説明

メモリーカード用収納器

【課題】マイクロSDカードの如き、極小型軽量のメモリーカードの収納、携行に必要な簡単で便利な収納容器がなく、収納、整理に不便であることを解消すると共に、メモリーカードの紛失、小児の誤飲等の事故を防止する。
【解決手段】薄板状の台板1に、メモリーカード2を収納する収納部3を設け、該収納部3は、空間を有する孔部4と、該空間にメモリーカード2を保持する保持部5とを備えて形成したことを特徴とするメモリーカード用収納器10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロSDカード等のメモリーカードを収納、保管するための収納器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDやレコード・テープ等の各種情報を塔載するツールは多種多様であり、夫々を収納する収納器も多種に分かれており、その構造も無数である。
しかして、マイクロSDカード等のメモリーカードの如く構成上極めて小さく、しかも薄く形成されているメディア媒体を収納且つ持ち運び出来るような収納器は提案されていない。これらマイクロSDカード等のメモリーカードの如き製品は、そのメディア収納情報量が極めて大きく、しかも極小であり、持ち運び、収納保管或いは展示に場所もとらず、多数の商品展開や狭いスペースで販売等の商品メリットが大である。
【0003】
しかし、小型軽量が故に、紛失や小児の誤飲等の事故の招来が危虞されている。更に、このように極小型の製品であるが故に、その収納方法も収納具も定まらなかった。そこで、メモリーカードの収納ケースが提案され、例えば、蓋部と身部からなり、身部の底部から立爪支持部や押し出し機構が設けられた箱状の収納ケースが提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のケースは、箱状であって、身部の底部から立爪支持部や押し出し機構が設けられているため、嵩があり、財布、定期券入れ、ポケット等に入れることが出来ず、携帯に不便であった。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題に対応して、小型軽量のメモリーカードを確実且つ安全に収納して、財布、定期券入れ、場合によってポケット等に入れ、携行を容易とすることが出来るようにすることを目的とするものである。
【0007】
又、小型軽量のために見失い易く、紛失しがちで、小児の誤飲事故を招来しかねない小型のメモリーカードを、取り出し易く収納し、身近に置くことが出来る収納器を提案せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本願発明は、各人が近年誰でも携行している銀行カードや各社のクレジット用に提供されるカード型基材を基本とし、これにマイクロSDカード等のメモリーカードを収納或いは定置させるメモリーカードの収納器であり、具体的には、薄板状の台板に、メモリーカードを収納する収納部を設け、該収納部は、空間を有する孔部と、該空間にメモリーカードを保持する保持部とを備えて形成したことを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【0009】
又、上記メモリーカード用収納器において、前記台板の側端間に前記収納部と交わる切溝を設けると共に、当該切溝の対向する両側面に係止片と係合部を設けたことを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【0010】
又、上記メモリーカード用収納器において、前記保持部は、前記孔部の対向部から突出させた突部を備えて構成されることを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【0011】
又、上記メモリーカード用収納器において、前記台板の前記収納部周辺に柔軟性を有する複数の柱状体を設け、当該複数の柱状体の少なくとも一部を前記収納部内に突出形成させ、前記保持部は、前記収納部内に突出形成させた柱状体を備えて構成されることを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【0012】
又、記収納部の側端面に、2側又は4側面から弾性片を張出形成させ保持部としたことを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【0013】
又、前記台板の前記収納部周辺に柔軟性を有する複数の柱状体を設け、当該複数の柱状体の少なくとも一部を前記収納部内に突出形成させ、前記保持部は、前記収納部内に突出形成させた柱状体を備えて構成されることを特徴とするメモリーカード用収納器。
【0014】
又、上記メモリーカード用収納器において、前記台板の一端又は両端に、前記台板の側端間に設けた切溝により折曲自在な折返片を形成すると共に、台板と折返片或いは折返片同士で係合する係止片及び係合部を設けたことを特徴とするメモリーカード用収納器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来、小型軽量であるため適当な収納器、収納場所がなく、その置き場所、携行に苦労していたマイクロSDカードの如き小型のメモリーカードの収納、携帯に便利な収納器を提供することが出来た。
【0016】
又、本発明によれば、マイクロSDカードの如き小型軽量のメモリーカードを、常々携行しているクレジットカード、銀行カード等と略同様の収納器に収納することが出来、簡単に収納し携行して、メモリーカードの取り出し収納が出来、どこでもメモリーカードを使用しうる状態に置けるようになった。
【0017】
また、収納器への収納によって、紛失や小児の誤飲等の事故が防止出来た。更に、収納器への装飾も出来、各種の宣伝媒体としての使用にも便利となった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明一実施例斜面図である。
【図2】本発明一実施例使用状態説明斜面図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】図1のY−Y線断面図である。
【図5】本発明他実施例斜面図である。
【図6】本発明他実施例斜面図である。
【図7】本発明他実施平面図である。
【図8】本発明他実施平面図である。
【図9】本発明他実施例平面図である。
【図10】本発明他実施例開蓋斜面図である。
【図11】本発明他実施例閉蓋平面図である。
【図12】本発明実施例説明側面図である。
【図13】本発明実施例要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図に示す実施例により、本発明を詳細に説明する。
図1において、メモリーカード用収納器10は、台板1を備えて構成され、台板1は薄板状であって、プラスチック板、紙板、金属薄板、木製薄板等を用い、銀行カードや各種クレジットカード等と同程度の薄さ、大きさを有する形状に形成される。この平面形状は、限定されるものではなく、長方形、四方形、丸型等、各種選定自在である。
【0020】
2はメモリーカード、例えば現在市販されているマルチメディアカード(MMC)、SDメモリーカード、マイクロSDカード、メモリースティック(MS)、スマートメディア(SM)等のメモリーカードであるが、その種類、大きさは台板1に収納されるものであれば特に限定されない。
【0021】
3は収納部で、メモリーカード2を収納できる形状であれば良い。ここで収納とは、メモリーカード2が台板1に固定され、或いは離脱しない範囲で拘束されることをいう。
また、メモリーカード2の収納部3へ又は収納部3からの出入りが容易且つ円滑に行われることが必要である。収納部3は、台板1に空間を有する孔部4を形成させると共に、該孔部4にメモリーカード2を保持する保持部5を設けて構成することが出来る。
【0022】
孔部4は、上下の抜けた貫通孔でも良いし、折り曲げ可能なように底部41を薄く残す凹形、船底形でも良い。また、その大きさも収納するメモリーカード2の形状に適合させて、略同型、同大に形成する場合もあるが、やや大型に形成する場合もある。
【0023】
保持部5は、孔部4が貫通孔である場合、空間としての孔部4の上下端に突部、即ち突起51,51…、又は薄片状の突片を張出させて形成し、メモリーカード2を狭持させて、保持することが出来る。突部はメモリーカード2を載置し、押える受部と押さえ部を兼ねる部材である。この場合、上下一方の突起51,51を薄く或いは小さく形成し、弾力性を持たせることは推奨される。
【0024】
又、保持部5は、孔部4の底部41と孔部4の上端に空間方向に張出させた突起51,51で形成し、底部41と突起51間にメモリーカード2を狭持させる構成とすることも出来る。この場合、突起51と収納されるメモリーカード2間に多少のスペースがあっても良い。この場合、突起51,51は、適度の弾性により、メモリーカード2の出し入れの際の弾圧により折り曲げられ、出入りの容易さが生まれる。
【0025】
又、台板1に収納部3を形成し、保持部5にメモリーカード2を保持させ、その上部には、図示しないが、台板1に、回動自在或いは摺動自在に別途蓋体を設け、蓋体を回転させたり、スライドさせることにより、メモリーカード2を保持、保護させることも出来る。
【実施例1】
【0026】
図1から図4に示すように、メモリーカード用収納器10は、台板1を、台板1の側端間に渡って設けられた、中央の切溝11により折り曲げ自在に構成してある。切溝11は収納部3と交わり、収納部3は、切溝11の両側に跨って空間としての1個の孔部4が形成され、孔部4の上端縁に保持部5を構成する突部、即ち突起51,51、又は薄片状の突片が形成されている。又、孔部4には、底部41が形成されている。更に、切溝11を構成する対向する両側面に夫々係止部12、係合部13を形成させてある。使用に当たり、台板1を折り曲げ、切溝11間の収納部3を拡開し、その孔部4にメモリーカード2を収納させ、台板1を元の水平に戻す。しかる時、係止部12は係合部13に係合し、台板1の平面状態を固定すると共に、空間としての孔部4が固定され、メモリーカード2は孔部4内に置かれ、且つ上部は突起51,51により保持される。切溝11の底部15は、折曲自在となるように薄く構成してある。
【0027】
又、図示はしないが、孔部4を上下の抜けた貫通孔とした場合、孔部4の上下端縁に保持部5を構成する突起51,51、又は薄片状の突片を形成して構成することが出来る。。又、台板1にデザインを施し、或いは写真、絵等を以って飾り、或いは宣伝媒体として使用することは推奨される。
【実施例2】
【0028】
図5に示すように、メモリーカード用収納器10は、台板1に収納部3としての孔部4を穿設してある。孔部4の隅角部には、一端辺側には、孔部4の上下端に突起51,51を形成し、メモリーカード2の先端を突起51,51間に挿入し、他端辺側の下側に形成した突起51,51上に載置させる。この際、他端辺側の突起51,51上方には、柔軟性或いは有弾性の突片52,52を形成させて置き、メモリーカード2の他端を押し下げて、突片52を変形させて、メモリーカード2を突起51,51、突片52,52間に保持させる。
【0029】
尚、突部、即ち突起51又は/及び突片52は、必ずしも孔部4の隅角部に形成する必要はなく、孔部4の対向部から突出させても良い。
【実施例3】
【0030】
図6には、本発明実施例3を示す。
実施例3において、メモリーカード用収納器10は、上記実施例2の空間の孔部4を、メモリーカード2より片側に大きく空間32を作る如く形成し、空間32に指を入れてメモリーカード2を摘むことが出来るように構成してある。
また、この場合、台板1が薄い場合、或いは台板1と同程度又はより厚いメモリーカード2を使用する場合、図示しないが、図2に示すような突起51、突片52の両方或いは一方を台板1の面より上方又は下方或いは上下共に突出させて形成することも出来る。
【実施例4】
【0031】
メモリーカードの収納器10は、台板1に、実施例1における収納部3を複数設けた構造とすることが出来る。図7に示す如く、切溝11上に両側に空間としての孔部4を適宜間隔に3個設けてある。勿論、孔部4の個数は限定されない。
【実施例5】
【0032】
図8に示す如く、実施例5においては、メモリーカード用収納器10は、台板1の側面から中央方向に穿孔して、収納部3を設け、メモリーカード2を挿入する構成としている。この収納部3は、台板1がメモリーカード2より厚みがある場合は、台板1にメモリーカード2の挿入空間を形成するだけで良いが、メモリーカード2が台板1と同程度の厚み、更にはより厚さがある場合は、台板1上面を盛り上げたり、上下面の両面を盛り上げて収納部3を形成することが出来る。台板1の一部の盛り上げは、財布、定期券入れ、バック等の収納携行には支障がない程度に形成するのが良い。
又、メモリーカード2の保持には、収納部3の孔部4の片側又は両側側面を狭小化させて狭持したり、突起を設けて保持させることも出来る。
【実施例6】
【0033】
図9に示す如く、実施例6においては、メモリーカード用収納器10は、台板1に収納部3を構成する孔部4を形成させると共に、孔部4周辺の台板1上に弾性のある柱状体31,31…を複数本植立させ、当該複数の柱状体の少なくとも一部を前記収納部内に突出形成させ、即ち孔部4上周囲を囲むように孔部4上に張出してある。孔部4の底部には、別の台板1を設けたり、孔部4上に適宜数の突起51或いは突片を設けておくことも出来る。メモリーカード2の収納時には、柱状体31,31…を押しのける型で孔部4に収納させる。メモリーカード2は、孔部4の底部においては上記の底部、突起、突片等により支持され、上部は拡縮自在の柱状体31,31…に押されて支持されている。また、必要に応じ、孔部4の周囲上には突起、突片を設けてメモリーカード2を保持することも出来る。
【0034】
又、この柱状体31,31,31…は、台板1の全面又は一部を覆う如く構成することも出来、デザイン、感触に秀れたメモリーカード用収納器とすることが出来る。
【実施例7】
【0035】
図10,11に示す如く、実施例7においては、メモリーカード用収納器10は、台板1の両側に、台板1の側端間に設けた切溝11,11により折返片14,14を形成させる。メモリーカード2は、台板1に設けた収納部3としての空間たる孔部4に嵌合させ、蓋体となる折返片14によりメモリーカード2を押さえる構成としている。或いは、孔部4を設けず、又は孔部を設けると共に、2個の折返片14間には切込み窓141を設け、孔部4に収納したメモリーカード2を覗かせることが出来る。又、窓141には突起51,51を設け、メモリーカード2を保持させることも出来る。この折返片14と台板1との固定のために、折返片14同士の対向面、又は折返片14と対向する台板1部分に夫々実施例1で示すような係止片、係合部その他の係止片、係合片を設けて留めることも出来る。
【0036】
又、図示はしないが、台板1の1側部に切溝11により、台板1と同形状の折返片14を形成させた構成とすることも出来る。
【0037】
又、台板1或いは折返片14のみを透明材にて形成させ、台板1には各種のイラスト、広告等の絵、文字、その他を構出し、或いはそれらを構出した紙を貼付して使用することも出来る。
【0038】
又、図12に示す如く、台板1に収納部3を形成し、該収納部3にメモリーカード2を収納させ、別途蓋体6を被せ、該蓋体6を保持部5に係合保持させることが出来る。この際、蓋体6は板体であったり、十字状体であったり、メモリーカード2の抜け出しを防ぐものであれば良い。
又、材質は、適度の弾性のあるものであれば保持部5への係合は容易であり、硬質のものであれば台板1に切溝11を設けて図1の如く拡開、元の水平に戻して係合させることも出来る。
【0039】
図13に示す如く、台板1に形成した収納部3内に弾性片53,53を張出させて、メモリーカード2の保持部5とすることも出来る。収納部3の側端面32,32に両側から又4側面から弾性片53,53…を張出させ、弾性片53,53間にメモリーカード2を保持させる。この弾性片53,53は、台板1、収納部3の形成に際して、同時に一体成形出来るので、製造は簡単である。
又、収納部3の形成に際して、底部41を設けることは推奨される。
【0040】
尚、本発明は、上記実施例に限定されることなく、又、上記実施例を適宜組み合わせて構成されるメモリーカード用収納器を含むものである。
【符号の説明】
【0041】
1 台板
10 メモリーカード用収納器
11 切溝
12 係止片
13 係合部
14 折返片
2 メモリーカード
3 収納部
31 柱状体
33 孔部
4 孔部
41 底部
5 保持部
51 突起
52 突片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板状の台板に、メモリーカードを収納する収納部を設け、該収納部は、空間を有する孔部と、該空間にメモリーカードを保持する保持部とを備えて形成したことを特徴とするメモリーカード用収納器。
【請求項2】
前記台板の側端間に前記収納部と交わる切溝を設けると共に、当該切溝の対向する両側面に係止片と係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のメモリーカード用収納器。
【請求項3】
前記保持部は、前記孔部の対向部から突出させた突部を備えて構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメモリーカード用収納器。
【請求項4】
前記収納部にメモリーカードを収納し、別途形成の蓋体をもって該メモリーカードを保持させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のメモリーカード用収納器。
【請求項5】
前記収納部の側端面に、2側又は4側面から弾性片を張出形成させ保持部としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のメモリーカード用収納器。
【請求項6】
前記台板の前記収納部周辺に柔軟性を有する複数の柱状体を設け、当該複数の柱状体の少なくとも一部を前記収納部内に突出形成させ、前記保持部は、前記収納部内に突出形成させた柱状体を備えて構成されることを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載のメモリーカード用収納器。
【請求項7】
前記台板の一端又は両端に、前記台板の側端間に設けた切溝により折曲自在な折返片を形成すると共に、台板と折返片或いは折返片同士で係合する係止片及び係合部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のメモリーカード用収納器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−93604(P2011−93604A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252450(P2009−252450)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(509304542)
【出願人】(510187174)
【出願人】(510187185)
【出願人】(510187196)
【Fターム(参考)】