説明

メモリ装置、情報処理システム、メモリ制御方法、およびプログラム

【課題】特別な温度範囲が広い高価な不揮発性メモリを使わずに、温度保証範囲が狭い安価な汎用品不揮発性メモリを用いて広範囲な温度保証を実現することが可能なメモリ装置、情報処理システム、メモリ制御方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】メモリ装置は、不揮発性メモリと、不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、メモリコントローラは、不揮発性メモリに対するアクセス開始時に不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、要求に対する応答がない場合であって、温度検出部の検出温度が第1の閾値より低い場合、不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、不揮発性メモリに対して識別情報の転送を再要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、不揮発性メモリを備えたメモリ装置、情報処理システム、メモリ制御方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、オーディオレコーダ等の外部記憶装置として、不揮発性メモリであるフラッシュメモリを備えたメモリ装置が知られている。
フラッシュメモリは、データの書き込みおよび読み出しを、ブロック単位より小さいページ単位等でランダムに行うことができるが、データの消去はランダムではなくブロック単位で行われる。
【0003】
ところで、フラッシュメモリ、たとえばNANDフラッシュメモリには、動作温度仕様が存在する。
フラッシュメモリを搭載したメモリ装置の温度保障範囲は、フラッシュメモリの温度仕様に大きく依存し、これに従って決定される。
【0004】
一般的に、フラッシュメモリを搭載したメモリ装置において、高速でデータの読み書きを行うと、フラッシュメモリの発熱により、メモリ装置の表面温度が非常に高くなる傾向にある。
このような発熱に対応して温度管理を行う不揮発性メモリ装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 2008/093606 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、外部記憶装置としてフラッシュメモリを含むメモリ装置を備えたデジタルビデオカメラ等は、常温の状態だけでなく、たとえば常温よりも40℃近い高温の状態時や、零下の厳寒の低温状態で使用される場合がある。
上記した特許文献1に開示された不揮発性メモリ装置では、発熱対策は、一応高温対策として大まかに対応されているが、十分ではなく、また、低温状態下での使用時の動作の不具合が生じることへの対策は何ら行われていない。
【0007】
上述したように、メモリ装置の温度仕様は、フラッシュメモリの温度仕様の依存が大きい。フラッシュメモリのプロセス世代が進むと温度仕様が厳しくなる可能性があり、その時、メモリ装置の温度仕様も狭くなる可能性がある。
また、温度仕様が広いものは、高価なものが多いため、広範囲の温度仕様のメモリメディアにかかるコストは必然的に高くなる。
【0008】
本技術は、特別な温度範囲が広い高価な不揮発性メモリを使わずに、温度保証範囲が狭い安価な汎用品不揮発性メモリを用いて広範囲な温度保証を実現することが可能なメモリ装置、情報処理システム、メモリ制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の第1の観点のメモリ装置は、データを記憶する不揮発性メモリと、上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、上記メモリコントローラは、上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内に達した場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する。
【0010】
本技術の第2の観点の情報処理システムは、メモリ装置と、上記メモリ装置に対するアクセス制御を行うホスト装置と、を有し、上記メモリ装置は、データを記憶する不揮発性メモリと、上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、上記メモリコントローラは、上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する。
【0011】
本技術の第3の観点のメモリ制御方法は、データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御ステップと、メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出ステップと、を有し、上記アクセス制御ステップでは、上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出ステップにおける温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する。
【0012】
本技術の第4の観点は、データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御処理と、メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出処理と、を有し、上記アクセス制御処理では、上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出処理における温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求するメモリ制御処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本技術によれば、特別な温度範囲が広い高価な不揮発性メモリを使わずに、温度保証範囲が狭い安価な汎用品不揮発性メモリを用いて広範囲な温度保証を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に適用される情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示されるメモリ装置の温度制御の構成を中心とした構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る発熱体およびその制御系を模式的に示す図である。
【図4】温度が低く、不揮発性メモリが認識できないときの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】温度が低いが認識できている時、または不揮発性メモリからの応答が遅い時の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】温度が高く、発熱を抑えたい時および温度が高すぎる時の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】温度変化に対するインピーダンス追従処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.情報処理システムの全体構成の概要
2.メモリ装置の構成例
3.メモリ装置の温度に応じた制御動作の概要
【0016】
<1.情報処理システムの全体構成の概要>
図1は、本実施形態に適用される情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、この情報処理システムは、ホスト装置10と、ホスト装置10に着脱自在に装着可能な情報処理装置としてのメモリ装置20を主構成要素として有している。本実施形態において、メモリ装置20はNANDフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。
【0018】
フラッシュメモリは、年々、プロセスが進むことで、温度範囲の仕様が厳しくなり、また、温度変化に対する使いこなしが必要となることがある。
本実施形態のメモリ装置20は、それらに対処する構成を含み、これにより、メモリデバイスの温度仕様を広げ、品質の向上が可能となるように構成されている。
NANDフラッシュ等のフラッシュメモリには、動作温度仕様が存在する。フラッシュメモリを搭載したメモリ装置の温度保証範囲は、フラッシュメモリの温度仕様に大きく依存し、これに従って決定される。
【0019】
これに対して、本実施形態のメモリ装置20は、温度仕様を広げ、品質の向上を図るべく、以下の特徴的な構成を有する。
まず、メモリ装置20は、メモリデバイス上にサーミスタ素子(チップ温度素子)等の温度検出部を搭載し、メモリコントローラが温度を検知し、検知温度に応じた制御を行う機能を有している。
メモリ装置20は、検知した温度が第1の閾値VTHL(たとえば5°C)より低く動作範囲外であれば、速度を落とす、温度が上がるまで待つ、若しくは、温度を上げる動作を行う。また、メモリ装置20は、検出した温度が第2の閾値VTHH(たとえば60°C)より高いときは、高速動作を遅くすることで、消費電力を下げ、発熱を抑える等の動作を行う。
【0020】
以上より、本実施形態のメモリ装置20は、フラッシュメモリの温度仕様よりも広い温度仕様のメモリデバイスの設計が可能となっている。
また、このことにより、本実施形態のメモリ装置20は、特別な温度範囲が広い高価なフラッシュメモリを使わずに、温度保証範囲が狭い安価な汎用品フラッシュメモリを用いた広範囲な温度保証のメモリデバイスを実現できる。
以下、ホスト装置10およびメモリ装置20の具体的な構成およびメモリ装置の温度に応じ制御動作について説明する。
【0021】
[ホスト装置10の構成]
ホスト装置10は、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ(PC)、デジタルスチルカメラ、オーディオレコーダ等の機器により形成される。
ホスト装置10は、制御部(CPU)11、メモリ12、ディスプレイ13、入出力処理(I/O)部14、外部メモリンタフェース(I/F)15、およびストレージデバイス16を備える。
制御部11には、メモリ12、ディスプレイ13、I/O部14、外部メモリI/F15およびストレージデバイス16が接続されている。
メモリ12は、プログラム格納用のROM、作業用メモリであるRAM等を有する。
外部メモリI/F15は、制御部11の制御命令に従ってメモリ装置20との間でデータを送受する。
また、ホスト装置10は、メモリ装置20のアクセスを制御し、たとえばメモリ装置20側で温度検知の結果、装置温度が高すぎてエラーステータスを受けた場合等、制御部11がエラー処理等を行う。
【0022】
<2.メモリ装置20の構成例>
メモリ装置20は、制御部(CPU)21、メモリ22、不揮発性メモリ23、デバイスI/F24、温度検出部25、および発熱体26を有する。
制御部21には、メモリ22、不揮発性メモリ23、デバイスI/F24および温度検出部25が接続されている。
メモリ22は、プログラム格納用のROM、作業用メモリであるRAM等を有する。メモリ22は、たとえば内部(Internal)RAM、バッファ(Buffer)RAMを含む。
不揮発性メモリ23は、たとえば、NAND型あるいはNOR型のフラッシュメモリにより形成される。本実施形態では、不揮発性メモリとしてNANDフラッシュメモリを例に説明する。
デバイスI/F24は、制御部21の制御命令に従ってホスト装置10あるいは周辺機器との間でデータを送受する。
なお、メモリ装置20において、制御部(CPU)21、メモリ22、ホストI/F24等によりメモリコントローラが形成される。
【0023】
図2は、図1に示されるメモリ装置20の温度制御の構成を中心とした構成例を示すブロック図である。
【0024】
メモリ装置20は、たとえばホスト装置(デバイス)10に装着されているとき、ホスト装置10からアクセスが制御され、ホスト装置10から供給されるデータが書き込まれ、記憶したデータが読み出される。
【0025】
メモリ装置20において、たとえばNANDフラッシュメモリにより形成される不揮発性メモリ23はブロックBLK単位にデータの消去が行われ、ブロックに対してブロック単位より小さい、たとえばページPG単位でデータの書き込みおよび読み出しが行われる。
不揮発性メモリ23は、昇圧回路231を含み、消去は、昇圧回路231による昇圧電圧により行う。
不揮発性メモリ23において、データの書き込みおよび読み出しは、たとえば電源ラインによる3Vや5V系の電圧により行われ、消去は、昇圧回路231で入力電圧を7〜10V程度に昇圧した電圧によりブロック単位で一括的に行われる。
したがって、消去動作は、書き込みや読み出し動作により消費電力が大きく、発熱量も大きい。
また、不揮発性メモリ23は、温度に応じたインピーダンス制御信号CTLにより、インピーダンスを設定可能である。
【0026】
温度検出部25は、たとえばサーミスタ素子により形成され、メモリ装置内にたとえば不揮発性メモリ23に隣接して配置され、たとえばメモリコントローラ30の制御の下、メモリ装置20内の温度を検出し、その検出結果をメモリコントローラ30に出力する。
【0027】
発熱体26は、たとえば発熱コイルを含む発熱シートにより形成され、メモリ装置20の素子搭載基板201の不揮発性メモリ23の搭載面である基板201の一方側の面あるいは両面に貼付するように配置される。
ただし、発熱体26は、不揮発性メモリ23の外部上面に位置するように貼付してもよい。
この発熱体26は、メモリコントローラ30により駆動制御される。
【0028】
図3は、本実施形態に係る発熱体およびその制御系を模式的に示す図である。
発熱体26は、発熱コイル261を有する。発熱コイル261は、一端側がバイアス電圧源VBに接続され、他端側がスイッチ素子である電界効果トランジスタFET1を介して基準電位(たとえばグランド)VSSに接続される。
具体的には、発熱コイル261の他端側がn型電界効果トランジスタFET1のドレインに接続され、電界効果トランジスタFET1のソースが基準電位VSSに接続されている。そして、電荷効果トランジスタFET1のゲートにメモリコントローラ30による駆動信号DRVが選択的に供給される。
メモリコントローラ30に、電流を引くことができない場合、電流容量の高いFETをスイッチングすることにより、発熱体26に流れる電流を制御する。
図3の例の場合、メモリコントローラ30よりハイレベルの駆動信号DRVを出力時はFET1がオンして発熱体26が発熱し、駆動信号DRVがローレベルの時は、FET1はオフしており、発熱体26は発熱しない。
【0029】
制御部21を含むメモリコントローラ30は、デバイスI/F24を通してのホスト装置10との間のコマンドやデータの転送制御、不揮発性メモリ23に対しての書き込みや読み出し制御等のアクセス制御、メモリ装置20全体の制御を行う。
ここで、アクセスとは、不揮発性メモリ23へのデータの書き込み、不揮発性メモリ23からのデータの読み出し、消去等、メモリコントローラ30が不揮発性メモリ23に対して信号等で何らかの働きかけを行う処理を含むものとする。
また、メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23に対して、信号を送る電流駆動能力を制御可能である。
【0030】
メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23に対するアクセス開始時に、信号ラインSLNを通して不揮発性メモリに識別情報(ID)の転送を要求する。
メモリコントローラ30は、ID要求に対する応答がない場合であって、温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定した第1の閾値VTHL(たとえば5°C)より低い場合、次の処理を行う。
メモリコントローラ30は、少なくとも不揮発性メモリ23の温度を上げるように温度上昇制御を行う。
メモリコントローラ30は、温度上昇制御により温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定された仕様範囲内(TVHL≦T≦TVHH)にある場合には、不揮発性メモリ23に対してID(識別情報)の転送を再要求する。
【0031】
ここで、TVHLは温度仕様範囲の低温側下限値として第1の閾値を示し、TVHHは温度仕様範囲の高温側上限値としての第2の閾値を示す。
なお、ここでの温度仕様範囲の下限値を決める第1の閾値VTHLは、ID要求の応答の有無を判断するために、通常のデバイスに設定される温度仕様下限値(たとえば−25°C)より高目に設定してある。本実施形態では、5°Cに設定される。
温度仕様範囲の上限値を決める第2の閾値VTHHは、たとえば60°Cに設定される。この第2の閾値VTHHは、45°Cや50°C等、通常のデバイスに設定される温度仕様上限値(たとえば60°C)より低い値に設定してもよい。
【0032】
メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23にID転送を要求し、ID要求に対する応答がある場合であって、温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定した第1の閾値VTHL(たとえば5°C)より低い場合、次の処理を行う。
メモリコントローラ30は、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも不揮発性メモリ23の温度を上げるように温度上昇制御を行う。
メモリコントローラ30は、温度上昇制御により温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定された仕様範囲内(TVHL≦T≦TVHH)にある場合には、不揮発性メモリ23に対して、ホスト装置10からのコマンドに応じた通常のアクセス処理を行う。
メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23にID転送を要求し、ID要求に対する応答がない場合であって、温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定した第1の閾値VTHL(たとえば5°C)より低い場合、次の処理を行う。
メモリコントローラ30は、少なくとも不揮発性メモリ23の温度を上げるように温度上昇制御を行って、不揮発性メモリ23に対してID転送を再要求する。
メモリコントローラ30は、再要求に対して応答がある場合であって、温度上昇制御により温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定された仕様範囲内(TVHL≦T≦TVHH)にある場合には、不揮発性メモリ23に対して通常のアクセス処理を行う。
【0033】
メモリコントローラ30は、アクセス処理の抑制制御においては、不揮発性メモリ23側のキャパシタの容量不足を考慮して、所定期間アクセス速度を下げて書き込みや読み出しを行う。あるいは、メモリコントローラ30は、アクセス処理の抑制制御において、所定期間アクセス処理に対応しない。
【0034】
メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、たとえば不揮発性メモリ23に接続されている電源ラインVLNまたは信号ラインSLNを通して電流が流れるように制御する。
メモリコントローラ30は、たとえば8ビットある信号ラインSLNのすべてあるいは複数ラインの3V等の固定電位に設定して不揮発性メモリ23に電流が流れるように制御し、その消費電力により自己発熱させて、不揮発性メモリ23自体を温度上昇させる。
また、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、上記した発熱体26の駆動信号DRVをハイレベルに設定して駆動し、外的に不揮発性メモリ23を温度上昇させる。
また、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、不揮発性メモリ23の所定のブロックに対して、昇圧回路231による昇圧電圧での消去を行う。
消去動作は、書き込みや読み出し動作により消費電力が大きく、発熱量も大きく温度上昇も見込める。そこで、この例のように、無動作時に決められたブロックを消去することによって、不揮発性メモリ23を温度上昇させることができる。
なお、ここで、温度上昇制御を、電源や信号ラインによる電流流し込みによる昇温、発熱体26による昇温、消去動作による昇温について述べた。ただし、これらは単独で適用しても、これらの適宜組み合わせて、複数あるいはすべてを組み合わせて適用することも可能である。
【0035】
メモリコントローラ30は、温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定した第2の閾値VTHHより高い場合、少なくとも不揮発性メモリ23の温度を下げるように温度降下制御を行う。
メモリコントローラ30は、温度降下制御を行った結果、温度検出部25の検出温度Tがあらかじめ設定された仕様範囲内より高い場合には、エラーステータス情報を外部のホスト装置10に出力する。
メモリコントローラ30は、温度降下制御において、書き込み、読み込み周期を下げ、速度を下げる。これにより、消費電流が下がり、自己発熱量が下がり、その結果、不揮発性メモリ23の温度が降下する。
このように検知温度が高い場合、メモリコントローラ30は、書き込み速度あるいは読み込み速度を下げる。速度のパフォーマンスは、常温時には劣るが消費電力が低く、発熱を抑えた書き込みや読み込みは可能な状態である。
【0036】
また、不揮発性メモリ23は、温度に応じたインピーダンスを設定可能なものがあり、これらの不揮発性メモリ23が搭載されている場合、メモリコントローラ30は、温度検出部25の検出温度Tに応じてインピーダンスの設定制御を行うことが可能である。
【0037】
<3.メモリ装置の温度に応じた制御動作>
以下に、本実施形態に係るメモリ装置20における温度に応じた制御動作の概要について説明する。
【0038】
メモリ装置20では、温度において下記の特性の変化が見られる。
[3.1 温度が低い場合]
温度が低い場合、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)23からの応答がなく不揮発性メモリ23を認識できない。また、信号波形がシャープになり、キャパシタの容量が下がるため、キャパシタの容量が足らなくなる。
[3.2 温度が高い場合]
温度が高い場合、書き込みや読み込みエラーレートが上がる。
[3.3 温度変化]
温度の変化があると、インピーダンスが変わる。
以上より、以下にそれぞれの場合に対処する例について説明する。
【0039】
[3.1.1 温度が低く、不揮発性メモリが認識できないときの制御動作]
図4は、温度が低く、不揮発性メモリが認識できないときの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23に対するデータの書き込みあるいは読み出しを行うアクセス開始時に、不揮発性メモリ23にID(識別情報)の転送を要求する(ST1)。
メモリコントローラ30は、ID転送要求を行って、所的期間内にID要求に対する応答があったか否かの判定を行う(ST2)。ここで応答があったとは、所定期間内に不揮発性メモリ23からIDが転送され、メモリコントローラ30が不揮発性メモリ23を認識(確認)できたことをいう。
ステップST2において、メモリコントローラ30は、ID要求に対する応答がないと判定した場合、温度検出部25の検出温度Tを読み込み(ST3)、検出温度Tがあらかじめ設定した第1の閾値VTHLより低いか否かを判定する(ST4)。
ステップST4において、検出温度Tが第1の閾値VTHLにより低いと判定した場合、メモリコントローラ30は、温度が低すぎるとして、不揮発性メモリ23の温度を上げるように温度上昇制御を行う(ST5)。
メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、たとえば不揮発性メモリ23に接続されている電源ラインVLNまたは信号ラインSLNを通して電流が流れるように制御する。
あるいは、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、発熱体26の駆動信号DRVをハイレベルに設定して駆動し、外的に不揮発性メモリ23を温度上昇させる。
また、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、不揮発性メモリ23の所定のブロックに対して、昇圧回路231による昇圧電圧での消去を行う。
メモリコントローラ30は、温度上昇制御を行って、温度検出部25の検出温度Tを読み込み(ST6)、検出温度Tが第1の閾値VTHL以上で第2の閾値VTHH以下のあらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行う(ST7)。
ステップST7において、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にある場合には、メモリコントローラ30、不揮発性メモリ23に対してID(識別情報)の転送を再要求する(ST8)。
そして、メモリコントローラ30は、所的期間内にID要求に対する応答があったか否かの判定を行う(ST9)。
ステップST9またはステップST2において、応答があったと判定した場合には、メモリコントローラ30は、通常のメモリアクセス制御を行う(ST10)。
ステップST9において、応答がないと判定した場合には、メモリコントローラ30は、エラーとしてエラーステータス情報をホスト装置10に送信するエラー処理を行う(ST11)。
【0041】
[3.1.2 温度が低いが認識できている時、または不揮発性メモリからの応答が遅い時]
図5は、温度が低いが認識できている時、または不揮発性メモリからの応答が遅い時の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
メモリコントローラ30は、不揮発性メモリ23に対するデータの書き込みあるいは読み出しを行うアクセス開始時に、不揮発性メモリ23にID(識別情報)の転送を要求する(ST21)。
メモリコントローラ30は、ID転送要求を行って、所的期間内にID要求に対する応答があったか否かの判定を行う(ST22)。
ステップST22において、メモリコントローラ30は、ID要求に対する応答があったと判定した場合、温度検出部25の検出温度Tを読み込む(ST23)。そして、メモリコントローラ30は、検出温度Tが第1の閾値VTHL以上で第2の閾値VTHH以下のあらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行う(ST24)。
ステップST24において、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にない場合には、検出温度Tが第1の閾値VTHLより低いか否かを判定する(ST25)。
ステップST25において、検出温度Tが第1の閾値VTHLにより低いと判定した場合、メモリコントローラ30は、温度が低すぎるとして、不揮発性メモリ23の温度を上げるようにアクセス処理の抑制制御(ST26)および温度上昇制御を行う(ST27)。そして、ステップST24に処理に戻る。
メモリコントローラ30は、アクセス処理の抑制制御においては、不揮発性メモリ23側のキャパシタの容量不足を考慮して、所定期間アクセス速度を下げて書き込みや読み出しを行う。あるいは、メモリコントローラ30は、アクセス処理の抑制制御において、所定期間アクセス処理に対応しない。
また、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、たとえば不揮発性メモリ23に接続されている電源ラインVLNまたは信号ラインSLNを通して電流が流れるように制御する。
あるいは、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、発熱体26の駆動信号DRVをハイレベルに設定して駆動し、外的に不揮発性メモリ23を温度上昇させる。
また、メモリコントローラ30は、温度上昇制御において、不揮発性メモリ23の所定のブロックに対して、昇圧回路231による昇圧電圧での消去を行う。
メモリコントローラ30は、アクセス抑制制御および温度上昇制御を行って、ステップST24の処理に戻り、検出温度Tが第1の閾値VTHL以上で第2の閾値VTHH以下のあらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行う。
ステップST24において、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にある場合には、メモリコントローラ30、不揮発性メモリ23に対し通常のアクセス制御を行う(ST28)。
ステップST25において、検出温度Tが第1の閾値VTHLにより低くないと判定した場合には、たとえば高温側の制御を行う。
【0043】
ステップST22において、ID要求に対する応答がないと判定した場合には、温度検出部25の検出温度Tを読み込み(ST29)、検出温度Tが第1の閾値VTHLより低いか否かを判定する(ST30)。
ステップST30において、検出温度Tが第1の閾値VTHLにより低いと判定した場合、メモリコントローラ30は、温度が低すぎるとして、不揮発性メモリ23の温度を上げるように温度上昇制御を行う(ST31)。
メモリコントローラ30は、温度上昇制御を行って、不揮発性メモリ23に対してID(識別情報)の転送を再要求する(ST32)。
そして、メモリコントローラ30は、所的期間内にID要求に対する応答があったか否かの判定を行う(ST33)。
ステップST33において、応答があったと判定した場合には、メモリコントローラ30は、ステップST24の処理に移行する。
ステップST33において、応答がないと判定した場合には、メモリコントローラ30は、温度検出部25の検出温度Tを読み込む(ST34)。そして、メモリコントローラ30は、検出温度Tが第1の閾値VTHL以上に第2の閾値VTHH以下のあらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行う(ST35)。
ステップST35において、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にない場合には、ステップST31の処理に移行する。ある場合には、メモリコントローラ30は、エラーとしてエラーステータス情報をホスト装置10に送信するエラー処理を行う(ST36)。
【0044】
[3.2 温度が高く、発熱を抑えたい時および温度が高すぎる時]
図6は、温度が高く、発熱を抑えたい時および温度が高すぎる時の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【0045】
たとえば、通常のアクセス処理を行っているときに(ST41)、所定の周期で設定された監視時間MTになると(ST42)、メモリコントローラ30は、温度検出部25の検出温度Tを読み込む(ST43)。そして、メモリコントローラ30は、検出温度Tが第2の閾値VTHHより高いか否かを判定する(ST44)。
ステップST44において、検出温度Tが第2の閾値VTHHにより高いと判定した場合、メモリコントローラ30は、温度が高いとして、不揮発性メモリ23の温度を下げるように温度降下制御を行う(ST45)。
メモリコントローラ30は、温度降下制御において、書き込み、読み込み周期を下げ、速度を下げる。これにより、消費電流が下がり、自己発熱量が下がり、その結果、不揮発性メモリ23の温度が降下する。
このように検知温度が高い場合、メモリコントローラ30は、書き込み速度あるいは読み込み速度を下げる。速度のパフォーマンスは、常温時には劣るが消費電力が低く、発熱を抑えた書き込みや読み込みは可能な状態である。
メモリコントローラ30は、温度降下制御を行って、温度検出部25の検出温度Tを読み込む(ST46)。そして、メモリコントローラ30は、検出温度Tが第1の閾値VTHL以上に第2の閾値VTHH以下のあらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行う(ST47)。
ステップST47おいて、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にある場合には、メモリコントローラ30は、通常のアクセス処理を行う(ST48)。
ステップST47において、検出温度Tが仕様範囲内(VTHL≦T≦VTHH)にない場合には、次の処理を行う。
メモリコントローラ30は、温度が高すぎて温度降下制御によっても温度仕様範囲内に下がらないとしてエラーとしてエラーステータス情報をホスト装置10に送信するエラー処理を行う(ST49)。
【0046】
[3.3 温度変化に対するインピーダンス追従]
図7は、温度変化に対するインピーダンス追従処理を説明するためのフローチャートである。
【0047】
たとえば、通常のアクセス処理を行っているときに(ST51)、所定の周期で設定された監視時間MTになると(ST52)、メモリコントローラ30は、温度検出部25の検出温度Tを読み込む(ST53)。
メモリコントローラ30は、制御信号CTLを不揮発性メモリ23に出力し、検出温度に適したインピーダンス設定を行うように制御する(ST54)。
そして、通常のアクセス処理として書き込みまたは読み込みを行う(ST55)。
【0048】
以上の各処理を導入することにより、メモリ装置20は、フラッシュメモリの温度仕様範囲外の温度仕様を持つことが可能となる。
また、温度仕様範囲が狭いとフラッシュメモリは安価な場合が多く、それを搭載した部品コストが低く、かつ、広範囲な温度仕様のメモリデバイスが実現でき、品質の向上が見込める。
【0049】
なお、低温で反応がなくなるフラッシュメモリ(Intel製29F32G08AAME1)が存在する。
このメモリデバイスは、−5°Cで保存し、デバイスの電源をオンにすると、フラッシュメモリから反応がない(IDの応答ない)ことが判明した。その後5分間電源オンにしたまま放置するとフラッシュメモリからの反応があった(IDの応答があった)。
0°Cでも、上記と同様であった。+5°C以上の環境だと、最初からフラッシュメモリからの反応はあった。
以上より、Intel製29F32G08AAME1において、温度が低いと反応がなくなり、その場合、温めることにより、反応は復活することが判明した。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態のメモリ装置20は、メモリ装置20は、メモリデバイス上にサーミスタ素子(チップ温度素子)等の温度検出部を搭載し、メモリコントローラが温度を検知し、検知温度に応じた制御を行う機能を有している。
メモリ装置20は、検知した温度が第1の閾値VTHL(たとえば5°C)より低く動作範囲外であれば、速度を落とす、温度が上がるまで待つ、若しくは、温度を上げる動作を行う。また、メモリ装置20は、検出した温度が第2の閾値VTHH(たとえば60°C)より高いときは、高速動作を遅くすることで、消費電力を下げ、発熱を抑える等の動作を行う。
以上より、本実施形態によれば、フラッシュメモリの温度仕様よりも広い温度仕様のメモリデバイスの設計が可能となっている。
また、このことにより、本実施形態によれば、特別な温度範囲が広い高価なフラッシュメモリを使わずに、温度保証範囲が狭い安価な汎用品フラッシュメモリを用いた広範囲な温度保証のメモリデバイスを実現でき、ひいては品質の向上を図ることができる。
【0051】
上述した本実施形態に限らず、本技術の要旨を逸脱しない限り、適宜、変更しうることはいうまでもない。
【0052】
また、以上詳細に説明した方法は、上記手順に応じたプログラムとして形成し、CPU等のコンピュータで実行するように構成することも可能である。
また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
【0053】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)データを記憶する不揮発性メモリと、
上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、
メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ装置。
(2)上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(1)記載のメモリ装置。
(3)上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(2)記載のメモリ装置。
(4)上記メモリコントローラは、
上記アクセス処理の抑制制御において、所定期間アクセス速度を下げて、または所定期間アクセス処理に対応しない
上記(2)または(3)記載のメモリ装置。
(5)上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、上記不揮発性メモリに接続されている電源ラインまたは信号ラインを通して電流が流れるように制御する
上記(1)から(4)のいずれか一に記載のメモリ装置。
(6)少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上昇可能に配置された発熱体を有し、
上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、上記発熱体を駆動する
上記(1)から(5)のいずれか一に記載のメモリ装置。
(7)上記不揮発性メモリは、
昇圧回路を含み、
ブロック単位にデータの消去が行われ、ブロックに対してブロック単位より小さい、ページ単位でデータの書き込みおよび読み出しが行われ、
上記消去は、上記昇圧回路による昇圧電圧により行われ、
上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、所定のブロックに対する消去を行う
上記(1)から(6)のいずれか一に記載のメモリ装置。
(8)上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第2の閾値より高い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を下げるように温度降下制御を行う
上記(1)から(7)のいずれか一に記載のメモリ装置。
(9)上記メモリコントローラは、
上記温度降下制御を行った結果、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内より高い場合には、エラー情報を外部に出力する
上記(8)記載のメモリ装置。
(10)少なくとも上記不揮発性メモリは、温度に応じたインピーダンスを設定可能で、
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度に応じて上記インピーダンスの設定制御を行う、
または、不揮発性メモリへの信号線の電流駆動能力の制御を行う、
上記(1)から(9)のいずれか一に記載のメモリ装置。
【0054】
(11)メモリ装置と、
上記メモリ装置に対するアクセス制御を行うホスト装置と、を有し、
上記メモリ装置は、
データを記憶する不揮発性メモリと、
上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、
メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
情報処理システム。
(12)上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(11)記載の情報処理システム。
(13)上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(12)記載の情報処理システム。
(14)上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第2の閾値より高い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を下げるように温度降下制御を行う
上記(11)から(13)のいずれか一記載の情報処理システム。
(15)少なくとも上記不揮発性メモリは、温度に応じたインピーダンスを設定可能で、
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度に応じて上記インピーダンスの設定制御を行う、
または、不揮発性メモリへの信号線の電流駆動能力の制御を行う、
上記(11)から(14)のいずれか一に記載の情報処理システム。
【0055】
(16)データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御ステップと、
メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出ステップと、を有し、
上記アクセス制御ステップでは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出ステップにおける温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ制御方法。
(17)上記アクセス制御ステップでは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がある場合、上記温度検出ステップにおける温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(16)のメモリ制御方法。
(18)上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、
応答がある場合には、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かを判定し、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
上記(17)記載のメモリ制御方法。
(19)データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御処理と、
メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出処理と、を有し、
上記アクセス制御処理では、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出処理における温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0056】
20・・・メモリ装置、21・・・制御部、22・・・メモリ、23・・・不揮発性メモリ、24・・・ホストI/F、25・・・温度検出部、28、発熱体、30・・・メモリコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する不揮発性メモリと、
上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、
メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ装置。
【請求項2】
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項3】
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項2記載のメモリ装置。
【請求項4】
上記メモリコントローラは、
上記アクセス処理の抑制制御において、所定期間アクセス速度を下げて、または所定期間アクセス処理に対応しない
請求項2記載のメモリ装置。
【請求項5】
上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、上記不揮発性メモリに接続されている電源ラインまたは信号ラインを通して電流が流れるように制御する
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項6】
少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上昇可能に配置された発熱体を有し、
上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、上記発熱体を駆動する
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項7】
上記不揮発性メモリは、
昇圧回路を含み、
ブロック単位にデータの消去が行われ、ブロックに対してブロック単位より小さい、ページ単位でデータの書き込みおよび読み出しが行われ、
上記消去は、上記昇圧回路による昇圧電圧により行われ、
上記メモリコントローラは、
上記温度上昇制御において、所定のブロックに対する消去を行う
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項8】
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第2の閾値より高い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を下げるように温度降下制御を行う
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項9】
上記メモリコントローラは、
上記温度降下制御を行った結果、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内より高い場合には、エラー情報を外部に出力する
請求項8記載のメモリ装置。
【請求項10】
少なくとも上記不揮発性メモリは、温度に応じたインピーダンスを設定可能で、
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度に応じて上記インピーダンスの設定制御、または、不揮発性メモリへの信号線の電流駆動能力制御を行う
請求項1記載のメモリ装置。
【請求項11】
メモリ装置と、
上記メモリ装置に対するアクセス制御を行うホスト装置と、を有し、
上記メモリ装置は、
データを記憶する不揮発性メモリと、
上記不揮発性メモリに対してアクセスを行うメモリコントローラと、
メモリ装置の温度を検出する温度検出部と、を有し、
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
情報処理システム。
【請求項12】
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項11記載の情報処理システム。
【請求項13】
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、当該要求に対する応答がない場合であって、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、応答がある場合であって、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項12記載の情報処理システム。
【請求項14】
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第2の閾値より高い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を下げるように温度降下制御を行う
請求項11記載の情報処理システム。
【請求項15】
少なくとも上記不揮発性メモリは、温度に応じたインピーダンスを設定可能で、
上記メモリコントローラは、
上記温度検出部の検出温度に応じて上記インピーダンスの設定制御を行う、または、不揮発性メモリへの信号線の電流駆動能力制御を行う
請求項11記載の情報処理システム。
【請求項16】
データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御ステップと、
メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出ステップと、を有し、
上記アクセス制御ステップでは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出ステップにおける温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ制御方法。
【請求項17】
上記アクセス制御ステップでは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がある場合、上記温度検出ステップにおける温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、アクセス処理の抑制制御を行って、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項16記載のメモリ制御方法。
【請求項18】
上記メモリコントローラは、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出部の検出温度が上記第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求し、
応答がある場合には、上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かを判定し、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して通常のアクセス処理を行う
請求項17記載のメモリ制御方法。
【請求項19】
データを記憶する不揮発性メモリに対してアクセスを行うアクセス制御処理と、
メモリ装置の温度を温度検出部で検出する温度検出処理と、を有し、
上記アクセス制御処理では、
上記不揮発性メモリに対するアクセス開始時に、当該不揮発性メモリに識別情報の転送を要求し、
当該要求に対する応答がない場合、上記温度検出処理における温度検出部の検出温度があらかじめ設定した第1の閾値より低いか否かを判定し、
低い場合、少なくとも上記不揮発性メモリの温度を上げるように温度上昇制御を行い、
温度上昇制御により上記温度検出部の検出温度があらかじめ設定された仕様範囲内にあるか否かの判定を行い、
仕様範囲内にある場合には、上記不揮発性メモリに対して上記識別情報の転送を再要求する
メモリ制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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