説明

モータ装着ケース

【課題】
ペットボトル等の容器の口部にモータを組み込み、当該モータを利用して容器を飛行玩具又は走行玩具にすることができるモータ装着ケースを提供する。
【解決手段】
モータ装着ケース1は、容器31の口部32内に取り付けられる。ケース本体2は、底壁3と、底壁3の周縁に形成された保持枠5と、保持枠5の上端に形成された係止縁6とからなる。係止縁6の内側には、モータ21をケース本体2内に挿入する開口7が形成されている。保持枠5は、ケース本体2内のモータ21を保持するように構成されている。係止縁6は、容器31の口部32の上端33に係止され、且つ口部32に螺着されるキャップ35と口部32の上端33によって挟持される形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトル等の容器の口部にモータを着脱可能に取り付けるモータ装着ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用済みペットボトルを利用して、ロケット玩具や走行玩具が製作されている。ロケット玩具は、ペットボトルを胴体部として内部に水と圧縮空気を入れ、噴出口を開放すると、噴出口から水が噴出して飛び出すようになっている(例えば、特許文献1)。また、走行玩具は、ペットボトルを走行本体として前輪及び後輪を装着し、一方の前輪をフライホイールで回転させて走行するようになっている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−269508号公報
【特許文献2】実用新案登録第3068234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したロケット玩具及び走行玩具は、ペットボトル本体をそのまま飛ばしたり、そのまま走行させることができないので、ペットボトル本体を切断・接着等により大幅に改良する必要があり、その改良するための工具がないと製作できないという問題点があった。また、改良するには技術と知識が必要であり、さらに、製作にある程度の時間を必要とするので、誰でもが簡単に製作することができないという問題点があった。
【0005】
さらに、ロケット玩具は、改良したペットボトル本体内に圧縮空気を注入する手段と、ペットボトル本体内に蓄積した圧縮空気を開放する手段と、ペットボトル本体を上方に向けて安定して立設させる設置手段が必要であるが、これらの手段を準備することが面倒であるので簡単には飛行させることができず、しかも蓄積できる圧縮空気の量が少ないので、飛行距離及び飛行時間が短いという問題点があった。また、走行玩具は、改良したペットボトル本体内にフライホイール等の動力手段を設ける必要があるが、この動力手段をペットボトル本体内に組み込むことが面倒であるので、簡単には製作することができず、しかもフライホイール自体を回転させ続けることが困難であるので、走行距離及び走行時間が短いという問題点があった。
【0006】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、ペットボトル等の容器の口部にモータを組み込ませることができるので、容器本体を改良することがなく誰でも簡単且つ短時間で容器玩具を製作することができ、当該モータを利用して容器玩具を飛行玩具又は走行玩具として飛行又は走行させることができ、しかも飛行時間又は走行時間を長くすることができるモータ装着ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願請求項1記載のモータ装着ケースは、上記目的を達成するため、ペットボトル等の容器の口部内に取り付けられるモータ装着ケースであって、ケース本体は、底壁と、底壁の周縁に形成された保持枠と、保持枠の上端に形成された係止縁とからなり、係止縁の内側には、モータをケース本体内に挿入することができる開口が形成され、保持枠は、ケース本体内のモータの外周面に当接してモータを保持するように構成され、係止縁は、容器の口部の上端に係止され、且つ口部に螺着されるキャップと口部の上端によって挟持される形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項2記載のモータ装着ケースは、上記目的を達成するため、保持枠には、収納されるモータの駆動軸と略平行に伸びる軸受穴が形成され、当該軸受穴の開口は、係止縁側に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明に係るモータ装着ケースは、開口からモータをケース本体内に挿入することができ、ケース本体内に挿入したモータの外周面を保持枠が当接してモータを保持する。ケース本体をペットボトル等の容器の口部内に装着すると、係止縁が容器の口部の上端に係止されて取り付けられる。モータ装着ケースは、容器のキャップを口部に螺着すると、キャップと口部の上端で係止縁が挟持され、口部内に固定される。モータの駆動軸は、キャップに透孔を形成することにより、この透孔を介して容器の外側に突出させることができる。
【0010】
本願発明に係るモータ装着ケースは、容器本体を改良することなく、容器の口部に差し込むだけの作業で、モータを容器の口部に誰でもが簡単且つ確実に取り付けることができるので、飛行機玩具形態、走行玩具形態等の容器玩具の製作が誰でも簡単となり、さらに、容器玩具の製作時間を大幅に短縮することができるという効果がある。また、本願発明に係るモータ装着ケースは、上述したようにモータを容器の口部に確実に固定することができ、このモータの駆動力を利用して飛行、走行等の移動距離及び動作時間を従来の容器玩具より長く行わせることができるという効果がある。
【0011】
このように、本願発明に係るモータ装着ケースは、容器の口部にモータを組み込ませることができるので容器本体を改良することがなく誰でも簡単且つ短時間で容器玩具を製作することができ、当該モータを利用して容器を飛行玩具又は走行玩具として飛行又は走行させることができ、しかも飛行時間又は走行時間を長くすることができるという効果がある。
【0012】
本願発明に係るモータ装着ケースは、保持枠に、収納されるモータの駆動軸と略平行に伸びる軸受穴が形成され、当該軸受穴の開口は、係止縁側に形成されている。この開口から軸受穴に軸を回動可能に取り付けることができる。モータの駆動軸に駆動歯車を取り付け、軸に前記駆動歯車と噛み合う平歯車を取り付けることにより、モータの駆動軸の回転が、駆動歯車、平歯車を介して軸に伝達され、軸を回転させることができる。なお、本願発明に係るモータ装着ケースは、開口から軸受穴に軸を固定して取り付けても良い。モータの駆動軸に駆動歯車を取り付け、軸に前記駆動歯車と噛み合う平歯車を回動可能に取り付けることにより、モータの駆動軸の回転が、駆動歯車、平歯車に伝達され、平歯車を回転させることができる。本願発明に係るモータ装着ケースは、キャップと口部の上端で係止縁が挟持され、口部内に固定されるが、モータの駆動軸及び軸は、キャップに大径の円孔を形成することにより、この円孔を介して容器の外側に突出させることができる。
【0013】
このように、本願発明に係るモータ装着ケースは、容器本体を改良することなく、容器の口部に差し込むだけの作業で、容器の口部にモータを組み込むことができ、さらにこの組み込みと同時に、モータの回転に連動する歯車機構をも取り付けることができ、当該歯車機構を利用して容器を飛行玩具又は走行玩具として飛行又は走行させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願発明に係るモータ装着ケースの一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本願発明に係るモータ装着ケースの使用形態を示す分解斜視図である。
【図3】本願発明に係るモータ装着ケースの装着形態を示す分解斜視図である。
【図4】本願発明に係るモータ装着ケースの装着形態を示す全体斜視図である。
【図5】図1のモータ装着ケースを上方斜めから視た斜視図である。
【図6】図1のモータ装着ケースを下方から視た斜視図である。
【図7】図1のモータ装着ケースを上方側面から視た斜視図である。
【図8】図1のモータ装着ケースを正面から視た全体正面図である。
【図9】図1のモータ装着ケースを側面から視た全体側面図である。
【図10】モータ装着ケースの第1の利用形態を示す説明図である。
【図11】モータ装着ケースの第2の利用形態を示す説明図である。
【図12】本願発明に係るモータ装着ケースの他の実施例を示す説明図である。
【図13】図12のモータ装着ケースの利用形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1,5に示すように、モータ装着ケース1は、ペットボトル等の容器31の口部32内に取り付けられる構成である。モータ装着ケース1のケース本体2は、合成樹脂によって一体成形され、底壁3と、底壁3の周縁に形成された保持枠5と、保持枠5の上端に形成された係止縁6とからなる。底壁3は、略円板状に形成され、略中央に係止孔15が形成されている。
【0016】
図2に示すように、係止縁6は、リング状に形成され、係止縁6の内側には、モータ21を駆動軸22の軸方向でケース本体2内に挿入することができる開口7が形成されている。保持枠5は、ケース本体2内のモータ21の外周面(平坦面23,25)に当接してモータ21を保持するように構成され、一対のガイド片11,12と、ガイド板13とからなる。図3に示すように、係止縁6は、容器31の口部32の上端33に係止され、口部32の上端33外径より小さい外径で構成されて口部32の上端33の外周縁の内側となり、口部32に螺着されるキャップ35と口部32の上端33によって挟持される形状に形成されている。
【0017】
モータ装着ケース1は、開口7からモータ21をケース本体2内に挿入することができ、ケース本体2内に挿入したモータ21の外周面(平坦面23,25)を保持枠5が当接してモータ21を保持する。即ち、モータ21は、一方の平坦面23がガイド板13に当接して案内され、他方の平坦面25が一対のガイド片11,12に当接して案内されて、保持枠5に保持されることになる。
【0018】
ケース本体2をペットボトル等の容器31の口部32内に装着すると、係止縁6が容器31の口部32の上端33に係止されて取り付けられる。モータ装着ケース1は、容器31のキャップ35を口部32に螺着すると、キャップ35と口部32の上端33で係止縁6が挟持され、口部32内に固定される。モータ21は、キャップ35によって押さえられ、ケース本体2内から突出することがない。図4に示すように、モータ21の駆動軸22は、キャップ35に透孔36を形成することにより、この透孔36を介して容器31の外側に突出させることができる。
【0019】
モータ装着ケース1は、容器本体37を改良することなく、容器31の口部32に差し込むだけの作業で、モータ21を容器31の口部32に誰でもが簡単且つ確実に取り付けることができるので、飛行機玩具形態(図10参照)、走行玩具形態(図11参照)等の容器玩具の製作が誰でも簡単となり、さらに、容器玩具の製作時間を大幅に短縮することができる。また、モータ装着ケース1は、上述したようにモータ21を容器31の口部32に確実に固定することができ、このモータ21の駆動力を利用して飛行、走行等の移動距離及び動作時間を従来の容器玩具より長く行わせることができる。
【0020】
このように、モータ装着ケース1は、容器31の口部32にモータ21を組み込ませることができるので容器本体37を改良することがなく誰でも簡単且つ短時間で容器玩具を製作することができ、当該モータ21を利用して容器31を飛行玩具40又は走行玩具50として飛行又は走行させることができ、しかも飛行時間又は走行時間を長くすることができる。
【0021】
なお、モータ21には、図示しないコンデンサが装着されている。コンデンサは、モータ21の下部に取り付けられた略コ字状の取付枠26に取り付けられる(図1参照)。取付枠26の下端には、前記ケース本体2の底壁3に形成された係止孔15に係止される係止突起27が設けられている。当該モータ21は、前述したようにケース本体2内に挿入すると、図2に示すように、係止突起27が底壁3の係止孔15に係止され、一方の平坦面23がガイド板13に案内され、他方の平坦面25がガイド片11,12に案内され、取付枠26がガイド片11,12間に係合して、ケース本体2内に固定される。
【0022】
モータ21を装着したモータ装着ケース1をペットボトル等の容器31の口部32に挿入すると、係止縁6が容器31の口部32の上端33に係止される。容器31の口部32にキャップ35を螺着すると、係止縁6が口部32の上端33とキャップ35によって挟持されるので、モータ装着ケース1は容器31の口部32に固定される。モータ21の駆動軸22は、キャップ35の透孔36から突出する。モータ21は、キャップ35によって押さえられ、ケース本体2内から飛び出ることがない。モータ装着ケース1を容器31の口部32に装着する前に、ゼネコン(手回し式発電機)でコンデンサを充電しておくと良い。この場合、モータ21は、2極モータ等の手回しで回転を始めるモータであることが望ましいが、特に限定されるものではない。即ち、モータ21は、ゼネコンの回転と同時に駆動されるものであっても構わないのは勿論である。
【0023】
なお、図12に示すように、モータ装着ケース1は、保持枠5に、収納されるモータ21の駆動軸22と略平行に伸びる軸受穴16が形成され、当該軸受穴16の開口17が係止縁6側に形成されるようにしても構わない。即ち、保持枠5を形成するガイド板13の略中央に、断面が略半円状の軸受突起18が長手方向に伸びるようにして形成されている。軸受突起18は、係止縁6に連接されている。軸受突起18には、保持枠5に収納されるモータ21の駆動軸22と略平行となる軸受穴16が形成されている。軸受穴16は、係止縁6に形成された開口17と連通している。軸受突起18は、ガイド板13が厚く形成されている場合には不要である。
【0024】
モータ装着ケース1は、図13に示すように、開口17から軸受穴16に軸43を回動可能に取り付けることができる。モータ21の駆動軸22に駆動歯車45を取り付け、軸43に前記駆動歯車45と噛み合う平歯車46を取り付けることにより、モータ21の駆動軸22の回転が、駆動歯車45、平歯車46を介して軸43に伝達され、軸43を回転させることができる。なお、モータ装着ケース1は、開口17から軸受穴16に軸43を固定して取り付けても良い。モータ21の駆動軸22に駆動歯車45を取り付け、軸43に前記駆動歯車45と噛み合う平歯車46を回動可能に取り付けることにより、モータ21の駆動軸22の回転が、駆動歯車45、平歯車46に伝達され、平歯車46を回転させることができる。モータ装着ケース1は、キャップ35と口部32の上端33で係止縁6が挟持され、口部32内に固定されるが、モータ21の駆動軸22及び軸43は、キャップ35に大径の円孔38を形成することにより、この円孔38を介して容器31の外側に突出させることができる。
【0025】
このように、モータ装着ケース1は、容器本体37を改良することなく、容器31の口部32に差し込むだけの作業で、容器31の口部32にモータ21を組み込むことができ、さらにこの組み込みと同時に、モータ21の回転に連動する歯車機構47をも取り付けることができ、当該歯車機構47を利用して容器31を飛行玩具又は走行玩具として飛行又は走行させることができる。歯車機構47は、駆動歯車45と平歯車46とからなるが、特にこの構成に限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
図10,13に示すように、上記したようにモータ装着ケース1を口部32に装着した容器31は、駆動軸22又は軸43にプロペラ41を取り付け、容器本体37に翼42を取り付けることにより、飛行玩具40として遊ぶことができる。軸43が固定して取り付けられている場合には、軸43に回動可能に取り付けられた平歯車46とプロペラ41を一体形成しても構わない。飛行玩具40は、プロペラ41を手で回すと、充電されたコンデンサによりモータ21が駆動して、プロペラ41が高速回転し、飛行させることができる。
【0027】
図11に示すように、上記したようにモータ装着ケース1を口部32に装着した容器31は、駆動軸22に駆動歯車51を取り付け、容器本体37に一対の前輪52,52を備えた前軸56と、一対の後輪53,53を備えた後軸57を取り付けることにより、走行玩具50として遊ぶことができる。走行玩具50は、動力伝達軸55を有する。動力伝達軸55は、駆動歯車51と噛み合う従動歯車61と、前軸56に固定された歯車62と噛み合う前歯車63と、後軸57に固定された歯車65と噛み合う後歯車66とを有する。走行玩具50は、前輪52,52、後輪53,53を接地させて前方に移動させると、充電されたコンデンサによりモータ21が駆動して、前輪52,52、後輪53,53を強制的に回転させ、走行させることができる。なお、容器本体37内にモータ21の電源となる電池を収納させても良い。また、動力伝達軸55の後部にスクリュープロペラ67を設けることにより、走行玩具50は、水陸両用玩具としても遊ぶことができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本願発明は、使用済みペットボトルを容器玩具として利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 モータ装着ケース
2 ケース本体
3 底壁
5 保持枠
6 係止縁
7 開口
11 ガイド片
12 ガイド片
13 ガイド板
15 係止孔
16 軸受穴
17 開口
18 軸受突起
21 モータ
22 駆動軸
23 一方の平坦面
25 他方の平坦面
26 取付枠
27 係止突起
31 容器
32 口部
33 上端
35 キャップ
36 透孔
37 容器本体
38 円孔
40 飛行玩具
41 プロペラ
42 翼
43 軸
45 駆動歯車
46 平歯車
47 歯車機構
50 走行玩具
51 駆動歯車
52 前輪
53 後輪
55 動力伝達軸
56 前軸
57 後軸
61 従動歯車
62 歯車
63 前歯車
65 歯車
66 後歯車
67 スクリュープロペラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットボトル等の容器の口部内に取り付けられるモータ装着ケースであって、
ケース本体は、
底壁と、
底壁の周縁に形成された保持枠と、
保持枠の上端に形成された係止縁とからなり、
係止縁の内側には、モータをケース本体内に挿入することができる開口が形成され、
保持枠は、ケース本体内のモータの外周面に当接してモータを保持するように構成され、
係止縁は、容器の口部の上端に係止され、且つ口部に螺着されるキャップと口部の上端によって挟持される形状に形成されていることを特徴とするモータ装着ケース。
【請求項2】
保持枠には、収納されるモータの駆動軸と略平行に伸びる軸受穴が形成され、
当該軸受穴の開口は、係止縁側に形成されていることを特徴とする請求項1記載のモータ装着ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−193994(P2011−193994A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63177(P2010−63177)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(500005457)株式会社シー・ピー・トムズ (19)
【Fターム(参考)】