説明

モサプリドクエン酸塩製剤

【課題】
保存安定性が改善されたモサプリド又はその生理学的に許容される塩を提供すること。
【解決手段】
本発明は、
(a)モサプリド又はその生理学的に許容される塩、
(b)D−マンニトール、
(c)崩壊剤、
(d)結合剤及び
(e)滑沢剤を含有し、
(f)実質的に乳糖を含有しない素錠に、
(g)実質的にマクロゴールを含有しない被覆層を有する
(h)モサプリド又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有するフィルムコーティング錠に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保存安定性に優れたモサプリドクエン酸塩製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
モサプリドクエン酸塩水和物(クエン酸モサプリド)(Mosapride Citrate Hydrate:(±)−4−amino−5−chloro−2−ethoxy−N−[[4−(4−fluorobenzyl)−2−mor−pholinyl]methyl]benzamide citrate dihydrate)を有効成分として含有する製剤(フィルムコーテイング錠、散剤)は、消化管運動機能改善剤として我国で広く使用されている。
特許文献1の実施例245には、モサプリドクエン酸塩の製剤例として、コーンスターチ、乳糖、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及びステアリン酸マグネシウムを含有する錠剤が開示されている。
特許文献2には、上記特許文献1記載の製剤に関し、軽質無水ケイ酸を配合しない製剤がモサプリド及びその塩の分解が抑制され安定化された製剤になることを記載している。
特許文献3〜5は、フィルムコーテイング錠において、特定の可塑剤がモサプリドの分解を促進することを見い出し、その対応として特許文献3では、被覆層に可塑剤を含有しないか、又はモサプリドの分解を促進しない可塑剤を使用したフィルムコーテイング錠を開示している。特許文献4では、被覆層を2層とし、素錠に接する第1層はモサプリドの分解を促進する可塑剤(ポリエチレングリコール等)を含有しない被覆層とし、第2層は第1層の上にポリエチレングリコール等を含有する被覆層を有するフィルムコーテイング錠を開示している。そして、特許文献5では、被覆層にプロピレングリコールを含有したフィルムコーテイング錠を開示している。
【0003】
本発明者らは、モサプリド又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有するフィルムコーティング錠に関する研究を行ったところ、賦形剤として一般的に使用されている乳糖を含有せず、D−マンニトールを含有する素錠を使用したフィルムコーティング錠が優れた保存安定性を有することを見い出し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4870074号
【特許文献2】特開2004−250443
【特許文献3】WO2006/011637
【特許文献4】WO2006/011638
【特許文献5】WO2007/083679
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は保存安定性に優れたモサプリドクエン酸塩製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は、
(a)モサプリド又はその生理学的に許容される塩、
(b)D−マンニトール、
(c)崩壊剤、
(d)結合剤及び
(e)滑沢剤を含有し、
(f)実質的に乳糖を含有しない素錠に、
(g)実質的にマクロゴールを含有しない被覆層を有する
(h)モサプリド又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有するフィルムコーティング錠
に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は比較例1及び実施例1記載のフィルムコーティング錠のガラス瓶密閉40℃75%RHでの保存安定試験結果を示す図である。
【図2】図2は比較例1及び実施例1記載のフィルムコーティング錠のPVCアルミ袋40℃75%RHでの保存安定試験結果を示す図である。
【図3】図3は比較例1及び実施例1記載のフィルムコーティング錠のガラス瓶密栓60℃での保存安定試験結果を示す図である。
【図4】図4は比較例2及び実施例2記載のフィルムコーティング錠のガラス瓶密閉40℃75%RHでの保存安定試験結果を示す図である。
【図5】図5は比較例2及び実施例2記載のフィルムコーティング錠のPVCアルミ袋40℃75%RHでの保存安定試験結果を示す図である。
【図6】図6は比較例2及び実施例2記載のフィルムコーティング錠のガラス瓶密栓60℃での保存安定試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を詳細に説明する。
上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(1)
モサプリド又はその生理学的に許容される塩がモサプリドクエン酸塩水和物である上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠。
(2)
(c)の崩壊剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)記載のフィルムコーティング錠。
(3)
(d)の結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)若しくは(2)記載のフィルムコーティング錠。
(4)
(e)の滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(3)記載のフィルムコーティング錠。
(5)
(g)の被覆層にヒプロメロースを含有する上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(4)記載のフィルムコーティング錠。
(6)
(g)の被覆層に酸化チタンを含有する上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(5)記載のフィルムコーティング錠。
(7)
(g)の被覆層にタルクを含有する上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(6)記載のフィルムコーティング錠。
(8)
(g)の被覆層に可塑剤を含有する上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(7)記載のフィルムコーティング錠。
(9)
可塑剤がクエン酸トリエチルである上記(8)記載のフィルムコーティング錠。
(10)
(g)の被覆層に可塑剤を含有しない上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠又は上記(1)〜(7)記載のフィルムコーティング錠。
【0009】
(f)の実質的に乳糖を含有しない素錠における、「実質的に乳糖を含有しない」とは、素錠中、乳糖を全く含有しないか、或いは含有するとしても0.5重量%以下であることを意味する。
(g)の実質的にマクロゴールを含有しない被覆層における、「実質的にマクロゴールを含有しない」とは、被覆層中、マクロゴールを全く含有しないか、或いは含有するとしても0.5重量%以下であるか、又は被覆層が2層からなり素錠に直接接する被覆層にはマクロゴールは含まれず、外側の被覆層にはマクロゴールを有することを意味する。

上記(a)〜(h)からなるフィルムコーティング錠において、有効成分である(a)のモサプリド又はその生理学的に許容される塩の含有量はモサプリドに換算して素錠中、約0.5〜50重量%、好ましくは約0.5〜20重量%である。
本発明のフィルムコーティング錠の素錠において、賦形剤((b)のD−マンニトールを含めて)の含有量は、約20〜90重量%である。
D−マンニトール以外に含有しても良い賦形剤としては、結晶セルロース、ショ糖、トウモロキシデンプン等が挙げられ、好ましくはトウモロキシデンプンが挙げられる。
(c)の崩壊剤の含有量は、約5〜30重量%である。
崩壊剤としては、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
(d)の結合剤の含有量は、約1〜7重量%である。
結合剤としては、ヒプロメロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
(e)の滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウムカルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ、好ましくはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。

その他、加えても良い素錠成分としては軽質無水ケイ酸等の流動化剤等が挙げられる。
【0010】
本発明のフィルムコーティング錠において、素錠は上記の素錠成分等を用い、常法に従い、圧縮成形することにより得ることができる。
【0011】
(g)の被覆層のフィルム基剤としては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、好ましくはヒプロメロースが挙げられる。

その他、被覆層に加えても良い成分としては、酸化チタン、三二酸化鉄等の着色剤、タルク等の固着防止剤、軽質無水ケイ酸等の光沢化剤等が挙げられ、そして被覆層に可塑剤を含有する場合の好ましい可塑剤としては、クエン酸トリエチル等が挙げられる。

被覆層の被覆工程も上記の素錠に常法に従いコーティングすることにより得ることができる。
【0012】
後記の比較実験1及び2から明らかなように本発明のフィルムコーティング錠である実施例1、2記載の製剤は、乳糖水和物含有の比較例1及び2に比べ、(1)ガラス瓶密栓で40℃75%RH2ヶ月間保存、(2)ポリ塩化ビニール、アルミホイルで作製した袋(PVC−アルミ袋)で40℃75%RH2ヶ月間保存及び(3)ガラス瓶密栓で60℃1ヶ月又は2週間保存のいずれの保存条件においても、総分解物生成量が低く、安定であった。
従って、本発明のフィルムコーティング錠は、苦みが改善され、服用が容易で、しかも保存安定性に優れたモサプリドクエン酸塩製剤である。

次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

(比較例1)
【0013】
流動層造粒乾燥機の中で、モサプリドクエン酸塩水和物37.0g、乳糖水和物513.9gおよびトウモロコシデンプン184.1gを均一に混合後、5%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥後、乾式整粒し、整粒末とした。
得られた整粒末650.0gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース164.1gを均一に混合し、さらにステアリン酸マグネシウム6.1gを加え、均一に混合して打錠用顆粒とした。得られた顆粒を打錠し、1錠重量135mg、長径9.0mm、短径4. 5mm、900kgの圧力で錠厚3.7mmに圧縮成形した素錠を得た。
得られた素錠200.0gに、精製水に酸化チタンおよびタルクを加え、予め調製しておいた9.7%重量ヒプロメロース水溶液に加えて分散させ、篩(80号)で篩過し、得られたコーティング溶液を、ハイコーターにより噴霧および乾燥を行い、フィルムコーティング錠を得た。
得られたフィルムコーティング錠の組成は以下の通りである。

モサプリドクエン酸塩水和物 :3.8重量%
乳糖水和物 :52.4重量%
トウモロコシデンプン :18.8重量%
ヒドロキシプロピルセルロース :1.4重量%
低置換ヒドロキシプロピルセルロース :19.3重量%
ステアリン酸マグネシウム :0.7重量%
ヒプロメロース :3.0重量%
酸化チタン :0.4重量%
タルク :0.1重量%
【実施例1】
【0014】
攪拌造粒機の中で、モサプリドクエン酸塩水和物21.2g、D−マンニトール293.6g、トウモロコシデンプン97.2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース36.0gおよびヒドロキシプロピルセルロース16.0gを均一に混合後、精製水を加えて造粒、湿式整粒し、ついで箱型乾燥機中で乾燥後、乾式整粒して整粒末とした。
得られる整粒末300.0gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース46.6gを均一に混合し、さらにステアリン酸マグネシウム2.6gを加え、均一に混合して打錠用顆粒とした。得られる顆粒を打錠し、1錠重量135mg、長径9.0mm、短径4.5mm、1000kgの圧力で錠厚3.7mmに圧縮成形した素錠を得た。
得られた素錠200.0gに、精製水に酸化チタンおよびタルクを加え、予め調製しておいた9.7%重量ヒプロメロース水溶液に加えて分散させ、篩(80号)で篩過し、得られたコーティング溶液を、ハイコーターにより噴霧および乾燥を行い、フィルムコーティング錠を得た。
得られたフィルムコーティング錠の組成は以下の通りである。

モサプリドクエン酸塩水和物 :3.8重量%
D−マンニトール :52.4重量%
トウモロコシデンプン :17.4重量%
ヒドロキシプロピルセルロース :2.9重量%
低置換ヒドロキシプロピルセルロース :19.3重量%
ステアリン酸マグネシウム :0.7重量%
ヒプロメロース :3.0重量%
酸化チタン :0.4重量%
タルク :0.1重量%

(比較実験1)
【0015】
(試験方法1)
比較例1及び実施例1で得られたフィルムコーティング錠を、
(1)ガラス瓶密栓で40℃75%RH2ヶ月間保存、
(2)ポリ塩化ビニール、アルミホイルで作製した袋(PVC−アルミ袋)で40℃75%RH2ヶ月間保存、
(3)ガラス瓶密栓で60℃1ヶ月保存した。

保存期間中、一定時期ごとに分解生成物の生成量(総分解生成物量)を調べた。分解生成物の生成量は、高速液体クロマトグラフ法(面積百分率)で測定した。試料の調製は、錠剤2錠に水1mlおよびメタノール9mlを加え、20分間振り混ぜた後遠心分離し、0.45μmメンブレンフィルターを用いてろ過し、ろ液を得ることによって行った。カラムはYMC−Pack ODS−Aを使用した。試験条件を以下に示す。
(試験条件)
測定波長:274nm
移動相A:クエン酸ナトリウム緩衝液
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) :0〜40
移動相A(vol%):85→45
移動相B(vol%):15→55

上記(1)〜(3)の条件下で試験した結果を図1〜3に示す。

図中の総分解物生成量(%)とは、高速液体クロマトグラフ法で測定したピークのうち、溶媒、プラセボおよび原薬由来のピーク以外で、開始時から増加したピーク(分解物ピーク)を面積百分率で表した値の総和である。
【0016】
(試験結果1)
図1〜図3から明らかなように実施例1で得られたフィルムコーティング錠は上記(1)、(2)及び(3)のいずれの保存条件においても、比較例1よりも総分解物生成量が低く、安定であった。

(比較例2)
【0017】
流動層造粒乾燥機の中で、モサプリドクエン酸塩水和物37.0g、乳糖水和物513.9gおよびトウモロコシデンプン184.1gを均一に混合後、5%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥後、整粒し、整粒末とした。
得られた整粒末650.0gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース164.1gを均一に混合し、さらにステアリン酸マグネシウム6.1gを加え、均一に混合して打錠用顆粒とした。得られた顆粒を打錠し、1錠重量135mg、長径9.0mm、短径4.5mm、900kgの圧力で錠厚3.7mmに圧縮成形した素錠を得た。
得られた素錠200.0gに、精製水にクエン酸トリエチル、酸化チタンおよびタルクを加え、予め調製しておいた7.2%重量ヒプロメロース水溶液に加えて分散させ、篩(80号)で篩過し、得られたコーティング溶液を、ハイコーターにより噴霧および乾燥を行い、フィルムコーティング錠を得た。
得られたフィルムコーティング錠の組成は以下の通りである。

モサプリドクエン酸塩水和物 :3.8重量%
乳糖水和物 :52.4重量%
トウモロコシデンプン :18.8重量%
ヒドロキシプロピルセルロース :1.4重量%
低置換ヒドロキシプロピルセルロース:19.3重量%
ステアリン酸マグネシウム :0.7重量%
ヒプロメロース :2.6重量%
クエン酸トリエチル :0.5重量%
酸化チタン :0.4重量%
タルク :0.1重量%
【実施例2】
【0018】
攪拌造粒機の中で、モサプリドクエン酸塩水和物21.2g、D−マンニトール347.6g、トウモロコシデンプン97.2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース27.0gおよびヒドロキシプロピルセルロース16.0gを均一に混合後、精製水を加えて造粒、湿式整粒し、ついで箱型乾燥機中で乾燥後、乾式整粒して整粒末とした。
得られる整粒末300.0gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース15.9gを均一に混合し、さらにステアリン酸マグネシウム2.4gを加え、均一に混合して打錠用顆粒とした。得られる顆粒を打錠し、1錠重量135mg、長径9.0mm、短径4.5mm、900kgの圧力で錠厚3.7mmに圧縮成形した素錠を得た。
得られた素錠200.0gに、精製水にクエン酸トリエチル、酸化チタンおよびタルクを加え、予め調製しておいた7.2%重量ヒプロメロース水溶液に加えて分散させ、篩(80号)で篩過し、得られたコーティング溶液を、ハイコーターにより噴霧および乾燥を行い、フィルムコーティング錠を得た。
得られたフィルムコーティング錠の組成は以下の通りである。

モサプリドクエン酸塩水和物 :3.8重量%
D−マンニトール :62.1重量%
トウモロコシデンプン :17.4重量%
ヒドロキシプロピルセルロース :2.9重量%
低置換ヒドロキシプロピルセルロース :9.6重量%
ステアリン酸マグネシウム :0.7重量%
ヒプロメロース :2.6重量%
クエン酸トリエチル、 :0.5重量%
酸化チタン :0.4重量%
タルク :0.1重量%

(比較実験2)
【0019】
(試験方法2)
次の(4)〜(6)の条件下で試験した結果を図4〜図6に示す。

(4)ガラス瓶密栓で40℃75%RH2ヶ月間保存、
(5)ポリ塩化ビニール、アルミホイルで作製した袋(PVC−アルミ袋)で
40℃75%RH2ヶ月間保存
(6)ガラス瓶密栓で60℃2週間保存

保存期間中、一定時期ごとに分解生成物の生成量(総分解生成物量)を調べ、分解生成物の生成量は、比較実験1と同様にして高速液体クロマトグラフ法(面積百分率)で測定した。
【0020】
(試験結果2)
図4〜図6から明らかなように実施例2で得られたフィルムコーティング錠はいずれの条件においても、比較例2よりも総分解物生成量が低く、安定であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)モサプリド又はその生理学的に許容される塩、
(b)D−マンニトール、
(c)崩壊剤、
(d)結合剤及び
(e)滑沢剤を含有し、
(f)実質的に乳糖を含有しない素錠に、
(g)実質的にマクロゴールを含有しない被覆層を有する
(h)モサプリド又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有するフィルムコーティング錠。
【請求項2】
モサプリド又はその生理学的に許容される塩がモサプリドクエン酸塩水和物である請求項1記載のフィルムコーティング錠。
【請求項3】
(c)の崩壊剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである請求項1又は2記載のフィルムコーティング錠。
【請求項4】
(d)の結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである請求項1〜3記載のフィルムコーティング錠。
【請求項5】
(e)の滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである請求項1〜4記載のフィルムコーティング錠。
【請求項6】
(g)の被覆層にヒプロメロースを含有する請求項1〜5記載のフィルムコーティング錠。
【請求項7】
(g)の被覆層に酸化チタンを含有する請求項1〜6記載のフィルムコーティング錠。
【請求項8】
(g)の被覆層にタルクを含有する請求項1〜7記載のフィルムコーティング錠。
【請求項9】
(g)の被覆層に可塑剤を含有する請求項1〜8記載のフィルムコーティング錠。
【請求項10】
可塑剤がクエン酸トリエチルである請求項9記載のフィルムコーティング錠。
【請求項11】
(g)の被覆層に可塑剤を含有しない請求項1〜8記載のフィルムコーティング錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−173796(P2011−173796A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36830(P2010−36830)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】