説明

モリンダ・シトリフォリア葉汁および葉抽出物をベースとする製剤

特定の酵素を阻害し、このような阻害が多様な健康上の利益をもたらす方法および組成物を提供する。より詳しくは、以下:HMG−CoAレダクターゼ、ホスホジエステラーゼ(3および4)PDE3およびPDE4、5−リポキシゲナーゼ(LOX)および15−LOX、キサンチンオキシダーゼ(XO)、γアミノ酪酸(GABA)ならびに2番目に最も一般的なヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害するために、以下:ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、および/またはローストリーフ(Roast Leaf) のうち1種以上を用いる方法および組成物を提供する。さらに、前述の酵素阻害は、疼痛および炎症を軽減すること、前立腺癌を治療すること、コレステロールレベルを下げること、II型糖尿病に対抗すること、乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持すること、喘息およびアレルギーの作用を寛解させること、エネルギーを改善すること、インスリン分泌を改善すること、腎臓結石の蓄積を減少させること、痛風の作用を軽減すること、てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にすること、ならびに薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供することをもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の酵素を阻害し、このような阻害が種々の健康上の利点をもたらす方法および組成物に関する。より詳しくは、本発明は、以下:HMG−CoAレダクターゼ;ホスホジエステラーゼ(3および4)PDE3およびPDE4;5−リポキシゲナーゼ(LOX)および15−LOX;キサンチンオキシダーゼ(XO);γアミノ酪酸(GABA)ならびに2番目に最もよく見られるヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害するために、以下:ノニ葉抽出物;ノニ葉汁;および/またはローストリーフ(Roast Leaf)のうち1種以上を用いることに関する。
【0002】
さらに、前記の酵素阻害は、疼痛および炎症を軽減すること;前立腺癌を治療すること;コレステロールレベルを下げること;II型糖尿病に対抗すること;乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限の完全性を維持すること;喘息およびアレルギーの作用を寛解させること;エネルギーを改善すること;インスリン分泌を改善すること;腎臓結石の蓄積を減少させること;痛風の作用を軽減すること;てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にすること;および薬物の中毒になっている人に緩和効果を提供することをもたらす。
【背景技術】
【0003】
人々は健康をますます気にするようになってきている。毎年、種々の命に関わる疾患および病気が人々の健康を脅かし、疾患を治療および予防する治療および医薬を見い出す努力が継続している。さらに、研究によれば、包括的な、新規の初期の予防および検出戦略が、健康な生活の可能性を高め、その結果、癌はより予防可能および治癒可能であり、肥満症および成り行き、例えば、糖尿病ならびに心臓および血管の疾患は大幅に低減され、精神疾患、神経系の疾患および行動疾患の原因はより理解され、管理されると示されている。
【0004】
このような初期の予防および検出戦略として、特定の酵素の成長を阻害する効果を有する物質を用い、このような阻害が健康の改善をもたらすことが挙げられる。実際、保険社会福祉省(Department of Health and Human Services)は、新規薬物および技術革新は迅速に承認されており、このような科学の進歩が、すべての慢性疾患の苦しみをある程度まで低減させていると報告している。
【0005】
5−LOXおよび15−LOX
特に、2種の酵素が阻害されると、特定の疾患の罹患率および可能性が低減される。具体的には、酵素5−および15−リポキシゲナーゼ(別名、5−および15−LOX)は、疼痛および炎症を伴う病気を軽減し、ならびに、特定の前立腺癌の罹患率を減少させ、治療する。
【0006】
第1に、LOX阻害の背後にある機序を理解することが、疼痛および炎症の軽減を一般的に理解することにつながる。また、身体の領域における疼痛および炎症をどのように抑制するかを理解することが、疼痛および炎症と関連している多様な病気、特に、前立腺癌および神経障害(すなわち、神経保護)と関連している疾患をどのように治療および予防するかを理解することにつながる。したがって、以下の議論は、このような理解を促進するために提供される。
【0007】
背景として、5−および15−LOXは、アラキドン酸から活性代謝物を生成し、これが炎症を引き起こす。より具体的には、エイコサノイドは、膜において連続合成される、少なくとも3つの二重結合を含む20炭素の脂肪酸鎖である。4つの主要なクラスのエイコサノイド、すなわち、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサンおよびロイコトリエンがあり、それらはすべて主にアラキドン酸から作られる。ロイコトリエンを除くすべての合成は酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を必要とし、ロイコトリエンの合成は酵素リポキシゲナーゼ(LOX)を必要とする。エイコサノイドは、以下に論じられるその他のことの中でも、疼痛、発熱および炎症において重要な役割を果たすので、これらの合成経路は多数の治療薬の標的となっている。
【0008】
現在、疼痛および炎症関連の病気を治療するための、業界において利用可能な薬物の例として、コルチゾンなどのコルチコステロイドホルモンが、例えば、エイコサノイド合成経路の第1のステップにおいてホスホリパーゼの活性を阻害し、非感染性炎症性疾患、例えば、いくつかの形の関節炎を治療するために臨床上広く用いられている。さらに、アスピリンおよびイブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬は、対照的に、シクロオキシゲナーゼによって触媒される第1の酸化ステップをブロックする。分娩時に子宮において多量に産生され、子宮平滑筋細胞の収縮を刺激する特定のプロスタグランジンは、中絶を導くための薬理学的物質として広く用いられている。現在利用可能な多数の薬物が、疼痛および炎症を低減させるが、それらはまた、望ましくない副作用も有する。
【0009】
さらに詳細には、5−LOXおよび15−LOX経路の酵素は、炎症を引き起こすアラキドン酸から活性代謝物を生成する。これは、ロイコトリエンを組織培養に添加した場合の炎症の初期徴候という証拠に加えて、急性および慢性炎症性病変双方における高レベルのロイコトリエンの同定の両方によって示されている。ロイコトリエンは、急性および慢性炎症ならびにアレルギー反応疾患に関与している脂質性メディエーターのファミリーである。それらはアラキドン酸の生物学的に活性な代謝物であり、喘息、関節炎、乾癬および炎症性腸疾患をはじめとする炎症性疾患の病理学的徴候に関係している。ロイコトリエン(LTまたはLT類)の生合成は、酵素5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)による、アラキドン酸の、LTA4(ロイコトリエンの形成の中核をなす中間体)として知られる不安定なエポキシドへの酸化で始まる。LTA4は、酵素LTA4加水分解酵素によって強力な化学誘引物質LTB4にさらに変換される場合もあるし、またはLTC4シンセターゼ(LTC4S)として知られる特異的ミクロソームGSH S−トランスフェラーゼ(MGST)によってグルタチオン(GSH)と結合してLTC4を生成する場合もある。LTC4は、LTC4、LTD4およびLTE4を含むシステイニル−ロイコトリエン(cys−LT)の親化合物である。これら3種のシステイニル−ロイコトリエンは、特に、呼吸器系および循環器系における強力な平滑筋収縮剤である。これらは少なくとも2種の細胞受容体、CysLT1およびCysLT2を介して媒介される。CysLT1受容体は、7回膜貫通領域を含むG−タンパク質共役受容体である。CysLT類が炎症性疾患およびアレルギー反応疾患、特に、喘息において極めて重要な役割を果たすことを明確に実証する、集められた多量のデータがある。
【0010】
これらの脂質性メディエーターは冠動脈血管を収縮させ、心拍出量効率の低減をもたらす、深刻な血行力学作用を有するということも確立されている。さらに、CysLT類は、培養HUVECにおいてフォンウィルブランド因子の分泌およびP−セレクチンの表面発現を誘導することもわかっている。フォンウィルブランドは遺伝病である。最も一般的な種類および人々に最もよく知られているものは、血友病である。
【0011】
さらに、システイニルLT類は、好酸球、肥満細胞およびマクロファージによって主に分泌され、これらが血管拡張を引き起こし、後毛細管細静脈透過性を高め、気管支収縮および粘液分泌を刺激する。さらに、慢性骨髄性白血病(CML)の患者から得た末梢血顆粒球懸濁液およびヒト骨髄由来骨髄系前駆細胞において、ロイコトリエンLTC4シンターゼ活性の上昇が観察されたということが観察されている。喘息では、システイニルロイコトリエンが患者の肺胞洗浄液中に存在する。
【0012】
したがって、5−LOXおよびロイコトリエンシンターゼの存在は、気管支喘息の患者ならびに先に論じられた病気を患う患者の診断において臨床上重要である。結果として、5−LOX阻害は、これらの患者に、病気または疾患からの軽減または治療を提供する。
【0013】
さらに、エイコサノイド(やはり、LOX経路によるアラキドン酸の代謝によって生成する)はまた、前立腺癌の病因に関係している。LOX発現は、腫瘍促進、進行および転移を助長する。また、腫瘍増殖および転移におけるLOX発現および機能の関与が、ヒト腫瘍細胞株において報告されている。前立腺癌患者および正常前立腺組織における5−LOXの発現、ならびに2種の前立腺癌細胞株(PC3、DU−145)(1)において、細胞増殖に対するその阻害剤の効果が調べられた(1)。5−LOXタンパク質の発現は、免疫組織化学によって検出した。前立腺癌細胞増殖に対するLOX阻害剤の効果は、濃度および時間依存性に前立腺癌細胞の著しい減少を引き起こした(2)。実際、LOX阻害剤は、アポトーシスを介してPC細胞の著しい阻害を引き起こした。したがって、LOXが前立腺癌において誘導されるので、LOX阻害剤は、前立腺癌細胞に対して強力な抗増殖作用を媒介する可能性がある。言い換えれば、LOXは、前立腺癌の治療において比較的新しい標的であり、5−LOX阻害は実行可能な治療を提供し得る。
【0014】
さらに、5−LOXは、CNSニューロンをはじめ、脳において発現される。生理学的役割は、脳における腫瘍増殖と関連している炎症であり得る。実際、高い5−LOX発現が、増殖している脳細胞において検出され、ひいては、5−LOX阻害剤を用いて腫瘍細胞増殖の減少および/または腫瘍細胞の破壊が達成される(3)。
【0015】
結果として、5−および15−LOX酵素を阻害し、その結果、前述の疾患および病気の苦しみをある程度まで低減させる物質および組成物を提供することは有利である。さらに、5−および15−LOXを阻害し、多様な癌、神経系の障害などの疾患およびその他の疾患の集まりの予防および治療を可能にする物質および組成物を提供することはさらに有利である。
【0016】
HMG−CoAレダクターゼ
HMG−CoA阻害がどのようにコレステロールを下げるかを理解するために、以下の背景が提供される。コレステロールは、脊椎動物の身体組織および血漿中に見られる脂肪脂質である。コレステロールは、脳、脊髄および肝臓において高濃度で見ることができる。肝臓は、コレステロール生合成の最も重要な部位であるが、その他の部位として、副腎および生殖器が挙げられる。水におけるコレステロールの不溶性が、アテローム性動脈硬化症、主要な血管の内側でのコレステローのプラークおよびその他の脂質の病的な沈着、冠動脈疾患と関連している状態の発生における因子である。
【0017】
最近の研究により、コレステロールが結合するようになる相対存在量リポタンパク質が、血管におけるコレステロール積層の真の原因である可能性があると示されている。高密度リポタンパク質(HDL)は、コレステロールを、排泄のために血流から運び出すが、低密度リポタンパク質(LDL)は、多様な身体の細胞によって使用するためにそれを系の中に戻し入れる。研究者たちは、血流中のHDLおよびLDLレベルは、少なくともコレステロールレベルと同程度に重要であり得ると考えており、現在では、心疾患の危険を調べるために両方を測定している。
【0018】
血管において健常なコレステロールレベルを維持することは、ヒトをはじめとする多数の生物の健康にとって重要である。コレステロール合成は、スタチンと呼ばれる化合物の種類によって効率的にブロックできる。スタチンは、HMG−CoAレダクターゼ、生合成経路における基本的制御点の強力な競合阻害剤(Ki<1nM)である。HMG−CoAレダクターゼは、特に、コレステロール合成に関与している。HMG−CoAレダクターゼの阻害は、過剰のコレステロール生成を減少させる。スタチンと胆汁塩再吸収の阻害剤の両方を投与された多数の患者において、血漿コレステロールレベルは50%低下する。HMG−CoAレダクターゼの阻害剤は、工業化社会における死亡の主な原因であるアテローム性動脈硬化症を患うヒトにおいて、血漿コレステロールレベルを下げるために広く用いられている。
【0019】
1998年の研究は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、内皮の一酸化窒素合成酵素を介して卒中から保護すると報告した。虚血性卒中の治療は、血液凝固カスケードをブロックし、その結果、動脈の内側にプラークが形成されない予防薬に制限される。動脈の内側のプラーク形成は、循環血液量を減少させ、血流を制限し、それによって血圧を異常レベルに高める。この研究は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、内皮のNO合成酵素(eNOS)の選択的アップレギュレーションを含む、同定されていない機序によって脳損傷から保護するコレステロール低下剤であるということを初めて示した。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を用いる予防的処置が、脳血流を増大させ、ひいては、脳梗塞の大きさを減少させ、最終的に、正常コレステロール値のマウスにおいて神経学的機能を改善する。この研究は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、血流を増大させ、脳虚血(動脈血の流入の閉塞による局在組織貧血)の際の脳損傷を減少させるための予防的処置戦略を提供すると結論付けた。
【0020】
2003年のもう1つの研究は、心血管疾患に対するHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の効果を報告した。この研究は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、HMG−CoAレダクターゼの作用を遮断することによって循環LDLコレステロールのレベルを低下させるということを見い出した。いくつかの臨床試験では、コレステロールを低下する利点のほかに、以下のさらなる利点:血管反応性、ホメオスタシス、プラーク安定性の改善、単球接着および浸潤の減少などの炎症誘発性事象の減少が発見された。これらの利点は、何故スタチンが心血管疾患を治療または予防するのに役立つかの説明となる。
【0021】
市場に出回っている多数の種類のスタチンは、HMG−CoAレダクターゼ酵素を阻害するよう設計されている。いくつかの薬物は合成され、いくつかの薬物は天然の供給源から、例えば、真菌から誘導される。スタチンまたはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤のいくつかの例として、以下がある:商標名メバコール(商標)で市販されるロバスタチン、商標名ゾコール(商標)で市販されるシンバスタチン、商標名プラバコール(商標)で市販されるプラバスタチン、商標名レスコール(商標)で市販されるフルバスタチンおよび商標名リピトール(商標)で市販されるアトルバスタチン。
【0022】
上記のように、スタチンはヒト身体にとって多数の有益な効果を有する。しかし、スタチンもまた、多数の薬物と同様に、多様な既知の望ましくない副作用を有する。例えば、既存のスタチンのいくつかの共通する副作用として、筋肉圧痛またはひりひりする痛み、原因不明の筋肉疼痛、全身倦怠、疲労および脱力感、発熱、脱力感およびインフルエンザに似た病気が挙げられる。さらに、スタチンは、一般に、肝臓疾患を有するヒト、妊娠しているヒトまたは妊娠しようとしているヒト、授乳中であるヒトまたは1日当たり1〜2本のアルコール飲料より多くを飲むヒトには推奨されていない。
【0023】
2002年には、ホモシステインがHMG−CoAレダクターゼ酵素の調節されていない発現を誘導し、これが身体におけるコレステロールの生成を増大させるということが報告された。このようにして、ホモシステインは一酸化窒素の生成を抑制する。スタチンおよびスタチン様薬物の投与は、コレステロール合成を低減させ、内皮機能を改善し、それによって、心血管の健康を回復させる。
【0024】
血中コレステロールの上昇は、冠動脈心疾患(CHD)、米国における死亡原因の第1位の主要な修正可能な危険因子の1つである。CHDは、毎年、約490,000の死亡の原因となっており、狭心症および非致死性心筋梗塞(MI)が実質的な死亡率の原因である。CHDは、医療費および生産性の損失において、米国において1995年には600億ドルを超える費用がかかっていると見積もられている。臨床事象は、症状の発現の何年も前に始まる多因子性プロセスの結果である。剖検研究により、多数の青年および若年成人においてアテローム性動脈硬化症の初期病変が検出された。アテローム性動脈硬化症および症候性CHDの発現は、遺伝性脂質障害、例えば、家族性高コレステロール血症(FH)および家族性複合型高脂血症(FCH)を有するヒトの間では、より早い。
【0025】
血液脂質(通常、血清レベルとして測定される)と、冠動脈アテローム性動脈硬化症の間の因果関係は、疫学的研究、病理学的研究、動物研究、遺伝学的研究および臨床研究により支持されている。高コレステロールは、CHDの危険因子である。CHDは多因子性プロセスであるが、CHDを発症するか、発症しない個体間を十分に区別する高コレステロールという定義はない。高い総コレステロールと関連している危険は、主に高レベルの低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)によるものであるが、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)レベルとCHDの危険の間には強力な依存および逆相関がある。
【0026】
したがって、HMG−CoAレダクターゼ酵素を阻害する物質を提供し、それによって、多数の健康に悪い副作用の危険を伴わずに過剰のコレステロールを阻害することは有利である。
【0027】
PDE3およびPDE4
ホスホジエステラーゼは、PDEとしても知られる、ヒト身体において見られる酵素の群である。PDEは、身体において化学物質、cAMPと反応し、cAMPは正常な細胞の機能にとって必要である。
【0028】
多数の理由の中でも、PDEを阻害すると有益であることとして以下が挙げられる:喘息およびアレルギー患者の苦しみを軽減すること、身体エネルギーを高めること。具体的には、アレルギーは、身体の1ヶ所以上の部位におけるアレルゲンに対する過剰反応である。同様に、喘息、気道疾患は、気道における過剰反応によるものである。アレルギーは、アレルゲンが身体組織に入り、これらの細胞がアレルゲンに出会い、IgE抗体が放出される時に始まる。IgE抗体は、組織においてマスクセル(mask cell)と結合する。これが、ヒスタミンの分泌と相まって、アレルギーをもたらす。したがって、IgEの放出を制御することにより、アレルギーは停止される。
【0029】
研究により、cAMPはIgEの放出を制御するということが示されている。PDEを阻害することを用いて、身体におけるcAMPのレベルを高めた。このようにして、PDE阻害剤はアレルギーおよび喘息患者に役立つ。
【0030】
PDE阻害剤はまた、発作の間に喘息患者の役に立つ。喘息発作の間、気道の周囲の筋肉は、収縮し、炎症を起こしており、cAMPが気道の周囲の筋肉を弛緩させる。したがって、PDEを阻害することによって、cAMPのレベルが高まり、気道の周囲の筋肉を弛緩させるのに役立ち、喘息発作と闘い、治療するのに役立つ。
【0031】
PDE阻害剤はまた、身体エネルギーを高める。身体は、グルコースを用いることによってエネルギーを生成する。エネルギーを必要とする身体は、グルカゴンを変換することによってグルコースを生成する。この変換プロセスは、肝臓細胞とcAMPを含む脂肪細胞の両方を含む。PDE阻害剤は、cAMPのレベルを高めることによって身体エネルギーを高める。
【0032】
同様に、PDE阻害剤は、インスリン分泌を高め、ひいては、II型糖尿病に伴う症状を軽減および治療することができる。米国糖尿病協会(The American Diabetes Association)は、糖尿病を有するヒトの91パーセントがII型糖尿病を有すると推定している。インスリン分泌が実質的に存在しない、膵臓β細胞破壊に起因するI型糖尿病、自己免疫疾患とは対照的に、II型糖尿病は、種々の重篤度の損なわれたインスリン分泌およびインスリンを適切に利用できないこと(インスリン抵抗性)による。インスリン顆粒は、膵臓β細胞から分泌される。インスリン放出の制御に関与する2種類のイオンチャネル、カリウムおよびカルシウムチャネルがある。血糖値が上昇すると、カリウムチャネルは閉じ、カルシウムチャネルが開き、β細胞へのカルシウムイオンの流入を導く。得られたβ細胞におけるカルシウムイオンの増大がインスリンの放出の引き金となる。血糖値が下がると、カリウムチャネルが再び開き、インスリンの放出が減少する。PDE阻害剤は、インスリン分泌を増大させるので、II型糖尿病に関連する病気を治療および軽減するようにも働く。
【0033】
したがって、当業者には理解されるであろうが、PDE阻害剤は、上記で説明された理由のために有益である。
【0034】
キサンチンオキシダーゼ
多数の疾患または疾患の症状は、身体における特定の代謝産物の欠乏または過剰から生じている。キサンチンオキシダーゼ(XO)は、ほとんどの種(細菌からヒトまで)において見られるフラボプロテイン酵素である。一般に、XOは、プリン基質の酸化的水酸化と、その後の、活性酸素種(ROS)、スーパーオキシドアニオンラジカルまたは過酸化水素のいずれかの生成(酸化的半反応)を伴うフラビン中心でのO2の還元を触媒する。XOが参加する特定の反応の1つとして、ヒポキサンチンの酸化およびキサンチンの酸化がある。XOは、ヒポキサンチンのキサンチンへの、次いで、尿酸への酸化を触媒する。尿酸は、痛風において重要な役割を果たす。XOの阻害は、尿酸レベルを低下させ、抗高尿酸血性効果をもたらす。アロプリノールは、痛風および痛風様疾患の治療に用いられるキサンチンオキシダーゼ阻害剤として処方される。XO血清レベルは、肝炎、炎症、虚血再潅流、発癌および加齢のような多様な病理学的状態において大幅に高まっており、酵素的プロセスにおいて生成されるROSは、酸化的損傷に関与している。さらに、XO阻害はまた、腎臓結石の蓄積を減少させ、哺乳類の心血管の健康を向上させ得る。
【0035】
したがって、この酵素的経路の阻害が治療上有益であろうという可能性がある。
【0036】
GABA(4)
GABAは、γ−アミノ酪酸を表す化学物質である。異常なレベルのGABAが、発作を引き起こし、そのため、多数の医療従事者がこの酵素を阻害し、発作の発生率および痙攣活性を低下させる物質を捜している。すなわち、メッセージ送達システムの調和を促進し、発作を効率的に避ける新規治療が望ましい。
【0037】
具体的にが、てんかんは、反復発作を経験するヒトの疾患である。専門家は、この病気は、最も蔓延している神経疾患の1つであり、アメリカ人のおよそ1パーセント、約250万人を苦しめていると示唆している。発作は、健常な子供、成人および高齢者ならびに脳損傷などのその他の障害を有するヒトにおいても起こり得る。
【0038】
従来の薬物療法は、すべての患者にとってうまくいくものではなく、多数の副作用を持っている。したがって、GABAを阻害し、副作用がほとんどないか、全くない物質を提供することが望ましい。
【0039】
GABAはまた、中枢神経系との関わりも有する。言い換えれば、GABAは、CNS抑制剤である。また、GABAは、シナプス中に放出されると、受容体と結合し、脳活動を抑制する。そのため、GABAが阻害されると、薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供する。
【0040】
したがって、GABAを阻害する物質および化合物を提供することは有利である。
【0041】
2番目に最も一般的なヒト皮膚癌細胞株の増殖の阻害(5)
ヒト類表皮癌A431細胞は、2番目に最も一般的な皮膚癌細胞である。A−431細胞株は腫瘍原性であり、免疫抑制されたマウスにおいて迅速に増殖する皮下腫瘍を、また軟寒天においてコロニーを形成する。また、皮膚の扁平上皮癌としても知られるA431(すなわち、皮膚の類表皮癌)は、上皮ケラノサイトの悪性腫瘍、前世紀にわたって相当に頻度が増えた状態である。これは、一部には、進行中の保護オゾン層の減少によるともいわれる。
【0042】
したがって、この癌種の増殖を阻害する物質または組成物を提供することは有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明のいくつかの実施形態は、HMG−CoAレダクターゼ酵素:PDE3およびPDE4酵素;5−および15−LOX酵素;XO酵素;GABA酵素を阻害するための方法および組成物ならびに2番目に多く見られるヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害する方法および組成物を提供する。
【0044】
いくつかの実施形態は、疼痛および炎症を軽減すること;前立腺癌を治療すること;コレステロールレベルを下げること;II型糖尿病に対抗すること;乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持すること;喘息およびアレルギーの作用を寛解させること;エネルギーおよびインスリン分泌を改善すること;腎臓結石の蓄積を減少させること;痛風の作用を軽減すること;てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にすること;ならびにび薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供することをもたらし得る。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態は、前記哺乳類に、ノニ葉汁、ノニ葉抽出物またはローストリーフ(Roast Leaf)のいずれかの有効量を含有する化合物を投与することを含み、前記化合物が5−Loxおよび15−Lox、HMG−CoAレダクターゼ酵素;PDE3およびPDE4酵素;5−および15−LOX;XO;およびGABAを阻害する、多様な疾患および病気を治療する方法を提供する。
【0046】
5−および15−LOX
好ましい実施形態では、本発明は、前立腺癌の治療および予防のために、乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持するために、ならびにその他の疾患の治療および予防のために、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)、15−リポキシゲナーゼ(15−LOX)およびロイコトリエンとして知られ、炎症性疾患の病理学的徴候の一因となる脂質性メディエーターを阻害することによって、アラキドン酸の、ロイコトリエン、合成された中間体への酸素化および代謝を阻害するための、ヤエヤマアオキ、すなわち、モリンダ・シトリフォリアL.植物体の特別に加工された成分を用いる多様な方法を含む。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明は、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア成分、例えば、葉抽出物、葉汁ならびに脱脂および未処理の種子抽出物を含有する組成物を利用する多様な方法を含む。これらの方法のうちいくつかは、哺乳類にモリンダ・シトリフォリア組成物を投与して、炎症性疾患、神経疾患または前立腺癌を阻害、予防または治療するステップを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤されたか、またはそれらを含まずに製剤された、モリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0049】
HMG−CoAレダクターゼ
好ましい実施形態では、本発明は、ノニ葉汁、ノニ葉抽出物またはモリンダ・シトリフォリアL由来のその他のノニ葉製品を利用して、生物においてリポタンパク質のプロファイルを改善する、VLDLおよびLDLリポタンパク質レベルを下げる、HDLリポタンパク質レベルを増大させる、腸管上皮を越える脂肪酸の吸収を低減させる、HMG−CoAレダクターゼを阻害する、および総血中コレステロールを低減するための方法および組成物を含む。本発明は、LDLを選択的に低減させる方法および組成物を含む。
【0050】
本発明の実施形態は、市場で現在入手可能なスタチンに伴う負の副作用を引き起こさずに、HMG−CoAレダクターゼを阻害する方法および組成物を含む。
【0051】
具体的には、本発明の製剤は、加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む。一実施形態では、本製剤は、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア成分、例えば、葉抽出物、葉汁ならびに脱脂および未処理の種子抽出物を含有する組成物を含む。これらの方法のうちいくつかは、哺乳類にモリンダ・シトリフォリア組成物を投与して、HMG−CoAレダクターゼを阻害し、それによってコレステロールを下げるステップを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤された、またはそれらを含まずに製剤された、モリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態は、既知スタチンによって引き起こされる負の副次的効果を引き起こすことなく、HMG−CoA レダクターゼの活性を阻害する方法を提供する。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態は、妊娠中に使用できる、経口投与されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を提供する。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態は、既知スタチンに応答しない患者においてHMG−CoAレダクターゼ活性を阻害できる経口投与される組成物を提供する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態は、処方箋を必要としない、哺乳類においてHMG−CoAレダクターゼ活性を阻害するための市販の組成物を提供する。
【0057】
PDE3およびPDE4
好ましい実施形態では、本発明は、天然に存在するホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害するために、ノニ葉抽出物およびノニ葉汁を用いる方法および製剤に関する。言い換えれば、本発明は、PDE阻害剤としての、ノニ葉抽出物およびノニ葉汁に関する。
【0058】
本発明は、各々、1種以上のモリンダ・シトリフォリアL.植物体由来の抽出物を、組成物が哺乳類に投与される場合に負の副作用を引き起こさずにPDE酵素の阻害を最大にすることができる量で含む、ノニ葉汁およびノニ葉抽出物組成物を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤されたか、それらを含まずに製剤されたモリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0060】
XO
好ましい実施形態では、酵素、キサンチンオキシダーゼを阻害して、痛風および痛風様疾患を寛解させ、腎臓結石の蓄積を減少させ、哺乳類の健康全般を改善させる、ノニ葉汁およびノニ葉抽出物を利用するための方法および組成物が提供される。
【0061】
ノニ葉汁およびノニ葉抽出物は、哺乳類に十分な量で提供されると、有用なキサンチンオキシダーゼ阻害剤として作用する。酵素機能の阻害は、尿酸レベルの低下をもたらし、その結果、抗高尿酸血性効果が得られる。これは、過剰の尿酸によって引き起こされる疾患、例えば、痛風の治療において有用である。
【0062】
これらの方法のうちいくつかは、哺乳類にモリンダ・シトリフォリア組成物を投与して、痛風様疾患を阻害、予防または治療するステップ、腎臓結石の蓄積を減少させるステップおよび心血管の健康を向上させるステップを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤されたか、またはそれらを含まずに製剤されたモリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0064】
GABA
好ましい実施形態では、本発明は、哺乳類において発現されるGABAの量を阻害することによって、GABAのレベルを正常化して、発作を防ぎ、てんかんの作用を治療および軽減する方法および組成物を含む。具体的には、好ましい実施形態では、GABA発現を阻害して、GABAのレベルを正常化し、それによって痙攣活性を低下させ発作を治療する、ノニ葉汁、ノニ葉抽出物またはモリンダ・シトリフォリアL由来のその他のノニ葉製品を利用する組成物が提供される。
【0065】
本発明の実施形態は、痙攣患者またはてんかん型疾患を有する哺乳類に、現在利用可能な薬物療法に伴う負の副作用を引き起こすことなく、GABAを阻害する方法および組成物を含む。
【0066】
具体的には、本発明の製剤は、加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む。一実施形態では、製剤は、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア成分、例えば、葉抽出物、葉汁ならびに脱脂および未処理の種子抽出物を含有する組成物を含む。これらの方法のうちいくつかは、哺乳類にモリンダ・シトリフォリア組成物を投与して、GABAを阻害し、それによっててんかんおよび発作の発生率および効果を低下させるステップを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤されたか、またはそれらを含まずに製剤されたモリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態は、負の副次的効果を引き起こすことなく、GABAの活性を阻害する方法を提供する。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態は、妊娠中に使用できる、経口投与されるGABA阻害剤を提供する。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態は、その他の既知GABA阻害剤に応答しない患者においてGABA活性を阻害できる経口投与される組成物を提供する。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態は、処方箋を必要としない、哺乳類においてGABA活性を阻害するための市販の組成物を提供する。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態は、GABA阻害剤の使用によって、薬物嗜癖を患っているヒトに緩和効果を提供する。
【0073】
皮膚癌増殖阻害
本発明の好ましい実施形態では、ノニ葉汁およびノニ葉抽出物は、2番目に最も一般的なヒト皮膚癌細胞株の増殖において大幅な阻害を引き起こす。
【0074】
好ましい実施形態では、本発明は、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア成分、例えば、葉抽出物、葉汁、ローストリーフ(Roast Leaf)ならびに脱脂および未処理の種子抽出物を含有する組成物を利用する多様な方法を含む。これらの方法のいくつかは、A431ヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害するために、哺乳類にモリンダ・シトリフォリア組成物を投与するステップを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明の本組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤されたか、それらを含まずに製剤されたモリンダ・シトリフォリア葉汁または葉抽出物を含む。
【0076】
さらに、本発明の好ましい実施形態は、乾燥ノニ葉中に見られるイソフラボンの存在を提供する。具体的には、ダイズイン(Daidzin)は、2.51mg/100グラムで見られ、ギシチン(Gycitin)は、1.85mg/100gで見られ、ゲニスチン(Genistin)は3.13mg/100グラムで見られた(6)。さらに、タヒチアンノニ果汁濃縮物中に、ステロールの存在も見られ、カンペステロールは、12mg/100グラムで見られ、スチグマステロールは、8.4mg/100グラムで見られ、βシトステロールは、21.5mg/100グラムで見られた。
【0077】
イソフラボンは、乳癌および前立腺癌などのホルモン関連障害から保護すると思われる。健康管理のいくつかの領域の研究により、イソフラボンの消費は、疾患の危険を低下させることにおいて役割を果たしている可能性があるということが示された。イソフラボンは、いくつかの面で疾患と闘うことができる。
【0078】
特徴および利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される手段および組合せによって理解され、得ることができる。さらに、本発明の特徴および利点は、本発明の実施によって確認することができるか、または本明細書において以下に示される、説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
本発明の成分は、本明細書に一般的に記載したように、様々な異なる構成で準備し、設計できることは容易に理解されよう。したがって、本発明の組成物および方法の実施形態についての以下のより詳細な説明は、請求される本発明の範囲を制限しようとするものではなく、単に、本発明の現在好ましい実施形態を代表するものである。したがって、本発明の範囲は以下の説明によってではなく添付の請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価物の意味および範囲内に入るすべての変形は、その範囲内に包含されるものとする。
【0080】
当業者には理解されることであるが、本発明の目的は過度の実験の費用をかけずに、本明細書に記載される方法および技術の周知の変法、改変または等価物を用いて達成できる。また、当業者ならば、具体的に説明されたもの以外の代替手段も、本明細書に記載された分子の機能的特徴を達成するために当技術分野において利用できることは理解されよう。本発明は、当業者に理解され、本開示内容の趣旨および範囲によって包含される、それらの変法、改変、代替物および等価物を含むものとする。
【0081】
本発明の実施形態は、多様な酵素、例えば、HMG−CoAレダクターゼ、PDE3およびPDE4、5−および15−LOX、XOならびにGABAを阻害して、哺乳類炎症性疾患を治療または予防するための、前立腺癌を治療するための、コレステロールレベルを下げるための、II型糖尿病に対抗するための、乱されていない神経機能をもたらす(すなわち、神経保護を提供する)、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持するための、喘息およびアレルギーの作用を寛解させるための、エネルギーおよびインスリン分泌を改善するための、腎臓結石の蓄積を減少させるための、痛風の作用を軽減するための、てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にするための、ならびに薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供するための方法および組成物を特徴とする。さらに、本発明の実施形態は、2番目に最も見られるヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害するための方法および組成物を特徴とする。ノニ葉汁、ノニ葉抽出物およびヤエヤマアオキ、すなわち、モリンダ・シトリフォリアL.植物体由来その他の成分を含む組成物の投与によって、病気および疾患の前記の羅列は軽減され、酵素的阻害が促進される。
【0082】
モリンダ・シトリフォリアL.植物体の一般的な説明
科学的にはモリンダ・シトリフォリアL.(「モリンダ・シトリフォリア」)として知られる、ヤエヤマアオキまたはモリンダ・シトリフォリア植物体は、高さが最高10mまでの潅木または低木である。葉は向かい合って配置しており、楕円形から卵形である。小さな白い花が、多肉質の、球形の、頭のような塊に含まれている。果実は大きく、多肉質で、卵形である。成熟すると、乳白色になり、食べられるが、不快な風味と匂いがある。この植物は南東アジア原産であり、遠い昔にインドから東ポリネシアまでの広い範囲に広がった。世界中で不規則的に成長しており、大農場や小さな個人の栽培地で栽培されてきた。モリンダ・シトリフォリアの花は、小さく、白色で、3〜5浅裂し、管状で、香りが高く、約1.25cmの長さである。花は、卵形、楕円体または丸みを帯び、でこぼこした塊に融合している、多数の小さな小核果からなる複果となり、蝋様で、白色または緑がかった白色または黄色がかった、半透明の皮がついている。この果実には、ジャガイモと同様、その表面に「目」がある。この果実は、果汁が多く、苦く、くすんだ黄色または黄色がかった白色をしており、多数の赤茶色の、硬い、長円−三角形の、翼状の2つに分かれた核を含んでおり、その各々に4個の種が含まれている。果実は、完熟すると腐ったチーズのような強い匂いを放つ。果実は、いくつかの国の人々には食品として食されてきたが、モリンダ・シトリフォリア植物体の最も一般的な用途は、従来、赤色と黄色の染料の供給源としてであった。
【0083】
モリンダ・シトリフォリア植物体は天然成分が豊富である。発見されている成分としては、葉に由来する、アラニン、アントラキノン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、カルシウム、β−カロテン、システイン、シスチン、グリシン、グルタミン酸、グリコシド、ヒスチジン、鉄、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、ナイアシン、フェニルアラニン、リン、プロリン、樹脂、リボフラビン、セリン、β−シトステロール、チアミン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、ウルソル酸およびバリン、花に由来する、アカセチン−7oβd(+)グルコピラノシド、5,7ジメチルアピゲニン4’oβd(+)ガラクトピラノシドおよび6,8ジメトキシ3メチルアントラキノン1oβラムノシルグルコピラノシド、果実に由来する、酢酸、アスペルロサイド、ブタン酸、安息香酸、ベンジルアルコール、1−ブタノール、カプリル酸、デカン酸、(E)6ドデセノγラクトン、(Z,Z,Z)8,11,14エイコサトリエン酸、エライジン酸、エチルデカノエート、エチルヘキサノエート、エチルオクタノエート、エチルパルミテート、(Z)6(エチルチオメチル)ベンゼン、オイゲノール、グルコース、ヘプタン酸、2−ヘプタノン、ヘキサナル、ヘキサンアミド、ヘキサン二酸、ヘキサン酸(hexanoic acid)(ヘキサン酸(hexoic acid))、1ヘキサノール、3ヒドロキシ2ブタノン、ラウリン酸、リモネン、リノレン酸、2メチルブタン酸、3メチル2ブテン1オル、3メチル3ブテン1オル、メチルデカノエート、メチルエライデート、メチルヘキサノエート、メチル3メチルチオプロパノエート、メチルオクタノエート、メチルオレエート、メチルパルミテート、2メチルプロパン酸、3メチルチオプロパン酸、ミリスチン酸、ノナン酸、オクタン酸(octanoic acid)(オクタン酸(octoic acid))、オレイン酸、パルミチン酸、カリウム、スコポレチン、ウンデカン酸、(Z,Z)2,5ウンデカジエン1オルおよびボミフォル(vomifol)、根に由来する、アントラキノン、アスペルロサイド(ルビクロリック・アシッド(rubichloric acid))、ダムナカンサル、グリコシド、モリンダジオール、モリンジン、モリンドン、粘着性物質、ノルダムナカンサル、ルビアジン、ルビアジンモノメチルエーテル、樹脂、ソランジジオール、ステロールおよびトリヒドロキシメチルアントラキノンモノメチルエーテル、根皮に由来する、アリザリン、クロロルビン、グリコシド(ペントース、ヘキソース)、モリンダジオール、モリンダニグリン、モリンジン、モリンドン、樹脂性物質、ルビアジンモノメチルエーテルおよびソランジジオール、木部に由来する、アントラガロール2,3ジメチルエーテル、組織培養物に由来する、ダムナカンサル、ルシジン、ルシジン3プリメベロシドおよびモリンドン6βプリメベロシド、苗に由来する、アリザリン、アリザリンαメチルエーテル、アントラキノン、アスペルロサイド、ヘキサン酸、モリンダジオール、モリンドン、モリンドゲニン(morindogenin)、オクタン酸およびウルソル酸が挙げられる。
【0084】
モリンダ・シトリフォリア葉の加工
モリンダ・シトリフォリア植物体の葉は、本発明のいくつかの組成物中に存在し得るモリンダ・シトリフォリア植物体の1つの可能性ある成分である。例えば、いくつかの組成物は、本明細書にさらに記載される葉抽出物および/または葉汁を含む。いくつかの組成物は、モリンダ・シトリフォリア植物体から得られる葉抽出物および葉汁の両方からなるリーフセラム(leaf serum)を含む。本発明のいくつかの組成物は、栄養補助食品に組み込まれるような、リーフセラム(leaf serum)および/または多様な葉抽出物を含む(本明細書において「栄養補助」とは、ヒトまたは哺乳類などの生物の健康を向上させるよう設計された任意の薬物または製品を指す)。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、モリンダ・シトリフォリア葉抽出物を、以下のプロセスを用いて得る。第1に、モリンダ・シトリフォリアL.植物体から比較的乾燥した葉を集め、小片に裁断し、破砕装置、好ましくは、油圧プレスに入れ、ここで葉小片を破砕する。いくつかの実施形態では、次いで、当技術分野で公知の方法を用いて、破砕された葉小片にエタノール、メタノール、酢酸エチルまたはその他のアルコールベースの誘導体などのアルコールを浸透させる。次に、いくつかの実施形態では、破砕した葉小片からアルコールおよびすべてのアルコールに可溶性の成分を抽出し、次いで、残った葉抽出物を熱で減少させてそれからすべての液体を除去する。得られた乾燥葉抽出物を、本明細書では「一次葉抽出物」と呼ぶ。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態では、一次葉抽出物を低温殺菌して抽出物を少なくとも部分殺菌し、好ましくない生物を破壊する。一次葉抽出物は、70〜80セ氏温度の範囲の温度で、抽出物の大きな化学変化を伴わずに、任意の好ましくない生物を破壊するのに十分な時間低温殺菌することが好ましい。低温殺菌はまた、種々の照射技術または方法にしたがって達成できる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態では、低温殺菌した一次葉抽出物を遠心分離デカンターに入れ、そこで遠心分離して、あらゆる残存する葉汁を、クロロフィルをはじめとするその他の物質から回収または分離する。遠心分離サイクルが完了すると、葉抽出物は比較的精製された状態である。次いで、この精製された葉抽出物を上記で論じたものと同様に再度低温殺菌して精製一次葉抽出物を得る。
【0088】
低温殺菌されているか、かつ/または精製されているかに関わらず、一次葉抽出物を2つの個別の画分:乾燥ヘキサン画分および水性メタノール画分にさらに分画することが好ましい。これは二酸化ケイ素およびCH2Cl2−MeOH成分を含有するガスクロマトグラフによって、当技術分野で周知の方法を用いて達成されることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、メタノール画分をさらに分画して二次メタノール画分を得る。いくつかの実施形態では、ヘキサン画分をさらに分画して二次ヘキサン画分を得る。
【0089】
一次葉抽出物、ヘキサン画分、メタノール画分、任意の二次ヘキサンまたはメタノール画分をはじめとする1種以上の葉抽出物を、モリンダ・シトリフォリア植物体の果実の果汁と組合せてリーフセラムを得ることができる(果汁を得るプロセスは、本明細書にさらに記載される)。いくつかの実施形態では、リーフセラムを出荷に備えてパッケージングし凍結する。他には、本明細書に説明されるような栄養補助食品にさらに組込む。
【0090】
モリンダ・シトリフォリア果実の加工
本発明のいくつかの実施形態は、モリンダ・シトリフォリア植物体の果汁を含む組成物を含む。モリンダ・シトリフォリアの果実は、事実上は食べるのに適さないので、ヒトが消費するためにおいしくなるよう果実を加工し、本発明の組成物に含めなければならない。加工モリンダ・シトリフォリア果汁は、熟したモリンダ・シトリフォリア果実の種と皮をジュースと果肉から分離することと、ジュースから果肉を濾過することと、ジュースをパッケージングすることとによって調製できる。あるいは、ジュースをパッケージングするのではなく、ジュースを、凍結された、または低温殺菌された別の製品中の成分として直ちに含めることもできる。本発明のいくつかの実施形態では、ジュースと果肉を裏ごしして均質な混合物とし、その他の成分と混合する場合もある。その他のプロセスとしては、果実およびジュースを凍結乾燥することが挙げられる。果実およびジュースは、最終ジュース製品の製造の際に再構成され得る。さらにその他のプロセスとしては、果実およびジュースを、咀嚼される前に風乾することが挙げられる。
【0091】
目下のところ好ましい、モリンダ・シトリフォリア果汁の製造プロセスでは、果実を手作業で摘み取るか機械設備で摘み取るのいずれかである。果実は、直径が少なくとも1インチ(2〜3cm)最大12インチ(24〜36cm)で収穫できる。果実の色は濃緑色から黄緑色、白色まで、およびその間の色のグラデーションの範囲であることが好ましい。収穫後、果実を十分に洗浄し、その後何らかの加工を行う。
【0092】
果実は0〜14日完熟させるか熟成させることができるが、2〜3日が好ましい。果実は、地面と接触しないよう設備上に置かれることによって完熟するか熟成する。熟成の間、布または網素材で果実を覆うことが好ましいが、覆わなくても熟成させることができる。さらなる加工に向けて準備が整うと、果実の色が、薄緑、薄黄色、白色または透明感のある色に明るくなる。果実を損傷について、または過度の緑色および硬度について調べる。許容できる果実と、損傷した果実および硬く緑色の果実を分ける。
【0093】
完熟し、熟成した果実は、さらなる加工および輸送のためにプラスチックの内張りをした容器に入れることが好ましい。熟成した果実の容器は0〜30日とどめおくことができるが、果実の容器は、加工前に7〜14日間とどめおくことが好ましい。場合によっては、容器をさらなる加工の前に冷蔵条件で保存することができる。果実を保存容器から取り出し、手作業によるか、機械による分離器をよって処理する。ジュースと果肉から種子と皮を分離する。
【0094】
ジュースと果肉は、保存および輸送用容器にパッケージングしてもよい。あるいは、ジュースと果肉を直ちに加工して完成ジュース製品にすることもできる。容器は、冷蔵、凍結または室温条件で保存できる。モリンダ・シトリフォリアジュースおよび果肉はブレンドして均質な混合物にすることが好ましく、その後その他の成分、例えば、矯味剤、甘味料、栄養成分、植物成分および着色料と混合してもよい。完成ジュース製品は加熱し、181°F(83℃)の最低温度またはより高温の最高212°F(100℃)で低温殺菌することが好ましい。もう1つの加工製品として、濃縮物または希釈形のいずれかのモリンダ・シトリフォリアピューレおよびピューレジュースがある。ピューレは本質的には、種子から分離した果肉であり、本明細書に記載される果汁製品とは異なる。
【0095】
製品を、プラスチック製、ガラス製、または加工温度に耐えられる他の適した材料の最終容器に詰め、密閉する。この容器を充填温度で維持するか、または迅速に冷却し、次いで、運送用容器に入れてもよい。運送用容器は、最終容器中の製品の温度を維持または制御する材料および方法で包むことが好ましい。
【0096】
ジュースおよび果肉は、濾過設備によってジュースと果肉を分離することによってさらに加工してもよい。濾過設備は、それだけには限らないが、遠心デカンター、サイズが1ミクロンから最大2000ミクロンの、より好ましくは500ミクロン未満のスクリーンフィルター、フィルタープレス、逆浸透濾過装置、および何らかのその他の標準的な市販の濾過装置からなることが好ましい。作動フィルター圧は、0.1psig〜最大約1000psigの範囲であることが好ましい。流速は、0.1g.p.m.〜最大1000g.p.m.の範囲であることが好ましく、5〜50g.p.m.の間がより好ましい。湿潤果肉を洗浄し、少なくとも1回、最大10回濾過し、果肉からあらゆるジュースを除去する。通常、得られる果肉抽出物の繊維含量は10〜40重量パーセントである。得られる果肉抽出物は、最低181°F(83℃)の温度で低温殺菌し、次いで、さらなる加工のためにドラムにつめるか、高繊維製品にすることが好ましい。
【0097】
モリンダ・シトリフォリア種子の加工
本発明のいくつかのモリンダ・シトリフォリア組成物は、モリンダ・シトリフォリア植物体由来の種子を含む。本発明のいくつかの実施形態では、実験室用ミルで、モリンダ・シトリフォリア種子を種子粉末に粉砕することによって加工する。いくつかの実施形態では、種子粉末を処理しないままにする。いくつかの実施形態では、種子粉末を、ヘキサンに、好ましくは、室温で1時間浸し、粉末を撹拌することによってさらに脱脂する(薬物:ヘキサン−割合1:10)。いくつかの実施形態では、次いで、残渣を真空下で濾過し、再度脱脂し(好ましくは、同条件下で30分)、再度、真空下で濾過する。粉末は、残存するヘキサンを除去するためにドラフト中で一晩維持してもよい。
【0098】
さらに、本発明のいくつかの実施形態では、脱脂された、および/または未処理の粉末を、薬物溶媒比1:2でエタノール50%(m/m)を用い、室温で24時間抽出することが好ましい。
【0099】
モリンダ・シトリフォリアオイルの加工
本発明のいくつかの実施形態は、モリンダ・シトリフォリア植物体から抽出されたオイルを含み得る。オイルを抽出および加工する方法は、参照により本明細書に組み込まれる、1999年8月27日に出願され、2001年4月10日に特許番号第6,214,351号として発行された、米国特許出願番号第09/384,785号に記載されている。通常、モリンダ・シトリフォリアオイルには、トリグリセリドのようないくつかの異なる脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノレン酸など、ならびにより少量で存在するその他の脂肪酸の混合物が含まれている。さらに、オイルに、オイルの損傷を阻害する抗酸化剤を含めることが好ましい。従来の食品用抗酸化剤を用いることが好ましい。
【0100】
組成物およびその使用
本発明は、HMG−CoAレダクターゼ、PDE3およびPDE4、5−および15−LOX、XO、GABAならびに皮膚癌を阻害するための組成物および方法を特徴とする。本発明はまた、疼痛および炎症を軽減するための、前立腺癌を治療するための、コレステロールレベルを下げるための、II型糖尿病に対抗するための、乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持するための、喘息およびアレルギーの作用を寛解させるための、エネルギーを改善するための、インスリン分泌を改善するための、腎臓結石の蓄積を減少させるための、痛風の作用を軽減するための、てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にするための、ならびに薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供するための組成物および方法を特徴とする。本発明の実施形態はまた、モリンダ・シトリフォリア組成物を、哺乳類の身体に内服的に導入する方法を含む。モリンダ・シトリフォリア組成物のいくつかの実施形態は、多様な異なる成分を含み、各実施形態は、本明細書に教示され、説明される1種以上の形の加工モリンダ・シトリフォリア成分を含む。
【0101】
本発明の組成物は、いくつかのモリンダ・シトリフォリア成分、例えば、葉抽出物、葉汁、リーフセラム(leaf serum)、果汁、果肉、果肉抽出物、ピューレ、種子(脱脂または未処理であろうとなかろうと)およびオイルを含み得る。本発明の組成物は、多様なその他の成分も含み得る。その他の成分の例として、それだけには限らないが、人工矯味剤、その他の天然ジュースまたはジュース濃縮物、例えば天然グレープジュース濃縮物もしくは天然ブルーベリージュース濃縮物、担体成分および本明細書においてさらに説明するその他のものが挙げられる。
【0102】
モリンダ・シトリフォリア葉由来の葉抽出物を有する任意の組成物は、以下のうち1種以上を含み得る:一次葉抽出物、ヘキサン画分、メタノール画分、二次ヘキサンおよびメタノール画分、リーフセラムまたは栄養補助葉製品。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態では、モリンダ・シトリフォリア成分の有効成分または化合物は、当技術分野で一般的に知られる多様な手順およびプロセスを用いて抽出できる。例えば、有効成分を、アルコールまたはアルコールベースの溶液、例えば、メタノール、エタノールおよび酢酸エチルおよびその他のアルコールベースの誘導体を用い、当技術分野で公知の方法を用いて単離および抽出できる。これらの有効成分または化合物は、単離し、それぞれその構成要素にさらに分画または互いに分離することができる。化合物を分離または分画して、疾病を防ぐのに、健康を増強するのに、またはその他の同様の機能を果たすのに役立ち得る、任意の有効成分を同定および単離することが好ましい。さらに、化合物をその構成要素に分画または分離し、ここで記載した、同様の健康の利益になるような機能を提供し得る任意の重要な相互作用または依存相互作用を同定および単離できる。ケルセチンおよびルチンは、単離できる有効成分の限定されない例である。例えば、ケルセチンおよびルチンをはじめとする有効成分は、全製剤または組成物の0.01〜10重量パーセントの範囲の量で存在し得る。これらの量は、10〜100パーセントの範囲の量で存在するより強力な濃度にさらに濃縮できる。
【0104】
モリンダ・シトリフォリアの任意の成分および組成物はさらに、栄養補助食品に組み込むことができる(再度、本明細書において「栄養補助」とは、ヒトまたは哺乳類などの生物の健康を向上させるよう設計された任意の薬物または製品を指す)。栄養補助食品の例として、それだけには限らないが、静脈内製剤、局所皮膚用製剤、創傷治癒製剤、スキンケア製品、ヘアケア製品、美容および化粧製品(例えば、メイクアップ、ローションなど)熱傷治癒および治療製剤、応急処置製品、抗菌製品、リップクリームおよび軟膏、骨折治癒および治療製剤、食肉軟化製品、抗炎症製剤、点眼薬、脱臭剤、抗真菌製剤、関節炎治療製剤、筋肉弛緩薬、練り歯磨き粉ならびに種々の栄養補助食品および本明細書でさらに論じられるようなその他の製品が挙げられる。
【0105】
本発明の組成物は、任意の種々の実施形態、例えば、経口組成物、局所皮膚用溶液、静脈用溶液およびその他の製品または組成物に製剤できる。
【0106】
経口組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性散剤または顆粒剤、エマルション、シロップまたはエリキシルの形をとることができる。経口用である組成物は、当技術分野で公知の任意の方法にしたがって調製でき、このような組成物には、甘味剤、矯味剤、着色剤および保存剤などの1種以上の薬剤を含めてもよい。それらにはまた、ビタミンおよびミネラルなどの1種以上のさらなる成分を含めてもよい。錠剤は、1種以上のモリンダ・シトリフォリア成分を、錠剤の製造に適している、非毒性の、製薬上許容される賦形剤との混合物で含むよう製造できる。こういった賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、造粒剤および崩壊剤、結合剤および滑沢剤であり得る。錠剤はコーティングしなくともよいし、消化管における崩壊および吸収を遅延させ、それによって長期間にわたって持続作用を提供するために公知の技術によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用できる。
【0107】
水性懸濁液は、モリンダ・シトリフォリア成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物で含むよう製造できる。このような賦形剤の例としては、それだけには限らないが、沈殿防止剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアガム、分散剤または湿潤剤、例えば、レシチンのような天然リン脂質、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルと無水ヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンが挙げられる。
【0108】
典型的な甘味剤としては、それだけには限らないが、結晶性の塊、粉末、および/またはシロップに化学的にもしくは酵素的に変換できる、トウモロコシ、テンサイ、サトウキビ、ジャガイモ、タピオカまたはその他のデンプン含有供給源由来の天然糖が挙げられる。また、甘味料には人工または高強度甘味料を含めることもでき、そのいくつかとして、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、サッカリンなどが挙げられる。甘味料の濃度は、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜50重量パーセントの間、より好ましくは、約1〜5重量パーセントの間であり得る。
【0109】
典型的な矯味剤としては、それだけには限らないが、嗜好性に寄与する人工および/または天然矯味成分が挙げられる。フレーバーの濃度は、例えば、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜15重量パーセントの範囲であり得る。着色剤としては、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜10重量パーセントの範囲の濃度の、食品用人工または天然着色剤が挙げられる。
【0110】
典型的な栄養成分としては、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜10重量パーセントの濃度のビタミン、ミネラル、微量元素、ハーブ、植物抽出物、生物活性化学物質および化合物が挙げられる。ビタミンの例としては、それだけには限らないが、ビタミンA、B1〜B12、C、D、E、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどが挙げられる。ミネラルおよび微量元素の例としては、それだけには限らないが、カルシウム、クロム、銅、コバルト、ホウ素、マグネシウム、鉄、セレン、マンガン、モリブデン、カリウム、ヨウ素、亜鉛、リンなどが挙げられる。ハーブおよび植物抽出物としては、それだけには限らないが、アルファルファグラス、蜂花粉、クロレラ粉末、ドンクアイ粉末、エキナセア(Ecchinacea)根、ギンナン抽出物、ホーステイルハーブ、ヤエヤマアオキ、シタケ・マッシュルーム(Shitake mushroom)、スピルリナ藻、グレープシード抽出物などがげられる。典型的な生物活性化学物質としては、それだけには限らないが、カフェイン、エフェドリン、L−カルニチン、クレアチン、リコピンなどが挙げられる。
【0111】
局所皮膚製剤に利用される成分としては、哺乳類の身体に取り込まれるのに安全であるいずれかのものが挙げられ、これは、ゲル、ローション、クリーム、軟膏など、多様な形で存在し得、各々1種以上の担体物質を含む。全身(例えば、静脈内に)投与される組成物に組み込まれる成分または担体物質はまた、当技術分野で公知のいずれのものも含み得る。例示的一実施形態では、本発明のモリンダ・シトリフォリア組成物は、約0.01〜100重量%の間、好ましくは、0.01〜95重量%の間の量で存在する、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア成分を含む。製剤のいくつかの実施形態は、2001年4月10日に発行された特許第6,214,351号に含まれている。しかし、当業者ならば、加工モリンダ・シトリフォリア製品を含むその他の製剤または組成物を認識するように、これらの組成物は、単に例示的であるよう意図されるものである。
【0112】
もう1つの例示的実施形態では、体内組成物は、以下の成分:約0.1〜80重量パーセントの間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁またはピューレジュース、約0.1〜20重量パーセントの間の量で存在す加工モリンダ・シトリフォリアオイル、約20〜90重量パーセントの間の量で存在する担体媒体を含む。モリンダ・シトリフォリアピューレジュースまたは果汁はまた、同様の濃度で存在する加工モリンダ・シトリフォリア食物繊維製品とともに製剤してもよい。
【0113】
実施例
以下の実施例は、ヤエヤマアオキまたはモリンダ・シトリフォリアL.植物体の成分を含む組成物の投与による、具体的には、ノニ葉汁およびノニ葉抽出物の投与による、HMG−CoAレダクターゼ阻害、PDE3およびPDE4阻害、5−および15−LOX阻害、XO阻害、GABA阻害ならびに特定の皮膚癌の増殖の阻害に対する、いくつかの本発明のモリンダ・シトリフォリア組成物のいくつかの予防および治療効果を示す。
【0114】
これらの実施例は決して制限しようとするものではなく、単に、本発明のモリンダ・シトリフォリア組成物のいくつかの実施形態の利益、利点および改善効果を示すものである。
【実施例1】
【0115】
ノニ葉汁
一実施例では、モリンダ・シトリフォリア葉汁の、5−LOXおよび15−LOX、HMG−CoA、PDE3およびPDE4、XOおよびGABAに対する効果を調べた。以下の表に、これらの研究の結果を要約する。
【0116】
【表1】

【実施例2】
【0117】
ノニ葉抽出物
もう1つの実施例では、阻害アッセイにおいてモリンダ・シトリフォリア葉抽出物を用いた。結果は以下の表2に示されている。
【0118】
【表2】

【0119】
実施例2(上記)は、表3〜6に列挙される以下のパラメータに基づいていた。
【0120】
【表3】

【0121】
【表4】

【0122】
【表5】

【0123】
【表6】

【実施例3】
【0124】
この次の実施例では、モリンダ・シトリフォリア葉汁および葉抽出物は、2番目に最も一般的な種類のヒト皮膚癌の増殖を有意に阻害することが示された。この実施例では、生存細胞のアラマーブルーを非蛍光青色から、還元された蛍光赤色型に変化させる能力に基づいて細胞増殖の変化を検出するためにアッセイを実施した。アラマーブルー反応から得られた結果を用いて、細胞増殖を定量することができ、生存細胞の代謝活性を調べることができる。モリンダ・シトリフォリア葉抽出物、葉汁およびローストリーフ(Roast Leaf)を含む試験化合物を、10倍段階希釈によって0.01〜100μg/mlまたは0.0001%〜1%のアッセイ濃度でヒト類表皮癌細胞株−A431の増殖に対するその効果について試験した。
【0125】
要約すれば、10〜100μg/mlの間の濃度の葉抽出物、ならびに0.1%〜1%の間の葉汁は、腫瘍細胞株においてビヒクル処理対照と比較して有意な増殖阻害(増殖の≦50%)を引き起こすのに対し、ローストリーフ(Roast Leaf)は大きな効果を示すことができない(0.01〜100μg/ml)ということがわかった。同時に試験された標準参照物質、マイトマイシンについても、<10μMで有意な阻害活性が観察された。結果として、非直線回帰分析による、推定LC50(50%阻害濃度)、TGI(完全増殖阻害)およびLC50(50%致死濃度)の半定量的決定を計算した。以下は、アッセイに用いた材料、装置および方法ならびに結果をまとめた表の説明である。
【0126】
試験物質および濃度 モリンダ・シトリフォリア葉抽出物、葉汁およびローストリーフ(Roast Leaf)は、in vitro抗腫瘍研究のためにTahitian Noni International, Inc.によって提供された。モリンダ・シトリフォリア化合物は、滅菌蒸留水に溶解し、次いで、滅菌蒸留水で希釈して、葉抽出物およびローストリーフ(Roast Leaf)の10000、1000、100、10および1μg/mlという初期希釈標準溶液、ならびに葉汁の100、10、1、0.1および0.01%という初期希釈標準溶液を得た。試験では、培養培地で100倍希釈液を作成して、それぞれ100、10、1、0.1および0.01μg/mlおよび1、0.1、0.01、0.001および0.0001%という最終アッセイ濃度を得た。
【0127】
細胞株および培養培地 American Type Culture Collection(ATCC CRL−1555)から入手した腫瘍細胞株、A431(ヒト類表皮癌)を、5% COという空気雰囲気中、37℃でインキュベートした。培養培地は、1%抗生物質−抗真菌薬を補給した、ダルベッコ改変イーグル培地、90%;ウシ胎児血清、10%を用いた。
【0128】
化学物質 アッセイには以下の化学物質を用いた:アラマーブルー(Biosource, USA)、抗生物質−抗真菌薬(GIBCO BRL, USA)、ダルベッコ改変イーグル培地(GIBCO BRL, USA)、ウシ胎児血清(HyClone, USA)およびマイトマイシン(Kyowa, Japan)。
【0129】
装置 アッセイには以下の装置を用いた。COインキュベーター(Forma Scientific Inc., USA)、遠心機5810R(Eppendorf, Germany)、血球計(Hausser Scientific Horsham, USA)、倒立顕微鏡CK−40(Olympus, Japan)、システム顕微鏡E−400(Nikon, Japan)、Spectrafluor Plus(Tecan, Austria)およびVertical Laminar Flow(Tsao Hsin, R.O.C.)。
【0130】
方法 試験物質の抗増殖を評価した。100μlの細胞懸濁液のアリコート(約3×10/ウェル)を、5%COという雰囲気下、37℃で96ウェルのマイクロタイタープレートに入れた。24時間後、2連で、ウェルあたり、100μlの増殖培地および2μlの試験溶液、マイトマイシンまたはビヒクル(蒸留水)をそれぞれ加え、さらに72時間インキュベーションした。2種の試験化合物、葉抽出物およびローストリーフ(Roast Leaf)を、100、10、1、0.1および0.01μg/mlという濃度で評価した。その他の化合物、葉汁は、1、0.1、0.01、0.001および0.0001%という濃度で評価した。インキュベーションの最後に、各ウェルに20μlの90%アラマーブルー試薬を加え、さらに6時間インキュベーションし、その後、蛍光強度によって細胞生存力を検出した。蛍光強度は、Spectrafluor Plusプレートリーダーを用い、530nmでの励起および590nmでの発光で測定した。
【0131】
次いで、IC50、TGIおよびLC50値を調べた。IC50(50%阻害濃度)とは、処理細胞の数または質量における時間0からの増大が、実験の最後のビヒクル対照における対応する増大の50%にすぎなかった試験化合物濃度である。TGI(完全増殖阻害)とは、実験の最後での処理細胞の数または質量が、時間0でのものと同等であった試験化合物濃度である。LC50(50%致死濃度)とは、実験の最後での処理細胞の数または質量が、時間0のものの半分であった試験化合物濃度である。測定された結果は、以下の式によって計算した:
PG(%)=100×(平均Ftest−平均Ftime0)/(平均Fctrl−平均Ftime0
(平均Ftest−平均Ftime0)<0ならば、
PG(%)−100×(平均Ftest−平均Ftime0)/(平均Ftime0−平均Fblank
ここで、
PG=増殖パーセント
平均Ftime0=試験物質への細胞の曝露の直前の時間での還元されたアラマーブルーの2つの測定された蛍光強度の平均。
平均Ftest=試験物質への細胞の72時間の曝露後のアラマーブルーの2つの測定された蛍光強度の平均。
平均Fctrl=試験物質を含まない72時間のインキュベーション後のアラマーブルーの2つの測定された蛍光強度の平均。
平均Fblank=72時間のインキュベーション後の細胞を含まない培地中のアラマーブルーの2つの測定された蛍光強度の平均。
【0132】
ビヒクル処理対照と比較した、蛍光強度の50%以上(≧50%)の減少は、有意な細胞増殖阻害を示し、次いで、GraphPad Prism(GraphPad Software, USA)を用いて非直線回帰によって細胞増殖抑制または細胞傷害性活性および半定量的IC50、TGIおよびLC50を調べた。
【0133】
結果 以下の表および図1〜3は、アッセイの結果を要約している。
【0134】
A431皮膚腫瘍細胞の増殖に対するモリンダ・シトリフォリア試験物質の効果
【表7】

【0135】
【表8】

【0136】
【表9】

【0137】
ビヒクル処理対照と比較して蛍光強度の50%以上(≧50%)の低下は、有意な増殖阻害、細胞増殖抑制または細胞傷害性活性を示す。
ブランク:2連での、時間0と比較した、3日のインキュベーション期間後の細胞を含まない培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度(変換され、100%として記録される)。
時間0:2連での、細胞を試験物質に曝露する直前の培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度(変換され、0%として記録される)。
ビヒクル:2連での、時間0と比較した、3日のインキュベーション期間後の、細胞を含み、ビヒクルを加えた培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度(変換され、100%として記録される)。
【0138】
モリンダ・シトリフォリア試験化合物のIC50、TGIおよびLC50
【表10】

【0139】
GraphPad Prism(GraphPad Software, USA)を用いる非直線回帰分析によってIC50、TGIおよびLC50の半定量的決定を実施した。
ID50(50%阻害濃度):処理細胞の数または質量における時間0からの増大が、実験の最後のビヒクル対照における対応する増大の50%にすぎなかった試験化合物濃度。
TGI(完全増殖阻害):実験の最後での処理細胞の数または質量が、時間0でのものと同等であった試験化合物濃度。
LC50(50%致死濃度):実験の最後での処理細胞の数または質量が、時間0のものの半分であった試験化合物濃度。
【0140】
下記の図は、葉抽出物、葉汁およびローストリーフ(Roast Leaf)で処理した、A431ヒト腫瘍細胞株における増殖の阻害の濃度反応曲線である。
【0141】
要約すれば、本発明のいくつかの実施形態は、疼痛および炎症を軽減すること、前立腺癌を治療すること、コレステロールレベルを下げること、II型糖尿病に対抗すること、乱されていない神経機能(すなわち、神経保護)をもたらす、脳における細胞間相互作用の最大限のあり得る完全性を維持すること、喘息およびアレルギーの作用を寛解させること、エネルギーを改善すること、インスリン分泌を改善すること、腎臓結石の蓄積を減少させること、痛風の作用を軽減すること、てんかんおよびその他の発作性疾患に関連する痙攣を最小にすること、ならびに薬物の中毒になっているヒトに緩和効果を提供することを目的として、HMG−CoAレダクターゼ、PDE3およびPDE4、5−LOXおよび15−LOX、XO、GABAならびに2番目に最も一般的なヒト皮膚癌細胞株の増殖を阻害するためにノニ葉汁およびノニ葉抽出物を用いることを提供する。
【実施例4】
【0142】
実施例4では、ヒトMMPに対する、ノニ葉汁のエタノール抽出物および搾りたてのノニ葉汁の効果をアッセイした。以下の表は、これらの研究の結果を要約しており、ここで、TNL−3はノニ葉のエタノール抽出物であり、TNLJ−1は、搾りたてのノニ葉汁である。
【0143】
表11は、多様な濃度のノニ葉のエタノール抽出物および搾りたてのノニ葉汁の効果のないパーセントを表す。
【0144】
【表11】

【0145】
継続中の表11に示されるように、ノニ葉のエタノール抽出物は、MMP−9、MMP−1、MMP−2およびMMP−3の有意な阻害を示した。実施例4は、表12〜17に並べられたパラメータに基づいている。
【0146】
【表12】

【0147】
【表13】

【0148】
【表14】

【0149】
【表15】

【0150】
【表16】

【0151】
【表17】

【0152】
【実施例5】
【0153】
実施例5では、ノニ葉のエタノール抽出物の効果を調べた。以下の表は、これらの研究の結果を要約しており、ここで、TNL−3はノニ葉のエタノール抽出物である。以下の図に示されるように、ノニ葉のエタノール抽出物は、ヒトにおいて挫瘡を引き起こすのに関与している細菌を阻害するのに有効であるとわかった。
【0154】
【表18】

【0155】
前述の結果は以下の材料、方法および参照内容を用いることを必要とした。
【0156】
【表19】

【0157】
【表20】

【0158】
【表21】

【0159】
本発明は、本質的な特徴の趣旨から逸脱することなく、その他の具体的な形で実施できる。記載される実施形態は、あらゆる点で単に例示的なものと考えられるべきであり、制限的なものと考えられるべきない。したがって、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と等価の意味および範囲内に入るすべての変形は、範囲内に包含される。
【0160】
上記で列挙された、およびその他の本発明の利点および特徴が得られる方法のために、上記で手短に記載された本発明のより詳しい説明は、添付の図面に示される具体的な実施形態を参照することによりもたらされる。これらの図面が本発明の代表的な実施形態を表すものに過ぎず、したがって、その範囲の制限と考えられるべきではないことは理解され、本発明は添付の図面の使用によってさらに特異的に、詳細に記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】葉抽出物の存在下での腫瘍細胞の増殖パーセントを示す図である。
【図2】葉抽出物の存在下での腫瘍細胞の増殖パーセントを示す図である。
【図3】マイトマイシンの存在下での腫瘍皮膚細胞増殖を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリンダ・シトリフォリア葉から得た抽出物を含有する化合物を投与するステップと、
5−リポキシゲナーゼ、15−リポキシゲナーゼ、HMG−CoAレダクターゼ、PDE3、PDE4、XOおよびGABAからなる羅列から選択される酵素を阻害するステップとを含む、疾患を治療する方法。
【請求項2】
前記の5−リポキシゲナーゼおよび15−リポキシゲナーゼの阻害が、疼痛の治療、炎症の治療からなる羅列から選択される効果をもたらし、5−リポキシゲナーゼおよび15−リポキシゲナーゼの阻害が神経保護を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記阻害が、前立腺癌を治療する、コレステロールを下げる、II型糖尿病に伴う疾患を治療する、記憶を向上させる、インスリンを増大させる、喘息を治療する、アレルギーを治療する、痛風を治療する、腎臓結石の蓄積を減少させる、心血管の健康を向上させる、発作を減少させる、痙攣活性を最小にする、薬物嗜癖を患っている哺乳類に治療効果を提供する、および皮膚癌を減少させることからなる羅列から選択される生理学的効果をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がイソフラボンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物がステロールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
0.01〜100重量%の間の量の、モリンダ・シトリフォリア葉汁、モリンダ・シトリフォリア葉抽出物、モリンダ・シトリフォリア種子由来の抽出物、モリンダ・シトリフォリア種子および脱脂粉砕モリンダ・シトリフォリア種子粉末からなる群から選択される加工モリンダ・シトリフォリア成分を含む組成物。
【請求項7】
5−リポキシゲナーゼおよび15−リポキシゲナーゼからなる羅列から選択される、1種以上のリポキシゲナーゼ酵素の阻害が関与する、アラキドン酸からのロイコトリエンの合成を阻害する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
アラキドン酸の、その中間体構成要素への酸素化を阻害する、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
約0.1〜80重量%の間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁、
約0.1〜20重量%の間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリアオイルおよび
約20〜90重量%の間の量で存在する担体媒体
をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
リポキシゲナーゼ酵素を阻害する方法であって、
加工モリンダ・シトリフォリア成分をアルコールベースの溶液に加えるステップと、
前記溶液から前記加工モリンダ・シトリフォリア成分の有効成分を単離および抽出して画分を得るステップと、
前記の抽出された有効成分を前記哺乳類に導入し、前記抽出された有効成分がアラキドン酸の中間体構成要素への酸素化を阻害するステップと
を含む方法。
【請求項11】
アラキドン酸の酸素化を阻害することが、5−リポキシゲナーゼおよび15−リポキシゲナーゼからなる羅列から選択されるリポキシゲナーゼ酵素を阻害することによって影響を受ける、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
シクロオキシゲナーゼ−2も選択的に阻害される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
アラキドン酸の中間体構成要素への酸素化を阻害することが、胃粘膜完全性を維持しながら達成される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物のうち1種以上からなる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記アルコールベースの溶液が、本質的にメタノール、エタノールおよび酢酸エチルならびにその他のアルコールベースの誘導体からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記有効成分が、可溶性アルコール上清画分である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記有効成分がケルセチンである、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記ケルセチンが、0.01〜10重量%の間の量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記有効成分がルチンである、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記ルチンが、0.01〜10重量%の間の量で存在する、請求項10に記載の方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−521407(P2009−521407A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543339(P2008−543339)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/044949
【国際公開番号】WO2007/064521
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(504279337)タヒチアン ノニ インターナショナル インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】