説明

モバイル電子機器用カバー

【課題】ゲーム機器等のモバイル電子機器を手に持った状態でも、非接触型カードを容易に使用することができるモバイル電子機器用カバーを提供する。
【解決手段】モバイル電子機器1の少なくとも背面に装着されて該背面を覆うモバイル電子機器用カバー10において、前記モバイル電子機器1の背面を覆う部分に、非接触型カードAに対応した大きさのカード用収容部25が設けられ、前記カード用収容部25に収容された前記非接触型カードAと外部機器との間で非接触でデータの送受が可能となるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用のモバイル電子機器用カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)等に代表されるモバイル電子機器(例えば、特許文献1など)は、家庭内のみならず、電車内でも使用されることが多い。
【特許文献1】特開2002−370420公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば、ゲーム機器を電車内で使用中でゲームが未だ終了しない段階で下車したいときなどに、ゲーム機器をすぐに手放せない場合がある。この場合、ゲーム機器を片手に持った状態で、定期券や乗車券等として機能する非接触型カードをポケットなどから取り出すことになるが、ゲーム機器を手放せないために、その取り出しが煩雑となる。特に、他に手荷物を持っているときなどには、なおさら煩雑になる。
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、ゲーム機器等のモバイル電子機器を手に持った状態でも、非接触型カードを容易に使用することができるモバイル電子機器用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、モバイル電子機器の少なくとも背面に装着されて該背面を覆うモバイル電子機器用カバーにおいて、前記モバイル電子機器の背面を覆う部分に、非接触型カードに対応した大きさのカード用収容部が設けられ、前記カード用収容部に収容された前記非接触型カードと外部機器との間で非接触でデータの送受が可能となるように構成されている、ことを特徴とするモバイル電子機器用カバーである。ここで、「外部機器との間で非接触でデータの送受が可能となるように構成されている」とは、積極的にデータの送受を促進する意味ではなく、送受を妨げない意である。例えば、非接触型カードを外部に露出させるか、カバーが非接触型カードを被覆する場合には、非接触型カードを覆う部分の材質が透磁性を有し、送受を妨げないことを意味する。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記カード用収容部は、前記非接触型カードに対応した大きさのカード用収容凹部又はカード用収容ポケットによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記カード用収容凹部は、前記モバイル電子機器用カバーの外面に設けられ、前記外面には、前記非接触型カードを前記カード用収容凹部内に拘束するためのカード用拘束手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記カード用拘束手段は、前記カード用収容凹部の開口を塞ぐカード用蓋体によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記カード用拘束手段は、前記カード用収容凹部の開口の縁に形成され前記非接触型カードの縁を係止するカード用係止爪によって構成されていることを請求項3に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記カード用収容部は、前記モバイル電子機器用カバーの外面と平行な方向から抜差し可能なカード用入出口を備えていることを特徴とする請求項2から5いずれか一項に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記カード用収容部に収容される前記非接触型カードと前記モバイル電子機器との間には磁気シールドシートが介装されていることを特徴とする請求項1から6いずれか一項に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記カード用収容凹部は、前記モバイル電子機器用カバーの内面に設けられるとともに、前記モバイル電子機器用カバーの内面と平行な方向から抜差し可能なカード用入出口に連通されていることを特徴とする請求項2に記載のモバイル電子機器用カバーである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から8に記載の発明によれば、カード用収容部に非接触型カードを入れておけば、モバイル電子機器とその非接触型カードを使用する際に、モバイル電子機器をカード読取り機器等にかざすだけで済むことになる。
また、請求項7に記載の発明によれば、非接触型カードとモバイル電子機器の外面との間が磁気シールドされているので、非接触型カードの使用に伴って生じる危険性がある、データの授受を行うモバイル電子機器やカード読取り機等の誤動作などを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1実施形態から第4実施形態のモバイル電子機器用カバー10が適用されるモバイル電子機器の一例について図1を用いて説明する。
モバイル電子機器は折畳み式のゲーム機器1である。このゲーム機器1は、図1に示すように、機器本体1aと、機器本体1aの主面に被さる機器蓋体1bとが図示しないヒンジによって開閉自在に連結されている。ゲーム機器1には、機器本体1aおよび機器蓋体1bの主面中央部に、ディスプレイ2,3がそれぞれ設けられている。このうち、機器本体1aのディスプレイ2の左右には、操作ボタン4a,4bがそれぞれ配分されて設けられている。機器蓋体1bのディスプレイ3の左右には、スピーカの放音孔5a,5bがそれぞれ配分されて設けられている。
また、機器本体1aの前面中央にはカートリッジ差込み口6が設けられ、このカートリッジ差込み口6の両側には、ボリューム7,ヘッドホン/マイク接続端子8が設けられている。
また、図示はしないが、機器本体1aの後面中央にはカード差込み口が設けられ、このカード差込み口の左右にはACアダプタ接続コネクタ,タッチペンホルダー,ストラップフック等が適宜設けられ、さらに、左右端には、左右側面に亘る操作ボタンがそれぞれ設けられている。
ここで、カートリッジ差込み口6に差し込まれるカートリッジはゲーム用カートリッジであり、このゲーム用カートリッジにはコンピュータで読取り可能なゲーム進行プログラムや各種データが記憶されている。また、カード差込み口に差し込まれるカードはゲーム用カードであり、このゲーム用カードにはコンピュータで読取り可能なゲーム進行用プログラムや各種データが記憶されている。
なお、ゲーム機器1における主面とは、ゲームの進行に主に使われる面をいう。実施形態のゲーム機器1においては、ディスプレイ2,3が設けられている面をいう。そして、ゲーム機器1における背面とは、主面とは反対側の面をいう。
また、以下の説明においては、モバイル電子機器用カバー10がゲーム機器1に装着され、ゲーム機器1のカートリッジ差込み口6を手前側に位置させ、且つ、機器蓋体1bを閉じた状態を基準に、「前後」、「左右」、「上下」とすることとする。
【0015】
(第1実施形態)
図1から図6を用いて第1実施形態のモバイル電子機器用カバー10を説明する。
1.カバーの全体構造
第1実施形態のカバー10はプラスチック製で透磁性の下部カバー11及び上部カバー12によって構成されている。このうち、下部カバー11は機器本体1aを収容するもので、機器本体1aの背面と該背面に直交する4つの側面を被覆する。また、上部カバー12は機器蓋体1bを収容するもので、機器蓋体1bの背面と該背面に直交する3つの側面を被覆する。
【0016】
2.下部カバーの構造
下部カバー11は、図2に示すように、上方に開口する本体収容凹部11aを有し、その本体収容凹部11aには機器本体1aが背面側から嵌入される。
下部カバー11の左右側壁後部には、上方に突出する舌片状のフランジ13,13が1つずつ設けられている。フランジ13,13には軸孔13aが1つずつ形成されている。
下部カバー11の前側壁の内面の上縁には、下部カバー11の内方に向けて延びる機器用係止爪14が所定の間隔をおいて2つ形成されている。そして、本体収容凹部11aに機器本体1aが嵌入されたときに、機器用係止爪14,14が機器本体1aの主面の縁に係止されることによって、機器本体1aが本体収容凹部11a内に拘束されるようになっている。また、下部カバー11の前側壁には、本体収容凹部11a内に機器本体1aが嵌入されたときに、カートリッジ差込み口6,ボリューム7,ヘッドホン/マイク接続端子8を外部に露出させるための孔15,16,17が設けられている。カートリッジ差込み口6,ボリューム7,ヘッドホン/マイク接続端子8を外部に露出させるために、これら孔に代えて切欠きを設けてもよいことは勿論である。
下部カバー11の後側壁には、本体収容凹部11a内に機器本体1aが嵌入されたときに、機器本体1aの後側のカード差込み口,ACアダプタ接続コネクタ,タッチペンホルダー,ストラップフック及び操作ボタンを外部に露出させるための孔18,19,20,21が形成されている。
【0017】
3.上部カバー
上部カバー12は、図2に示すように、下方に開口する蓋体収容凹部12aを有し、その蓋体凹部12aには機器蓋体1bが背面側から嵌入される。ここで、蓋体収容凹部12aは前側壁及び左右側壁の3つの側壁によって画成されており、後方は開放されている。つまり、後側壁は設けられていない。
上部カバー12の左右壁後部には、後方へ突出する舌片22が1つずつ形成されている。舌片22,22の対向面にはピン23が1つずつ突設されている。各舌片22のピン22は、下部カバー11の各フランジ13の軸孔13aに左右方向外方から嵌合可能となっている。そして、各舌片22のピン22が各軸孔13aに左右方向外方から嵌合されることによって、上部カバー12が下部カバー11に回動自在に取り付けられるようになっている。
また、上部カバー12の前側壁の内面には、上部カバー12の内方に向けて延びる蓋体用係止爪24が所定の間隔をおいて2つ形成されている。そして、本体収容凹部12aに機器蓋体1bが嵌入されたときに、蓋体用係止爪24,24が機器蓋体1bの主面の縁に係止されることによって、機器蓋体1bが本体収容凹部12a内に拘束されるようになっている。
【0018】
上部カバー12の外面(上面)の幅方向中央部には後端寄りに、図3に示すように、上方(外方)に開口するカード用収容凹部(カード用収容部)25が設けられている。また、カード用収容凹部25には、該カード用収容凹部25の開口を塞いで非接触型カードAを該カード用収容凹部25に拘束するためのカード用蓋体26が設けられている。
このうち、カード用収容凹部25の大きさは、非接触型カードAに対応している。すなわち、第1実施形態のモバイル電子機器用カバー10の場合、カード用収容凹部25の平面的形状は非接触型カードAが入れるだけの形状となっており、深さは、非接触型カードAの厚みにカード用蓋体26の厚みを足した分よりもわずかに深くなっている。
カード用収容凹部25を画成する左右壁後部には、図示しない軸孔又はピンが設けられている。一方、カード用蓋体26の左右側壁には、図示しないピン又は軸孔が設けられている。そして、カード用収容凹部25の軸孔又はピンとカード用蓋体26のピン又は軸孔とを嵌合させることによって、カード用蓋体26はカード用収容凹部25に回動自在に取り付けられるようになっている。
また、カード用蓋体26の自由端部内面には下方に向けて延びる蓋体用係止爪27が所定の間隔をおいて2つ設けられている。一方、カード用収容凹部25の前側壁には、上記爪27,27に対応した位置に図示しな爪孔が設けられている。そして、カード用蓋体26を閉じた際にカード用収容凹部25の爪孔にカード用蓋体26の蓋体用係止爪27,27が嵌入されることで、カード用蓋体26が閉じた状態に保持されるようになっている。なお、カード用蓋体26の自由端部には人の爪を掛けるための切欠き28が設けられている。この切欠き28はカード用蓋体26を開く際に使用される。
【0019】
なお、ゲーム機器1が非接触型カードAの存在によってカード読取り機等からの電磁波の影響を受けるような場合には、カード用収容凹部25の底面に、磁気シールド材を塗布するか、磁気シールドシートを敷設するか、少なくとも非接触型カードAを入れる側のカバー部分を磁気シールド材含有の材料で構成するか、することが好ましい。また、磁気シールドシートを敷設する場合には貼付することが好ましい。
また、ゲーム機器1をカード読取り機等に当接する際の衝撃から保護するために、カバー10の外面又は角に柔軟な合成樹脂,ゴム、布等を貼っておくことが好ましい。
【0020】
4.カバーの作用
以上のように構成されたカバー10によれば、非接触型カードAを担持したゲーム機器1を例えば改札等のカード読取り機にかざすだけで、非接触型カードAに記憶された情報を例えばカード読取り機に読み取らせることができる。
【0021】
5.カバーの変形例
なお、第1実施形態のモバイル電子機器用カバー10では、カード用収容凹部25を上部カバー12側に設けているが、カード用収容凹部25を下部カバー11側に設けても良い。
【0022】
(第2実施形態)
図5から図8を用いて第2実施形態のモバイル電子機器用カバーを説明する。なお、この第2実施形態のモバイル電子機器用カバーにおいて、第1実施形態のモバイル電子機器用カバーと同様な要素は、同一の符号を付することによって、その説明を省略する。
【0023】
この実施形態のカバー10では、上部カバー12の内面(下面)の幅方向中央部には後端寄りに、図5に示すように、下方(内方)に開口するカード用収容凹部(カード用収容部)31が設けられている。このカード用収容凹部31は、3つのリブ29,29,29によって前側、左側及び右側が画成されており、後方は開放されている。つまり、後方のリブは設けられていない。このリブが設けられていない部分がカード用入出口を構成している。
カード用収容凹部31の大きさは、非接触型カードAの大きさに対応している。すなわち、第2実施形態のモバイル電子機器カバー10の場合、図6におけるVII−VII線断面およびVIII−VIII線断面で示す図7および図8に示すように、カード用収容凹部31の縦横及び深さは非接触型カードAの縦横及び厚みよりもわずかに大きくなっている。
また、上部カバー12の内面のカード用入出口近傍には、ゴム又はスポンジなどの弾性シート30が上部カバー12の後端に沿って貼着されている。この弾性シート30は、非接触型カードAをカード用収容部31に強く拘束するためのものである。非接触型カードAは、弾性シート30がなくとも、カード用収容部31に拘束されるが、弾性シート30があれば、弾性シート30によって非接触型カードAが強く上部カバー12の内面に押し付けられることになるので、拘束力は大きくなる。
また、上部カバー12には、蓋体収容凹部12aの幅方向中央に、前後方向に延びる指入れ用のスリット32が形成されている。このスリット32は、非接触型カードAをカード用収容部31から取り出す際に使用される。
【0024】
このように構成されたモバイル電子機器用カバー10では、非接触型カードAは、上部カバー12の裏面と、リブ29,29,29と、ゲーム機器1の機器蓋体1bの背面と、弾性シート30とによってカード用収容凹部31内に拘束される。なお、非接触型カードAのカード用収容部31に対する出し入れは、モバイル電子機器用カバー10をゲーム機器1に装着した状態で、上部カバー12の後端のカード入出口から行われる。
【0025】
以上のように構成されたカバー10によれば、非接触型カードAを担持したゲーム機器1を例えば改札等のカード読取り機にかざすだけで、非接触型カードAに記憶された情報を例えばカード読取り機に読み取らせることができる。
【0026】
なお、第2実施形態のモバイル電子機器用カバー10において、リブ29,29,29の下側にプラスチック製の板材を付設してカード用ポケット収容部とし、このカード用ポケット収容部に非接触型カードAを収容するようにしてもよい。
また、第2実施形態のモバイル電子機器用カバー10では、カード用収容凹部31を上部カバー12側に設けているが、カード用収容凹部31を下部カバー11側に設けても良い。
また、ゲーム機器1をカード読取り機等に当接する際の衝撃から保護するために、カバー10の外面又は角に柔軟な合成樹脂,ゴム、布等を貼っておくことが好ましい。
また、ゲーム機器1が非接触型カードAの存在によってカード読取り機等からの電磁波の影響を受けるような場合には、非接触型カードAと機器蓋体1bの背面との間に磁気シールドシートを介在させればよい。この場合、磁気シールドシートを機器蓋体1bの背面に貼付することが好ましい。カード用ポケット収容部の場合には、カード用ポケット収容部を画成する壁に磁気シールド構造を設けることができる。
【0027】
(第3実施形態)
図9を用いて第3実施形態のモバイル電子機器用カバーを説明する。なお、この第3実施形態のモバイル電子機器用カバーにおいて、第1実施形態のモバイル電子機器用カバーと同様な要素は、同一の符号を付することによって、その説明を省略する。
【0028】
この実施形態のカバー10では、下部カバー11の内面(上面)の幅方向中央部に、図9に示すように、上方(内方)に開口するカード用収容凹部(カード用収容部)33が設けられている。このカード用収容凹部33は、4つの側壁によって前後、左右が画成されている。
カード用収容凹部33の大きさは、非接触型カードAの大きさに対応している。すなわち、第3実施形態のモバイル電子機器カバー10の場合、カード用収容凹部33の縦横及び深さは非接触型カードAの縦横及び厚みよりもわずかに大きくなっている。
【0029】
このように構成されたモバイル電子機器用カバー10では、非接触型カードAは、ゲーム機器1の機器蓋体1bの背面によって、カード用収容凹部31内に拘束される。
【0030】
以上のように構成されたカバー10によれば、非接触型カードAを担持したゲーム機器1を例えば改札等のカード読取り機にかざすだけで、非接触型カードAに記憶された情報を例えばカード読取り機に読み取らせることができる。
【0031】
なお、第3実施形態のモバイル電子機器用カバー10では、カード用収容凹部33を下部カバー11側に設けているが、カード用収容凹部33を上部カバー12側に設けても良い。
また、ゲーム機器1をカード読取り機等に当接する際の衝撃から保護するために、カバー10の外面又は角に柔軟な合成樹脂,ゴム、布等を貼っておくことが好ましい。
また、ゲーム機器1が非接触型カードAの存在によってカード読取り機等からの電磁波の影響を受けるような場合には、非接触型カードAと機器本体1aの背面との間に磁気シールドシートを介在させればよい。この場合、磁気シールドシートを機器本体1aの背面に貼付することが好ましい。
【0032】
(第4実施形態)
図10から図11を用いて第2実施形態のモバイル電子機器用カバーを説明する。なお、この第4実施形態のモバイル電子機器用カバーにおいて、第1実施形態のモバイル電子機器用カバーと同様な要素は、同一の符号を付することによって、その説明を省略する。
【0033】
この実施形態のカバー10では、上部カバー11の外面(上面)の幅方向中央部に、上方(内方)に開口するカード用収容凹部(カード用収容部)34が設けられている。このカード用収容凹部34は、4つの側壁によって前後、左右が画成されている。
カード用収容凹部34の大きさは、非接触型カードAの大きさに対応している。すなわち、第4実施形態のモバイル電子機器カバー10の場合、カード用収容凹部34の縦横及び深さは非接触型カードAの縦横及び厚みよりもわずかに大きくなっている。
また、カード用収容凹部34の側壁の上縁には、カード用収容凹部34の内方に向けて延びるカード用係止爪35が所定の間隔をおいて複数形成されている。そして、カード用収容凹部34に非接触型カードAが入れられたときに、複数のカード用係止爪35が非接触型カードAの上面の縁に係止されることによって、非接触型カードAがカード用収容凹部34内に拘束されるようになっている。
【0034】
以上のように構成されたカバー10によれば、非接触型カードAを担持したゲーム機器1を例えば改札等のカード読取り機にかざすだけで、非接触型カードAに記憶された情報を例えばカード読取り機に読み取らせることができる。
【0035】
なお、第4実施形態のモバイル電子機器用カバー10では、カード用収容凹部34を上部カバー12側に設けているが、カード用収容凹部34を下部カバー11側に設けても良い。
また、ゲーム機器1をカード読取り機等に当接する際の衝撃から保護するために、カバー10の外面又は角に柔軟な合成樹脂,ゴム、布等を貼っておくことが好ましい。
また、ゲーム機器1が非接触型カードAの存在によってカード読取り機等からの電磁波の影響を受けるような場合には、カード用収容凹部25の底面に、磁気シールド材を塗布するか、磁気シールドシートを敷設するか、少なくとも非接触型カードAを入れる側のカバー部分を磁気シールド材含有の材料で構成するか、することが好ましい。また、磁気シールドシートを敷設する場合には貼付することが好ましい。
さらに、カード用収容凹部34を画成する1つの壁を欠損させ、その欠損部をカード入出口とし、そのカード入出口から非接触型カードを抜差しするようにしてもよい。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、モバイル電子機器としてゲーム機器を挙げたが、PDAその他携帯型のモバイル電子機器にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態に係るモバイル電子機器用カバーを示した斜視図である。
【図2】図1に示したモバイル電子機器用カバーの分解斜視図である。
【図3】図1に示したモバイル電子機器用カバーにおけるカード用収容部を示した斜視図で、カード用蓋体を開成した状態を示している。
【図4】図1に示したモバイル電子機器用カバーにおけるカード用収容部を示した斜視図で、カード用蓋体を閉成した状態を示している。
【図5】第2実施形態のモバイル電子機器用カバーを示した分解斜視図である。
【図6】図5に示したモバイル電子機器用カバーに非接触型カードの一部を挿入した状態を示した斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII線断面図で、モバイル電子機器用カバーに非接触型カードを収容した状態を示している。
【図8】図6におけるVIII−VIII線断面図で、モバイル電子機器用カバーに非接触型カードを収容した状態を示している。
【図9】第3実施形態のモバイル電子機器用カバーを示した斜視図である。
【図10】第4実施形態のモバイル電子機器用カバーを示した斜視図である。
【図11】図10に示したモバイル電子機器用カバーに非接触型カードを収容した状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ゲーム機(モバイル電子機器)
1a 機器本体
1b 機器蓋体
2,3 ディスプレイ
4a,4b 操作ボタン
10 モバイル電子機器用カバー
11 下部カバー
12 上部カバー
25 カード用収容凹部
26 カード用蓋体
31 カード用収容凹部
33 カード用収容凹部
34 カード用収容凹部
35 カード用係止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル電子機器の少なくとも背面に装着されて該背面を覆うモバイル電子機器用カバーにおいて、前記モバイル電子機器の背面を覆う部分に、非接触型カードに対応した大きさのカード用収容部が設けられ、前記カード用収容部に収容された前記非接触型カードと外部機器との間で非接触でデータの送受が可能となるように構成されている、ことを特徴とするモバイル電子機器用カバー。
【請求項2】
前記カード用収容部は、前記非接触型カードに対応した大きさのカード用収容凹部又はカード用収容ポケットによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項3】
前記カード用収容凹部は、前記モバイル電子機器用カバーの外面に設けられ、前記外面には、前記非接触型カードを前記カード用収容凹部内に拘束するためのカード用拘束手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項4】
前記カード用拘束手段は、前記カード用収容凹部の開口を塞ぐカード用蓋体によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項5】
前記カード用拘束手段は、前記カード用収容凹部の開口の縁に形成され前記非接触型カードの縁を係止するカード用係止爪によって構成されていることを請求項3に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項6】
前記カード用収容部は、前記モバイル電子機器用カバーの外面と平行な方向から抜差し可能なカード用入出口を備えていることを特徴とする請求項2から5いずれか一項に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項7】
前記カード用収容部に収容される前記非接触型カードと前記モバイル電子機器との間には磁気シールドシートが介装されていることを特徴とする請求項1から6いずれか一項に記載のモバイル電子機器用カバー。
【請求項8】
前記カード用収容凹部は、前記モバイル電子機器用カバーの内面に設けられるとともに、前記モバイル電子機器用カバーの内面と平行な方向から抜差し可能なカード用入出口に連通されていることを特徴とする請求項2に記載のモバイル電子機器用カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−135203(P2009−135203A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308872(P2007−308872)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【出願人】(505320687)有限会社ブライトンインターナショナル (1)
【Fターム(参考)】