説明

ラベル

【課題】ラベルカッターによる磁性材料の切断不良が抑制されたラベルを提供すること。
【解決手段】基材12と基材12の片面に設けられた粘着層14とを有する帯状のラベル本体と、ラベル本体10中に、ラベル本体10の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料16と、ラベル本体10の幅方向の両端部を除き、ラベル本体10の幅方向に沿って、ラベル本体10及び磁性材料16を切断した切断部18であって、ラベル本体10の長手方向に間隔を持って複数設けられた切断部18と、を備えるラベルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「テープ状の台材に複数のラベルを剥離可能に貼着し、ラベルと側部の余り代を切り分ける副走査方向に並行する切り込みは切れ目の無い溝を形成し、ラベルと中央部の余り代を切り分ける主走査方向に並行する切り込みは切断部と連結部とが一定間隔で交互に形成されてミシン目状の切れ目を形成する」ことが提案されている。
【0003】
また、引用文献2には、「製造装置のドラムの外面側に、複数の帯状の基材を配置し、ローラで基材を引っ張ることにより、基材の長手方向に一定間隔で感磁性線材を貼着。カッターで基材の幅方向の端部を切断するとともに、隣接する基材間の感磁性線材を切断して、線材入りラベル連続体を形成する。」ことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−069223号公報
【特許文献2】特開2005−145023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ラベルカッターによる磁性材料の切断不良が抑制されたラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材と前記基材の片面に設けられた粘着層とを有する帯状のラベル本体と、
前記ラベル本体中に、前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料と、
前記ラベル本体の幅方向の一部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体及び前記磁性材料を切断した切断部であって、前記ラベル本体の長手方向に間隔を持って複数設けられた切断部と、
を備えるラベル。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記切断部が、前記ラベル本体の幅方向の両端部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体及び前記磁性材料を切断した切断部である請求項1に記載のラベル。
【0008】
請求項3に係る発明は、
基材と前記基材の片面に設けられた粘着層とを有する帯状のラベル本体と、
前記ラベル本体中に、前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料と、
前記ラベル本体の前記粘着層を被覆する剥離紙と、
前記ラベル本体の幅方向の一部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体、前記磁性材料及び前記剥離紙を切断した切断部であって、前記ラベル本体の長手方向に間隔を持って複数設けられた切断部と、
を備えるラベル。
【0009】
請求項4に係る発明は、
前記切断部が、前記ラベル本体の幅方向の両端部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体、前記磁性材料及び前記剥離紙を切断した切断部である請求項3に記載のラベル。
【0010】
請求項5に係る発明は、
前記切断部が、前記ラベル本体の前記磁性材料の配置位置に応じて設けられた切断部である請求項1〜4のいずれか1項に記載のラベル。
【0011】
請求項6に係る発明は、
前記磁性材料が、屈曲又は湾曲して、前記ラベル本体中に前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される請求項1〜4のいずれか1項に記載のラベル。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、ラベルカッターによる磁性材料の切断不良が抑制されたラベルを提供できる。
請求項2、4に係る発明によれば、切断部がラベル本体の幅方向の片端部に有する場合に比べて、安定してロール状に巻き取れるラベルを提供できる。
請求王5に係る発明によれば、切断部がラベル本体の磁性材料の配置位置に応じて設けられていない場合に比べ、安定してロール状に巻き取れるラベルを提供できる。
請求項6に係る発明によれば、磁性材料が直線状にラベル本体中にラベル本体の長手方向に沿って配置される場合に比べ、重ねたときの厚み増加が抑制されたラベルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るラベルを示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係るラベルを示す断面図である。
【図4】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図5】大バルクハウゼン効果を説明するための模式図である。
【図6】第2実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図7】第2実施形態に係るラベルを示す断面図である。
【図8】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図9】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図10】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図11】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【図12】他の第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、実質的に同一の機能・作用を持つ部材には、全図面通して同じ符合を付与して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るラベルを示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るラベルを示す平面図である。図3は、第1実施形態に係るラベルを示す断面図である。
なお、図3は、図1及び図2のA−A断面図に相当する。
【0016】
第1実施形態に係るラベル101は、図1〜図3に示すように、例えば、帯状のラベル本体10と、ラベル本体10中に、ラベル本体10の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料16(以下、磁性ワイヤ16と称する)と、備えている。
そして、ラベル101には、ラベル本体10及び磁性ワイヤ16を切断した切断部18を有している。
【0017】
なお、本実施形態に係るラベル101では、例えば、ラベル101が芯体101Aにロール状に巻かれたロール形態を示しているが、これに限られず、目的とする長さに裁断されたシート状の形態であってもよい。
【0018】
以下、本実施形態に係るラベル101の各構成要素について説明する。
本実施形態に係るラベル本体10は、例えば、基材12と、基材12の片面に設けられた粘着層14と、を有している。
【0019】
本実施形態に係る切断部18について説明する。
切断部18は、例えば、ラベル本体10の幅方向(つまり、ラベル本体10の長手方向又は磁性ワイヤ16の配置方向側と交差する方向)の両端部を除き、ラベル本体10の幅方向に沿って、ラベル本体10及び磁性ワイヤ16を切断するようにして、設けられている。
つまり、切断部18は、例えば、ラベル本体10の幅方向に沿って、ラベル本体10の幅方向の中央部におけるラベル本体10及び磁性ワイヤ16を切断するようにして、設けられている。
なお、切断部18の長さ(ラベル本体10の幅方向に沿った長さ)は、例えば、ラベル本体10の幅をL(mm)としたとき、0.1×L以上0.8×L以下(望ましくは0.2×Lμm以上0.7×Lμm以下)とすることがよい。
【0020】
そして、このような切断部18は、例えば、ラベル本体10の長手方向(つまり、磁性ワイヤ16の配置方向側と交差する方向)に間隔を持って複数設けられている。
切断部18同士の間隔は、例えば15mm以上400mm以下(望ましくは25mm以上300mm以下)の範囲が挙げられ、貼付対象物に貼り付ける際において、貼り付けるラベル101の大きさ(ラベル101の長手方向に沿った長さ)に応じて決定される。
つまり、切断部18は、例えば、貼付対象物に貼り付ける際にラベル101が裁断される位置に設ける。
なお、切断部18同士の間隔は、一定であることがよい。
【0021】
本実施形態に係る基材12について説明する。
基材12としては、例えば、樹脂製の基材、紙製の基材が挙げられる。
基材12は、光透過性を有していてもよいし、光非透過性であってもよい。ここで、光透過性とは、可視光を60%以上透過することを意味する
基材12が光透過性を有する場合、意図的に、ラベル本体10中に含ませる磁性ワイヤ16を積極的に視認させられる利点があり、基材12が非透過性を有する場合、ラベル本体10中に含ませる磁性ワイヤ16を視認させ難くする利点がある。
【0022】
樹脂製の基材12としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を含んで構成された基材が挙げられる。
【0023】
一方、紙製の基材12としては、例えば、上質紙、クラフト紙、再生紙、コート紙などが挙げられる。紙製の基材12の坪量は、例えば、50g/m以上180g/m以下の範囲が挙げられる。
【0024】
紙製の基材12に内添剤が配合されていてもよい。配合する内添剤としては、特に限定はなく、例えば、有機系及び無機系の粒子が挙げられる。
紙製の基材12には、例えば、サイズ剤などの各種薬品を内添又は外添させてもよい。サイズ剤の種類としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤が挙げられる。
紙製の基材12には、例えば、紙力増強剤を内添あるいは外添してもよい。
なお、紙製の基材12、上記以外にも、染料、pH調整剤など、通常の紙媒体に配合される各種助剤を使用してもよい。
【0025】
本実施形態に係る粘着層14について説明する。
粘着層14は、粘着剤で構成されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系、合成ゴム系の接着剤など、各種の粘着剤が挙げられる。
【0026】
粘着層14の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下の範囲が挙げられる。また、粘着層14の塗工量(固形分換算量)は、例えば、基材12片面当たり、5g/m以上40g/m以下の範囲が挙げられる。
【0027】
本実施形態に係る磁性ワイヤ16について説明する。
磁性ワイヤ16は、例えば、ラベル本体10中に、ラベル本体10の厚み方向(ラベル本体10の主面に対して直交方向)から見た形状で、ラベル本体10の長手方向に沿って、直線状に配置されている(図2参照)。
【0028】
磁性ワイヤ16は、例えば、粘着層14中に埋設されて配置されている、磁性ワイヤ16は、例えば、粘着層14の厚み方向中央部に配置されていてもよいし、基材12側又は基材12とは反対側に偏在して配置されていてもよい。本実施形態では、磁性ワイヤ16は、基材12側に偏在して粘着層14中に埋設している形態を示している。
【0029】
磁性ワイヤ16は、直線状に配置させる形態に限られず、例えば、図4に示すように、ラベル本体10の厚み方向(ラベル本体10の主面に対して直交方向)から見た形状で、ラベル本体10の長手方向に沿って、屈曲又は湾曲して配置してもよい(図4中では、湾曲して配置した形態を示している)。なお、磁性ワイヤ16を屈曲又は湾曲して配置する場合、その屈曲又は湾曲させる周期は規則的であってもよいし、不規則的であってもよい。
これにより、ラベル101を巻き付けて重ねた状態のロール状にしたり、シート状のラベル101を重ねた状態としたとき、重ねた状態のラベル101同士において、磁性ワイヤ16のラベル本体10の幅方向の位置が異なり易くなることから、厚みの増加が抑制される。
【0030】
つまり、ラベル本体10に設ける複数の切断部18のうち、隣合う切断部18における磁性ワイヤ16の位置(ラベル本体10幅方向の位置)が異なるように屈曲又は湾曲させて、磁性ワイヤ16を配置することがよい。
これにより、切断部材(例えばカッター等)により切断部18を形成する際、磁性ワイヤ16を切断することとなるが、切断部材(例えばカッター等)の刃の同じ位置に対して磁性ワイヤ16が接触する回数が減ることから、切断部材(例えばカッター等)の刃毀れも抑制される。
【0031】
磁性ワイヤ16は、大バルクハウゼン効果を有するものである。ここで、大バルクハウゼン効果について簡単に説明する。図5は、大バルクハウゼン効果を説明するための模式図である。大バルクハウゼン効果は、図5(A)に示すB−H(磁束密度−磁界)特性、つまり、ヒステリシスループが長方形で、保磁力(Hc)が比較的小さな材料、例えば、Co−Fe−Ni−B−Siにより構成されるアモルファス磁性材料を交番磁界中においた際に、急峻な磁化反転が起きる現象である。
【0032】
このため、励磁コイルに交流電流を流して交番磁界を発生させ、その交番磁界中に磁性材料を置くと、磁化反転時に、磁性材料の周辺に配置した検知コイルにパルス状の電流が流れることとなる。
例えば、励磁コイルにより図5(B)の上段に示す交番磁界を発生させた場合、検知コイルには、図5(B)の下段に示すパルス電流が流れることとなる。
ただし、検知コイルに流れる電流には、交番磁界によって誘導される交流電流も流れており、パルス電流は、この交流電流に重畳されて検出されることとなる。また、複数の磁性材料を含むものを交番磁界中に置いた場合には、複数のパルス電流が重畳され、図5(C)に示す電流が検出される。
このように、磁界中に「磁性ワイヤ16が含まれるラベル101が貼り付けられた貼付対象物」が置かれた場合に、磁性ワイヤ16に発生する電気的信号(例えば、図5に例示するパルス信号など)を、検出装置により検出するため、貼付対象物に対して、磁性ワイヤ16が含まれるラベル101を貼り付けることで、持ち出し禁止又は制限状態が付与される。
【0033】
磁性ワイヤ16としては、一般には永久磁石が挙げられ、例えば、希土類系のネオジュウム(Nd)−鉄(Fe)−ボロン(B)を主成分としたもの、サマリウム(Sm)−コバルト(Co)を主成分としたもの、アルニコ系のアルミ(Al)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)を主成分としたもの、フェライト系のバリュウム(Ba)又はストロンチウム(Sr)と酸化鉄(Fe)を主成分としたものや、その他に軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料などが挙げられるが、基本組成がFe−Co−SiやCo−FeNi系であるアモルファス磁性材料がよい。
【0034】
磁性ワイヤ16の形状としては、大バルクハウゼン効果を起こすのに適した縦長の形状であれば特に限定されないが、大バルクハウゼン効果を起こすには、断面積に対して予め定められた長さが必要となる。
なお、磁性ワイヤ16は、線状の磁性材料であるが、線状(ワイヤ状)とは、断面形状(磁性ワイヤ本体14の長手方向に対して交差方向に沿って切断した形状)として円形、矩形状又はその他形状のものが、直線状又は湾曲状に延びた形状を含む概念である。
【0035】
磁性ワイヤ16は、大バルクハウゼン効果を起こすために、その直径が10μm以上であることがよい。
磁性ワイヤ16の長さは、大バルクハウゼン効果を起こすために10mm以上がよい。
【0036】
磁性ワイヤ16の表面はパルス信号の出力を高くするなどのためにセラミック、ガラスなどの絶縁材料により絶縁処理されていてもかまわない。
【0037】
その他の構成要素について説明する。
本実施形態に係るラベル101には、基材12と粘着層14との間に、隠蔽層を設けてもよい(図示せず)。隠蔽層を設けることにより、粘着層14に埋設させた磁性ワイヤ16を視認させ難くする。
隠蔽層としては、隠蔽性(遮蔽性)を有するものであれば、特に制限はない。
隠蔽層は、例えば、基材12の裏面(粘着層14側の面)に、不透明化剤を塗布、印刷する方法、粘着剤に顔料などを混合し、それを塗布する方法などにより形成する。
なお、粘着層14を構成する粘着剤に顔料などを混合して、粘着層14に隠蔽機能を付与し、粘着層14を粘着遮蔽層とする構成にしてもよい。
遮蔽層の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下とすることがよい。
【0038】
以上説明した本実施形態に係るラベル101は、例えば、ラベルカッターにより、予め定めた大きさ(ラベル101の長手方向に沿った長さ)に裁断した上で、被貼付物に貼り付けられる。
【0039】
ここで、従来、ラベルカッター(例えばラベル101を予め定めた大きさ(長さ)に裁断しつつ、貼付対象物に貼り付ける装置)によるラベル101の裁断では、紙製又は樹脂製の基材12及び粘着層14に比べ、金属製の磁性ワイヤ16の硬度が高いことから、磁性ワイヤ16の切断不良が生じることがある。
【0040】
そこで、本実施形態に係るラベル101では、ラベル本体10及び磁性ワイヤ16を切断した切断部18が予め設けている。そして、切断部18は、ラベル本体10の幅方向の一部(本実施形態では両端部)を除き、設けられているので、切断部18を境に、ラベル101が離間することもない。
このため、ラベル101を被貼付物に貼り付ける際において、予め磁性ワイヤ16が切断されている切断部18に沿って、ラベル101を裁断することにより、ラベルカッターによる磁性ワイヤ16の切断不良が抑制されることとなる。
また、ラベルカッターによるラベル101の裁断では、磁性ワイヤ16を切断する必要がないため、ラベルカッターの刃毀れも抑制されることとなる。
【0041】
特に、本実施形態に係るラベル101では、ラベル本体10の幅方向の両端部を除き、切断部18を設けていることで、当該両端部において帯状のラベル101が連結してた状態となることから、安定してロール状に巻き取りが実現される。
【0042】
なお、第1実施形態に係るラベル101では、ラベル本体10の幅方向の両端部を除いて、磁性ワイヤ16を切断している切断部18を設けた形態を説明したが、これに限られず、ラベル本体10の幅方向の一部を除いて、切断部18を設けた形態であればよい。
ラベル本体10の幅方向の一部を除いて、切断部18を設けた場合でも、両端部を除き設けた場合と同様に、ラベルカッターによる磁性ワイヤ16の切断不良が抑制されることとなる。
【0043】
また、第1実施形態に係るラベル101は、切断部18が、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置に応じて設けられた形態であってもよい。つまり、ラベル本体10全体を分断する切断部18を、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置近傍にのみ設けた形態(つまり、例えば、磁性ワイヤ16のラベル本体10の幅方向の配置位置、本数に応じて、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置近傍にのみ、切断部18を設けた形態)であってもよい。これにより、両端部を除き設けた場合と同様に、ラベルカッターによる磁性ワイヤ16の切断不良が抑制されることとなる。
【0044】
具体的には、以下の形態が挙げられる。
1)図8に示すように、例えば、ラベル本体10の幅方向片端部に磁性ワイヤ16(1本の磁性ワイヤ16)をラベル本体10の長手方向に沿って設けたラベル101であって、切断部18を磁性ワイヤ16の配置位置に応じて、ラベル本体10の幅方向片端部にのみ設けたラベル101。
2)図9に示すように、例えば、ラベル本体10の幅方向両端部にそれぞれ磁性ワイヤ16(2本の磁性ワイヤ16)をラベル本体10の長手方向に沿って設けたラベル101であって、切断部18を磁性ワイヤ16の配置位置に応じて、ラベル本体10の幅方向両端部にのみそれぞれ設けたラベル101。
3)図10に示すように、例えば、ラベル本体10の幅方向両端部及び中央部にそれぞれ磁性ワイヤ16(3本の磁性ワイヤ16)をラベル本体10の長手方向に沿って設けたラベル101であって、切断部18を磁性ワイヤ16の配置位置に応じて、ラベル本体10の幅方向両端部及び中央部にのみそれぞれ設けたラベル101。
【0045】
4)図11に示すように、例えば、ラベル本体10に湾曲又は屈曲して磁性ワイヤ16を配置(図11では湾曲して磁性ワイヤ16を配置)したラベル101であって、磁性ワイヤ16がラベル本体10の幅方向端部に最も接近した部分に、切断部18を設けたラベル101。
5)図12に示すように、例えば、ラベル本体10に湾曲又は屈曲して磁性ワイヤ16を配置(図12では湾曲して磁性ワイヤ16を配置)したラベル101であって、磁性ワイヤ16がラベル本体10の幅方向端部に最も接近した部分と、磁性ワイヤ16がラベル本体10の幅方向中央部に位置した部分に、切断部18を設けたラベル101。
【0046】
なお、図8〜図10に示すラベル101では、磁性ワイヤ16のラベル本体10の幅方向の配置位置、本数は、これらに限定されるわけではなく、例えば、ラベル本体10の幅方向の端部と中央部との間に磁性ワイヤ16を設けてもよいし、4本以上の磁性ワイヤ16を設けてもよく、切断部18は、磁性ワイヤ16のラベル本体10の幅方向の配置位置、本数に応じて、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置近傍にのみ設ければよい。
また、図11〜図12に示すラベル101では、切断部18の位置は、これに限定されるわけではなく、例えば、磁性ワイヤ16がラベル本体10の幅方向中央部に位置した部分にのみ設ける等、任意の部分に設けるようにして、磁性ワイヤ16のラベル本体10の幅方向の配置位置に応じて、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置近傍にのみ設ければよい。
【0047】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るラベルを示す平面図である。図7は、第2実施形態に係るラベルを示す断面図である。
なお、図7(A)は、図6のB−B断面図に相当し、図7(B)は、図6のC−C断面図に相当する。
【0048】
第2実施形態に係るラベル102は、第1実施形態に係るラベル101において、ラベル本体10の粘着層14を被覆する剥離紙20を備えた形態である。
【0049】
具体的には、第2実施形態に係るラベル102は、図6〜図7に示すように、例えば、基材12と基材12の片面に設けられた粘着層14とを有する帯状のラベル本体10と、ラベル本体10中に、ラベル本体10の長手方向に沿って配置される磁性ワイヤ16と、ラベル本体10の粘着層14を被覆する剥離紙20と、を備えている。
そして、ラベル本体10には、例えば、ラベル本体10の幅方向の両端部を除き、ラベル本体10の幅方向に沿って、ラベル本体10、磁性ワイヤ16及び剥離紙20を切断した第1切断部18Aであって、ラベル本体10の長手方向に間隔を持って複数設けられた第1切断部18Aと、ラベル本体10の幅方向に沿うと共に第1切断部18Aと連続して、ラベル本体10の幅方向の両端部を切断した第2切断部18Bと、を有している。
【0050】
ここで、第1切断部18Aは、第1実施形態に係るラベル101の切断部18に相当し、(但し、本実施形態では第1切断部18Aは、ラベル本体10及び磁性ワイヤ16と共に剥離紙20も切断している)、その具体的な形態は同様である。
【0051】
一方、第1切断部18Aと連続して形成される第2切断部18Bは、ラベル本体10を切断し、剥離紙20を切断していない、所謂、ハーフカットで設けられている。
第2切断部18Bは、ラベル本体10の幅方向い沿って、連続的に設けてもよいし、断続的に設けてもよい。本実施形態では、第2切断部18Bを連続的に設けた形態を示している。
第2切断部18Bを断続的に設ける場合、ラベル本体10と共に、剥離紙20も切断してもよい、
【0052】
剥離紙20としては、基材を剥離剤で含浸処理又は表面処理したものが挙げられる。基材としては、上質紙、クラフト紙、ポリラミ紙、再生紙、コート紙などが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン樹脂系、ワックス類、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸アミドなどの剥離剤が挙げられ、シリコーン樹脂系の剥離剤がよい。剥離剤の基材への含浸処理又は表面処理は、公知の方法によって行えばよい。
剥離紙20の坪量は、例えば、50g/m以上180g/m以下の範囲で用いられる。
【0053】
なお、本実施形態に係るラベル102は、上記構成以外は、第1実施形態に係るラベル101と同様であることから、説明を省略する。
【0054】
以上説明した本実施形態に係るラベル102では、第1実施形態と同様に、ラベル本体10、磁性ワイヤ16及び剥離紙20を切断した第1切断部18Aが予め設けていることから、ラベルカッターによる磁性ワイヤ16の切断不良が抑制されることとなる。
【0055】
また、本実施形態に係るラベル102では、第1切断部18Aと連続して第2切断部18Bを予め設けていることから、剥離紙20を有する場合でも、ラベルカッターによるラベル本体10の裁断が容易となる。
【0056】
また、第2実施形態に係るラベル102でも、第1実施形態に係るラベル101の切断部18と同様に、切断部18Aは、ラベル本体10の幅方向の一部を除いて、切断部18を設けた形態であればよい。
そして、切断部18Aは、ラベル本体20の磁性ワイヤ16の配置位置に応じて設けられた形態であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 ラベル本体
12 基材
14 粘着層
16 線状の磁性材料(磁性ワイヤ)
18 切断部
18A 第1切断部
18B 第2切断部
20 剥離紙
101、102 ラベル
101A 芯体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と前記基材の片面に設けられた粘着層とを有する帯状のラベル本体と、
前記ラベル本体中に、前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料と、
前記ラベル本体の幅方向の一部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体及び前記磁性材料を切断した切断部であって、前記ラベル本体の長手方向に間隔を持って複数設けられた切断部と、
を備えるラベル。
【請求項2】
前記切断部が、前記ラベル本体の幅方向の両端部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体及び前記磁性材料を切断した切断部である請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
基材と前記基材の片面に設けられた粘着層とを有する帯状のラベル本体と、
前記ラベル本体中に、前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される線状の磁性材料と、
前記ラベル本体の前記粘着層を被覆する剥離紙と、
前記ラベル本体の幅方向の一部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体、前記磁性材料及び前記剥離紙を切断した切断部であって、前記ラベル本体の長手方向に間隔を持って複数設けられた切断部と、
を備えるラベル。
【請求項4】
前記切断部が、前記ラベル本体の幅方向の両端部を除き、前記ラベル本体の幅方向に沿って、前記ラベル本体、前記磁性材料及び前記剥離紙を切断した切断部である請求項3に記載のラベル。
【請求項5】
前記切断部が、前記ラベル本体の前記磁性材料の配置位置に応じて設けられた切断部である請求項1〜4のいずれか1項に記載のラベル。
【請求項6】
前記磁性材料が、屈曲又は湾曲して、前記ラベル本体中に前記ラベル本体の長手方向に沿って配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載のラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−242559(P2012−242559A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111772(P2011−111772)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】