方に位置させていたが、本実施形態では、コンタクトC3,C6をコンタクトC1,C2,C4,C5,C7〜C13より上方に位置させている。
【0071】
本実施形態におけるコンタクトC1,C2,C4,C5,C7〜C9は実施形態1と同形状であるが、本実施形態におけるコンタクトC3,C6は実施形態1とは形状が異なっている。なお、コンタクトC3,C6は同形状のものであるから、代表してコンタクトC3についてのみ説明する。また、本実施形態におけるコンタクトC3は、接触端子80の構成が実施形態1と異なっているので、接触端子80についてのみ説明する。
【0072】
本実施形態におけるコンタクトC3の接触端子80は、弾性を有する金属材料により形成されており、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片80aと、ばね片80aの先端部(後端部)に設けられる接触部80bとを連続一体に有している。接触部80bは、左右方向に直交する面内(図8(a)における紙面内)における断面形状が下方に凸となる円弧状に形成されている。このようなコンタクトC3の側部6aからの突出量は、メモリカードMC1,MC2の装着時に、接触部80bを対応するパッドP3と弾接させることができる大きさに設定される。本実施形態では、コンタクトC3,C6がコンタクトC1,C2,C4,C5,C7〜C13より上方に位置しているので、ばね片80aには、接触部80bをパッドP3に接触させるための斜辺80cが設けられている。
【0073】
本実施形態におけるコンタクトC10〜C13は、接触端子81の構成が実施形態1と異なっているので、接触端子81についてのみ説明する。なお、コンタクトC10とコンタクトC12は同形状であり、コンタクトC11とコンタクトC13は同形状かつコンタクトC10と左右対称となる形状であるから、代表してコンタクトC10についてのみ説明する。また、図8では、分かり易さを考慮してパッドP3,P10を簡略化して図示している。
【0074】
本実施形態における接触端子81は、弾性を有する金属材料よりなる長尺状の金属板を長手方向に直交する面内における断面形状がL字形状となるように折り曲げてなり、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片81aと、ばね片81aの側縁部(左側縁部)の先端部から中腹部にかけて下方に垂設される側片81dとを連続一体に有している。側片81dの長手方向の一端部(前端部)における下面は、下方に凸となる円弧状に形成されており、当該部分がばね片81aとともに接触部81bを構成する。一方、側片81dの長手方向の他端部(後端部)における下面は、下方にいくほど側片81dの長手方向に沿った方向(前後方向)の長さが短くなる先細り形状に形成されており、当該部分がばね片81aとともに乗り上げ部81cを構成する。
【0075】
本実施形態における乗り上げ部81cも、高速型メモリカードMC2の装着時(図8(a),(b)参照)にはパッド用空所110の上記内面110aおよびパッド用空所110内のパッドP3に当接せず、かつ従来型メモリカードMC1の装着時(図8(c),(d)参照)にはパッド用空所110aの内面110aに当接して接触部81bがパッド用空所110内のパッドP3から離間する形にコンタクトC10を変形させることができるように、接触部81bよりもコンタクトC10の先端側に設けられている。本実施形態における乗り上げ部81cは、上述したように、側片81dの長手方向の他端部(後端部)とばね片81aとで構成されており、側片81dの長手方向の他端部の下面は、下方にいくほど側片81dの長手方向に沿った方向(前後方向)の長さが短くなる先細り形状に形成されている。そのため、本実施形態においても、実施形態1と同様に、乗り上げ部81cにおいてパッド用空所110の内面110aと対向する面がパッド用空所110の内面110aに当接した際に、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに沿ってカード体100の上面側に移動し易く(すなわちコンタクトC10が変形し易く)なる。
【0076】
以上により本実施形態のメモリカードソケットは構成されており、以下に本実施形態のメモリカードソケットにメモリカードMC1,MC2を装着した際の各コンタクトC1〜C13の状態について図8を参照して説明する。
【0077】
高速型メモリカードMC2の装着時には、図8(a),(b)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たらないので、コンタクトC10は上記のように変形しない。そのため、接触部81bがパッドP10に接触し、パッドP10とコンタクトC10との間が電気的に導通する。また、コンタクト10の乗り上げ部81cはパッドP3に当接(接触)しないため、パッドP3を介してコンタクトC10,C11間が短絡されることがない。この点はコンタクトC11〜C13においても同様であり、また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0078】
一方、従来型メモリカードMC1の装着時には、図8(c),(d)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たるため、乗り上げ部81cはパッド用空所110内からカード体100の後端部側に乗り上げるように上方に移動させられる。これによって、コンタクトC10は、接触部81bがパッドP3から離間する形に変形することになり、その結果、パッドP3とコンタクトC10との間が電気的に絶縁される。この点はコンタクトC11〜C13においても同様である。また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0079】
したがって、本実施形態のメモリカードソケットにおいても、実施形態1と同様に、複数種類のメモリカードMC1,MC2に共用でき、かつメモリカードMC1,MC2の装着時におけるコンタクトCとパッドPとの接触状態を各種のメモリカードMC1,MC2の性能を発揮するのに適した状態とすることができる。
【0080】
また、本実施形態では、乗り上げ部81cは、コンタクトC10の長手方向に直交する面内における断面形状がL字形状となっているので、実施形態1のように平板状のものに比べれば、強度を向上させることができる。そのため、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たることによって乗り上げ部81cが塑性変形して、設計どおりの動作を行うことができなくなってしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、乗り上げ部81cと接触部81bの両方が、長尺状の金属板を長手方向に直交する面内における断面形状がL字形状となるように折り曲げることによって形成されているが、少なくとも乗り上げ部81cのみ上述した形に形成されていればよい。
【0081】
(実施形態3)
本実施形態のメモリカードソケットは、図9〜図11に示すように、コンタクトCの接触端子80,81の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
以下、本実施形態のメモリカードソケットの特徴となるコンタクトC1〜C13について説明する。本実施形態におけるコンタクトC1〜C13も実施形態1と同様に高速型メモリカードMC2に設けられた複数のパッドP1〜P13にそれぞれ個別に接触導通するものであり、コンタクトブロック4によって高速型メモリカードMC2のパッドP1〜P13に対応する各位置に保持されている。なお、本実施形態でも、実施形態1と同様に、コンタクトC10,C11とコンタクトC3、コンタクトC12,C13とコンタクトC6とが接触しないように、コンタクトC10〜C13をコンタクトC3,C6より上方に位置させている。また、本実施形態におけるコンタクトC1〜C9は、実施形態1のコンタクトC1〜C9と同様のものであるから説明を省略する。
【0083】
本実施形態におけるコンタクトC10〜C13は、接触端子81の構成が実施形態1と異なっているので、接触端子81についてのみ説明する。なお、コンタクトC10とコンタクトC12は同形状であり、コンタクトC11とコンタクトC13は同形状かつコンタクトC10と左右対称となる形状であるから、代表してコンタクトC10についてのみ説明する。また、図11では、分かり易さを考慮してパッドP3,P10を簡略化して図示している。
【0084】
本実施形態における接触端子81は、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片81aを有している。ばね片81aの先端部(後端部)には、実施形態1と同様の乗り上げ部81cが連続一体に形成されている。また、ばね片81aの中腹部の側縁部(左側縁部)には、図10に示すように、矩形状の切り欠き81eが形成されている。切り欠き81eにおける後端側の内面からは、長尺状の接圧ばね部81fが前側かつ斜め下方向に向かう形で連続一体に延設されている。この接圧ばね部81fの先端部(前端部)には、接触部81bが連続一体に形成されている。すなわち、接触部81bは接圧ばね部81fによってばね片81aに連続一体に連結されている。接触部81bは、コンタクトC1〜C9の接触部80bと同様に、左右方向に直交する面内(図11(a)における紙面内)における断面形状が下方に凸となる円弧状に形成されている。このように本実施形態における接触端子81は、弾性を有する金属材料により形成されており、ばね片81aと、接触部81bと、乗り上げ部81cと、接圧ばね部81fとを連続一体に備えている。
【0085】
本実施形態における乗り上げ部81cも、高速型メモリカードMC2の装着時(図11(a),(b)参照)にはパッド用空所110の上記内面110aおよびパッド用空所110内のパッドP3に当接せず、かつ従来型メモリカードMC1の装着時(図11(c),(d)参照)にはパッド用空所110aの内面110aに当接して接触部81bがパッド用空所110内のパッドP3から離間する形にコンタクトC10を変形させることができるように、接触部81bよりもコンタクトC10の先端側に設けられている。本実施形態における乗り上げ部81cは、実施形態1と同様に、左右方向に直交する面内における断面形状が下方に凸となるく字形に形成されている。そのため、本実施形態においても、実施形態1と同様に、乗り上げ部81cにおいてパッド用空所110の内面110aと対向する面がパッド用空所110の内面110aに当接した際に、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに沿ってカード体100の上面側に移動し易くなる。
【0086】
以上により本実施形態のメモリカードソケットは構成されており、以下に本実施形態のメモリカードソケットにメモリカードMC1,MC2を装着した際の各コンタクトC1〜C13の状態について図11を参照して説明する。
【0087】
高速型メモリカードMC2の装着時には、図11(a),(b)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たらないので、コンタクトC10は上記のように変形しない。そのため、接触部81bがパッドP10に接触し、パッドP10とコンタクトC10との間が電気的に導通する。また、コンタクト10の乗り上げ部81cはパッドP3に当接(接触)しないため、パッドP3を介してコンタクトC10,C11間が短絡されることがない。この点はコンタクトC11〜C13においても同様であり、また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0088】
一方、従来型メモリカードMC1の装着時には、図11(c),(d)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たるため、乗り上げ部81cはパッド用空所110内からカード体100の後端部側に乗り上げるように上方に移動させられる。これによって、コンタクトC10は、接触部81bがパッドP3から離間する形に変形することになり、その結果、パッドP3とコンタクトC10との間が電気的に絶縁される。この点はコンタクトC11〜C13においても同様である。また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0089】
したがって、本実施形態のメモリカードソケットにおいても、実施形態1と同様に、複数種類のメモリカードMC1,MC2に共用でき、かつメモリカードMC1,MC2の装着時におけるコンタクトCとパッドPとの接触状態を各種のメモリカードMC1,MC2の性能を発揮するのに適した状態とすることができる。
【0090】
また、本実施形態におけるコンタクトC10〜C13では、接触部81bは、ばね片81aと接圧ばね部81fとの2部材の弾性力によってパッドP10〜P13に接触されるので、実施形態1に比べれば接圧の設定を容易に行うことができるようになる。また、実施形態1,2のようにばね片81aの側縁部より垂設したものに比べれば、接触部81bとパッドPとの接触面積を増やすことができて、接触安定性を向上することができる。
【0091】
(実施形態4)
本実施形態のメモリカードソケットは、図12〜図13に示すように、コンタクトCの接触端子80,81の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
以下、本実施形態のメモリカードソケットの特徴となるコンタクトC1〜C13について説明する。本実施形態におけるコンタクトC1〜C13も実施形態1と同様に高速型メモリカードMC2に設けられた複数のパッドP1〜P13にそれぞれ個別に接触導通するものであり、コンタクトブロック4によって高速型メモリカードMC2のパッドP1〜P13に対応する各位置に保持されている。なお、本実施形態でも、実施形態1と同様に、コンタクトC10,C11とコンタクトC3、コンタクトC12,C13とコンタクトC6とが接触しないように、コンタクトC10〜C13をコンタクトC3,C6より上方に位置させている。また、本実施形態におけるコンタクトC1〜C9は、実施形態1のコンタクトC1〜C9と同様な形状を有しているから説明を省略する。
【0093】
本実施形態におけるコンタクトC10〜C13は、接触端子81の構成が実施形態1と異なっているので、接触端子81についてのみ説明する。なお、コンタクトC10とコンタクトC12は同形状であり、コンタクトC11とコンタクトC13は同形状かつコンタクトC10と左右対称となる形状であるから、代表してコンタクトC10についてのみ説明する。また、図13では、分かり易さを考慮してパッドP3,P10を簡略化して図示している。
【0094】
本実施形態における接触端子81は、ソケット本体3の前後方向を長手方向とする長尺状のばね片81aを有している。ばね片81aの先端部(後端部)には、接触部81bが設けられている。接触部81bは、左右方向に直交する面内(図13(a)における紙面内)における断面形状が下方に凸となる円弧状に形成されている。また、接触部81bの先端部には、乗り上げ部81cが設けられている。ここで、ばね片81aおよび接触部81bは、弾性を有する金属材料製の板材より曲成されており、連続一体となっているが、乗り上げ部81cは、絶縁性を有する材料(樹脂材料)により形成されており、同時成形や一体成形などにより接触部81bの先端部(後端部)に設けられている。
【0095】
本実施形態における乗り上げ部81cも、高速型メモリカードMC2の装着時(図13(a)参照)にはパッド用空所110の上記内面110aに当接せず、かつ従来型メモリカードMC1の装着時(図13(b)参照)にはパッド用空所110aの内面110aに当接して接触部81bがパッド用空所110内のパッドP3から離間する形にコンタクトC10を変形させることができるように、接触部81bよりもコンタクトC10の先端側に設けられている。
【0096】
この乗り上げ部81cの先端部(後端部)は、左右方向に直交する面内における断面形状が下方に凸となる略く字形に形成されている。そのため、本実施形態においても、実施形態1と同様に、乗り上げ部81cにおいてパッド用空所110の内面110aと対向する面がパッド用空所110の内面110aに当接した際に、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに沿ってカード体100の上面側に移動し易くなる。
【0097】
以上により本実施形態のメモリカードソケットは構成されており、以下に本実施形態のメモリカードソケットにメモリカードMC1,MC2を装着した際の各コンタクトC1〜C13の状態について図13を参照して説明する。
【0098】
高速型メモリカードMC2の装着時には、図13(a)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たらないので、コンタクトC10は上記のように変形しない。そのため、接触部81bがパッドP10に接触し、パッドP10とコンタクトC10との間が電気的に導通する。この点はコンタクトC11〜C13においても同様であり、また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0099】
一方、従来型メモリカードMC1の装着時には、図13(c),(d)に示すように乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たるため、乗り上げ部81cはパッド用空所110内からカード体100の後端部側に乗り上げるように上方に移動させられる。これによって、コンタクトC10は、接触部81bがパッドP3から離間する形に変形することになり、その結果、パッドP3とコンタクトC10との間が電気的に絶縁される。この点はコンタクトC11〜C13においても同様である。また、乗り上げ部81cのないコンタクトC1〜C9の接触部80はそれぞれ対応するパッドP1〜P9に接触してパッドP1〜P9とコンタクトC1〜C9との間が電気的に導通する。
【0100】
したがって、本実施形態のメモリカードソケットにおいても、実施形態1と同様に、複数種類のメモリカードMC1,MC2に共用でき、かつメモリカードMC1,MC2の装着時におけるコンタクトCとパッドPとの接触状態を各種のメモリカードMC1,MC2の性能を発揮するのに適した状態とすることができる。
【0101】
また、本実施形態におけるコンタクトC10〜C13では、乗り上げ部81cが絶縁性を有する材料よりなるので、金属材料よりなる場合に比べれば、コンタクトC10〜C13における金属部分を少なくすることができるので、耐ノイズ性能を向上することができ、高周波特性の改善が図れる。また、乗り上げ部81cがパッドPに接触しても、乗り上げ部81cを介して接触部81bとパッドPとの間が導通することがない。例えば、パッドP3,P10,P11が露出するパッド用空所110内において、コンタクトC10,C11の乗り上げ部81cがパッドP3に接触したとしても、コンタクトC10,C11間が導通することがない。すなわち、乗り上げ部81cが共通のコンタクトパッドPと接触することによって代替のコンタクトC間が短絡されることを防止することができる。さらに、代替のコンタクトCの接触部81bが代替のパッドPに接触した際に、乗り上げ部81cが共通のパッドPに接触しないように接触端子81の形状を設定する必要がなくなるから、代替のコンタクトCの設計が容易になる。
【0102】
ところで、本実施形態のメモリカードソケットでは、同じパッド用空所110内に露出する複数の代替のパッドP(例えば、P10,P11)それぞれに対応する複数の代替のコンタクトC(例えば、C10,C11)それぞれの乗り上げ部81cの先端部(後端部)が連結部82により相互に連結されている。連結部82は、乗り上げ部81cと同じ絶縁性を有する材料よりなり、乗り上げ部81cと連続一体に形成されている。また、連結部82は、左右方向に直交する面内における断面形状が乗り上げ部81cの先端部と同形状となるように形成されている。よって、左右方向に直交する面内においては、乗り上げ部81cの表面と連結部82の表面とが同じ位置に位置している(すなわち、乗り上げ部81cがパッド用空所110の内面110aに当たるタイミングと連結部82がパッド用空所110の内面110aに当たるタイミングとは同じである)。
【0103】
このようにすれば、コンタクトC10,C11においてパッド用空所110の内面110aと当接する部位の面積(接触面積)を増やすことができ、安定した動作が可能になる。また、乗り上げ部81cを相互に連結したことによって、コンタクトC10,C11が同じタイミングで変形することになる。そのため、コンタクトC10の接触部81bが離間するタイミングと、コンタクトC11の接触部81bが離間するタイミングとを揃えることができる。加えて、寸法誤差などによって一の代替のコンタクトC(例えばC11)の乗り上げ部81cがうまく機能しない場合でも、他の代替のコンタクトC(例えばC10)の乗り上げ部81cによって一の代替のコンタクトC(例えばC11)の接触部81bを共通のパッドP(例えばP3)から離間させることが可能になる。
【0104】
ところで、上記実施形態1〜4では、本発明の技術的思想を、従来型のSDメモリカードMC1と高速型のメモリカードMC2との両方に対応可能としたメモリカードソケットに適用した例を示している。しかしながら、本発明の技術的思想は、上記実施形態1〜3に限定されるものではなく、例えば、従来型や高速型のSDメモリカード以外のメモリカードに対応可能なメモリカードソケットにも適用することができるし、対応可能なメモリカードの種類も2種類ではなく、それ以上の種類であってもよい。また、上記実施形態1〜4におけるソケット本体3等の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施形態1のメモリカードソケットを示し、(a)は高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(b)は同上の一部を省略した正面図、(c)は従来型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(d)は同上の一部を省略した正面図である。
【図2】実施形態1のメモリカードソケットにおいて高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した平面図である。
【図3】同上におけるコンタクトの平面図である。
【図4】同上のメモリカードソケットの外観斜視図である。
【図5】(a)は高速型のSDメモリカードの平面図、(b)は同図(a)のA−A線矢視断面図、(c)は従来型のSDメモリカードの平面図、(d)は同図(c)のB−B線矢視断面図である。
【図6】実施形態2のメモリカードソケットにおいて高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した平面図である。
【図7】同上におけるコンタクトの平面図である。
【図8】同上のメモリカードソケットを示し、(a)は高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(b)は同上の一部を省略した正面図、(c)は従来型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(d)は同上の一部を省略した正面図である。
【図9】実施形態3のメモリカードソケットにおいて高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した平面図である。
【図10】同上におけるコンタクトの平面図である。
【図11】同上のメモリカードソケットを示し、(a)は高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(b)は同上の一部を省略した正面図、(c)は従来型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(d)は同上の一部を省略した正面図である。
【図12】実施形態4のメモリカードソケットにおいて高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した平面図である。
【図13】同上のメモリカードソケットを示し、(a)は高速型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図、(b)は従来型のSDメモリカードを保持している状態の一部を省略した断面図である。
【図14】従来型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図15】高速型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は表側から見た平面図、(c)はカード挿入方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0106】
3 ソケット本体
3a カード挿入口
81b 接触部
81c 乗り上げ部
100 カード体
110 パッド用空所
110a 内面
C(C1〜C13) コンタクト
P(P1〜P13) パッド(コンタクトパッド)
MC1 SDメモリカード(従来型メモリカード)
MC2 SDメモリカード(高速型メモリカード)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書換可能な不揮発性の記憶素子が内蔵される矩形板状のカード体の厚み方向の一面側に複数のコンタクトパッドを備え、コンタクトパッドの配列により分類される複数種類のメモリカードを挿抜可能なカード挿入口を有し、当該カード挿入口から挿入されたメモリカードを保持するソケット本体と、ソケット本体に保持されたメモリカードの複数のコンタクトパッドと接触導通する複数のコンタクトとを備えるメモリカードソケットであって、
カード体の上記一面側におけるメモリカードソケットへの挿入方向側の端部には、上記一面側を向いた面にコンタクトパッドが露出するとともに上記挿入方向側からコンタクトが挿入されるパッド用空所が設けられ、
複数のコンタクトパッドには、上記複数種類のメモリカード全てが有する共通のコンタクトパッドと、上記挿入方向において共通のコンタクトパッドと並ぶ形に配置され当該共通のコンタクトパッドの代わりに使用される代替のコンタクトパッドとがあり、
代替のコンタクトパッドを有するメモリカードにおいては、上記挿入方向に沿った方向におけるパッド用空所の長さが、代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードよりも相対的に長くなっており、
複数のコンタクトには、共通のコンタクトパッドに接触導通される共通のコンタクトと、代替のコンタクトパッドに接触導通される代替のコンタクトとが含まれ、
代替のコンタクトは、代替のコンタクトパッドに接触される接触部と、乗り上げ部とを有し、
乗り上げ部は、代替のコンタクトパッドを有するメモリカードの装着時にはパッド用空所における上記挿入方向側を向いた内面に当接せず、かつ代替のコンタクトパッドを有しないメモリカードの装着時にはパッド用空所の上記内面に当接して接触部が当該パッド用空所内の共通のコンタクトパッドから離間する形に代替のコンタクトを変形させるように接触部よりも代替のコンタクトの先端側に位置していることを特徴とするメモリカードソケット。
【請求項2】
上記代替のコンタクトは、金属材料により上記接触部と上記乗り上げ部が一体に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のメモリカードソケット。
【請求項3】
少なくとも上記乗り上げ部は、長尺状の金属板を長手方向に直交する面内における断面形状がL字形状となるように折り曲げてなることを特徴とする請求項2記載のメモリカードソケット。
【請求項4】
上記乗り上げ部は、絶縁性を有する材料よりなることを特徴とする請求項1記載のメモリカードソケット。
【請求項5】
上記パッド用空所内に露出する複数の上記代替のコンタクトパッドそれぞれに対応する複数の上記代替のコンタクトの上記乗り上げ部は、相互に連結されていることを特徴とする請求項4記載のメモリカードソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−61474(P2010−61474A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227575(P2008−227575)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】