説明

メンブレン・タッチ・スイッチ用途に用いるための導電性ペースト

【課題】低い低効率および折り目をつけた後における低い低効率変化のような優れた特性を示すメンブレン・タッチ・スイッチの提供。
【解決手段】メンブレン・タッチ・スイッチ用途のための厚膜ペーストは、a)導電性粉末と、b)フェノキシ樹脂と、c)ウレタン樹脂と、d)有機溶剤とを含み、成分a)、b)およびc)は、成分d)中に溶解または分散されている。そのペーストから作製されるMTSは、低い抵抗率および折り目付け後の低い抵抗率変化のような優れた特性を示す。加えて、ハロゲンの含有量が非常に低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンブレン・タッチ・スイッチを製造するために有用な改善された導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
「メンブレン・タッチ・スイッチ」(MTS)は、その高い可撓性および軽量性の特性を用いて、キーボートまたは電子スイッチにおいて広く用いられている。典型的には、厚膜ペーストを用いて、MTS用の回路および電極を作製する。
【0003】
厚膜ペーストは、有機ビヒクルすなわち媒質中に分散された、導電性材料を含有する粒子を含む。該有機ビヒクルすなわち媒質は、揮発性溶剤およびポリマー樹脂を含有する。スクリーン印刷の後に、典型的には加熱乾燥によって組成物を乾燥させ、有機溶剤を乾燥除去する。得られる回路および電極が可撓性を有し、非常に多数の接触の後でさえも、回路および電極の特性を維持することができることが望ましい。
【0004】
導電性材料は、厚膜材料に対して所望されるレベルの抵抗率を付与することを担う。導電性粒子は、高い導電率および酸化に対する良好な抵抗性のために、典型的には銀で構成される。導電性粒子は、フレークまたは非フレークの形態にあることを見いだすことができる。
【0005】
ポリマー樹脂の主たる機能は、導電性粒子を結合して、導電性回路パターンを形成することである。加えて、バインダー系は、所望される基材に対する必要な接着力を付与するために必要とされる。
【0006】
ハロゲン含有樹脂が、MTS用の導電性ペーストにおける樹脂成分として用いられてきている。たとえば、米国特許第5,653,918号明細書は、高度に可撓性であり、かつ機械的に強固なスクリーン印刷可能な導電性組成物を開示しており、該組成物は、(b)揮発性溶剤中に溶解された、ポリビニルアセテート、塩化ビニルおよび極性成分の三元重合体を含有するポリマー溶液中に分散された(a)Ag、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Cまたはグラファイトおよびそれらの混合物を含有する導電性相を含有する(特許文献1参照)。米国特許第6,939,484号明細書は、厚膜導電組成物を開示しており、該組成物は、c)有機溶剤中に溶解された、(a)導電性銀粉末、(b)PVDF/HFPポリマー樹脂、PVDF/HFPポリマー樹脂の共重合体、およびそれらの混合物を含有する(特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、環境問題に対する関心が増大するにつれて、ハロゲン含有量が少ない材料、好ましくはハロゲン不含有材料が所望されている。特開2005−197226号公報は、被覆された膜の均一性および膜の可撓性の目的のために、導電性粉末と、0.3〜2.2mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂とを含有する導電性ペーストを開示している(特許文献3参照)。しかしながら、特開2005−197226号公報に記載される導電性ペーストは、より高い抵抗率を与える。特開2005−197226号公報中の実験データによれば、抵抗率は4.2〜5.3×10-5Ω・cmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,653,918号明細書
【特許文献2】米国特許第6,939,484号明細書
【特許文献3】特開2005−197226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
MTSのための優れた特性を有し、同時に環境的な望ましさのために低いハロゲン含有量を有する厚膜ペーストが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様は、a)導電性粉末、b)フェノキシ樹脂、c)ウレタン樹脂およびd)有機溶剤を含み、前述のa)〜c)は、d)中に溶解または分散されている、メンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペーストである。
【0011】
本発明の別の態様は、a)導電性粉末、b)フェノキシ樹脂、c)ウレタン樹脂およびd)有機溶剤を含み、前述のa)〜c)は、d)中に溶解または分散されているペーストを、メンブレン・タッチ・スイッチ用の基材の上に付着する工程と、付着された厚膜ペーストを乾燥させて、該有機溶剤を蒸発させる工程とを含む、メンブレン・タッチ・スイッチ用の回路および/または電極を製造するための方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のペーストから作製されるメンブレン・タッチ・スイッチは、低い抵抗率および折り目をつけた後における低い抵抗率変化のような優れた特性を示す。加えて、本発明のペースト中のハロゲンの含有量は非常に低い。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の1つの態様は、メンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペーストである。該厚膜ペーストは、a)導電性粉末、b)フェノキシ樹脂、c)ウレタン樹脂およびd)有機溶剤を含み、前述のa)〜c)は、d)中に溶解または分散されている。任意選択的に、ペースト中に追加成分を含んでもよい。慣用のハロゲン含有樹脂の代替としてフェノキシ樹脂およびウレタン樹脂の両方を含むペーストは、優れた特性を示す。さらに、後述するように、特定の導電性粉末が優れた特性を示す。以下、ペーストの成分を説明する。
【0014】
A.ペーストの成分
(a) 導電性粉末
導電性粉末は、形成される回路または電極に対して導電性を付与する。導電性粉末は、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Ru、Ni、Alを含むが、それらに限定されるものではない。Ag−Pdのような合金を、導電性粉末として用いることができる。同様に、導電性金属または合金で被覆された無機粒子を用いることもできる。1つまたは複数の導電性粉末の混合物を用いることができる。好ましくは、導電率、抗酸化性および材料コストの観点から、銀粉末が用いられる。
【0015】
導電性粉末の形状は、球状または針状の形状よりはむしろ、フレーク状(flaky)であることが好ましい。フレーク状粉末が低い抵抗率および良好な粘度を付与できることを見いだした。本発明における用語「フレーク状」は、棒状(rod-shaped)、錐状(cone-shaped)および板状(plate-shaped)を含む。レオロジー調整の見地から、綿状(fluffy)粉末を用いることも好ましい。
【0016】
導電性粉末の平均粒度は、好ましくは0.5〜5マイクロメートルの範囲内、より好ましくは1〜3マイクロメートルの範囲内であるが、それらに限定されるものではない。平均粒度は、堀場製作所(Horiba)またはMicrotracの粒子分析器の使用、あるいはSEMによる直接的粒度測定によって測定することができる。導電性粉末として綿状粉末を用いる場合、綿状粉末のタップ密度は、好ましくは0.1〜1.0g/mlの範囲内、より好ましくは0.1〜0.5g/mlの範囲内である。
【0017】
フレーク状粉末および綿状粉末の両方を用いる場合、より良好な粘度および抵抗率の観点から、フレーク状粉末対綿状粉末の比は、好ましくは90:10〜60:40、より好ましくは90:10〜70:30である。
【0018】
「導電性粉末対有機バインダー(後述)」の比は、好ましくは95:5〜85:15である。導電性粉末が95%より多い場合、乾燥したペーストの膜が脆くなる傾向がある。導電性粉末が85%未満の場合、乾燥したペーストの抵抗率が増大する傾向がある。
【0019】
B.フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂は、導電性ペーストの有機バインダーとして含まれる。フェノキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの重合によって得られるポリマーであり、通常、30,000より大きい重量平均分子量を有する。本発明に適用されるフェノキシ樹脂の好ましい重量平均分子量は、50,000より大きい。フェノキシ樹脂の重量平均分子量が50,000未満の場合、印刷の観点において、得られるペーストの粘度が低くなる傾向がある。重量平均分子量の上限は制限されないが、実用上、上限は100,000である。
【0020】
本発明に適用されるフェノキシ樹脂の例は、Inchemから提供されるPKHH(商標)、PKHC(商標)およびPKFE(商標)である。
【0021】
C.ウレタン樹脂
ウレタン樹脂は、導電性ペーストの有機バインダーとして含まれる。ウレタン樹脂は、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物と2つ以上のイソシアナート基を有する化合物との重合によって得られる。また、2つ以上のカルボキシル基を有する化合物を部分的に添加することができる。
【0022】
2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物の例は、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリコールエーテル類、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドのようなオレフィンオキシドの重合により得られる化合物である。
【0023】
2つ以上のイソシアナート基を有する化合物の例は、トリレンジイソシアナート(TDI)、キシリレンジイソシアナート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)である。2つ以上のカルボキシル基を有する化合物の例は、アジピン酸、マロン酸、コハク酸である。
【0024】
本発明に適用できるウレタン樹脂の例は、Bayer Material Scienceから提供されるDesmocol(商標)350およびDesmocol(商標)540である。
【0025】
フェノキシ樹脂/ウレタン樹脂の重量比は、得られる回路および電極の特性に影響を与える。フェノキシ樹脂/ウレタン樹脂の重量比は、好ましくは重量で30:70〜70:30であり、より好ましくは重量で40:60〜60:40である。重量比を調整することによって、乾燥した導電性ペーストは、硬度とともに良好な折り目付け特性を有する。フェノキシ樹脂の比が70より大きい場合、乾燥したペーストは可撓性を失う傾向がある。フェノキシ樹脂の比が30未満の場合、乾燥したペーストの硬度および抵抗率が不充分になる傾向がある。
【0026】
D.有機溶剤
導電性粉末、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂および任意選択的な追加成分は、有機溶剤中に溶解または分散される。
【0027】
有機溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルプロパソールアセテート、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルプロピオネート、第1級アミルアセテート、ヘキシルアセテート、セロソルブアセテート、ペンチルプロピオネート、ジエチレンオキサレート、ジメチルスクシネート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、ブチロラクトン、イソホロン、メチルn−イソプロピルケトン、エチルアセテート、α−テルピネオールまたはβ−テルピネオールのようなテルペン類、ケロシン、ジブチルフタレート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ヘキシレングリコール、ブチロラクトンなどを含むが、それらに限定されるものではない。1つまたは複数の有機溶剤の混合物を用いて、所望される粘度および揮発性の要件を得ることができる。ペースト中に、基材への付着の後の迅速な硬化を促進するための揮発性液体を含むことができる。
【0028】
有機溶剤の含有量は、導電性ペーストの総質量を基準として、通常30〜60質量%、好ましくは40〜50質量%である。
【0029】
有機ビヒクル(有機バインダーおよび溶媒)の主たる目的は、組成物の微細に分割された粒子を、可撓性基材または他の基材に容易に付着できるような形態に分散させることである。したがって、有機ビヒクルは、まず第1に、妥当な安定度を有してそれら粒子を分散可能であるものであることを要求される。第2に、有機ビヒクルのレオロジー特性は、分散物に対して良好な付着特性を付与することができるようなものであることを要求される。
【0030】
E.追加成分
ペーストは、追加成分を含有して、その特性を向上させることができる。たとえば、添加剤は、シランカップリング剤、チキソトロープ調整剤である。ポリウレタンと反応したブロックトイソシアネート、フェノキシ樹脂と反応したフェノール樹脂および他の硬化剤(curing agent)のような、ある種の硬膜剤(hardener)を用いることもできる。
【0031】
さらに、導電性ペーストに対して少量の金属を添加して、ペーストの特性を改善してもよいことが知られている。そのような金属のいくつかの例は、モリブデン、タングステン、タンタル、スズ、インジウム、ランタン、ガドリニウム、ホウ素、コバルト、チタン、イットリウム、ユーロピウム、ガリウム、イオウ、亜鉛、ケイ素、マグネシウム、バリウム、セリウム、ストロンチウム、鉛、アンチモンおよびそれらの組み合わせ、ならびに厚膜組成物の技術分野において一般的な他のものを含む。
【0032】
F.ペーストの調製
本発明のペーストの成分は、通常、遊星型ミキサーを用いる機械的混合により混合され、次いで、三本ロールミルにて分散されて、印刷に適当な稠度およびレオロジーを有するペーストを形成する。
【0033】
大抵の厚膜ペーストは、スクリーン印刷を用いて基材に付着される。したがって、それらペーストは、スクリーンを容易に通過することができるような適切な粘度を有することが望まれる。加えて、それらペーストは、スクリーン印刷された後に速やかに固着して良好な解像度を与えるために、チクソトロピー性であることが望まれる。高速印刷に適当である厚膜組成物においては、ペーストの緩和速度定数(kr)が0.01〜0.1、好ましくは0.025〜0.05である。
【0034】
G.ペーストの付着
本発明の別の態様は、MTSの回路および/または電極を製造するための方法に関する。該方法は、回路および電極のいずれか一方を形成するのに適用することができる。もちろん、本発明の導電性ペーストを用いて、回路および電極の両方を形成することができる。加えて、本発明は、本明細書中に記載される組成物を用いるメンブレン・タッチ・スイッチ、および本明細書中に記載される方法によって形成されるメンブレン・タッチ・スイッチに関する。
【0035】
その上にペーストを付着するための基材として、種々の基材を使用することができる。基材は、PET、PEN、ポリイミド膜を含むが、それらに限定されるものではない。
【0036】
MTSの回路および/または電極は、以下の方法によって作製することができる。最初に、その上に回路および/または電極が形成されるMTSの基材上に、ペーストを付着する。一般的に、付着にはスクリーン印刷が用いられる。
【0037】
次いで、印刷されたパターンを乾燥して、回路および/または電極を形成する。乾燥条件は、10〜60分間にわたる80〜160℃であるが、それに限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0039】
(実施例1)
Inchemから供給されるPKFE(商標)フェノキシ樹脂20gを、Invistaから供給されるDBE(DiBasic Ester)−9(商標)溶剤80g中に溶解させ、樹脂溶液(1)を得た。Bayerから供給されるDesmocol(商標)350ポリウレタン樹脂20gを、DBE−9およびシクロヘキサノンの混合物80g中に溶解させ、樹脂溶液(2)を得た。
【0040】
1.7μmの平均粒度を有するフレーク状銀粉末40g、0.3g/mlのタップ密度を有する綿状銀粉末10g、13.9gの樹脂溶液(1)、13.9gの樹脂溶液(2)、および22.2gのDBE−9溶剤を、ロールミル処理によって十分に混合して、15Pa−sの粘度を有する導電性ペーストを得た。
【0041】
得られた導電性ペーストを用いて、PETフィルム上に回路配線を描画した。その上にペーストを有するPETフィルムを、60分間にわたって140℃で硬化させた。硬化後のペーストの抵抗率は、2.8×10-5Ω・cmであり、10回の折り曲げ後の抵抗率の変化は+64%であった。このペーストの塩素含有量の計算値は、28ppmであった。
【0042】
(実施例2)
Inchemから供給されるPKHH(商標)フェノキシ樹脂30gを、70gのカルビトールアセテート中に溶解させ、樹脂溶液(3)を得た。Bayerから供給されるDesmocol(商標)350ポリウレタン樹脂20gを、N−メチルピロリドンおよびDBE−9の混合物80g中に溶解させ、樹脂溶液(4)を得た。
【0043】
4.4μmの平均粒度を有するフレーク状銀粉末60g、11.1gの樹脂溶液(3)、16.7gの樹脂溶液(4)、6.1gのN−メチルピロリドン、および6.1gのDBE−9溶剤を、ロールミル処理によって十分に混合して、13Pa−sの粘度を有する導電性ペーストを得た。
【0044】
得られた導電性ペーストを用いて、PETフィルム上に回路配線を描画した。その上にペーストを有するPETフィルムを、60分間にわたって140℃で硬化させた。硬化後のペーストの抵抗率は、2.1×10-5Ω・cmであり、10回の折り曲げ後の抵抗率の変化は+86%であった。このペーストの塩素含有量の計算値は、33ppmであった。
【0045】
(比較例1)
Dow Chemicalから供給されるUCAR(商標)VGAF塩化ビニルコポリマー樹脂25gを、γ−ブチロラクトンおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合物中に溶解させ、樹脂溶液(5)を得た。Desmocol(商標)350ポリウレタン樹脂20gを、80gのDBE−9中に溶解させ、樹脂溶液(6)を得た。
【0046】
2.9μmの平均粒度を有するフレーク状銀粉末50g、約40nmの一次粒子サイズを有するカーボンブラック0.8g、18.5gの樹脂溶液(5)、10.0gの樹脂溶液(6)、20.2gのDBE−9溶剤、および0.5gのHDI型イソシアネートを、ロールミル処理によって十分に混合して、21Pa−sの粘度を有する導電性ペーストを得た。
【0047】
得られた導電性ペーストを用いて、PETフィルム上に回路配線を描画した。その上にペーストを有するPETフィルムを、60分間にわたって140℃で硬化させた。硬化後のペーストの抵抗率は、1.5×10-5Ω・cmであり、10回の折り曲げ後の抵抗率の変化は+63%であった。このペーストの塩素含有量の計算値は、11300ppmであった。
【0048】
【表1】

【0049】
第1表に示すように、本発明のペースト(実施例1および2)は、抵抗率および折り曲げ後の抵抗率変化の両方に関して、優れた特性を示した。それらは、慣用のペースト(比較例1)と同等である。加えた、ハロゲンの含有量は極めて低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 導電性粉末と、
b) フェノキシ樹脂と、
c) ウレタン樹脂と、
d) 有機溶剤と
を含み、成分a)、b)およびc)は、成分d)中に溶解または分散されていることを特徴とするメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項2】
前記導電性粉末がフレーク状銀粉末であることを特徴とする請求項1に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項3】
前記フレーク状銀粉末の平均粒度が0.5〜5マイクロメートルであることを特徴とする請求項2に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項4】
前記導電性粉末が綿状銀粉末であることを特徴とする請求項1に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項5】
前記綿状銀粉末のタップ粒度が0.1〜1.0g/mlであることを特徴とする請求項4に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項6】
前記フェノキシ樹脂の分子量が50,000より大きいことを特徴とする請求項1に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項7】
前記フェノキシ樹脂対前記ウレタン樹脂の比が、重量で30:70〜70:30であることを特徴とする請求項1に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項8】
ハロゲン原子の含有量が、厚膜ペーストの総質量を基準として900ppm未満であることを特徴とする請求項1に記載のメンブレン・タッチ・スイッチ用の厚膜ペースト。
【請求項9】
a)導電性粉末と、b)フェノキシ樹脂と、c)ウレタン樹脂と、d)有機溶剤とを含み、成分a)、b)およびc)は、成分d)中に溶解または分散されている厚膜ペーストを、メンブレン・タッチ・スイッチ用基材の上に付着する工程と;
付着された厚膜ペーストを乾燥して、該有機溶剤を蒸発させる工程と
を含むことを特徴とするメンブレン・タッチ・スイッチ用の回路および/または電極を製造するための方法。

【公開番号】特開2009−176728(P2009−176728A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−329869(P2008−329869)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】