説明

ラベル及びラベル製造方法

【課題】 消費者の興味を引いて期待度を高めることができるデザインを備えた低価格のラベルを提供することを課題とする。また、本発明は、デザイン変更に伴うコストの増加が少なく、消費者の興味を引いて期待度を高めることができるデザインを備えたラベルを製造するラベル製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のラベル1は、シート状のラベル本体2を備える。ラベル本体2は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4が設けられ、一端側にあるインク層4がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5が視認可能に形成されている。また、ラベル本体2は、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部6が設けられ、ラベル本体2を容器3に巻装した状態で、第一の隠蔽部6と期待度表示5とが重なり合うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル等の対象物に巻装するラベル及び該ラベルを製造するラベル製造方法に関し、特に、消費者に対する期待度に関する情報を含むラベル及び該ラベルを製造するラベル製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、くじ、応募要項等の情報を備えたラベルが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかるラベルは、シート状のラベル本体を備え、該ラベル本体を日用品や食品等の商品(以下、対象物という)に、巻き付けた状態でラベル本体の一端側と他端側とが重なるように剥離可能に貼り合わされる。ラベル本体は、一端側に非透過領域が設けられ、他端側に、消費者に対する期待度に関する情報を含む表示(くじ等に関する情報)が視認可能に設けられている。そして、かかるラベルは、対象物に巻装された状態でくじ等に関する表示が非透過領域に覆われて隠蔽され、ラベル本体の一端側を他端側から剥離することで、くじ等に関する表示が露出して、消費者にその内容が認識されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−212092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種のラベルでは、くじ等に関する表示がグラビア印刷等の一般的な手法によって印刷されているため、印刷のデザインを変更する際に、そのデザインに対応する原版を作成する必要がある。そのため、デザイン変更に多大な費用を要することになり、デザインのバリエーションを簡単に変えることができないといった問題がある。また、デザインの変更を行うと、印刷用の装置にデザインに応じた原版をセットする必要があり、交換に手間がかかるといった問題がある。そのため、この種のラベルは、くじ等に関する表示のデザインに変更を加える機会が少なく、消費者の興味を引いて期待度を高めるのに限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、消費者の興味を引いて期待度を高めることのでラベルを提供することを課題とする。また、本発明は、デザイン変更に伴うコストの増加が少なく、消費者の興味を引いて期待度を高めることのできるラベルを製造するラベル製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るラベルは、シート状のラベル本体を備え、該ラベル本体を対象物に巻き付けた状態で前記ラベル本体の一端側と他端側とが重なるように剥離可能に貼り合わされるラベルであって、前記ラベル本体は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層が設けられ、一端側にあるインク層がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示が視認可能に形成され、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部が設けられ、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記第一の隠蔽部と前記期待度表示とが重なり合うように構成されていることを特徴とする。なお、ここでは、「レーザー加工を対象とするインク層」とは、例えば、レーザー照射に伴って発色する(レーザー発色タイプ)のものや、レーザー照射に伴ってレーザーが照射された箇所のインクが除去(切削)されたり蒸発されたりするものをいう。
【0008】
上記構成のラベルによれば、ラベル本体は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層が設けられ、一端側にあるインク層がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示が視認可能に形成され、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部が設けられ、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記第一の隠蔽部と前記期待度表示とが重なり合うように構成されているため、ラベル本体を対象物に巻装した状態で、インク層に形成された期待度表示が第一の隠蔽部によって覆われた状態になる。従って、上記ラベルは、期待度表示が消費者によって視認されることを防止することができる。
【0009】
また、上記構成のラベルによれば、期待度表示がレーザー加工によって視認可能に形成されるため、それぞれの印刷に応じて原版を作成したり変更したりする必要がなく、期待度表示のデザイン変更に伴って多大なコストを必要としない。また、レーザー加工は、微細な加工を高精度に行うことができるため、期待度表示は、視認性のみならず、デザイン性に優れたものになる。これにより、消費者の興味を引くことができる。
【0010】
本発明の他態様として、前記ラベル本体は、少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部が設けられ、前記期待度表示が前記第二の隠蔽部に重なるように配置されていることが好ましい。
【0011】
上述のように、期待度表示がレーザー加工によってインク層に形成されると、ラベル本体の反対側から期待度表示が確認できる(透けて見える)ことがあるが、上記構成のラベルによれば、ラベル本体は、少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部が設けられ、前記期待度表示が前記第二の隠蔽部に重なるように配置されるため、期待度表示が、第二の隠蔽部で透けて見えることが防止される。そのため、透過性のある対象物(例えば、水等を入れたペットボトル等の容器)に巻装しても、期待度表示が反対側から透けて見えることはない。
【0012】
本発明の別の態様として、前記ラベル本体は、一端側に前記期待度表示が設けられ、他端側に前記第一の隠蔽部が設けられていることが好ましい。このようにすることで、対象物に巻装した状態で期待度表示が一箇所に配置されるため、消費者が混同を生じることがなく、ラベル本体の一端側を他端側から剥離することで、消費者が期待度表示を確実に認識することができる。
【0013】
本発明のさらに別の態様として、前記第一の隠蔽部は、前記期待度表示の形態と対応した形態の隠蔽用表示を含む情報表示で構成され、少なくとも情報表示が設けられる領域は、透過性を有し、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記期待度表示上に前記隠蔽用表示が重なるように構成されていることが好ましい。
【0014】
上記構成のラベルによれば、第一の隠蔽部は、前記期待度表示の形態と対応した形態の隠蔽用表示を含む情報表示で構成され、少なくとも情報表示が設けられる領域は、透過性を有し、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記期待度表示上に前記隠蔽用表示が重なるように構成されているため、情報表示が、消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示の説明を兼ねることができ、消費者は、情報表示の内容から、期待度表示の内容を認識することができる。従って、上記ラベルは、消費者の興味を引いて、かつ消費者の期待感を高めることができる。
【0015】
前記情報表示は、文字、図形、記号、符号又はそれらの組み合わせによって表示されていることが好ましい。このようにすることで、消費者に、期待感を高める情報を提供できると共に、情報伝達媒体として多くの情報を提供することができる。特に、情報表示は、図形や記号、符号を用いると、デザイン性に優れ、見た目に楽しく娯楽性のあるものとなる。
【0016】
この場合、前記ラベル本体は、一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層が形成されていることが好ましい。
【0017】
このようにすることで、期待度表示が第一の隠蔽部によって隠された状態で、消費者は、第一の隠蔽部側から期待度表示の周辺領域を視認することができ、例えば、期待度表示の周辺領域に模様を設けることで、デザイン性に優れたものとなる。
【0018】
本発明のラベルを製造する方法は、上述のラベルを製造するラベル製造方法において、透明シートの少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層を形成するインク層形成工程と、一端側にあるインク層がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示を視認可能に形成する期待度表示形成工程と、前記透明シートの少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部を形成する第一の隠蔽部形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
上記方法によれば、期待度表示形成工程において、期待度表示がレーザー加工によって視認可能に形成されるため、それぞれの印刷に応じて原版を作成したり変更したりする必要がなく、期待度表示のデザイン変更に伴って多大なコストを必要としない。また、レーザー加工は、微細な加工を高精度に行うことができるため、期待度表示は、視認性のみならず、デザイン性に優れたものになる。これにより、消費者の興味を引くことができるラベルを製造することができる。
【0020】
さらに、上記方法によれば、第一の隠蔽部形成工程において、透明シートの少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部を形成するため、透明シートがラベル本体になったラベルを対象物に巻装した状態で期待度表示が第一の隠蔽部によって覆われた状態になる。従って、上記ラベルは、期待度表示が消費者によって視認されることを防止することができる。
【0021】
本発明の別の態様として、透明シートの少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
【0022】
このようにすることで、インク層に形成された期待度表示が、第二の隠蔽部によってラベル本体の反対側から透けて見えることを防止することができる。これにより、透過性のある対象物(例えば、水等を入れたペットボトル等の容器)に対しても、期待度表示が透けて見えてしまうことのないラベルを製造することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明のラベルによれば、消費者の興味を引いて期待度を高めることができるといった優れた効果を奏し得る。
【0024】
また、本発明のラベル製造方法は、デザイン変更に伴うコストの増加が少なく、消費者の興味を引いて期待度を高めることができるといった優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るラベルを対象物に巻装させた状態の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るラベルの正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るラベルの図2のA−A線における概略断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るラベルを対象物に巻装させた状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係るラベルについて、添付図面を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係るラベル1は、対象物3に巻装させるものであり、本実施形態においては、ペットボトル等の容器3に巻装することを対象としている。かかるラベル1は、シート状のラベル本体2を備えている。本実施形態に係るラベル1は、容器3に巻き付けられた状態でラベル本体2の一端側と他端側とが重なるように剥離可能に貼り合わされる。
【0028】
本実施形態において、ラベル本体2は、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂製の略長方形状の透明シートで構成されており、図2及び図3に示すように、一方の面に、商品名やキャッチコピー等を含む表示層(本実施形態においては、「ドリンク」の文字を含むデザイン)Pが、グラビア印刷や凸版印刷等の一般的な手法によって設けられる。すなわち、本実施形態では、表示層Pは、ラベル本体2の一端から他端側にかけて施されており、ラベル本体2の他端部を除く所定領域に施されている。
【0029】
ラベル本体2は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4が設けられ、一端側にあるインク層4がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5が視認可能に形成されている(図2参照)。また、ラベル本体2は、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部6が設けられ、該第一の隠蔽部6は、ラベル本体2を容器3に巻装した状態で、期待度表示5と重なり合うように構成されている(図1参照)。
【0030】
本実施形態においては、ラベル本体2は、一端側(一端部)に期待度表示5が設けられ、他端側(他端部)に第一の隠蔽部6が設けられている。そして、ラベル1は、ラベル本体2を対象物としての容器3に巻装した状態で、他端側の第一の隠蔽部6が、一端側の期待度表示5に重なるように構成されている。
【0031】
また、ラベル本体2は、少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部7が設けられ、期待度表示5が第二の隠蔽部7に重なるように配置されている。
【0032】
第二の隠蔽部7は、ラベル本体2の一方の面に対する印刷により形成されている。本実施形態において、第二の隠蔽部7は、ラベル本体2の一端部に形成されている。本実施形態においては、表示層P及び第二の隠蔽部7の形成領域が重複しているため、表示層Pが第二の隠蔽部7を兼用している。
【0033】
期待度表示5は、上述のように、ラベル本体2の一端側に設けられ、ラベル本体2の一方の面に形成されている。本実施形態においては、期待度表示5は、第二の隠蔽部7上にある。また、本実施形態においては、期待度表示5は、図2に示すように、「当り」の文字で表示されている。具体的には、ラベル本体2の一端側(一端部)に設けられたインク層4にレーザー光を照射することで、インク層4中の期待度表示5に該当する部分を削って、期待度表示5である「当り」の文字が形成されている。
【0034】
第一の隠蔽部6は、上述のように、ラベル本体2の他端側(他端部)に設けられ、印刷によって期待度表示5と同じ面に形成されている。本実施形態では、第一の隠蔽部6は、期待度表示5の形態と対応した形態の隠蔽用表示6aを含む情報表示で構成されている。少なくとも情報表示6が設けられる領域は、透過性を有している。第一の隠蔽部6は、ラベル本体2を容器3に巻装した状態で、期待度表示5上に隠蔽用表示6aが重なるように配置されている。
【0035】
本実施形態において、第一の隠蔽部としての情報表示6は、文字、図形、記号、符号又はそれらの組み合わせによって表示されている。具体的には、本実施形態においては、情報表示6は、期待度表示5の形態と対応した形態の隠蔽用表示6aとしての「当り」の文字を含む「当りが出ればもう一本」という文字で構成されている。本実施形態に係るラベル1は、ラベル本体2を容器3に巻き付けられて、ラベル本体2の一端側と他端側とが重なるように貼り合わせられることで、期待度表示5としての「当り」の文字に隠蔽用表示6aとしての「当り」の文字が重なるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態においては、少なくとも情報表示6の隠蔽用表示6aは、期待度表示5よりも太くなるように形成されている。これにより、ラベル本体2の一端側と他端側との貼り合わせが多少ずれた場合でも、期待度表示5が隠蔽用表示6aに隠され、ラベル本体2の一端側と他端側とが貼り合わされた状態では、消費者が期待度表示5を視認できにくくなっている。
【0037】
また、ラベル本体2は、容器3に巻き付けた状態で互いに重なる一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層9が形成されている。本実施形態においては、ラベル本体2の一端側(期待度表示5のある領域)に接着層9が形成されており、ラベル本体2を容器3に巻き付けて、ラベル本体2の一端側と他端側とを互いに重ね合わせた状態で、ラベル本体2の一端側と他端側とを接着層9によって接着できるようになっている。
【0038】
すなわち、本実施形態においては、ラベル1を容器3に巻き付けた状態で、ラベル本体2の一端側と他端側とが接着層9によって接着され、期待度表示5としての「当り」の文字は、情報表示6側(本実施形態においては、容器3の外側)からは隠蔽用表示6aとしての「当り」の文字と重なり合うことによって隠されるとともに、非透過性の第二の隠蔽部7側(本実施形態においては、容器3の内側)からは該第二の隠蔽部7によって隠されて、消費者が期待度表示5としての「当り」の文字を視認できないようになっている。
【0039】
また、本実施形態においては、ラベル本体2の一端側と他端側との接着を剥離することで、第二の隠蔽部7上に設けられた期待度表示5としての「当り」の文字が露出して認識できるようになる。なお、言うまでもなく、期待度表示5が消費者に対して期待度の高いものである場合、期待度表示5としての「当り」の文字が設けられ、期待度表示5が消費者に対して期待度の低いものである場合、無地(表示がないこと)又は違う文字の表示が設けられている。
【0040】
本実施形態に係るラベル1の構成についての説明は以上の通りであり、次に、このように構成されたラベル1の製造方法について説明する。
【0041】
本実施形態に係るラベル1の製造方法は、透明シートの少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4を形成するインク層形成工程と、一端側にあるインク層4がレーザー加工されて、消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5を視認可能に形成する期待度表示形成工程と、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部6を形成する第一の隠蔽部形成工程と、を含む。また、本実施形態に係るラベル1の製造方法は、透明シートの少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部を形成する工程をさらに含む。
【0042】
具体的には、透明シートの所定領域に商品名やキャッチコピー等の表示層Pの印刷を施す。本実施形態においては、表示層P及び第二の隠蔽部7の形成領域が重複しているので、1回の印刷で、表示層と第二の隠蔽部7とが形成される(第二の隠蔽部形成工程)。
【0043】
そして、透明シートの何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4を形成し(インク層形成工程)、一端側にある該インク層4がレーザー加工されて、消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5を視認可能に形成する(期待度表示形成工程)。
【0044】
そして、透明シートの何れか他端側に、上述のような一般的な印刷によって、期待度表示5を覆うための第一の隠蔽部6を形成する(第一の隠蔽部形成工程)。この場合、ラベル本体2の一端側と他端側とが重なるように貼り合わされた状態で、期待度表示5に重なるように第一の隠蔽部6を形成する。そして、ラベル本体2の巻き付けた状態で互いに重なる一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層9を形成する。
【0045】
そして、透明シートを所定領域毎に切断することによって、ラベル本体2を含む複数のラベル1が形成される。
【0046】
このようにして形成されたラベル1のラベル本体2を容器3に巻き付けた状態でラベル本体2に形成された透過性のある接着層9によってラベル本体2の一端側と他端側とが重なるように貼り付ける。このようにして、期待度表示5が第一の隠蔽部6に隠されて視認できないようになる、
【0047】
以上のように、シート状のラベル本体2を備え、該ラベル本体2を対象物に巻き付けた状態でラベル本体2の一端側と他端側とが重なるように剥離可能に貼り合わされるラベルであって、ラベル本体2は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4が設けられ、一端側にあるインク層4がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5が視認可能に形成され、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部6が設けられ、ラベル本体2を対象物としての容器3に巻装した状態で、第一の隠蔽部6と期待度表示5とが重なり合うように構成されているため、ラベル本体2を容器3に巻装した状態で、インク層4に形成された期待度表示5が第一の隠蔽部6によって覆われた状態になる。従って、上記ラベル1は、期待度表示5が消費者によって視認されることを防止することができる。
【0048】
また、上記構成のラベルによれば、期待度表示5がレーザー加工によって視認可能に形成されるため、それぞれの印刷に応じて原版を作成したり変更したりする必要がなく、期待度表示5のデザイン変更に伴って多大なコストを必要としない。また、レーザー加工は、微細な加工を高精度に行うことができるため、期待度表示5は、視認性のみならず、デザイン性に優れたものになる。これにより、消費者の興味を引くことができる。
【0049】
また、ラベル本体2は、少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部7が設けられ、期待度表示5が第二の隠蔽部7に重なるように配置されているため、期待度表示5が、第二の隠蔽部7で透けて見えてしまうことが防止される。そのため、透過性のある対象物(例えば、水等を入れたペットボトル等の容器)に巻装しても、期待度表示5が反対側から透けて見えてしまうことがない。
【0050】
また、ラベル本体2は、一端側に期待度表示5が設けられ、他端側に第一の隠蔽部6が設けられているため、容器3に巻装した状態で期待度表示5が一箇所に配置され、消費者が混同を生じることがなく、ラベル本体2の一端側を他端側から剥離することで、消費者が期待度表示5を確実に認識することができる。
【0051】
また、第一の隠蔽部6は、期待度表示5の形態と対応した形態の隠蔽用表示6aを含む情報表示で構成され、少なくとも情報表示6が設けられる領域は、透過性を有し、ラベル本体2を容器3に巻装した状態で、期待度表示5上に隠蔽用表示6aが重なるように構成されているため、情報表示6が、消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5の説明を兼ねることができ、消費者は、情報表示6の内容から、期待度表示5の内容を認識することができる。従って、上記ラベル1は、消費者の興味を引いて、かつ消費者の期待感を高めることができる。
【0052】
また、情報表示6は、文字、図形、記号、符号又はそれらの組み合わせによって表示されているため、消費者に、期待感を高める情報を提供できると共に、情報伝達媒体として多くの情報を提供することができる。特に、情報表示6は、図形や記号、符号を用いると、デザイン性に優れ、見た目に楽しく娯楽性のあるものとなる。
【0053】
また、ラベル本体2が一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層9が形成されているため、期待度表示5が第一の隠蔽部としての情報表示6によって隠された状態で、消費者は、第一の隠蔽部6側から期待度表示5の周辺領域を視認することができ、例えば、期待度表示5の周辺領域に模様を設けることで、デザイン性に優れたものとなる。
【0054】
また、本実施形態に係るラベル1を製造する方法は、透明シートの少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層4を形成するインク層形成工程と、一端側にあるインク層4がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示5を視認可能に形成する期待度表示形成工程と、前記透明シートの少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部6を形成する第一の隠蔽部形成工程と、を含むため、期待度表示形成工程において、期待度表示がレーザー加工によって視認可能に形成され、それぞれの印刷に応じて原版を作成したり変更したりする必要がなく、期待度表示のデザイン変更に伴って多大なコストを必要としない。また、レーザー加工は、微細な加工を高精度に行うことができるため、期待度表示は、視認性のみならず、デザイン性に優れたものになる。これにより、消費者の興味を引くことができるラベルを製造することができる。
【0055】
さらに、上記方法によれば、第一の隠蔽部形成工程において、透明シートの少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部を形成するため、透明シートがラベル本体になったラベルを対象物に巻装した状態で期待度表示が第一の隠蔽部によって覆われた状態になる。従って、上記ラベルは、期待度表示が消費者によって視認されることを防止することができる。
【0056】
また、上記方法によれば、透明シートの少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部を形成する工程をさらに含むため、インク層に形成された期待度表示が、第二の隠蔽部によってラベル本体の反対側から透けて見えることを防止することができる。これにより、透過性のある対象物(例えば、水等を入れたペットボトル等の容器)に対しても、期待度表示が透けて見えてしまうことのないラベルを製造することができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
【0058】
上記実施形態においては、ラベル本体2は、容器3に巻装した状態でインク層4に重なるように非透過性の第二の隠蔽部7が設けられているが、これに限定されず、例えば、容器3や容器3中の内容物が着色されているような場合等には、インク層4に形成された期待度表示5は、容器3や容器3中の内容物によって透視不能であるため、第二の隠蔽部7を設けなくてもよい。ただ、万全を期すため、期待度表示5がラベル本体2の裏側から隠蔽されることをより確実に防止するためには、第二の隠蔽部7を設けることが好ましい。
【0059】
上記実施形態においては、透明シートの何れか一面側に、表示層P及び第二の隠蔽部7を印刷した後、期待度表示5と第一の隠蔽部6とを、それぞれ各工程で印刷するようにしたが、これに限定されず、生産効率を考え、例えば、表示層P及び第二の隠蔽部7と同時に、第一の隠蔽部6を印刷してもよい。
【0060】
上記実施形態においては、情報表示6は、隠蔽用表示6aとしての「当り」の文字を含むようにしたが、これに限定されず、情報表示6は、例えば、「もう一本キャンペーン中」や「もう一本プレゼント中」等の文字、丸印や星型、多角形等の図形、商品名やデザインロゴ等の記号や符号等であってもよい。期待度表示5が隠蔽用表示6aを含む情報表示6によって覆われることができるとともに、消費者が情報表示6を視認することで、ラベル本体2に消費者に対する期待度に関する情報があることを認識できるものであればよい。この場合も、情報表示6が消費者に対する期待度に関する情報の説明を兼ねていることが好ましい。なお、第一の隠蔽部6は、情報表示を含むものに限定されず、情報を含まない非透過性のものであってもよい。
【0061】
上記実施形態においては、期待度表示5は、ラベル本体2の一端側(一端部)に設けられたインク層4にレーザー光を照射することで、インク層4中の期待度表示5に該当する部分(「当り」)を削って、期待度表示5を形成しているが、これに限定されず、例えば、インク層4はレーザー発色タイプのインクで形成してもよい。この場合、レーザー発色タイプのインクにレーザー光を照射することで、インク層4中の期待度表示5に該当する部分(「当り」)のインクを発色させて期待度表示5を形成することができる。
【0062】
上記実施形態においては、ラベル本体2は、巻き付けた状態で互いに重なる一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層9が形成されているが、これに限定されず、接着層9は、透明性のあるもののみならず、半透明性のものや白濁したものなどであってもよく、消費者が、期待度表示5や情報表示6を視認可能となるものであればよい。
【0063】
上記実施形態においては、ラベル1は、ラベル本体2の少なくとも一端側に設けられているが、これに限定されず、例えば、第二の隠蔽部7を着色フィルムで構成して、ラベル1と貼り合わせてもよい。
【0064】
上記実施形態においては、ラベル本体2上に期待度表示5及び情報表示6をそれぞれ一つずつ形成しているが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、期待度表示及び情報表示がラベル本体2の一端側と他端側の両方に設けられてもよい。なお、説明の都合上、図4においては、ラベル本体2の一端側と他端側とを、少し剥離した状態にしている。
【0065】
この場合、図4に示すように、ラベル本体2を容器3に巻装すると、ラベル本体2の一端側に、第二の隠蔽部40aに重なるように設けられたレーザー加工を対象とする一方のインク層50aが設けられ、該インク層50aがレーザー加工されて、消費者に対する期待度に関する情報を含む一方の期待度表示70aが視認可能に形成されるとともに、巻装した状態で一方の期待度表示70aと重なり合う他端側に一方の第一の隠蔽部60aが設けられるように構成されている。
【0066】
そして、消費者は、容器3の内側(図4中の矢印Aの方向)から第一の隠蔽部としての情報表示80aを視認することができ、消費者は、ラベル本体2の一端側と他端側とを剥離した後、露出された期待度表示70aを視認することができる。
【0067】
また、ラベル本体2の他端側の第一の隠蔽部60aに隣接する領域に設けられた他方の第二の隠蔽部40bに重なるように設けられたインク層50bがレーザー加工されて、消費者に対する期待度に関する情報を含む他方の期待度表示70bが視認可能に形成されるとともに、巻装した状態で他方の期待度表示70bと重なり合う一端側に他方の第一の隠蔽部60bが設けられるように構成されている。
【0068】
そして、消費者は、容器3の外側(図4中の矢印Bの方向)から他方の第一の隠蔽部としての情報表示60bを視認することができ、消費者は、ラベル本体2の一端側と他端側とを剥離した後、露出された期待度表示70bを視認することができる。
【0069】
これにより、消費者は、ラベル本体2に設けられた両方の期待度表示70a,70bによって期待感が高められ、もし消費者が一方の期待度表示70a又は70bの結果に満足できない場合でも、消費者は、他方の期待度表示70b又は70aを視認する機会を得ることができ、他方の期待度表示70b又は70aの結果に満足できる。なお、情報表示80a,80bが情報を含むようにしたが、これに限定されず、情報を含んでいなくてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…ラベル、2…ラベル本体、3…容器、4,50a,50b…インク層、5,70a,70b…期待度表示、6,60a,60b,…第一の隠蔽部(情報表示)、6a…隠蔽用表示、7,40a,40b…第二の隠蔽部、9…接着層、80a,80b…情報表示P…印刷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のラベル本体を備え、該ラベル本体を対象物に巻き付けた状態で前記ラベル本体の一端側と他端側とが重なるように剥離可能に貼り合わされるラベルであって、前記ラベル本体は、少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層が設けられ、一端側にあるインク層がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示が視認可能に形成され、少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部が設けられ、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記第一の隠蔽部と前記期待度表示とが重なり合うように構成されていることを特徴とするラベル。
【請求項2】
前記ラベル本体は、少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部が設けられ、前記期待度表示が前記第二の隠蔽部に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記ラベル本体は、一端側に前記期待度表示が設けられ、他端側に前記第一の隠蔽部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラベル。
【請求項4】
前記第一の隠蔽部は、前記期待度表示の形態と対応した形態の隠蔽用表示を含む情報表示で構成され、少なくとも情報表示が設けられる領域は、透過性を有し、前記ラベル本体を前記対象物に巻装した状態で、前記期待度表示上に前記隠蔽用表示が重なるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のラベル。
【請求項5】
前記情報表示は、文字、図形、記号、符号又はそれらの組み合わせによって表示されている請求項4に記載のラベル。
【請求項6】
前記ラベル本体は、一端側及び他端側の少なくとも何れか一方に、透過性のある接着層が形成されている請求項4又は5の何れか一項に記載のラベル。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のラベルを製造するラベル製造方法において、透明シートの少なくとも何れか一端側にレーザー加工を対象とするインク層を形成するインク層形成工程と、一端側にあるインク層がレーザー加工されて消費者に対する期待度に関する情報を含む期待度表示を視認可能に形成する期待度表示形成工程と、前記透明シートの少なくとも何れか他端側に第一の隠蔽部を形成する第一の隠蔽部形成工程と、を含むことを特徴とするラベル製造方法。
【請求項8】
透明シートの少なくとも一端側に非透過性の第二の隠蔽部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154963(P2012−154963A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11113(P2011−11113)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】