説明

モニタ装置及びそれを備えたコンピュータ装置

【課題】コンピュータ装置用のモニタ装置において、ユーザが手持ちの携帯型デジタルカメラを容易に装着することができるようにする。
【解決手段】フレーム7の上端部に、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用のねじと同等の径とピッチを有する雄ねじ9が上方に突設される。雄ねじ9は、通常、格納穴10に格納されており、デジタルカメラ50を装着する際に、回動軸11を中心として回動され、先端部がフレーム7から上方に突出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示するモニタ装置、特にパーソナルコンピュータの画像表示装置として用いられるモニタ装置及びそれを備えたコンピュータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からパーソナルコンピュータのモニタ装置においては、ユーザを撮影するためのカメラを装着可能とするために、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、液晶表示装置の上部に小型カメラ等の付属部品を装着するためのプラグを備えたノート型コンピュータが示されている。また、特許文献2には、液晶表示装置の周縁部に小型カメラ等を装着するための溝を備えたノート型コンピュータが示されている。また、特許文献3には、撮像素子を備え、液晶表示装置の上部等に装着可能なデータ記録装置が示されている。
【特許文献1】実用新案登録3048543号公報
【特許文献2】特開平10−191137号公報
【特許文献3】実用新案登録3131267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上述したいずれの技術においても、高価な専用の小型カメラが必要となり、一般に普及するには至っていない。その一方で、上記特許文献に示された小型カメラよりも高機能で高画質な写真を撮影できる携帯型のデジタルカメラは、小型軽量化が進展するともに、多様な商品が市場に広く普及している。
【0004】
本発明は、ユーザが手持ちの携帯型デジタルカメラを容易に装着することができるコンピュータ装置用のモニタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、
コンピュータ装置から出力された画像信号に応じて画像を表示する画像表示手段と、この画像表示手段の周縁部を被うフレームと、前記画像表示手段の背面を被う背面カバーを備えたモニタ装置において、
前記フレームの上端縁には、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用の雄ねじと同等の径とピッチを有する雄ねじが上方に突設されているものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のモニタ装置において、
前記フレームは、前記雄ねじを格納するための格納穴を有し、
前記雄ねじは、その径方向に配設された回動軸を介して、前記フレームに対して回動自在に装着され、前記格納穴から出没自在であるものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載のモニタ装置と、外部に接続された機器との間で画像信号及び音声信号を送受信する通信手段を備えたコンピュータ装置であって、
前記雄ねじを介して装着されたデジタルカメラと相互に接続され、画像信号を受信するための接続端子を備え、
前記デジタルカメラによって撮影され、前記デジタルカメラ内で圧縮処理された画像信号を前記接続端子を介して受信し、その画像信号を前記通信手段を介して送信するものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、フレームの上端縁には、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用のねじと同等の径とピッチを有する雄ねじが上方に突設されているので、市場に広く普及している多様なデジタルカメラのうち、三脚袈に装着可能な雌ねじが形成されている略全てのデジタルカメラを容易に装着することが可能になる。従って、ユーザが手持ちの携帯型デジタルカメラのうち、三脚袈に対応する高機能な機種に関しては、フレームの上端に装着することができる。これにより、従来は必要とされていた高価な専用の小型カメラが不要となり、ユーザは、より手軽にチャット等のコミニュケーションを楽しむことができるようになる。また、上述した専用の小型カメラよりも解像度の高い高画質な画像を撮影することができるので、ユーザの満足度も高まる。
【0009】
請求項2の発明によれば、フレームの上端部にデジタルカメラを装着しない場合には、フレームに設けられている格納穴に雄ねじを格納することができるので、モニタ装置を持ち運ぶ際に、雄ねじが邪魔にならない。また、デジタルカメラを装着する場合には、雄ねじを回動軸の周りに回動させることにより、その先端部をフレームから突出させることができるので、容易かつ短時間にカメラを装着することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、デジタルカメラによって撮影された画像の信号は、デジタルカメラ内で圧縮処理され、接続端子を介してコンピュータ装置が受信するので、コンピュータ装置の制御部は、画像信号の圧縮処理から解放されることとなる。その結果、コンピュータ装置の制御部は、他の処理、例えば、インターネットのウェブブラウジングに必要な処理を迅速に行うことが可能となり、ユーザの利便性が高められる。また、コンピュータ装置の制御部として処理能力の高い素子を用いる必要がなくなり、装置のコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態によるモニタ装置を備えたノート型コンピュータ装置について図面を参照して説明する。図1はモニタ装置の上端部にデジタルカメラが装着されたノート型コンピュータ装置を示している。コンピュータ装置1は、画像を表示するモニタ装置2と、ユーザが各種の指令等を入力するキーボード3と、周辺機器と相互に接続するためのUSB端子4と、外部に接続された機器との間で画像信号及び音声信号を送受信する通信装置(通信手段)5と、各種の電子情報を処理するCPU等によって構成される制御部(図示せず)等を備えている。
【0012】
モニタ装置2は、制御部から出力された画像信号に応じて画像を表示する液晶表示パネル(画像表示手段)6と、液晶表示パネル6の周縁部を被うフレーム7と、液晶表示パネル6の背面を被う背面カバー8等を有している。フレーム7の上端縁には、市販のデジタルカメラ50が装着可能とされている。コンピュータ装置1とデジタルカメラ50とは、USBケーブル60にて相互に接続される。USBケーブル60の一端側の端子61はコンピュータ装置1のUSB端子4に接続され、他端側の端子はデジタルカメラ50のUSB端子に接続されることにより、コンピュータ装置1とデジタルカメラ50との間で相互に画像信号等の電気信号が送受信可能とされる。
【0013】
デジタルカメラ50が撮影した画像の信号は、USBケーブル60を介してコンピュータ装置1に送信される。このとき、通常のデジタルカメラ50は、画像信号を圧縮処理するための画像処理回路を有しているので、この画像処理回路によって圧縮処理された画像信号がコンピュータ装置1に送信される。従って、画像信号の送信に必要とされる時間は、比較的短いものとなる。
【0014】
図2は、モニタ装置2のフレーム7の上端縁にデジタルカメラ50を装着するための構造を示している。フレーム7の上端縁には、雄ねじ9が上方に突設されている。この雄ねじ9は、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用の雄ねじと同等の径とピッチを有している。通常、三脚袈に用いられているカメラ固定用の雄ねじは、規格により径とピッチが定められている。従って、この規格に基づいて雄ねじ9を構成することにより、これに対応する雌ねじが埋め込まれているデジタルカメラは、雄ねじ9を介してフレーム7の上端縁に装着することができる。
【0015】
雄ねじ9は、その先端部がフレーム7の上端縁から上方に突出するように、基端部がフレーム7に埋め込まれている。フレーム7の上端縁には、雄ねじ9を格納するための格納穴10が形成されている。雄ねじ9の基端部には、雄ねじ9の径方向に回動軸11が形成されている。回動軸11は、液晶表示パネル6の厚み方向に平行に配設され、その両端がたフレーム7と背面カバー8に形成されている挿入穴(図示せず)に挿入されて回動自在に支持されている。従って、雄ねじ9は回動軸11を中心として回動自在に支持されており、必要に応じて先端部をフレーム7の上端縁から出没させることができる。なお、本実施形態においては、回動軸11が雄ねじ9に設けられているが、フレーム7と背面カバー8に回動軸が設けられていてもよい。この場合は、回動軸が挿入される穴は、雄ねじ9に形成されることになる。
【0016】
図3乃至図5は、モニタ装置2のフレーム7の上端縁にデジタルカメラ50を装着する手順を示している。当初、図3に示すように、雄ねじ9は、格納穴10に格納されている。まず、雄ねじ9の先端部が矢印方向に起立されて、フレーム7から上方に突出する。その後、図4に示すように、デジタルカメラ50が雄ねじ9の先端部に対応するように配置される。すなわち、デジタルカメラ50の底面に埋め込まれている雌ねじに、雄ねじ9の先端が当接される。そして、図5に示すように、デジタルカメラ50の姿勢を水平に保ったまま、デジタルカメラ50が右ねじの方向に回転されると、デジタルカメラ50の底面に埋め込まれている雌ねじが雄ねじ9に螺合され、最終的には図1に示すように、デジタルカメラ50がモニタ装置2のフレーム7の上端縁に装着される。この状態においては、モニタ装置2がデジタルカメラ50の三脚袈をも兼ねることとなり、デジタルカメラ50がユーザの顔の正面で固定されることとなる。
【0017】
以上のように、本実施形態のコンピュータ装置1によれば、フレーム7の上端縁には、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用のねじと同等の径とピッチを有する雄ねじ9が上方に突設されているので、市場に広く普及している多様なデジタルカメラのうち、三脚袈に装着可能な雌ねじが形成されている略全てのデジタルカメラを容易に装着することが可能になる。従って、ユーザが手持ちの携帯型デジタルカメラのうち、三脚袈に対応する高機能な機種に関しては、フレーム7の上端に装着することができる。これにより、従来は必要とされていた高価な専用の小型カメラが不要となり、ユーザは、より手軽にチャット等のコミニュケーションを楽しむことができるようになる。また、上述した専用の小型カメラよりも解像度の高い高画質な画像を撮影することができるので、ユーザの満足度も高まる。
【0018】
また、フレーム7の上端部にデジタルカメラ50を装着しない場合には、フレーム7に設けられている格納穴10に雄ねじ9を格納することができるので、モニタ装置2を折りたたんでコンピュータ装置1を持ち運ぶ際においても、雄ねじ9が邪魔にならない。また、デジタルカメラ50を装着する場合には、雄ねじ9を回動軸11の周りに回動させることにより、その先端部をフレーム7から突出させることができるので、容易かつ短時間にデジタルカメラ50を装着することができる。また、デジタルカメラ50によって撮影された画像の信号は、デジタルカメラ50の内部で圧縮処理され、USBケーブル60及び接続端子4を介してコンピュータ装置1が受信するので、コンピュータ装置1の制御部は、画像信号の圧縮処理から解放されることとなる。その結果、コンピュータ装置1の制御部は、他の処理、例えば、インターネットのウェブブラウジングに必要な処理を迅速に行うことが可能となり、ユーザの利便性が高められる。また、コンピュータ装置1の制御部として処理能力の高い素子を用いる必要がなくなり、装置のコストダウンを図ることができる。
【0019】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくともフレーム7の上端部に、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用のねじと同等の径とピッチを有する雄ねじ9が上方に突設されていればよい。また、本発明は種々の変形が可能であり、例えば、コンピュータ装置1は、ノート型の形態に限られることなく、モニタ装置とコンピュータ本体部とが分離した、いわゆるデスクトップ型のコンピュータ装置にも広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるコンピュータ装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】モニタ装置のフレームの上端縁にデジタルカメラを装着するための構造を示す正面図。
【図3】デジタルカメラを装着する手順を示す斜視図。
【図4】図3に続き、デジタルカメラを装着する手順を示す斜視図。
【図5】図4に続き、デジタルカメラを装着する手順を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
1 コンピュータ装置
2 モニタ装置
5 通信装置(通信手段)
6 液晶表示パネル(画像表示手段)
7 フレーム
8 背面カバー
9 雄ねじ
10 格納穴
11 回動軸
50 デジタルカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置から出力された画像信号に応じて画像を表示する画像表示手段と、この画像表示手段の周縁部を被うフレームと、前記画像表示手段の背面を被う背面カバーを備えたモニタ装置において、
前記フレームの上端縁には、デジタルカメラ用の三脚袈に用いられているカメラ固定用の雄ねじと同等の径とピッチを有する雄ねじが上方に突設されていることを特徴とするモニタ装置。
【請求項2】
前記フレームは、前記雄ねじを格納するための格納穴を有し、
前記雄ねじは、その径方向に配設された回動軸を介して、前記フレームに対して回動自在に装着され、前記格納穴から出没自在であることを特徴とする請求項1に記載のモニタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のモニタ装置と、外部に接続された機器との間で画像信号及び音声信号を送受信する通信手段を備えたコンピュータ装置であって、
前記雄ねじを介して装着されたデジタルカメラと相互に接続され、画像信号を受信するための接続端子を備え、
前記デジタルカメラによって撮影され、前記デジタルカメラ内で圧縮処理された画像信号を前記接続端子を介して受信し、その画像信号を前記通信手段を介して送信することを特徴とするコンピュータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−69279(P2009−69279A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235381(P2007−235381)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】