説明

ラベル印刷装置、ラベル印刷方法およびラベル貼り付け方法

【課題】遊技機用記憶素子に貼り付けるラベルの印刷を効率よく行うこと。
【解決手段】本発明は、遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する装置であって、記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを取得する顧客側入力装置18と、レイアウトの管理ラベルを印刷する顧客側印刷機14と、顧客側印刷機14で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認が承認機関から得られたかを判別する判別手段と、決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、承認されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機14と同じ印字で印刷する製造側印刷機24と、を有し、顧客側入力装置18と、判別手段を有する顧客側コンピュータ12と、顧客側印刷機14と、製造側印刷機24とがネットワーク30で接続されていることを特徴とするラベル印刷装置、ラベル印刷方法およびラベル貼り付け方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル印刷装置、ラベル印刷方法およびラベル貼り付け方法に関し、特に、遊技機用記憶素子に貼り付けるラベルのラベル印刷装置、ラベル印刷方法およびラベル貼り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコやパチスロ等の遊技機に用いられるROM(Read Only Memory)等の記憶素子には、遊技機を制御するデータが記憶されている。記憶素子に貼り付けられた管理ラベルは記憶素子の真偽を確認するものであるため、管理ラベルの印字レイアウト等は保安電子通信技術協会等の承認機関の承認を得る必要がある。承認を得た管理ラベルのレイアウトを変更する際は再び承認機関の承認が必要である。
【0003】
このように、管理ラベルの変更が難しいため、従来は管理ラベルを以下のように作製していた。まず、遊技機メーカー等の顧客が管理ラベルのレイアウトを決定すると、顧客は印刷会社に管理ラベルの版下を製作させる。印刷会社が版下を用い承認機関による承認用の管理ラベルを印刷する。顧客は管理ラベルを入手し、承認機関に管理ラベルの承認を申請する。承認機関の承認が得られると、顧客は印刷会社に上記版下を用い管理ラベルの印刷を指示する。印刷された管理ラベルは記憶素子を製造する製造会社に納品される。製造会社は管理ラベルを記憶素子に貼り付け、記憶素子を顧客に納品する。
【0004】
特許文献1には、遊技機に装着された記憶素子が不正なものか否かの検査を行う例が開示されている。
【特許文献1】特開2007−135932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法によれば、決定したレイアウトで版下を作製した後、レイアウトの承認が承認機関から得られなかった場合、版下が無駄になってしまう。また、印刷会社が係わるため、情報や物品の流れが複雑となる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、遊技機用記憶素子に貼り付けるラベルの印刷を効率よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する装置であって、前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを取得する入力装置と、前記レイアウトの管理ラベルを印刷する顧客側印刷機と、前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認が承認機関から得られたかを判別する判別手段と、前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字で印刷する製造側印刷機と、を有し、前記入力装置と、前記判別手段を有するコンピュータと、前記顧客側印刷機と、前記製造側印刷機とがネットワークで接続されていることを特徴とするラベル印刷装置である。
【0008】
本発明は、コンピュータと、顧客側印刷機と、製造側印刷機とがネットワークで接続されているシステムが遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する方法であって、前記コンピュータが前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを取得するステップと、前記顧客側印刷機が前記レイアウトの管理ラベルを印刷するステップと、前記コンピュータが前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認が承認機関から得られたかを判別するステップと、前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記製造側印刷機が前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字で印刷するステップと、を有することを特徴とするラベル印刷方法である。
【0009】
本発明は、遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する方法であって、前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを決定するステップと、前記決定されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機で印刷するステップと、前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認を承認機関から得るステップと、前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字を行う製造側印刷機で印刷するステップと、を有することを特徴とするラベル印刷方法である。
【0010】
本発明は、遊技機用記憶素子に管理ラベルを貼り付ける方法であって、前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを決定するステップと、前記決定されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機で印刷するステップと、前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認を承認機関から得るステップと、前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字を行う製造側印刷機で印刷するステップと、前記製造側印刷機で印刷された管理ラベルを前記記憶素子に貼り付けるステップと、を有することを特徴とするラベル貼り付け方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管理ラベルのレイアウトの承認が承認機関から得られなかった場合や、管理ラベルのレイアウトが変更された場合においても、版下が無駄になることはない。したがって、遊技機用記憶素子に貼り付けるラベルの印刷を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照に本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0013】
実施例1に係る遊技機用記憶素子に管理ラベルを貼り付ける方法の例である。図1は実施例1の方法を行うためのシステムを示す図である。図1を参照に、実施例1において用いられるシステムは、顧客側システム10と製造側システム20とを有している。顧客側システム10は、記憶素子を用い遊技機を製造する遊技機メーカーにおけるシステムであり、記憶素子の顧客が用いるシステムである。製造側システム20は、記憶素子を製造する製造会社が用いるシステムである。顧客側システム10は、顧客側コンピュータ12、顧客側印刷機14、記憶媒体や不揮発性メモリ等の顧客側記憶部16(記憶装置)およびキーボードやマウス等の顧客側入力部18(入力装置)を有している。製造側システム20は、製造側コンピュータ22、製造側印刷機24、記憶媒体や不揮発性メモリ等の製造側製造側記憶部26(記憶装置)を有している。ここで、顧客側印刷機14と製造側印刷機24とは同じ印字で印刷することが可能な印刷機であり、例えば同じメーカーかつ同じ型格の印刷機である。顧客側システム10内は顧客側ネットワーク11で接続され、製造側システム20内は製造側ネットワーク21で接続されている。顧客側コンピュータ12と製造側コンピュータ22とはネットワーク30で接続されている。
【0014】
図2は実施例1に係る方法の処理を示すフローチャートである。記憶素子の顧客は、顧客側コンピュータ12において、パチンコやパチスロ等の遊技機の制御用データ等を記憶する記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを決定する(ステップS10)。管理ラベルのレイアウトに含まれる情報としては、例えば、遊技機に用いるプログラムの名称やバージョン情報がある。管理ラベルのレイアウトの決定としては、新しいプログラムに対応し、新規に管理ラベルのレイアウトを作成する場合、または既にあるプログラムに対し管理ラベルを更新する場合がある。
【0015】
顧客は、顧客側印刷機14を用い決定されたレイアウトの管理ラベルを印刷する(ステップS12)。顧客は、顧客側印刷機14で印刷された管理ラベルで決定されたレイアウトの承認を得る(ステップS14)。管理ラベルの印字レイアウト等の承認は保安電子通信技術協会等の承認機関において受ける。顧客は、記憶素子の製造を製造会社に依頼する。製造会社は、記憶素子を製造し、承認されたレイアウトの管理ラベルを製造側印刷機24で印刷する(ステップS16)。製造側印刷機24は顧客側印刷機14と同じ印字が可能である。よって、製造側印刷機24は、承認された管理ラベルと同じレイアウトのラベルを印刷することができる。製造会社は、印刷された管理ラベルを記憶素子(ROM)に貼り付ける(ステップS18)。製造会社は管理ラベルが貼り付けられた記憶素子を顧客に納品する。図3は記憶素子42に貼り付けられた管理ラベル40を示す図である。
【0016】
実施例1に係る方法によれば、製造側印刷機24と顧客側印刷機14とが同じ印字で管理ラベルを印刷することができる。よって、顧客は、管理ラベルのレイアウトを決定すると、顧客側印刷機14で管理ラベルを少量印刷し、承認機関の承認を得ることができる。承認が得られれば、製造会社に依頼し、承認されたレイアウトと同じレイアウトおよび印字の管理ラベルを大量に印刷することができる。よって、承認が得られなかった場合や、管理ラベルのレイアウトが変更された場合は、従来のように版下が無駄になることはない。したがって、遊技機用記憶素子に貼り付けるラベルの印刷を効率よく行うことができる。
【実施例2】
【0017】
実施例2は、ラベル印刷装置の例である。使用されるシステムは図1と同じであり、顧客側コンピュータ12は、判別手段を有している。図4は顧客側システム10の顧客側コンピュータ12の処理を示すフローチャートである。顧客側入力部18は、管理ラベルの決定したレイアウトを取得する(ステップS20)。例えば、決定されたレイアウト情報が、キーボード等の顧客側入力部18から顧客側コンピュータ12に入力される。または、レイアウト情報は記憶された記憶媒体から顧客側入力部18を介し顧客側コンピュータ12に入力される。
【0018】
顧客側コンピュータ12は、決定されたレイアウトを顧客側記憶部16に記憶させる(ステップS22)。顧客側コンピュータ12は、顧客側印刷機14に決定されたレイアウトの管理ラベルを印刷させる(ステップS24)。顧客側コンピュータ12の判別手段は、レイアウトの承認が得られたかを判別する(ステップS26)。レイアウトの承認が得られたか否かの承認情報は、例えば、顧客側入力部18を介し顧客側コンピュータ12に入力される。顧客がキーボード等から承認情報を入力してもよいし、承認機関のコンピュータがネットワークを通じ顧客側コンピュータ12に承認情報を送付してもよい。決定されたレイアウトの承認が得られた場合、顧客側コンピュータ12は、ステップS22において、顧客側記憶部16に記憶させたレイアウトの情報を顧客側記憶部16から取得する(ステップS28)。顧客側コンピュータ12は、レイアウトの情報をネットワーク30を介し製造側コンピュータ22に送信する(ステップS30)。顧客側コンピュータ12は、管理ラベルが印刷可能であることを製造側コンピュータ22に送信する(ステップS32)。なお、ステップS28およびS30はステップS26の前に行ってもよい。
【0019】
図5は製造側システム20の製造側コンピュータ22の処理を示すフローチャートである。製造側コンピュータ22は、レイアウトの情報を顧客側コンピュータ12から受信する(ステップS40)。製造側コンピュータ22は、レイアウトの情報を製造側記憶部26に記憶させる(ステップS42)。製造側コンピュータ22は、管理ラベルの印刷が可能か否かを判断する(ステップS44)。製造側コンピュータ22は、顧客側コンピュータ12から管理ラベルの印刷可能との情報が得られれば、管理ラベルの印刷が可能と判断する。ステップS44において、管理ラベルの印刷が可能と判断された場合、製造側コンピュータ22は、ステップS42において製造側記憶部26に記憶されたレイアウトの情報を製造側記憶部26から取得する(ステップS46)。製造側コンピュータ22は、取得したレイアウトの管理ラベルを製造側印刷機24に印刷させる(ステップS48)。これにより、決定されたレイアウトの承認が得られた場合、顧客側印刷機24が承認されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機14と同じ印字で印刷する。
【0020】
実施例2のように、顧客側入力部18(入力装置)と、判別手段を有する顧客側コンピュータ12と、顧客側印刷機14と、製造側印刷機24とがネットワーク30で接続されているラベル印刷装置を用い管理ラベルの印刷を行うこともできる。
【0021】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は実施例1および2に関係するシステムのブロック図である。
【図2】図2は実施例1に係るラベル貼り付け方法のフローチャートである。
【図3】図3は記憶素子に貼り付けられたラベルを示す図である。
【図4】図4は実施例2における顧客側コンピュータの処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は実施例2における製造側コンピュータの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
10 顧客側システム
12 顧客側コンピュータ
14 顧客側印刷機
16 顧客側記憶部
18 顧客側入力部
20 製造側システム
22 製造側コンピュータ
24 製造側印刷機
26 製造側記憶部
30 ネットワーク
40 管理ラベル
42 記憶素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する装置であって、
前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを取得する入力装置と、
前記レイアウトの管理ラベルを印刷する顧客側印刷機と、
前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認が承認機関から得られたかを判別する判別手段と、
前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字で印刷する製造側印刷機と、を有し、
前記入力装置と、前記判別手段を有するコンピュータと、前記顧客側印刷機と、前記製造側印刷機とがネットワークで接続されていることを特徴とするラベル印刷装置。
【請求項2】
コンピュータと、顧客側印刷機と、製造側印刷機とがネットワークで接続されているシステムが遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する方法であって、
前記コンピュータが前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを取得するステップと、
前記顧客側印刷機が前記レイアウトの管理ラベルを印刷するステップと、
前記コンピュータが前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認が承認機関から得られたかを判別するステップと、
前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記製造側印刷機が前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字で印刷するステップと、
を有することを特徴とするラベル印刷方法。
【請求項3】
遊技機用記憶素子に貼り付けるための管理ラベルを印刷する方法であって、
前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを決定するステップと、
前記決定されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機で印刷するステップと、
前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認を承認機関から得るステップと、
前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字を行う製造側印刷機で印刷するステップと、
を有することを特徴とするラベル印刷方法。
【請求項4】
遊技機用記憶素子に管理ラベルを貼り付ける方法であって、
前記記憶素子に貼り付けるべき管理ラベルのレイアウトを決定するステップと、
前記決定されたレイアウトの管理ラベルを顧客側印刷機で印刷するステップと、
前記顧客側印刷機で印刷された管理ラベルで前記決定されたレイアウトの承認を承認機関から得るステップと、
前記決定されたレイアウトの承認が前記承認機関から得られた場合、前記承認されたレイアウトの管理ラベルを前記顧客側印刷機と同じ印字を行う製造側印刷機で印刷するステップと、
前記製造側印刷機で印刷された管理ラベルを前記記憶素子に貼り付けるステップと、
を有することを特徴とするラベル貼り付け方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−297178(P2009−297178A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153593(P2008−153593)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000237606)富士通エレクトロニクス株式会社 (22)
【Fターム(参考)】