説明

ラベルプリンタ

【課題】本発明は、装置毎に全ての商品に対応する発行データを記憶させておく必要がなく、各装置の記憶容量を必要最小限に抑えることができるラベルプリンタを提供することを課題とする。
【解決手段】ホスト60から受信した発行データを記憶する発行データ記憶部28と、発行データを検索する検索項目の入力する入力部40とを設け、CPU22は、入力部40から入力された検索項目によって発行データ記憶部28を検索することで、検索項目に該当する発行データを特定すると共に、発行データを特定できなかった場合には、入力部40から入力された検索項目をホスト60に送信することで、検索項目に該当する発行データをホスト60から取得し、ホスト60から取得された発行データに基づくラベル発行が指示された場合に、ホスト60から取得された発行データを発行データ記憶部28に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを発行するラベルプリンタに関し、特に記憶している発行データに基づいてラベルを発行するラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗に設置され、商品に貼付する価格表示ラベルを発行するラベルプリンタは、各商品の商品番号に関連づけられた品名、価格等のラベル発行に関する発行データを記憶しておく発行データ記憶部と、発行データ記憶部に記憶されている発行データを検索する検索項目を入力する入力手段とを有し、入力手段から入力した検索項目によって発行データ記憶部に記憶されている発行データを特定し、特定した発行データに基づいてラベルを発行するようになっている。このようなラベルプリンタにおいては、価格表示ラベルを発行する可能性がある商品の数に対応する発行データを発行データ記憶部に記憶しておく必要があるが、発行データ記憶部の記憶容量には、限りがあるため、外部記憶媒体を接続可能に構成し、外部記憶媒体とデータを授受するインタフェース部を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来技術では、ラベルプリンタに設けられた発行データ記憶部とラベルプリンタと接続される外部記憶媒体とに予め全ての商品に対応する発行データを記憶させておく必要があるため、複数のラベルプリンタが店舗に設置されている場合には、複数のラベルプリンタ毎に相応の記憶容量を確保しなければならないと共に、複数のラベルプリンタ毎に発行データ記憶部および外部記憶媒体に記憶されている発行データの管理を行わなければならず、発行データに変更等が生じた場合には、多大な労力が必要となってしまうという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】特開2006−289862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置毎に全ての商品に対応する発行データを記憶させておく必要がなく、各装置の記憶容量を必要最小限に抑えることができ、さらに、発行データの変更等に簡単に対応することができるラベルプリンタを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、ラベル発行に関する発行データを管理するホストと通信可能に構成され、前記ホストから受信した前記発行データに基づいてラベルを発行するラベルプリンタであって、前記ホストから受信した前記発行データを記憶する発行データ記憶手段と、該発行データ記憶手段に記憶されている発行データを検索する検索項目を入力する検索項目入力手段と、該検索項目入力手段から入力された前記検索項目によって前記発行データ記憶手段を検索することで、前記検索項目に該当する前記発行データを特定する発行データ特定手段と、該発行データ特定手段によって前記発行データを特定できなかった場合には、前記検索項目入力手段から入力された前記検索項目を前記ホストに送信することで、前記検索項目に該当する前記発行データを前記ホストから取得する発行データ取得手段と、前記発行データ特定手段によって特定された前記発行データおよび前記発行データ取得手段によって取得された前記発行データを表示する表示手段と、該表示手段に表示された前記発行データに基づくラベル発行を指示する発行指示入力手段と、該発行指示入力手段によって前記ホストから取得された前記発行データに基づくラベル発行が指示された場合に、前記ホストから取得された前記発行データを前記発行データ記憶手段に記憶させる発行データ更新手段とを具備することを特徴とするラベルプリンタに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記発行データには、有効期限が設定されており、前記発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている前記発行データを消去する発行データ消去手段を具備することを特徴とする請求項1記載のラベルプリンタに存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記発行データ消去手段は、前記発行データ特定手段によって特定された前記発行データの有効期限を判断することで、前記発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている前記発行データを消去し、前記発行データ取得手段は、前記発行データ消去手段によって有効期限が過ぎている前記発行データが消去された場合には、前記検索項目入力手段から入力された前記検索項目を前記ホストに送信することで、前記検索項目に該当する前記発行データを前記ホストから取得することを特徴とする請求項2記載のラベルプリンタに存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のラベルプリンタは、ホストから受信した発行データを記憶する発行データ記憶手段と、発行データ記憶手段に記憶されている発行データを検索する検索項目の入力する検索項目入力手段とを設け、入力手段から入力された検索項目によって発行データ記憶手段を検索することで、検索項目に該当する発行データを特定する発行データ特定手段によって発行データを特定できなかった場合には、入力手段から入力された検索項目をホストに送信することで、検索項目に該当する発行データをホストから取得し、ホストから取得された発行データに基づくラベル発行が指示された場合に、ホストから取得された発行データを発行データ記憶手段に記憶させるように構成することにより、実際にラベル発行に用いられた発行データのみが装置毎にそれぞれ記憶されることになるため、複数の装置が店舗に設置されている場合でも、装置毎に全ての商品に対応する発行データを記憶させておく必要がないため、各装置の記憶容量を必要最小限に抑えることができるという効果を奏する。
【0008】
さらに、本発明のラベルプリンタは、発行データに有効期限を設定しておき、発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている発行データを消去するように構成することにより、
有効期限によって発行データ記憶手段に記憶されている発行データを管理することができるため、発行データの変更等に簡単に対応することができるという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明のラベルプリンタは、発行データ特定手段によって特定された発行データの有効期限を判断することで、発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている発行データを消去し、有効期限が過ぎている発行データが発行データ記憶手段から消去された場合には、入力手段から入力された検索項目をホストに送信することで、検索項目に該当する発行データをホストから取得するように構成することにより、一連のラベル発行動作中に発行データ記憶手段に記憶される発行データの更新作業を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るラベルプリンタの実施の形態の接続状態を示すシステム構成図であり、図2は、本発明に係るラベルプリンタの実施の形態の構成を示す構成図であり、図3は、図2に示す制御部の構成を示すブロック図であり、図4は、図3に示す発行データ記憶部に記憶されている発行データ例を示す図である。
【0012】
本実施の形態のラベルプリンタ1は、商品を販売する店舗に設置され、商品に貼付する値札ラベルを印字するラベル印字装置であり、図1を参照すると、インターネットやLAN等のネットワーク70経由でパーソナルコンピュータ等のホスト60と接続されている。なお、本実施の形態では、ネットワーク70経由でホスト60と接続するように構成したが、ラベルプリンタ1とホスト60とを有線や無線で直接接続するように構成しても良い。
【0013】
ラベルプリンタ1は、帯状台紙2に仮着されているラベル3を被印字媒体として印字を施す印字手段であり、図2を参照すると、プラテンローラ4と、発熱体がプラテンローラ4に対向する面に形成されているサーマルヘッド5とを有し、複数枚のラベル3が帯状台紙2に仮着されているラベル連続体6をプラテンローラ4とサーマルヘッド5との間に挟持搬送し、サーマルヘッド5の発熱体を選択的に発熱させることにより、ラベル3を感熱発色させて所望の文字、バーコード等の印字を施すように構成されている。なお、熱転写リボンとラベル連続体6をプラテンローラ4とサーマルヘッド5との間に挟持搬送し、熱転写リボンのインクをラベル3に転写させて印字を施すようにしても良い。
【0014】
ラベル3は、帯状台紙2に間隔をおいて仮着されたラベル連続体6として用いられ、巻き芯7にロール状に巻き回された状態で用紙供給部8に装填される。ラベル連続体6(帯状台紙2)の裏面側には、ラベル3の先端を検出するための図示しない位置検出マーク(例えば、アイマークと称される黒の矩形のマーク)が印刷等によって形成されており、プラテンローラ4とサーマルヘッド5との間に搬送されるラベル連続体6の裏面に形成された位置検出マークを検出し、位置検出マークの検出信号を出力するセンサ10が設けられている。位置検出マークの検出信号は、センサ10から制御部20に入力され、制御部20は、位置検出マークの検出信号に基づく印字タイミングで、サーマルヘッド5と、プラテンローラ4を回転駆動する搬送モータ11とを制御して印字を施す。
【0015】
制御部20には、パーソナルコンピュータ等のホスト60が外部インタフェース(外部I/F)30を介して接続され、外部I/F30を介して、外部に接続されたホスト60との間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっている。また、制御部20には、各種データやコマンドを入力するための入力部40と、入力部40から入力された入力データや各種情報を表示すると共に、各種入力を受け付けるタッチパネル等の表示入力部50とがインタフェース(I/F)31を介して接続され、入力部40および表示入力部50から入力された入力データは、I/F31を介して制御部20に供給され、表示入力部50に表示される各種情報に対応する表示データは、I/F31を介して制御部20より供給されるようになっている。
【0016】
制御部20は、図3を参照すると、所定の制御プログラムとフォントデータとを記憶するROM(read only memory)21と、ROM21に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(central processing unit)22と、CPU22が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(random access memory)23と、搬送モータ11にパルス信号等の駆動信号を供給し、搬送モータ11を回転させる搬送制御部24と、CPU22からの指示に基づいてサーマルヘッド5に印字動作を行わせる印字制御部25と、CPU22の制御下、センサ10から位置検出マークの検出信号を受け取り、デジタルのデータに変換することでピッチ信号としてCPU22に供給するラベル検出部26と、カレンダ機能を備えたカレンダIC27と、発行データを記憶する発行データ記憶部28とを備えている。
【0017】
発行データ記憶部28に記憶される発行データは、商品の貼付する値札ラベルを発行するためのデータであり、発行データは、図4を参照すると、商品毎に割り当てられている商品コード等の固有の商品番号と、商品の品名、価格および原産地と、有効期限とからなる。なお、ホスト60には、全ての商品の発行データが記憶されており、発行データ記憶部28には、ホスト60から受信した発行データが記憶される。また、入力部40および表示入力部50から入力されたデータを発行データとして発行データ記憶部28に記憶することもできる。さらに、本実施の形態では、商品番号と、商品の品名、価格および原産地と、有効期限とからなる発行データを用いたが、発行データは、ラベルに印字する項目に応じて適宜設定されるものであり、例えば、原材料や賞味期限等を発行データに含めるようにしても良い。
【0018】
CPU22は、発行を指示された発行データに含まれる文字情報に対応するフォントデータをROM21から読み出し、フォーマット情報に基づいて文字を展開したビットマップイメージデータをRAM23の描画領域に展開し、RAM23の描画領域に展開したビットマップイメージデータの印字を印字制御部25に指示すると共に、搬送制御部24に対してラベル連続体6の搬送を指示する。印字制御部25は、CPU22からの指示に基づいて、RAM23の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに対応して、サーマルヘッド5に対して制御信号を供給し、印字処理を行う。また、搬送制御部24は、CPU22からの指示に基づいて、搬送モータ11に対して所定の駆動信号を供給し、搬送モータ11を駆動させる。これにより、プラテンローラ4とサーマルヘッド5とでラベル連続体6を挟持搬送しながらラベル3に印字データを印字する。
【0019】
次に、本実施の形態における商品番号を指定した発行動作について図5乃至図7を参照して詳細に説明する。
図5は、本発明に係るラベルプリンタの実施の形態における商品番号を指定した発行動作を説明するためのフローチャートであり、図6は、図2に示す表示入力部に表示される画面を示す図であり、(a)は、検索項目選択画面であり、(b)は、商品番号入力画面であり、(c)は、発行データ確認画面である。図7は、図3に示す発行データ記憶部に発行データを追加記憶する動作を説明するための説明図である。
【0020】
入力部40からの入力により、発行モードが指定されると、CPU22は、図6(a)に示す検索項目選択画面を表示入力部50に表示させ、検索項目の選択を受け付け、検索項目として商品番号が選択されると(ステップA1)、図6(b)に示す商品番号入力画面を表示入力部50に表示させ、商品番号の入力を受け付ける(ステップA2)。
【0021】
入力部40からの入力により、商品番号が入力されると、CPU22は、入力された商品番号に基づいて発行データ記憶部28を検索し(ステップA3)、入力された商品番号の発行データ(以下、該当発行データと称す)が発行データ記憶部28に記憶されているか否かを判断すると共に(ステップA4)、ステップA4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されている場合には、カレンダIC27を参照することにより、該当発行データの有効期限が有効か否かを判断する(ステップA5)。なお、商品に商品番号がバーコード等のコード情報によって表示されている場合には、スキャナによって商品番号を入力するようにしても良く、さらに、商品に設けられたRFIDに商品番号が記憶されている場合には、リーダを用いて商品番号を入力するようにしても良い。
【0022】
ステップA4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されており、ステップA5で該当発行データの有効期限が有効である場合には、CPU22は、該当発行データを発行データ記憶部28から読み出し、図6(c)に示すような、該当発行データの内容を確認するための発行データ確認画面を表示入力部50に表示させる(ステップA6)。例えば、発行データ記憶部28に記憶されている発行データが図4に示す状態である場合に、入力部40からの入力により、商品番号「00001」が入力されると、商品番号「00001」に対応する発行データが発行データ記憶部28に記憶されているため、ホスト60との間に通信が行われることなく、商品番号「00001」の発行データが発行データ確認画面に表示されることになる。
【0023】
CPU22は、発行データ確認画面を表示入力部50に表示させると、入力部40もしくは表示入力部50からの発行枚数を指定した発行指示入力を監視し(ステップA7)、発行指示入力が行われると、該当発行データに基づくラベルの発行処理を実行し(ステップA8)、発行指示入力が行われることなく、取り消しキー等で発行動作の中止が指示されると、検索項目選択画面を表示入力部50に表示させ、ステップA1での検索項目の選択処理に戻る。
【0024】
ステップA4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されていない場合には、CPU22は、入力された商品番号を発行データ送信要求としてホスト60に送信する(ステップA9)。例えば、発行データ記憶部28に記憶されている発行データが図4に示す状態である場合に、入力部40からの入力により、商品番号「00005」が入力されると、商品番号「00005」に対応する発行データが発行データ記憶部28に記憶されていないため、CPU22によって、商品番号「00005」の発行データの送信が自動的にホスト60に要求されることになる。
【0025】
次に、発行データ送信要求に対応して、ホスト60から該当発行データが受信されると(ステップA10)、CPU22は、図6(c)に示すような、該当発行データの内容を確認するための発行データ確認画面を表示入力部50に表示させる(ステップA11)。例えば、図7(a)に示す商品番号「00005」の発行データがホスト60から受信された場合には、図7(b)に示すように、商品番号「00005」の発行データが発行データ記憶部28に追加記憶され、さらに、図6(c)に示すように、商品番号「00005」の発行データが発行データ確認画面に表示される。
【0026】
ステップA4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されているが、ステップA5で該当発行データの有効期限が有効でない(有効期限が過ぎている)場合には、CPU22は、発行データ記憶部28に記憶されている該当発行データを消去し(ステップA12)、ステップA9に至る。これにより、有効期限が経過している該当発行データは、発行データ記憶部28から消去されることになり、誤って古い発行データがラベル3に印字されることを防止することができる。
【0027】
CPU22は、発行データ確認画面を表示入力部50に表示させると、入力部40もしくは表示入力部50からの発行枚数を指定した発行指示入力を監視し(ステップA13)、発行指示入力が行われると、ホスト60から受信され、発行指示された該当発行データを発行データ記憶部28に追加記憶させると共に(ステップA14)、該当発行データに基づくラベルの発行処理を実行し(ステップA8)、発行指示入力が行われることなく、取り消しキー等で発行動作の中止が指示されると、検索項目選択画面を表示入力部50に表示させ、ステップA1での検索項目の選択処理に戻る。
【0028】
なお、本実施の形態では、ステップA5で有効期限が過ぎて有効でないと判断された場合には、ステップA12で該当発行データを発行データ記憶部28から消去するように構成したが、電源立ち上げ時や所定の時刻等の発行データ記憶部28に記憶されている発行データの有効期限をチェックし、有効期限が過ぎているものを自動的に消去するように構成しても良い。
【0029】
次に、本実施の形態における商品番号以外の検索項目を指定した発行動作について図8乃至図10を参照して詳細に説明する。
図8は、本発明に係るラベルプリンタの実施の形態における商品番号以外の検索項目を指定した発行動作を説明するためのフローチャートであり、図9は、図2に示す表示入力部に表示される画面を示す図であり、(a)は、品名入力画面であり、(b)および(c)は、発行データ選択画面である。図10は、図3に示す発行データ記憶部に発行データを追加記憶する動作を説明するための説明図である。
【0030】
上述の商品番号を指定した発行動作では、商品番号の入力によって1つの発行データが特定される例について説明したが、商品番号以外の検索項目をした場合には、複数の発行データが特定される場合がある。
【0031】
入力部40からの入力により、発行モードが指定されると、CPU22は、図6(a)に示す検索項目選択画面を表示入力部50に表示させ、検索項目の選択を受け付け、検索項目として品名、原産地のいずれかが選択されると(ステップB1)、検索項目の入力を受け付ける入力画面を表示入力部50に表示させ、選択された検索項目の入力を受け付ける(ステップB2)。例えば、検索項目として品名が選択された場合には、図9(a)には、品名の入力を検索項目として受け付ける品名入力画面を示す。
【0032】
表示入力部50からの入力により、検索項目が入力されると、CPU22は、入力された検索項目に基づいて発行データ記憶部28を検索し(ステップB3)、入力された検索項目の発行データ(以下、該当発行データと称す)が発行データ記憶部28に記憶されているか否かを判断する(ステップB4)。
【0033】
ステップB4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されている場合には、CPU22は、該当発行データを発行データ記憶部28から読み出し、図7(b)に示すような、該当発行データの内容を確認し、印字する該当発行データを選択する発行データ選択画面を表示入力部50に表示させる(ステップB5)。図7(b)には、発行データ記憶部28に記憶されている発行データが図4に示す状態である場合に、入力部40からの入力により、品名「みかん」が入力され、品名「みかん」の発行データが発行データ選択画面に表示されている状態が示されている。なお、検索項目に該当する該当発行データが発行データ記憶部28に複数個記憶されている場合には、複数個の該当発行データが発行データ確認画面に表示される。また、有効期限が過ぎて無効となっている該当発行データが存在する場合には、有効期限が無効となっている該当発行データは、発行データ確認画面に表示することなく、発行データ記憶部28から消去するようにすると良い。
【0034】
CPU22は、ステップB5で発行データ選択画面を表示入力部50に表示させると、入力部40もしくは表示入力部50からの該当発行データを選択すると共に、発行枚数を指定した発行指示入力を監視し(ステップB6)、発行指示入力が行われると、該当発行データに基づくラベルの発行処理を実行する(ステップB7)。
【0035】
ステップB4で該当発行データが発行データ記憶部28に記憶されていない場合と、ステップB6で発行指示入力が行われることなく、取り消しキー等で発行動作の中止が指示されると、CPU22は、入力された検索項目を発行データ送信要求としてホスト60に送信する(ステップB8)。例えば、発行データ記憶部28に記憶されている発行データが図4に示す状態である場合に、入力部40からの入力により、品名「みかん」が入力されると、品名「みかん」に対応する発行データが発行データ記憶部28に記憶されていないか、品名「みかん」に対応する発行データの発行が指示されなかった場合には、CPU22によって、品名「みかん」の発行データの送信が自動的にホスト60に要求されることになる。
【0036】
次に、発行データ送信要求に対応して、ホスト60から該当発行データが受信されると(ステップB9)、CPU22は、図9(c)に示すような、該当発行データの内容を確認し、印字する該当発行データを選択する発行データ選択画面を表示入力部50に表示させる(ステップB10)。例えば、図10(a)に示す品名「みかん」の発行データ(品名「みかんA」、「みかんB」)がホスト60から受信された場合には、図10(b)に示すように、品名「みかんA」、「みかんB」の発行データが発行データ記憶部28に追加記憶され、さらに、図9(c)に示すように、品名「みかんA」、「みかんB」の発行データが発行データ選択画面に表示される。なお、「みかんA」、「みかんB」の発行データは、商品番号00010のみかんの発行データとは一部のデータ(価格や原産地など)が異なるデータであり、図9(c)の表示入力部50に触れることでそれぞれの価格や原産地や有効期限などの情報を確認することができるようになっている。
【0037】
CPU22は、ステップB10で発行データ選択画面を表示入力部50に表示させると、入力部40もしくは表示入力部50からの該当発行データを選択すると共に、発行枚数を指定した発行指示入力を監視し(ステップB11)、発行指示入力が行われると、ホスト60から受信され、発行指示された該当発行データを発行データ記憶部28に追加記憶させると共に(ステップB12)、該当発行データに基づくラベルの発行処理を実行し(ステップB7)、発行指示入力が行われることなく、取り消しキー等で発行動作の中止が指示されると、検索項目選択画面を表示入力部50に表示させ、ステップB1での検索項目の選択処理に戻る。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ホスト60から受信した発行データを記憶する発行データ記憶部28と、発行データ記憶部28に記憶されている発行データを検索する検索項目の入力する入力部40とを設け、CPU22は、入力部40から入力された検索項目によって発行データ記憶部28を検索することで、検索項目に該当する発行データを特定すると共に、発行データを特定できなかった場合には、入力部40から入力された検索項目をホスト60に送信することで、検索項目に該当する発行データをホスト60から取得し、ホスト60から取得された発行データに基づくラベル発行が指示された場合に、ホスト60から取得された発行データを発行データ記憶部28に記憶させるように構成することにより、実際にラベル発行に用いられた発行データのみが装置毎にそれぞれ記憶されることになるため、複数の装置が店舗に設置されている場合でも、装置毎に全ての商品に対応する発行データを記憶させておく必要がないため、各装置の記憶容量を必要最小限に抑えることができるという効果を奏する。
【0039】
さらに、本発明のラベルプリンタは、発行データに有効期限を設定しておき、CPU22は、発行データ記憶部28から有効期限が過ぎている発行データを消去するように構成することにより、有効期限によって発行データ記憶部28に記憶されている発行データを管理することができるため、発行データの変更等に簡単に対応することができるという効果を奏する。
【0040】
さらに、本発明のラベルプリンタは、CPU22は、特定した発行データの有効期限を判断することで、発行データ記憶部28から有効期限が過ぎている発行データを消去すると共に、有効期限が過ぎている発行データを発行データ記憶部28から消去した場合には、入力部40から入力された検索項目をホスト60に送信することで、検索項目に該当する発行データをホスト60から取得するように構成することにより、一連のラベル発行動作中に発行データ記憶手段に記憶される発行データの更新作業を行うことができるという効果を奏する。
【0041】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るラベルプリンタの実施の形態の接続状態を示すシステム構成図である。
【図2】本発明に係るラベルプリンタの実施の形態の構成を示す構成図である。
【図3】図2に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す発行データ記憶部に記憶されている発行データ例を示す図である。
【図5】本発明に係るラベルプリンタの実施の形態における商品番号を指定した発行動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図2に示す表示入力部に表示される画面を示す図であり、(a)は、検索項目選択画面であり、(b)は、商品番号入力画面であり、(c)は、発行データ確認画面である。
【図7】図3に示す発行データ記憶部に発行データを追加記憶する動作を説明するための説明図である。
【図8】本発明に係るラベルプリンタの実施の形態における商品番号以外の検索項目を指定した発行動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図2に示す表示入力部に表示される画面を示す図であり、(a)は、品名入力画面であり、(b)および(c)は、発行データ選択画面である。
【図10】図3に示す発行データ記憶部に発行データを追加記憶する動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ラベルプリンタ
2 帯状台紙
3 ラベル
4 プラテンローラ
5 サーマルヘッド
6 ラベル連続体
7 巻き芯
8 用紙供給部
10 センサ
11 搬送モータ
20 制御部
21 ROM
22 CPU
23 RAM
24 搬送制御部
25 印字制御部
26 ラベル検出部
27 カレンダIC
28 発行データ記憶部
30 外部インタフェース(外部I/F)
31 インタフェース(I/F)
40 入力部
50 表示入力部
60 ホスト
70 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル発行に関する発行データを管理するホストと通信可能に構成され、前記ホストから受信した前記発行データに基づいてラベルを発行するラベルプリンタであって、
前記ホストから受信した前記発行データを記憶する発行データ記憶手段と、
該発行データ記憶手段に記憶されている発行データを検索する検索項目を入力する検索項目入力手段と、
該検索項目入力手段から入力された前記検索項目によって前記発行データ記憶手段を検索することで、前記検索項目に該当する前記発行データを特定する発行データ特定手段と、
該発行データ特定手段によって前記発行データを特定できなかった場合には、前記検索項目入力手段から入力された前記検索項目を前記ホストに送信することで、前記検索項目に該当する前記発行データを前記ホストから取得する発行データ取得手段と、
前記発行データ特定手段によって特定された前記発行データおよび前記発行データ取得手段によって取得された前記発行データを表示する表示手段と、
該表示手段に表示された前記発行データに基づくラベル発行を指示する発行指示入力手段と、
該発行指示入力手段によって前記ホストから取得された前記発行データに基づくラベル発行が指示された場合に、前記ホストから取得された前記発行データを前記発行データ記憶手段に記憶させる発行データ更新手段とを具備することを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記発行データには、有効期限が設定されており、
前記発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている前記発行データを消去する発行データ消去手段を具備することを特徴とする請求項1記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記発行データ消去手段は、前記発行データ特定手段によって特定された前記発行データの有効期限を判断することで、前記発行データ記憶手段から有効期限が過ぎている前記発行データを消去し、
前記発行データ取得手段は、前記発行データ消去手段によって有効期限が過ぎている前記発行データが消去された場合には、
前記検索項目入力手段から入力された前記検索項目を前記ホストに送信することで、前記検索項目に該当する前記発行データを前記ホストから取得することを特徴とする請求項2記載のラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−296393(P2008−296393A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141887(P2007−141887)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【Fターム(参考)】