説明

リソグラフィー材料およびレジストパターンの製造方法

【課題】 1)パターン表面の異物、パターン倒れ、ならびにパターンラフネスの問題を解決することができる、2)レジストパターンを微細化できる、及び3)低塗布量化が可能であるリソグラフィー材料を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物(例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製のペリセア(登録商標))を含むことを特徴とする、レジスト基板用材料およびレジストパターン製造方法。
【化1】


(上記一般式(1)において、R1、R2は水素又は炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基などを示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)などを示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィー材料に関するものである。さらにはレジスト基板処理液及びパターン形成材料に関するものである。詳細には、半導体デバイス、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレー(FPD)、電荷結合素子(CCD) 、カラーフィルター、磁気ヘッド等の製造に用いられる感光性樹脂組成物の現像工程で好適に用いられるレジスト基板処理液および、このレジスト基板処理液を用いたレジストパターンの製造方法に関するものである。また、レジストを用いるリソグラフィー技術によりパターン形成を行う際に、入射光あるいはレジスト表面での反射光がレジスト内において基板からの反射光と干渉することによりもたらされるパターン寸法精度の低下(パターン寸法幅の変動)を防止するための干渉防止膜をレジスト上に形成させるための反射防止膜形成用組成物に用いられるパターン形成材料及び、このパターン形成材料を用いたレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIなどの半導体集積回路や、FPDの表示面の製造、カラーフィルター、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初めとする幅広い分野において、微細素子の形成或いは微細加工を行うために、従来からリソグラフィー法が利用されている。
【0003】
リソグラフィー法においては、近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、微細電子デバイス製造業界においてはデザインルールがハーフミクロンからクオーターミクロンへ、或いは更にそれ以下への微細化が求められている。デザインルールの更なる微細化に対応するためには、露光光源として従来使用されてきた可視光線或いは近紫外線(波長400〜300nm)等では充分ではなく、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)等の遠紫外線や更にはX線、電子線等のようなより短波長の放射線を用いることが必要とされ、これら露光光源を用いるリソグラフィープロセスが提案され、実用化されつつある。
【0004】
上記のように微細化が進むと、パターン表面に残留する異物、バターン倒れ、パターンラフネスなどの問題が顕在化してきており、それに対する改良方法も合わせて検討されてきている。パターン倒れは現像後に純水で、パターンを洗浄する際に、純水の表面張力によってパターン聞に負圧が生じることに起因すると考えられている。このような問題点の解決のために、特定の非イオン性界面活性剤を含むリソグラフィー用リンス液を洗浄に用いることが提案されている(特許文献1および2参照)。
【0005】
また、デザインルールのさらなる微細化に伴い、まったく別な観点からレジストパターンを微細化させる方法も検討されている。例えば、特許文献3〜5には、通常の方法で形成されたパターンをさらに均一な被覆層で被覆することにより、トレンチパターンの溝幅やコンタクトホールの直径を小さくする方法が記載されている。この方法は、感光性樹脂組成物やリソグラフィー法により限界まで微細化されたパターンをさらに微細化することができる方法である。
【0006】
さらに、デザインルールの微細化を進めるに際し、使用材料についても様々な提案がなされている。例えば、反射防止膜として、パーフルオロオクタン酸やパーフルオロオクタンスルホン酸などのフッ素系化合物やフッ素系重合体などのフッ素含有化合物を含む組成物をレジストの上層に塗布して反射防止膜を形成させることが知られている。レジスト上に反射防止膜を設けると、レジスト膜厚対感度曲線の振幅の幅が小さくなり、レジストの膜厚がばらついた場合でも、感度ばらつきが小さくなり、ひいては寸法ばらつきが小さくなるという利点がある。また、反射防止膜を用いると入射光と反射光或いは反射光同士の干渉によるスタンディングウエーブを低減できる利点を有する。フッ素原子を含有する化合物は、フッ素原子の大きな分子容と小さな原子屈折を有するという特徴により低屈折率を示し、その屈折率の値は、化合物中のフッ素含有量にほぼ正比例することが知られている。上記のパーフルオロオクタン酸やパーフルオロオクタンスルホン酸などのフッ素系界面活性剤は、低屈折率を有し且つ水性溶媒による現像が可能で、反射防止性能を発揮させる上で好ましい化合物である。上記フッ素系界面活性剤が欠如すると皮膜の屈折率が増大することになり、定在波効果、多重反射効果を十分に抑制することができず、結果としてレジストの寸法精度は低下する。しかしながら、これらフッ素系化合物については、分解性及び蓄積性が問題となっており、日本においても2002年に「化学物質の審査および製造等の規制に関する法律」による第二種監視化合物質に指定されている。このため、これらに代わるものとして、フッ素系重合体を用いた反射防止コーティング用組成物が提案されている。特許文献6に開示されているフッ素系重合体を用いた反射防止膜形成用組成物については、塗布性についても既存材料となんら遜色なく、従来と同じ塗布方法及び塗布装置を使用して反射防止膜を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−184648号公報
【特許文献2】特開2003−107744号公報
【特許文献3】特開平10−73927号公報
【特許文献4】特開2001−19860号公報
【特許文献5】特開2005−300853号公報
【特許文献6】特開2004−037887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は半導体デバイス、フラットパネルディスプレー、カラーフィルター、回路素子等の製造に用いられる感光性樹脂組成物の現像工程で好適に用いられる、パターン表面に残留または再付着する異物、パターン倒れ、およびパターンラフネスの問題を同時に解決することができるレジスト基板処理液として用いられるリソグラフィー材料を提供することを目的とするものである。
【0009】
また、製造コストや製造効率を大きく損なうことなく、微細化が可能なレジストパターンの製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
さらに、低屈折率材料としてフッ素含有化合物を含む反射防止膜形成用組成物において、反射防止膜を形成する際の低塗布量化を可能にするリソグラフィー材料を提供することを目的とする。より具体的には、従来公知のフッ素含有化合物を含む反射防止膜形成用組成物に比べ低塗布量であるにも拘らず、従来と同様の機能、すなわちレジスト内において基板からの反射光と入射光あるいはレジスト表面での反射光と干渉することによりもたらされるパターン寸法精度の低下(パターン寸法幅の変動)がなく、また化学増幅型レジストと反射防止膜とのインターミックスにより引き起こされる、エッチング工程に不都合なT−トップ、ラウンドトップなどのパターン形状の劣化を起こさないレジストパターンを形成することのできる低屈折率フッ素含有化合物を用いた反射防止膜形成用組成物として用いられるリソグラフィー材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を配合することによりパターン表面に残留または再付着する異物、パターン倒れ、ならびにパターンラフネスの問題を同時に解決することができるリソグラフィー材料、レジストパターンを微細化できるリソグラフィー材料及び低塗布量化が可能なリソグラフィー材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は下記に示す通りである。
[1]下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする、リソグラフィー材料。
【0013】
【化1】

【0014】
(上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
[2]前記一般式(1)が下記一般式(2)で示される化合物である、[1]に記載のリソグラフィー材料。
【0015】
【化2】

【0016】
(上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素または炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素、または炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。)
[3][1]又は[2]に記載のリソグラフィー材料を用いたレジスト基板処理液。
[4]リンス液として用いられる[3]に記載のレジスト基板処理液。
[5]シュリンク剤として用いられる[3]に記載のレジスト基板処理液。
[6][1]又は[2]に記載のリソグラフィー材料を用いたパターン形成材料。
[7]反射防止膜形成用組成物として用いられる[6]に記載のパターン形成材料。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載のリソグラフィー材料を用いるレジストパターンの製造方法
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば半導体デバイス、フラットパネルディスプレー、カラーフィルター、回路素子等の製造に用いられる感光性樹脂組成物の現像工程で好適に用いられる、パターン表面に残留または再付着する異物、パターン倒れ、およびパターンラフネスの問題を同時に解決することができるリソグラフィー材料を提供することができる。
【0018】
また、製造コストや製造効率を大きく損なうことなく、微細化が可能なレジストパターンの製造方法を提供できる。
さらに、低屈折率材料としてフッ素含有化合物を含む反射防止膜形成用組成物において、反射防止膜を形成する際の低塗布量化を可能にするリソグラフィー材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
[リソグラフィー材料]
本発明のリソグラフィー材料としては、制限はなく、レジスト基板処理液、パターン形成材料が挙げられる。
レジスト基板処理液としては、剥離液、現像液、シュリンク剤、リンス液などが挙げられる。
【0020】
パターン形成材料としては、反射防止膜形成用組成物、レジスト材料、バッファーコート材、層間絶縁膜などがあげられる。
本発明のリソグラフィー材料は特に、シュリンク剤、リンス液、反射防止膜形成用組成物として用いられるのが好ましい。
本発明のリソグラフィー材料およびレジストパターンの製造方法は、下記一般式(1)で表される化合物を用いることを特徴とする。
【0021】
[一般式(1)に示す化合物]
以下、一般式(1)について説明する
【0022】
【化3】

【0023】
一般式(1)において、R1は、炭素数1〜23の炭化水素基である。好ましくは、炭素数が7から17の炭化水素基である。R1は、直鎖、分岐鎖、環状鎖、芳香族炭化水素鎖のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。
【0024】
一般式(1)において、R2は、水素または、炭素数1〜3の炭化水素基である。カルボキシル基かスルホン酸基を有してもよい。炭素数1〜3の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基及びスルホエチル基等を挙げることができる。好ましくは、水素である。
【0025】
一般式(1)において、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩である。好ましくは、カルボキシル基又はその塩である。
また、Yは、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。塩を形成しうる金属の具体例を以下で挙げる。
【0026】
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム及びリチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム及びマグネシウム等が挙げられる。
それ以外の金属としては、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン及びジルコニウム、銀等の塩が挙げられる。
【0027】
また、塩基性物質としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。
有機アミン塩としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等の塩が挙げられる。
【0028】
塩基性アミノ酸塩としては、アルギニン及びリジンの塩が挙げられる。
その他にも、アンモニウム塩や多価金属塩等が挙げられる。また、一般式(1)において、Yは上記した塩から任意に選ばれる2種以上の塩を含んでいてもよい。
【0029】
一般式(1)において、−Z−は、−NR'−(R'は水素または炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−である。
一般式(1)において、Xは、分子量100万以下の炭化水素鎖である。Xは、直鎖でも分枝鎖でも環状鎖でも芳香族炭化水素鎖でもよい。また、Xは、置換基を有していてもよく、特にカルボキシル基を有していることが好ましい。Xの炭素数は、好ましくは1〜40であり、分子量は14〜2000が好ましい。
【0030】
また、Xがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基及びリン酸エステル基等を含む場合は、種々の塩基性物質との間に塩を形成してもよい。塩を形成しうる金属及びその金属を含む塩基性物質としては、前述の塩が挙げられる。
【0031】
一般式(1)中の括弧内の部分はn個あり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは2〜20の整数である。好ましくは、nは2である。また、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。
下記一般式(2)で示される化合物は、前記一般式(1)で示される化合物における、n=2の場合の一例である。前記一般式(1)が一般式(2)であるの場合はリソグラフィー性と入手容易性の観点から特に好ましい。
【0032】
【化4】

【0033】
上記一般式(2)において、R1、R2、Y、−Z−、j、kは一般式(1)と同様である。
上記一般式(2)において、X'は、カルボキシル基またはその塩、−NHR'基(R'は、水素、または炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示す。
【0034】
一般式(2)において、X'は、カルボキシル基またはその塩を有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖であることが好ましく、R2は水素であることが好ましく、Yは、カルボキシル基又はその塩であることが好ましく、Zは、−NH−であることが好ましい。j、kは0か2のいずれかであり、かつ、j、kは同時に0ではないことが好ましい。
【0035】
[一般式(1)の製造方法]
前記一般式(1)で示される化合物の製造方法としては、下記一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(mはn以上)有する分子量100万以下の化合物(以下、m価の化合物とする)とを、反応させることにより得ることができる。
【0036】
【化5】

【0037】
(上記一般式(3)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又
は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。)
上記一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物とは、酸性アミノ酸がN−アシル化された無水物である。N−アシル酸性アミノ酸無水物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよい。特に、L−体であるL−酸性アミノ酸が、生分解性に優れることから好ましい。
【0038】
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基の数がアミノ基より多いものである。例えば、カルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個であるモノアミノジカルボン酸などが挙げられる。アミノ基の水素は、炭素数1〜3の炭化水素基で置換されていてもよい。酸性アミノ酸の具体例としては、グルタミン酸、アスパラギン酸が挙げられる。
【0039】
m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)有する分子量100万以下の化合物である。ここで、m価の化合物は、m個の官能基に由来する結合を作り得る。つまり、ヒドロキシル基は、エステル結合を作り、アミノ基は酸アミド結合を作り、チオール基はチオエステル結合を作ることができる。また、この化合物は上記した官能基以外の置換基を有していてもよい。
【0040】
このようなm価の化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
分子内にヒドロキシル基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0041】
2価のヒドロキシル化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等が挙げられる。
【0042】
3価のヒドロキシル化合物としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0043】
4価のヒドロキシル化合物としては、ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン及びソルビタン等が挙げられる。
【0044】
5価のヒドロキシル化合物としては、アドニトール、アラビトール、キシリトール及びトリグリセリン等が挙げられる。
【0045】
6価のヒドロキシル化合物としては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース及びアロース等が挙げられる。
【0046】
または、上記した2〜6価のヒドロキシル化合物の脱水縮合物やポリグリセリン等が挙げられる。
また、m価のポリヒドロキシル化合物として、糖類も挙げられる。以下でその具体例を挙げる。
【0047】
テトロースとしては、エリスロース、スレオース及びエリスルロース等が挙げられる。ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース及びリブロース等が挙げられる。
【0048】
単糖類としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース及びタガトース等のヘキソース等が挙げられる。
【0049】
オリゴ糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース及びスタキオース等が挙げられる。
【0050】
その他の糖類としては、ヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル及びグリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン及びキトサン等の多糖類又は上記した糖類を加水分解したものでもよい。
【0051】
分子内にアミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
脂肪族ジアミン類としては、N,N'−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸等が挙げられる。
【0052】
脂肪族トリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミン等が挙げられる。
【0053】
脂環族ポリアミン類としては、ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン及びトリアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
【0054】
芳香族ポリアミン類としては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸等が挙げられる。
【0055】
芳香脂肪族ポリアミン類としては、ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン等が挙げられる。ジアミノヒドロキシプロパンのように、上記したアミン類誘導体にヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
【0056】
また、アミノ酸類としては、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン及びオキシプロリン等が挙げられる。これらのアミノ酸は、タンパク質やペプチド等、又はそれらを加水分解したもの等でもよい。
【0057】
分子内にチオール基を2個以上有する化合物の具体例としては、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール及びジチオトレイトール等のジチオール化合物類等を挙げることができる。
ここで、m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基を2種以上有していてもよい。その例を以下で挙げる。
【0058】
分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物としては、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール及びグルコサミン等が挙げられる。
【0059】
分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物としては、メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール及びグルコチオース等が挙げられる。
分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物としては、アミノチオフェノール及びアミノトリアゾールチオール等が挙げられる。
【0060】
m価の化合物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよく、各異性体であってもよい。また、m価の化合物の中でも、炭素数1〜40のものが好ましい、さらに好ましくは炭素数1〜20のものである。また、天然に存在する化合物の方が、生分解性に優れているため、アミノ酸類、ペプチド類、糖類等が好ましい。N−アシル酸性アミノ酸無水物とm価の化合物とを反応させる際、溶媒を使用してもよい。反応の際に使用する溶媒としては、水、水と有機溶媒との混合溶媒、またはテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム及びアセトン等の不活性溶媒が挙げられる。反応温度としては、−5℃〜200℃、かつ上記化合物の融点以上の温度で混合し、反応させることが好ましい。
【0061】
前記一般式(1)で示される化合物の別の製造方法としては、N−アシル酸性アミノ酸無水物ではなくN−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)と、前記m価の化合物とを反応させることによっても得られる。
【0062】
N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルとm価の化合物とを、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下において−5℃〜250℃で加熱反応させた後、反応溶媒を除去することで得られる。または、溶媒を用いずに無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させることによっても得ることもできる。
【0063】
[レジスト基板処理液]
レジスト基板処理液としては例えば剥離液、現像液、シュリンク剤、リンス液などが挙げられる。
シュリンク剤はリソグラフィー工程において、レジストにより形成される開口部分を小さくするために使用される。
リンス液はリソグラフィー工程においてレジストを現像した後、レジストの不要部分を完全に除去するために用いられる。
【0064】
本発明のリソグラフィー材料を用いたレジスト基板処理液について説明する。レジスト基板処理液は、前記一般式(1)で表される化合物と、水とを含んでなる。ここで、用いられる水としては、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により、有機不純物、金属イオン等が除去されたもの、特に純水が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の濃度は、用いるレジスト基板の種類や要求される特性に応じて任意に選択できるが、一般に処理液全体の質量を基準として0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%、より好ましくは0.1〜1%である。
【0065】
レジスト基板処理液がリンス液として用いられる場合、前記一般式(1)で表される化合物の濃度は特に限定されないが、目的や使用方法に応じて調整されることが好ましい。すなわち、一般に濃度が高い方がパターン倒れや再付着異物に対する効果が大きいが、濃度が高すぎると、レジスト表面がメルティングを起こすことがある。また用いられる感光性樹脂組成物の種類などに応じて、パターン倒れの抑制に最適な濃度と、再付着異物の抑制に最適な濃度とが必ずしも一致するとは限らないため、求められる特性に応じてバランスのよい濃度とすることが好ましい。したがって、前記一般式(1)で表される化合物の最適な濃度は特定されないが、パターン倒れの抑制を主目的とする場合には好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%であり、再付着異物の抑制を主目的とする場合には好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
【0066】
レジスト基板処理液がシュリンク剤として用いられる場合、前記一般式(1)で表される化合物の濃度は特に限定されないが、目的や使用方法に応じて調整されることが好ましい。すなわち、一般に濃度が高い方が、処理時間が短時間で済む傾向にあり、またパターンの実効サイズを縮小する効果が大きい。一方、一般に濃度が低い方が、処理後の純水によるリンス工程が短時間で済む傾向にある。また用いられる感光性樹脂組の種類などに応じて、最適な濃度が変化する。このため、求められる特性に応じてバランスのよい濃度とすることが好ましい。したがって、前記一般式(1)で表される化合物の最適な濃度は特定されないが、レジスト基板処理液の総重量を基準として、一般に0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
【0067】
本発明におけるレジスト基板処理液は、前記した前記一般式(1)で表される化合物と必要に応じて溶媒とを含んでなるものである。溶媒は特に限定されず、任意のものを用いることができるが、現像液やその他のリンス液との親和性の観点から、水を用いることが好ましい。また、濡れ性などを改良するために少量の有機溶媒を共溶媒として用いてもよい。このような共溶媒としては水に可溶な有機溶媒から選ばれる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロビルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブ、プチルセロソルブ、セロソルブアセテート、アルキルセロソルブアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プチルカルビトール、カルビトールアセテート、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これら溶剤は、用いられる場合には、水100重量部に対し10重量部以下の量で用いられる場合が多い。
【0068】
レジスト基板処理液は、必要に応じてさらなる添加剤を含むことができる。例えば、エチレンジアミンやプロピレンジアミンなどの2価アミンのすべてがアルキレンオキサイドにより置換された、ジアミンのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0069】
また、レジスト基板処理液は本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば界面活性剤、酸、塩基、または有機溶剤等をさらに含むこともできる。界面活性剤は、パターン倒れやパターン剥離を改良する効果を有し、また有機溶剤は処理液の表面張力を調整する作用を有し、またレジスト表面への濡れ性を改良することができる。用いることのできる界面活性剤の具体的な例は、脂肪酸エーテルエステル型界面活性剤(例えばパイオニンD−2506D)、アルキルアミドエーテル型界面活性剤、アルキルエーテル型界面活性剤(例えば、パイオニンD−1420)、アルキルアリルエーテル型界面活性剤(例えばパイオニンD−6115)、ポリエーテル型界面活性剤(例えばパイオニンP2820) 、ポリオール型ポリエーテル界面活性剤(例えばパイオニンP1525)などであり、用いられる場合の濃度は一般に0.05〜2%、好ましくは0.1〜1%である。酸または塩基は、処理液のpHを調整したり、各成分の溶解性を改良するために用いられる。用いられる酸または塩基は本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択できるが、例えばカルボン酸、アミン類、アンモニウム塩が挙げられる。これらには、脂肪酸、芳香族カルボン酸、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アンモニウム化合物類が包含され、これらは任意の置換基により置換されていてもよい。より具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、グルタル酸、アジピン酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0070】
[パターン形成材料]
パターン形成材料としては反射防止膜形成用組成物、レジスト材料、バッファーコート材、層間絶縁膜などがあげられる。
反射防止膜形成用組成物はリソグラフィー工程において、光の分散、反射による線幅のばらつきを抑え、プロセスマージンを向上させるために用いられる。
【0071】
本発明のリソグラフィー材料を用いたパターン形成材料を特に、反射防止膜形成用材料として用いる場合について説明する。反射防止膜形成用組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を含有し、さらに必要に応じ水溶性ポリマー、酸、界面活性剤、水性溶媒を含むものである。
前記一般式(1)で表される化合物は、水性溶媒への溶解性、組成物の塗布性、形成される膜厚などを考慮して、適宜の濃度で用いられればよい。反射防止膜形成用組成物中、好ましくは0.1質量%〜25質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜4質量%とされる。0.1質量%未満であると屈折率の低減が十分でないという問題があり、また25質量%を超えると低塗布量化の効果が弱まるという問題がある。
【0072】
反射防止膜形成用組成物において、添加剤として用いられる界面活性剤としては、例えば、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシ脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アセチレングリコール誘導体などが、またアニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルベンゼンカルボン酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、またはこれらアルキル基の水素原子がすべて或いは一部がフッ素原子で置き換えられたもの、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキル硫酸およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩などが、両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル酸アミドプロビルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【0073】
これら界面活性剤の中でも、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸、またはこれらアルキル基の水素原子がすべて或いは一部がフッ素原子で置き換えられたものが好ましい。これらの界面活性剤は、反射防止膜形成用組成物中、0.01質量%〜2.0質量%、さらに好ましくは0.05質量%〜1.0質量%の量で用いられる。これらの界面活性剤は単独で用いてられてもよいし、2種類以上組み合わせて用いられてもよい。
【0074】
反射防止膜形成用組成物に用いられる酸は有機酸、無機酸のいずれでもよいが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、フッ化水素、臭化水素などの無機酸が好ましい。これらの酸は、反射防止膜形成用組成物中、0.01質量%〜2.0質量%の量で用いられる。
【0075】
本発明においては、レジストが化学増幅型ポジ型レジストである場合には、反射防止膜形成用組成物が酸性の範囲であるものが好ましい。すなわち、反射防止膜形成用組成物のpH状態は、7以下が好ましく、より好ましくは0.5〜4.0であり、さらに好ましくは1.0〜3.0の範囲である。上記pHの状態とすることにより、化学増幅型レジストと反射防止膜とのインターミックスなどにより引き起こされる、エッチング工程に不都合なT−トップ、ラウンドトップなどのパターン形状の劣化を起こさないレジストパターンを形成することができる。ポジ型の化学増幅型レジストに適用される反射防止膜形成用組成物としては、上記フッ素含有化合物、例えばフッ素系重合体と酸もしくは活性剤との比が、質量比で、1:0.01〜1:0.5が好ましく、更に好ましくは1:0.01〜1:0.3である。この際、フッ素含有化合物に酸が含まれる場合、さらには水溶性ポリマーに酸が含まれる場合、これらフッ素系重合体および水溶性重合体の酸および添加する酸もしくは活性剤の酸を合わせた酸のモル数とアルカノール基含有4級アンモニウム塩の塩基とのモル比が、1:0.01〜1:1.00の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.05〜1:0.8であり、さらに好ましくは1:0.05〜1:0.2であり、それによって前記の適正なpHの範囲にコントロールされる。
【0076】
反射防止膜形成用組成物には、必要に応じて性能を損なわない範囲で成膜性を向上させるため水溶性ポリマーを配合することができる。特にフッ素含有化合物としてフッ素系化合物が用いられる場合には、成膜性の観点から水溶性ポリマーを用いることが通常必要となる。反射防止膜形成用組成物に用いられる水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(α−トリフルオロメチルアクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−ビニルアルコール)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−アクリル酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−アクリル酸メチル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−メタクリル酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−メタクリル酸メチル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−マレイン酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−マレイン酸ジメチル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−無水マレイン酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−イタコン酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−イタコン酸メチル)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−無水イタコン酸)などのビニルピロリドン共重合体、ポリ(ビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、フッ素化ポリエーテル、ポリエチレンオキシド、アミロース、デキストラン、セルロース、プルランなどが挙げられ、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、フッ素化ポリエーテルなどが特に好ましいものである。なお、これら具体例は単に例として挙げたにすぎないもので、本発明で使用される水溶性ポリマーが上記の水溶性ポリマーに限られるものではない。また、水溶性ポリマーの使用量は、用いるポリマーによって好ましい範囲は異なるものの、一般的には、フッ素系化合物が用いられる場合には、反射防止膜形成組成物中、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜2質量%であり、またフッ素系重合体が用いられる場合には、フッ素系重合体との合計量が組成物中0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜2質量%であることが好ましい。
【0077】
さらに、反射防止膜形成用組成物に用いられる水性溶媒としては、水あるいは水と水可溶性の有機溶媒の均一混合液が挙げられる。水性溶媒としては通常水が用いられる。反射防止膜形成用組成物に用いられる水としては、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により、有機不純物、金属イオン等が除去されたものが好ましい。
【0078】
また、さらなる塗布性の向上を目的として、水に可溶な有機溶媒を水とともに用いることも可能である。水に可溶な有機溶媒としては、水に対して0.1質量%以上溶解する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロビルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブ、プチルセロソルブ、セロソルブアセテート、アルキルセロソルブアセテート、プチルカルビトール、カルビトールアセテート等の極性溶媒が挙げられる。これら具体例は単に有機溶媒の例として挙げたにすぎないもので、本発明で使用される有機溶媒がこれらの溶媒に限られるものではない。
【0079】
[レジストパターンの製造方法]
次に、本発明によるレジストパターンの製造方法について説明する。本発明のレジストパターンの製造方法には、本発明のリソグラフィー材料をリンス液として用いる態様、シュリンク剤として用いる態様及び反射防止膜形成用組成物として用いる態様がある。
【0080】
本発明のレジストパターンの製造方法におけるリソグラフィー工程は、公知のポジ型の感光性樹脂組成物、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いてレジストパターンを形成する方法として知られた何れのものであってもよい。たとえば公知のリソグラフィー工程として以下のような方法が挙げられる。まず、必要に応じて前処理された、シリコン基板、ガラス基板等の基板の表面に、感光性樹脂組成物をスピンコート法など従来から公知の塗布法により塗布して、感光性樹脂組成物層を形成させる。感光性樹脂組成物の塗布に先立ち、レジスト上層または下層に反射防止膜が塗布形成されてもよい。このような反射防止膜により断面形状および露光マージンを改善することができる。
【0081】
感光性樹脂組成物は従来知られているものなら何れものでも用いることができる。感光性樹脂組成物の代表的なものを例示すると、ポジ型では、例えば、キノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるもの、化学増幅型感光性樹脂組成物などが、ネガ型では、例えば、ポリケイ皮酸ビニル等の感光性基を有する高分子化合物を含むもの、芳香族アジド化合物を含有するもの或いは環化ゴムとビスアジド化合物からなるようなアジド化合物を含有するもの、ジアゾ樹脂を含むもの、付加重合性不飽和化合物を含む光重合性組成物、化学増幅型ネガ型感光性樹脂組成物などが挙げられる。
【0082】
ここでキノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるポジ型感光性樹脂組成物において用いられるキノンジアジド系感光剤の例としては、1,2−ペンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、これらのスルホン酸のエステル或いはアミドなどが、またアルカリ可溶性樹脂の例としては、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、アクリル酸或はメタクリル酸の共重合体などが挙げられる。ノボラック樹脂としては、フェノール、0−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール等のフェノール類の1種又は2種以上と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類の1種以上から製造されるものが好ましいものとして挙げられる。
【0083】
化学増幅型レジストは、放射線照射により酸を発生させ、この酸の触媒作用による化学変化により放射線照射部分の現像液に対する溶解性を変化させてパターンを形成するもので、例えば、放射線照射により酸を発生させる酸発生化合物と、酸の存在下に分解しフェノール性水酸基或いはカルボキシル基のようなアルカリ可溶性基が生成される酸感応性基含有樹脂からなるもの、アルカリ可溶樹脂と架橋剤、酸発生剤からなるものが挙げられる。
【0084】
基板上に形成された感光性樹脂組成物層は、例えばホットプレート上でプリベークされて感光性樹脂組成物中の溶剤が除去され、厚さが通常0.5〜2.5ミクロン程度のレジストとされる。プリベーク温度は、用いる溶剤或いは感光性樹脂組成物により異なるが、通常20〜200℃、好ましくは50〜150℃程度の温度で行われる。レジストはその後、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、軟X線照射装置、電子線描画装置など公知の照射装置を用い、必要に応じマスクを介して露光が行われる。
【0085】
露光後、必要に応じベーキングを行った後、例えばパドル現像などの方法で現像が行われ、レジストパターンが形成される。レジストの現像は、通常アルカリ性現像液を用いて行われる。アルカリ性現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの水溶液或いは水性溶液が用いられる。現像処理後、リンス液を用いてレジストパターンのリンス(洗浄)処理が行われる。なお、形成されたレジストパターンは、エッチング、メッキ、イオン拡散、染色処理などのレジストとして用いられ、その後必要に応じ剥離される。
【0086】
1.リンス液として用いる態様
本発明のリソグラフィー材料をレジスト基板処理液であるリンス液として用いる場合、本発明によるレジストパターンの製造方法においてはレジストパターンを現像後、前記一般式(1)で表される化合物と水とを含むレジスト基板処理液で処理する。
レジスト基板処理液をレジスト基板に接触させる時間、すなわち処理時間は特に制限されないが、一般に処理時間を1秒以上とすることで本発明の効果が発現する。
【0087】
本発明によるレジストパターンの製造方法においては、現像後、本発明による特定のレジスト基板処理液により処理する前に、および/または本発明による特定のレジスト基板処理液による処理を行った後に、純水によりリンス処理を行うことができる。前者のリンス処理は、レジストパターンに付着した現像液を洗浄するために行われるものであり、後者のリンス処理はレジスト処理液を洗浄するために行われるものである。純水によるリンス処理の方法は任意の方法により行うことができ、例えばレジスト基板を純水に浸漬したり、回転しているレジスト基板表面に純水を滴下、噴霧または吹き付けにより供給したりすることにより行うことができる。これらの純水によるリンス処理はどちらか一方だけ、あるいは両方行うことができるが、本発明において用いられるレジスト基板処理液は比較的高濃度であるので、後者のリンス処理はレジスト処理液の除去のために行うことが好ましい。特に1%を超えるような濃度のレジスト基板処理液を用いた場合には、レジスト基板処理液で処理した後に純水によりリンス処理することにより、前記したメルティングなどの問題を起こさずに、本発明の効果を最大限に発揮できる。したがって、比較的高濃度のレジスト基板処理液を用いた場合には、その処理後に純水によるリンス処理を行うことが好ましい。
【0088】
本発明によるレジストパターンの製造方法は、特に、微細で、アスペクト比の高いレジストパターンに対しても有効にパターン倒れ、パターン剥離を改善することができるものである。したがって、本発明によるパターン形成方法は、このような微細なレジストパターンが形成されるリソグラフィー工程、すなわち、露光光源として、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザー、更にはX線、電子線などを用いる、250nm以下の露光波長での露光を含むリソグラフィー工程を組み合わせることが好ましい。さらに、レジストパターンのパターン寸法でみると、ライン・アンド・スペース・パターンにおける線幅、またはコンタクトホール・パターンにおける孔径が300nm以下のレジストパターンを形成するリソグラフィー工程を含むものが好ましい。
【0089】
2.シュリンク剤として用いる態様
本発明のリソグラフィー材料をレジスト基板処理液であるシュリンク剤として用いる場合、本発明のレジストパターン製造方法は、更なる微細化を目的として、以下のように行うことができる。
シュリンク剤として用いる場合、レジストパターンの膜厚などは用いられる用途などに応じて適宜選択されるが、一般に0.1〜5μm1好ましくは0.1〜2.5μmさらに好ましくは0.2〜1.5μmの膜厚が選択される。
【0090】
レジストパターンを現像後、前記一般式(1)で表される化合物を含んでなるレジスト基板処理液を用いて処理する。このレジスト基板処理液を用いることにより、現像により形成されたレジストパターンの実効サイズが縮小される。
レジストパターンをレジスト基板処理液により処理する方法は、レジスト基板をレジスト基板処理液に浸漬する方法、レジスト基板にレジスト基板処理液をディッピングやパドル塗布により塗布する方法などが挙げられる。また、レジスト基板をレジスト基板処理液により処理する時間、すなわち処理時間は特に制限されないが、パターン実効サイズの縮小効果を強く発現させるために、10秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましい。また、処理時間の上限は特に制限されないが、製造過程における効率の観点からは300秒以下であることが好ましい。
【0091】
また、レジスト基板処理液の温度も特に限定されないが、パターン実効サイズの縮小効果や縮小サイズの均一性の観点から、5〜50℃とするのが一般的であり、20〜30℃とすることが好ましい。
【0092】
本発明によるレジストパターンの製造方法においては、現像後、本発明による前記一般式(1)で表される化合物を含むレジスト基板処理液をレジスト基板により処理する直前に、および/または処理した直後に、純水により洗浄する処理、すなわちリンス処理を行うことが好ましい。前者のリンス処理は、レジストパターンに付着した現像液を洗浄するために行われるものである。レジスト基板処理液が現像液により汚染されることを防ぎ、また最少量のレジスト基板処理液により処理をするためには、現像後、レジスト基板処理液による処理を行う前に、純水によるリンス処理を行うことが好ましい。また、後者のリンス処理はレジスト基板処理液を洗浄するために行われるものである。特にレジスト基板処理液の濃度が高い場合には、レジスト基板が後の工程、例えばエッチング工程でレジスト表面に残った処理液成分が問題を起こさないように、レジスト基板処理液による処理の後に純水によるリンス処理を行うことが好ましい。
【0093】
純水によるリンス処理の方法は任意の方法により行うことができ、例えばレジスト基板を純水に浸漬したり、回転しているレジスト基板表面に純水を滴下、噴霧または吹き付けにより供給したりすることにより行うことができる。これらの純水によるリンス処理はどちらか一方だけ、あるいは両方行うことができる。
【0094】
一般に、現像後、あるいは純水によるリンス処理後、乾燥をせずにレジスト基板処理液により処理するが、必要に応じて、現像直後、あるいは現像後のリンス処理後に一度乾燥させてから処理液により処理することによっても本発明の効果を得ることができる。
【0095】
本発明による方法によって、レジストパターンは微細化されるが、得られる微細化の効果は、線幅または孔径の変化量で、一般に5Å以上、好ましくは10Å以上、である。ここで、本発明のレジストパターンの製造方法において、レジストパターンが微細化されるメカニズムは、従来の架橋剤を含む組成物によりパターンを被覆することにより微細化する方法におけるものとは異なる。すなわち、本発明におけるレジスト基板処理液は架橋剤を含んでいない。そして、本発明のレジストパターンの製造方法によりレジストパターンが微細化されるメカニズムは現在のところ明白ではないが、レジスト表面の未露光部分に被膜が形成されること、またはレジストにレジスト基板処理液の成分が浸透して膨潤することのいずれか、またはその両方が起きるためと推定されている。
【0096】
本発明によるレジストパターンの製造方法によりパターンの実効サイズが縮小されたレジストパターンは、引き続き用途に応じた加工が施される。この際、本発明によるレジストパターンの製造方法を用いたことによる制限は特になく、慣用の方法により加工することができる。
【0097】
本発明によるレジストパターンの製造方法は、微細なレジストパターンに対してパターンのさらなる微細化が可能なものである。したがって、このような微細なレジストパターンが形成されるリソグラフィー工程、すなわち、露光光源として、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザー、更にはX線、電子線などを用いる、250nm以下の露光波長での露光を含むリソグラフィー工程を組み合わせることが好ましい。さらに、レジストパターンのパターン寸法でみると、ライン・アンド・スペース・パターンにおける線幅のスペース部が300nm以下、好ましくは200nm以下、またはコンタクトホール・パターンにおける孔径が300nm以下、好ましくは200nm以下、のレジストパターンを形成するリソグラフィー工程を含むものが好ましい。
【0098】
このように本発明の方法により形成されたパターンは、半導体デバイス、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレー(FPD)、電荷結合素子(CCD) 、カラーフィルター、磁気ヘッドなどに、従来の方法で製造されたパターンと同様に適用することができる。
【0099】
3.反射防止膜形成用組成物として用いる態様
本発明のリソグラフィー材料をパターン形成材料である反射防止膜形成用組成物として用いる場合、本発明によるレジストパターンの製造方法においては、前記一般式(1)で表される化合物を含むパターン形成材料を反射防止膜形成用組成物としてレジスト膜上に所定の厚さに塗布することにより、反射防止膜を形成する。反射防止膜形成用組成物が塗布されるレジストとしては、従来知られたいずれのものでもよく、ポジ型でもネガ型レジストでもよい。本発明においては、レジストとして、ポジ型化学増幅型レジストが好ましく用いられる。
【0100】
本発明のレジストパターンの製造方法で用いられるポジ型化学増幅型レジストは、従来公知のポジ型化学増幅型レジストであればいずれのものでもよい。ポジ型の化学増幅型レジストとしては、例えばポリヒドロキシスチレンをt−ブトキシ力ルボニル基で保護したポリマーと光酸発生剤との組み合わせからなるもの(H.Ito,c.G.Wi11son:Po1ym.Eng.Sci.,23,1012(1983)参照)をはじめとして、特開平2−27660号公報には、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフロオロアーセナートとポリ(p−tert−ブトキシ力ルポニルオキシ−α−メチルスチレン)の組み合わせからなるレジストなど種々のものが知られており、いずれのものも本発明において用いることができる。また、レジストの膜厚は現像後得られたレジストパターンが、エッチング工程でのエッチングに好適に対応できるものであればよく、一般的には0.3〜1.0μm程度である。
【0101】
本発明のレジストパターンの製造方法は、反射防止膜形成用組成物が塗布され、必要に応じ加熱する工程が付加される他は、従来のレジストパターンの形成方法と変わるものではない。レジストとしてポジ型の化学増幅型レジストを用いる場合を例として説明すると、シリコンウェハーなどの基板上にレジストを塗布し、必要に応じプリベーク(例えば、ベーク温度:70〜150℃で1分程度)を行って基板上にレジスト膜を形成した後、レジスト膜上に反射防止膜形成用組成物を最適膜厚となるよう塗布し、必要に応じ加熱して反射防止膜を形成する。これをステッパー(登録商標)などの縮小投影露光機を用いて露光した後、必要に応じ、例えば、ベーク温度:50〜150℃ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、その後現像し、必要であれば現像後ベーク(例えば、ベーク温度:60〜120℃)を行うことによりポジレジストパターンが形成される。
【0102】
本発明における反射防止膜形成用組成物の塗布後の膜厚は、下記式により露光波長に応じ最適膜厚が計算される。
最適膜厚=λ/4n
(式中、λは露光波長を表し、nは反射防止膜の露光波長での屈折率を表す。)
最適膜厚は計算された値そのものを用いても良いし、その値を奇数倍した値を用いても良い。また、反射防止膜形成用組成物の塗布は、スピンコートなど従来知られた任意の塗布方法により塗布することができる。
【0103】
本発明のレジストパターンの製造方法は、基板のインチサイズには関係なく、8インチや12インチ以上の大口径基板上にパターンを形成する際にも好適に適用される。基板としてはシリコン基板が一般的であるが、シリコン上に金属膜や酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素などの酸化膜、窒化膜などの膜を有するものであってもよいことは勿論であるし、また基板材料もシリコンに限られるものでなく、従来LSIなどIC製造の際用いられている基板材料のいずれであってもよい。
【0104】
また、レジストの塗布、レジスト膜および反射防止膜形成用組成物膜のべー久露光方法、現像液、現像方法などは、従来レジストを用いてレジストパターンを形成する際に用いることが知られたもの或いは条件であればいずれのものであってもよい。さらに、露光工程で用いられる露光光源も、紫外線、遠紫外線、X線、電子線など任意のものでよい。
【0105】
[その他添加物]
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、カチオン化高分子を適宜配合してもよい。カチオン化高分子の種類に制限はなく、公知のものを用いればよい。例えば、塩化O − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( トリメチルアンモニオ) プロピル] ヒドロキシエチルセルロース( ライオン社製、商品名、レオガードL P 、ユニオン・カーバイド社製、商品名、ポリマーJ R − 4 00 、東邦化学社製、商品名、カチナールL C − 1 0 0 、L C − 2 0 0 、H C − 1 0 0 、HC − 2 0 0 他) 、塩化O − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] ヒドロキシエチルセルロース( ユニオン・カーバイド社製、商品名、ポリマーL M− 2 0 0 他) 、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のようなカチオン化セルロース、塩化O − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( トリメチルアンモニオ) プロピル] グアガム( 日光ケミカルズ社製、商品名、ジャガーC − 1 3 S 、ヘンケルジャパン社製、商品名、コスメディアグアーC 2 6 1 他) 等のようなカチオン化グアガム、デキストラン塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテル等のようなカチオン化デキストランのように、セルロース誘導体、天然ガム、澱粉、デキストラン等の多糖類をカチオン化して得られるカチオン化多糖; 塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解カゼイン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コラーゲン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − (トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解シルク、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − (トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解ケラチン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 −( トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コムギたん白、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( トリメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コンキオリン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解ケラチン、塩化N −[ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コラーゲン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解シルク、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解カゼイン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コムギたん白、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ステアリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コンキオリン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 −( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解ケラチン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コラーゲン、塩化N − [ 2− ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解シルク、塩化N− [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解カゼイン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コムギたん白、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( ラウリルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コンキオリン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解大豆たん白、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解カゼイン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コラーゲン、塩化N −[ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解シルク、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル]加水分解ケラチン、塩化N − [ 2 − ヒドロキシ− 3 − ( やし油アルキルジメチルアンモニオ) プロピル] 加水分解コンキオリン、などのように加水分解たん白質をカチオン化して得られるカチオン化加水分解たん白;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体( ナルコジャパン製、商品名、マーコート5 5 0 、ライオン社製、商品名、リポフローM N 他) 、β −メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム・アクリルアミド共重合物( 例えばハーキュレス社製レチン2 2 0 ) 、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N , N − ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合物ジエチル硫酸塩、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム( ナルコジャパン製、商品名、マーコート100 、ライオン社製、商品名、リポフローK Y 他) 等のカチオン化ビニル系またはカチオン化アクリル系ポリマー; その他、アジピオン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとの共重合物( 例えばS A N D O Z 社製、商品名、カルテレチンF 4 ) 、ポリエチレンイミン( 日本触媒工業社製、商品名、エポミリP − 1 0 0 ) 、ポリアミンとポリグリコールとの縮合物、アジピオン酸ジメチル− アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、アミノエチルアミノプロピル・メチルポリシロキサン共重合体、およびこれらの混合物が挙げられる。また、日本化粧品原料集2007(日本化粧品工業連合会編集、2007年6月28日)に記載の以下のような化合物があげられる。ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−57、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−68、コロハヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド。
【0106】
上記の中でも、カチオン化ビニル系またはカチオン化アクリル系ポリマー、カチオン化多糖、カチオン化グアガムが好ましく、より好ましくは、カチオン化ビニル系またはアクリル系ポリマーである。
【0107】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、高級アルコールを含有してもよい。例えば炭素数6〜50のアルコールがあげられる。好ましくは炭素数が6〜30で、1価の高級アルコールである。それにより、毛髪処理剤の粘度と感触をより調整しやすくなる。より好ましくは、炭素数が8〜22の高級アルコールであり、さらに好ましくは炭素数14〜18の高級アルコールである。また、高級アルコールとしては、飽和、又は不飽和、直鎖、又は分岐鎖のいずれでもよい。高級アルコールの具体例としては以下のものが挙げられる。カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、並びにこれらの異性体、又はこれらの混合物等が挙げられる。
【0108】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、ポリヒドロキシル化合物を含有してもよい。ポリヒドロキシル化合物としては、以下のものが挙げられる。分子内に水酸基を2個以上有するポリヒドロキシル化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0109】
2価ポリヒドロキシル化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等が挙げられる。
【0110】
3価ポリヒドロキシル化合物としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0111】
4価ポリヒドロキシル化合物としては、ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等が挙げられる。
【0112】
5価ポリヒドロキシル化合物としては、アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等が挙げられる。
【0113】
6価ポリヒドロキシル化合物としては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等が挙げられる。これらの脱水縮合物、各種異性体、及びポリグリセリン等が挙げられる。
【0114】
糖類としては以下のものが挙げられる。
テトロースとしては、エリスロース、スレオース、エリスルロース等が挙げられる。ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等が挙げられる。
【0115】
単糖類としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等が挙げられる。
【0116】
オリゴ糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等が挙げられる。
【0117】
また、その他の糖類、例えばヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類またはそれらを加水分解したものでもよい。
【0118】
好ましくは2価ポリヒドロシキル化合物である。これらポリヒドロキシル化合物は2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、アニオン系界面活性剤を含有しても良い。アニオン系界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアリールエーテル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアミド硫酸およびその塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等のアシルエステル硫酸およびその塩;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸およびその塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸およびその塩;アルキルナフタレンスルホン酸およびその塩;ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物等のホルマリン縮合系スルホン酸およびその塩;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸2ナトリウム等のスルホコハク酸およびその塩;ドデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸カリウム、デトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸およびその塩;α−スルホラウリン酸メチルエステル、α−スルホミリスチン酸メチルエステル、α−スルホラウリン酸(EO)nメチルエステル等のα−スルホ脂肪酸エステルおよびその塩;ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリンカリウム、ラウロイル−Nメチルタウリンナトリウム、ラウロイル−Nメチルタウリンカリウム、ラウロイル−Nメチルタウリントリエタノールアミン、ミリストイル−Nメチルタウリンナトリウム、ミリストイル−Nメチルタウリントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリントリエタンールアミン等のN−アシルメチル−タウリンおよびその塩;ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸ナトリウム等のアシルイセチオン酸およびその塩;アルキルスルホ酢酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸およびその塩;アルキルアリールエーテルリン酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルアミドエーテルリン酸ナトリウム等の脂肪酸アミドエーテルリン酸およびその塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸リン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸カリウム、ラウリルリン酸トリエタノールアミン、オレイルリン酸ジエタノールアミン等のアルキルリン酸およびその塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸カリウム、N−ミリストイルグルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタンールアミン、N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N−ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸ナトリウム、N−ラウロイルアスパラギン酸カリウム、N−ミリストイルアスパラギン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸カリウム、N−ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸トリエタンールアミン、N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ミリストイルグリシントリエタノールアミン、N−ラウロイル−β−アラニンカリウム、N−ラウロイルスレオニントリエタノールアミン、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン等のN−アシルアミノ酸およびその塩などのアミノ酸系界面活性剤;ラウロイルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸ジナトリウム、パーム核脂肪酸イミノジ酢酸ナトリウム等のアシルイミノジ酢酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル酢酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリグリセリルラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸およびその塩;ヤシ油脂肪酸シルクペプチド等のアシル化ペプチド;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテルカルボン酸トリエタノールアミン等のアミドエーテルカルボン酸およびその塩;アシル乳酸塩;アルケニルコハク酸およびその塩等。
【0119】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、非イオン系界面活性剤を含有しても良い。非イオン系界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
【0120】
POE(ポリオキシエチレン)オクチルエーテル、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチル(2−エチル−ヘキシル)エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;POE・POP(ポリオキシプロピレン)ブチルエーテル、POE・POEラウリルエーテル、POE・POPセチルエーテルPOE・POPグリコール等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール型;POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEクロロフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフトールエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;POE硬化ひまし油エーテル、POEひまし油エーテル;その他POEラノリンアルコールエーテル、POEフィトステロール等のエーテル系;モノステアリン酸POEグリセリル、オレイン酸POEグリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ヘキサステアリン酸POEソルビトール、テトラステアリン酸POEソルビトール、テトラオレイン酸POEソルビトール、モノラウリン酸POEソルビトール等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウリン酸、ポリエチレングリコールモノステアリン酸、ポリエチレングリコールモノオレイン酸、ポリエチレングリコールジステアリン酸、ポリエチレングリコールジオレイン酸、ポリエチレングリコールジイソステアリン酸等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;その他ポリエチレングリコールラノリン脂肪酸エステル等のエーテルエステル系;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸エチレングリコール等のエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸ペンタエリスリトール、モノオレイン酸ペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル;マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキル(ポリ)グルコシド、シュガーエステル等の糖誘導体;α−モノイソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;アセチル−モノグリ、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド等の有機酸モノグリセリド;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ミリストイルモノエタノールアミド、ラウロイルジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウロイルイソプロパノールアミド、ミリストイルイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、POEラウロイルモノエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;POEラウリルアミン、POEステアリルアミン等のPOEアルキルアミン;ラウリルジメチルアミンオキサイド、ココジメチルアミンオキサイド、ココアミドプロピルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド等が挙げられる。
【0121】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、両性界面活性剤を含有しても良い。両性界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
【0122】
ラウリルジメチルベタイン、ミリスチルジメチルベタイン、パルミチルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、オレイルジメチルベタイン、ヤシ油アルキルジメチルベタイン、ラウリルメチルエチルベタイン、オクタデシルオキシメチルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油アルキルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン等のカルボキシベタイン型;RN+2CH2COO-(R:アルキル)で示されるラウリルグリシン、ステアリルグリシン等のグリシン型;RN+2CH2CH2COO-(R:アルキル)で示されるラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン等のアミノプロピオン酸型;ラウリルジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン、ミリスチルジメチルヒドロキシプロピリルスルホベタイン、ラウリルジメチルプロピルスルホベタイン、ヤシ油アルキルジメチルプロピルスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン型;RN+2CH2CH2SO3-(R:アルキル)で示されるスルホン酸型;RN+2CH2CH2OSO3-(R:アルキル)で示される硫酸型;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N´−ジカルボキシエチル−エチレンジアミン2ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N´−カルボキシエチル−エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N´−カルボキシメチル−N´−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ脂肪酸アシル−N´−カルボキシエチル−N´−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N´−ジカルボキシメチル−エチレンジアミン2ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N´−カルボキシメチル−エチレンジアミンナトリウム、N−ヒドロキシドデシル−N−ポリオキシエチレン−N´−カルボキシエチル−N´−ポリオキシエチレンエチレンジアミンナトリウム等のアミノカルボン酸塩型;2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ステアリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型;RN+2CH(CH3)P(OH)O2-(R:アルキル)で示されるリン酸型;レシチン等。
【0123】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤としては、特に限定させるものでないが、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸及びチオ硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0124】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の他、キレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、金属捕獲作用があれば特に限定されないが、コンプレキサン、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウム、エデト酸、エデト酸2ナトリウム、エデト酸2ナトリウムカルシウム、エデト酸3ナトリウム、エデト酸4ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0125】
この中でも特に好ましいキレート剤としては、アラニン、エデト酸2ナトリウム、エデト酸2ナトリウムカルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等を挙げられる。
【実施例】
【0126】
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0127】
[実施例1]
AZエレクトロニックマテリアルズ社製反射防止膜Az KrF − 17B (“AZ’は登録商標、以下同じ)を東京エレクトロン社製スピンコーターにより8インチシリコンウェハーに回転塗布し、190℃、90秒間ホットプレートにてベークを行い、soo・の膜が得られるように調整した。膜厚はプロメトリスク社製膜厚測定装置にて測定した。次にAZエレクトロニックマテリアルズ社製レジストAZDX6270P(ポリスチレンを骨格としたポリマーを含む248nm露光用化学増幅型レジスト)を、得られた反射防止膜上に回転塗布し、125℃、90秒間ホットプレートにてベークを行い、0.67μmのレジスト膜が得られるように調整した。そしてキヤノン社製縮小投影露光装置FPA3000EX5(波長248nm)にて、Quadropoleを使用し露光した。露光後、ホットプレートにて130℃、90秒間ベークを行い、AZエレクトロニックマテリアルズ社製現像液AZ 300MIFデベロッパー(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いパドル現像(23℃、1分間)した。次いで、純水でリンス処理を行い、乾燥処理をせずにそのまま表1に記載されたレジスト基板用処理液に15秒間浸漬した後、さらに純水によりリンス処理を行い、150nmの1:1ラインアンドスペースパターンを得た。
【0128】
[比較例1]
AZエレクトロニックマテリアルズ社製反射防止膜Az KrF − 17B (“AZ’は登録商標、以下同じ)を東京エレクトロン社製スピンコーターにより8インチシリコンウェハーに回転塗布し、190℃、90秒間ホットプレートにてベークを行い、soo・の膜が得られるように調整した。膜厚はプロメトリスク社製膜厚測定装置にて測定した。次にAZエレクトロニックマテリアルズ社製レジストAZDX6270P(ポリスチレンを骨格としたポリマーを含む248nm露光用化学増幅型レジスト)を、得られた反射防止膜上に回転塗布し、125℃、90秒間ホットプレートにてベークを行い、0.67μmのレジスト膜が得られるように調整した。そしてキヤノン社製縮小投影露光装置FPA3000EX5(波長248nm)にて、Quadropoleを使用し露光した。露光後、ホットプレートにて130℃、90秒間ベークを行い、AZエレクトロニックマテリアルズ社製現像液AZ 300MIFデベロッパー(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いパドル現像(23℃、1分間)した。次いで、純水でリンス処理を行い、スピン乾燥し、150nmの1:1ラインアンドスペースパターンを得た。
【0129】
実施例1及び比較例1について、パターンラフネスの評価、パターン倒れの評価及びパターン表面の再付着異物の評価を行なった。
【0130】
パターンラフネスの評価
得られたレジスト基板の表面をCD−SEM S−9200により観察し、パターンラフネスを評価した。LWR(Line Width Roughness)およびLER(Line Edge Roughness)のそれぞれについて、評価基準を以下のようにして評価した。
○:比較例に対して2nm以上改良された
△:比較例に対して±2nm以内
×:比較例に対して2nm以上劣化した
結果を表1に示す。
【0131】
パターン倒れの評価
得られたレジスト基板についてCD−SEM S−9200(株式会社日立製作所製)により観察し、30mJの露光量で露光したときのパターン倒れ状況を、以下の評価基準に従って評価した。
○:ラインパターンの倒れ無し
△:ラインパターン1本の倒れが有り
×:ラインパターン2本以上の倒れが有り
結果を表1に示す。
【0132】
パターン表面の再付着異物の評価
得られたレジスト基板について、欠陥検査装置KLA2 115 (KLA−Tencor社製)により観察し、パターン表面に再付着した異物を評価した。得られた結果は表1に示すとおりであった。
【0133】
【表1】

【0134】
(注1)旭化成ケミカルズ(株)「ペリセア L−30」(29%)
表1に示すとおり、実施例1で得られたパターンは比較例1で得られたパターンと比べ、パターンラフネスがよくパターン倒れも確認されなかった。また再付着異物もないことが確認された。
【0135】
[実施例2、比較例2]
実施例2及び比較例2について、以下に示すように評価を行なった。
シリコン基板にレジスト組成物DX 6270P(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製ポジ型レジスト)をスピンコートにより塗布し、125℃で90秒間加熱して、膜厚0.5μmのレジスト膜を得た。このレジスト塗膜にFPA−3000EX5型ステッパー(キヤノン株式会社製)を用いて、300nm幅の1:1トレンチパターンを露光した。次いで、130℃で90秒ポストエクスポージャーベーク(FEB) した後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で60秒パドル現像し、純水で15秒間リンス処理を行った後、処理液に時間を変化させて浸漬し、さらに純水で15秒間リンス処理を行い、回転乾燥により30秒間乾燥させ、さらに自然乾燥させた。
【0136】
処理液には、それぞれ表2に記載された化合物を含む0.1重量%濃度の水溶液を用い、処理液に浸漬する時間は15、30、60、120、300,および600秒とした。
評価は、処理液に接触させなかった場合のパターン幅と、処理液に接触させた場今のパターン幅とをそれぞれ日立製作所社製高精度外観寸法評価装置(S−9200)にて測定し、変化量(単位:A)を得た。得られた結果は表2に示すとおりであった。
【0137】
【表2】

【0138】
(注1)竹本油脂(株)「パイオニンA−32−FW」
(注2)旭化成ケミカルズ(株)「ペリセア L−30」(29%)
表2に示すとおり、実施例2で得られたパターンは比較例2で得られたパターンと比べ、パターン幅の変化量が大きいことが確認された。
【0139】
[実施例3、比較例3]
実施例3及び比較例3について、以下に示すように評価を行なった。
前記一般式(1)で表される化合物としてジラウロイルグルタミン酸リシンNa(旭化成ケミカルズ(株)「ペリセア L−30」(29%))を用い、重合体としてパーフルオロオクタンスルホン酸を用い、各々水溶液としてモル比が1:0.4となるように混ぜ合わせた。また、水溶性ポリマーとして、ポリビニルピロリドンを用いた。前記水溶液を固形換算で2.8質量部、ポリビニルピロリドン0.7質量部、純水をトータルで96.5質量部となるよう加え、室温で均一に溶解させた後、0.03μmの高密度ポリエチレンフィルターを通して濾過して反射防止膜形成用組成物を得た。
【0140】
ESCAP (Environmenta1Stable Chemica1Amplified Photoresist)系のポリマーからなるポジ型レジスト、AZ DNC−5(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製;rAZlは登録商標)を、東京エレクトロン社製スピンコーター、Mark8にてシリコンウェハーに塗布し、130℃、60秒間ホットプレートにてプリベー夕を行い、シリコンウェハー上に800nmのレジスト膜を形成した。膜厚は、プロメトリック社製膜厚測定装置SM300を用いて測定した。次いで、上記反射防止膜形成用組成物を上記と同じスピンコーターを用いてレジスト膜上に塗布し、90℃、60秒間ホットプレートにてプリベークを行い、レジスト膜上に膜厚450Aの反射防止膜を形成した。その際、上記反射防止膜形成用組成物の滴下量を分注器を用いて塗布し、目視にてウェハー上のエッジ部分にまでに塗布膜がきれいに行き届く最少量を最少滴下量とした。結果を表3に示す。
【0141】
比較例3として、前記一般式(1)の化合物を用いないこと以外は実施例3と同様にして、反射防止膜形成組成物の最少滴下量を測定した。結果を表3に示す。
【0142】
【表3】

【0143】
上記表3から明らかなように、前記一般式(1)で表される化合物を含有させることにより、材料の低塗布量化できる。これは濡れ性が向上することによるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0144】
リンス液として用いることにより、パターン表面に残留または再付着する異物、パターン倒れ、およびパターンラフネスの問題を同時に解決することができるリソグラフィー材料およびレジストパターンの製造方法を提供することが可能である。
シュリンク剤として用いることによりレジストパターンを微細化できるリソグラフィー材料及びレジストパターンの製造方法を提供できる。
反射防止膜形成用組成物として用いることにより、低塗布量化を実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする、リソグラフィー材料。
【化1】

(上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
【請求項2】
前記一般式(1)が下記一般式(2)で示される化合物である、請求項1に記載のリソグラフィー材料。
【化2】

(上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素または炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素、または炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。)
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリソグラフィー材料を用いたレジスト基板処理液。
【請求項4】
リンス液として用いられる請求項3に記載のレジスト基板処理液。
【請求項5】
シュリンク剤として用いられる請求項3に記載のレジスト基板処理液。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のリソグラフィー材料を用いたパターン形成材料。
【請求項7】
反射防止膜形成用組成物として用いられる請求項6に記載のパターン形成材料。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のリソグラフィー材料を用いるレジストパターンの製造方法。

【公開番号】特開2012−145968(P2012−145968A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−106407(P2012−106407)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】