説明

ラマン分光測定方法および装置

【課題】不透明な試料についての測定を簡便に行うことができる表面増強ラマン分光測定装置を得る。
【解決手段】透明基板16と、この透明基板16の一表面に形成された、表面増強ラマン散乱を生じさせる金属体17と、この金属体17に接する状態に配置された試料体20、21を、該金属体17側に押し付ける押圧機構22,23,24と、前記透明基板16を通して試料体20、21に測定光11を照射する測定光照射光学系12,13,14と、試料体20,21に測定光11が照射されたとき発生したラマン散乱光を、透明基板16を通して分光検出する光検出手段15,26,27とから表面増強ラマン分光測定装置10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラマン分光測定装置、特に詳細には、金属体によりラマン散乱光を増強して検出可能とした表面増強ラマン分光測定装置に関するものである。
【0002】
また本発明は、そのようなラマン分光測定装置を利用して行われる表面増強ラマン分光測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、ラマン効果を応用して試料中に含まれる物質を同定、検出するラマン分光測定が知られている。ラマン効果は、物質に光を入射させたとき、入射光とは異なる波長の光が散乱される現象であり、その散乱光(ラマン散乱光)と入射させた光との間のエネルギー差つまり波長の差は、物質の分子構造や結晶構造に対応したものとなる。ラマン分光測定はこの現象を利用し、単一波長の光を試料に照射し、そのとき発生したラマン散乱光を分光検出して、特定物質の同定等を行うものである。
【0004】
また最近では、ラマン散乱光を著しく増強して検出することができる表面増強ラマン分光測定(surface enhanced Raman scattering :SERS)が提案され、広く研究がなされている。この表面増強ラマン分光測定は、表面に微細な凹凸を有する金属体に接触させた状態の物質に光を照射すると、ラマン散乱光の強度が増強されることを利用して、極く少量の物質も検出可能にしたものである。特許文献1、2や非特許文献1には、この表面増強ラマン分光測定を行う装置の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−514286号公報
【特許文献2】特開2008−164584号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Optics Express Vol.17, No.21 18556
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1等に示される従来の表面増強ラマン分光測定装置は、基板表面に形成された金属体に接触している試料にこの基板表面側から測定光を照射し、そのとき生じたラマン散乱光を測定光照射側から検出するように構成されている。そのため、従来の表面増強ラマン分光測定装置においては、ペーパークロマトグラフィによりろ紙上に展開された試料や、生体切片などの不透明試料を直接分光測定することが極めて困難になっていた。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、不透明な試料についての測定を簡便に行うことができる表面増強ラマン分光測定装置および表面増強ラマン分光測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による表面増強ラマン分光測定装置は、
透明基板と、
この透明基板の一表面に形成された、表面増強ラマン散乱を生じさせる金属体と、
この金属体に接する状態に配置された試料体を、該金属体側に押し付ける押圧機構と、
前記透明基板を通して前記試料体に測定光を照射する測定光照射光学系と、
前記試料体に測定光が照射されたとき発生したラマン散乱光を、前記透明基板を通して分光検出する光検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
なお上記の試料体は、測定対象である試料(特に固体試料)そのものであってもよいし、あるいは液体試料がろ紙等の液体浸透性物質に展開されてなるものであってもよい。
【0011】
また本発明の表面増強ラマン分光測定装置においては、前記透明基板を、前記押圧機構による押圧力に抗して所定位置に留める位置決め部材が設けられることが特に望ましい。
【0012】
また前記押圧機構としては、試料体に接する板状部材と、この板状部材を前記金属体側に向けて付勢するばね手段とからなるものが好適に用いられる。
【0013】
また前記金属体は、測定光の波長よりも凹凸部分のサイズが小さい凹凸構造を有するものが適用されることが望ましい。
【0014】
また前記金属体の主成分は、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属であることが望ましい。
【0015】
他方、本発明による表面増強ラマン分光測定方法は、上述した本発明の表面増強ラマン分光測定装置を用いてラマン分光測定を行うことを特徴とするものである。
【0016】
この本発明による表面増強ラマン分光測定方法においては、試料体として、例えば液体試料を含浸した、ろ紙等からなる液体浸透性物質を用いることができる。
【0017】
このように、液体試料を含浸した液体浸透性物質を用いる場合は、その液体浸透性物質の複数箇所にそれぞれ液体試料を含浸させ、それらの複数箇所に測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出することが望ましい。
【0018】
なお、上述のように液体浸透性物質の複数箇所にそれぞれ含浸させる液体試料は、クロマトグラフィにより互いに分離されたものであるのが望ましい。
【0019】
また前記試料体は、生体の切片などの固体の試料そのものであってもよい。このように固体の試料そのものを用いる場合も、固体試料の複数箇所に測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出することが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明による表面増強ラマン分光測定装置によれば、透明基板と、この透明基板の一表面に形成された、表面増強ラマン散乱を生じさせる金属体と、この金属体に接する状態に配置された試料体を、該金属体側に押し付ける押圧機構と、前記透明基板を通して前記試料体に測定光を照射する測定光照射光学系と、前記試料に測定光が照射されたとき発生したラマン散乱光を透明基板を通して分光検出する光検出手段とを備えたことにより、不透明な試料体でも透明基板を通して測定光を照射することができ、またそのとき発生したラマン散乱光を透明基板を通して分光検出可能であるので、不透明な試料体に対しても簡便に表面増強ラマン分光測定を実施可能となる。
【0021】
また本発明による表面増強ラマン分光測定方法は、上記構成の表面増強ラマン分光測定装置を用いてラマン分光測定を行うものであるから、この方法によれば、不透明な試料体に対しても簡便に表面増強ラマン分光測定を実施可能となる。
【0022】
なお、本発明の表面増強ラマン分光測定方法において特に、液体浸透性物質の複数箇所にそれぞれ液体試料を含浸させ、それらの複数箇所に測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出する場合は、液体試料が含んでいる複数成分に対するラマン分光測定を能率良く実施可能となる。
【0023】
また、本発明の表面増強ラマン分光測定方法において特に、固体試料の複数箇所に測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出する場合は、固体試料における特定成分の濃度等の分布を能率良く求めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による表面増強ラマン分光測定装置を示す概略側面図
【図2】図1の装置の一部を示す平面図
【図3】図1の装置を用いてなされるラマン分光測定の一工程を説明する側面図
【図4】図1の装置を用いてなされるラマン分光測定の一工程を説明する平面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による表面増強ラマン分光測定装置10の概略側面形状を示すものである。図示されるようにこの表面増強ラマン分光測定装置10は、測定光11を発する例えば半導体レーザなどの光源12と、この光源12から発散光状態で発せられた測定光11を平行光化するコリメーターレンズ13と、平行光となった測定光11を後述する測定面上で収束させる集光レンズ14と、この集光レンズ14およびコリメーターレンズ13の間に配置されたビームスプリッタ15と、例えば光学ガラス等からなる透明基板16と、この透明基板16の一表面つまり図中の下表面の上に形成された微細凹凸構造を有する金属層17とを有している。
【0026】
またこの表面増強ラマン分光測定装置10は、上記透明基板16の上表面に当接してこの透明基板16の上方位置を規定する位置決め部材18と、透明基板16の下側に配置されて上記金属層17との間にろ紙20を挟持するガラス基板22と、このガラス基板22を載置固定した基板保持板23と、この基板保持板23の下方に複数の板ばね24を介して配置されたベース台25とを有している。
【0027】
さらにこの表面増強ラマン分光測定装置10は、上記ビームスプリッタ15の側方に配置された測定光カットフィルタ26と、この測定光カットフィルタ26を透過して来る後述のラマン散乱光を分光検出する分光器27と、この分光器27の出力を処理する例えばコンピュータシステムからなるデータ処理手段28とを有している。
【0028】
上記金属層17は、例えば透明基板16の上に第1の金属または金属酸化物からなる薄膜を形成する薄膜形成工程と、上記薄膜を水熱反応させることにより上記第1の金属または金属酸化物の水酸化物からなる微細凹凸構造層を形成する微細凹凸構造層作製工程と、該微細凹凸構造層の表面に、第2の金属から成る金属微細凹凸構造層を形成する金属層作製工程とから形成することができる。
【0029】
なお上記第2の金属としては、金(Au),銀(Ag),銅(Cu),アルミニウム(Al)、プラチナ(Pt)またはこれらを主成分とする合金であることが好ましい。特に、AuあるいはAgが好ましい。また上記第2の金属からなる金属層を形成する金属層作製工程には、例えば金属蒸着法を適用することができる。そのように蒸着法を適用し、また第2の金属として金を用いる場合、蒸着膜厚は30nm以上とすることが望ましい。あるいは、蒸着法を適用し、第2の金属として銀を用いる場合、蒸着膜厚は150nm以下とすることが望ましい。
【0030】
また、前記金属層作製工程として、前記微細凹凸構造層の表面に前記第2の金属からなる金属微粒子を分散させる、金属微粒子分散工程を適用してもよい。その場合、金属微粒子としては、直径100nm以下のものを用いることが好ましい。
【0031】
また、前記第1の金属としては、例えばアルミニウム(Al)、前記金属酸化物としてアルミナ(Al)を用いることができる。
【0032】
他方、前記水酸化物は、バイヤーマイトおよびベーマイトの少なくとも一方からなるものであることが望ましい。
【0033】
さらに上記金属層17は、上述の各工程から形成するものに限らず、例えば表面が粗面化された金属層であってもよい。粗面化方法としては、酸化還元等を利用した電気化学的な方法等が挙げられる。
【0034】
さらに金属層17は、その他の公知の構造からなるものでもよい。例えば、J.AM.CHEM.SOC. 2005, Vol.127, 14992-14993, ”Nanosphere arrays with controlled sub-10-nm gaps as surface-enhanced raman spectroscopy substrates”には、ITO基板上に、CTAB(cetyltrimethylammonium bromide)で表面修飾した複数のAu粒子を配列させてなる金属層が示されており、また特開2005-233637号公報には、基板上に金ナノロッド薄膜を形成してなる金属層が開示されており、本発明においてはそれらの金属層も適宜用いることができる。
【0035】
以下、上記構成を有する表面増強ラマン分光測定装置10の作用について説明する。ラマン分光測定に際しては、まずガラス基板22および基板保持板23を板ばね24の押圧力に抗して下方に押し下げ、該ガラス基板22の上にろ紙20が載置される。このとき、ろ紙20は図2に示すように、その一端部が透明基板16の側端よりも側方に飛び出た状態に配置される。この状態でガラス基板22および基板保持板23の押し下げを解除すると、透明基板16の表面の金属層17とガラス基板22との間にろ紙20が挟持された状態になる。
【0036】
なお、このとき透明基板16の上表面が位置決め部材18に当接するので、透明基板16は板ばね24の押圧力に抗して所定の上下位置に留まることになる。こうしてろ紙20は、所定の上下位置にセットされるようになる。
【0037】
ろ紙20が上述のようにセットされた後、このろ紙20の一端部に、ピペットなどの滴下手段30を用いて液体試料21が滴下される。この滴下された液体試料21は、ろ紙20内において、ほぼその全長に亘って浸透するようになる。なお、このようにろ紙20をセットした後に液体試料21を滴下する他、液体試料21をろ紙20に浸透させた後にろ紙20をセットするようにしても構わない。
【0038】
以上の通りにして液体試料21をろ紙20に浸透させた後、光源12がONにされ、そこから発せられたレーザ光等の測定光11が、透明基板16を通して、測定面であるろ紙20の表面(これは金属層17に接している面である)上で収束するように照射される。この測定光11の照射により、ろ紙20の部分からラマン散乱光が生じる。このラマン散乱光は図1に一点鎖線で示すように透明基板16を透過して集光レンズ14により集光され、ビームスプリッタ15で反射し、測定光カットフィルタ26を透過して分光器27に入射する。
【0039】
上記ラマン散乱光は、測定光11とは異なる波長のものであり、それら2つの光の間の波長の差つまりエネルギー差は、液体試料21に含まれる分析対象物質の分子構造や結晶構造に対応したものとなる。分光器27はラマン散乱光を分光検出し、その検出結果をデータ処理手段28に入力する。データ処理手段28は入力された分光検出結果に基づいて、液体試料21に含まれる分析対象物質の同定等を行う。
【0040】
ここで本装置においては、液体試料を含浸しているろ紙20を金属層17に接触させた状態で該ろ紙20に測定光11を照射しているので、ラマン散乱光を著しく増強して検出することができる。
【0041】
なお上記測定光カットフィルタ26としては、ラマン散乱光を透過させる一方、測定面で反射した測定光11は遮断するノッチフィルタや、あるいは短波長カットフィルタなどが用いられる。
【0042】
本実施形態では、以上の説明から明らかな通り、ラマン散乱光を分光検出する光検出手段がビームスプリッタ15、測定光カットフィルタ26および分光器27から構成されている。
【0043】
以上説明した通り本実施形態の表面増強ラマン分光測定装置10においては、液体試料21を含浸しているろ紙20を透明基板16とガラス基板22との間に保持した上で、ろ紙20に対して透明基板16を通して測定光11を照射し、そしてラマン散乱光を透明基板16を通して分光検出するようにしている。そこで、試料体としてのろ紙20が不透明なものであっても、ろ紙20によってラマン散乱光が遮られるようなことなく、液体試料21に対するラマン分光測定を簡便に行うことが可能である。
【0044】
また本実施形態では、透明基板16が位置決め部材18に当接し、その上下位置つまりろ紙20の上下位置が所定位置に維持される。そこで、ろ紙20が膨潤するようなことがあっても、測定光11を収束させるべき測定面の位置、すなわちろ紙20の上面位置は、常に所定の位置に保たれるようになる。
【0045】
また、本実施形態の表面増強ラマン分光測定装置10は、クロマトグラフィ、特にペーパークロマトグラフィにより互いに分離された液体試料に対して、好適に用いられるものである。以下、この点について図3および4を用いて説明する。なおこれらの図3および4において、図1および2中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0046】
図3および4はそれぞれ、互いに分離された液体試料21A、21Bおよび21Cを含浸しているろ紙20の部分の側面形状、平面形状を示している。図3に示すように液体試料21がろ紙20の端部に滴下された後、該液体試料21はペーパークロマトグラフィにより、含んでいる互いに異なる成分に応じて、21A、21Bおよび21Cで示すように分離してろ紙20に含浸保持される。
【0047】
そこで、液体試料21A、21Bおよび21Cを各々含浸保持しているろ紙20の複数箇所に、図1の構成により測定光11を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を分光検出すれば、液体試料21が含んでいる複数成分に対するラマン分光測定を能率良く実施可能となる。
【0048】
なお、上述のようにろ紙20の複数箇所に測定光11を個別に照射するには、例えば測定光照射光学系を全体的にろ紙20の長さ方向に移動させたり、あるいは反対に測定光照射光学系は固定しておいて、ろ紙20を保持している側の機構を移動させるようにすればよい。
【0049】
以上、液体試料21を含浸させたろ紙20を試料体とする実施形態について説明したが、本発明の表面増強ラマン分光測定方法はそれに限らず、例えば生体のスライスなどの固体試料そのものを試料体とする場合にも適用可能である。その場合は、図1の構成において、ろ紙20に代えて固体試料を配置すればよい。
【0050】
その場合、固体試料の複数箇所に測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出すれば、固体試料における特定成分の濃度等の分布を能率良く求めることが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
10 表面増強ラマン分光測定装置
11 測定光
12 光源
13 コリメーターレンズ
14 集光レンズ
15 ビームスプリッタ
16 透明基板
17 金属層
18 位置決め部材
20 ろ紙
21 液体試料
22 ガラス基板
23 基板保持板
24 板ばね
25 ベース台
26 測定光カットフィルタ
27 分光器
28 データ処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
この透明基板の一表面に形成された、表面増強ラマン散乱を生じさせる金属体と、
この金属体に接する状態に配置された試料体を、該金属体側に押し付ける押圧機構と、
前記透明基板を通して前記試料体に測定光を照射する測定光照射光学系と、
前記試料体に測定光が照射されたとき発生したラマン散乱光を、前記透明基板を通して分光検出する光検出手段とを備えたことを特徴とする表面増強ラマン分光測定装置。
【請求項2】
前記透明基板を、前記押圧機構による押圧力に抗して所定位置に留める位置決め部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の表面増強ラマン分光測定装置。
【請求項3】
前記押圧機構が、前記試料体に接する板状部材と、この板状部材を前記金属体側に向けて付勢するばね手段とからなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の表面増強ラマン分光測定装置。
【請求項4】
前記金属体が、前記測定光の波長よりも凹凸部分のサイズが小さい凹凸構造を有するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の表面増強ラマン分光測定装置。
【請求項5】
前記金属体の主成分が、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の表面増強ラマン分光測定装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれか1項記載の表面増強ラマン分光測定装置によりラマン分光測定を行うことを特徴とする表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項7】
前記試料体として、液体試料を含浸した液体浸透性物質を用いることを特徴とする請求項6記載の表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項8】
前記液体浸透性物質として、ろ紙を用いることを特徴とする請求項7記載の表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項9】
前記液体浸透性物質の複数箇所にそれぞれ液体試料を含浸させ、
それらの複数箇所に前記測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出することを特徴とする請求項6から8いずれか1項記載の表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項10】
前記複数箇所にそれぞれ含浸させる液体試料を、クロマトグラフィにより互いに分離させることを特徴とする請求項9記載の表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項11】
前記試料体として、固体の試料そのものを用いることを特徴とする請求項6記載の表面増強ラマン分光測定方法。
【請求項12】
前記固体の試料の複数箇所に前記測定光を個別に照射して、各照射毎に発生したラマン散乱光を検出することを特徴とする請求項11記載の表面増強ラマン分光測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−242167(P2012−242167A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110410(P2011−110410)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】