説明

モバイルネットワークシステムにおけるデータの優先制御方法

【課題】 モバイルネットワークシステムにおけるデータの優先制御方法を提供する。
【解決手段】 レイヤ2スイッチによって構成されたアクセスネットワークを有しており、エージェントは、端末のMACアドレス毎に、設定優先度とVLAN識別子と最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有し、端末が、希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージをエージェントへ送信するステップと、エージェントが、希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度を設定優先度に登録し、そうでない場合、希望優先度を設定優先度に登録し、更に、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを端末へ送信するステップと、端末が、設定優先度及びVLAN識別子をVLANタグの形式でデータパケットのデータリンクヘッダに含めて、該データパケットを送信する第3のステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイルネットワークシステムにおけるデータの優先制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット又はLANにおいて、ストリーミングデータパケットのようなリアルタイム性の高いパケットは、優先的に転送する必要がある。また、ネットワークの輻輳状態によっては、バッファ溢れによるパケット損失が生じるために、重要なデータパケットは、優先的に転送する必要がある。
【0003】
データリンクレベルにおけるデータパケットの優先制御をするプロトコルとしては、IEEE802.1QのVLAN(Virtual LAN)がある(例えば非特許文献2参照)。VLAN機能はレイヤ2スイッチに備えられ、データパケットのデータリンクヘッダに付与されたVLANタグによって、ワークグループ間のブロードキャスト又はマルチキャストが実現される。また、当該ネットワークにおけるデータパケットの相対的な優先度を指定することもできる。
【0004】
表1は、IEEE802.1Qによって規定されたフレーム構成図である。
【表1】

【0005】
表1によれば、データリンクヘッダは、MAC(Media Access Control)ヘッダと、4byteのVLANタグとから構成される。VLANタグは、プロトコルタイプ(2byte)と、優先度(3bit)と、CFI(Cononical Format Indicator)(1bit)と、VLAN識別子(12bit)とを有する。従って、優先度は0〜7の段階を指定でき、VLAN識別子は最高4095まで指定できる。
【0006】
VLAN機能を備えたレイヤ2スイッチは、ポート番号毎にVLAN識別子及び優先度を対応付けたテーブルを有する。勿論、同じポート番号に複数のVLAN識別子及び優先度を指定することも可能である。
【0007】
表2は、レイヤ2スイッチの有するテーブルである。
【表2】

【0008】
表2のテーブルを用いて、レイヤ2スイッチは、データパケットに仮想LANを提供するだけでなく、優先度に応じたデータパケットの優先制御も行う(優先度:低い0〜高い7)。優先制御は、レイヤ2スイッチのバッファにほぼ同時に、低い優先度のデータパケットと高い優先度のデータパケットとが蓄積されている場合、高い優先度のデータパケットを優先的に先に転送することをいう。従って、リアルタイム性の高いデータパケットについては、優先度を高く設定する。
【0009】
【非特許文献1】「IP Mobility Support」、RFC2002, Oct 1996.
【非特許文献2】「Virtual Bridged Local Area Networks」、IEEE Std 802.1Q、IEEE、2003年
【非特許文献3】W.Chen, L.Huang、「RSVP Mobility Support: A Signaling Protocol for Integrated Services Internet with Mobile Hosts」、IEEE INFOCOM、1997年4月
【非特許文献4】F. M. Chiussi, D. A. Khotimsky, S. Krishnan、「A Network Architecture for MPLS based Micro-Mobility」、IEEE WCNC、2002年3月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
モバイルネットワークにおいては、無線を介するために低い伝送速度で且つ低い通信品質となり、リアルタイム性の高いアプリケーションの使用は一般的でなかった。しかしながら、携帯電話機又は携帯情報端末の技術的な発展に伴って、ストリーミングデータのようなリアルタイム性の高いデータパケットを送受信する状況が増えつつある。
【0011】
従って、本発明は、モバイルネットワークシステムにおけるデータの優先制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の優先制御方法は、端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成されたアクセスネットワークと、該アクセスネットワークを介して端末と通信するエージェントとを有するモバイルネットワークシステムを対象とする。本発明によれば、
レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLANテーブルとデータ優先送受信部とを有し、
エージェントは、端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有しており、
端末が、希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、アクセスネットワークを介してエージェントへ送信する第1のステップと、
エージェントは、登録要求メッセージに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をVLANテーブルの設定優先度に登録し、そうでない場合、希望優先度をVLANテーブルの設定優先度に登録する第2のステップと、
エージェントが、GVRPのVLAN登録情報通知メッセージをレイヤ2スイッチへ送信する第3のステップと、
エージェントが、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、アクセスネットワークを介して端末へ送信する第4のステップと、
端末が、登録応答メッセージに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信する第5のステップと、
エージェントが、データパケットの宛先アドレスについてVLAN登録テーブルに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを端末へ送信する第6のステップとを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の優先制御方法は、端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成された第1のアクセスネットワークと、該第1のアクセスネットワークを介して端末と通信する第1のエージェントと、レイヤ2スイッチによって構成された第2のアクセスネットワークと、該第2のアクセスネットワークを介して第1のエージェントと通信する第2のエージェントとを有するモバイルネットワークシステムを対象とする。本発明によれば、
レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLANテーブルとデータ優先送受信部とを有し、
エージェントは、端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有しており、
端末が、希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、第1のアクセスネットワークを介して第1のエージェントへ送信する第1のステップと、
第1のエージェントは、登録要求メッセージに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度を登録要求メッセージの希望優先度に上書きし、更に、登録要求メッセージを第2のアクセスネットワークを介して第2のエージェントへ送信する第2のステップと、
第2のエージェントが、登録要求メッセージに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をVLAN登録テーブルの設定優先度に登録し、そうでない場合、希望優先度をVLAN登録テーブルの設定優先度に登録する第3のステップと、
第2のエージェントが、GVRPのVLAN登録情報通知メッセージをレイヤ2スイッチへ送信する第4のステップと、
第2のエージェントが、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、第2のアクセスネットワークを介して第1のエージェントへ送信する第5のステップと、
第1のエージェントが、登録応答メッセージに含まれる設定優先度及びVLAN識別子をVLAN登録テーブルに登録し、登録応答メッセージを第1のアクセスネットワークを介して端末へ送信する第6のステップと、
端末が、登録応答メッセージに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを第1のネットワークへ送信する第7のステップと、
第2のエージェントが、データパケットの宛先アドレスについてVLAN登録テーブルに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを第2のネットワークへ送信する第8のステップとを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の優先制御方法における他の実施形態によれば、
第1のアクセスネットワークが無線アクセスネットワークであり、第1のエージェントがパケット制御ノードであり、第2のアクセスネットワークがパケット交換ネットワークであり、第2のエージェントがパケットゲートウェイであることが好ましい。
【0015】
本発明の優先制御方法における他の実施形態によれば、
第1のアクセスネットワークが無線アクセスネットワーク及び/又はパケット交換ネットワークであり、1のエージェントがパケット交換ノードであり、第2のアクセスネットワークがIPネットワークであり、第2のエージェントがホームエージェントであってもよい。
【0016】
本発明の優先制御方法における他の実施形態によれば、ホームエージェントのVLAN登録テーブルは、バインディングリストであることも好ましい。
【0017】
また、本発明のモバイルネットワークシステムによれば、
端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成されたアクセスネットワークと、該アクセスネットワークを介して端末と通信するエージェントとを有しており、
レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLANテーブルとデータ優先送受信部とを有し、
エージェントは、
端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度を対応付けたVLAN登録テーブルを有し、登録要求メッセージに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をVLANテーブルの設定優先度に登録し、そうでない場合、希望優先度をVLANテーブルの設定優先度に登録し、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、アクセスネットワークを介して端末へ送信するVLAN登録手段と、
データパケットの宛先アドレスについてVLAN登録テーブルに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを端末へ送信するデータ送受信手段と、
GVRPのVLAN登録情報通知メッセージをレイヤ2スイッチへ放送的に送信するGVRP制御手段とを有しており、
端末は、
希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、アクセスネットワークを介してエージェントへ送信し、受信された登録応答メッセージに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を取り出すVLAN設定手段と、
VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信するデータ送受信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、市販の安価なレイヤ2スイッチを用いてパケット交換コアネットワーク及び無線アクセスネットワークを構成することにより、モバイルネットワークにおけるデータの優先制御をそのレイヤ2スイッチで実現しようとするものである。これにより、モバイルネットワークにおいても、データパケットのリアルタイム性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、図面を用いて、本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明における最も簡単なモバイルネットワークシステムの構成図である。
【0021】
図1のシステムによれば、端末MN(Mobile Node)6は、無線アクセスノードRAN(Radio Access Network)50に接続されている。無線アクセスノード50及び51は、レイヤ2スイッチL2SW(Layer 2 SWitch)7から構成される無線アクセスネットワーク1を介して外部エージェントFA(Foreign Agent)4に接続されている。外部エージェント4の他方は、アクセスネットワーク10に接続されている。図1のシステムの特徴的な点として、レイヤ2スイッチは、市販の安価なものであり、本発明を実現するのために特別の機能を備える必要はないことである。但し、レイヤ2スイッチは、GVRP(GARP VLAN Registration Protocol)対応のVLAN機能を備えている必要がある。
【0022】
GVRPとは、ネットワーク上でレイヤ2スイッチ同士がVLAN登録情報を交換し、自動的にポートのVLANメンバを登録する方法である。GVRPが有効になっているレイヤ2スイッチが、VLAN登録情報通知メッセージを放送的に送信し、そのメッセージを受信したレイヤ2スイッチは、そのVLAN登録情報を自動的に設定し、更に他の全てのポートにそのメッセージを転送する。結果として、VLAN登録情報は、ネットワークに接続された全てのレイヤ2スイッチに登録される。
【0023】
表3は、GVRPのフレーム構成図である。
【表3】

【0024】
GVRP(join)メッセージとして、JoinEmptyとJoinInとがある。JoinEmptyは、その優先度及びVID(VLAN識別子)が新たに登録されるべきものであることを示す。JoinInは、その優先度及びVIDは既に登録されたものであることを示す。従って、レイヤ2スイッチは、JoinEmptyを受信したとき、他のポートに対してもJoinEmptyを送信する。一方、JoinInを受信したとき、他のポートに対してJoinInを送信しない。
【0025】
外部エージェント4は、端末のMACアドレス及びIPアドレス毎に、設定優先度と、VLAN識別子と、最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有する。
【0026】
表4は、外部エージェント4が有するVLAN登録テーブルである。
【表4】

【0027】
設定優先度及びVLAN識別子の扱いは、IEEE802.1Qに規定されたものと全く同様である。最高許容優先度は、無線アクセスネットワーク1について、当該MACアドレス及びIPアドレスを送信元又は宛先とするデータパケットに許される最高優先度を予め登録したものである。従って、ストリーミングデータパケットであって且つ利用者が最高の優先度を希望したとしても、当該アクセスネットワークにおいては最高許容優先度に制限される。当然に、システムアドミニストレータの最高許容優先度は高く設定され、ゲストの最高許容優先度は低く設定されるであろう。
【0028】
図2は、図1のシステムにおけるシーケンス図である。
【0029】
図2は、端末6が移動先において位置登録をするシーケンスである。このシーケンスによれば、端末6が外部エージェント4へRRQ(Registration Request)を送信し、それに対応して外部エージェント4が端末6へRRP(Registration Reply)を送信する。本発明によれば、この位置登録のシーケンスによって、レイヤ2スイッチに自動的に優先度及びVLAN識別子が登録される。これにより、レイヤ2スイッチの優先制御を実現することができる。
【0030】
(S101)端末6は、利用者に、MACアドレス及びIPアドレスに対応する希望優先度及びVLAN識別子を設定させることができる。例えば、ディスプレイに表示された入力画面によって、希望優先度及びVLAN識別子を入力させることができる。ここでは、例えば、希望優先度7が設定されたとする。そして、端末6は、位置登録のためのRRQ(希望優先度7、VID)を無線アクセスノード50へ送信する。
【0031】
表5は、本発明におけるRRQのフレーム構成図である。
【表5】

【0032】
表2によれば、RRQは、その拡張部分にVLAN情報拡張部(Vlan Information Extension)を付加し、優先度7及びVLAN識別子が含まれる。尚、VLAN情報拡張部の形式は、必ずしもIEEE802.1QのVLANタグの形式と一致する必要はないが、優先度及びVLAN識別子は、VLANタグとして許容される値の範囲内のものでなければならない。
【0033】
(S102)RRQを受信したレイヤ2スイッチ7は、受信したそのままのRRQ(7,VID)を外部エージェント4へ転送する。
【0034】
(S103)RRQを受信した外部エージェント4は、端末6を認証した上で、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度を設定優先度に登録する。例えば、RRQに含まれる希望優先度が7であって、VLAN登録テーブルの最高許容優先度が5である場合、最高許容優先度5をVLAN登録テーブルに登録する。但し、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度以下である場合、希望優先度を設定優先度に登録する。
【0035】
(S104)外部エージェント4は、VLAN登録テーブルの設定優先度を更新したとき、通信可能なレイヤ2スイッチに対してGVRPのVLAN登録情報通知メッセージを放送的に送信する。
【0036】
(S105)GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを受信したレイヤ2スイッチ7は、自動的にVLANテーブルを更新する。レイヤ2スイッチは、前述した表2のようなVLAN登録情報テーブルを有する。
【0037】
(S106)外部エージェント4は、更に、RRQに応答して、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージRRPをレイヤ2スイッチ7へ送信する。ここで、RRPには、設定優先度5が含まれている。
【0038】
表6は、本発明におけるRRPのフレーム構成図である。
【表6】

【0039】
表6によれば、RRQと同様に、RRPの拡張部分にVLAN情報拡張部を備える。RRQと同様に、VLAN情報拡張部の形式は、必ずしもIEEE802.1QのVLANタグの形式と一致する必要はない。尚、RRQのVLAN情報拡張部と同じ形式であることが好ましい。
【0040】
(S107)RRPを受信したレイヤ2スイッチは、RRPを端末6へ転送する。
(S108)RRPを受信した端末6は、RRPのVLAN情報拡張部に含まれる設定優先度5を取得する。その後、端末6は、当該データパケットのVLANタグに含める優先度として、5を用いる。
【0041】
(S109)端末6は、RRPに含まれる設定優先度5及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信する。VLANタグは、前述した表1と同様に、IEEE802.1Qに規定されたものである。
【0042】
表7は、データのフレーム構成図である。
【表7】

【0043】
(S110)レイヤ2スイッチ7は、端末6から受信したデータパケットを、優先度5で優先制御して外部エージェント4へ転送する。従って、レイヤ2スイッチ7のバッファにほぼ同時に、優先度6のデータパケットが蓄積されている場合、優先度6のデータパケットが優先的に先に転送されることになる。
(S111)データパケットを受信した外部エージェント4は、外部ネットワークに対して転送する。
(S112)また、外部エージェント4は、外部ネットワークから端末6を宛先とするデータパケットを受信したとする。そのとき、外部エージェント4は、VLAN登録テーブルを参照して、そのMACアドレス及びIPアドレスに対応する設定優先度及びVLAN識別子を取り出す。その設定優先度及びVLAN識別子を、受信したデータパケットのデータリンクヘッダに、VLANタグの形式で含める。そして、そのデータパケットを、レイヤ2スイッチへ転送する。
(S113)レイヤ2スイッチ7は、端末6から受信したデータパケットを、優先度5で優先制御して端末6へ転送する。
【0044】
前述したシーケンスによれば、モバイルネットワークにおいて、レイヤ2スイッチ7がデータパケットの優先制御をすることができる。
【0045】
図3は、図1のシステムにおける機能構成図である。
【0046】
端末MN6は、VLAN設定部600と、データ送受信部601とを有する。
【0047】
VLAN設定部600は、3つの機能を有する。第1に、利用者に、MACアドレス及びIPアドレスに対応する希望優先度及びVLAN識別子を設定させる。第2に、位置登録のための登録要求メッセージRRQをレイヤ2スイッチへ送信する。このとき、RRQには、利用者によって指定された希望優先度及びVLAN識別子を含める。第3に、登録応答メッセージRRPを受信した際に、VLAN情報拡張部に含まれる設定優先度及びVLAN識別子を取得し、それらをデータ送受信部601へ通知する。
【0048】
データ送受信部601は、設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信する。
【0049】
レイヤ2スイッチ7は、データ優先送受信部700と、VLANテーブル701とを有する。
【0050】
データ優先送受信部700は、データパケットについて、データリンクヘッダに付与されたVLANタグの相対的な優先度に応じて、優先制御をする。このとき、データ優先送受信部700は、VLANテーブル701を参照する。
【0051】
VLANテーブル701は、前述した表2と同様に、ポート番号毎に優先度及びVLAN識別子を対応付けたテーブルを保持する。尚、レイヤ2スイッチは、本発明のための特別な機能を必要としない。
【0052】
外部エージェント4は、データ送受信部400と、VALN登録テーブル401と、GVRP制御部402とを有する。
【0053】
データ送受信部400は、レイヤ2スイッチと外部ネットワークとの間でデータを送受信する。また、データ送受信部400は、登録要求メッセージRRQを受信した際に、その希望優先度及びVLAN識別子をVLAN登録テーブル401へ通知する。
【0054】
VLAN登録テーブル401は、端末のMACアドレス及びIPアドレス毎に、設定優先度と、VLAN識別子と、最高許容優先度とを対応付けたものである。VLAN登録テーブル401は、RRQに含まれた希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度を設定優先度に登録する。一方、RRQに含まれた希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度以下である場合、希望優先度を設定優先度に登録する。また、VLAN登録テーブル401は、更新された旨をGVRP制御部402へ通知すると共に、設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージRRPをレイヤ2スイッチ7へ送信する。
【0055】
GVRP制御部402は、通信可能なレイヤ2スイッチに対してGVRPのVLAN登録情報通知メッセージを放送的に送信する。これにより、レイヤ2スイッチ7は、自動的にVLANテーブルを更新することができる。
【0056】
図4は、移動通信事業設備における実際のモバイルネットワークシステムの構成図である。
【0057】
図4によれば、パケット交換コアネットワークは、パケットゲートウェイPDSN(Packet Data Serving Node)3とパケット制御ノードPCF(Packet Control Function)40及び41との間を、レイヤ2スイッチL2SW70〜72によって構成したものである。パケットゲートウェイ3は、ゲートウェイルータを介してIPネットワーク10に接続されている。IPネットワーク10には、更にホームエージェントが接続されている。
【0058】
一方、無線アクセスネットワークは、パケット制御ノードPCF40及び41と、無線アクセスノードRAN50〜53との間を、レイヤ2スイッチL2SW73及び74によって構成したものである。無線アクセスノード50〜53は、無線を介して端末MN6と通信する。
【0059】
ここで、CDMA2000のネットワークシステムに適合させるべく、パケットゲートウェイをPDSNとし、パケット制御ノードをPCFとして対応付けている。携帯電話網に対応付けないならば、PDSNはGFA(Gateway Foreign Agent)であり、PCFはFA(Foreign Agent)である。
【0060】
一方、W−CDMAのネットワークシステムにおいては、パケットゲートウェイをGGSN(Gateway GPRS(General Packet Radio Service) Support Node)とし、パケット制御ノードをSGSN(Serving GPRS Support Node)として対応付けることができる。以下では、説明を容易にするために、主としてCDMA2000に対応付けて説明する。
【0061】
図5は、図4におけるシーケンス図である。
【0062】
(S201)端末6は、利用者に、MACアドレス及びIPアドレスに対応する希望優先度及びVLAN識別子を設定させる。そして、端末6は、位置登録のためのRRQ(希望優先度、VID)を無線アクセスノード50へ送信する。RRQを受信したレイヤ2スイッチ73は、受信したそのままのRRQをパケット制御ノード40へ転送する。
【0063】
(S202)RRQを受信したパケット制御ノード40は、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をRRQの希望優先度に上書きする。一方、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度以下である場合、RRQの希望優先度を変更しない。そして、パケット制御ノード40は、RRQをパケット交換ネットワーク11へ送信する。RRQを受信したレイヤ2スイッチ71->70は、受信したそのままのRRQをパケットゲートウェイ3へ転送する。尚、VLAN登録テーブルは、ビジタリストであってもよい。
【0064】
(S203)RRQを受信したパケットゲートウェイ3は、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をRRQの希望優先度に上書きする。一方、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度以下である場合、RRQの希望優先度を変更しない。そして、パケットゲートウェイ3は、RRQをIPネットワーク10を介してホームエージェントHA(Home Agent)2へ送信する。ホームエージェントとは、端末のホームネットワークに接続されているエージェントをいう。尚、VLAN登録テーブルは、ビジタリストであってもよい。
【0065】
(S204)RRQを受信したホームエージェント2は、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度よりも高い場合、最高許容優先度をVLAN登録テーブルに登録する。一方、RRQに含まれる希望優先度がVLAN登録テーブルの最高許容優先度以下である場合、希望優先度をVLAN登録テーブルに登録する。
【0066】
ここで、ホームエージェント2が有するVLAN登録テーブルは、バインディングリストであってもよい。従って、バインディングリストには、気付けアドレス以外に、優先度及びVIDが含まれる。ホームエージェント2を経由して転送されるデータパケットについては、バインディングリストに記録されている優先度及びVIDが、VLANタグの形式で、データリンクヘッダに含まれる。
【0067】
CDMA2000のネットワークシステムはホームエージェントを備えており、ホームエージェントが、RRQに応答してRRPを送信する。これに対し、W−CDMAのネットワークシステムは、ホームエージェントを備えていない。従って、この場合、パケットゲートウェイがRRQに応答してRRPを送信する。W−CDMAのネットワークシステムの場合、S204の処理ステップは、パケットゲートウェイが行うこととなる。
【0068】
(S205)RRPを受信したパケットゲートウェイ3は、RRPに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を取り出し、VLAN登録テーブル(ビジタリスト)に登録する。また、パケットゲートウェイ3は、VLAN登録テーブルの設定優先度を更新したとき、レイヤ2スイッチ70に対してGVRPのVLAN登録情報通知メッセージを放送的に送信する。GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを受信したレイヤ2スイッチ70は、自動的にVLANテーブルを更新する。
【0069】
(S206)パケットゲートウェイ3は、更に、RRPをレイヤ2スイッチ70へ転送する。RRPは、パケット交換ネットワーク11のレイヤ2スイッチで転送され、パケット制御ノード40によって受信される。
【0070】
(S207)RRPを受信したパケット制御ノード40は、RRPに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を取り出し、VLAN登録テーブル(ビジタリスト)に登録する。また、パケット制御ノード40は、VLAN登録テーブルの設定優先度に新しい優先度を登録したとき、レイヤ2スイッチ73に対してGVRPのVLAN登録情報通知メッセージを放送的に送信する。GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを受信したレイヤ2スイッチ73は、自動的にVLAN登録テーブルを更新する。
【0071】
(S208)パケット制御ノード40は、更に、RRPをレイヤ2スイッチ73へ転送する。RRPは、無線アクセスネットワーク13のレイヤ2スイッチで転送され、端末6によって受信される。RRPを受信した端末6は、RRPのVLAN情報拡張部に含まれる設定優先度を取得する。
【0072】
(S209)端末6は、RRPに含まれる設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信する。
(S210)レイヤ2スイッチ73は、端末6から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御してパケット制御ノード40へ転送する。
(S211)パケット制御ノード40は、レイヤ2スイッチ73から受信したデータパケットをレイヤ2スイッチ71へ転送する。
(S212)レイヤ2スイッチ71は、パケット制御ノード40から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御して他方のレイヤ2スイッチ70へ転送する。
(S213)レイヤ2スイッチ70は、パケット制御ノード40から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御してパケットゲートウェイ3へ転送する。
(S214)パケットゲートウェイ3は、レイヤ2スイッチ70から受信したデータパケットをIPネットワーク10へ転送する。
【0073】
(S215)ホームエージェント2が、IPネットワーク10からデータパケットを受信したとする。このとき、ホームエージェント2は、VLAN登録テーブルを参照し、データパケットのデータリンクにVLANタグを含めて、そのデータパケットをパケットゲートウェイ3へ送信する。パケットゲートウェイ3は、ホームエージェント2から受信したデータパケットを、パケット交換ネットワークのレイヤ2スイッチ70へ転送する。
(S216)レイヤ2スイッチ70は、パケットゲートウェイ3から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御してレイヤ2スイッチ71へ転送する。
(S217)レイヤ2スイッチ71は、レイヤ2スイッチ70から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御してパケット制御ノード40へ転送する。
(S218)パケット制御ノード40は、レイヤ2スイッチ71から受信したデータパケットを、無線アクセスネットワークのレイヤ2スイッチ73へ転送する。
(S219)レイヤ2スイッチ73は、パケット制御ノード40から受信したデータパケットを、VLANタグの優先度に応じて優先制御して端末6へ転送する。
【0074】
図6は、図4のシステムにおける機能構成図である。
【0075】
図6は、図3と比較して、端末MN6及びレイヤ2スイッチL2SW7の機能は全く同様である。図3のエージェントが、図6のパケット制御ノード、パケットゲートウェイ及びホームエージェントに相当する。尚、ホームエージェント2のVLAN登録部201は、バインディングリストを管理するものであってもよく、パケット制御ノード40及びパケットゲートウェイ3のVLAN登録部は、ビジタリストを管理するものであってもよい。W−CDMAのネットワークシステムのように、ホームエージェント2を備えない場合、パケットゲートウェイ3が、ホームエージェント2のVLAN登録部がRRQに対するRRPを応答することとなる。
【0076】
前述した本発明における種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略を、当業者は容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明における最も簡単なモバイルネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1のシステムにおけるシーケンス図である。
【図3】図1のシステムにおける機能構成図である。
【図4】移動通信事業設備における実際のモバイルネットワークシステムの構成図である。
【図5】図4におけるシーケンス図である。
【図6】図4のシステムにおける機能構成図である。
【符号の説明】
【0078】
1 アクセスネットワーク
10 アクセスネットワーク、IPネットワーク
11、12 アクセスネットワーク、パケット交換ネットワーク
13、14 アクセスネットワーク、無線アクセスネットワーク
2 ホームエージェント、HA
200 データ送受信部
201 VLAN登録部(バインディングリスト)
202 GVRP制御部
3 パケットゲートウェイ、PDSN、GGSN、ゲートウェイ外部エージェント
300 データ送受信部
301 VLAN登録部(ビジタリスト)
302 GVRP制御部
4、40、41 パケット制御ノード、PCF、SGSN、外部エージェント
400 データ送受信部
401 VLAN登録部(ビジタリスト)
402 GVRP制御部
50〜53 無線アクセスノード、RAN
6 端末、MN
600 VLAN設定部
601 データ送受信部
7、71〜74 レイヤ2スイッチ、L2SW
700 データ優先送受信部
701 VLANテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成されたアクセスネットワークと、該アクセスネットワークを介して前記端末と通信するエージェントとを有するモバイルネットワークシステムにおける優先制御方法において、
前記レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLANテーブルとデータ優先送受信部とを有し、
前記エージェントは、前記端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有しており、
前記端末が、希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、前記アクセスネットワークを介して前記エージェントへ送信する第1のステップと、
前記エージェントは、前記登録要求メッセージに含まれる前記希望優先度が前記VLAN登録テーブルの前記最高許容優先度よりも高い場合、前記最高許容優先度を前記VLANテーブルの前記設定優先度に登録し、そうでない場合、前記希望優先度を前記VLANテーブルの前記設定優先度に登録する第2のステップと、
前記エージェントが、GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを前記レイヤ2スイッチへ送信する第3のステップと、
前記エージェントが、前記設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、前記アクセスネットワークを介して前記端末へ送信する第4のステップと、
前記端末が、前記登録応答メッセージに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信する第5のステップと、
前記エージェントが、データパケットの宛先アドレスについて前記VLAN登録テーブルに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを前記端末へ送信する第6のステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成された第1のアクセスネットワークと、該第1のアクセスネットワークを介して前記端末と通信する第1のエージェントと、レイヤ2スイッチによって構成された第2のアクセスネットワークと、該第2のアクセスネットワークを介して前記第1のエージェントと通信する第2のエージェントとを有するモバイルネットワークシステムにおける優先制御方法において、
前記レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLANテーブルとデータ優先送受信部とを有し、
前記エージェントは、前記端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度とを対応付けたVLAN登録テーブルを有しており、
前記端末が、希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、前記第1のアクセスネットワークを介して前記第1のエージェントへ送信する第1のステップと、
前記第1のエージェントは、前記登録要求メッセージに含まれる前記希望優先度が前記VLAN登録テーブルの前記最高許容優先度よりも高い場合、前記最高許容優先度を前記登録要求メッセージの前記希望優先度に上書きし、更に、前記登録要求メッセージを前記第2のアクセスネットワークを介して前記第2のエージェントへ送信する第2のステップと、
前記第2のエージェントが、前記登録要求メッセージに含まれる前記希望優先度が前記VLAN登録テーブルの前記最高許容優先度よりも高い場合、前記最高許容優先度を前記VLAN登録テーブルの前記設定優先度に登録し、そうでない場合、前記希望優先度を前記VLAN登録テーブルの前記設定優先度に登録する第3のステップと、
前記第2のエージェントが、GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを前記レイヤ2スイッチへ送信する第4のステップと、
前記第2のエージェントが、前記設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、前記第2のアクセスネットワークを介して前記第1のエージェントへ送信する第5のステップと、
前記第1のエージェントが、前記登録応答メッセージに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を前記VLAN登録テーブルに登録し、前記登録応答メッセージを前記第1のアクセスネットワークを介して前記端末へ送信する第6のステップと、
前記端末が、前記登録応答メッセージに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを前記第1のネットワークへ送信する第7のステップと、
前記第2のエージェントが、データパケットの宛先アドレスについて前記VLAN登録テーブルに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを前記第2のネットワークへ送信する第8のステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
前記第1のアクセスネットワークが無線アクセスネットワークであり、前記第1のエージェントがパケット制御ノードであり、前記第2のアクセスネットワークがパケット交換ネットワークであり、前記第2のエージェントがパケットゲートウェイであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアクセスネットワークが無線アクセスネットワーク及び/又はパケット交換ネットワークであり、前記1のエージェントがパケット交換ノードであり、前記第2のアクセスネットワークがIPネットワークであり、前記第2のエージェントがホームエージェントであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ホームエージェントのVLAN登録テーブルは、バインディングリストであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
端末と、1つ以上のレイヤ2スイッチによって構成されたアクセスネットワークと、該アクセスネットワークを介して前記端末と通信するエージェントとを有するモバイルネットワークシステムにおいて、
前記レイヤ2スイッチは、GVRP対応のVLAN機能に基づくVLAN登録テーブルとデータ優先送受信部とを有し、
前記エージェントは、
前記端末のアドレス毎に、設定優先度、VLAN識別子及び最高許容優先度を対応付けたVLAN登録テーブルを有し、前記登録要求メッセージに含まれる前記希望優先度が前記VLAN登録テーブルの前記最高許容優先度よりも高い場合、前記最高許容優先度を前記VLANテーブルの前記設定優先度に登録し、そうでない場合、前記希望優先度を前記VLANテーブルの前記設定優先度に登録し、前記設定優先度及びVLAN識別子を含む登録応答メッセージを、前記アクセスネットワークを介して前記端末へ送信するVLAN登録手段と、
データパケットの宛先アドレスについて前記VLAN登録テーブルに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を、VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを前記端末へ送信するデータ送受信手段と、
GVRPのVLAN登録情報通知メッセージを前記レイヤ2スイッチへ放送的に送信するGVRP制御手段とを有しており、
前記端末は、
希望優先度及びVLAN識別子を含む登録要求メッセージを、前記アクセスネットワークを介して前記エージェントへ送信し、受信された前記登録応答メッセージに含まれる前記設定優先度及びVLAN識別子を取り出すVLAN設定手段と、
VLANタグの形式でデータリンクヘッダに含めて、データパケットを送信するデータ送受信手段とを有する
ことを特徴とするモバイルネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−80622(P2006−80622A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259619(P2004−259619)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】