説明

モアレ除去方法及びこれを用いたX線透視像撮影装置

【課題】 本撮影前に作成したモアレ除去用のキャリブレーションデータでモアレ除去を行うことにより、確実にモアレ除去を除去することができ、動画の撮影にも対応することができる。
【解決手段】 本撮影シーケンス(ステップS4)に先立ち、予め仮撮影シーケンスを行い(ステップS2)、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成し(ステップS3)、本撮影シーケンスを実行する際には、得られたX線透視像に対してキャリブレーションデータの差分をとって診断用のX線透視像を表示する(ステップS4〜S6)。したがって、本撮影シーケンスの前に仮撮影シーケンスを実行するだけで、モアレが除去された診断用のX線透視像を得ることができる。また、本撮影シーケンスとほぼ同撮影条件でキャリブレーションデータを作成しているので、確実にモアレを除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フラットパネル検出器を用いて得られたX線透視像からモアレを除去するモアレ除去方法及びこれを用いたX線透視像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフラットパネル検出器を備えたX線透視像撮影装置では、X線の散乱光を除去するためにフラットパネル検出器のX線受光面の直前にX線格子を配備し、散乱光による悪影響がX線透視像に及ぶのを防止している(例えば、特許文献1参照)。しかし、X線透視像がデジタル化される場合には、X線格子の影響により、モアレと呼ばれるノイズが発生してX線透視像の画質を低下させてしまうという問題がある。そこで、X線透視像に対して周波数分解的な手法を適用し、モアレだけをX線透視像から除去して品質低下を防止するようにしている。
【特許文献1】特開2001−340331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
【0004】
すなわち、従来の装置は、画一的な周波数分解処理によりモアレ除去を行っている関係上、装置の製造組み立て精度に関する誤差や、撮影時に移動させることによって生じるX線格子とX線受光面との歪み等には対応することができず、X線透視像のモアレを完全に除去することができない。そのため、やはりX線透視像の画質が低下するという問題がある。また、この問題を解決するために、画像を撮影するごとに周波数解析を行ってモアレ除去を行うことが考えられるが、動画の撮影には対応することができない。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、本撮影前に作成したモアレ除去用のキャリブレーションデータでモアレ除去を行うことにより、確実にモアレ除去を除去することができ、しかも動画の撮影にも対応することができるモアレ除去方法及びこれを用いたX線透視像撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、透過X線を検出するフラットパネル検出器を用いて撮影したX線透視像からモアレを除去するモアレ除去方法において、診断用のX線透視像を得るための本撮影シーケンスの前に、前記本撮影シーケンスと同じ撮影条件で仮撮影シーケンスを行って得られたX線透視像に基づき、本撮影シーケンスで得られたX線透視像に対して差分処理または加算処理を行うだけでモアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成し、前記キャリブレーションデータを用いて、本撮影シーケンスで得られたX線透視像からモアレ除去を行うことを特徴とするものである。
【0008】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、本撮影シーケンスに先立ち、予め仮撮影シーケンスを行って得られたX線透視像に基づき、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成する。本撮影シーケンスを実行して得られたX線透視像に対しては、キャリブレーションデータの差分または加算によりモアレ除去を行った上で診断用のX線透視像とする。したがって、本撮影シーケンスの前に仮撮影シーケンスを実行するだけで、X線透視像からモアレを除去して診断用のX線透視像を得ることができる。また、同じ撮影条件でキャリブレーションデータを作成している関係上、仮撮影と本撮影とではほぼ同じモアレが発生するので、ほぼ確実にモアレを除去することができる。その上、差分処理または加算処理だけでモアレ除去が可能であるので、X線透視像あたりの処理時間が短い動画に対しても適用することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、透過X線を検出するフラットパネル検出器とX線を放射するX線管とを対向して支持する撮影手段と、被検体を載置するベッドと、前記フラットパネル検出器からの信号を収集する収集手段と、前記収集手段で得られた信号に基づきX線透視像を生成する画像処理手段と、X線透視像を表示する表示手段とを備えたX線透視像撮影装置において、診断用のX線透視像を撮影する本撮影シーケンスの前に、前記本撮影シーケンスと同じ撮影条件で仮撮影シーケンスを行ってキャリブレーションデータ作成シーケンスを実行し、本撮影シーケンスで得られたX線透視像に対して差分処理または加算処理を行うだけでモアレ除去が可能なモアレ除去用のキャリブレーションデータを作成するキャリブレーションデータ作成手段を備え、 前記画像処理手段は、本撮影シーケンスによって撮影を行う際に、前記キャリブレーションデータ作成手段で作成されたキャリブレーションデータを用いて、本撮影シーケンスによって収集されたX線透視像に対してモアレ除去処理を行うことを特徴とするものである。
【0010】
「作用・効果」請求項2に記載の発明によれば、本撮影シーケンスに先立ち、仮撮影シーケンスを実行し、キャリブレーションデータ作成手段によりモアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成する。そして、本撮影シーケンスによって撮影を行う際には、画像処理手段が、収集されたX線透視像に対してキャリブレーションデータの差分または加算を行うことによりモアレ除去処理を行う。これにより表示手段には、モアレが除去された診断用のX線透視像が表示される。したがって、本撮影シーケンスの前に仮撮影シーケンスを実行するだけで、モアレが除去された診断用のX線透視像を得ることができる。また、同じ撮影条件でキャリブレーションデータを作成している関係上、仮撮影と本撮影でほぼ同じモアレが発生するので、ほぼ確実にモアレを除去することができる。その上、差分処理または加算処理だけでモアレ除去が可能であるので、X線透視像あたりの処理時間が短い動画に対しても適用することができる。なお、仮撮影シーケンスの実行タイミングとしては、本撮影シーケンスの「前に」であって、できるだけ時間的に近いことが望ましい。
【0011】
また、この発明において、前記キャリブレーションデータ作成手段は、先に撮影されたフレームを前記仮撮影シーケンスとしてキャリブレーションデータを作成し、前記画像処理手段は、前記キャリブレーションデータを、その後に撮影されたフレームに対して適用することが好ましい(請求項3)。キャリブレーションデータ作成手段が、先に撮影されたフレームを仮撮影シーケンスとしてキャリブレーションデータを作成する。画像処理手段は、その後に撮影されたフレームに対してキャリブレーションデータとして適用することで、確実にモアレ除去を行うことができる。
【0012】
また、この発明において、前記撮影手段を移動させる場合には、前記キャリブレーションデータ作成手段は、移動させるごとに前記仮撮影シーケンスを行って移動先ごとのキャリブレーションデータを作成することが好ましい(請求項4)。撮影手段を移動させつつ撮影する際には、フラットパネル検出器とX線格子との物理的な位置関係が微小であっても移動するごとに変化することがある。そこで、移動先ごとにキャリブレーションデータを作成することで、確実にモアレを除去することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係るモアレ除去方法によれば、本撮影シーケンスに先立ち、予め仮撮影シーケンスを行って得られたX線透視像に基づき、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成し、本撮影シーケンスを実行して得られたX線透視像に対してキャリブレーションデータの差分または加算によりモアレ除去を行って診断用のX線透視像とする。したがって、本撮影シーケンスの前に仮撮影シーケンスを実行するだけで、モアレが除去された診断用のX線透視像を得ることができる。また、同撮影条件でキャリブレーションデータを作成しているので、確実にモアレを除去できる。その上、差分処理または加算処理だけでモアレ除去が可能であるので、X線透視像あたりの処理時間が短い動画に対しても適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、実施例に係るX線透視像撮影装置の概略構成を示すブロック図である。このX線透視像撮影装置は、この発明に係るモアレ除去方法を適用したものである。
【0016】
被検体Mは、X線透過性の材料で構成されたベッド1に載置される。このベッド1を挟んで対向する位置には、X線を曝射するX線管3と、透過X線を検出するフラットパネル検出器5とがアーム7に保持されている。アーム7は、X線管3とフラットパネル検出器5とを対向支持したまま回転自在に構成されている。フラットパネル検出器5は、X線管3側に、散乱光による悪影響を防止するためのX線格子9が配設されている。なお、アーム7は、この発明における撮影手段に相当する。
【0017】
X線管3は、照射制御部11に接続されており、管電圧や曝射時間等の撮影条件の制御が行われる。その撮影条件は、撮影制御部13から与えられる。撮影制御部13には、図示しない操作卓の他、マウス15やキーボード17が接続されている。撮影者は、図示しない操作卓やマウス15等を操作して、所望の撮影条件を指示する等の操作を行う。
【0018】
X線フラットパネル検出器5で検出された透過X線に応じた信号群は、X線フラットパネル検出器5に接続されている収集部19で収集される。収集された信号群は、この発明の画像処理手段に相当する画像処理部21に与えられる。画像処理部21は、収集した信号群に基づいてX線透視像を生成するとともに、この発明における表示手段に相当するモニタ25にその画像を出力する。なお、収集部19は、この発明における収集手段に相当する。
【0019】
撮影制御部13は、撮影者の指示により、診断用のX線透視像を得るための「本撮影シーケンス」と、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを得るための「仮撮影シーケンス」とを実行可能に構成されている。この発明におけるキャリブレーションデータ作成手段及び画像処理手段に相当する画像処理部21は、仮撮影シーケンスが実行された場合には、本撮影シーケンスで得られたX線透視像に対して差分処理を行うだけでモアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成する。また、本撮影シーケンスが実行された場合には、本撮影シーケンスで得られたX線透視像と、仮撮影シーケンスで得られたキャリブレーションデータとの差分処理(または加算処理)を行って、その結果得られたX線透視像を診断用の画像としてモニタ23に出力する。
【0020】
次に、図2を参照して上記構成のX線透視像撮影装置の動作について説明する。なお、図2は、撮影の流れを示すフローチャートである。
【0021】
ステップS1
撮影者は、本撮影シーケンスの実行時に所望の関心部位が撮影視野内に位置するように被検体Mをベッド1に載置し、さらにアーム7の位置を調整する。そして、図示しない操作卓やキーボード17等から撮影条件を設定する。
【0022】
ステップS2
仮撮影シーケンスを実行する。撮影制御部13は、本撮影シーケンスの撮影条件と同じにしたまま、あるいは多少の変更を行った後にX線透視像の撮影を行う。ここで得られた信号群は、収集部19を介して画像処理部21に与えられる。なお、仮撮影シーケンスの実行タイミングとしては、本撮影シーケンスの「前に」であって、できるだけ時間的に近いことが望ましい。
【0023】
ステップS3
上記のステップS2で得られた信号群に対して周波数解析等を行ってモアレ成分を求め、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを生成する。
【0024】
具体的には、X線透過像を周波数展開すると、例えば、
ImageA=ΣImagefn (n=0〜画像サイズ)
と表される。
【0025】
ここで、周波数空間内で画像認識を行って、周波数空間上において除去するためのモアレ成分の周波数fmを決定する。これは、画像処理部21において周波数に着目して自動処理してもよく、モニタ23に画像を表示させた状態で、撮影者がマウス15等を介して周波数を直接的に指示してもよい。
【0026】
そして、決定された周波数fmのImagefmを、Imagefm-1とImagefm+1で補完する。
【0027】
その結果のモアレ成分Aを、
Imagefm−average(Imagefm-1+Imagefm+1
で表す。
【0028】
なお、このモアレ成分Aは、上述したモアレ除去のキャリブレーションデータである。したがって、Imagefmとモアレ成分Aとの差分処理によりX線透視像Imagefmからモアレを除去することができる。なお、上記の例では、差分処理でモアレを除去したが、モアレの求めからによっては加算処理でモアレを除去することができる。
【0029】
ステップS4
撮影者は、上記のようにキャリブレーションデータを作成した後、本撮影シーケンスの実行を撮影制御部13に指示する。これにより本撮影シーケンスに応じた撮影が行われ、フラットパネル検出器5から信号群が出力され、これが画像処理部21に与えられる。しかし、X線透視像のモニタ23への表示は現時点では行われない。
【0030】
ステップS5,S6
画像処理部21は、モアレ成分AとX線透過像Imagefmとの差分処理を行ってモアレ成分Aを除去したX線透視像を生成し、モニタ23に出力する。これによりモニタ23にモアレ成分のないX線透視像が表示される。これが診断用のX線透視像となる。
【0031】
上記の動作のうちモアレ除去に着目した模式図が図3である。
【0032】
このように、本撮影前に仮撮影シーケンスを実行してキャリブレーションデータを作成し、これに基づいてモアレ成分を抽出する。そして、このモアレ成分を、本撮影シーケンスで撮影されたX線透視像から差分処理(キャリブレーションデータによっては加算処理)するだけで診断用のX線透視像を得ることができる。差分処理(または加算処理)は、他の演算処理に比較して極めて高速に実行することができるので、画像処理部21が診断用のX線透視像を求める際に負担となることはない。
【0033】
この実施例によると、本撮影シーケンスに先立ち、予め仮撮影シーケンスを行い、モアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成し、本撮影シーケンスを実行する際には、得られたX線透視像に対してキャリブレーションデータの差分をとって診断用のX線透視像を表示する。したがって、本撮影シーケンスの前に仮撮影シーケンスを実行するだけで、モアレが除去された診断用のX線透視像を得ることができる。また、本撮影シーケンスとほぼ同撮影条件でキャリブレーションデータを作成しているので、確実にモアレを除去できる。
【0034】
なお、上述した説明は、動画的に撮影した場合であっても適用することができる。
【0035】
すなわち、動画の場合はフレームごとにモアレ除去を行う必要があるが、上述したようにこの発明は差分処理または加算処理だけでモアレ除去が可能であるので、X線透視像あたりの処理時間が短い動画に対しても容易に適用することができる。動画の場合には、モアレ除去が短時間で可能であることから、処理を行うことによる動画表示の遅延が短縮でき、違和感少なく動画の表示ができる。
【0036】
ここでは、X線透視像を動画で撮影し、動的な撮影を行う場合を例に採って説明する。この場合のモアレ処理について図4を参照して説明する。なお、図4は、動的なモアレ除去の説明に供する図である。
【0037】
まず、X線透視像を所定のフレームレートで撮影する。そして、収集された各フレームのX線透視像を画像処理部21で順次に処理するとともに、最初の数フレーム分のX線透視像I0,Imをモニタ23に表示する。当然のことながら、このときモニタ23に表示されている各フレームのX線透視像にはモアレが発生している。なお、上述したようなキャリブレーションデータを予め作成しておき、上記のX線透視像I0,Imについてもモアレ除去を行った上でモニタ23に表示してもよい。画像処理部21は、X線透視像I0,Imに基づいて2つのキャリブレーションデータ(I0モアレ成分及びImモアレ成分)を作成する。
【0038】
次に、その後のフレームのX線透視像In,In+1,In+3,……In+mについては、上記のI0モアレ成分及びImモアレ成分で差分処理を行ってモアレ除去を施した上でモニタ23に表示する。具体的には、I0モアレ成分は、X線透視像In〜In+mにおけるモアレ除去に用いられ、Imモアレ成分は、X線透視像In+m+1〜In+2mにおけるモアレ除去に用いられる。
【0039】
このように先に撮影されたフレームを上述した仮撮影シーケンスとしてキャリブレーションデータを作成し、このキャリブレーションデータをその後のフレームに対して適用することにより、上述した実施例と同様の作用効果を奏する。
【0040】
なお、最初のフレームだけでキャリブレーションデータを作成しているが、所定フレームごとにキャリブレーションデータを再作成するようにしてもよい。このようにすることで、動画撮影において撮影状況に応じたモアレ除去をより正確に実施することができ、品質の良いX線透視像を得ることができる。
【0041】
ところで、静止画または動画のX線透視像について撮影を行う場合に、アーム7を動かして種々の角度から被検体Mの関心部位を撮影する動的な撮影を行うことがある。このような場合には、フラットパネル検出器5のX線検出面とX線格子との物理的な位置関係が微小であっても変化してしまう。したがって、モアレ処理もその位置関係ごとに行う必要性が生じてくる。このような場合には、画像処理部21は、移動させるごとに上述した仮撮影シーケンスを行って移動先ごとのキャリブレーションデータを作成することが好ましい。なお、アーム7が移動したことを検出し、上記処理を自動的に実行して移動先ごとにキャリブレーションデータを作成し直したりしてもよい。これにより、アーム7を移動させつつ撮影する場合であっても正確にモアレ除去が可能となり、高品質の画像を得ることができる。
【0042】
また、この発明は、上述した実施形態に限られることはなく、フラットパネル検出器5でX線透視像を撮影し、その画像品質を高めるためにモアレ除去を行うX線透視像撮影方法及びその装置において種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例に係るX線透視像撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】撮影の流れを示すフローチャートである。
【図3】モアレ除去の説明に供する図である。
【図4】動的なモアレ除去の説明に供する図である。
【符号の説明】
【0044】
M … 被検体
1 … ベッド
3 … X線管
5 … フラットパネル検出器
7 … アーム(撮影手段)
9 … X線格子
11 … 照射制御部
13 … 撮影制御部
19 … 収集部(収集手段)
21 … 画像処理部(画像処理手段、キャリブレーションデータ作成手段)
23 … モニタ(表示手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過X線を検出するフラットパネル検出器を用いて撮影したX線透視像からモアレを除去するモアレ除去方法において、診断用のX線透視像を得るための本撮影シーケンスの前に、前記本撮影シーケンスと同じ撮影条件で仮撮影シーケンスを行って得られたX線透視像に基づき、本撮影シーケンスで得られたX線透視像に対して差分処理または加算処理を行うだけでモアレ除去が可能なキャリブレーションデータを作成し、前記キャリブレーションデータを用いて、本撮影シーケンスで得られたX線透視像からモアレ除去を行うことを特徴とするモアレ除去方法。
【請求項2】
透過X線を検出するフラットパネル検出器とX線を放射するX線管とを対向して支持する撮影手段と、被検体を載置するベッドと、前記フラットパネル検出器からの信号を収集する収集手段と、前記収集手段で得られた信号に基づきX線透視像を生成する画像処理手段と、X線透視像を表示する表示手段とを備えたX線透視像撮影装置において、診断用のX線透視像を撮影する本撮影シーケンスの前に、前記本撮影シーケンスと同じ撮影条件で仮撮影シーケンスを行ってキャリブレーションデータ作成シーケンスを実行し、本撮影シーケンスで得られたX線透視像に対して差分処理または加算処理を行うだけでモアレ除去が可能なモアレ除去用のキャリブレーションデータを作成するキャリブレーションデータ作成手段を備え、前記画像処理手段は、本撮影シーケンスによって撮影を行う際に、前記キャリブレーションデータ作成手段で作成されたキャリブレーションデータを用いて、本撮影シーケンスによって収集されたX線透視像に対してモアレ除去処理を行うことを特徴とするX線透視像撮影装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線透視像像撮影装置において、前記キャリブレーションデータ作成手段は、先に撮影されたフレームを前記仮撮影シーケンスとしてキャリブレーションデータを作成し、前記画像処理手段は、前記キャリブレーションデータを、その後に撮影されたフレームに対して適用することを特徴とするX線透視像撮影装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のX線透視像像撮影装置において、前記撮影手段を移動させる場合には、前記キャリブレーションデータ作成手段は、移動させるごとに前記仮撮影シーケンスを行って移動先ごとのキャリブレーションデータを作成することを特徴とするX線透視像撮影装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−14778(P2006−14778A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193182(P2004−193182)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】