説明

モバイルサービスを得るための通信施設間のデータ管理デバイスおよび方法

【課題】通信モジュール(1)を備えた少なくとも1つのユーザモバイルステーション(MS)と、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末(3)と、通信モジュール(9)を備えて前記サービスを提供可能な複数のモバイルサービス手段(8)との間でデータの管理専用を行うデバイスに関する。
【解決手段】デバイスは、i)前記ユーザモバイルステーション(MS)内に組み込まれるように意図され、ユーザの指示によって、前記モバイルステーション(MS)に近接して組み込まれるとともに前記サービスに関連する端末(3)で選択されたサービスを得るための要求を定義するデータを含む第1の要求を生成可能な第1の制御手段(2)と、ii)第1の要求を受信するとすぐに、前記端末(3)で選択したサービスを提供するための要求を定義するデータを含む第2の要求を生成可能な第2の制御手段(7)と、iii)前記複数よりなる前記モバイルサービス手段(8)のそれぞれの中に組み込まれるとともに、関連する通信モジュール(9)によって第2の要求を受信するとすぐに、前記モバイルステーション(MS)のユーザによって要求された前記サービスを提供するように、関連するモバイルサービス手段(8)に前記端末(3)で停止するように指示可能である第3の制御手段(10)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信施設の分野に関し、より詳細には、サービスを得るためにモバイルユーザステーション(携帯電話利用者局)と他のタイプの固定装置またはモバイル装置(携帯装置)との間で交換されるデータの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、表現「サービスを得る」とは、情報またはデータを得ること、または、車両による購入、荷物引き受け(booking)、配送、またはピックアップのような手順を開始または実行することを意味する。
【0003】
モバイル通信ネットワーク、特にGSM/GPRRネットワークおよびUMTSネットワークの出現によって、多数の人々は、携帯電話またはパーソナルデジタルアシスタント(すなわちPDA)のようなモバイルステーションと、サーバ、モバイルステーション、またはコンピュータのような遠くの通信装置との間で通信を行うことにより遠くでサービスを得ることできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モバイルステーションを有する個人(すなわちユーザ)が自己の望むサービスを得ることができない状況が多くある。特に、これは、公共輸送の分野と、ある混雑している公共場所または私的場所でのデータまたは情報の提供との場合である。たとえば、バス停に進んでいる狭い移動度の人は、ピックアップされたいバス停に到着したことを次のバスに知らせることができない。このような状況は、目の一部不自由な人または難聴の人の場合には一層フラストレーションがたまる。すなわち、前者ではバスを見ること、または到着するのを聞いたバスの路線番号を読むことができない点、および、後者ではバスが到着するのを聞くことができない点でフラストレーションがたまる。さらに、空港、鉄道駅、またはショッピングセンターなどのようなある種の公共場所または私的場所において、道案内または情報の提供に責任ある要員が離れた案内所を見つけるのが一般的である。
【0005】
従って、本発明の目的は、上述の不具合の幾つかを克服できる解決策を提案することによって上述の状況を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、通信モジュールを備えるユーザモバイルステーションと、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末と、通信モジュールを備え前記サービスを保証するために適する複数のモバイルサービス手段との間でのデータを管理する方法を提供する。
【0007】
この方法は、ユーザモバイルステーションの助けを借りて、(たとえば、バスを停車することのような)選択されたサービスを、モバイルステーションに近接して設置され且つその要求されたサービスに関連する(たとえば、バス待合所の形態またはその一部として配置される)端末で得るための要求を定義するデータを含む第1の要求が生成される第1の段階と、
第1の要求を受信した後に、モバイルステーション近くの端末で選択されたサービスを保証するための要求を定義するデータを含む第2の要求が生成される第2の段階と、
第2の要求が指定された端末に最も近いモバイルサービス手段で受信され、それによってこの端末で停車し、第1の要求を送信したモバイルステーションのユーザによって要求されたサービスを提供する第3の段階とを含むことを特徴とする。
【0008】
勿論、モバイルサービス手段が、既にその指定された端末に停車している場合、要求されたサービスを直ちに提供可能である。
【0009】
第1の実施の形態において、第1の段階で、第1の要求が端末で受信され、且つ第2の要求がこの端末で生成される。この場合、第1の要求の受信は、それを生成したモバイルステーションがその端末の「第2の」送受信可能範囲帯内に位置している時に、起こることが好ましい。たとえば、(第1および第2の段階中の)第1の要求の生成と受信とは、当業者によって「空間情報システム」と呼ばれるものの中にメッセージの臨機応変の交換によって達成可能である。次に、第1の要求は、ユーザによって選択されたサービスを表す第1の空間値を定義するデータを含む。
【0010】
さらに、この第1の実施の形態において、(たとえば輸送車両)モバイルサービス手段は、指定された端末がその第3の送受信可能範囲帯内に位置している時に、(第3の段階中に)第2の要求を受信することが好ましい。ここで再び、(第2および第3の段階中の)第2の要求の生成と受信とは、また、空間情報システムの一部としてメッセージの臨機応変の交換によって起こり得る。次に、第2の要求は、ユーザによって選択されたサービスを表す第2の空間値を定義するデータを含む。
【0011】
第2の実施の形態において、第2の段階中に、第1の要求が管理サーバで受信され、次に、(第1の要求を送信した)ユーザモバイルステーションに近接する端末の位置が、この端末に最も近接し且つ第1の要求に定義されたサービスを提供することができるモバイルサービス手段と共に決定され、最後に、第2の要求が、サーバを介してこのモバイルサービス手段に送られる。
【0012】
この場合、(第2の段階で)最も近いモバイルの位置を決定することは、全てのモバイルサービス手段にそれぞれの位置を問い合わせるこれらのモバイルサービス手段に対する補助要求を送ることと、次に、異なるモバイルサービス手段からの応答を受信して、これらの応答から、その端末に最も近接して位置され且つ第1の要求に定義されるサービスを提供出できるモバイルサービス手段が何れであるかを識別することとを含むことができる。変形例として、(第2の段階における)最も近いモバイルサービス手段の位置は、第1の要求で定義されるサービスを提供できる異なるモバイルサービス手段のそれぞれの位置とその端末の位置と比較することによって決定される。何れの場合においても、第1の要求が、ユーザのモバイルステーションの位置を含み且つその端末の位置は、モバイルステーションの位置から推定されるか、または第1の要求が、少なくとも端末の位置を表す識別子を含み且つ少なくともその端末の位置が、受信された識別子から推定される。
【0013】
さらに、第1の要求を受信した後、情報、たとえば、最も近いモバイルサービス手段がその端末に到達するのに要する時間、または通知情報、またはインターネットを介してアクセス可能な情報サイトの少なくとも1つのアドレスを定義する情報データがモバイルステーションに送られることが想定され得る。
【0014】
このような方法は、特に公共輸送の分野、さらには、殊に、一方ではモバイルサービス手段がバスまたはコーチ(長距離バス)のような公共輸送車両である場合と、他方では端末がバス停(またはバス待合所)の全て又は一部を構成する場合とに、特に有用な用途がある。
【0015】
また、本発明は、通信モジュールを備える少なくとも1つのユーザモバイルステーションと、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末と、通信モジュールを備え且つそのサービスを保証するに適する複数のモバイルサービス手段との間でのデータを管理するためのデバイスに関する。
【0016】
このデバイスは、第1の部分で、ユーザのモバイルステーションに組み込まれ、且つユーザの命令で選択されたサービスをモバイルステーションに近接して設けられ且つその選択されたサービスに関連する端末で得るために要求を定義するデータを含む第1の要求を生成可能であるように意図された第1の制御手段と、第2の部分で、第1の要求を受信すると、選択されたサービスとその端末で提供するための要求を定義するデータを含む第2の要求を生成可能である第2の制御手段と、第3の部分で、モバイルサービス手段の各々に組み込まれ且つ対応する通信モバイルから第2の要求を受信すると、モバイルステーションのユーザによって要求されたサービスを保証するように指定された端末で対応するモバイルサービス手段の停止を命令できる第3の制御手段とを含むことを特徴とする。
【0017】
勿論、その方法を参照して先に指摘されたように、モバイルサービス手段が、指定された端末に既に停止している場合、モバイルサービス手段は、要求されたサービスを提供するために留まるように命令される。
【0018】
第1の実施の形態において、各端末は、通信モジュールを備え且つ第2の制御手段を含む。
【0019】
この場合、モバイルステーションと端末の通信モジュールとはそれぞれ第1および第2の送受信可能範囲帯を有し、且つ端末の通信モジュールは、第1の要求を発生したモバイルステーションが「第2の」送受信可能範囲帯内に位置している時に第1の要求を受信可能であることが好ましい。
【0020】
たとえば、モバイルステーションと端末の通信モジュールとは、空間的情報システムの一部として、第1および第2の制御モジュールによって送出するデータを含むメッセージの臨機応変な交換によって第1の要求を生成受信するようにそれぞれ配置されることができる。次に、第1の制御手段は、ユーザによって選択されたサービスを表す第1の空間値を定義するデータを含む第1の要求を生成するように配置されることが好ましい。
【0021】
さらに、この第1の実施の形態において、モバイルサービス手段の各々の通信モジュールは、第3の送受信範囲可能帯を有し、且つ指定された端末がそれらの第3の送受信可能範囲帯内に位置されている時に、第2の要求を受け入れることが出来ることが好ましい。また、端末とモバイルサービス手段の通信モジュールとは、空間情報システムの一部として、第2および第3の制御モジュールによって送出されるデータを含むメッセージの臨機応変な交換によって第2の要求を送受信するようにそれぞれ配置されることが好ましい。次に、第2の制御手段は、選択されたサービスを表す第2の空間値を定義する第2のデータを含む第2の要求を生成できることが好ましい。
【0022】
第2の実施の形態において、第2の制御手段は、通信モジュールを備えるサーバに組み込まれ、且つ第1の要求を受信すると、一方では少なくともユーザモバイルステーションに近接する端末の位置を、他方ではこの端末に最も近く第1の要求で定義されたサービスを提供できるとともに対応する通信モジュールを介してこのモバイルサービス手段に対して第2の要求を送信できるモバイルサービス手段を識別できる。
【0023】
この場合、第2の制御手段は、対応する通信モジュールから第1の要求を受信すると、全てのモバイルサービス手段に対して、それぞれの位置を報告するようにこれらのモバイルサービス手段に要求する補助要求を送ることができ、次に、それらの返事を受信すると、その端末に最も近く且つ第1の要求で定義されたサービスを提供できるモバイルサービス手段を識別できる。変形例として、第2の制御手段は、対応する通信モジュールから第1の要求を受信すると、この端末に最も近いモバイルサービス手段を識別するように、第1の要求で定義されたサービスを提供できる異なるモバイルサービス手段のそれぞれの位置と端末の位置と比較できる。いずれの場合でも、第2の制御手段が、第1の要求を送信したモバイルステーションの位置を識別でき、それによって端末の位置を決定するか、または、第1の制御手段が、少なくとも端末の位置を表す第1の要求に識別子を組み込むことができ、且つ第2の制御手段が、少なくとも対応する端末の位置を受信した第1の要求に含まれる識別子から識別するように配置される。
【0024】
さらに、第2の制御手段は、第1の要求を受信すると、この第1の要求を送信したモバイルステーションに情報が通信されるように配置され得る。このような情報は、たとえば、第2の制御手段によって決定されることができ且つ最も近いモバイルサービス手段がその端末に到達するのに要する時間を指摘することができる。しかしながら、この情報は、通知情報またはインターネットを介してアクセスできる情報サイトの少なくとも1つのアドレスを定義する情報データで構成され得る。
【0025】
また、本発明は、第1の部分において上記タイプの構成における通信モジュールと第1の制御手段を備える、携帯電話またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)のようなモバイルステーションに関し、第2の部分において上記タイプの構成における、たとえばバス停またはコーチ停、空港、または鉄道駅のような公共場所に設置され且つ通信モジュールと第2の制御手段とを備えるように意図される端末に関し、第3の部分において上記タイプの構成における通信モジュールと第3の制御手段とを備える、バスまたはコーチのような公共輸送車両に関する。
【0026】
本発明の他の特徴と利点は、添付の図面を伴う以下の詳細な説明により明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
添付図面は、本発明を完成させるために働くだけでなく、場合によっては本発明の定義に寄与することができる。
【0028】
本明細書の導入部で指摘されているように、本発明は、ユーザに属する1つ以上のモバイル通信ステーションと、1つ以上のサービスに関連する静止端末と、通信モジュールを備えるとともに前記サービスのうち少なくとも1つを提供できる複数のモバイルサービス手段との間でのデータの管理に関する。
【0029】
この目的に対して、本発明は、第1の実施の形態として、図1A〜図1Dに描かれるタイプの管理デバイスを提案する。この実施の形態は、車両が移動する路線上の停止場所(または「バス待合所」)でバス(またはコーチ)停の管理に関する。
【0030】
勿論、本発明はこのタイプの用途に限定されない。本発明は、概して、サービスの順番付けに関しており、そのサービスは、当該サービスに関連する静止端末でモバイルサービス手段により提供可能であり、この静止端末に近接して組み込まれたモバイル通信ステーションを使用している。従って、本発明は、モバイルサービス手段を備える車両(バスまたはコーチ)が公知ライン(すなわち路線)に沿って配置された固定端末(すなわちバス待合所)に停車する公共輸送の分野に関する。また、本発明は、通信デバイスを備える要員によって固定端末(すなわち情報ポイント)でモバイルステーションを備える人に対して情報またはデータを提供する領域に関する。
【0031】
図1A〜図1Dに図示された例では、ユーザは、バス路線上のバス待合所でサービスを得るために第1の要求を発生するように意図された第1の制御モジュール2に接続された通信モジュール1を含んだモバイルステーションMSを有する。従って、モジュールステーションMSは、携帯電話またはパーソナルデジタルアシスタント(すなわちPDA)であり得る。しかしながら、概して、モバイルステーションは、たとえばポータブルコンピュータのように、任意のタイプの通信モジュールを備えたモバイル装置であり得る。
【0032】
これらの第1の要求は、以下で記述される方法で、通信モバイルモジュール1を介してモバイルステーションMSの近傍に位置する静止端末3に送信される。
【0033】
この例では、静止端末3は、たとえば、車道5に接する歩道4上に、バス路線上の選択された位置に置かれたバス待合所であり、それには第2の制御モジュール7に接続された通信モジュール6が含まれる。この第2の制御モジュール7は、それが接続される通信モジュール6によって受信された第1の要求を解析するように、および、それに応じてそれが組み込まれたバス待合所で、受信した第1の要求において定義されたサービス提供の要求を定義するデータを含む第2の要求を発生するように配置されている。
【0034】
第2の要求は、提供される路線上のバス待合所3に沿う車道5を移動するバス8に送信されるように意図されている。
【0035】
それらの要求は、バス待合所3の通信モジュール6によって、以下に記述される方法で送信される。
【0036】
さらに、この例では、バス8は、モバイルサービス手段を構成する。そのバスは、第3の制御モジュール10に接続される通信モジュール9を備えている。この第3の制御モジュール10は、それが接続される通信モジュール9によって受信された第2の要求を解析するように配置されるとともに、以下で理解されるように、それに応じて次のバス待合所で停止するようにバス内に据え付けられバスの運転者に警告するように意図されたメッセージを発生するように配置されている。
【0037】
本発明の第1の実施の形態は、さらに詳細には、いわゆる「ITユビキティ(IT ubiquity)」環境、換言すれば「空間情報システム」のために意図されている。そのようなシステムまたは環境は、以下でリストアップされる論文に具体的に記述されている:
「Some computer science issue in ubiquitous computing, M. Wieser, Communication of the ACM, 37(7), p. 75-83, July 1993(1993年7月のACM通信36(7)、第75〜83頁、エム・ウエイサーの「ユビキタスコンピューティングにおける幾つかのコンピュータサイエンスの問題);
「Context-aware computing applications」, B. M. Schilit, N. Adams and R. Want, Processings of the second international workshop on mobile computing systems and applications, Santa Cruz, CA, December 1994(1994年12月のカリフォルニア州サンタクルーズでのモバイルコンピューティングシステムとアプリケーションに関する第2回国際ワークショップの会報、ビー・エヌ・シリット氏とアール・ワント氏の「コンテキスト意識のコンピューティングアプリケーション」);
「LIME: Linda meets mobility」, G. P. Picco, A. L. Murphy and G-C. Roman, international conference on software engineering, p. 368-377, 1999(1999年のソフトウエアエンジニアリングに関する国際会議、第368〜377頁のジー・ピー・ピッコ氏、エー・エル・マーフィ氏およびジーシー・ローマン氏の「ライム:リンダがモビリティに出会う」);
「SIS: A new paradigm for mobile computing systems」, M. Banatre and F. Weis, Processings of the information society technologies conference (IST 99), 1999(1999年の情報社会テクノロジー会議(IST99)の会報、エム・バナトレ氏およびエフ・ウエイス氏の「エスアイエス:モバイルコンピューティングシステムのための新たなパラダイム)」;
「Contextual mobility in information systems」, P. Couderc, Doctoral Thesis, University of Rennes-1, 2001(2001年のレンヌ−1大学のピー・コーデリク氏の博士論文「情報システムにおけるコンテキストモビリティ」);
「SIDE surface: a spontaneous information discovery and exchange system」, D. Touzet, J-M. Menaud, Banatre, P. Couderc and F. Weis, Processings of the second international workshop on ubiquitous computing and communications (WUCC 01), September 2001(2001年9月のユビキタスコンピューティングおよび通信に関する第2回国際ワークショップの会報、デー・トーゼット氏、ジェイ−エム・メノード氏、エム・バナトレ氏、ピー・コーデリク氏およびエフ・ウエイス氏の「サイドサーファ:自発情報発見および交換システム」)。
【0038】
そのようなシステムまたは環境の目的は、コンピュータのサービスを使って相互作用している環境を生成していることにユーザが気づくことなく、デジタル環境の物理的世界へのトランスペアレントな統合を提供することである。この目的のために、「コンテキスト」とも呼ばれる動作環境を捕獲するタスクは、たとえば、GPSタイプの位置検出システムのような特殊なシステムに代表される。
【0039】
ユーザのモバイル性が与えられたとすると、デジタルユビキティは、一般的には短い範囲の、典型的には数メートルの、および典型的には平均すると約100メートルの無線通信に依存している。従って、第1の実施の形態では、モバイルステーションMS、静止端末3、およびバス8の通信モジュール1,6,9は、短いまたは中間の範囲のものであることが好ましい。よって、それらは、特に、ブルーツース、IEEE802.11(またはWiFi)、または赤外線のような無線周波数モードで動作可能である。
【0040】
送信および受信の両方に関して、モバイルステーションMS、静止端末3、およびバス8の通信モジュール1,6,9の範囲が異なっていることが好ましい。換言すれば、各通信モジュールは、その電源モードに適合する送受信可能範囲帯を有する。たとえば、図1A〜図1Dに描かれているように、モバイルステーションMSの通信モジュール1は、実質的に数メートルの半径の球面状で第1の受信可能範囲帯11を有し、バス待合所3での通信モジュール6は、実質的に数十〜百メートルの範囲の半径の球面状で第2の受信可能範囲帯12を有し、バス8の通信モジュール9は、実質的に数十〜百メートルの範囲の球面状で第3の受信可能範囲帯13を有する。図1A〜図1Dでは、例示目的のために異なる受信可能範囲帯を描く包絡線11〜13は一定の率で縮尺されていない。
【0041】
上述の用途では、通信モジュール1と第1の制御モジュール2とを搭載したモバイルステーションMSを携帯する人が、方向Aから方向Bにバス路線を提供する次のバス8に乗り込むために、その路線上のバス待合所3に近く。たとえば、バス待合所は、方向Aから方向Bへ路線番号6のバス停番号4に対応している。
【0042】
(バス待合所3を介して)次のバス8に警告するために、人は、自分のモバイルステーションMSのメニューから操作を選択でき、または、第1の制御モジュール2によって扱われる機能に関係されるとともに、次のバス8に最も近いバス待合所3で停止するような第1の要求の発生に対して専用である専用キーをモバイルステーション上で起動できる。また、操作選択は、特に目の一部不自由な人に特に適する音声命令によって実行されることが想定され得る。
【0043】
勿論、その機能の選択によってユーザは、移動したい方向へ指定されるように、特に、希望方向に対応する歩道に人がいない状況を考慮するように要求される。
【0044】
第1の制御モジュール2は、それを組み込んだモバイルステーションMSのユーザによって上記機能が選択されたことを警告すると、それを接続した通信モジュール1に送信する第1の要求を生成する。実際には、それは、第1の空間値、たとえば、路線と希望方向が示された<stop>または<stop route 6 A to B>を生成する。次に、通信モジュール1は、人の移動している方向のバス待合所3に提供される第1の空間値を含んだメッセージを生成する。
【0045】
モバイルステーションMSがバス待合所の第2の受信可能範囲帯12の中にない限り、図1Aに描かれているように、それぞれの通信モジュール1,6の間で交換は生じ得ない。しかしながら、図1Bに描かれているように、モバイルステーションMSが第2の受信可能範囲帯12の中に完全にいる場合には、それらの通信モジュールは、人が路線番号6で(場合によっては方向Aから方向Bへ)次のバスを停車させたいことを第2の制御モジュール7に知らせるメッセージを交換できる。
【0046】
もし必要ならば、第1の要求を生成する機能は、第1の空間値にその要求をしている人の身体障害タイプ(たとえば、「一部目の不自由な人」または「車椅子利用者」)を追加するように構成可能である。この場合、通信モジュール間のメッセージの交換によっても人の身体障害が第2の制御モジュール7に通知可能になる。
【0047】
勿論、第2の制御モジュール7が、路線番号6および/または方向Aから方向Bのために構成されていない場合には、それぞれの通信モジュール1,6を介してモバイルステーションMSの第1の制御モジュール2にメッセージを送り、停止要求に関係ないことを示すようにしている。
【0048】
第1の空間値をひとたび所持すると、バス待合所3での第2の制御モジュール7は、路線番号6でA方向からB方向に移動している次のバス8に、乗客をピックアップするために停車しなければならないことを知らせるようにした第2の要求を生成する。また、この第2の要求は、ピックアップされる人の身体障害タイプを表示できる。実際には、人の身体障害が表示された時に、第2の制御モジュール7は、第2の空間値、たとえば<Bus route 6>、<Bus route 6 A to B>、または<Bus route 6 partially sighted>を生成する。次に、この第2の空間値は、それを含んだメッセージを生成した通信モジュール6に送信される。
【0049】
図1Bに描かれているように、指定されたバス待合所3が、バス8の第3の送受信可能範囲帯13の中にない限り、それぞれの通信モジュール9,6の間で交換が生じ得ない。しかしながら、図1Cに描かれているように、バス待合所3がバス8の第3の送受信可能範囲帯の中にある時には、必要な場合に身体障害を表示した人が、それを組み込んだバス8に、路線番号6の次のバス待合所3で停止するように要求したことを第3の制御モジュール10に知らせるようなメッセージを通信モジュールは交換できる。次に、第3の制御モジュール10は、乗客(場合によっては障害者)をピックアップするために路線番号6の次のバス待合所3で停車しなければならないことを示すメッセージを、バス8のオンボードコンピュータに送信する。この通知は、たとえば、メッセージをスクリーン上に表示すること、または、専用のビジュアルインジケータを照明することのような任意の公知の手段によって達成可能である。また、メッセージは、バス8の乗客にアクセス可能な停止要求機能を起動する効果を有することが好ましい。
【0050】
勿論、第3の制御モジュール10が、路線番号6に対しておよび/または方向Aから方向Bに対して構成されていない時には、停止要求に関係ないことを告げるためにそれぞれの通信モジュール9,6を介してバス待合所3での第2の制御モジュール7にメッセージを送信する。
【0051】
バス待合所に到達するとすぐに、「第2の要求」によって警告されるバス8の運転者は、図1Dに示すように、バス8を停止する。身体的障害がある人の場合および通路用の特別の入り口または器具が設けられている場合には、停車を要求する人に対向して通路用の入り口または器具が位置決めされるように運転者はバスを配置できる。
【0052】
この第1の実施の形態において、ユーザのモバイル通信ステーションMSは、その用途に対して特に専用ユニットの形態で作られても良い。従って、たとえ通信モジュール1と第1の制御モジュール2とを携帯電話またはPDA(たとえば)に一体化することが実用的であっても、それは決して必須ではない。しかしながら、携帯電話、PDA、またはポータブルコンピュータのようなモバイルステーションMSは、静止端末3(この場合にはバス待合所)に設置された第2の制御モジュール7が当該モバイルステーションに情報を送出するように構成される時に、必須になるかもしれない。
【0053】
実際に、第2の制御手段7は、要求されたサービスを提供可能な次のバス8がバス待合所3に到着するのに要する時間を決定するように配置可能である。これは、たとえば、交通情報とともに、比較的正確な同じ路線上の全てのバスの位置を知る中央サーバと連携して達成され得る。勿論、これは、一方で全てのバス待合所3が第2の制御モジュール7に接続された無線通信モジュールを備えていることが必要であり、他方で全てのバス8が、無線通信モジュールに接続可能な、たとえばGPSビーコンのような位置検出デバイスを備える必要があることを意味する。
【0054】
また、第2の制御モジュール7は、情報が得られるインターネットサイトのアドレスを示す広告情報および/またはデータを、それぞれの通信モジュール6,1を介してモバイルステーションMSに送出するように配置できる。たとえば、広告情報は、バス待合所の壁に表示された広告を引き立たせることができる。同様に、アドレスデータは、バス路線を運用する輸送会社の情報サイト、または、製品および/またはブランドおよび/または名前がバス待合所3の壁に表示された会社の情報サイトにアクセスする機会をユーザに与えることができる。
【0055】
また、第2の制御モジュール7は、たとえば、地域図、実用的特徴または文化的特徴といった市営情報等のような地域情報を、それぞれの通信モジュール6,1を介してモバイルステーションMSに送出するように配置可能である。
【0056】
この情報の全ては、臨機応変的かつ地域的ベースで更新可能であり、および/または遠くの情報サーバによって自動化可能である。臨機応変的かつ地域的更新は、バス待合所によって掲示された広告に関する情報に対してより具体的に当てはまる。それは、たとえば、ブルーツース(Bluetooth)またはWiFiタイプの通信インターフェースを備えるとともに、端末(すなわちバス待合所)に組み込まれた制御モジュール7と通信可能である端末を使用して、広告を交換するために来た人々によって実行されてもよい。
【0057】
地域情報を通信する機能を提供するために、たとえば、第2の制御モジュール7は、特許文献FR2783996およびFR2809263に記述された方法を実施することができ、それらの文献の内容は参照によってここに組み込まれる。
【0058】
しかしながら、情報の遠隔通信は、好ましくは、セルラータイプ(たとえばGSM/GPRSまたはUMTS)の電話ネットワークに接続された電話通信モジュールに接続される第2の制御モジュール7を必要とする。
【0059】
リアルタイムでインターネットサイトにアクセス可能であるために、モバイルステーションMSは、具体的には、GSM/GPRSまたはUMTSの電話を有する場合のように、ナビゲーションモジュールを備えたモバイルユニットでなければならない。しかしながら、アドレスが第2の制御モジュール7によって提供されたサイトは、オフラインでアクセス可能である。そのために、ユーザは、モバイルステーションMSのメモリにアドレスをセーブすることが必要である。アドレスが後のアクセスのために格納された「オフライン」解決策は、PDAに対してより具体的に適用可能である。
【0060】
上記において、モバイルステーションMS、静止端末3、およびバス8(すなわちモバイルサービス手段)の中にそれぞれ組み込まれた通信モジュール1,6,9と第1、第2および第3の制御モジュール2,7,10とは、本発明による管理デバイスの第1の例を構成する。
【0061】
モジュールステーションMS、静止端末(すなわちバス待合所)3、およびバス8の制御モジュール2,7,10は、たとえば、PDAまたは携帯電話のような専用通信端末だけでなく専用の通信ユニットに組み込み可能である。目が一部不自由な人のような特別の場合には、実際に、情報表示の視覚手段を設けることは有益ではない。それに対して、スクリーンを備えないが、好ましくは音声合成手段を備える「簡略化」されたPDAのような専用ユニットを使用することが可能である。同様に、バス車両またはバス待合所(すなわち端末)に備えられる専用の端末またはユニットは、表示手段を含むことを必要としない。運転者が停止要求に気付づくことを必要とするバスにおいてさらに特別の場合には、照明インジケータは十分であり、実際には(停車を求める人の身体障害タイプを示すために使用可能である)メッセージの助けを借りて運転手に注意を促すことが望まれる時に表示手段は有用であるに過ぎない。
【0062】
さらに、これらの通信端末またはユニットは、たとえば、ブルーツースまたはWiFi(すなわちIEEE802.11)タイプの通信モジュールを備えることができる。ブルーツースタイプの通信モジュールが制限レンジのものであると仮定すると、それらの電力消費は小さい。従って、それらは、ユーザ端末(すなわち専用ユニット)(すなわちモバイルステーションMS)にとって十分に適合する。
【0063】
しかしながら、比較的長いレンジを有するWiFiタイプの通信モジュールは、バスにオンボードのまたはバス待合所(すなわち端末)に設置された専用の端末またはユニットに適合する。モバイルステーションとバスが同じタイプの通信手段を備えていないと仮定すると、モバイルステーションとバスとダイアログを実行できるようにバス待合所(すなわち端末)が2つのタイプの通信手段を備えなければならないことは明らかである。
【0064】
さらに、当業者に公知のあらゆるタイプのITユビキティ環境またはあらゆるタイプの空間情報システムは、この第1の例のために発明が実施され得ることが想定される。しかしながら、以下で記述される方法は、(「Spatial Programming Environment for Ambient Computing Design」(環境演算設計のための空間プログラミング環境)に対して)SPREADと呼ばれる好結果のために使用される。
【0065】
このSPREAD方法において、空間情報システムは、それぞれが制限された容量の物理的空間(すなわち送受信可能範囲帯)である1セットの物理的エンティティ(すなわちエンティティに取り付けられる「電子的」代表物)で構成される。表現「物理的エンティティ」は、たとえば、上記用途で参照される静止端末またはモバイルステーションまたはバスを意味する。これらのエンティティのそれぞれは、1セットの情報と関連し、物理的空間中の各ポイントが、1セット(空である可能性がある)の異なるエンティティに関連する容量に含まれる。
【0066】
このように、物理的空間(容量)は、アクセス可能な情報を格納する、空間情報システムアーキテクチャのグローバルメモリを構成する。
【0067】
従って、所定の時に、モバイルコンピュータに組み込まれるプロセスは、物理的空間のポイントに関連する。従って、このプロセスに対してアクセス可能なコンテキストとも呼ばれる情報セットは、関連する空間中のポイントが属するそのセットの関連容量に対するセットのエンティティによって特徴付けられる。従って、コンテキストは、プロセスのモビリティ(従ってエンティティ)および/または情報「コンテナ」の明白な移動に基づくグローバルメモリの再編成に関連して各時に変化する。
【0068】
先に指摘したように、各エンティティによって保持される情報の(物理的)範囲は、その通信モジュールの受信範囲可能帯に依存する。
【0069】
幾つかのエンティティが1つのプロセスを構成するので、それぞれのタイプに従って異なるエンティティに関連する情報を選択するための機構が使用される。これは、リンダモデル(Linda model)によって導入される「タプル」および「タプル空間」によって達成されることが好ましい。
【0070】
定義によって、1つのエンティティに関連する任意の情報は、標準のシーケンスの情報よりなる「タプル」によって特徴付けられる。たとえば、空間値<”Bus”,6,(17,30)>は、第1の要素がバス会社に対応するストリングであり、第2の要素がバス路線番号に対応する整数であり、第3の要素が次のバス待合所におけるバスの推定到着時間に対応する整数ダブレットである、タプルを定義する。
【0071】
タプルのセットのおかげで、プロセスは、その現在の状態のデータに黙示的に同期される。換言すれば、タプルのセットは、情報システムの構造とフロー制御とが物理的エンティティとこれらの物理的エンティティ同士間の空間的関係に直接依存する空間プログラミングを促進する物理的環境の論理状態を反映する。
【0072】
情報が、一種のメモリを構成するサブセットの物理的空間に「格納」されるので、物理的空間中のポイントに配置される演算プロセスによってこの情報のアドレス指定を管理することが必要である。実際、このポイントは、算術計算のような動作中にコンピューティングプロセスによって使用され得るサブセットの情報を決定する。従って、他のサブセットの情報にアクセス(または読み出す)ために、プロセスは、それに対応する他のポイントに移動しなければならないかまたはそのプロセスに含まれるエンティティが移動しなければならず、それによってそれらの情報が前記プロセスにアクセス可能な空間の部分を充填できる。
【0073】
情報のアドレス指定は、当業者がタプルモデルとタプル空間の要素との間の「パターンマッチング」と呼ぶものを使用して匿名で達成可能である。換言すれば、タプル空間に存在するタプルまたは1セットのタプルが対応するモデル(すなわちパターン)が指定される。モデル(すなわちパターン)は、各要素が、タイプ(それは、その要素が指定されたタイプによって取られる値の全てに対応することを意味する)または値(それは、その要素が指定された値に対応することを意味する)であるテンプレートから構成される。
【0074】
タプル空間中に含まれる情報(すなわちタプル)にアクセスするために、たとえば、以下で定義されており、一方ではエンティティとプロセスの物理的モビリティを、他方ではエンティティが物理的オブジェクトであるという事実を考慮する演算(基関数)を使用することが可能である。
【0075】
たとえば、「out (tuple)」と呼ばれる第1の演算は、所定のエンティティのタプル空間内に新たなタプルを挿入(発行)するために使用される。このタプルの範囲は、勿論、それを含むエンティティによって占有される物理的容量(すなわち受信可能範囲帯)に依存する。換言すれば、タプルは、それを含むエンティティを囲む物理的空間(すなわち受信可能範囲帯)を満たす。
【0076】
たとえば、「rd (pattern)」(読出し(パターン))と呼ばれる第2の演算は、パラメータの形態で入力されるパターン(すなわちモデル)にマッチするタプルを非破壊的に検索するために使用される。この検索されたタプルの範囲は、勿論、それを含むエンティティによって占有される物理的容量(すなわち受信可能範囲帯)に依存する。タプルがそのタプル空間から除去されないということ、それが単純に「読み出される」ことに気づくことが重要である。さらに、幾つかのタプルがモデル(すなわちパターン)にマッチすると、これらのタプルの各々が検索され得る。しかしながら、タプルがモデル(すなわちパターン)にマッチしない場合、処理が阻止される。
【0077】
たとえば、「捕獲(パターン)」と呼ばれる第3の演算は、指定のモデル(すなわちパターン)にマッチする1セットのタプルを検索するために使用可能である。この検索されるセットのタプルの範囲は、勿論、それを含むエンティティによって占有される物理的容量(すなわち受信可能範囲帯)に依存する。この演算は、「rd (パターン)」演算の「マルチプル」バージョンである。従って、タプルがモデル(すなわちパターン)にマッチしない場合、プロセスは阻止される。
【0078】
たとえば、「ドロップ(パターン)」と呼ばれる第4の演算は、先にタプルを挿入(発行)したエンティティがそれに対応するタプル空間から除去されることを可能とする。
【0079】
演算rd(pattern)とcapture (pattern)は、それらを実行するプロセスのコンテキストにおいて、全てのタプル空間で実行されることが好ましい。
【0080】
バス待合所でユーザがピックアップされ得ることが意図される、前述の演算の使用例が、以下で記述される。
【0081】
第1のステージにおいて、ユーザは、モバイルステーションMSを使用して停車要求を作成する。モバイルステーションMSの制御モジュール2は、以下で理解されるように、一方では第5のアクションA5のレベルで起こる同期アクションと、他方では第6のアクション6Aのレベルで終了する非同期アクションを起動する目的で、たとえば、演算out<”p-stop”, i>を実行することを含む第1のアクションA1を開始する。
【0082】
第2のステージで、バス待合所3は、ユーザの要求を受け入れる。これは、デュアル条件(すなわち状態)が満足されることが必要である。即ち、バス待合所3は、ユーザのモバイルステーションMSの送受信可能範囲帯11に含まれなければならず、且つモバイルステーションMSの制御モジュール2は、tuple<“p-stop”,i>を発行しなければならない。その場合には、バス待合所3の制御モジュール7は、たとえば、以下の三つのアクション、即ち、rd(<“p-stop”,i>)と、次に、dropp(<ok-depart“,i>)と、最後にout(<“bus-shelter-stop“,i>を実行することを含むアクションA2を開始する。これは、第8のアクションA8のレベルで起こる同期アクションを起動する。
【0083】
各タプル<“p-stop”,i>は、エンティティ(モバイルステーションMSおよびバス待合所3)の空間構成が、記述されたデュアル条件(または状況)にマッチすると、バス待合所3によって演算out(<”bus-shelter-stop”,i>)を発生する。
【0084】
第3のステージにおいて、バス8iがバス待合所3に近づいてこのバス待合所3からの要求を受け入れる。これは、デュアル条件(又は状況)が満足されることが必要である。すなわち、バス8iは、バス待合所3の送受信可能範囲帯12に含まれなければならず、且つバス待合所3の制御モジュール7は、tuple <”bus−shelter-stop”, i>を発行しなければならない。この場合には、バス8iの制御モジュール10は、同期アクションA3を開始し、このアクションは、たとえば、以下の3つのアクション、即ち、運転者が次のバス停をマークすることを求めるメッセージの運転者への通知を表すrd(<”bus-shelter-stop”, i>、次にrd(<”ok-depart”, i>)、最後にdrop <depart”, i>)を実行することを含む。このアクションA3は、無限にそれ自体ループする。
【0085】
次に、バス8iが停車すると、ドア開放指示が、それ自体が無限にループする同期アクションA4でバス8iの制御モジュール10によって実行される演算out(<”board”, i>)と同期する。
【0086】
次に、ユーザモバイルステーションMSの制御モジュール2は、たとえば、演算rd(<”board”, i>およびdrop (<”p-stop”, i>)を実行することを含む同期アクションA5を開始する。このアクションA5は、次に、新たなアクションA1が続く。
【0087】
最後に、ユーザモバイルステーションMSの制御モジュール2は、たとえば、モバイルステーションMSのスクリーン上へのメッセージの表示またはバスのドアが今開いているのでバス8iに乗ることができることを指示する音声メッセージの送信を起動する演算rd(<”board”, i>)を実行することを含む非同期アクションA6を開始する。これは、非同期アクションA1を終了する。
【0088】
第4のステージにおいて、バス8iは、バス待合所3を離れる。これは、デュアル条件(または状況)が満足されることが必要である。すなわち、バス待合所3は、バス8iの送受信可能範囲帯13に含まれなければならず且つバス8iの制御モジュール10は、tuple<”depart”, i>を発行しなければならない。この場合には、バス8iの制御モジュール10は、たとえば以下の二つの演算out(<”depart”, i>)とdrop(<”board”, i>)を実行することを含む同期アクションA7を開始する。このアクションA7は、それ自体、無限にループする。
【0089】
次に、バス待合所3の制御モジュール7は、たとえば、演算rd(<”depart”, i>)、次に、アクションA2中に発行される各タプルT=<”bus-shelter-stop”, i>毎に、drop(T)、および最後にout(<”ok-depart”, i>)を実行することを含むアクションA8を開始する。次に、このアクションA8は、新たなアクションA2が続く。
【0090】
図1A〜図1Dを参照して上述された例において、種々の演算を呼び出すアドレス指定機構が、モバイルステーションMS、静止端末(すなわちバス待合所)3、およびバス8の制御モジュール2,7,10に組み込まれている。
【0091】
移動される路線上の専用のバス停車可能範囲帯(すなわち「バス待合所」)でピックアップするバス(すなわちコーチ)の管理に制限されない用途の下で再び本発明の第2の実施の形態を記述において、図2A〜2Bを参照する。この第2の実施の形態において、図1A〜1Dに描かれた第1の実施の形態に記述されたのと機能的に等価または同一の要素は、同じ参照番号で識別される。
【0092】
これら2つの実記の形態は、異なる関係者間でのデータ交換のモードに関して主に異なっている。この例では、静止端末3は、積極的役割を果たさない。これらの端末は、受動的であると記載されても良い。モバイルステーションMSの第1のモジュール2によって生成され且つその通信モジュール1によって送出される第1の要求の解析は、この場合、通信モジュール15に接続される単一の第2の制御手段14によって実行される。なお、これらの第2の制御手段14と通信モジュール15とは、バス路線を運行する輸送会社によって制御される中央サーバSに設置される。
【0093】
この例において、最も早い「近接対話」によるメッセージの交換の問題ではない場合、データ交換は、通信ネットワークを介する電波によって達成されなければならない。従って、モバイルステーションMS、サーバS、およびバス8にそれぞれ組み込まれた第1、第2、および第3の通信モジュール1,15,9は、全て無線タイプである。従って、この実施の形態は、たとえば、携帯電話のような無線通信モジュールを備えるモバイル装置タイプのモバイルステーションMSに特に良好に適合する。
【0094】
通信モジュール1と第1の制御モジュール2とを備えるモバイルステーションMSを有する人であって、バス路線(たとえば路線番号6)上のバス待合所3(たとえば、番号4)に近接しており且つこのバス待合所3でピックアップされたい意図を方向Aから方向Bへこの路線でサービスする次のバス8へ通報したい人は、自分のモバイルステーションMSのメニューから演算を選択しなければならないか、または、第1の制御モジュール2によってハンドルされ且つ次のバス8に最も近いバス待合所3で停車することを依頼する第1の要求の生成専用の機能に関連するこのモバイルステーションの専用キーを起動しなければならない。
【0095】
第1の制御モジュール1は、それが組み込まれたモバイルステーションMSのユーザによって上記機能が選択されたことが通報されると、第1の制御モジュール1は、無線通信モジュール1に送信する第1の要求を生成する。次に、通信モジュール1は、セーバSへの送信のために、この第1の要求を表す無線メッセージを生成する。
【0096】
この実施の形態において、サーバは、第1の要求を発している人が移動しているバス待合所3の地理上の位置と、要求している人が乗ろうとしているバス路線の番号(および場合によっては方向)とを知ることが必要である。これを達成するために2つの解決策が想定され得る。
【0097】
第1の解決策は、バス待合所3にその壁の1つに、すなわち専用のサポートにマークされ、サービスされるその路線番号およびこの路線のそこの番号、さらに多分、そこに付された方向を示す識別子を提供することを含む。この場合、人が停車要求機能を選択すると、自分のモバイルステーションMSの第1の制御モジュール2に自分がピックアップされることを希望するバス待合所の識別子を提供しなければならない。これは、モバイルステーションMSのキーパッドを介してその番号を入力することによって、または、場合によっては、音声指示を使用して口頭で行うことができる。次に、バス待合所3の識別子は、次に通信モジュール1を介してサーバSに送信される第1の要求に含まれる。
【0098】
サーバSの第2の制御モジュール14が第1の要求の内容を把握すると、第2の制御モジュール14は、識別子を抽出し、且つ「識別子/位置/路線/方向」のルックアップテーブルを使用して、その識別子によって提供されるバス待合所3の地理的位置と、路線と、方向とを決定する。
【0099】
第2の解決策は、たとえば、無線通信モジュール1に接続されるGPSモジュールのような位置決定デバイスを各モバイルステーションMSが備えることを含む。この場合、人が停車要求機能を選択すると、自分のモバイルステーションMSの第1の制御モジュール2が、次に通信モジュール1を介してサーバSに送信される第1の要求に含まれるその位置を得るために位置検出モジュールに問い合わせる。バス待合所が、幾つかの路線にサービスを提供している場合、この場合、ユーザは、第1の制御モジュール2に自分が乗ることを希望する路線番号(と恐らく方向と)を提供しなければならない。これは、モバイルステーションMSのキーパッドを介してその番号を入力することによって、または、場合によっては、音声命令を使用して口頭で行うことが可能である。
【0100】
サーバSの第2の制御モジュール14が第1の要求の内容を把握すると、第2の制御モジュール14は、路線番号(と、もしあるならば、その方向)および要求しているモバイルステーションの位置を抽出し、次に、もしあるならば、方向情報(方向Aから方向B)を考慮して、バス待合所の位置のテーブルを参照してモバイルステーションMSの位置に最も近いバス待合所3の地理的位置を検索する。
【0101】
両方の解決策において、サーバSの第2の制御モジュール14が指定されたバス待合所3の位置を把握すると、それは、この場合には番号6である指定路線のどのバス8がこのバス待合所に最も近いかを決定する。このために、バス8の全ては、たとえば、無線通信モジュール1に接続されるGPSモジュールのような位置決定デバイス16を備えなければならない。
【0102】
それぞれのバスの位置が、たとえば、(GSMタイプネットワークの場合には)SMSタイプメッセージの媒体を介してサーバSに組み込まれた位置管理モジュール17に、バス8によって定期的に送信されるか否かに従って、2つのケースが想定される。
【0103】
その場合、従って、図2Aおよび図2Bに描かれているように、第3の制御モジュール14は、方向Aから方向Bへ移動する路線番号6上の(従って、ユーザによって要求されたサービスを提供できる)バスの位置を知るために管理モジュール17に問い合わせることのみが必要である。次に、この第3の制御モジュールは、どのバス8が指定されたバス待合所3に最も近いかを識別するために、これらのバスの位置と指定されたバス待合所3の位置とを比較する。
【0104】
しかしながら、バス8が、要求によってそれらの位置を通知すると、第3の制御モジュール14は、指定された路線の各バスに報告位置要求を送付しなければならない。これは、たとえば、SMSタイプメッセージによって達成される。方向Aから方向Bの方向に移動する指定路線上の全てのバス8の位置を受信すると、従って、第3の制御モジュール14は、その指定されたバス待合所3に最も近いバスを識別するために、これらの位置と指定されたバス待合所3の位置とを比較することのみが必要になる。
【0105】
ひとたび制御モジュール14が、指定されたバス待合所3に最も近いバス8を識別すると、この制御モジュールは、このバス8が乗客をピックアップするために停車しなければならないことをそのバスに告げるための第2の要求を生成する。この第2の要求は、ピックアップされる人の身体障害タイプを指摘してもよい。この第2の要求は、目的のバス8への送信のために、たとえば、SMSタイプのメッセージを生成する通信モジュール15に送信される。
【0106】
たとえば、第3の制御モジュール10は、バス8のダッシュボード上に設置され且つ警告ランプのような信号デバイスを備える専用のユニットに組み込まれる。このように、そのメッセージを受信すると、第3の制御モジュール10は、バスのドライバが乗客(場合によっては身体障害者)をピックアップするために路線番号6の次のバス待合所3で停車しなければならないことをその運転者に指摘するように警告ランプを点灯させる。
【0107】
変形例では、そのメッセージを受信すると、第3の制御モジュール10は、乗客(場合によっては身体障害者)をピックアップするために路線番号6の次のバス待合所3で停車するように告げるためにバス8のオンボードコンピュータにメッセージを送る。この通知は、たとえば、そのメッセージをスクリーンに表示することによる、または専用のビジュアルインジケータを点灯することによるような、任意の公知の手段によって達成され得る。また、そのメッセージは、バス8の乗客にアクセス可能な停車要求機能を起動する作用を持つことが好ましい。
【0108】
バス待合所に到着すると、「第2の要求」によって通報されたそのバス8の運転者は、図2Bに描かれているように、バス8を停車する。その人が身体障害者であり、且つ乗降用の特別の入口または器具が設けられている場合、運転者は、乗降用の入口または器具が停車を求める人に対向して位置させるようにバスを配置する。
【0109】
この第2の例の記述において、モバイルステーションMSとサーバSとバス8(すなわちモバイルサービス手段)とにそれぞれ組み込まれたサーバS、通信モジュール1,15,9と、第1,第2,および第3の制御モジュール2,14,10と、バス8に組み込まれた位置検出デバイス16とは、もしあるならばサーバSに組み込まれた管理デバイス17とともに、本発明による管理デバイスの第2の例を構成する。
【0110】
さらに、制御モジュール2,10,14および位置管理モジュール17に対する記述が参照される。これらのモジュールは、電子回路(ハードウエア)、論理またはデータ処理モジュール(ソフトウエア)または回路とソフトウエアとの組合せの形態で実施され得る。
【0111】
また、本発明は、通信モジュールを備えるユーザモバイルステーションと、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末と、通信モジュールを備え且つ前記サービスを保証するのに適する複数のモバイルサービス手段との間でのデータを管理するための方法にも関する。
【0112】
これは、図1および図2を参照して上記された管理デバイスによって実施され得る。この方法のステージによって提供される主要および任意の機能とサブ機能とは、管理デバイスを構成する種々の手段によって提供されるものと実質的に同じであるということから考えると、本発明による方法の主要な機能を具体化するもののみが以下に概説される。
【0113】
本方法は、以下の工程によって特徴付けられる:
ユーザモバイルステーションの助けを借りて、そのモバイルステーションに近接して設けられて要求されるサービスに関連する(たとえば、バス待合所またはバス待合所の一部の形態で配置された)端末で選択された(たとえば、バスを停車することのような)サービスを得るための要求を定義するデータを含む第1の要求が生成される第1のステージ(a)と、
その第1の要求を受信した後に、モバイルステーション近くの端末で選択されたサービスを保証するための要求を定義するデータを含む第2の要求が生成される第2のステージ(b)と、
第2の要求が指定された端末に最も近いモバイルサービス手段で受信されて、この端末で停車して第1の要求を送信したモバイルステーションのユーザによって要求されたサービスを提供する第3のステージ(c)。
【0114】
この方法は、メッセージの交換が、含まれる種々のエンティティの位置を決定することなく、近接対話によって達成されるITユビキティ環境(すなわち空間情報システム)内で、そしてまた含まれる種々のエンティティの少なくとも幾つかの位置を決定して、通信ネットワークを通して電波を介するデータ交換に依存するより慣用的な媒体を介しての両方で実施され得る。
【0115】
本発明は、単なる例示によって上記された方法とデバイスの実施の形態に制限されず、以下の請求項に従って当業者によって想定され得る全ての変形例を包含する。
【0116】
このように、公共輸送の分野に対する本発明の用途が記述された。しかしながら、本発明は、この用途に制限されない。また、本発明は、空港、鉄道駅、またはショッピングセンタのような公共場所または私的場所に設置された静止端末(すなわち情報ポイント)でモバイルステーションを備えて要求している人に情報またはデータを提供する領域に関する。この場合、第3の制御モジュールに接続される通信モジュールを組み込む通信デバイスを有する人々は、モバイルサービス手段を構成し、そして、これらの人々が、第2の要求を受信すると、要求されたサービスを提供するために指定された端末へ行かなければならないことが通知される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1A−1D】バス路線管理の用途において本発明の第1の実施の形態の4つの態様を概略的に示す図である。
【図2A−2B】バス路線管理の用途において本発明の第2の実施の形態の2つの態様を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1 通信モジュール
2 第1の制御手段
3 静止端末
7 第2の制御手段
8 モバイルサービス手段
9 通信モジュール
10 第3の制御手段
11 第1の送受信可能範囲帯
12 第2の送受信可能範囲帯
13 第3の送受信可能範囲帯







【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信モジュール(1)を備えるユーザモバイルステーション(MS)と、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末(3)と、通信モジュール(9)を据え付けられるとともに前記サービスを保証するようにした複数のモバイルサービス手段(8)との間でのデータを管理する方法であって、
a)モバイルステーション(MS)によって、前記モバイルステーションに近接して設置されるとともに前記サービスに関連する端末(3)で、選択したサービスを得るための要求を定義するデータを含んだ第1の要求が生成される工程と、
b)前記第1の要求を受信した後に前記端末(3)で、選択したサービスを保証するための要求を規定するデータを含んだ第2の要求が生成される工程と、
c)前記第2の要求が、前記複数のモバイルサービス手段(8)のうち前記端末(3)に最も近いモバイルサービス手段で受信され、それによって、前記モバイルサービス手段が、前記端末で停止するとともに前記モバイルステーション(MS)のユーザによって要求された前記サービスを提供する工程とを有することを特徴とするデータ管理方法。
【請求項2】
前記工程b)で、前記第1の要求が通信モジュール(6)によって前記端末(3)で受信され、前記第2の要求が前記端末(3)で生成されることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項3】
前記第1の要求を生成したモバイルステーション(MS)が前記端末(3)の第2の送受信可能範囲帯(12)内に位置する時に、前記第1の要求の受信が起こることを特徴とする請求項2に記載のデータ管理方法。
【請求項4】
前記工程a)およびb)において、第1の要求の生成および受信は、メッセージの臨機応変な交換によって達成されることを特徴とする請求項2または3に記載のデータ管理方法。
【請求項5】
前記第1の要求は、前記選択したサービスを表す第1の空間値を定義するデータを含むことを特徴とする請求項4に記載のデータ管理方法。
【請求項6】
前記工程c)において、前記端末(3)がその第3の送受信可能範囲帯(13)内に位置される時に、前記モバイルサービス手段(8)が前記第2の要求を受信することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のデータ管理方法。
【請求項7】
前記工程b)およびc)において、第2の要求の生成および受信が、メッセージの臨機応変な交換によって達成されることを特徴とする請求項6に記載のデータ管理方法。
【請求項8】
前記第2の要求は、前記選択したサービスを表す第2の空間値を定義するデータを含むことを特徴とする請求項6または7に記載のデータ管理方法。
【請求項9】
前記工程b)において、前記第1の要求は、通信モジュール(15)を備えた管理サーバ(S)で受信され、次に、一方でユーザモバイルステーション(MS)に近接する端末(3)の位置と、他方で前記端末の最も近くにあって前記第1の要求で定義された前記サービスを提供可能なモバイルサービス手段(8)の位置とが決定され、前記第2の要求が、前記サーバ(S)を介してこのモバイルサービス手段(8)に送信されることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項10】
前記工程b)において、前記最も近いモバイルサービス手段(8)の位置の決定は、前記複数のモバイルサービス手段(8)の全てに対してそれらのそれぞれの位置を報告するようにそれらのモバイルサービス手段(8)に依頼する補助要求を送付すること、次に、前記モバイルサービス手段(8)によって返送された応答を受信すると、それらの応答から前記端末(3)に最も近くであって前記第1の要求で定義された前記サービスを提供可能なモバイルサービス手段(8)を識別することを含むことを特徴とする請求項9に記載のデータ管理方法。
【請求項11】
前記工程b)において、前記最も近いモバイルサービス手段(8)の位置の決定は、前記複数からなり前記第1の要求で定義された前記サービスを提供可能なモバイルサービス手段のそれぞれの位置と前記端末(MS)の位置とを比較することによって達成されることを特徴とする請求項9に記載のデータ管理方法。
【請求項12】
前記工程a)において前記第1の要求は前記ユーザモバイルステーション(MS)の位置を含み、前記工程b)において端末(3)の位置は前記モバイルステーション(MS)の位置から決定されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のデータ管理方法。
【請求項13】
前記工程a)において前記第1の要求は、前記端末(3)の少なくとも位置を表す識別子を含み、前記工程b)において前記端末の少なくとも位置は、前記識別子から決定されることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載のデータ管理方法。
【請求項14】
前記第1の要求を受信した後に、情報が前記モバイルステーション(MS)に送られることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のデータ管理方法。
【請求項15】
前記情報の少なくとも幾つかは、前記最も近いモバイルサービス手段(8)が前記端末(3)に達するのに必要な時間を少なくとも表すことを特徴とする請求項14に記載のデータ管理方法。
【請求項16】
前記情報の少なくとも幾つかは、広告タイプの情報であることを特徴とする請求項14または15に記載のデータ管理方法。
【請求項17】
前記情報の少なくとも幾つかは、インターネットを介してアクセス可能な少なくとも1つの情報サイトアドレスを定義するデータを含むことを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載のデータ管理方法。
【請求項18】
公共輸送機関の分野において請求項1〜17のいずれか一項に記載のデータ管理方法の使用であって、
前記モバイルサービス手段(8)が、公共輸送車両、特にバスおよびコーチであり、前記端末(3)が全てのまたは一部のバス停であることを特徴とするデータ管理方法の使用。
【請求項19】
通信モジュール(1)を備えた少なくとも1つのユーザモバイルステーション(MS)と、少なくとも1つのサービスに関連する静止端末(3)と、通信モジュール(9;15)を備えて前記サービスを提供可能な複数のモバイルサービス手段(8)との間でのデータを管理するためのデバイスであって、
i)前記ユーザモバイルステーション(MS)内に組み込まれるように意図され、ユーザの指示によって、前記モバイルステーション(MS)に近接して組み込まれるとともに前記サービスに関連する端末(3)で選択されたサービスを得るための要求を定義するデータを含む第1の要求を生成可能な第1の制御手段(2)と、
ii)第1の要求を受信すると、前記端末(3)で選択したサービスを提供するための要求を定義するデータを含む第2の要求を生成可能な第2の制御手段(7;14)と、
iii)前記複数よりなる前記モバイルサービス手段(8)のそれぞれの中に組み込まれるとともに、関連する通信モジュール(9)によって第2の要求を受信した場合に、前記モバイルステーション(MS)のユーザによって要求された前記サービスを提供するように、関連するモバイルサービス手段(8)に前記端末(3)で停止するように指示可能である第3の制御手段(10)とを備えることを特徴とするデバイス。
【請求項20】
前記端末(3)の各々が、通信モジュール(6)を備えるとともに第2の制御手段(7)を含むことを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記モバイルステーション(MS)および前記端末(3)の前記通信モジュール(1,6)のそれぞれが、第1の送受信可能範囲帯(11)と第2の送受信可能範囲帯(12)とを有し、前記端末(3)の前記通信モジュール(6)は、第1の要求を生成したモバイルステーション(MS)が第2の送受信可能範囲帯(12)の中に位置された時に、第1の要求を受取るように配置されたことを特徴とする請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記モバイルステーション(MS)および前記端末(3)の前記通信モジュール(1、6)のそれぞれが、前記第1の制御手段(2)と第2の制御手段(7)によって送出されたデータを含むメッセージの臨機応変な交換によって第1の要求を生成かつ受領するように配置されたことを特徴とする請求項20または21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記第1の制御手段(2)が、前記選択したサービスを表す第1の空間値を定義する第1のデータを含む第1の要求を生成するように配置されたことを特徴とする請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記モバイルサービス手段(8)のそれぞれの通信モジュール(9)は、第3の送受信可能範囲帯(13)を有し、前記端末(3)がその第3の送受信可能範囲帯(13)内に位置した時に、第2の要求を受取るように配置されたことを特徴とする請求項20〜23のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記端末(3)および前記モバイルサービス手段(8)の前記通信モジュール(6、9のそれぞれが、前記第2の制御手段(2)と第3の制御手段(10)によって送出されたデータを含むメッセージの臨機応変な交換によって第2の要求を送信および受信するように配置されたことを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第2の制御手段(7)が、前記選択したサービスを表す第2の空間値を定義する第2のデータを含む第2の要求を生成するように配置されたことを特徴とする請求項24または25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第2の制御手段(14)が、通信モジュール(15)を備えたサーバ(S)に組み込まれており、第1の要求を受信すると一方でユーザモバイルステーション(MS)に近接する端末(3)の位置を決定するとともに、他方では前記端末(3)に最も近接して前記第1の要求で定義される前記サービスを提供可能にするモバイルサービス手段(8)を決定するように配置され、および、関連する通信モジュール(15)を介して前記第2の要求をモバイルサービス手段(8)に送出するように配置されたことを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第2の制御手段(14)が、関連する通信モジュール(15)によって第1の要求を受信すると、前記複数よりなる全てのモバイルサービス手段(8)に対してそれらの位置を報告するように依頼する補助要求を送出するように、次に、前記モバイルサービス手段(8)によって戻された返答を受信すると、それらの返答からどのモバイルサービス手段(8)が前記端末(3)に最も近接して前記第1の要求に定義される前記サービスを提供可能であるかを決定するように配置されたことを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第2の制御手段(14)が、関連する通信モジュール(15)によって第1の要求を受信すると、前記端末(3)に最も近接するモバイルサービス手段(8)を識別するために、前記複数からなり前記第1の要求で定義された前記サービスを提供可能なモバイルサービス手段(8)のそれぞれの位置と、前記端末(3)の位置とを比較するように配置されたことを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第2の制御手段(14)が、第1の要求を発したモバイルステーション(MS)の位置を決定するように、および前記端末(3)の位置を決定するように配置されたことを特徴とする請求項27〜29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1の制御手段(2)が、少なくとも前記端末(3)の位置を表す識別子を前記第1の要求に含むように配置され、前記第2の制御手段(14)が、受信された第1の要求に含まれる識別子から、少なくとも関連する端末(3)の位置を決定するように配置されたことを特徴とする請求項27〜29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第2の制御手段(7;14)が、第1の要求を受信した後に、前記モバイルステーション(MS)への情報の通信を可能とするように配置されたことを特徴とする請求項19〜31のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記第2の制御手段(7;14)が、前記最も近接するモバイルサービス手段(8)が前記端末(3)に到達するのに要する時間を表す情報を決定するように配置されたことを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記情報の少なくとも幾つかは、広告タイプの情報であることを特徴とする請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記情報の少なくとも幾つかは、インターネットを介してアクセス可能な少なくとも1つの情報サイトアドレスを定義するデータを含むことを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
モバイルステーションであって、
請求項19〜35のいずれか一項に記載のデバイスの通信モジュール(1)と第1の制御手段(2)とを含むことを特徴とするモバイルステーション(MS)。
【請求項37】
前記モバイルステーションが、携帯電話とパーソナルデジタルアシスタント(PDA)とを含むグループから選択されることを特徴とする請求項36に記載のモバイルステーション(MS)。
【請求項38】
端末であって、
請求項19〜35のいずれか一項に記載のデバイスの通信モジュール(6)と第2の制御手段(7)とを含むことを特徴とする端末(3)。
【請求項39】
前記端末が、バス停またはコーチ停、空港、および鉄道駅などを含むグループから選択される公共場所に設けられるように意図されたことを特徴とする請求項38に記載の端末(3)。
【請求項40】
輸送車両であって、
請求項19〜35のいずれか一項に記載のデバイスの通信モジュール(9)と第3の制御手段(10)とを含むことを特徴とする輸送車両(8)。
【請求項41】
前記車両輸送が、人々のための公共輸送を提供するように配置されたことを特徴とする請求項40に記載の輸送車両(8)。

【公表番号】特表2006−510239(P2006−510239A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549253(P2004−549253)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002997
【国際公開番号】WO2004/043035
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
Bluetooth
【出願人】(505026125)インリア・インスティテュート・ナショナル・ドゥ・ルシェルチェ・アン・インフォマティック・エ・アン・アートマティック (10)
【氏名又は名称原語表記】INRIA INSTITUT NATIONAL DE RECHERCHE EN INFORMATIQUE ET EN AUTOMATIQUE
【Fターム(参考)】