説明

メモリバスチェック手順

ホスト装置とメモリカードとをつなぐデータバスの使用可能幅をチェックする方法。好適には、ブートアップ処理時にホスト装置がデータバスを通してメモリカードへテストビットパターンを送信することが望ましい(ステップ210)。このテストビットパターンは(1010...)または(0101...)とすることができる。上記テストビットパターンの受信時に(ステップ210)、メモリカードは同じデータバスを通してホスト装置へ応答ビットパターンを送信する(ステップ230)。この応答ビットパターンは、ホスト装置が応答ビットパターンとテストビットパターンとの比較(ステップ240)を可能にするための、テストビットパターンの補完パターンであり、この比較の結果に基づいて、バスされたデータバスの使用可能幅が決定される(ステップ250)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にホスト装置における電子メモリカードとその利用とに関し、特に、このようなメモリカードとホスト装置とをつなぐデータバスの電気的機能性のチェック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカードは当業で周知のものである。例えば、フラッシュベースのカードは多量の不揮発性メモリを含む小型のカプセル化されたカードであって、携帯用電子装置の中へ取り外し可能に挿入できるカードである。このようなメモリカードはパーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、個人用情報機器、移動電話、および、データ記憶装置を取り外し可能であり、かつ、別のデータ記憶装置と交換できるカメラにおいて広く利用されている。特に、マルチメディアカード(MultiMediaCard)はサイズが小型であり、現在128MBまでのデータを記憶することが可能である。マルチメディアカードパッケージは7つのパッド直列インタフェースを有し、種々のホスト装置の中へ簡単に組み込まれる。ホスト装置には、一般に、1枚のマルチメディアカードを挿入するためのただ一つのスロットが設けられている。これはただ一つのカード/ホストが同時に会話可能であることに起因する。ホストは、ASIC(特定用途向け集積回路)またはカードスロットと動作可能なように接続されたチップセットなどのデータプロセッサを有する。シダーら(WO02/15020)に開示されているように、システム初期化ルーチンの一部として、一意のアドレスが、挿入された個々のメモリカードに割り当てられる。一意のカード識別子(CID)番号は製造中に個々のカードのレジスタに記憶される。ホストプロセッサは最初に個々のカードをアドレスをとり、次にこのようなアドレスを割り当てることができるように、ホストはこれらのカードのCIDを同時に送信する命令を出す。その後、一意の短いアドレスが、挿入された個々のカードに割り当てられる。
【0003】
メモリと主要プロセッサ間のデータレートに影響を与える2つの主要な方法が存在する。1つの方法はバス周波数であり、もう一方の方法はバス幅である。上記データレートは、シングルエッジおよび上方/下方へ向かうエッジを用いるデュアルエッジデータクロッキングのような異なるクロッキング方法によって影響を受ける場合がある。今日の公知技術の場合、バス幅はメモリカード内に配置された内部レジスタからの値をチェックすることにより取得される。
【0004】
メモリカード内の内部レジスタと、メモリバスの幅を確定する処理手順をチェックするレジスタとを不要にすることが好都合であり、かつ、望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、メモリバスの幅を確定するメモリバスチェック手順を利用する。好適にはブートアップ処理時に、ホスト装置が、装置のスロットに挿入されたメモリカードへテストビットパターンを送信し、このテストビットパターンをメモリカードが出力した応答ビットパターンと比較することが望ましい。好適には、この応答ビットパターンがテストビットパターンの補完パターンとなることが望ましい。この単純な処理手順によって、使用可能なデータバス幅を確定することが可能となる。この使用可能なデータバス幅は、ホスト装置の最大のバス幅、又は、メモリカードのバス幅とは異なるものであってもよい。ホスト装置の最大のバス幅は、メモリカードのバス幅よりも広い場合もあれば、狭い場合もあれば、等しい場合もある。
【0006】
望ましい場合、バスチェック手順の第2のサイクルを実行して、ビットが‘0’または‘1’に固定されないことが保証される。好適には、第2のサイクル用のテストビットパターンは、第1のビットパターンの補完パターンとなることが望ましい。このようなハンドシェイク手順の場合、データバスの電気的機能性を検証することができる。さらに、種々のデータバス幅のメモリカードとミックスした種々のデータバス幅の様々なホスト装置を設けることが可能である。本発明の場合、もはやメモリカード内に在る内部レジスタからバス幅の値をチェックする必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、第1の電子モジュールと、この第1の電子モジュールと動作可能なように接続された第2の電子モジュールとの間でデータバスの電子的機能性をチェックする方法が提供される。上記方法は、
上記データバスを介して第1のビットパターンを上記第2の電子モジュールへ送信するステップと、
上記第1の受信ビットパターンに基づいて、上記第2の電子モジュールにおいて第2のビットパターンを生成するステップと、
データバスを介して第1の電子モジュールへ第2のビットパターンを送信するステップと、を有する。
【0008】
上記方法は、
使用可能なデータバス幅を確定するために、上記第2の受信ビットパターンを第1のビットパターンと比較するステップをさらに有する。
【0009】
上記第2のビットパターンは、第2の電子モジュールにおいて、上記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有する。
【0010】
好適には、第1のビットパターンおよび第2のビットパターンの個々のビットが‘0’または‘1’のいずれかの値を有し、第2のビットパターンが上記第1の受信パターンの補完パターンであり、それによって、第2のビットパターン内のビットが、上記第1の受信ビットパターン内の対応するビットの値とは異なる値を有するようになることが望ましい。
【0011】
第1のビットパターンの対応部分の補完パターンである上記第2の受信ビットパターンが、ただ一つのセクションを有する場合、上記比較ステップはこのセクションに基づいてデータバスの使用可能幅を決定することになる。
【0012】
方法ステップを第2のサイクル時に実行することも可能であり、この第2のサイクルでは、第2のサイクル時に第2の電子モジュールへ送信されたビットパターンは、第1のサイクル時に第1のビットパターンの補完パターンとなり、第2のサイクル時に第1の電子モジュールへ返信された応答ビットパターンも、第2のサイクル時に第2の電子モジュールが受信したビットパターンと所定の関係を有する。
【0013】
第2の電子モジュールはメモリカードであってもよい。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、第1の電子モジュールと第2の電子モジュール間のデータバスの電子的機能性をチェックするために、第1の電子モジュールで使用するソフトウェアプログラムが提供される。上記プログラムは、
データバスを介して第2の電子モジュールへ出力された第1のビットパターンを、
第2の電子モジュールで受信したときの第1のビットパターンに応答して第2の電子モジュールから受信した上記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有する第2のビットパターンと比較する第1のコードと、
データバスの使用可能バス幅を確定するために所定の関係に基づいて、第1の電子モジュールと第2の電子モジュール間でデータを伝送するための第2のコードと、を有する。
【0015】
上記プログラムは、第1のビットパターンを生成するための第3のコードをさらに有する。
【0016】
好適には、第1のコードも、
データバスを介して第2の電子モジュールへ出力された第3のビットパターンを、
第2の電子モジュールで受信したときの第3のビットパターンに応答して上記第2の電子モジュールから受信した第4のビットパターンと比較し、さらに、上記第3のビットパターンが第1のビットパターンの補完パターンであり、第4のビットパターンが第2のコードによる前記データバスの使用可能バス幅を決定することを可能にするために第3の受信ビットパターンと所定の関係を有することが望ましい。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、電子装置で使用するメモリユニットが提供され、上記電子装置は、データを処理するためのホストの電子モジュールと、上記メモリユニットと動作可能なように接続する上記ホストモジュール用のデータバスとを有する。メモリユニットは、
上記データバスを介して上記ホストモジュールから第1のビットパターンを受信する手段と、
上記第1の受信ビットパターンに応答して上記データバスで第2のビットパターンを出力する手段と、を備え、上記ホストモジュールで受信したときの第2のビットパターンに基づいて、上記ホストモジュールが上記データバスの使用可能バス幅を決定できるように、上記第2のビットパターンは上記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有する。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、メモリユニットを受信する手段を備えた電子装置が提供される。この電子装置は、
データ処理ユニットと、
上記データ処理ユニットを上記メモリユニットとつなぐデータバスと、
上記データバスの電子的機能性をチェックするためのプログラムであって、
上記データバスを介して第1のビットパターンを上記メモリユニットへ出力するための第1のコードと、
上記メモリユニットから第2の受信ビットパターンであって、第1のビットパターンに応答して出力され、上記メモリユニットで受信したときの第1のビットパターンと所定の関係を有する第2のビットパターンと上記第1のビットパターンを比較するための第2のコードと、
上記第2の受信ビットパターンに基づいて上記データバスの使用可能幅を決定するための第3のコードとを有するプログラムと、を備える。
【0019】
上記メモリユニットは、
上記データバスを介して上記ホストモジュールから上記第1のビットパターンを受信する手段と、
上記第1の受信ビットパターンに応答して、上記データバスで上記第2のビットパターンを出力する手段と、を備える。
【0020】
上記電子装置は移動電話を具備する。
【0021】
図1から図6を参照しながら行う説明を読むとき本発明は明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1と図2とは、1以上のメモリカードをモジュールに挿入できるようにする1以上のソケットを備えたホストモジュール10を有する電子装置100を表す。このメモリカードは、メモリユニット30によって表されている。ホストモジュール10は、制御用ポート22とデータポート24とを有するプロセッサ又はASIC(特定用途向け集積回路)20をさらに備え、個々のポートは、メモリユニット30をリンクするバス(110、120)ラインを有する。本発明に基づいて、データバス120の幅は、メモリユニット30のブートアップ手順中に取得される。
【0023】
本発明の実施例によれば、メモリバスチェック方法は2つのステップを有する。第1のステップでは、図1に図示のように、ホストモジュール10はテストビットパターンをメモリユニット30へ送信する。テストビットパターンは(01010101...)並びに(10101010...)のような交互の0と1の形をとることが望ましい。上記ビットパターン内のパターン長、すなわちビット数はホストモジュール10の最大データバス幅と同じである。交互の0と1のビットパターンによって、隣接するピンは反対の値を持つことになる。
【0024】
図2に図示のように、テストビットパターンを受信するとすぐに、メモリユニット30は応答ビットパターンをホストモジュール10へ送信する。好適には、応答パターン内の各ビットが、テストパターンの対応するビットを補完ビットとなることが望ましい。例えば、テストパターンが(01010101...)であれば、応答パターンは(10101010...)となる。メモリユニット30から応答パターンを受信すると、ホストモジュール10は応答パターンをテストパターンと比較する。応答パターンがテストパターンの正確な鏡像であれば、データバス幅はホストモジュール10の最大データバス幅となり、データバスにおけるすべての“ビット”が正しく機能していると想定される。‘1’または‘0’に固定していなければビットは正しく機能することになる。しかし、メモリユニット30が専らテストパターンのビット数よりも少ないビットを受信できる場合、ホストモジュール10が受信した応答パターンは正確にはテストパターンの鏡像にはならなくなる。その場合、メモリユニット30は、受信した有効ビット数に従って、メモリユニット30の外部データバス幅をセットする。
【0025】
メモリ用のバス幅をセットする少なくとも2つの方法が存在する。
【0026】
第1の方法として、メモリユニット30が受信した有効ビットに従ってメモリユニットのバス幅をセットする方法が挙げられる。メモリユニット30は、テストパターンのビット数よりも少ないビットを受信できるので、受信したビットパターンに基づいて応答パターンを出力する。
【0027】
第2の方法として、ホストモジュールがカードのバス幅を確定し、次いで、追加のコマンドサイクルでメモリユニットにこのバス幅を伝える方法が挙げられる。この場合、メモリユニットはテストパターンのビット数と同じビット数を受信することができるか、あるいは、以下に説明するようにテストパターンのビット数よりも多くのビットを受信することができる。
【0028】
メモリユニット30がテストパターンのビット数よりも多くのビットを受信できるとき、ホストモジュール10が受信した応答パターンは、テストパターンの鏡像になり、すべてのビットが正しく機能すると仮定される。その場合、ホストモジュール10は、テストパターンの数に従ってバス幅をセットする。
【0029】
メモリユニット30がテストパターンのビット数と同じビット数を受信できるが、1以上のビットに欠陥があるとき、ホストモジュール10が受信したときの応答パターンは、正確にはテストパターンの鏡像にならないかもしれない。したがって、ホストモジュール10が、送信ビット数よりも少ない有効データビットを受信したことが比較処理を通じてホストモジュール10により判定された場合、使用データバス幅は受信ビット数によってメモリアクセス中に規定されることになる。そうでない場合、使用データバス幅はホストモジュール10の最大データバス幅と同じ幅となる。
【0030】
例えば、ホストモジュール10は8ビットのデータバスを備え、(10101010)のテストビットパターンをメモリユニット30へ送信する。ホストモジュール10が受信した応答パターンが(01011111)であれば、マルチメディアカードが8ピンデータバスを有する場合があり得るが、最後の4ビットは“1”に固定される。しかし、バス幅が2(1、2、4または8...)であれば、マルチメディアカードが4ビットのデータバスを備えていることもあり得る。この場合、メモリアクセスの有効ビット数が4であると安全をとって想定することができる。それでも、第2のテストサイクルを実行して、応答パターンが(10101111)であることを確認するために、ホストモジュール10は(01010101)の異なるテストビットパターンを送信するようにするのが有用である。一般に、データバスが必ずしも2の累乗である必要がなければ、テストパターン(10101010)に応答する応答パターンが(01011111)であるとき、カードが3ビットまたは5ビットのデータバスを有するかどうかの判定を行うためには、第2のサイクルが必要となる。
【0031】
同様に、ホストモジュール10が4ビットのデータバスを有するが、カードのデータバス幅が4よりも大きい場合、カードが3ビットまたは4ビットのデータバスを有するかどうかの判定を行うために第2のサイクルのテストパターンを送信する必要がある。
【0032】
いずれの場合にも、第2のサイクルのテストビットパターンが、第1のサイクルのテストビットパターンのテストビットパターンの補完パターンであり、さらに、応答ビットパターンが対応するテストビットパターンの補完ビットパターンであることが好ましい。上記例のテスト手順を表Iと表IIの形で要約する。
【0033】
テストビットパターンはASIC20と作動して接続されたソフトウェアプログラム26によって生成することができる。ソフトウェアプログラム26は、データバス幅を確定するためにビットパターン比較を実行するコンピュータコードを含むものであってもよい。しかし、テストパターンと比較アルゴリズムとはASIC機能の一部とすることができる。
【0034】
本発明は、バス上の或るビットが“0”または“1”に固定される状況を含む、データバスの電気的機能性をチェックする効率的方法を提供するものである。データバス幅は、メモリユニット30内の内部レジスタにアクセスすることなくホストモジュール10によって決定することができる。上記使用データバス幅が上述のようなハンドシェイク手順を介して決定されるので、種々のカードメモリバス幅とミックスした種々のホストユニットデータバス幅を設けることが可能となる。
【0035】
電子装置100は、移動電話、画像処理装置、パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、個人用情報機器(PDA)、音楽記憶装置およびMP3プレイヤのような再生装置、マルチメディアストリーミング装置等とすることができる。図3は、メモリユニット30を受けるソケット32を備えた移動電話、ホストの電子モジュール10と作動して接続された送受信装置40およびデータ通信用アンテナ42並びにテキストと画像とを表示するディスプレイ50を例示する概略図である。メモリユニット30は、ソケット32から取り外して別のメモリユニットと取り替えることができる。
【0036】
図4は、テストビットパターン130に応答する応答ビットパターン140を生成するためにプログラムされるメモリユニット30の概略図である。応答ビットパターンはテストビットパターンと所定の関係を有する。図4に図示のように、メモリユニット30は、ホストモジュール10のソケット32(図3)内へ挿入するためのピン150を備える。ピン150には、制御バス110と接続されたピンと、データバス120と接続されたピンとが含まれる。
【0037】
一般に、ホストモジュールと、電子装置に挿入されたマルチメディアカード間でデータを伝達する際に利用されるデータバス幅を決定ようにするために、ブートアップ処理の一部として2サイクルのテスト手順を行うことが望ましい。しかし、1回のテストサイクルでバス幅を確定することが可能である。プルアップ実装(すなわち通常ビットハイ)でデータバスが作動する場合、テストビットパターンは(1010...)でスタートすることが好ましい。プルダウン実装(すなわち通常ビットロー)でデータバスが作動する場合、テストビットパターンは(0101...)でスタートすることが好ましい。したがって第2のサイクルを不要とすることが可能となる。しかし、ハイ−Z(非プル)実装でデータバスが作動する場合には、補完ビットパターンを有する2サイクルが望ましい。
【0038】
【表1】

【0039】
注1:第1のサイクルでは最後の4ビットは状態を変えない=>1に固定(ピン数は未知)あるいは4ビットバス。この場合、データバスが2の倍数であるという仮説を用いることにより、バスが4であると規定することもできる。非偶数データバス幅が許されている場合、第2のサイクルが必要となる。
注2:最後の4ビットはいずれも状態を変えないため、バス幅は4となる。というのは、最後の4ビットは作動していないからである。
【0040】
【表2】

【0041】
注1:この場合、データバスが2の倍数であるという仮説を用いることにより、バスが4であると規定することもできる。非偶数データバス幅が許されている場合、データバス幅が3であるかどうかを規定するには第2のサイクルが必要となる。
【0042】
ホストの電子モジュールとメモリカードとをつなぐデータバスに関して本発明を開示した。しかし、図5に図示のように、同じチェック用処理手順を用いて第2の電子モジュールを第1の電子モジュールとつなぐデータバスの使用可能幅を確定することも可能である。図5に図示のように、第1の電子モジュール10は、第2の電子モジュール10’へテストビットパターンを送信し、第2の電子モジュール10’から応答ビットパターンを受信するホストモジュールである。特に、制御バス110とデータバス120とは第2の電子モジュール10’においてメモリユニット30’と接続される。
【0043】
図6は本発明に基づくデータバス幅のチェック手順を例示するフローチャートである。フローチャート200に図示のように、ステップ210で、ホスト装置は、データバスを介してメモリカードへテストビットパターンを送信する。ステップ220で、メモリカードは受信したテストビットパターンを反転し、ステップ230で、この反転したビットパターンをホスト装置へ送信する。ステップ240で、テストビットパターンをメモリユニットから受信したビットパターンと比較することにより、ステップ250でホスト装置はデータバスの使用可能幅を確定する。望ましい場合、ステップ220から240の場合と同様、第2のサイクルを実行することができる。好適には、ステップ220で、第2のサイクル時にテストビットパターンがテストビットパターンの補完パターンとなることが望ましい。第2のサイクルを用いて、データバス内のいずれのビットも‘0’または‘1’に固定されないことを確実にすることが可能となる。
【0044】
したがって、本発明の実施例と関連して本発明について説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の形態と細部において、上述のおよびその他の種々の変更、省略並びに逸脱を行うことも可能であることは当業者の理解するところであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】メモリカードと接続されたテストビットパターンをメモリカードへ送信するホストモジュールを有する電子装置を説明するブロック図である。
【図2】メモリカードが応答ビットパターンをホストモジュールへ送信する図1と同じ電子装置を説明するブロック図である。
【図3】本発明によるデータバスをチェックする能力を有する移動電話を説明する概略図である。
【図4】テストビットパターンに応答して応答ビットパターンを生成する手段を有するメモリユニットを説明する概略図である。
【図5】第1の電子モジュールと第2のモジュール間で使用可能なデータバス幅を確定するために、第1の電子モジュールと第2のモジュールとの間で交換されるパターンを説明するブロック図である。
【図6】本発明によるデータバス幅のチェック手順を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子モジュールと、前記第1の電子モジュールと動作可能なように接続された第2の電子モジュールとの間のデータバスの電子的機能性をチェックする方法であって、
前記データバスを介して第1のビットパターンを前記第2の電子モジュールへ送信し、
前記第2の電子モジュールで受信したときの前記第1のビットパターンに基づいて、前記第2の電子モジュールにおいて前記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有する第2のビットパターンを出力し、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールから前記第2のビットパターンを、前記第1の電子モジュールで受信することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記所定の関係に基づいて前記データバスの使用可能バス幅を決定するために、前記第2の受信ビットパターンを前記第1のビットパターンと比較することをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のビットパターンは、‘0’と‘1’の交互のパターンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の受信ビットパターンと前記第2のビットパターンとの中の個々のビットは、‘0’または‘1’のいずれかの値を有し、前記第2のビットパターン内の1ビットが前記第1の受信ビットパターン内の対応するビットの値とは異なる値を有するように、前記第2のビットパターンは、前記第1の受信ビットパターンの補完パターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の電子モジュールは、所定のビット数によって規定された最大バス幅を有し、前記第2の受信ビットパターンは、該パターンが前記第1のビットパターンの対応部分の補完パターンであるセクションを有し、前記セクションは前記所定のビット数よりも少ないさらに別のビット数を有し、及び、前記比較ステップは、前記第2の受信ビットパターンでの前記セクションに基づいて前記データバスの使用可能幅を決定することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記データバスを通して前記第1のビットパターンの補完パターンである第3のビットパターンを前記第2の電子モジュールへ送信し、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールから、前記第2の電子モジュールで受信したときの前記第3のビットパターンと所定の関係を有する第4のビットパターンを受信すること、をさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記使用可能バス幅を決定するために、前記第1の電子モジュールで受信したときの前記第4のビットパターンを前記第3のビットパターンと比較するステップをさらに特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の電子モジュールは、メモリカードを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の電子モジュールは、最大バス幅を有し、及び、前記メモリカードは、複数のデータピンを有し、該データピンの数は、前記最大バス幅で伝送可能なビット数に等しいことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の電子モジュールは、最大バス幅を有し、及び、前記メモリカードは、複数のデータピンを有し、該データピンの数は、前記最大バス幅で伝送可能な前記ビット数よりも少ないことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の電子モジュールは、最大バス幅を有し、及び前記メモリカードは、複数のデータピンを有し、該データピンの数は、前記最大バス幅で伝送可能な前記ビット数よりも多いことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
第1の電子モジュールと第2の電子モジュール間のデータバスの電子的機能性をチェックするために該第1の電子モジュールで使用するソフトウェアプログラムであって、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールへ出力された第1のビットパターンを、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールから受信した第2のビットパターンと比較するためのコードを特徴とし、前記第2の電子モジュールで受信したときの前記第1のビットパターンに応答して、前記第1の受信ビットパターンに対して所定の関係を有する前記第2のビットパターンを出力するプログラム。
【請求項13】
前記第1の電子モジュールと前記第2の電子モジュール間でデータを伝送するために前記データバスの使用可能バス幅を決定するための、前記所定の関係に基づくさらに別のコードをさらに特徴とする請求項12に記載のソフトウェアプログラム。
【請求項14】
前記第1の受信ビットパターンは、‘0’と‘1’の交互のパターンを有し、かつ、前記第2のビットパターンは、前記第1の受信ビットパターンの補完パターンであることを特徴とする請求項12または13に記載のソフトウェアプログラム。
【請求項15】
前記第1のビットパターンを生成するための第3のコードをさらに特徴とする請求項12に記載のソフトウェアプログラム。
【請求項16】
前記第1の電子モジュールは、所定のビット数によって規定された最大バス幅を有し、前記第1のビットパターンの対応部分の補完パターンである前記第2の受信ビットパターンは、セクションを有し、該セクションは、前記所定のビット数よりも少ないさらに別のビット数を有し、かつ、前記さらに別のコードが、前記第2の受信ビットパターンで前記セクションに基づいて前記データバスの使用可能幅を決定することを特徴とする請求項13に記載のソフトウェアプログラム。
【請求項17】
前記コードは、また、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールへ出力される第3のビットパターンを、
前記データバスを通して前記第2の電子モジュールから受信した第4のビットパターンと比較することを特徴とし、前記第3のビットパターンは、前記第1のビットパターンの補完パターンであり、前記さらに別のコードが前記データバスの使用可能バス幅を決定することを可能にするように、前記第2の電子モジュールで受信したときの前記第3のビットパターンに応答して、前記第3の受信ビットパターンと前記所定の関係を有する前記第4のビットパターンを出力することを特徴とする請求項13に記載のソフトウェアプログラム。
【請求項18】
電子装置で使用するメモリユニットであって、前記電子装置がデータ処理のためのホストの電子モジュールと、前記メモリユニットに前記ホストモジュールを動作可能なように接続するためのデータバスとを有するメモリユニットにおいて、
前記データバスを通して前記ホストモジュールから第1のビットパターンを受信する手段と、
前記第1の受信ビットパターンに応答して、前記データバスで第2のビットパターンを出力する手段と、を特徴とし、前記第2のビットパターンは、前記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有するメモリユニット。
【請求項19】
前記ホストの電子モジュールは、前記所定の関係に基づいて前記データバスの使用可能バス幅を決定するために、前記ホストモジュールで受信したときの前記第2のビットパターンと前記第1のビットパターンを比較するようになっていることを特徴とする請求項18に記載のメモリユニット。
【請求項20】
前記第1の受信ビットパターンが‘0’と‘1’の交互のパターンを有し、前記第2のビットパターンは、前記第1の受信ビットパターンの補完パターンであることを特徴とする請求項18または19に記載のメモリユニット。
【請求項21】
前記データバスは、最大バス幅を有し、かつ、前記メモリユニットは、前記データバスと動作可能なように接続するための複数のデータピンを有し、データピンの数は、前記最大のバス幅で伝送可能なデータビット数よりも少ないことを特徴とする請求項19に記載のメモリユニット。
【請求項22】
前記データバスは、最大バス幅を有し、かつ、前記メモリユニットは、前記データバスと動作可能なように接続するための複数のデータピンを有し、データピンの数は、前記最大のバス幅で伝送可能なデータビット数に等しいことを特徴とする請求項19に記載のメモリユニット。
【請求項23】
前記データバスが最大のバス幅を有し、前記メモリユニットが前記データバスと動作可能なように接続するための複数のデータピンを有し、データピンの数が前記最大のバス幅で伝送可能なデータビット数よりも多いことを特徴とする請求項19に記載のメモリユニット。
【請求項24】
メモリユニットを受け取る手段を有する電子装置であって、
データ処理ユニットと、
前記データ処理ユニットを前記メモリユニットとつなぐデータバスと、
前記データバスを通して第1のビットパターンを前記メモリユニットへ出力するためのコードを有する前記データバスの電子的機能性をチェックするためのプログラムと、を特徴とする電子装置。
【請求項25】
前記プログラムは、前記第1のビットパターンを前記メモリユニットから前記データバスを通して受信したときの第2のビットパターンと比較するためのさらに別のコードをさらに特徴とし、前記メモリユニットで受信したときの前記第1のビットパターンに応答して前記メモリユニットで前記第1の受信ビットパターンと所定の関係を有する前記第2のビットパターンを出力する請求項24に記載の電子装置。
【請求項26】
前記プログラムは、前記所定の関係に基づく前記第2の受信ビットパターンに基づいて前記データバスの使用可能幅を決定するための第3のコードをさらに特徴とする請求項25に記載の電子装置。
【請求項27】
ブートアップ手順で前記データバスの前記電子的機能性をチェックするために前記プログラムを実行することを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項28】
前記装置は、移動電話であることを特徴とする請求項24〜27のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項29】
前記メモリユニットをさらに別の電子装置に配置することを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項30】
前記メモリユニットは、
前記データバスを通して前記データ処理ユニットから前記第1のビットパターンを受信する手段と、
前記データバスを通して受信したときの前記第1のビットパターンに応答して、前記データバスで前記第2のビットパターンを出力する手段と、を備えることを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項31】
前記第1のビットパターンが‘0’と‘1’の交互のパターンを有することを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項32】
前記第1の受信ビットパターンと前記第2のビットパターンの個々のビットは、‘0’または‘1’のいずれかの値を有し、前記第2のビットパターンは、前記第1の受信ビットパターンの補完パターンであることを特徴とする請求項24に記載の電子装置。
【請求項33】
前記プログラムは、
前記データバスを通して前記メモリユニットに第3のビットパターンを出力するためのさらに別のコードをさらに備えることを特徴とし、前記第3のビットパターンは、前記第1のビットパターンの補完パターンであり、前記さらに別のコードが前記メモリユニットから前記データバスを通して受信した第4のビットパターンと前記第3のビットパターンを比較するために、前記メモリユニットで受信したときの前記第3のビットパターンに応答して前記第3の受信ビットパターンに対して前記所定の関係を有する前記第4のビットパターンを出力し、かつ、前記第3のコードは、前記第4の受信ビットパターンに基づいて前記データバスの使用可能幅も決定する請求項26に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−528042(P2007−528042A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516501(P2006−516501)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001632
【国際公開番号】WO2005/003797
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】