説明

リアシート支持構造

【課題】構造の簡素化並びにコスト及び車両の重量の低減を図りつつ、リアシートを確実に支持する。
【解決手段】主フロア面部11と、フロア起立面部12と、フロア後面部13と、を有するフロアパネル10と、フロアパネル10の上方に配置され、フロア後面部13の上面前端部に接合されて前方へ延びる支持面部21と、支持面部21のうち主フロア面部11の上方領域の端縁全域から延びて主フロア面部11に接合される第1側面部22と、支持面部21のうちフロア起立面部12の上方領域の端縁全域から延びてフロア起立面部12に接合される左右1対の第2側面部23と、を一体的に有するシートライザ20と、シートライザ20に載置されるリアシート50と、を備え、リアシート50の後端下部は、フロア後面部13に固定され、リアシート50の前端下部は、シートライザ20の支持面部21の前端部に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のリアシートの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−290064号公報には、車両用シート支持部の構造が記載されている。上記構造は、シートクッションの下部に前脚と後脚とを備えた3列目シートを備え、前脚及び後脚は、フロアパネルに固着されている前側シートアンカ及び後側シートアンカに係合する。また、上記構造は、車幅方向に長手とされた複数のクロスメンバを備え、クロスメンバは、上向きに開口するハット形状に形成され、フロアパネルの下面に固着して閉断面を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構造において、前側シートアンカ及び後側シートアンカは、フロアパネルにおけるクロスメンバとで閉断面を成す部分に固着されている。このため、前脚及び後脚とフロアパネルのクロスメンバによって補強されている部分で、3列目シートを十分な支持剛性で支持することができる。
【0005】
しかし、上記構造では、フロアパネルにクロスメンバを固着しなければならない。また、前脚の剛性を確保するために、補強部材を設けたり、又は、前脚の板厚を比較的厚く設定したりしなければならない。このため、部品点数の増加による構造の複雑化やコスト及び車両の重量の増加を招く。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、構造の簡素化並びにコスト及び車両の重量の低減を図りつつ、リアシートを確実に支持することができるリアシートの支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のリアシート支持構造は、フロアパネルと、シートライザと、リアシートと、を備える。
【0008】
フロアパネルは、車室の床面のうち少なくとも後方領域を形成する主フロア面部と、主フロア面部の後端部から上方に起立して延びるフロア起立面部と、フロア起立面部の上端部から後方に曲折して延びるフロア後面部と、を有し、シートライザは、フロアパネルの上方に配置され、フロア後面部の上面前端部に接合されて前方へ延びる支持面部と、主フロア面部及び前記フロア起立面部の上方領域の支持面部から延びて主フロア面部の上面及び前記フロア起立面部の前面に接合される側面部と、を有し、リアシートは、シートライザに載置される。また、リアシートは、シートライザの支持面部の前部に固定される。
【0009】
上記構成では、リアシートの前部を、支持面部及び側面部を有するボックス構造体のシートライザ及びシートライザが接合されるフロアパネルで、支持することができる。このため、リアシートを十分な支持剛性で支持することができる。
【0010】
また、クロスメンバ並びに前脚及び前脚の補強部材を設ける必要がないので、構造の簡素化並びにコスト及び車両の重量の低減に寄与する。
【0011】
また、側面部は、支持面部のうち主フロア面部及びフロア起立面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びて主フロア面部の上面及びフロア起立面部の前面に接合され、リアシートの後端下部は、フロア後面部に固定され、リアシートの前端下部は、シートライザの支持面部の前端部に固定されてもよい。
【0012】
上記構成では、リアシートの前端を、支持面部、側面部とを有するボックス構造体のシートライザと、シートライザが接合されるフロアパネルと、で支持し、リアシートの後端を、フロアパネルで支持することができる。
【0013】
また、上記フロア起立面部は、主フロア面部の後端部から上方へ傾斜して延び、上記側面部は、主フロア面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びてフロア前面部の上面に接合される第1側面部と、第1側面部の車幅方向の両側の後端縁から連続するとともに、支持面部のうちフロア起立面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びてフロア起立面部の前面に接合される左右一対の第2側面部と、を有してもよい。
【0014】
上記構成では、リアシートの前端を、支持面部、第1側面部及び第2側面部とを有するボックス構造体のシートライザと、シートライザが接合されるフロアパネルと、で支持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造の簡素化並びにコスト及び車両の重量の低減を図りつつ、リアシートを確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係わる車両のリアシート支持構造を示す要部斜視図である。
【図2】図1のリアシート支持構造の要部分解斜視図である。
【図3】図1のリアシート支持構造のシートライザとフロアパネルとを示す要部斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のリアシート支持構造のリアシートの要部斜視図である。
【図7】リアシート支持構造の変形例を示す図1のIV-IV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図中矢印FRは車両前方を、矢印UPは上方を、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示している。また、以下の説明において、前後とは車両の前後を意味し、左右とは車両前方を向いた状態での左右を意味する。
【0018】
図1〜図6に示すように、本実施形態に係るリアシート支持構造1は、ピックアップトラックなどの車両2に設けられ、車両2の前後方向に延びるフロアパネル10と、下端部がフロアパネル10に接合されるシートライザ20と、シートライザ20に載置されるリアシート50と、を備える。
【0019】
フロアパネル10は、図1、図2及び図3に示すように、鋼板などの高強度材料からなり、プレス成形によって成形され、車両2の前端下部から後方へ延びて車室3の床面を区画する。また、車室3の床面のうち図示しない運転者が着座するフロントシートが配置された前方領域及びその後方の後方領域を形成する主フロア面部11と、主フロア面部11の後端部から斜め後上方に起立して(傾斜して)延びるフロア起立面部12と、フロア起立面部12の上端部から主フロア面部11に対し略水平に後方に曲折して延びるフロア後面部13と、を有する。
【0020】
主フロア面部11及びフロア起立面部12の車幅方向の略中央部には、上方へ膨出し、前後方向に延びるセンタートンネル14が曲折形成されている。センタートンネル14の下方には、図示しないプロペラシャフトが配置される。フロアパネル10の左側後部には、センタートンネル14と略同一の高さに膨出した膨出底面部15が、主フロア面部11及びフロア起立面部12に亘って形成されている。フロア後面部13の下方には、図示しない燃料タンクが配置される。フロア後面部13には、上下方向に貫通する3つのボルト孔16が、車幅方向に所定の間隔で並んで設けられている。
【0021】
シートライザ20は、図1、図2及び図3に示すように、板厚が比較的薄い鋼板などの高強度材料からなり、プレス成形によって成形された部材であり、フロアパネル10の上方に配置され、支持面部21と、側面部33と、を一体的に有する。
【0022】
支持面部21は、略矩形状であり、後端部がフロア後面部13の上面前端部にスポット溶接等で溶着又は接着剤で接着されるなどして接合され、主フロア面部11に対して略水平に前方へ延びる。また、上下方向に貫通する左側開口部24と右側開口部25とを有し、各開口部24,25の間には、支持面部21の前端部と後端部とを連結する連結部26を有する。支持面部21の前端部の車幅方向両端部には、下方に凹む凹部22aが設けられており、凹部22aの内側には、後述するリアシート50のフック部67が係合するストライカが設けられている。支持面部21の後端部には、上下方向に貫通する3つのボルト孔28が、車幅方向に所定の間隔で並んで設けられている。
【0023】
支持面部21の前縁には、車幅方向の略中央部が車幅方向に沿って延び、且つ、車幅方向の両端部が外側に広がって延びて前縁部29が形成され、また、側縁には、前縁部29の後端縁から後方に延びる側縁部30が形成される。前縁部29は、主フロア面部11の上方領域に形成され、側縁部29は、フロア起立面部12の上方領域に形成される。
【0024】
側面部33は、第1側面部22と、第2側面部23と、を有する。第1側面部22は、支持面部21の前縁部29の端縁全域から下方に曲折して延びる。第1側面部22の車幅方向の略中央部には、センタートンネル14に対応して上方へ湾曲する湾曲部27が形成されている。第1側面部22の下縁部には、前方へ曲折して延びるフランジ部22bが形成されており、フランジ部22bが主フロア面部11の上面にスポット溶接等で溶着又は接着剤で接着されるなどして接合される。図4に示すように、主フロア面部11に接合された第1側面の左側後面には、フロアパネル10に形成された膨出底面部15の前縁部が当接する。
【0025】
第2側面部23は、支持面部21の側縁部30の端縁全域から下方に曲折して延び、第1側面部22の後端縁から連続して一体的に左右一対に形成される。また、第2側面部23は、フロア起立面部12に沿って、車幅方向から視て(側面視で)略三角形状に形成される。第2側面部23の下縁には、車幅方向外側に延びるフランジ部23aが形成されており、フランジ部23aがフロア起立面部12の前面にスポット溶接等で溶着又は接着剤で接着されるなどして接合される。上記のように、支持面部21の後端部がフロア後面部13の上面前端部に接合され、第1側面部22が主フロア面部11に接合され、また、第2側面部23がフロア起立面部12に接合されることで、シートライザ20は、フロアパネル10に接合される。
【0026】
支持面部21の下方には、前端部が第1側面部22の後面に当接し、後端が起立面部に当接する断面略ハット状の連結部ブラケット40が配置されている。連結部ブラケット40は、両下端に車幅方向外側に延びるフランジ部41を有し、左側のフランジ部41が膨出底面部15にスポット溶接等で溶着又は接着剤で接着されるなどして接合され、同様に、右側のフランジ部41がセンタートンネル14の上面に接合される。接合された連結部ブラケット40の内側には、連結部ブラケット40の内面と主フロア面部11及びフロア起立面部12の上面とで区画される閉空間42が形成される。連結部ブラケット40の上面の車幅方向の幅は、連結部26と略同一に設定されている。連結部ブラケット40の上面は、支持面部21の前端部と、連結部26と、後端部のフロア後面部13に接合されていない部分と、に下方から当接する。連結部ブラケット40の上面のうち、フロア後面部13に当接する部分には、フロア後面部13に設けられた3つのボルト孔16のうち略中央に設けられたボルト孔16と連通するボルト孔43が形成されている。
【0027】
連結部ブラケット40がフロアパネル10に接合されると、図3及び図5に示すように、フロアパネル10に接合されたシートライザ20及びフロアパネル10によってシートライザ20の内側に形成される内側空間が左側収容空間31と右側収容空間32に区画される。左側収容空間31は、左側開口部24と連通し、右側収容空間32は右側開口部25と連通する。
【0028】
リアシート50は、図1及び図2に示すように、車室3の後方領域に配置され、乗員が着座するシートクッション60と、着座した乗員の背中を支持するシートバック70と、シートバック70に固定され、乗員の後頭部を支持する2つのヘッドレスト51と、車幅方向に並んで設けられた3つのリアシートブラケット80と、を有する3人掛け用のシートである。
【0029】
シートクッション60は、一人の乗員が着座可能な左側シートクッション61と、二人の乗員が着座可能な右側シートクッション62と、を有する。各シートクッション61,62は、図6に示すように、金属丸パイプ製で略矩形枠状のシートクッションフレーム63と、図示しない発泡ウレタン等を成形してなるシートクッションパッドと、シートクッションブラケット64と、を有する。
【0030】
シートクッションフレーム63には、複数のワイヤ65が架設されており、シートクッションパッドがシートクッションフレーム63に載置される。また、シートクッションフレーム63の車幅方向の両端には、シートクッションブラケット64が固定されている。シートクッションブラケット64には、車幅方向に貫通する貫通孔66が設けられており、貫通孔66が後述するリアシートブラケット80の回転軸85に挿通することによって、シートクッションブラケット64はリアシートブラケット80に、回転軸85を中心に図1の矢印a及び矢印b方向に回動可能に固定され、各シートクッション61,62が、リアシートブラケット80に図1の矢印a方向及びb方向に回動可能に支持される。シートクッションフレーム63の前端部には、シートライザ20の支持面部21の凹部22aの内側に設けられたストライカに係合するフック部67が設けられている。また、フック部67を挟んで左右一対に当接部68が設けられている。当接部68は、上縁がシートクッションフレーム63の前端部に接合されて、この前端部から下方に延びる左右一対の側板部68aと、側板部68aの下縁を連結する底面部68bと、を有し、底板部68bの下面には、弾性部材、例えば板状のゴムが貼り付けられている。各シートクッション61,62は、シートクッションカバー69に被覆される。
【0031】
シートバック70は、金属丸パイプ製で略矩形枠状のシートバックフレーム71と、発泡ウレタン等を成形してなる図示しないシートバックパッドと、シートバックブラケット72と、を有する。シートバックフレーム71の車幅方向両端下部には、シートバックブラケット72が固定されている。シートバックブラケット72には、車幅方向に貫通する貫通孔73が設けられており、貫通孔73が後述するリアシートブラケット80の回転軸に挿通することによって、シートバックブラケット72は、リアシートブラケット80に、回転軸85を中心に、図1の矢印a方向及びb方向に回動可能に固定され、シートバック70が、リアシートブラケット80に、図1の矢印a方向及びb方向に回動可能に支持される。シートバック70は、シートバックカバー74に被覆される。
【0032】
車幅方向に並んで設けられた3つのリアシートブラケット80は、前後方向に延びる板状の底面部81と、底面部81の一側部から上方に延びる側板部82と、を有する。底面部81の前後方向の端部には、前側フランジ部83及び後側フランジ部84が形成され、底面部81は車幅方向から視て断面略ハット状に形成される。側板部82の上部には、車幅方向に突出する回転軸85が、車幅方向の左側及び右側に設けられたリアシートブラケット80については、車幅方向内側に突出するように設けられており、車幅方向の略中央に設けられたリアシートブラケット80については、左右の両方向に突出するように設けられている。回転軸85は、リアシートブラケット80及びシートバックブラケット72に設けられた貫通孔66,72を挿通する。車幅方向の両端に配置されたリアシートブラケット80は、シートバック70を回動可能に固定する。車幅方向の左側及び略中央に配置されたリアシートブラケット80は左側シートクッション61を回動可能に支持し、略中央及び右側に配置されたリアシートブラケット80は、右側シートクッション62を回動可能に支持する。各フランジ部には、上下方向に貫通するボルト孔83a,84aが設けられている。後側ブラケットに設けられたボルト孔84aはフロア後面部13に設けられたボルト孔16と連通する。連通したボルト孔16,84aを上方から挿通するボルト(図示省略)が、フロア後面部13の下方に配置されるナット(図示省略)に螺合することで、リアシートブラケット80は、フロア後面部13に締結固定される。また、前側フランジ部に設けられたボルト孔83aは、シートライザ20の後端部に設けられたボルト孔28と連通する。連通したボルト孔28,83aを上方から挿通するボルト90が、シートライザ20の下方(車幅方向の略中央に設けられたボルト孔28,83aを挿通するボルトについては、連結部ブラケット40の内側の閉空間42内)に配置されるナット91に螺合することで、リアシートブラケット80は、シートライザ20に締結固定される。このように、本実施形態では、リアシート50は、リアシートブラケット80を介して、フロア後面部13及びシートライザ20に締結固定される。
【0033】
リアシート50は、フロア後面部13及びシートライザ20に締結固定されると、乗員が着座可能な着座可能状態と、シートライザ20の左側収容空間31及び右側収容空間32に車載品、例えば工具の出し入れが可能な収容可能状態と、に設定可能となる。
【0034】
着座可能状態に設定する場合、乗員は、リアシート50のシートクッションフレーム63に設けられたフック部67を、リアシートライザ20の支持面部21の凹部22aの内側に設けられたストライカに係合させる。これによって、各シートクッション60の図1の矢印a方向の回転が規制され、また、シートクッションフレーム63に設けられた当接部68の底面部68bが、シートライザ20の前端部に当接し、リアシート50に入力される荷重がシートライザ20及びシートライザ20を介してフロアパネル10に分担される。
【0035】
収容可能状態に設定する場合、乗員は、シートクッション60の前端を上方へ持ち上げて、シートクッション60をリアシートブラケット80の回転軸85を中心に図1のa方向へ回転させる。これによって、リアシートライザ20の各収容空間31,32に連通する各開口部24,25が開放されて、乗員は、各収容空間31,32に車載品を収容、又は、取り出すことが可能となる。
【0036】
本実施形態では、リアシート50の前端下部のフック部67が、支持面部21、第1側面部22及び第2側面部23を一体的に有するボックス構造体のシートライザ20のストライカに着脱可能に固定されて、当接部68がシートライザ20の前端部に当接するので、リアシート50の前方は、シートライザ20及びシートライザ20が接合されているフロアパネル10によって支持される。このため、着座可能状態におけるリアシート50の前方に入力された荷重は、シートライザ20及びフロアパネル10に分担される。また、同様に、リアシート50の後端下部のリアシートブラケット80が、フロア後面部13及びシートライザ20に締結固定されているので、リアシート50の後方は、シートライザ20及びシートライザ20が接合されているフロアパネル10によって支持される。このため、着座可能状態におけるリアシート50の後方に入力された荷重は、シートライザ20及びフロアパネル10に分担される。したがって、リアシート50を確実に支持することができる。
【0037】
また、板厚が比較的薄い鋼板などの高強度材料からなるシートライザ20をフロアパネル10に固定したので、リアシート50を固定する部分を補強するためのクロスメンバ並びにリアシート50の前脚及び前脚の補強部材を設ける必要がなく、部品点数が減少する。このため、構造を簡素化でき、また、コスト及び車両2の重量の低減に寄与する。
【0038】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
【0039】
例えば、本実施形態では、フロアパネル10のフロア起立面部12が主フロア面部11の後端部から斜め後上方に起立して延びる態様を説明したが、フロア起立面部12を主フロア面部11の後端部から略鉛直方向に起立するようにしてもよい。この場合、図7に示すように、側面部33は、車幅方向から視て(側面視で)略矩形状に形成され、側面部33の下端が主フロア面部11の上面に接合され、側面部33の後端がフロア起立面部12の前面に接合される。なお、図7においては、膨出底面部15の図示を省略している。
【0040】
また、本実施形態では、リアシートブラケット80の前側フランジ部83をシートライザ20に締結固定する態様を説明したが、これに代えて、前側フランジ部83をフロア後面部13に固定してもよい。この場合、前側フランジ部83のボルト孔83aと連通する3つのボルト孔をフロア後面部に形成し、連通したボルト孔を挿通するボルトで前側フランジ部83aをフロア後面部13に締結固定する。
【0041】
また、本実施形態では、右側シートクッション61と左側シートクッション62とが、回転軸85を中心に図1のa方向及びb方向に回動可能な態様を説明したが、当接部58の底面部68bに貼り付けられた板状のゴムを排除し、底面部68bをシートライザ20の支持面部21の前端部にスポット溶接等で接合して、右側シートクッション61と左側シートクッション62とを、シートライザ20に回動不能に固定してもよい。
【0042】
すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、本発明は、車両用のリアシートの支持構造に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1:リアシート支持構造
2:車両
3:車室
10:フロアパネル
11:主フロア面部
12:フロア起立面部
13:フロア後面部
14:センタートンネル
15:膨出底面部
20:シートライザ
21:支持面部
22:第1側面部
22a:凹部
22b:フランジ部
23:第2側面部
23a:フランジ部
26:連結部
29:前縁部
30:側縁部
33:側面部
40:連結部ブラケット
50:リアシート
60:シートクッション
70:シートバック
80:リアシートブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の床面のうち少なくとも後方領域を形成する主フロア面部と、該主フロア面部の後端部から上方に起立して延びるフロア起立面部と、該フロア起立面部の上端部から後方に曲折して延びるフロア後面部と、を有するフロアパネルと、
前記フロアパネルの上方に配置され、前記フロア後面部の上面前端部に接合されて前方へ延びる支持面部と、前記主フロア面部及び前記フロア起立面部の上方領域の前記支持面部から延びて該主フロア面部の上面及び該フロア起立面部の前面に接合される側面部と、を有するシートライザと、
前記シートライザに載置されるリアシートと、を備え、
前記リアシートは、前記シートライザの前部に固定される
ことを特徴とするリアシート支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のリアシート支持構造であって、
前記側面部は、前記支持面部のうち前記主フロア面部及び前記フロア起立面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びて該主フロア面部の上面及び該フロア起立面部の前面に接合され、
前記リアシートの後端下部は、前記フロア後面部に固定され、
前記リアシートの前端下部は、前記シートライザの支持面部の前端部に固定される
ことを特徴とするリアシート支持構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリアシートの支持構造であって、
前記フロア起立面部は、前記主フロア面部の後端部から上方へ傾斜して延び、
前記側面部は、前記主フロア面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びて該フロア前面部の上面に接合される第1側面部と、該第1側面部の車幅方向の両側の後端縁から連続するとともに、前記支持面部のうち前記フロア起立面部の上方領域の端縁全域から下方に曲折して延びて該フロア起立面部の前面に接合される左右一対の第2側面部と、を有する
ことを特徴とするリアシート支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−67307(P2013−67307A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208359(P2011−208359)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】