説明

モーター駆動型変速機操作装置

【課題】モーターを大型化することなく、高出力のモーター駆動型変速機操作装置1を得る。
【解決手段】ハウジング2内に回転可能に支持されたシフトシャフト4にストライカ6がスプライン係合され、軸方向移動可能で、かつ一体回転する。シフトシャフトと平行にセレクト用ボールスクリュー22が配置され、両端に連結された2台のモーター14、16で駆動される。ボールスクリューに螺合したセレクト用ボールナット32が軸方向移動すると、第1、第2セレクトレバー36、40を介してストライカが軸方向移動して変速機がセレクト作動を行う。シフトシャフトと直交する配置のシフト用ボールスクリュー54を2台のモーター50、52で駆動する。シフト用ボールナット56の移動をシフトレバー58によってシフトシャフトに伝え、ストライカを回転させてシフト作動を行う。モーターが小型でも高出力を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変速機操作装置に係り、特に、モーターの駆動によりストライカを移動または回転させて、変速機のセレクト作動およびシフト作動を行うモーター駆動型変速機操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モーター駆動型変速機操作装置は、ハウジング内に回転自在に支持されたシフトシャフトと、このシフトシャフトの外周に嵌合されたストライカと、このストライカをシフトシャフトの軸方向に移動させるセレクトモーターと、ストライカをシフトシャフトの軸線回りに回転させるシフトモーターとを備えており、これらセレクトモーターとシフトモーターの駆動を制御することにより、変速機のセレクト作動およびシフト作動を行うようになっている。
【0003】
このようなモーター駆動型の変速機操作装置の一例(例えば、特許文献1参照)について、図7により簡単に説明する。なお、図7中の符号は、この明細書中ではカッコ内に入れて示す。この変速機操作装置(1)は、シフトシャフト(4)がハウジング(2)内に回転自在に、かつ軸方向の移動を規制されて支持されている。このシフトシャフト(4)の外周面にスプライン(4b)が形成され、ストライカ(6)がその内面に形成されたスプライン(6a)によって係合しており、ストライカ(6)はシフトシャフト(4)の軸方向に移動可能であり、シフトシャフト(4)が回転すると一体的に回転するようになっている。
【0004】
前記ハウジング(2)にセレクトモーター(16)が固定され、このセレクトモーター(16)のモーターシャフト(18)にシフトシャフト(4)と平行に配置されたねじ軸(20)が連結されて回転される。このねじ軸(20)にはナット(26)が螺合し、前記ストライカ(6)と軸方向に一体移動するように連結されており、セレクトモーター(16)の駆動によりねじ軸(20)が回転すると、ナット(26)が軸方向移動し、さらにストライカ(6)が一体的に軸方向移動してセレクト作動が行われる。
【0005】
また、前記シフトシャフト(4)と直交して配置されたねじ軸(52)がシフトモーター(46)によって回転されるようになっており、このねじ軸(52)に螺合したナット(54)が、レバー(56)を介してシフトシャフト(4)に連結されている。シフトモーター(46)の駆動によりねじ軸(52)が回転すると、ナット(54)がねじ軸(52)の軸方向に移動し、レバー(56)を介してシフトシャフト(4)を回転させることによりストライカ(6)を回転させて、シフト作動を行うようになっている。
【特許文献1】特願2003−345843号(第2−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のモーター駆動型変速機操作装置は、セレクトモーターおよびシフトモーターが、いずれも1台であり、大型車両に搭載して大出力でギヤの切換えを行えるようにするには、大型のモーターを用いる必要があり、変速機操作装置全体が大型化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジング内に回転可能に支持されたシフトシャフトと、このシフトシャフトに軸方向移動可能に、かつ、一体回転するように嵌合されたストライカと、このストライカを軸方向移動させるセレクトモーターと、このセレクトモーターの駆動力を前記ストライカに伝達する伝達手段と、前記シフトシャフトを回転させるシフトモーターと、このシフトモーターの駆動力を前記シフトシャフトに伝達する伝達手段とを備えたモーター駆動型変速機操作装置において、前記セレクトモーターおよびシフトモーターをそれぞれ2台設け、セレクト作動時およびシフト作動時とも、常時2台のモーターにより駆動力を得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のモーター駆動型変速機操作装置は、モーターを常時2台駆動するようにしたので、モーターを大型化せず大出力を得ることができ、変速機操作装置全体の大型化を避けることができる。また、1台のモーターが故障した場合でも、変速操作が可能であり安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
セレクト作動を行うセレクトモーターと、シフト作動を行うシフトモーターをそれぞれ2台設け、これら2台のモーターを同時に駆動してセレクト作動またはシフト作動を行うという簡単な構成で、モーターを大型化することなく、大型車両に必要な高出力を得ることができるという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置の平面図、図2は図1のII方向矢視図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図、図5は図1のV−V線に沿う断面図、図6は前記変速機操作装置を構成する各部を示す斜視図であり、ハウジングの図示を省略してある。
【0011】
このモーター駆動型変速機操作装置(全体として符号1で示す)は、ハウジング2内にシフトシャフト4が回動自在に支持され、このシフトシャフト4の外周に、ストライカ6(図3ないし図6参照)が軸方向に移動可能に嵌合している。後に説明するように、このストライカ6をシフトシャフト4の軸線方向に移動させることにより変速機(図示せず)のセレクト作動を行い、ストライカ6を回転させることにより変速機のシフト作動を行うようになっている。
【0012】
前記ハウジング2内にはシフトシャフト保持孔8が形成され(図3および図4参照)、この保持孔8内にシフトシャフト4が回転自在に保持されている。このシフトシャフト保持孔8の中央部付近に、シフトシャフト4を囲む空間12が形成されており(図3ないし図5参照)、シフトシャフト4のこの空間12内に位置する部分の外周に前記ストライカ6が嵌合している。シフトシャフト4の前記空間12内に位置する部分の外周面には、軸線方向のスプライン4aが形成され、一方、ストライカ6の内周面にも軸線方向のスプライン6a(図5参照)が形成されて互いに噛み合っており、ストライカ6は、シフトシャフト4の軸線方向に移動可能であるとともに、回転方向には、シフトシャフト4と一体的に回転するようになっている。
【0013】
前記ハウジング2の側部(図1および図4の上部)に一対のセレクトモーター(第1セレクトモーター14と第2セレクトモーター16)が取り付けられている。これら2台のセレクトモーター14、16は、そのモーターシャフト18、20(図4参照)同士が互いに向かい合うように配置されており、これら両モーターシャフト18、20にの先端に一本のねじ軸(この実施例ではセレクト用ボールスクリュー22)の両端部が連結されている。このセレクト用ボールスクリュー22が、前記シフトシャフト4と平行に配置されている。前記両セレクトモーター16、18は、2台とも正常に駆動されているときには、同方向に同速で回転する。例えば、第1セレクトモーター14がその背後(各図の右側)から見て時計回り方向に回転するときには、第2セレクトモーター16はその背後(各図の左側)から見て反時計回り方向に回転する。このように回転することにより、1本のボールスクリュー22を両側から駆動する。
【0014】
両セレクトモーター14、16のモーターシャフト18、20とセレクト用ボールスクリュー22の両端部とは、それぞれ回転伝達部材24、26を介して連結されている。この連結構造について、図4により説明する。各回転伝達部材24、26のセレクト用モーター14、16側には、非円形断面(例えば断面がD形状)の連結孔が形成され、同様の形状を有するモーターシャフト18、20の先端がこの連結孔内に嵌合して回転を伝達する。また、回転伝達部材24、26の他端面、つまり、ボールスクリュー22側にはそれぞれ軸挿入孔が形成されており、この軸挿入孔内に前記ボールスクリュー22の両端部がそれぞれ挿入されている。このボールスクリュー22の端部の外周面と前記軸挿入孔は、モーターシャフト18、20側と同様に非円形断面になっており、その係合によって回転を伝達する。両端が回転伝達部材24、26を介してそれぞれセレクトモーター14、16に連結されたセレクト用ボールスクリュー22は、その両端部のやや手前の位置が、ハウジング2内に配置された一対のボールベアリング28、30によって回転自在に支持されている。
【0015】
セレクト用ボールスクリュー22のほぼ中央部付近に、セレクト用ボールナット32が多数のボール(図示せず)を介して螺合している。従って、両セレクトモーター14、16が駆動されると、各モーターシャフト18、20に両端が連結されたボールスクリュー22が一方向に回転して、セレクト用ボールナット32がボールスクリュー22上を軸方向に移動する。
【0016】
ハウジング2内に平行に配置され、回転自在に支持されているシフトシャフト4とセレクト用ボールスクリュー22の中間に、これら両者4、22と直交する方向の支点軸34(図5および図6参照)が回転可能に支持されている。この支点軸34の一端に、第1セレクトレバー36の一端が固定されている。この第1セレクトレバー36の他端は、前記シフトシャフト4方向に延びており、シフトシャフト4の外周に嵌合された円筒部材38に連結されている。この円筒部材38はストライカ6に結合されて一体的に軸方向移動するようになっている。従って、ストライカ6は、円筒部材38を介して第1セレクトレバー36に連結され、この第1セレクトレバー36の回動により、円筒部材38とともにシフトシャフト4の軸方向に移動される。
【0017】
前記支点軸34の第1セレクトレバー36が固定されている側と逆の端部側(図5の上方側)には、第2セレクトレバー40の一端が取り付けられている。この第2セレクトレバー40は、他端側が二股に別れた脚状をしており、この脚部40a、40aに形成されたU字状の切欠きに、前記ボールスクリュー22に螺合されたセレクト用ボールナット32の両側に形成されている係合ピン32a、32aが係合している。従って、セレクト用ボールスクリュー22の回転によりセレクト用ボールナット32が軸方向に移動すると、第2セレクトレバー40が支点軸34を支点にして回転し、さらに、この支点軸34に固定されている前記第1セレクトレバー36もともに回転する。第1セレクトレバー36の回転により円筒部材38およびこれと一体のストライカ6が、シフトシャフト4の軸方向に移動して、変速機のセレクト動作が行われる。
【0018】
前記ストライカ6と一体の円筒部材38に、シフトシャフト4と平行なセンシングロッド42が固定されている(図1および図4ないし図6参照)。このセンシングロッド42には、円筒部材38に固定されている端部と逆の端部側にガイド部材44が連結されている。このガイド部材44は円弧状の凹部44a(図6参照)が形成されて、シフトシャフト4の外周面に嵌合されており、ストライカ6の移動に伴って、センシングロッド42とともにシフトシャフト44の外周面に沿って移動する。ハウジング2の、センシングロッド42が配置されている位置の側部に、回転角度検出型のセレクトセンサー46が取り付けられている。このセレクトセンサー46は、検出レバー48の先端にU字状の溝48aが形成されており、このU字状の溝48aに、前記ガイド部材44の端面に設けられたセンシング用のピン44bが係合している。前記ストライカ6の軸方向の移動を、センシングロッド42に連結されたガイド部材44のセンシングピン44aを介してセレクトセンサ46が検出することにより、変速機のセレクト位置を確認することができる。
【0019】
このモーター駆動型変速機操作装置1のシフト作動を行う構成について説明する。ハウジング2のシフトシャフト4と直交する方向に、このシフトシャフト4と高さを異ならせて2台のシフトモーター50、52が取り付けられている この実施例では、前記セレクトモーター14、16と同様に一対のシフトモーター50、52が互いに向かい合わせに配置されている。
【0020】
前記ハウジング2の側部に取り付けられた一対のシフトモーター(第1シフトモーター50と第2シフトモーター52)は、そのモーターシャフト(図示せず)同士が互いに向かい合い、これら両モーターシャフトの先端に一本のねじ軸(シフト用ボールスクリュー54)の両端部が連結されている。このシフト用ボールスクリュー54が、前記シフトシャフト4と直角に配置されている。これら両シフトモーター50、52も、前記セレクトモーター14、16と同様に、同時に駆動されるときには同方向に同速で回転し、1本のボールスクリュー54を両側から駆動する。
【0021】
両シフトモーター50、52のモーターシャフトとシフト用ボールスクリュー54の両端部との連結部の構成は、図示しないが、前記一対のセレクトモーター14、16とセレクト用ボールスクリュー22との連結部と同様の構成になっており、それぞれ回転伝達部材を介して連結されている。なお、シフトモーター50、52とシフト用ボールスクリュー54とを、その他の構造により連結することも可能である。
【0022】
前記シフト用ボールスクリュー54に、図示しない多数のボールを介してシフト用ボールナット56が螺合されている。シフトシャフト4の端部にはシフトレバー58(図2、図3および図6参照)が固定され、このシフトレバー58の先端側が、前記シフト用ボールナット56の両側に設けられた一対の係合ピン56a、56aに係合している。従って、両側のシフトモーター50、52が駆動されると、これら両モーター50、52のモーターシャフトを介してシフト用ボールスクリュー54が回転してシフト用ボールナット56がボールスクリュー54上を軸方向に移動し、それに応じてシフトレバー58が回動する。シフトレバー58が回動すると、シフトシャフト4およびこのシフトシャフト4上にスプライン結合されたストライカ6が一体的に回動する。これにより図示しない変速機のシフト動作が行われる。
【0023】
前記シフト用ボールスクリュー54に螺合しているシフト用ボールナット56には、傾き防止機構60が設けられている(図2、図3および図6参照)。この傾き防止機構60は、前記シフト用ボールスクリュー54と平行してハウジング2に固定されたガイドロッド62と、前記ボールナット56に取り付けられて、前記ガイドロッド62に摺動自在に嵌合された傾き防止ガイド64とを備えている。両シフトモーター50、52の作動によりボールスクリュー54が回転し、シフト用ボールナット56がボールスクリュー64の軸線方向に移動して、前記シフトレバー58を回転させる際に、シフト用ボールナット56にモーメント荷重が作用し傾斜しようとするが、この傾き防止機構60により、シフト用ボールナット56が移動する際の傾きを抑制することができる。
【0024】
ハウジング2の、前記シフトモーター50、52が設けられている側と逆の端部側に、ストライカ6のシフト位置を検出する回転角度検出型のシフトセンサー66(図1、図3、図4および図6参照)が設けられており、このシフトセンサ66によってシフトシャフト4の回転角度を直接検出することにより、ストライカ6のシフト位置を検出するようになっている。
【0025】
前記構成に係るモーター駆動型変速機操作装置1の作動について説明する。セレクト作動を行う場合には、2台のセレクトモーター14、16を作動方向に同時に駆動する。両セレクトモーター14、16の駆動により各モーターシャフト18、20が回転すると、これらモーターシャフト18、20に回転伝達部材24、26を介して連結されているセレクト用ボールスクリュー22が回転し、セレクト用ボールナット32がボールスクリュー22の軸方向に移動する。ボールナット32が移動すると、このボールナット32の係合ピン32a、32aに係合している第2セレクトレバー40が支点軸34を中心に回転し、さらに、この支点軸34に固定されている第1セレクトレバー36が、支点軸34とともに回転する。第1セレクトレバー36の回転端には、円筒部材38を介してストライカ6が連結されており、このストライカ6がシフトシャフト4の軸方向に所定量移動することにより、変速機のセレクト作動が行われる。
【0026】
前記ストライカ6の軸方向移動は、ストライカ6に円筒部材38を介して連結されているセンシングロッド42およびガイド部材44に伝達され、センシングロッド42とガイド部材44がストライカ6と同方向に同量だけ軸方向移動する。ガイド部材44に取付けられたセンシングピン44bに、セレクトセンサ46の検出レバー48が係合しており、センシングピン44bの軸方向の移動量を検出レバー48の回転に変換することにより、ストライカ6の軸方向の移動位置、つまり変速機のセレクト位置をセレクトセンサ46によって検出する。
【0027】
続いて、一対のシフトモーター50、52を駆動してシフト用ボールスクリュー54を回転させる。このボールスクリュー54の回転によってシフト用ボールナット56がボールスクリュー54の軸線方向に移動し、シフトレバー58を回動させて、シフトシャフト4およびストライカ6を回転させ、変速機のシフト作動を行わせる。このシフト作動部には、シフト用ボールスクリュー54に連結された傾き防止ガイド64と、ハウジング2に支持されているガイドロッド62からなる傾き防止機構60を設けてあるので、シフト用ボールスクリュー54の回転に伴ってシフト用ボールナット56がボールスクリュー54の軸方向に移動する際に傾くおそれがない。なお、ストライカ6がスプライン係合しているシフトシャフト4の回転をシフトセンサー66によって直接検出しており、前記ストライカ6の回転による変速機のシフト位置は、このシフトシャフト4の回転位置から検出される。
【0028】
この実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置1は、ストライカ6のセレクト作動を行うセレクトモーター14、16と、シフト作動を行うシフトモーター50、52とを、それぞれ2台備えており、作動時にはこれら2台のモーター14、16または50、52を同時に駆動してボールスクリュー22または54を回転させるようにしているので、モーターを大型化することなく高出力を得ることができる。従って、変速機操作装置自体を大型化せずに、大型トラック等の大型車両の搭載に適した高出力のモーター駆動型変速機操作装置を得ることができる。また、セレクト側およびシフト側ともに2台のモーターを備えているので、いずれか一方が故障した場合でも、変速機の変速操作が可能であり、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】モーター駆動型変速機操作装置の平面図である。(実施例1)
【図2】図1のII方向矢視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】前記モーター駆動型変速機操作装置のハウジング内に収容されている各部材の構成を示す斜視図である。
【図7】従来のモーター駆動型変速機操作装置の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0030】
2 ハウジング
4 シフトシャフト
6 ストライカ
14 セレクトモーター
16 セレクトモーター
22 伝達手段(ねじ軸)
32 伝達手段(ナット)
36 伝達手段(第1セレクトレバー)
40 伝達手段(第2セレクトレバー)
50 シフトモーター
52 シフトモーター
54 伝達手段(ねじ軸)
56 伝達手段(ナット)
58 伝達手段(シフトレバー)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変速機操作装置に係り、特に、モーターの駆動によりストライカを移動または回転させて、変速機のセレクト作動およびシフト作動を行うモーター駆動型変速機操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モーター駆動型変速機操作装置は、ハウジング内に回転自在に支持されたシフトシャフトと、このシフトシャフトの外周に嵌合されたストライカと、このストライカをシフトシャフトの軸方向に移動させるセレクトモーターと、ストライカをシフトシャフトの軸線回りに回転させるシフトモーターとを備えており、これらセレクトモーターとシフトモーターの駆動を制御することにより、変速機のセレクト作動およびシフト作動を行うようになっている。
【0003】
このようなモーター駆動型の変速機操作装置の一例(例えば、特許文献1参照)について、図7により簡単に説明する。なお、図7中の符号は、この明細書中ではカッコ内に入れて示す。この変速機操作装置(1)は、シフトシャフト(4)がハウジング(2)内に回転自在に、かつ軸方向の移動を規制されて支持されている。このシフトシャフト(4)の外周面にスプライン(4b)が形成され、ストライカ(6)がその内面に形成されたスプライン(6a)によって係合しており、ストライカ(6)はシフトシャフト(4)の軸方向に移動可能であり、シフトシャフト(4)が回転すると一体的に回転するようになっている。
【0004】
前記ハウジング(2)にセレクトモーター(16)が固定され、このセレクトモーター(16)のモーターシャフト(18)にシフトシャフト(4)と平行に配置されたねじ軸(20)が連結されて回転される。このねじ軸(20)にはナット(26)が螺合し、前記ストライカ(6)と軸方向に一体移動するように連結されており、セレクトモーター(16)の駆動によりねじ軸(20)が回転すると、ナット(26)が軸方向移動し、さらにストライカ(6)が一体的に軸方向移動してセレクト作動が行われる。
【0005】
また、前記シフトシャフト(4)と直交して配置されたねじ軸(52)がシフトモーター(46)によって回転されるようになっており、このねじ軸(52)に螺合したナット(54)が、レバー(56)を介してシフトシャフト(4)に連結されている。シフトモーター(46)の駆動によりねじ軸(52)が回転すると、ナット(54)がねじ軸(52)の軸方向に移動し、レバー(56)を介してシフトシャフト(4)を回転させることによりストライカ(6)を回転させて、シフト作動を行うようになっている。
【特許文献1】特願2003−345843号(第2−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のモーター駆動型変速機操作装置は、セレクトモーターおよびシフトモーターが、いずれも1台であり、大型車両に搭載して大出力でギヤの切換えを行えるようにするには、大型のモーターを用いる必要があり、変速機操作装置全体が大型化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジング内に回転可能に支持されたシフトシャフトと、このシフトシャフトに軸方向移動可能に、かつ、一体回転するように嵌合されたストライカと、このストライカを軸方向移動させるセレクトモーターと、このセレクトモーターの駆動力を前記ストライカに伝達する伝達手段と、前記シフトシャフトを回転させるシフトモーターと、このシフトモーターの駆動力を前記シフトシャフトに伝達する伝達手段とを備えたモーター駆動型変速機操作装置において、前記セレクトモーターおよびシフトモーターをそれぞれ2台設け、セレクト作動時およびシフト作動時とも、常時2台のモーターにより駆動力を得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のモーター駆動型変速機操作装置は、モーターを常時2台駆動するようにしたので、モーターを大型化せず大出力を得ることができ、変速機操作装置全体の大型化を避けることができる。また、1台のモーターが故障した場合でも、変速操作が可能であり安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
セレクト作動を行うセレクトモーターと、シフト作動を行うシフトモーターをそれぞれ2台設け、これら2台のモーターを同時に駆動してセレクト作動またはシフト作動を行うという簡単な構成で、モーターを大型化することなく、大型車両に必要な高出力を得ることができるという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置の平面図、図2は図1のII方向矢視図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図、図5は図1のV−V線に沿う断面図、図6は前記変速機操作装置を構成する各部を示す斜視図であり、ハウジングの図示を省略してある。
【0011】
このモーター駆動型変速機操作装置(全体として符号1で示す)は、ハウジング2内にシフトシャフト4が回動自在に支持され、このシフトシャフト4の外周に、ストライカ6(図3ないし図6参照)が軸方向に移動可能に嵌合している。後に説明するように、このストライカ6をシフトシャフト4の軸線方向に移動させることにより変速機(図示せず)のセレクト作動を行い、ストライカ6を回転させることにより変速機のシフト作動を行うようになっている。
【0012】
前記ハウジング2内にはシフトシャフト保持孔8が形成され(図3および図4参照)、この保持孔8内にシフトシャフト4が回転自在に保持されている。このシフトシャフト保持孔8の中央部付近に、シフトシャフト4を囲む空間12が形成されており(図3ないし図5参照)、シフトシャフト4のこの空間12内に位置する部分の外周に前記ストライカ6が嵌合している。シフトシャフト4の前記空間12内に位置する部分の外周面には、軸線方向のスプライン4aが形成され、一方、ストライカ6の内周面にも軸線方向のスプライン6a(図5参照)が形成されて互いに噛み合っており、ストライカ6は、シフトシャフト4の軸線方向に移動可能であるとともに、回転方向には、シフトシャフト4と一体的に回転するようになっている。
【0013】
前記ハウジング2の側部(図1および図4の上部)に一対のセレクトモーター(第1セレクトモーター14と第2セレクトモーター16)が取り付けられている。これら2台のセレクトモーター14、16は、そのモーターシャフト18、20(図4参照)同士が互いに向かい合うように配置されており、これら両モーターシャフト18、20にの先端に一本のねじ軸(この実施例ではセレクト用ボールスクリュー22)の両端部が連結されている。このセレクト用ボールスクリュー22が、前記シフトシャフト4と平行に配置されている。前記両セレクトモーター16、18は、2台とも正常に駆動されているときには、同方向に同速で回転する。例えば、第1セレクトモーター14がその背後(各図の右側)から見て時計回り方向に回転するときには、第2セレクトモーター16はその背後(各図の左側)から見て反時計回り方向に回転する。このように回転することにより、1本のボールスクリュー22を両側から駆動する。
【0014】
両セレクトモーター14、16のモーターシャフト18、20とセレクト用ボールスクリュー22の両端部とは、それぞれ回転伝達部材24、26を介して連結されている。この連結構造について、図4により説明する。各回転伝達部材24、26のセレクト用モーター14、16側には、非円形断面(例えば断面がD形状)の連結孔が形成され、同様の形状を有するモーターシャフト18、20の先端がこの連結孔内に嵌合して回転を伝達する。また、回転伝達部材24、26の他端面、つまり、ボールスクリュー22側にはそれぞれ軸挿入孔が形成されており、この軸挿入孔内に前記ボールスクリュー22の両端部がそれぞれ挿入されている。このボールスクリュー22の端部の外周面と前記軸挿入孔は、モーターシャフト18、20側と同様に非円形断面になっており、その係合によって回転を伝達する。両端が回転伝達部材24、26を介してそれぞれセレクトモーター14、16に連結されたセレクト用ボールスクリュー22は、その両端部のやや手前の位置が、ハウジング2内に配置された一対のボールベアリング28、30によって回転自在に支持されている。
【0015】
セレクト用ボールスクリュー22のほぼ中央部付近に、セレクト用ボールナット32が多数のボール(図示せず)を介して螺合している。従って、両セレクトモーター14、16が駆動されると、各モーターシャフト18、20に両端が連結されたボールスクリュー22が一方向に回転して、セレクト用ボールナット32がボールスクリュー22上を軸方向に移動する。
【0016】
ハウジング2内に平行に配置され、回転自在に支持されているシフトシャフト4とセレクト用ボールスクリュー22の中間に、これら両者4、22と直交する方向の支点軸34(図5および図6参照)が回転可能に支持されている。この支点軸34の一端に、第1セレクトレバー36の一端が固定されている。この第1セレクトレバー36の他端は、前記シフトシャフト4方向に延びており、シフトシャフト4の外周に嵌合された円筒部材38に連結されている。この円筒部材38はストライカ6に結合されて一体的に軸方向移動するようになっている。従って、ストライカ6は、円筒部材38を介して第1セレクトレバー36に連結され、この第1セレクトレバー36の回動により、円筒部材38とともにシフトシャフト4の軸方向に移動される。
【0017】
前記支点軸34の第1セレクトレバー36が固定されている側と逆の端部側(図5の上方側)には、第2セレクトレバー40の一端が取り付けられている。この第2セレクトレバー40は、他端側が二股に別れた脚状をしており、この脚部40a、40aに形成されたU字状の切欠きに、前記ボールスクリュー22に螺合されたセレクト用ボールナット32の両側に形成されている係合ピン32a、32aが係合している。従って、セレクト用ボールスクリュー22の回転によりセレクト用ボールナット32が軸方向に移動すると、第2セレクトレバー40が支点軸34を支点にして回転し、さらに、この支点軸34に固定されている前記第1セレクトレバー36もともに回転する。第1セレクトレバー36の回転により円筒部材38およびこれと一体のストライカ6が、シフトシャフト4の軸方向に移動して、変速機のセレクト動作が行われる。
【0018】
前記ストライカ6と一体の円筒部材38に、シフトシャフト4と平行なセンシングロッド42が固定されている(図1および図4ないし図6参照)。このセンシングロッド42には、円筒部材38に固定されている端部と逆の端部側にガイド部材44が連結されている。このガイド部材44は円弧状の凹部44a(図6参照)が形成されて、シフトシャフト4の外周面に嵌合されており、ストライカ6の移動に伴って、センシングロッド42とともにシフトシャフト44の外周面に沿って移動する。ハウジング2の、センシングロッド42が配置されている位置の側部に、回転角度検出型のセレクトセンサー46が取り付けられている。このセレクトセンサー46は、検出レバー48の先端にU字状の溝48aが形成されており、このU字状の溝48aに、前記ガイド部材44の端面に設けられたセンシング用のピン44bが係合している。前記ストライカ6の軸方向の移動を、センシングロッド42に連結されたガイド部材44のセンシングピン44aを介してセレクトセンサ46が検出することにより、変速機のセレクト位置を確認することができる。
【0019】
このモーター駆動型変速機操作装置1のシフト作動を行う構成について説明する。ハウジング2のシフトシャフト4と直交する方向に、このシフトシャフト4と高さを異ならせて2台のシフトモーター50、52が取り付けられている この実施例では、前記セレクトモーター14、16と同様に一対のシフトモーター50、52が互いに向かい合わせに配置されている。
【0020】
前記ハウジング2の側部に取り付けられた一対のシフトモーター(第1シフトモーター50と第2シフトモーター52)は、そのモーターシャフト(図示せず)同士が互いに向かい合い、これら両モーターシャフトの先端に一本のねじ軸(シフト用ボールスクリュー54)の両端部が連結されている。このシフト用ボールスクリュー54が、前記シフトシャフト4と直角に配置されている。これら両シフトモーター50、52も、前記セレクトモーター14、16と同様に、同時に駆動されるときには同方向に同速で回転し、1本のボールスクリュー54を両側から駆動する。
【0021】
両シフトモーター50、52のモーターシャフトとシフト用ボールスクリュー54の両端部との連結部の構成は、図示しないが、前記一対のセレクトモーター14、16とセレクト用ボールスクリュー22との連結部と同様の構成になっており、それぞれ回転伝達部材を介して連結されている。なお、シフトモーター50、52とシフト用ボールスクリュー54とを、その他の構造により連結することも可能である。
【0022】
前記シフト用ボールスクリュー54に、図示しない多数のボールを介してシフト用ボールナット56が螺合されている。シフトシャフト4の端部にはシフトレバー58(図2、図3および図6参照)が固定され、このシフトレバー58の先端側が、前記シフト用ボールナット56の両側に設けられた一対の係合ピン56a、56aに係合している。従って、両側のシフトモーター50、52が駆動されると、これら両モーター50、52のモーターシャフトを介してシフト用ボールスクリュー54が回転してシフト用ボールナット56がボールスクリュー54上を軸方向に移動し、それに応じてシフトレバー58が回動する。シフトレバー58が回動すると、シフトシャフト4およびこのシフトシャフト4上にスプライン結合されたストライカ6が一体的に回動する。これにより図示しない変速機のシフト動作が行われる。
【0023】
前記シフト用ボールスクリュー54に螺合しているシフト用ボールナット56には、傾き防止機構60が設けられている(図2、図3および図6参照)。この傾き防止機構60は、前記シフト用ボールスクリュー54と平行してハウジング2に固定されたガイドロッド62と、前記ボールナット56に取り付けられて、前記ガイドロッド62に摺動自在に嵌合された傾き防止ガイド64とを備えている。両シフトモーター50、52の作動によりボールスクリュー54が回転し、シフト用ボールナット56がボールスクリュー64の軸線方向に移動して、前記シフトレバー58を回転させる際に、シフト用ボールナット56にモーメント荷重が作用し傾斜しようとするが、この傾き防止機構60により、シフト用ボールナット56が移動する際の傾きを抑制することができる。
【0024】
ハウジング2の、前記シフトモーター50、52が設けられている側と逆の端部側に、ストライカ6のシフト位置を検出する回転角度検出型のシフトセンサー66(図1、図3、図4および図6参照)が設けられており、このシフトセンサ66によってシフトシャフト4の回転角度を直接検出することにより、ストライカ6のシフト位置を検出するようになっている。
【0025】
前記構成に係るモーター駆動型変速機操作装置1の作動について説明する。セレクト作動を行う場合には、2台のセレクトモーター14、16を作動方向に同時に駆動する。両セレクトモーター14、16の駆動により各モーターシャフト18、20が回転すると、これらモーターシャフト18、20に回転伝達部材24、26を介して連結されているセレクト用ボールスクリュー22が回転し、セレクト用ボールナット32がボールスクリュー22の軸方向に移動する。ボールナット32が移動すると、このボールナット32の係合ピン32a、32aに係合している第2セレクトレバー40が支点軸34を中心に回転し、さらに、この支点軸34に固定されている第1セレクトレバー36が、支点軸34とともに回転する。第1セレクトレバー36の回転端には、円筒部材38を介してストライカ6が連結されており、このストライカ6がシフトシャフト4の軸方向に所定量移動することにより、変速機のセレクト作動が行われる。
【0026】
前記ストライカ6の軸方向移動は、ストライカ6に円筒部材38を介して連結されているセンシングロッド42およびガイド部材44に伝達され、センシングロッド42とガイド部材44がストライカ6と同方向に同量だけ軸方向移動する。ガイド部材44に取付けられたセンシングピン44bに、セレクトセンサ46の検出レバー48が係合しており、センシングピン44bの軸方向の移動量を検出レバー48の回転に変換することにより、ストライカ6の軸方向の移動位置、つまり変速機のセレクト位置をセレクトセンサ46によって検出する。
【0027】
続いて、一対のシフトモーター50、52を駆動してシフト用ボールスクリュー54を回転させる。このボールスクリュー54の回転によってシフト用ボールナット56がボールスクリュー54の軸線方向に移動し、シフトレバー58を回動させて、シフトシャフト4およびストライカ6を回転させ、変速機のシフト作動を行わせる。このシフト作動部には、シフト用ボールスクリュー54に連結された傾き防止ガイド64と、ハウジング2に支持されているガイドロッド62からなる傾き防止機構60を設けてあるので、シフト用ボールスクリュー54の回転に伴ってシフト用ボールナット56がボールスクリュー54の軸方向に移動する際に傾くおそれがない。なお、ストライカ6がスプライン係合しているシフトシャフト4の回転をシフトセンサー66によって直接検出しており、前記ストライカ6の回転による変速機のシフト位置は、このシフトシャフト4の回転位置から検出される。
【0028】
この実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置1は、ストライカ6のセレクト作動を行うセレクトモーター14、16と、シフト作動を行うシフトモーター50、52とを、それぞれ2台備えており、作動時にはこれら2台のモーター14、16または50、52を同時に駆動してボールスクリュー22または54を回転させるようにしているので、モーターを大型化することなく高出力を得ることができる。従って、変速機操作装置自体を大型化せずに、大型トラック等の大型車両の搭載に適した高出力のモーター駆動型変速機操作装置を得ることができる。また、セレクト側およびシフト側ともに2台のモーターを備えているので、いずれか一方が故障した場合でも、変速機の変速操作が可能であり、安全性が向上する。
【実施例2】
【0029】
図8は第2の実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置の構成を示す斜視図である。この実施例の装置は、基本的構成は前記図6に示す第1実施例と共通なので、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を省略し、相違する部分についてだけ説明する。この実施例では、センシングロッド42Aの位置が第1実施例と異なっており、第1実施例の位置から90度位相をずらした位置にセンシングロッド42Aが配置されている。なお、センシングロッド42、42Aの位置は、第1実施例の位置や、この第2実施例の位置に限定されるものではなく、シフトシャフト4の周囲の配置可能な位置に設ければよい。また、この第2実施例では、傾き防止機構60の傾き防止ガイド64Aの形状および連結の仕方が異なっている。この実施例の傾き防止ガイド64Aは、五角形の部材であり、シフト用ボールナット56の係合ピン56a、56aにワイヤーなどの結合部材57によって接続されている。この実施例も前記第1実施例と同様の作動を行い、同様の効果を奏することができる。
【実施例3】
【0030】
図9は第3の実施例に係るモーター駆動型変速機操作装置の構成を示す斜視図である。この実施例の装置も、基本的構成は前記図6に示す第1実施例と共通なので、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を省略し、相違する部分についてだけ説明する。この実施例では、ストライカ6とこのストライカ6の軸方向の移動位置を検出するセレクトセンサ46との連結構造が前記第1実施例と異なっている。第1実施例ではセンシングロッド42によって連結していたが、この実施例では、センシングロッド42を無くし、ストライカ6に溝43a付きの部材43を取り付け、この溝43aにセレクトセンサ46の検出レバー48Aに取り付けたピン49を嵌合させている。また、傾き防止機構60は、前記第2実施例と同様の構成になっている。この実施例では、前記第1および第2実施例と比べてセレクト機構の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】モーター駆動型変速機操作装置の平面図である。(実施例1)
【図2】図1のII方向矢視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】前記モーター駆動型変速機操作装置のハウジング内に収容されている各部材の構成を示す斜視図である。
【図7】従来のモーター駆動型変速機操作装置の一例を示す平面図である。
【図8】異なるモーター駆動型変速機操作装置のハウジング内に収容されている各部材の構成を示す斜視図である。(実施例2)
【図9】異なるモーター駆動型変速機操作装置のハウジング内に収容されている各部材の構成を示す斜視図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0032】
2 ハウジング
4 シフトシャフト
6 ストライカ
14 セレクトモーター
16 セレクトモーター
22 伝達手段(ねじ軸)
32 伝達手段(ナット)
36 伝達手段(第1セレクトレバー)
40 伝達手段(第2セレクトレバー)
50 シフトモーター
52 シフトモーター
54 伝達手段(ねじ軸)
56 伝達手段(ナット)
58 伝達手段(シフトレバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に回転可能に支持されたシフトシャフトと、このシフトシャフトに軸方向移動可能に、かつ、一体回転するように嵌合されたストライカと、このストライカを軸方向移動させるセレクトモーターと、このセレクトモーターの駆動力を前記ストライカに伝達する伝達手段と、前記シフトシャフトを回転させるシフトモーターと、このシフトモーターの駆動力を前記シフトシャフトに伝達する伝達手段とを備えたモーター駆動型変速機操作装置において、
前記セレクトモーターおよびシフトモーターをそれぞれ2台設け、セレクト作動時およびシフト作動時とも、常時2台のモーターにより駆動力を得ることを特徴とするモーター駆動型変速機操作装置。
【請求項2】
前記セレクトモーターの駆動力をストライカに伝達する伝達手段は、前記シフトシャフトと平行に配置され、セレクトモーターの駆動により回転するねじ軸と、このねじ軸の回転により軸方向移動するナットと、ナットの軸方向移動に応じてストライカを移動させるセレクトレバーとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のモーター駆動型変速機操作装置。
【請求項3】
前記シフトモーターの駆動力をシフトシャフトに伝達する伝達手段は、前記シフトシャフトと直角に配置され、シフトモーターの駆動により回転するねじ軸と、このねじ軸の回転により軸方向移動するナットと、ナットの軸方向移動に応じてシフトシャフトを回転させるシフトレバーとを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモーター駆動型変速機操作装置。
【請求項4】
前記2台のセレクトモーターおよびシフトモーターを、それぞれ、1本のねじ軸の両端に対向して配置したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のモーター駆動型変速機操作装置。
【請求項5】
前記シフトモーターの駆動力によってねじ軸上を軸方向移動するナットに、傾き防止機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載のモーター駆動型変速機操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−10009(P2006−10009A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190601(P2004−190601)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】