説明

モジュール式ヒータシステム

ヒートトレース部、このヒートトレース部を囲む断熱ジャケット、およびこのヒートトレース部と断熱ジャケットの間に配置してある複数のスタンドオフを含むヒートトレース組立体を提供する。このヒートトレース部と断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に対応する複数の通路が作ってある。これらのスタンドオフは、この断熱ジャケットおよび/またはヒートトレース部の一部であってもよく、およびこれらのスタンドオフは、更にこの断熱ジャケットおよび/またはヒートトレース部と一体に作ってありおよび/またはそれらに別に取付けてあってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2005年8月9日に提出した、“モジュール式ヒータシステム”という名称の米国特許出願第11/199,832号の一部継続出願である、2006年5月16日に提出した、“モジュール式ヒータシステム”という名称の米国特許出願第11/435,073号の一部継続出願である。上記出願の開示をここに参考までに援用する。
【0002】
本開示は、一般的にはパイプラインに使用するための電気ヒータに関し、更に詳しくは、例えば、半導体処理システムのようなガスラインおよびポンプラインに使用するための電気ヒータに関する。
【背景技術】
【0003】
この節の記述は、単に本開示に関する背景情報を提供するだけで、先行技術とはならないかも知れない。
【0004】
特に供給源、例えば、油井または貯水池からの、油、ガス、および水のような流体の供給は、導管等によってその様な流体を輸送する必要がある。この流体をある温度以上に維持することに加えて、これらの導管内にこれらの流体の自由なまたは制限されない流れを維持することが屡々必要である。現在、これらの導管に、従ってこれらの流体に熱を与えるために、この技術で“ヒートトレース”として知られる、ケーブルまたはテープの形の電気ヒータが普通これらの導管の周りに使われている。その上、これらの導管およびヒートトレースは、周囲環境への熱損失を減らすために時々断熱ジャケットによって囲まれている。
【0005】
ヒートトレースケーブルは、それらが比較的単純で低コストであるために、その様な流体導管を加熱するための一般的手段である。一般に、ヒートトレースケーブルは、導管の全長に亘って配置し、または導管の周りに巻付け且つバンド、保持ストラップまたはモンティアース外の米国特許第5,294,780号、バース外の米国特許第5,086,836号、モンティアース外の米国特許第4,791,277号、リービンズの米国特許第4,152,577号、ホーマーの米国特許第4,123,837号、ジョンソンの米国特許第3,971,416号、およびビルボロの米国再発行特許第29,332号に示してあるような、何か他の適当なファスナで一定間隔で締結する。ヒートトレースケーブルをパイプまたは導管に締結することは、特に、とりわけ時間が最も重要である、ユーティリティ配管の交換および連続製造工程のために、時間が掛り且つ厄介であることが分っている。
【0006】
ユーティリティ配管の交換を手早く処理するために、米国特許第6,792,200号は、プレハブ方式のヒートトレース付きパイプを提案し、それは、加熱すべきパイプ、ヒートトレース、およびこのヒートトレースを電源に電気的に接続するためのコネクタを固めて予め一体に作り、古いパイプを交換する必要が起る前に在庫する。このプレハブ方式のパイプは、ユーティリティ配管の交換に関して幾らかの時間を節約するが、それは特注のヒートトレース付きパイプを要し、それによって望ましくない在庫スペース並びに製造および維持コストを増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第11/435,073号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/199,832号明細書
【特許文献3】米国特許第5,294,780号公報
【特許文献4】米国特許第5,086,836号公報
【特許文献5】米国特許第4,152,577号公報
【特許文献6】米国特許第4,123,837号公報
【特許文献7】米国特許第3,971,416号公報
【特許文献8】米国再発行特許第29,332号公報
【特許文献9】米国特許第6,792,200号公報
【特許文献10】米国特許第4,861,278号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一推奨形で、ヒートトレース部、このヒートトレース部を囲む断熱ジャケット、およびこのヒートトレース部と断熱ジャケットの間に配置した複数のスタンドオフを含むヒートトレース組立体を提供する。このヒートトレース部と断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に対応する複数の通路を作る。ここに開示するスタンドオフは、一体に作っても、別に取付けてもよく、およびいろいろな幾何形状を採ってもよい。
【0009】
別の形では、加熱システムに使うための断熱ジャケットで、この断熱ジャケットの内面からヒータの方へ内方に伸びる複数のスタンドオフを含み、そこでこのヒータと断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に複数の通路が作ってあるジャケットを提供する。
【0010】
更に別の形では、加熱システムに使うためのヒートトレース部で、このヒートトレース部の内面から断熱ジャケットの方へ外方に伸びる複数のスタンドオフを含み、そこでこのヒートトレース部と断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に複数の通路が作ってあるヒートトレース部を提供する。
【0011】
更なる適用可能範囲が以下の説明から明白となるだろう。この説明および特定の例は、例示目的だけを意図し、本開示の範囲を制限することを意図しないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、この詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるようになるだろう。
【図1】加熱した半導体ガスラインおよびポンプラインへのモジュール式ヒートトレース組立体の適用の一つを示す概略図である。
【図2】ガスラインまたはポンプラインの周りに配置した先行技術のヒートトレースケーブルの透視図である。
【図3】先行技術のヒートトレースケーブルの透視破断図である。
【図4】図3の先行技術のヒートトレースケーブルの、線3−3による、断面図である。
【図5】本開示の第1実施例による、導管システムに固定したモジュール式ヒートトレース組立体の透視図である。
【図6】本開示の教示による、図5のモジュール式ヒートトレース組立体の分解透視図である。
【図7】本開示の教示により構成した、図5および6のヒートトレース部の透視図である。
【図8】本開示の教示による、図7のヒートトレース部の端面図である。
【図9】本開示の教示による、図5および6のコネクタの透視図である。
【図10】本開示の教示による、図9のコネクタの平面図である。
【図11a】本開示の原理によって構成した一実施例によるコネクタの透視図である。
【図11b】本開示の原理によって構成した別の実施例によるコネクタの透視図である。
【図11c】本開示の原理によって構成した更に別の実施例によるコネクタの透視図である。
【図12】本開示の第2実施例により構成したヒートトレース部の透視図である。
【図13】本開示の教示による、図12のヒートトレース部の端面図である。
【図14】本開示の教示によって構成した、バスアダプタの平面図である。
【図15】本開示の第3実施例により構成したヒートトレース接合部の透視図である。
【図16】本開示の教示によって構成し、導管システムのエルボ接合部用に設計した、図15のヒートトレース接合部の代替形の透視図である。
【図17】本開示の教示によって構成し、導管システムのT字形接合部用に設計した、図15のヒートトレース接合部の代替形の透視図である。
【図18】本開示の第4実施例による終端構造を備えるヒートトレース部の透視図で、これらのヒートトレース部は外した状態にある。
【図19】本開示の教示による、図18のヒートトレース部の側面図である。
【図20】本開示の教示による、係合状態にある図18のヒートトレース部の透視図である。
【図21】本開示の教示による、図20のヒートトレース部の側面図である。
【図22】本開示の教示により構成した、図18ないし21のヒートトレース部の接続の代替形の側面図である。
【図23】本開示の教示による、ヒータ構造の別の実施例、Z方向ヒータの透視破断図である。
【図24】本開示の教示により構成した、加熱した導管用断熱ジャケットの透視図である。
【図25】本開示の教示により構成した、代替形状のポケットを備える断熱ジャケットの端面図である。
【図26】本開示の教示により構成した、加熱した導管用断熱ジャケットの別の形の透視図である。
【図27】本開示の教示により構成した、加熱した導管用断熱ジャケットの更に別の形の透視図である。
【図28】本開示の教示により構成した、加熱した導管用断熱ジャケットのその上更に別の形の透視図である。
【図29】本開示の教示により構成した、モジュール式ヒートトレース組立体の別の実施例の透視図である。
【図30】本開示の教示による、図29のモジュール式ヒートトレース組立体の別の透視図である。
【図31】本開示の教示による、図30のモジュール式ヒートトレース組立体の分解透視図である。
【図32】本開示の教示により構成したヒートトレース部の透視図である。
【図33】本開示の教示によるヒートトレース部の分解透視図である。
【図34】本開示の教示により構成し、フィンを含むヒートトレース部の透視図である。
【図35】本開示の教示によるフィンを含むヒートトレース部の端面図である。
【図36】本開示の教示による、断熱ジャケット内に配置した、フィンを含むヒートトレース部の端面図である。
【図37】本開示の教示により構成した断熱ジャケットの透視図である。
【図38】本開示の教示による断熱ジャケットの端面図である。
【図39】本開示の教示により構成した、終端部材と係合するヒートトレース部の透視図である。
【図40】本開示の教示による終端部材の透視図である。
【図41】本開示の教示により構成した、終端部材のハウジング本体の前透視図である。
【図42】本開示の教示によるハウジング本体の後透視図である。
【図43】本開示の教示により構成した、終端部材の端キャップの前透視図である。
【図44】本開示の教示によるハウジング本体の後端面図である。
【図45】本開示の教示により構成した、内部電気接続部を備えるハウジング本体の後端面図である。
【図46】本開示の教示により構成した、電気接続部の部分を示す、ハウジング本体の前端面図である。
【図47】本開示の教示により構成したモジュール式ヒートトレース組立体の前端面図である。
【図48】本開示の教示により構成したコネクタ組立体の前透視図である。
【図49】本開示の教示によるコネクタ組立体の後透視図である。
【図50】本開示の教示によるコネクタ組立体の分解透視図である。
【図51】本開示の教示により構成した管継手ヒータ組立体の部分透視図である。
【図52】本開示の教示により構成した管継手ヒータ組立体の別の部分透視図である。
【図53】本開示の教示により構成した、スナップ機構のある外側ケーシングの代替実施例の透視図である。
【図54】本開示の教示により構成した、シェル部材と係合するカバーの透視図である。
【図55】本開示の教示による、シェル部材と係合するカバーの側面図である。
【図56】本開示の教示により構成したヒートトレース組立体の別の形の透視図である。
【図57】本開示の教示によるヒートトレース組立体の端面図である。
【図58】本開示の教示による、断熱ジャケットの回転可能なセグメントを示す、ヒートトレース組立体の透視図である。
【図59a】本開示の教示により構成した、スタンドオフの代替形の透視図である。
【図59b】本開示の教示により構成した、スタンドオフの別の代替形の透視図である。
【図59c】本開示の教示により構成した、スタンドオフの別の代替形の透視図である。
【図60】本開示の教示により構成した、キャリヤを利用する、ヒートトレース組立体の別の形の透視図である。
【図61】本開示の教示によりる、キャリヤを備えるヒートトレース組立体の分解透視図である。
【図62a】本開示の教示により構成した、キャリヤの代替形の端面図である。
【図62b】本開示の教示により構成した、キャリヤの別の代替形の端面図である。
【図63】本開示の教示により構成した、端部を剥がしたヒートトレース部の代替形の透視図である。
【図64】本開示の教示による、ヒートトレース部の剥がした端部に固定した終端部材の透視図である。
【図65】本開示の教示による、末端キャップと共に、中の電気接続部を示す、ヒートトレース部の剥がした端部に固定した終端部材の透視図である。
【図66】本開示の教示により構成した、端部を剥がしたヒートトレース部の別の代替形の透視図である。
【図67】本開示の教示による、ヒートトレース部の剥がした端部に固定した末端シールドの透視図である。
【図68】本開示の教示による、末端シールドに固定した終端部材の透視図である。
【図69】本開示の教示による、末端キャップと共に、中の電気接続部を示す、ヒートトレース部の剥がした端部に固定した終端部材の透視図である。
【図70】本開示の教示により構成した、複合誘電体カバーを有するヒートトレース部の代替形の端面図である。
【図71】本開示の教示により構成した、複合誘電体カバーを有するヒートトレース部の別の代替形の端面図である。
【図72】本開示の教示により構成した、縮減領域を有する代替ヒートトレース部の端面図である。
【図73】本開示の教示により構成した管継手アダプタの代替形の透視図である。
【図74】本開示の教示による管継手アダプタおよび隣接する管継手の分解透視図である。
【図75】本開示の教示により構成した断熱ジャケットの代替形の透視図である。
【図76】本開示の教示により構成した断熱ジャケットの端面図である。 対応する参照数字は、これらの図面の幾つかの図を通じて対応する部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、性質が単に例示に過ぎず、本開示、用途、または使用法を限定することを意図しない。
【0014】
本開示によるヒータの構造を次に詳細に説明する。最初に、この明細書全体を通じて使用する“導管”と言う語は、制限なく、流体または粉末若しくはスラリーのようなその他の材料を輸送するためのチューブ、パイプ、およびその他の閉鎖したまたは部分的に閉鎖した部材を含むことを理解すべきである。ここで説明する導管が運ぶ材料には固体、液体、および気体があり、例として、半導体処理装置内を輸送する流体を含んでもよい。その様な半導体処理装置に関する推奨実施例の以下の説明は、性質が単に例示に過ぎず、この開示、その用途、または使用法を限定することを少しも意図しない。従って、本開示の教示は、半導体処理装置に限定されず、本開示の範囲内に留まりながら導管のどんなシステムにも適用することができる。
【0015】
図1を参照すると、一般的に遠隔ガス配送システムから処理ツールまで伸びる加熱したガスライン12、およびこの処理ツールから、図示するように多数の構成装置を通って、スクラバまで伸びる加熱したポンプライン14を含む、半導体処理システム10が示してある。動作中、ガスライン12とポンプライン14の両方を特定の処理要件に従って加熱しなければならず、それは典型的には図2に示すようにヒートトレースケーブル16で達成している。これらのヒートトレースケーブル16は、図示するようにガスライン12またはポンプライン14の全長に亘って配置しまたは巻付け、およびガラステープ18またはその他の固定手段を使ってこのガスライン12またはポンプライン14に固定する。その上、外部環境への熱損失を減らすために断熱材20を屡々ヒートトレースケーブル16の周りに配置する。この断熱材20は、典型的にヒートトレースケーブル16の周りに巻付け、別のテープまたはタイ片によってこのガスライン12またはポンプライン14の周りの所定の位置に固定する。
【0016】
図3および4を参照すると、ヒートトレースケーブル16の構造および材料が詳細に図示且つ説明してある。このヒートトレースケーブル16は、典型的に発熱体として作用する半導性高分子材料24によって囲まれた、1対のバス導体22を含む。誘電または絶縁材料26がこの半導性高分子材料24を囲み、それは、任意に接地面のような付加的機能性のために図示するように金属編組材料28によって囲まれていてもよい。更に、外側ジャケット30がこの組立体全体を保護するためにこの金属編組材料28を囲み、この外側ジャケット30は、典型的に熱可塑性材料のような絶縁材料である。
【0017】
他のヒータシステムより比較的低コストであるが、ヒートトレースケーブル16は、現場で適切な長さに切断して適当なコネクタまたは端子に接合しなければ成らず、それは屡々時間が掛り、厄介である。その上、ヒートトレースケーブル16は、被覆面積が限られ且つ導管に固定する手段が比較的粗雑であるために、導管の全長に亘って比較的均一な加熱分布を得ることに他の加熱システムほど有能でない。ヒートトレースケーブル16は、それらが剛く且つ導管の形状に成るのが困難であるために、導管と不確実な接触しかしない。
【実施例1】
【0018】
次に図5ないし8を参照すると、本開示の第1実施例による半導体処理システム10に使うようになっているモジュール式ヒートトレース組立体が示してあり且つ全体を参照数字50で指してある。このモジュール式ヒートトレース組立体50は、この半導体処理システム10の導管13に接触し且つ加熱するためのヒートトレース部52を含む。このモジュール式ヒートトレース組立体50は、隣接するヒートトレース部52を固定するためのおよびこのモジュール式ヒートトレース組立体50を以下に詳細に説明するように半導体処理システム10の部品に固定するためのコネクタ54も含む。
【0019】
これらのヒートトレース部52は、図示するように細長い形状に作ってあり且つ湾曲部56およびこの湾曲部56の縦方向に伸びる1対のロック縁58を含むのが好ましい。この湾曲部56は、導管13の周りに配置するための開いたチャンネル62を形成する内面60を有する。この内面60は、このヒートトレース部52を導管13に固定できるようにするために導管13の外面と相補であるのが好ましい。この湾曲部56は、ヒートトレース部52から導管13へのより均一な熱伝達をもたらし且つロック縁58による導管13周りへのヒートトレース部52の自動ロックを可能にするために、導管13の全外面の少なくとも半分を囲むのが好ましい。
【0020】
図示するように、ロック縁58は、湾曲部56の縦軸を横切る方向に離間していて且つこれらのヒートトレース部52の導管13への取付けを容易にするように構成してある。このヒートトレース材料が柔軟であるので、ヒートトレース部52のチャンネル62を導管13の周りに配置するとき、ロック縁58は、外方にそらすことができ且つ次にヒートトレース部52を導管13に固定するために放したとき導管13に片寄せられる。
【0021】
更に図示するように、1対の導体64がヒートトレース部52内に、好ましくは図示するようにロック縁58に沿って設けてあり、これらの導体64は、対向する端66および68から外方に伸びる。これらの導体64は、このヒートトレース部52に沿って熱を提供するために電源(図示せず)に接続するように構成してある。これらの導体64は、以下に詳しく説明するように、隣接するヒートトレース部52にまたは隣接するコネクタ54に接続するようにも成っている。図5ないし8には示さないが、このヒートトレース部52は、半導性高分子材料、この半導性高分子材料を囲む誘電または絶縁材料を含み、並びに先に説明したように接地面および外側ジャケットのための任意の材料も含んでよいことを理解すべきである。これらの別の材料は、明確さのためにヒートトレース部52には図示しない。
【0022】
これらのヒートトレース部52は、種々のサイズ、または例えば、導管13の外形に対応するサイズに前もって形成してあるのが好ましい。これらのヒートトレース部52は、導管13の特別な部分に所望の長さに従って、適切な長さに切断することも可能である。これらのヒートトレース部52は、図示する半導体処理システム10のような導管システム内の修理および交換を容易にするために標準サイズおよび長さで用意してあるのが好ましい。従って、本開示の教示によるヒータシステムのモジュール式構造は、導管システムに容易に適合する比較的低コストのヒータシステムを容易にする。
【0023】
次に図5および6に関連して図9ないし11cを参照すると、ヒートトレース部52をこの導管システム10の管継手70の間でまたは横切って隣接するヒートトレース部52に固定するために、コネクタ54がこのヒートトレース部52の対向する端66または68の少なくとも一つに近接して設けてある。このコネクタ54は、設置および除去を容易にするためにこの管継手の形状に作ってあるのが好ましい。その上、この管継手に近接するコネクタ54を覆うために、やはりこの管継手の形状に作ってある嵌め合いカバー72が設けてある。
【0024】
このヒートトレース部52およびコネクタ54は、このヒートトレース部52とコネクタ54の間の迅速な係合・離脱を可能にするために嵌め合い機構を形成する。この実施例では、コネクタ54がピンの形をした、または導体64を受けるために1対の対応する溝58を備え、それらの導体は、以下に詳しく説明するように、ヒートトレース型ヒータでは典型的にピン、または剥取りの結果露出した線の形をしている。
【0025】
このコネクタ54は、本開示の教示による電気接続および熱伝達のための複数の形の一つを含んでもよい。図11aに示す第1形態では、コネクタ54が絶縁材料を含み且つ溝58内に配置した電気コネクタ素子74を含む。これらの電気コネクタ素子74は、一般的にソケットの形をしていて、図示するように導体64を受けるようになっている。これらの電気コネクタ素子74は、締り嵌めのためのサイズでもよく、またはその代りに、必要に応じて導体64にかしめてもよい。その代りに、これらの電気コネクタ素子74が、絶縁材排除または刺通コネクタとしても知られ、それらの周囲材料、例えば、絶縁材料、半導性高分子材料金属組編材料を通して導体64に接触するために柔軟なカバーまたはハウジングによって動かされる電気接点を含む、スクイーズコネクタを含んでもよい。例示スクイーズコネクタが米国特許第4,861,278号に示してあり、多種多様なその様なコネクタが多数の製造業者から市販されていて、それで簡潔さのためにここには図示しない。従って、本開示の範囲内に留まりながら多種多様な電気コネクタを使ってもよいことを理解すべきである。本開示の範囲内に留まりながら多種多様な電気接続アプローチを使って、コネクタ54を横切る電気的連続性をもたらすために、破線75によって示すように、コネクタ54を横切る電気コネクタ素子74間の電気接続も使ってよいことも理解すべきである。
【0026】
図11bに示すような第2形態では、コネクタ54が上に示したような電気コネクタ素子74を備える絶縁材料を含み、このコネクタ54の本体内に配置した、前もって形成したヒートトレース部76も含む。それでこのヒートトレース部76は、この導管システム10の管継手70に必要な熱を与え、且つ上に説明したように本開示の教示に従って構成してある。
【0027】
図11cに示すような第3形態では、コネクタ54が、前もって形成したヒートトレース部76を備えるが電気コネクタ素子74は備えない絶縁材料を含む。この形態で、導体64は、図示するようにコネクタ54から伸び、および電源(図示せず)に電気接続するために後に別のコネクタまたは端子に取付けてある。その代りに、このコネクタ54は、ここに示す形態の各々で、このヒータシステムの温度制御を改善するために、個別温度センサ(図示せず)、またはTCR(抵抗温度係数)材料を使う固有の温度検知性能も含んでよい。
【0028】
更に他の形態では、シリコンまたは非シリコンベースのペースト、またはとりわけシート型熱ゲルが、熱伝達を改善するために導管13に隣接する一つ以上の露出面に、コネクタ54の片側に配置してある。従って、本開示の範囲内に留まりながら熱伝達を改善または制御するために、多種多様な熱インタフェース材料をコネクタ54とヒートトレース部52の両方に使ってもよいことを理解すべきである。
【0029】
ヒートトレース部52をコネクタ54に接続するためにピンと溝の機構を使うが、コネクタ54がこのヒートトレース部52を隣接するヒートトレース部52に固定するようにおよびこの接続部を横切る電気的連続性をもたらすように機能する限り、同じ物を接続するための他の機構を使うことができることに注目すべきである。例えば、その様な機構は、嵌め合い構造を整列および/または固定するために、例として、ねじ、釘、スナップ、クリップ等を含んでもよい。その上、本開示の範囲内に留まりながら、電磁機能のような、機械的素子以外の機能を使ってもよい。
【0030】
このヒートトレース部52を第1実施例では湾曲部56を有するように説明したが、このヒートトレース部52は、ここに示したような形状および構造に限定されないことにも注目すべきである。ヒートトレース部52は、それを導管13に適正に固定して、この導管13に熱を与えられる限り、どんな形状でもよい。例えば、このヒートトレース部52は、矩形導管を受けるために角胴形でもよい。ヒートトレース部52は、導管13を加熱する目的を達成するためにここに図示し且つ説明するように導管13に直接接触しているのが好ましいが、そうである必要はない。更に、ここに図示するような単品ではなく、複数品のヒートトレース部52を導管13の周囲に使ってもよい。その様な変形は、本開示の教示および範囲内にあると理解すべきである。
【実施例2】
【0031】
図12および13を参照すると、本開示の第2実施例によるヒートトレース部が全体を参照数字100で示してある。このヒートトレース部100は、大きいサイズの導管13を容易にし且つこの導管13およびその中の流体を加熱するために必要な電力を供給するために複数の導体110を含む。これらの導体110は、対向する端112および114から電源(図示せず)へおよび/または隣接するヒートトレース部100へ若しくはコネクタ54へ電気接続するためにこのヒートトレース部100の縦軸に沿って外方に伸びる。
【0032】
この実施例では、中に導管13を受けるための管状チャンネル106を形成する七つのパネル102が示してある。二つのパネル102は、図示するように縦スリット108を形成するために、それらの縦辺104の一つに沿って接合してない。この縦スリット108は、このヒートトレース部100の導管13への取付けを容易にする。このヒートトレース部100は、柔軟な材料で出来ているので、この縦スリット108を形成する二つのパネル102を外方に撓めることによって、先に説明したヒートトレース部52同様に、このヒートトレース部100を導管13の上に固定できる。
【0033】
先に述べたように、この実施例のヒートトレース部100は、特に大サイズの導管に適する。それでパネル102の枚数は、加熱すべき導管13のサイズに依存し、図12および13の実施例に示すような七つに限定されない。本開示の範囲内に留まりながら、導管13のサイズおよび所要熱量に従って幾つの導体110および対応するパネル102を使ってもよい。
【0034】
図14を参照すると、図12および13の多重導体実施例を先に示したような二導体コネクタ54に適合させるように機能するバスアダプタが示してあり、全体を参照数字150で指してある。図示するように、このバスアダプタ150は、ヒートトレース部100とコネクタ54の間に配置したリング形であるのが好ましい。このバスアダプタ150は、絶縁性材料で、ヒートトレース部100の複数の導体110を受けるための、好ましくはソケットの形の、複数の電気コネクタ素子152(破線で示す)を片側に含むのが好ましい。反対側に、このバスアダプタ150は、コネクタ54の電気コネクタ素子74(破線で示す)と係合するためにこのバスアダプタ150の本体から伸びる1対の導体154を含む。このバスアダプタ150の内部で、電気コネクタ素子74は、電気的連続性をもたらすために、導体154の各々にバス接続してある。
【実施例3】
【0035】
次に図15ないし17を参照すると、本開示の第3実施例に従って、導管システム10の交差点または継手に使うためのヒートトレース接合部が提供してあり且つ全体を参照数字200で指してある。図示するように、このヒートトレース接合部200は、ベース部202から伸びる複数のアーム204を有する十字形状を形成するのが好ましい。各アーム204は、隣接する電源(図示せず)または隣接するヒートトレース部若しくは接合部に接続するための1対の導体208をを備える係合端206を有する。これらの係合端206に二つの導体208しか示さないが、本開示の範囲内に留まりながら、複数の導体、即ち三つ以上を使ってもよいことを理解すべきである。その上、これらの導体208の経路は、特定の所要熱量に従って変ってもよく、およびここに示す以外の経路、例えば、図示するように四つ全てではなく一つまたは二つのアーム204を下る経路を本開示の教示および範囲内に入ると解釈すべきことを理解すべきである。
【0036】
このヒートトレース接合部200は、この導管システム10の接合部に適正に取付けられるように適当な形状に作ることができる。例えば、このヒートトレース接合部200を導管システム10(図1に示す)のエルボ接合部に使用するために図16に示すようにエルボ形210に作ることができる。その代りに、このヒートトレース接合部200を導管システム10のT字形接合部(図示せず)に使うために図17に示すようにT字形212に作ることができる。更に示すように、これらの導体208は、これらの接合部を隣接するヒートトレース部にまたはコネクタに接続するために必要性に依って、図16および17に示すように多種多様な構成を含んでもよい。
【実施例4】
【0037】
図18ないし21を参照すると、本開示の第4実施例によるモジュール式ヒートトレースコネクタ組立体が全体を数字300で指してある。このモジュール式ヒートトレースコネクタ組立体300は、第1ヒートトレース部302、第1終端構造304、第2ヒートトレース部306、および第2終端構造308を含む。この第1ヒートトレース部302および第2ヒートトレース部306は、図18ないし21に比較的平坦な形状を形成するように示してあるが、それぞれのヒートトレース部302および306は、先に示した円形または円筒形のようなどんな幾何形状でもよいことを理解すべきである。従って、この平坦形状は、本開示の範囲を限定すると解釈すべきでない。
【0038】
この第1ヒートトレース部302および第2ヒートトレース部306は、各々当接端310および312並びに末端314および316を有する。これらの終端構造304および308は、当接端310および312に設けてあり且つ一緒に機械的および電気的に結合するための嵌め合い機構を有する。更に具体的には、この第1終端構造304は、上係合部318および下係合部320を有する。この第2終端構造308も対応する上係合部322および対応する下係合部324を有する。この第1終端構造304の上係合部318は、ピン形状を形成し、一方第2終端構造308の上係合部322は、これらの上係合部318および322間の係合を容易にするためにソケット形状を形成する。一推奨形で、第1終端構造304の上係合部318は、1対のピン326を含む。この第2終端構造308の上係合部322は、中にこれらのピン326を受けるために対応する対のソケット330を含み、それで機械的および電気的結合をもたらす。これらの終端構造304および308は、ニッケル材料性であるのが好ましいが、本開示の範囲内に留まりながら、十分な電気的連続性をもたらす銅のようなその他の材料も使ってよい。
【0039】
更に示すように、この第1終端構造304の下係合部320は、1対の延長部332を含み、それからこの上係合部318のピン326が上方に伸びる。第2終端構造308の下係合部324も1対の延長部334を含み、それから上係合部322の係合アーム328が伸びる。これらの延長部332および334は、各々電気的連続性のためにその中にヒートトレース302および306の導体336を受ける。
【0040】
図面には示さないが、第1ヒートトレース部302および第2ヒートトレース部306の末端314および316は、任意に追加のヒートトレース部にまたはコネクタに接続するための終端構造304または308を備えてもよい。その代りに、これらの末端314および316が電源(図示せず)に接続するための適当な係合手段(図面には示さず)を備えてもよい。
【0041】
図22を参照すると、ヒートトーレス部340および342を接続するための代替コネクタが示してあり、全体を参照数字344で指してある。このコネクタ344は、図示するように導体346を接続するために全体として“U字形”形状を成す。本開示の一つの形で受け孔(図示せず)を形成するコネクタ344と係合するために、これらの柔軟な導体346を図示するように上方に曲げる。このコネクタ344は、この技術で知られる手法に従って導体346に圧入、接着、または溶接してもよい。従って、露出導体346を有するヒートトレース部340および342の端が先に図示した実施例より互いに近く、それでこれらのヒートトレース部に沿う熱伝達の均一性を改善する。
【0042】
このモジュール式ヒートトレースコネクタ組立体300は、高温用途でピンおよびソケットの熱疲労を減らすために、この様にこのピンおよびソケット接続領域をこれらのヒートトレース302および306の高温面から離して配置するように構成してある。
【0043】
上に説明したモジュール式ヒータ組立体50を従来のヒートトレースケーブルに類似する構造を有するように図示し且つ詳述したが、本開示の範囲内に留まりながら、ヒートトレース構造以外の他の種類のヒータ構造も使ってよいことを理解すべきである。とりわけ、モジュール式でモジュール式コネクタおよびここで説明したその他の実施例を使って導管システムで容易に交換および修理できる、高分子ヒータまたは多層フィルムヒータのような種類のヒータを本開示の範囲内にあると解釈すべきである。
【0044】
図23を参照すると、本開示の教示によるZ方向ヒータの実施例が示してあり、全体を参照数字350で指してある。このZ方向ヒータ350は、1対の導体352を含み、その各々が箔素子354に電気的に接続してある。導電性高分子材料356が図示するように箔素子354の間に配置してあり、且つ絶縁材料358がこの組立体全体を囲む。このZ方向ヒータ350は、先に説明したようなモジュール構造に適合し、およびこれらの箔素子354の追加で、このヒータが供給する熱の質を特定の用途の必要条件に合わせられる。このZ方向ヒータ350の形状および構造は、例示に過ぎず、ここの説明したような、他の形状および追加の素子、例えば、管状形状、接地面素子も、本開示の範囲内に留まりながら使用してもよいことを理解すべきである。更に、素子354は、箔材料に限らず、代替形では格子またはスクリーン材料を含む。
【0045】
このZ方向ヒータ350は、複数の導体352および対応する箔素子354を備えるシート料の形に作るのが好ましい。それで、どんなサイズのZ方向ヒータ350も特定の用途の必要条件に従ってこのシートから容易に切取りまたは切出すことができる。例えば、導体352および箔素子354の複数部分、例えば、各2セット以上を、導体352および箔素子354の長さを所望の寸法に切断することに加えて、このシートの幅の全域から切出すことができる。
【0046】
次に図24を参照すると、ヒートトレース付き導管、または加熱した導管(図示せず)用の断熱ジャケットが全体を参照数字400で指してある。この断熱ジャケット400は、管状断熱本体402を形成するのが好ましく、それは外壁403、および加熱した導管を受けるためのチャンネル406を形成する内壁404を有し、その導管は先に説明したようなヒートトレース付き導管でもよい。この内壁404は、先に説明したように、導管の全長に亘って配置する、従来のヒートトレースケーブルを収容するためのポケット408を有する。その代りに、このポケットは、ここに図示し且つ説明したようなヒートトレース部52を収容するために、図25に示すアーチ形ポケット410のような、多数の形状に具体化してもよい。従って、このポケット408の形状は、どんな形であっても、このヒートトレース部の形状を反映または適合するように設計する。その上、このポケット408を有する断熱ジャケット400は、導管の長さに沿って滑らせるのではなく、変形してこの導管の上に置くことができる。更に、図示する形状の断熱ジャケット400は、環境への熱損失を制御する目的で一つ以上のヒートトレース部をこの導管に対して正確に配置するために役立つことができる。
【0047】
図26を参照すると、加熱した導管用の別の形の断熱ジャケットが全体を参照数字420で指してある。この断熱ジャケット420は、外壁423および内壁425を形成する管状断熱本体422を形成するのが好ましい。この管状断熱本体422は、図示するように外壁423と内壁425の間を縦に伸びる複数の空気室424でできている。それでこれらの空気室424は、これらのヒートトレース部に沿う熱放散の均一性を改善するためおよびこの断熱ジャケット420を通る熱損失を減らすための領域を提供する。
【0048】
図27を参照すると、加熱した導管用で空気室を有する断熱ジャケットの別の形が全体を参照数字430で指してある。この断熱ジャケット430は、外壁433および内壁435を有する管状断熱本体432を形成するのが好ましい。図示するように、この管状断熱本体432は、この内壁435に作り且つこの管状断熱本体432の縦方向に沿って幾らか不規則な構成に配置した複数の空気ポケット434を有する。従って、これらの空気ポケット434は、この断熱ジャケット430を通る熱損失を低減する。
【0049】
図28を参照すると、加熱した導管用断熱ジャケットの更に別の形が全体を参照数字440で指してある。この断熱ジャケット440は、管状断熱本体442を形成し、それは、対向する縦縁446および448が形成する縦スリット444を有する。これらの対向する縦縁446および448は、円周方向に離間し且つ加熱した導管周りに配置可能にするために適正に離れている。更に具体的には、この管状断熱本体442は、縦縁446および448が外方に撓んで、次にこの加熱した導管に片寄せられるように、柔軟な材料、例えば、多くの中でも、シリコンゴムシートまたは発泡材、ネオプレン、ポリイミド発泡材またはテープ製である。
【0050】
更に図示するように、縦縁の一つ446は、この断熱ジャケット440を加熱した導管の周りに置いた後に縦縁の他の一つ446を適正に係合させるためにフラップ452を備える。縦スリット444を閉じるためにフラップ452を使うことは、外部環境への熱損失を減らすのに役立つ。このフラップ452も断熱のために断熱材料製であるのが好ましい。このフラップ452は、このフラップ452を縦縁の他の一つ448に且つこの管状断熱本体442の外面に沿って固定するように、他の固定手法の中でも、接着テープ製であるか、若しくは接着剤コーティングを備えてもよく、またはその代りにベルクロ(登録商標)であるか若しくは機械的スナップを含むフラップでもよい。
【0051】
ここで説明した断熱ジャケット実施例の各々で、これらのジャケットは押出しであるのが好ましい。その上、これらの形態のどれも、例えば、空気室、ヒートトレース部の形状寸法に合わせた大きさのポケット、縦スリット、およびフラップは、本開示の範囲内に留まりながら、単独に設けても、または互いに組合わせて設けてもよい。更に、多重ポケットは、本開示の精神および範囲から逸脱せずに、多重ヒートトレース部52を容易にするために設けてもよい。
【0052】
次に図29ないし31を参照すると、別の形のモジュール式ヒータシステムが示してあり、且つ全体を参照数字500で指してある。一般的に、このモジュール式ヒータシステム500は、ヒートトレース組立体502およびコネクタ組立体504を含む。明確さのために一つのヒートトレース組立体502と一つのコネクタ組立体504しか示さないが、このモジュール式ヒータシステム500は、最終用途に依って、ヒートトレース組立体502とコネクタ組立体504のどちらかまたは両方を複数含むことができることを理解すべきである。
【0053】
このヒートトレース組立体502は、例えば、先に説明し且つ図1および2に示したような半導体処理システム10の導管13との接触および加熱用に適合させてある。このモジュール式ヒータシステム500は、多数の最終用途に適用でき、従ってここに図示し且つ説明する半導体処理システム10は例示に過ぎないことを理解すべきである。従って、これらの最終用途を以後このモジュール式ヒータシステム500の“目標システム”と呼ぶ。このコネクタ組立体504も、例えば、この目標システムの継手、コネクタ、またはその他の部品との接触および加熱用に適合させてある。その上、このコネクタ組立体504は、隣接するヒートトレース組立体502を互いに固定しおよびこの目標システムの継手、コネクタ、またはその他の部品を収容する。このコネクタ組立体も、以下に詳しく説明するように、数ある機能の中で、この目標システムの部品への加熱と外部環境への熱損失の遮断の両方をもたらす。
(ヒートトレース組立体502)
【0054】
図32および33に示すように、このヒートトレース組立体502は、ヒートトレース部510、断熱ジャケット512、および終端部材514を含む。一般的に、この断熱ジャケット512は、ヒートトレース部510の周りに配置するのに適合させてあり、およびこの終端部材514は、ヒートトレース部510と断熱ジャケット512の両方と係合するのに適合させてある。この終端部材514も、先に示したようにヒートトレース部510と隣接するコネクタ組立体504の間、または隣接するヒートトレース部510と電源(図示せず)の間の電気的接続を提供する。従って、リード線516がこの終端部材514を出て隣接する電気接続を創り出す。
【0055】
図34ないし36を参照すると、このヒートトレース部510が示してあり、次に詳しく説明する。図示するように、このヒートトレース部510は、細長い形状をなし、湾曲部520およびこのヒートトレース部510に沿って縦に伸びる1対の対向するロック縁522を含む。この湾曲部520は、例えば、先に図5および6に示し且つ説明したように導管13の周りに配置するための開いたチャンネル526を囲む内面524を形成する。この内面524は、ヒートトレース部510と導管13の間の熱伝達および接続を改善するために導管13の外面と相補であるのが好ましい。この湾曲部520は、より均一な熱伝達をもたらし且つロック縁522による導管13周りのヒートトレース部510の自動ロックを可能にするために、導管13の全外面の少なくとも半分を囲むのが好ましい。これらのロック縁522は、先に図示し且つ説明したロック縁58(図7および8)のように機能し、従って以下に更に詳しくは説明しない。その上、このヒートトレース部510も図示するように導体528を含み、それは先に図示し且つ説明した導体64(図7および8)のように機能するので、同様に以下に更に詳しくは説明しない。
【0056】
先に説明したヒートトレース部52(図7および8)同様、このヒートトレース部510は、種々のサイズ、または例えば、導管13の外周に対応するサイズに前もって形成してあるのが好ましい。これらのヒートトレース部510は、押出しであり且つ導管13の特別な部分のための所望の長さに従って、適切な長さに切断することも可能であるのが好ましい。これらのヒートトレース部510は、先に図示し且つ説明した半導体処理システム10のような導管システム内の修理および交換を容易にするために標準サイズおよび長さで用意してあるのが好ましい。従って、本開示の教示によるヒータシステムのモジュール式構造は、例えば、導管システムに容易に適合する比較的低コストのヒータシステムを容易にする。
【0057】
更に図示するように、このヒートトレース部510は、誘電体カバー532が囲む半導性高分子コア530を含むのが好ましい。図示しないが、このヒートトレース部510は、先に説明したように、他の機能性材料の中で、接地面および外部カバー用の任意の材料も含んでよい。その上、この誘電体カバー532は、半導性高分子コア530と同時押出しであるのが好ましいが、この誘電体カバー532は、その代りに別に作って後組立て工程での半導性高分子コア530の周りへの配置に適合させてもよい。
【0058】
このヒートトレース部510は、誘電体カバー532の外面542およびロック縁522から、好ましくは図示するように垂直方向に、断熱ジャケット512の内面513の方へ伸びる、好ましくは図示するようにフィン540の形の、複数の断熱スタンドオフを形成するのが都合がよい。これらのフィン540は、根元部544から先端部546へ図示するように先細りになり且つ複数のフィン540と断熱ジャケット512の間に通路548を形成するのが好ましい。このヒートトレース部510を図36に示すように断熱ジャケット512内に組立てると、これらの通路548は、動作中のヒートトレース部510から外部環境への熱損失が更に減るように、図示するように空気の形で、断熱する。その上、この改善した断熱効果は、ユーザがこのモジュール式ヒータシステム500の作動中にこのヒートトレース組立体502に触れるように、この断熱ジャケット512の外部を“触っても安全な”温度にする。
【0059】
フィン540の図示する先細り形状と異なる幾何学的構成と共に、任意の数のフィン540を、本開示の範囲内に留まりながら、使ってもよいことを理解すべきである。例えば、図35に示すように、この断熱ジャケット512の内面513に対して拭取り作用を与えて、隣接する通路548からの封止を改善した通路548を生じるために、曲ったフィン540’(破線で示す)を使ってもよい。更に、フィン540ではなく、またはそれに加えて、断面形状が“S字形”または“Z字形”のような他の幾何学的構成も、本開示の範囲内に留まりながら、使ってよい。これらの通路548は、ここに図示し且つ説明したように空気を使うのではなく、その代りに、本開示の範囲内に留まりながら、他の形の材料の中で気泡のような断熱材、またはポリイミド発泡材で埋めてもよい。
【0060】
次に図37および38を参照すると、断熱ジャケット512が示してあり、それで次に詳しく説明する。図示するように、この断熱ジャケット512は、二つの部分550および552を含むのが好ましく、それらは、同じ部分を組立てた断熱ジャケット512に使用できるように対称形であるのが好ましく、それで、これらの部分550および552は、互換性がある。各部分550および552は、先に説明したようにヒートトレース部510に適合している形状、即ち、図示する実施例では円形を成す。これらの部分550および552は、更に外壁556と内壁558の間を縦に伸び、支持部559によって分割された、室554を含む。これらの室554は、動作中のヒートトレース部510から外部環境への熱損失が更に減るように、図示するように空気の形で、断熱する。この断熱ジャケット512も押出しであり且つ本開示の一つの形でポリカーボネートのような半剛性高分子材料を含むのが好ましい。その代りに、この断熱ジャケット512は、図24ないし28に示す代替断熱ジャケットに関して上に示したもののような他の材料を含んでもよい。
【0061】
更に示すように、この断熱ジャケット512は、この断熱ジャケット512をヒートトレース部510に容易に着脱できるようにヒンジ・スナップ機構を含む。更に具体的には、各部分550および552が、それぞれ、この断熱ジャケット512の対向するヒンジ570および572に沿って縦に伸びる、対向する湾曲リップ562および564並びに隣接する対向ロックタブ566および568を含む。これらのロックタブの一つ566が最初に隣接する湾曲リップ562内に係合し、次に対向するロックタブ568が隣接する湾曲リップ564に係合してパチンと嵌るまでこれら二つの部分550および552をこの断熱ジャケット512の縦軸Xの周りに回転する。それで、追加の部品または機材を必要とすることなく、この断熱ジャケット512をヒートトレース部510に容易に設置する。この断熱ジャケット512除去するためには、ロックタブ568が湾曲リップ564から外れるように、これら二つの部分550および552を互いの方にこの縦軸Xの周りに単純に回転する。従って、この断熱ジャケット512は、このヒンジ・スナップ機構を作動させるために、上に説明した半剛性ポリカーボネートのような、弾力があって比較的柔軟な材料であるのが好ましい。
【0062】
代替形で、これら二つの550および552の各々は、図示するようにヒンジ570および572に隣接する凹んだ外面580を含むのが好ましい。これらの凹んだ外面580は、テープ片582(明確さのためにテープ片582の一つだけを示す)を収容し、それらは、付加的断熱をもたらし且つこれら二つの部分550および552を更に一緒に固定する。このテープ582は、非伝導性で且つ例として、ポリエステルまたはポリイミドのような材料であるのが好ましい。このテープの図および説明は例示に過ぎず、とりわけベルクロ(登録商標)のような他の固着部材も本開示の範囲内に留まりながら使ってよいことを理解すべきである。
【0063】
図37を参照すると、これらの部分の少なくとも一つ、図示するように部分552が更に端部586および588に隣接して作ったスロット584を含む。これらのスロット584は、図32および33に示した終端部材514の特徴に適合し、次にそれらを詳しく説明する。
【0064】
図39および40を参照すると、この終端部材514がヒートトレース部510(および図示しない断熱ジャケットも)への接続に適合させてあり、およびリード線516用の出口を提供し且つこのリード線516用の歪み逃しとしても作用する突出部590を含む。それでこの突出部590は、先に図示し且つ説明したように断熱ジャケット512のスロット584内に配置するように構成してある。更に示すように、この突出部590は、隣接するランド592および594を含み、それらは溝596によって分離され、それでこの溝596が隣接するランド592および594の中の通路(図示せず)を通って出て行く二つのリード線516の間の誘電体スタンドオフとなる。この突出部590は、終端部材514と一体に作ってあるのが好ましく、この終端部材514は、例として、高分子材またはフルオロポリマのような断熱材であるのが好ましい。
【0065】
本開示の一つの形で、この終端部材514は、ハウジング本体600およびこのハウジング本体600に固定した末端キャップ602を含む。一般的に、この末端キャップ602は、電気接続部を収容するハウジング本体600の内部を覆い且つ絶縁するために設けてある。更に具体的に、および図41ないし43を参照して、この末端キャップ602は、図示するように末端部に、それぞれ、ロック延長部608および610を含む、弾性アーム604および606を含む。対応して、このハウジング本体600は、これらの弾性アーム604および606を収容する溝612および614並びにこれらのロック延長部608および610と係合する面616を含む。末端キャップ602をハウジング本体600上を滑らせると、弾性アーム604および606が次第に溝612および614に沿って滑り、これらの弾性アーム604および606が外方に撓む。次にロック延長部608および610が溝612および614を通過して前進すると、弾性アーム604および606が内方に戻り、ロック延長部608および610ハウジング本体600の面616と係合して末端キャップ602をこのハウジング本体600に固定する。弾性アーム604および606をハウジング本体600の外部と係合するように図示し且つ説明したが、これらの弾性アーム604をその代りに、本開示の範囲内に留まりながら、ハウジング本体600の内部に向けて配置してもよいことを理解すべきである。
【0066】
その上、この末端キャップ602は、ハウジング本体600の対応する内輪郭面624および626の上に嵌るサイズのフランジ620および622を含む。これらのフランジ620および622は、終端部材514内部の電気接続部へのあらゆる視線を除去することによって審美的外観も改善しながら、主としてこの終端部材514全体への付加的誘電体として機能する。これに関して、ハウジング本体600は、更に面616から後方に伸びる壁627および628を含み、それらも電気接続部のための誘電体スタンドオフとなる。これらのフランジ620および622の誘電体延長部としての特別の形状および位置は、例示に過ぎず、他の部品(例えば、ハウジング本体600)のための誘電体延長部の中で、末端キャップ602のその様な誘電体延長部の他の形状および位置を、本開示の範囲内に留まりながら、使ってもよいことを理解すべきである。
【0067】
次に図44ないし46、および図42も参照すると、ハウジング本体600の裏側が、電気接続部を収容するために、内部空洞630および632並びに1組の上部開口634および636を、1組の下部開口638および640と共に含む。一般的に、リード線516は、突出部590を通り、上部開口634および636を通って内部空洞630および632の中へ伸びる。延長線650および652がヒートトレース部510の導体528(図示せず)に接続してあり、やはり内部空洞630および632の中へ伸びる。これらのリード線516は、次に図示するようにクリンプ654および656でこれらの延長線650および652に接続してあるのが好ましい。従って、リード線516とヒートトレース部510の間の電気接続部が空洞630および632内に配置してあり、このハウジング本体600の壁627および628によって絶縁保護がもたらされる。
【0068】
図39および41に戻り、並びに図46ないし47も参照すると、ハウジング本体600の前側がスロット662によって分離された複数の外側延長部660を含む。これらの外側延長部660は、ヒートトレース部510の周りへの配置に適合し、更に具体的には、このヒートトレース部510の外面542に係合する。これらの外側延長部660は、それらがヒートトレース部510の外面542に対して確実な係合力を生じるように僅かな抜き勾配を付けて設計してあるのが好ましい。これらの外側延長部660は、ヒートトレース部510と外部環境の間に付加的誘電分離を与えるようにも機能する。ヒートトレース部510のフィン540は、次に図示するようにスロット662に入れ子になり、完全に組立てた状態で終端部材514の面616に当接する。その様な入れ子を更に容易にするために、外側延長部660は、これらの外側延長部660とフィン540の間の接触をより緊密にするために図示するような傾斜面664を含むのが好ましい。
【0069】
このハウジング本体600は、更に、アーチ形上部672並びに下部674および676を形成する異形の内側延長部670を含む。この異形の内側延長部670は、図示するようにヒートトレース部510の内面524と係合し、それがヒートトレース部510を終端部材514に更に固定する。この異形の内側延長部670は、外側延長部660同様に付加的誘電分離を与えるようにも機能する。このアーチ形上部672は、図示するように面616での厚い部分から薄い端部678へ断面が先細りであるのが好ましい。それでこの薄い端部678がヒートトレース部510と終端部材514の組立を容易にする。その上、これらの下部674および676は、図示するようにフィン540の外面と係合するように構成してある。
【0070】
(コネクタ組立体504)
次に図48ないし50を参照すると、コネクタ組立体504がシェル700を含み、それは、複数のシェル部材702および704を含むのが好ましい。これらのシェル部材702および704は、図示するようにそれらをシェル700の上部706とシェル700の下部708の両方に使うように、互換性があるのが好ましい。同時に、シェル部材702および704は、それぞれ外側リム710および712を形成し、これらのリム710および712は、図30に示すようにヒートトレース組立体502の上の設置に適合させてある。これらのリム710および712は、付加的熱絶縁をもたらし、審美性改善のためにこのモジュール式ヒータシステム500内の結合部内への視線を減らす。その上、上側リム714および下側リム716が、それぞれ、これらのシェル部材702および704の周りに作ってあり、それらも別のヒートトレース組立体502の上の設置に適合させてある。同様に、この上側リム714および下側リム716は、付加的熱絶縁をもたらし、審美性改善のためにこのコネクタ組立体504内の結合部への視線を減らす。
【0071】
これらのシェル部材702および704は、支持体726によって分離された空洞724を形成する外壁720および内壁722も含む。これらの空洞724は、外部環境への熱損失を減らすための付加的断熱をもたらし、およびこのシェルの外部を触っても安全な温度にもする。これらのシェル部材702および704は一般に、断熱、誘電分離、および触っても安全な温度の目的で種々の空洞を形成するために図示するように複数の外壁および内壁を含む。従って、図示するこれらの付加的壁および空洞は、明確さのために以下に詳しくは説明しない。
【0072】
その上、これらのシェル部材702および704は、図示するようにヒンジ要素730および、回り止め734と係合する柔軟なタブ732を含む。それで、この上部706および下部708は、このヒンジ要素730の回りに回転可能であり、およびこれらの外側リム710の端部に配置した柔軟なタブ732は、これらのシェル部706および708を一緒にロックするために他の外側リム712の端部に配置した回り止め734と係合する。これらの外側リム710および712は、ヒートトレース組立体502の外側に確実な係合力を与えるサイズになっているのが好ましい。
【0073】
更に示すように、これらのシェル部材704は、シェル部材702の内壁722を通して作ってある開口742と係合する柔軟なタブ740のような付加的保持機構を含む。従って、これらの柔軟なタブ740および開口742は、隣接するシェル部材702および704の間をより確実に結する。その上、これらのシェル部材702は、図示するようにシェル部材704の対応する外壁凹み748と係合する外壁延長部746を含む。従って、これらの外壁延長部746および対応する外壁凹み748は、熱的分離および審美性改善のための視線減少に加えて、組立のためのシェル部材702および704の整列の両方をもたらす。シェル部材702および704は、断熱性材料であるのが好ましくおよび熱可塑性重合体のような耐熱材料で成形してあるのが好ましい。しかし、他の材料および加工方法を本開示の範囲内に留まりながら使ってもよいことを理解すべきである。
【0074】
シェル700内部に配置してあるのは、図50ないし52に最も良く示す、管継手ヒータ組立体750を含む、このコネクタ組立体504の追加の部品である。この管継手ヒータ組立体750は、管継手アダプタ752、ヒートトレース部754、および好ましくは図示するように二体構成の外側ケーシング756を含む。この管継手アダプタ752は、この目標システム(図示せず)の隣接する管継手または部品に嵌るサイズの開口760を形成する。従って、ここに図示し且つ説明する開口760のサイズおよび形状は、例示に過ぎず、本開示の範囲を制限すると解釈すべきでないことを理解すべきである。
【0075】
この管継手アダプタ752は、溝764のある凹んだ外周762も形成し、その溝の両方は、図示するようにヒートトレース部754の形状寸法を収容する大きさである。この管継手アダプタ752は、アルミニウムのような伝導性材料であるのが好ましいが、しかし、本開示の範囲内に留まりながら他の材料も使ってよい。その代りに、この管継手アダプタ752は、この開口760の膨張に備えるため、従ってこの目標システムの隣接する管継手とより緊密な接触のためにスリット768(破線で示す)を含んでもよい。
【0076】
この外側ケーシング756は、図示するように対称形に、交換可能な部品で設けてあるのが好ましい。この外側ケーシング756は、間にコンジット774を形成する外壁770および内壁772を含む。このコンジット774は、ヒートトレース部754へ接続するためのリード線(図示せず)のための通路を提供する。この外側ケーシング756は、図49に示してある、シェル部材702および704のヒンジ要素730と協同するヒンジ要素776も含む。それで、これらのヒンジ要素776は、シェル部材ヒンジ要素730の穴731(図50)内に配置するのに適合するピン778を含むのが好ましい。その上、これらのコンジット774は、ヒートトレース部754に接続するリード線用の出口を提供するために図示するようにヒンジ要素776を貫通する。これらのヒンジ要素776は、図示するように延長部779の上に配置してあるのが好ましく、そうすればこの延長部779がリード線の歪み逃しとして機能する。
【0077】
この外側ケーシング756は、図示するようにそれらの外面782から伸びるスタンドオフ780も含むのが好ましい。これらのスタンドオフは、この管継手ヒータ組立体750を適正にシェル700内に心出し、または配置するように機能する。
【0078】
図53に示すような、この外側ケーシング756の代替形では、スナップ機構を使って二つの外側ケーシング756の各々を互いにしっかりと結合する。(明確さのために一つの外側ケーシング756だけを示す)。更に具体的には、このケーシング756がボス781から伸びる柔軟なラッチ780を含み、それらの両方がこの外側ケーシング756と一体に作ってあるのが好ましい。これらの柔軟なラッチ780は、図示するように比較的平坦な横面783を含む先細りの端部782を形成する。更に示すように、穴784が対向するボス785を通して作ってあり、それも外側ケーシング756と一体に作ってあるのが好ましい。座ぐり786(破線で示す)もこの対向するボス785に作ってあり、それが内部肩787(破線で示す)を形成する。この先細りの端部782が対向する外側ケーシング756(図示せず)の穴784と係合すると、これらの柔軟なラッチ780と先細りの端部782がこの穴784の全長を横断できるように、これらの柔軟なラッチ780が互いの方へ、内方に撓む。これらの先細りの端部782が座ぐり786に入ると、柔軟なラッチ780が外方に撓み戻って、横面783が内部肩787と係合し、外側ケーシング756を一緒に固定する。二つの外側ケーシング756を分離するためには、横面783が内部肩787を通過するまで柔軟なラッチ780を座ぐり786を通して内方に撓め、すると二つの外側ケーシング756を引離すことができる。この結合装置は例示に過ぎず、それで外側ケーシング756用に、本開示の範囲内に留まりながら、他の結合装置も使ってよいことを理解すべきである。
【0079】
次に図49ないし50および54ないし55を参照して、このコネクタ組立体504は、もしこの結合部が図示するようなエルボ構成かまたはT字形構成(図示せず)にあって、隣接するヒートトレース組立体502がこのコネクタ組立体504の片側に配置されていないならば、カバー800も備えてよいかも知れない。従って、このカバー800は、触っても安全な表面温度および審美性の向上ももたらしながら、管継手ヒータ組立体750と外部環境の間の付加的誘電分離をもたらす。図53および54に更にはっきり示すように、このカバー800は、断熱および絶縁層分離の目的で間に隙間806を形成する外壁802および内壁804を含む。このカバー800は、更に、このカバー800をコネクタ組立体504全体に固定するためにシェル部材702の外壁810の上に配置するために適合した柔軟なクリップ808を含む。
【0080】
ここに図示し且つ説明する例示コネクタ組立体504は、この目標システム内のエルボ型結合部用に構成してあること、並びにこのコネクタ組立体504およびその種々の部品の形状寸法および特徴は、この目標システム内に使う結合部に依って変ることを理解すべきである。例えば、もしこのコネクタ組立体504がT字形接合部若しくは交差型接合部、または、例としてポンプのような別部品の上にさえ設置するのに適合させてあるならば、これらのコネクタ組立体504部品の大きさおよび形状は、それに応じて調節されるだろう。従って、ここに図示し且つ説明したコネクタ組立体504の特定の設計は、本開示の範囲を限定すると解釈すべきでない。
【0081】
本開示の別の形で、このヒートトレース組立体502は、それらの境界面全体に亘って一定の温度を達成するためにこれらのコネクタ組立体504に“整合”させてある。更に具体的には、コネクタ組立体504対ヒートトレース組立体502にそれぞれ異なる出力密度を要するかも知れず、それで各々に異なる出力密度を予定する。
【0082】
更に別の形では、必要な出力を減らしおよびモジュール式ヒータシステム500部品の外面温度も下げるために、断熱ジャケット512の内面513および/またはシェル部材702および704に沿って反射表面被覆を設けてもよい。その様な反射表面被覆は、放射率が低いのが好ましく、それで、例えば、アルミ箔または、例えば、蒸着法によって付けたその他の低放射率材料を含んでもよい。同様に、高放射率材料を導管13と誘電または絶縁材料26の間、またはヒートトレース部510の半導性高分子材料24を囲むカバー、若しくは伝導性コアに付けてもよい(ヒートトレース部の基本構造およびその用語については図3および4参照)。それで、この高放射率材料がヒートトレース部510と導管13の間の熱伝達を改善するだろう。
【0083】
次に図56ないし58を参照すると、ヒートトレース組立体の別の形が示してあり、全体を参照数字820で指してある。このヒートトレース組立体820は、一般的に、明確さのために図示しない、先に説明したような終端部材およびコネクタ組立体と共に、断熱ジャケット824が囲むヒートトレース部822を含む。本開示のこの代替形では、スタンドオフ826が先に図示し且つ説明したようにヒートトレース部822の中ではなく断熱ジャケット824に組込んである。それで、これらのスタンドオフ826は、フィンの形であるのが好ましいが、本開示の範囲内に留まりながら、他の形状寸法および構成を使ってもよいことを理解すべきで、それらの例を以下に詳しく説明する。これらのスタンドオフ826、断熱ジャケット824の内面828から、このヒートトレース部822の半導性高分子コア832を囲む誘電体カバー830に隣接する位置へ伸び、それによってこの断熱ジャケット824とヒートトレース部822の間に通路827を作るのが好ましい。これらのスタンドオフ826の末端部834は、これらのスタンドオフ826がヒートトレース部822をこの断熱ジャケット824内に同心に位置付けるようにこのヒートトレース部822と物理的に接触しているのが好ましい。それで、これらスタンドオフ826の末端部834の位置および形状は、このヒートトレース部822の形状および/または大きさに適合していて、それはここに示す円形以外でもよい。
【0084】
スタンドオフ826に加えて、この断熱ジャケット824は、更に、外壁838と、支持体842によって分離された内壁840との間を縦に伸びる室836を含む。これらの支持体842は、図示するようにスタンドオフ826に結合して作ってあるが、これらの支持体842およびスタンドオフ826は、本開示の範囲内に留まりながら、断熱ジャケット824の周りの別々の位置にあってもよい。先に説明したように、これらの室836は、動作中のヒートトレース部822から外部環境への熱損失が減るように、図示するように空気の形で断熱する。その上、これらの室836および/またはヒートトレース部822と断熱ジャケット824の間、スタンドオフ826間のスペースを発泡材のような断熱材またはその代りに先に説明したような低放射率材料で埋めてもよい。
【0085】
この断熱ジャケット824は、ヒートトレース部822の周りに設置するために単一の、一体品であるが、柔軟なままであるように作ってあるのが好ましい。従って、この断熱ジャケット824は、リップ852およびロックタブ854に対向して作った縮減領域850を含む。この縮減領域850は、この断熱ジャケット824の圧壁部856を通して作り且つ外側凹み858、ウエブ部860、および内側凹み862を形成するのが好ましい。それでこの縮減領域850は、この断熱ジャケット824を第1セグメント864と第2セグメント866に分ける。この断熱ジャケット824は、先に示したポリカーボネートのような、半剛性高分子材料で作ってあるのが好ましく、それでこの縮減領域850,更に具体的に、ウエブ部860は、第1セグメント864および第2セグメント866がこの縮減領域850の周りに回転できるように“一体ヒンジ”を提供する。この第1セグメント864および第2セグメント866が互いの方へ回転すると、この断熱ジャケット824をヒートトレース部822に周りに固定するために、図示するようにロックタブ854がリップ852と係合する。その結果、この断熱ジャケット824を、先に図示し且つ説明したように複数品ではなく、単一の、一体品として都合よく設ける。更に、単一の縮減領域850ではなく、本開示の範囲内に留まりながら、複数の縮減領域850を断熱ジャケット824の周り使ってもよい。
【0086】
図59aおよび59bを参照すると、断熱スタンドオフの代替形が示してあり、全体を参照数字870で指してある。図示するように、これらの断熱スタンドオフ870は、断熱ジャケット824の周りに、先に図示し且つ説明したように縦ではなく円周方向に伸び、それで本開示の例示構造では“リング”の形を採る。これらのスタンドオフ870は、断熱ジャケット824の全長に亘って、例として、図29aに示すように連続で均等に離間してもよく、または図29bに示すように不連続で交互に離間してもよい。その上、これらのスタンドオフ870は、長さおよび幾何形状が異なってもよく、それでもここに示すように断熱ジャケット824の一部としてでなく、ヒートトレース部822(図示せず)の一部として作ってもよい。更に、円周スタンドオフ870を断熱ジャケット824(またはヒートトレース部822)の一部として作るのが好ましいが、これらのスタンドオフ870は、断熱ジャケット824またはヒートトレース部822に組付ける別の部品でもよい。例えば、図50cに示すように、断熱ジャケット824(またはヒートトレース部822)が別々のスタンドオフ870’を受ける複数のスロット872を含んでもよく、そうすればこれらのスタンドオフが交換可能で特定の用途の必要条件に従って数/間隔を変えることができる。それで、これらのスタンドオフ870’は、図示するようにスロット872に嵌る大きさでその中に固定される突起874を含む。するとこれらの突起874は、スロット872内に摺動可能に係合してスタンドオフ870’を所望の位置に固定する。
【0087】
図57に戻って参照すると、ヒートトレース部822は、電力を加えるためにヒートトレース部822の全長に亘って伸びる導体831の対と共に、半導性高分子コア832を囲む誘電体カバー830を含む。本開示の一つの形で、この誘電体カバー830(ここに図示し且つ説明するような、複数の幾何形状の)は、この半導性高分子コア832と同時押出し(一押出し行程か複数押出し行程で)であるのが好ましい。別の形では、誘電体カバー830を別に作って半導性高分子コア832の周りに摺動可能に係合させる。更に別の形では、誘電体カバー830を半導性高分子コア832上に滑らせる別部品ではなく、塗装、吹付け、浸せき塗装、テーピング、熱収縮、またはその他の類似の施用方法によって半導性高分子コア832に付ける。その上更に別の形では、誘電体カバー830をその代りに半導性高分子コア832の上に付けるのではなくまたはそれに加えて、これらの手段によって実際の導管13(例えば、図5ないし8参照)に付けることができる。比較的低温で、従って断熱が必要ない用途に対しては、半導性高分子コア832と導体831だけがヒートトレース部822を形成するように、誘電体カバー830をヒートトレース部822から完全に除去することができる。従って、ある用途ではヒートトレース部822を何も誘電体カバー830なしに作ってもよい。その様な変形が本開示の範囲内にあることを理解すべきである。
【0088】
次に図60および61を参照すると、ヒートトレース組立体の別の形が示してあり、全体を参照数字880で指してある。このヒートトレース組立体880は、導管13の周りに配置するために適合させたキャリヤ882、およびこのキャリヤ882に固定したヒートトレース部884を含む。この実施例では、このヒートトレース部884を先に図示し且つ説明したように導管13の形状に作るのではなく、標準/従来のヒートトレース部884を使うことができる。従って、このキャリヤ882は、図示するように導管13の周囲の少なくとも半分の周りに伸びる延長部887と共に、導管13と相補の形状を形成する内部面886を含む。このキャリヤ882は、更にこのヒートトレース部884を受けるための大きさの凹んだ上面888を含む。そこでこのヒートトレース部884を多種多様な手段のどれかでこの凹んだ上面888内に固定する。例えば、このヒートトレース部884を凹んだ上面888に圧入またはパチンと嵌めてもよく、キャリヤ882は、このヒートトレース部884を固定するための機構を含んでもよく、このヒートトレース部884をキャリヤ882に固定するために追加の部品(例えば、保持クリップ)を使ってもよく、または他の締結または固定手段の中で接着剤を使ってこのヒートトレース部884をキャリヤ882内に固定してもよい。このキャリヤ882は、ヒートトレース部884から発生した熱を効率的に導管13に伝えられるように、アルミニウム、真鍮、銅、または伝導性高分子材料のような材料で作ってあるのが好ましい。先にここに図示し且つ説明したような断熱ジャケットを、この実施例ではっきり図示し且つ説明しないが、本開示の範囲内に留まりながらそれもこのヒートトレース組立体880に使ってもよいことを理解すべきである。
【0089】
図62aおよび62bを参照すると、キャリヤの代替形が示してあり、それぞれ、全体を参照数字882aおよび882bで指してある。図62aに示すように、このキャリヤ882aは、対応する湾曲したヒートトレース部884aを収容するための湾曲した幾何形態を成す凹んだ上面888aを形成する。それでこの湾曲した幾何形態は、ヒートトレース部884aが一般的に下にある導管13の輪郭に従うので、このヒートトレース部884aから導管13への熱伝達の向上をもたらす。図62bに示すように、キャリヤ882bは、多角の凹んだ上面888bを形成し、それは図示するように湾曲していても、または比較的真っ直ぐでもまたは先に図60および61に示したように平坦でもよい。それで、このキャリヤ882bは、導管13が比較的大型で、この導管13を十分に囲むためには多数のヒートトレース部884bを要する用途に使うのが好ましい。
【0090】
一つの形で、このキャリヤ882は、アルミニウム押出し品であるのが好ましいが、本開示の範囲内に留まりながら、熱をこのヒートトレース部884から導管13へ十分に伝える他の材料も使ってよい。例えば、このキャリヤ882は、その代りの高分子材料でもよい。その上、本開示の範囲内に留まりながら、押出し以外の代替製造法、例えば、機械加工も使ってよい。
【0091】
次に図63ないし65を参照すると、代替末端終結装置を有するヒートトレース部の形が示してあり且つ全体を参照数字900で指してある。このヒートトレース部900は、裸端部902を含み、そこでは導体908の対および誘電体カバー904の内壁912を図示のように露出するように、誘電体カバー904の一部および伝導性コア906が奥へ剥がしてある。終結部材910内部の電気接続部への視線をなくすることに加えて、ヒートトレース部900の内壁912がこの終結部材910内に収容した部品(例えば、リード線914、伝導性コア906、および樽形クリンプ接続部916)、と導管13の間に付加的誘電分離をもたらすように、次にこの末端終結装置900を図示するようにヒートトレース部900の上へ滑り込ませる。この終結部材910は、図示するような形態も含み、ヒートトレース部900の外面をその様な形態で覆いまたは重なって先に説明したように誘電分離をもたらし且つ視線を減らすようにする。その上、先に図示し且つ説明した末端キャップ同様に、末端キャップ918を図示するように終結部材910に固定する。
【0092】
図66ないし69に示す別の末端終結装置の実施例には、代替末端終結装置を有するヒートトレース部が示してあり且つ全体を参照数字920で指してある。このヒートトレース部920は、裸端部922を含み、そこでは導体928の対だけがこのヒートトレース部920の裸端部922から伸びるように、誘電体カバー924の一部および伝導性コア926が奥へ剥がしてある。更に示すように、末端シールド932がこのヒートトレース部920の裸端部922の上に置いてあり、そこでは導体928の対がこの末端シールド932のガイド934を貫通する。一般的に、この末端シールド932は、付加的誘電分離をもたらし且つ導管13への視線を減らすために使用する。次にこの終結部材936を末端シールド932に固定して先に説明したようにリード線および電気接続部を収容する。その上、先に図示し且つ説明した末端キャップ同様、末端キャップ938を図示するように終結部材936に固定する。
【0093】
次に図70を参照すると、ヒートトレース組立体の代替形が示してあり且つ全体を参照数字940で指してある。このヒートトレース組立体940は、先に説明した構成同様に、伝導性コア942およびその中に配置した1対の導体944を含むが、図示するようにこの伝導性コア942の周りに誘電体カバーが使ってある。この実施例では、この複合誘電体カバーが内カバー943および外カバー946を含み、その各々が、それぞれ、湾曲した端部948および950を含む。これらの湾曲した端部948および950は、この複合誘電体カバーを伝導性コア942に固定するために、図示するように互いに重なって導体944の周りに伸びる。この内カバー943と外カバー946の両方は、伝導性コア942およびその導体944と別々に作ってあるのが好ましく、それで同時押出しではない。これらの湾曲した端部948および950ではなく、これらのカバーをヒートシール、溶接、接着、または多くの他の既知の方法によって互いに固着してもよい。例えば、図71に示すように、内カバー943’がスタンドオフ945を含み、外カバー946’をこれらの方法の何れかによって境界面954に沿ってこれらのスタンドオフ945に固定する。
【0094】
図72に示すように、断熱ジャケットに関して先に示したような“一体ヒンジ”を含むヒートトレース部を図示し且つ全体を参照数字960によって指す。このヒートトレース部960は、図示するような縮減領域962を含み、それは、外側凹み、ウエブ部966、および内側凹み968を含む。それでこの縮減領域962は、このヒートトレース部960を第1セグメント970と第2セグメント972に分ける。従って、この縮減領域962、更に具体的にはウエブ部966は、第1セグメント97−および第2セグメント972がこの縮減領域962の周りに回転できるように“一体ヒンジ”をもたらす。その結果、この代替形のヒートトレース部960を導管(図示せず)上により容易に設置できる。その上、本開示の範囲内に留まりながら、この単一縮減領域962ではなく多重縮減領域962をこのヒートトレース部960の周りに使ってもよいことを理解すべきである。
【0095】
次に図73および74を参照すると、管継手アダプタの代替形(先に図50ないし52に参照数字52として代替形で図示し且つ説明した)が示してあり且つ全体を参照数字980で指してある。この管継手アダプタ980は、先に図示し且つ説明したようにヒートトレース部754(図示せず)を収容するための凹んだ外周984と共に、図示するように隣接する管継手983に嵌る大きさの開口982を含む。この管継手アダプタ980は、この隣接する管継手983に固定した導管(図示せず)の一部に沿って伸びる、延長部986および988を含む。その代りに、これらの延長部986および988を、比較的短く従ってこの先に図示し且つ説明したようにヒートトレース組立体を付けるのが幾らか困難かも知れない導管の全部分に沿って配置する。それで、この管継手アダプタ980のこれら延長部986および988は、熱を、この凹んだ外周984内に配置したヒートトレース部754(図示せず)から導管の下にある部分へ分配できる。従って、この熱分配延長部986および988を使うことによって導管のある部分には別の発熱素子(即ち、ヒートトレース組立体)が必要ない。二つ以外の延長部986および988を使ってもよいことおよびこれら延長部986および988は、本開示の範囲内に留まりながら長さおよび幾何形状が違ってもよいことを理解すべきである。
【0096】
更に図示するように、個の管継手アダプタ980は、先に図示し且つ説明したようなヒートトレース組立体の隣接する部分を収容するようになっている、内部溝990を含む。その上、この開口982の形状は、そこに挿入する隣接管継手の形状に従って変り、それでここに図示し且つ説明した角胴形は、本開示の範囲を限定すると解釈すべきでないことを理解すべきである。
【0097】
図75および76を参照すると、断熱ジャケットの更に別の形が示してあり且つ全体を参照数字1000で指してある。図示するように、この断熱ジャケット1000は、第1セクション1002およびこの第1セクション1002に対向して配置した第2セクション1004を含み、それらはヒンジ1020によって互いに結合してある。このヒンジ1020は、この第1セクション1002および第2セクション1004と同時押出しであるのが好ましく、それでこの断熱ジャケット1000用に単一の一体の本体を作る。このヒンジ1020は、第1および第2セクション1002および1004の外面、それぞれ、1022および1024と面一であり、且つ図示するように第1および第2延長部1030および1032上に載っているのが好ましい。従って、このヒンジ1020は、この第1および第2セクション、それぞれ、1002および1004が着脱のために互いに対して回転できるように柔軟な材料で作ってある。
【0098】
更に図示するように、この第1セクション1002は、凹み1008を形成する開放端部1006を含み、および第2セクション1004は、図示するようにこの第1セクション1002の凹み1008と係合する、移動止め1010を含む。この移動止め1010は、凹み1008と係合して第1セクション1002を第2セクション1004に固定し、従ってこの断熱ジャケット1000を着脱のために容易に係合・離脱できる結合部によってこのヒートトレース部(図示せず)の周りに固定する。
【0099】
本開示の他の形では、種々の“表示”手段を意図し、そこではこのヒータシステムの状態または状況を表示し、外部環境から監視できる。例えば、発光ダイオード(LED)を戦略的位置にこのヒートトレース組立体に沿って置いてこのシステムが稼働中かどうかを表示してもよい。このLEDは、このヒートトレース組立体の個々の部分内にまたはその代りにこのシステム内の種々の電気接続部に置いてもよい。別の例として、ある場所でのこのシステムの温度を表示するために、サーモクロミックコーティングをこのシステムの外面に沿うどこか、例えば、ヒートトレース組立体、コネクタ組立体に付けてもよい。その代りに、サーモクロミック添加剤を、例として、この断熱ジャケット内に使うためのある樹脂システム内に使用してもよい。その上、温度制御のために温度センサを使うと共に、所望の位置での温度表示のためにこのシステム内の個別温度センサを使ってもよい。これら種々の“表示”手段は、本開示の範囲内であると意図することを理解すべきである。
【0100】
この開示の説明は、性質が単に例示に過ぎず、それでこの開示の要旨から逸脱しない変形は、この開示の範囲内にあることを意図する。例えば、これらのヒートトレース部に使う伝導性高分子材料は、温度を自己調整するために半伝導性材料であっても、または温度をこの材料によってではなく制御システムによって調整するように非半伝導性材料でもよい。その上、この断熱ジャケットは、この断熱ジャケットを外部環境からの損傷から保護するために、任意の形状または構成の外部シェル、例えば、剛性プラスチックを付けてもよい。その様な変形は、この開示の精神および範囲からの逸脱とは見做さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートトレース組立体であって:
ヒートトレース部;
このヒートトレース部を囲む断熱ジャケット;
このヒートトレース部と断熱ジャケットの間に配置してある複数のスタンドオフ;並びに
このヒートトレース部と断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に作ってある、対応する複数の通路を含む組立体。
【請求項2】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットと一体に作ってある組立体。
【請求項3】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部と一体に作ってある組立体。
【請求項4】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットに組付けてある別々の部品である組立体。
【請求項5】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部に組付けてある別々の部品である組立体。
【請求項6】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフがフィンである組立体。
【請求項7】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットの一部であって末端部を形成し、および上記ヒートトレース部を上記断熱ジャケット内に同心に配置するためにこの末端部が上記ヒートトレース部と物理的に接触する組立体。
【請求項8】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記複数の通路が断熱材料と低放射率材料から成るグループから選択した材料で埋めてある組立体。
【請求項9】
請求項1によるヒートトレース組立体に於いて、上記断熱ジャケットが更に、上記断熱ジャケットの外壁と内壁の間を縦に伸びる複数の室を含む組立体。
【請求項10】
請求項9によるヒートトレース組立体に於いて、上記複数の室が断熱材料と低放射率材料から成るグループから選択した材料で埋めてある組立体。
【請求項11】
加熱システムに使うための断熱ジャケットであって、この断熱ジャケットがこの断熱ジャケットの内面からヒータの方へ内方に伸びる複数のスタンドオフを含み、そこでこのヒータと断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に複数の通路が作ってあるジャケット。
【請求項12】
請求項11による断熱ジャケットに於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットと一体に作ってあるジャケット。
【請求項13】
請求項11による断熱ジャケットに於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットに組付けてある別々の部品であるジャケット。
【請求項14】
請求項11による断熱ジャケットであって、更に複数のセグメントおよびこれらのセグメントの間に配置してある少なくとも一つの縮減領域を含み、そこでこの縮減領域がこれらのセグメントをこの縮減領域の周りに回転可能にするジャケット。
【請求項15】
請求項14による断熱ジャケットに於いて、上記セグメントおよび縮減領域は、上記断熱ジャケットが単一の、一体品であるように、上記断熱ジャケットと一体に作ってあるジャケット。
【請求項16】
請求項11による断熱ジャケットに於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットの全長に亘って縦に伸びるジャケット。
【請求項17】
請求項11による断熱ジャケットに於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットの周りに円周方向に伸びるジャケット。
【請求項18】
請求項11による断熱ジャケットに於いて、上記スタンドオフが上記断熱ジャケットの全長に亘って不連続であるジャケット。
【請求項19】
加熱システムに使うためのヒートトレース部であって、このヒートトレース部がこのヒートトレース部の内面から断熱ジャケットの方へ外方に伸びる複数のスタンドオフを含み、そこでこのヒートトレース部と断熱ジャケットの間およびこれらの複数のスタンドオフの間に複数の通路が作ってあるヒートトレース部。
【請求項20】
請求項19によるヒートトレース部に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部と一体に作ってあるヒートトレース部。
【請求項21】
請求項19によるヒートトレース部に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部に組付けてある別々の部品であるヒートトレース部。
【請求項22】
請求項19によるヒートトレース部であって、更に複数のセグメントおよびこれらのセグメントの間に配置してある少なくとも一つの縮減領域を含み、そこでこの縮減領域がこれらのセグメントをこの縮減領域の周りに回転可能にするヒートトレース部。
【請求項23】
請求項22によるヒートトレース部に於いて、上記セグメントおよび縮減領域は、上記ヒートトレース部が単一の、一体品であるように、上記ヒートトレース部と一体に作ってあるヒートトレース部。
【請求項24】
請求項19によるヒートトレース部に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部の全長に亘って縦に伸びるヒートトレース部。
【請求項25】
請求項19によるヒートトレース部に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部の周りに円周方向に伸びるヒートトレース部。
【請求項26】
請求項19によるヒートトレース部に於いて、上記スタンドオフが上記ヒートトレース部の全長に亘って不連続であるヒートトレース部。
【請求項27】
請求項11によるヒートトレース部に於いて、上記ヒートトレース部が半導性高分子コアを囲む誘電体カバーを含み、そこでこの誘電体カバーが複数品を含むヒートトレース部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59a】
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【図59b】
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【図59c】
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【図60】
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【図61】
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【図62a】
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【図62b】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【公表番号】特表2010−503966(P2010−503966A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528451(P2009−528451)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078278
【国際公開番号】WO2008/033927
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(500157653)ワトロウ エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー (25)
【Fターム(参考)】