説明

リソグラフ投影装置、パージガス供給システムおよびガスパージ

【課題】リソグラフ投影工程に使用される化学物質の活性に悪影響を与えないパージガスを提供する。
【解決手段】リソグラフ投影装置は、投影システムおよび放射システム中、反射器、および反射要素等の部品の表面近くにパージガスを供給するように構成されたパージガス供給システム100を有する。パージガス供給システム100は、少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生するように構成されたパージガス混合物発生器120を含む。パージガス混合物発生器は、パージガスに水分を加えるように構成された加湿器150と、パージガス混合物発生器120に接続されパージガス混合物を表面近くに供給するように構成されたパージガス混合物出口130とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月21日出願の米国特許出願第10/623,180号の一部継続出願である。上記出願の全ての教示は参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
一般に、リソグラフ投影装置に存在する部品の表面は、大部分の装置が真空中で運転されていても、使用する間に汚染される。特に、リソグラフ投影装置中のミラーなどの光学部品の汚染は、それらの汚染が光学部品の光学特性に影響するので、装置の性能に悪影響を与える。
【0003】
リソグラフ投影装置の光学部品の汚染は、それらの部品が配置されたリソグラフ投影装置の空間をパージガスと呼ばれる超高純度ガスでパージすることによって低減できることが知られている。パージガスは表面の汚染、例えば炭化水素による分子汚染を防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この方法の欠点は、パージガスがリソグラフ投影工程に使用される化学物質の活性に悪影響を与え得ることである。したがって、リソグラフ工程に使用される化学物質の活性に悪影響を与えない改変されたパージガスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある種の感放射線材料(レジスト)、特に紫外線に感受性のあるレジストおよびアセタール系フォトレジストは、パージガスを含む環境中で適切に機能せず、これらのレジストは現像するのに例えば水蒸気などの水分を必要とすることが見出された。しかし、水分は知られたフォトリソグラフ法に使用されるパージガス中には存在しない。したがって、これらの種類のレジスト用の知られたパージガス供給システムは適していない。さらに、パージガスはリソグラフ投影装置中に存在する干渉計などの測定装置の性能に影響を及ぼすことがある。水分がないために、パージガスは屈折率に影響を与え、それによって干渉測定の結果も変化することが見出された。さらに、膜接触器など、パージガスが液状の水に接触しない装置がパージガスに水分を加えるのに有用であることが見出された。特に、溶融過フッ化プラスチック製の膜接触器は、1兆分の1部を超えない汚染で、高い流量でパージガスに水分を与えることができる。
【0006】
本発明の一態様は改善されたリソグラフ投影装置、特にレジストの現像に影響を与えることなくパージガスで汚染を低減できるリソグラフ投影装置を提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、リソグラフ投影装置は、放射線の投影ビームを提供するように構成された照明器およびパターン形成装置を支持するように構成された支持構造を含む。パターン形成装置は所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように構成される。基板テーブルは基板を保持するように構成される。投影システムはパターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するように構成される。少なくとも1つのパージガス供給システムはリソグラフ投影装置の少なくとも一部にパージガスを提供するように構成される。パージガス混合物発生器を有する少なくとも1つのパージガス供給システムは、パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を含む。パージガス混合物発生器はパージガス混合物を発生するように構成される。パージガス混合物は少なくとも1種のパージガスと水分を含む。パージガス混合物出口がパージガス混合物発生器に接続され、パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給するように構成される。したがって、水分が存在し、化学物質の活性、例えばレジストの現像はパージガスによって影響を受けない。
【0008】
さらに本発明の他の態様によれば、パージガス供給システムは、パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を備え、少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生するように構成されたパージガス混合物発生器と、パージガス出口とを含む。一実施例において、パージガス出口はパージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給するように構成される。
【0009】
好ましい実施形態において、パージガス混合物供給システムは、パージガス源と、水源と、パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を有するパージガス混合物発生器とを含む。場合によって、供給システムは水が加湿器中で、または流入する前に加熱されるように、水の加熱装置も含む。
【0010】
パージガス供給システムおよびリソグラフ保護装置用の加湿器は、パージガス流を含む第1の領域と水を含む第2の領域を含み、第1および第2の領域は、実質的に液体の侵入に対して抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されていることが好ましい。さらに好ましくは、加湿器は、
(a)膜が外部表面および内部表面を有し、該内部表面が管孔を含む、第1の端部と第2の端部を有する複数の過フッ化ガス透過性熱可塑性中空繊維膜からなる束を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着されて、該繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する一体化された端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、該内壁が内壁と中空繊維膜の間の流体の流れの容積を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続され、
パージガス混合物は少なくとも1種のパージガスと水分を含む。
【0011】
本発明の他の態様によれば、パージガスを加湿する方法は、パージガスの加湿に十分な時間パージガスを上述の加湿器に通すことを含む。特別の実施形態において、加湿されたパージガスはリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給される。この方法は、水分をパージガスに加えることによって少なくとも1種のパージガスと水分を有するパージガス混合物を発生させ、パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給することを含み、パージガス混合物はパージガスと水分を含む。したがって、リソグラフ投影装置中で使用される化学物質はパージガスによって影響を受けない。
【0012】
さらに本発明の他の態様によれば、装置の製造方法は、少なくとも部分的に感放射線材料で被覆された基板を提供すること、上述の方法を基板の少なくとも一部に適用すること、パターン化された放射線の投影ビームを提供すること、パターン化された放射線の投影ビームを感放射線材料層の目標部分に投影すること、パージガス混合物を装置製造方法に使用される部品の表面近くに供給することとを含む。
【0013】
さらに本発明の詳細、および態様と実施形態を、添付図面を参照して例示の形で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるリソグラフ投影装置の一実施形態の実施例を示す概要図である。
【図2】本発明によるリソグラフ投影装置のEUV照明システムおよび投影光学システムの側面図である。
【図3】本発明によるパージガス供給システムの実施例の回路図を示す概要図である。
【図4】図3の実施例に使用するのに適した加湿装置を示す概要図である。
【図5】図3の実施例に使用するためのさらに好ましい中空繊維膜加湿器を示す図である。
【図6】実施例1に使用される膜接触器試験マニホルドを示す図である。
【図7】超清浄乾燥空気(XCDA)のガスクロマトグラフ/火炎イオン化検出器(GC/FID)読み取りを示す図である。
【図8】実施例1に説明した加湿器を通したXCDAのGC/FID読み取りを示す図である。
【図9】XCDAのガスクロマトグラフ/パルス火炎光度検出器(GC/PFPD)読み取りを示す図である
【図10】実施例1に説明した加湿器を通したXCDAのGC/PFPD読み取りを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、パージガスを加湿する装置と方法の両方を提供する。それらの加湿されたパージガスは、リソグラフシステムに特に有益であるが、それらの用途はそれらのシステムに制限されない。本発明の方法によるシステムへの水の導入は、パージガスを汚染することのある水の導入方法を回避する。
【0016】
本明細書に用いられる用語「パターン形成装置」は、基板の目標部分に作製すべきパターンに一致するパターン形成された断面を入射放射線ビームに与えるために使用することのできる装置を指すものと広く解釈すべきである。用語「光バルブ」をこの意味で使用することができる。一般に、パターンは集積回路または他のデバイス(以下を参照)など、目標部分に作製されるデバイスの特殊な機能層に対応させることができる。それらのパターン形成装置の実施例はマスクである。マスクの概念はリソグラフでは良く知られており、バイナリー、交互フェーズシフト、および減衰フェーズシフト、ならびに様々な混成マスクの種類を含む。それらのマスクを放射線ビーム中に置くと、マスク上のパターンに応じて、マスクに入射する放射線の選択的な透過(透過型マスクの場合)または反射(反射型マスクの場合)が起きる。マスクの場合、支持構造は一般にマスクテーブルであり、マスクを入射放射線ビームの所望の位置に確実に保持し、かつ、望むならば、ビームに対してそれを動かすことができる。
【0017】
パターン形成装置の他の実施例はプログラム可能なミラーアレイである。それらのアレイの一実施例は、粘弾性制御層および反射表面を有するマトリックスアドレス可能な表面である。それらの装置の背後にある基本原理は、例えば、アドレスされた反射表面の領域は入射光を回折光として反射し、アドレスされない領域は入射光を非回折光として反射することである。適切なフィルタを用いて、非回折光を反射ビームから濾波し、回折光だけを後に残すことができる。このようにして、ビームはマトリックスアドレス可能な表面のアドレスされるパターンに従ってパターン化される。プログラム可能なミラーアレイの代替の実施形態は、微小ミラーのマトリックス配置を使用し、その各々は適切な局在化された電場を印加することによって、またはピエゾ電子アクチュエータを使用することによって、個別に軸の回りに偏向することができる。ここでも、アドレスされたミラーが、入射放射線ビームをアドレスされないミラーの方へ異なる方向に反射するように、ミラーはマトリックスアドレス可能である。このようにして、反射されたビームはアドレスされるマトリックスアドレス可能なミラーのアドレスされるパターンに従ってパターン形成される。必要なマトリックスアドレスは適切な電子機器を用いて行うことができる。上述の状況の両方において、パターン形成装置は1個または複数のプログラム可能なミラーアレイを備えることができる。本明細書に参照されるミラーアレイについてのさらなる情報は、例えば、米国特許第5,296,891号、第5,523,193号、およびPCT国際公開第WO98/38597号および第WO98/33096号に見ることができる。プログラム可能なミラーアレイの場合、支持構造はフレームまたはテーブルとして実施し、例えば必要に応じ固定または可動にすることができる。
【0018】
パターン形成装置の他の実施例は、プログラム可能なLCDアレイである。それらの構造の実施例は米国特許第5,229,872号に与えられている。上記のように、この場合の支持構造はフレームまたはテーブルとして実施し、例えば必要に応じて固定または可動にすることができる。
【0019】
簡略化のため、本明細書の残りはそれ自体、いくつかの場所で、特にマスクおよびマスクテーブルなどのリソグラフ装置を含む実施例を対象とすることがある。しかし、それらの場合に議論される一般的な原理は、本明細書に説明される加湿されたパージガス発生器の広い意味に見るべきである。
【0020】
リソグラフ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。それらの場合、パターン形成装置はICの個別の層に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンは、感放射線材料(レジスト)の層で被覆された基板の目標部分(例えば1個または複数のダイを含む)上に像形成することができる。一般に、単一ウェーハは一時に一回投影システムによって逐次的に照射される、隣接する目標部分の全体のネットワークを含むであろう。マスクテーブル上のマスクによるパターン形成を用いる現在の装置では、2種の異なる種類の装置に区別することができる。リソグラフ投影装置の一種において、各目標部分はマスクパターン全体を目標部分に一回で露出することによって照射される。それらの装置は通常ウェーハステッパと呼ばれる。通常ステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替の装置では、マスクパターンを投影ビームの下で所与の参照方向(「走査」方向)に漸進的に走査し、基板テーブルはこの方向と平行または非平行に同期走査することによって各目標部分が照射される。一般に、投影システムは倍率M(一般に<1)を有し、基板テーブルが走査される速度Vは係数Mにマスク走査時間を乗じたものである。本明細書に説明するリソグラフ装置についてのさらなる情報は、例えば米国特許第6,046,792号に見ることができる。
【0021】
リソグラフ投影装置を用いる、知られた製造工程において、パターン(例えばマスク中の)は、少なくとも部分的に感放射線材料(レジスト)層で被覆された基板上に像形成される。この像形成の前に、基板は下塗り、レジストコーティング、およびソフトベークなどの様々な工程を行うことができる。露出の後、基板は露光後ベーク(PEB)、現像、硬化ベーク、および像形成されたフィーチャーの測定/検査など、他の工程を行うことができる。この一連の工程は、例えばICなどのデバイスの個々の層をパターン形成する基本として用いられる。それらのパターン形成された層は、次いで、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学的機械的研磨等の様々な工程を行うことができ、全て個々の層を完成させるためである。いくつかの層が必要であれば、全体の工程またはその変形を新しい各層に繰り返さなければならない。様々な積み重ね層の被覆層(隣設位置)はできる限り正確にすることが重要である。この目的のために、小さな参照マークをウェーハの1箇所または複数箇所に設け、ウェーハ上の座標系の原点を画定する。基板保持具位置決め装置(以降「位置決めシステム」と呼ぶ)とともに光学および電子装置を用いて、このマークは既存の層の上に新しい層が隣設される度に再配置することができ、位置決め参照として使用することができる。最終的に、デバイスの一連のアレイが基板(ウェーハ)上に存在するであろう。次いで、これらのデバイスは、ダイシングまたは鋸ひきなどの技術によって互いに分離され、それによって個々のデバイスはキャリアへの搭載やピンとの接続等を行うことができる。それらの工程に関するさらに他の情報は、例えば、Peter van Zantによる「Microchip Fabrication:A practical Guide to Semiconductor Processing」、Third Edition、McGraw Hill Publishing Co.,1997、ISBN 0−07−067250−4から得ることができる。
【0022】
簡略化のために、投影システムは本明細書では以降「レンズ」と呼ぶことがある。しかし、この用語は、例えば、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システムを含んで、様々な種類の投影システムを包含するものと広く解釈すべきである。また、放射システムも、放射線のビームを導き、成形し、または制御するためのこれらの設計に応じて動作する部品を含むことがあり、それらの部品は、本明細書において、以降、集合的なまたは単一の「レンズ」と呼ぶことがある。さらに、リソグラフ装置は2個またはそれ以上の基板テーブル(および/または2個またはそれ以上のマスクテーブル)を有する種類とすることができる。それらの「多段」装置において、追加のテーブルは、1個または他のテーブルが露出のために使用されている間に、1個または複数のテーブル上で並列ステップまたは準備ステップの実施に使用することができる。2段リソグラフ装置は、例えば、米国特許第5,969,441号および国際公開第WO98/40791号に説明されている。
【0023】
本明細書において、本発明による装置はIC製造における使用に特定して参照されるが、それらの装置は多くの他の可能な用途があることを明確に理解すべきである。例えば、それは、一体化された光学システムの製造、磁気ドメインメモリーの案内パターンおよび検出パターン、液晶表示パネル、薄膜磁気ヘッド等に使用することができる。当業者であれば、それらの代替の用途の内容において、本明細書の用語「レチクル」、「ウェーハ」または「ダイ」は、いずれもそれぞれより一般的な用語「マスク」、「基板」、および「目標部分」に置き換えて考えるべきであることを理解するであろう。
【0024】
本文書において、用語「放射線」および「ビーム」は、紫外(UV)放射線(例えば波長365、248、193、157、または126nm)、および超紫外(EUV)放射線(例えば、5〜20nmの波長範囲を有する)、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含んで、全ての種類の電磁気放射線を包含して使用される。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフ投影装置1の概要を示す。装置1はベースプレートBPを含む。また、装置は放射線源LA(例えば、EITV放射線)を含むことができる。第1対象物(マスク)テーブルMTにはマスクMA(例えばレチクル)を保持するように構成されたマスク保持具が設けられ、投影システムまたはレンズPLに対してマスクを正確に位置決めする第1位置決め装置PMに接続される。第2対象物(基板)テーブルWTには基板W(例えばレジストで被覆されたシリコンウェーハ)を保持するように構成された基板保持具が設けられ、投影システムPLに対して基板を正確に位置決めする第2位置決め装置PWに接続される。投影システムまたはレンズPL(例えばミラー群)は、マスクMAの照射された部分を基板Wの目標部分C(例えば1個または複数のダイを含む)上に像形成するように構成される。
【0026】
ここで図示されるように、装置は反射式(すなわち反射マスクを有する)である。しかし、一般に、例えば透過型マスクを備える透過式とすることもできる。代りに、装置は、上で参照した種類のプログラム可能なミラーアレイなど、他の種類のパターン形成装置を使用することができる。
【0027】
線源LA(例えば、放電またはレーザ誘起プラズマ源)は放射線を発生する。この放射線は、直接または例えばビーム伸張器などの調整装置を横断した後、照明システム(照明器)ILに供給される。照明器ILは、ビーム強度分布の外方および/または内方半径広がり(通常それぞれ外方σおよび内方σと呼ばれる)を設定する調節装置AMを含むことができる。さらに、それはインテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の部品を含むであろう。このようにして、マスクMAに入射するビームPBは、その断面に望ましい均一性と強度分布を有する。
【0028】
図1に関して、線源LAは、しばしば線源LAが水銀ランプであるときの場合のように、例えばリソグラフ投影装置内にあることができるが、リソグラフ投影装置から離れることもできる。その発生する放射線は装置に導かれる。この後者のモデルは多くは線源LAがエキシマレーザの場合である。本発明はこれらのモデルの両方を含む。
【0029】
ビームPBは続いてマスクテーブルMT上に保持されたマスクMAで遮断される。マスクMAを横断したビームPBは、基板Wの目標部分C上にビームPBを合焦させるレンズPLを通過する。第2位置決め装置PWと干渉計IFによって、基板テーブルWTは、例えばビームPBの通路の異なる目標部分Cを位置決めするために正確に動くことができる。同様に、例えばマスクライブラリーからマスクMAを機械的に検索した後、または走査中に、第1位置決め装置PMを用いてビームPBの通路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、対象物テーブルMT、WTの動きは、長行程モジュール(粗い位置決め)および短行程モジュール(精密位置決め)によって実現されるが、図1には明確には示されていない。しかし、ウェーハステッパの場合(ステップアンドスキャン装置とは逆に)、マスクテーブルMTは短行程アクチュエータだけに接続することができ、あるいは固定することができる。マスクMAおよび基板Wはマスク配列マークM、Mおよび基板配列マークP、Pを用いて位置決めすることができる。
【0030】
示した装置は2つの異なるモードで用いることができる。
【0031】
(1)ステップモードにおいて、マスクテーブルMTは本質的に静止状態に保たれ、マスク像全体は目標部分C上に一回で、すなわち単一「露光」で投影される。次いで、基板テーブルWTはXおよび/またはY方向にシフトするので、異なる目標部分CをビームPBで照射することができる。
【0032】
(2)走査モードにおいて、所与の目標部分Cが単一「露光」で露出されないこと以外は本質的に同じモデルが適用される。代りに、マスクテーブルMTは速度vで所与の方向(いわゆる「走査方向」、例えばY方向)へ動くことが可能であり、投影ビームPBはマスク像を走査する。併行して、基板テーブルWTは同時に速度V=Mvで同じまたは反対方向へ動く。式中、MはレンズPLの倍率(典型的にM=1/4または1/5)である。このようにして、解像度に妥協することなく比較的大きな目標部分Cを露出することができる。
【0033】
図2は、図1のリソグラフ投影装置1に用いることのできる投影システムPLと放射システム2を示す。放射システム2は照明光学ユニット4を含む。また、放射システム2は、線源コレクタモジュールまたは放射ユニット3を備える。放射ユニット3には放電プラズマによって形成することのできる放射線源LAが設けられる。放射線源LAは、XeガスまたはLi蒸気などのガスまたは蒸気を使用することができ、非常に熱いプラズマを形成してEUV範囲の電磁気スペクトルの放射線を放出することができる。非常に熱いプラズマは、部分的にイオン化された電気的放電プラズマを光学軸0上へ減衰させることによって形成される。十分な放射線を発生するためには、Xe、Li蒸気または他の適切なガスまたは蒸気は0.1ミリバールの分圧が必要である。放射線源LAによって放出された放射線は、線源チャンバー7からガス遮断構造または「フォイルトラップ」9を経て、コレクタチャンバー8を通過する。ガス遮断構造9は、例えば欧州特許第1233468A号および欧州特許第1057079A号に詳細が説明されているものなどのチャンネル構造を含む。
【0034】
コレクタチャンバー8は放射線コレクタ10を備え、これはグレージング入射コレクタとすることができる。コレクタ10を通過した放射線は格子スペクトルフィルタ11を反射し、コレクタチャンバー8の開口の仮想線源点12に合焦する。投影ビーム16は、チャンバー8から、照明光学ユニット4中で直角入射反射器13および14によって反射し、レチクルまたはマスクテーブルMT上に配置されたレチクルまたはマスク上に至る。パターン形成されたビーム17が形成され、投影システムPL中で、反射要素18および19によってウェーハステージまたは基板テーブルWT上に像形成される。一般に、図示した要素よりも多くの要素が照明光学システム4および投影システムPLに存在することができる。
【0035】
図2に示すように、リソグラフ投影装置1は、パージガス供給システム100を含む。パージガス供給システム100のパージガス出口130〜133は、図2に示すように、投影システムPLおよび放射システム2中、反射器13と14、および反射要素18と19の近くに配置される。しかし、望むならば、装置の他の部分に同様にパージガス供給システムを設けることもできる。例えば、リソグラフ投影装置のレチクルおよび1個または複数のセンサーにパージガス供給システムを設けることができる。
【0036】
図1および2において、パージガス供給システム100はリソグラフ投影装置1の内部に配置される。パージガス供給システム100は、装置1の外部の任意の装置を用いて、特定の実施に適した任意の方法で制御することができる。しかし、同様に、パージガス供給システム100の少なくともいくつかの部分、例えばパージガス混合物発生器120をリソグラフ投影装置1の外部に配置することができる。
【0037】
図3は、パージガス供給システム100の例示的実施例を示す。パージガス入口110は、実質的に水分のない乾燥ガスを供給するパージガス供給装置(示されていない)、例えば加圧ガス供給回路、圧縮乾燥空気他を有するシリンダーに接続される。乾燥ガスはパージガス混合物発生器120を経由して供給される。以下で説明するように、乾燥ガスはパージガス混合物発生器120中でさらに精製される。さらに、パージガス混合物発生器120は、パージガス出口130へ向けて乾燥ガスに水分を加える加湿器150を含む。他のパージガス出口131および132は加湿器150に接続されていない。したがって、パージガス出口130で、パージガスと水分を含むパージガス混合物が存在し、他のパージガス出口131および132では乾燥パージガスだけが存在する。それによって、パージガス混合物はウェーハテーブルWTなど水分の必要な化学物質が提供される表面近くでのみ供給することができ、リソグラフ投影装置1の他の部分には乾燥パージガス、すなわち水分のないバージガスを供給することができる。いずれにしても、本発明は、1個だけの発生器の出口がパージガス混合物を供給するパージガス混合物発生器に制限されない。
【0038】
さらに、水分がパージガスに加えられるので、相対湿度または水分の純度などのパージガス混合物の特性を良好な精度で制御することができる。また、加湿器のためにシステムは柔軟性があり、パージガスに多くまたは少なく水分を加えることによって、加湿器はパージガス混合物中に存在する水分の量を容易に調節することができる。
【0039】
パージガス混合物発生器120は、流れの方向に、精製装置128、流量計127、弁125、減衰器129、熱交換機126および加湿器150を含む。
【0040】
CDA源(示されていない)からの圧縮空気(CDA)はパージガス入口110を経由して精製装置128に供給される。CDAは精製器128によって精製される。精製器128は2個の平行流分岐128Aおよび128Bを含み、各々、流れの方向に、自動弁1281もしくは1282および再生可能な精製装置1283もしくは1284を含む。再生可能な精製装置1283および1284には、各々加熱するための加熱要素が設けられ、それによってそれぞれの精製装置1283および1284が再生される。流れ分岐は精製装置1283および1284の下流で純度センサー1286によって制御される遮断弁1285に接続される。
【0041】
精製器は再生可能であるので、システムがパージガスから除去された化合物で飽和された場合、精製器を再生することによって長期間使用することができる。再生可能な精製器は、例えば活性炭フィルタで行われる非再生可能な化学的工程とは対照的に、例えば、吸着、触媒等などの物理工程によって汚染化合物または粒子をガスから除去する任意の適したタイプとすることができる。一般に、再生可能な精製器は有機材料を含まず、再生可能な精製器は、ゼオライト、チタン酸化物、ガリウムまたはパラジウム化合物等を含んで、物理的にパージガスの汚染物質を結合するのに適した金属などの材料を典型的に含む。好ましい精製器は、Mykrolis Corpから入手可能なAeronex InertまたはXCDA精製器(CE−70KF−I、O、またはN)などの不活性ガスと酸素融和性の精製器である。
【0042】
精製装置1283および1284は、CDAが精製される精製状態と再生状態に交互に入ることができる。再生状態において、精製装置はそれぞれの加熱要素によって再生される。したがって、例えば、精製装置1283がCDAを精製する間に、精製装置1284が再生される。精製装置128はこのようにして精製のレベルを一定に維持しながら連続的に運転することができる。
【0043】
自動弁1281および1282は、対応する精製装置1283および1284の運転に応答して運転される。したがって、精製装置1283または1284が再生されるとき、対応する弁1281または1282が閉じる。精製装置1283または1284が精製のために使用されるとき、応答する弁1281または1282が開く。
【0044】
精製されたCDAは、純度センサー1286によって制御される遮断弁1285を経由して供給される。精製されたCDAの純度が所定のしきい値以下であるとき、純度センサー1286は自動的に遮断弁1285を閉じる。したがって、不十分な純度レベルのパージガスによるリソグラフ投影装置1の汚染が自動的に防止される。
【0045】
精製されたCDAの流れは流量計127によって監視することができる。弁125を使用して流れを手動で遮断することができる。減衰器129は減衰器の出口で安定した圧力を提供し、したがって、安定したパージガス圧力が143〜145の拘束部に提供される(熱交換機126を経て)。
【0046】
熱交換機126は一定の精製されたCDAの温度を提供する。熱交換機126は、特定の実施に適したガスの温度を達成するために、精製されたCDAから熱を抽出し、または加える。例えば、リソグラフ投影装置では安定な加工条件が必要であり、熱交換機はこのようにして長期間一定のガス温度を有するように、精製されたCDAの温度を安定化することができる。リソグラフ用途におけるパージガス出口でのパージガスの安定な条件は、例えば、流量が毎分20〜30標準リットル、および/またはパージガスの温度が約22℃、および/または相対湿度が30〜60%の範囲であることが見出されている。しかし、本発明はこれらの条件に制限されず、これらの因子の他の値を本発明によるシステムに同様に用いることができる。
【0047】
熱交換機126は、拘束部143〜145を経てパージガス出口130〜132に接続される。拘束部143〜145は、パージガス出口130〜132の各々で、所望の一定のパージガス流および圧力が得られるように、ガスの流れを制限する。パージガス出口でのパージガス圧力の適切な値は、例えば100ミリバールである。同様に、調節可能な拘束部を用いて、パージガス出口130〜132の各々で調節可能なガス流を提供することが可能である。
【0048】
加湿器150は熱交換機の下流に拘束部143とパージガス出口130の間に接続される。パージガス出口130は図1および2の実施例中ではウェーハテーブルWT近くに設けられる。加湿器150は精製されたCDAに水分を加え、したがって出口130へのパージガス混合物を提供する。この実施例においては、パージガス混合物は単一の出口のみで放出される。しかし、例えば複数のパージガス出口を別の加湿器に接続することによって、または2個または複数の出口を同じ加湿器に接続することによって、パージガス混合物を2個またはそれ以上のパージガス出口に放出することも同様に可能である。図3に示すものよりもパージガス混合物発生器の異なる位置に加湿器を設けることが同様に可能である。例えば、加湿器150は、弁143とパージガス出口130の間ではなく、パージガス混合物発生器120と弁143の間に配置することができる。加湿器150は、拘束器としても働き、望むならば、加湿器150に接続された拘束器130を省くことができる。
【0049】
加湿器150は、例えば図4に示すように実施することができる。しかし、同様に加湿器150は異なるように実施することができ、例えば、流体をパージガスの流れの中に気化する気化器を含むことができる。
【0050】
図4に示される加湿器150は、例えば高純度の水などの液体154で液体レベルAまで満たされる液体容器151を含む。ガス入口1521(以降、「湿りガス入口1521」と呼ぶ)は、液体154に没して液体レベルAの下方に配置される。他のガス入口1522(以降、「乾燥ガス入口1522」と呼ぶ)は、液体レベルAの上方、液体154で満たされない液体容器151の部分に配置される。ガス出口153は液体154上部の液体容器153の部分をパージガス供給システム100の他の部分と接続する。パージガス、例えば精製された圧縮乾燥空気は、湿りガス入口1521を経て液体容器151中に導かれる。したがって、パージガスの気泡159が液体154中に発生する。浮力によって、気泡159は液体154中に盛り上がった後、図4に矢Bで示されるように上方へ移動する。この上方への移動期間中に、液体154からの水分が例えば拡散工程によって気泡159中に入る。したがって、気泡159中のパージガスに水分が混入される。液体の表面、すなわち液体レベルAで、気泡159はそれらのガス状内容物を液体容器151中の液体154の上部に存在するガス(複数のガス)に供給する。得られるパージガス混合物はガス出口153を経由して容器から放出される。
【0051】
湿りガス入口1521は、外側端部を液体容器151の外側で図3のパージガス混合物発生器120などのパージガス供給装置(示されていない)に接続された管状要素である。湿りガス入口1521には、液体容器151の内部に配置された、内側端部に小さな、例えば0.5ミクロンの通路を有するフィルタ要素1525が設けられる。フィルタ要素1525は、この実施形態においては全体的にであるが、少なくとも部分的に液体154中に配置される。したがって、湿りガス入口1521は非常に小さなパージガスの気泡を大量に発生する。それらの小さなサイズ(例えば、約0.5ミクロン)のため、気泡159は比較的短時間、すなわち液体154を通る比較的短い移動距離で飽和まで加湿される。
【0052】
乾燥ガス入口1522には、湿りガス入口1521のフィルタ要素と類似のフィルタ要素1524が設けられる。それによって、湿りガス入口1521と乾燥ガス入口1522を通るガス流は実質的に類似し、パージガス混合物中の水分の量は、液体154を離れる瞬間の気泡159中の水分の量の実質的に半分である。すなわち、気泡159が水分で飽和され、すなわち相対湿度(Rh)100%であれば、パージガス混合物は50%Rhを有する。しかし、それぞれ湿りガス入口1521と乾燥ガス入口1522を経由して液体容器中に流れるガス流の比を異ならせ、それによって相対湿度を0〜100%Rhに調節することが同様に可能である。
【0053】
ガス出口153にはその内側端部に微細メッシュの、例えば0.003ミクロンのフィルタ1526が設けられ、液体容器151を流出するガスから粒子と小さな液滴を濾過する。したがって、パージガス混合物が提供される表面のそれらの粒子による汚染は低減される。
【0054】
パージガス混合物中の水分の相対量は異なる方法で制御することができる。例えば、液体容器151のパラメータを制御することができる。また、例えば、湿りガス入口1521によって発生した水分を有するパージガスの量に対して、乾燥ガス入口1522を経由して容器151に入る水分のないパージガスの量を制御することができる。液体容器151の制御されるパラメータは、例えば1種または複数の内部温度、流量、圧力、液体中のパージガスの滞留時間とすることができる。
【0055】
例えば、温度はガス中に存在することのできる水分の飽和量に影響を与えることが知られている。温度を制御するために、液体容器151には、例えば温度測定装置によって提供される液体容器内部の温度を表す温度信号に応答して、制御装置または制御器によって制御される加熱要素を設けることができる。
【0056】
液体154中の気泡の滞留時間は、湿りガス入口1521を経てガス気泡が液体中に注入される位置を調節することによって、変化させることができる。例えば、フィルタ1525が液体154中にさらに深く配置されると、気泡が液体レベルAまで移動すべき距離は増加し、したがって滞留時間も同様に増加する。ガス気泡が長く液体中に存在すれば、より多くの水分がガス中に吸収される。したがって、滞留時間を変化させることによってガスの湿度を適合させることができる。
【0057】
加湿装置150には、制御装置157がさらに設けられ、それによってパージガス混合物中の水分の量を制御することができる。制御装置157は水分制御接点1571で乾燥ガス入口1522の制御弁1523へ接続され、それによって乾燥入口1522に供給されるパージガスの流量、したがって、加湿されたガスに相対する乾燥パージガスの量を制御することができる。
【0058】
制御装置157は液体容器151に存在する液体154の量をさらに制御する。制御装置157は液体制御接点1572で液体供給156の制御弁1561に接続され、オーバーフロー接点1573でガス出口153の制御弁1531に接続される。液体レベル測定装置158は制御装置157に通信可能に接続される。液体レベル測定装置158は、液体容器151の液体レベルの特性を表す液体レベル信号を制御装置157へ提供する。制御装置157は液体レベル信号に応答して制御弁1561と制御弁1531を作動する。
【0059】
この実施例において、液体レベル測定装置158は、液体容器151の底部に対して適切な異なる高さに配置された3個のフロートスイッチ1581〜1583を含む。最下部のフロートスイッチ1581は底部に最も近く配置される。液体レベルAが最下部フロートスイッチ1581よりも下にあるとき、最下部のフロートスイッチ1581は制御装置157に空の信号を提供する。空の信号に応答して、制御装置157は制御弁1561を開き液体は自動的に容器へ供給される。
【0060】
中間のフロートスイッチ1582は、液体レベルがこのフロースイッチ1582の高さに達する場合、満の信号を提供する。満信号に応答して制御装置157は制御弁1561を閉じ、それによって液体供給を停止する。
【0061】
最上部のフロートスイッチ1583は底部から最も遠く配置される。最上部のフロートスイッチ1583は、液体レベルAが頂部フロートスイッチ1581以上である場合に、制御装置157へオーバーフロー信号を提供する。過剰充填に応答して、制御装置157はガス出口153の制御弁1531を遮断し、液体がリソグラフ投影装置1の他の部分に漏洩することを防止する。
【0062】
相対湿度が25%またはそれ以上など、20%以上のパージガス混合物は、フォトレジストの性能に関して特に良好な結果を与える。さらに、相対湿度が60%など、25%またはそれ以上および70%以下のパージガス混合物は、リソグラフ投影装置中の測定装置の精度に関して良好な予防効果を有する。さらに、例えば40%の湿度、リソグラフ投影装置の周囲の空間、例えばクリーンルーム中の湿度に類似の湿度は最適の結果を与えることが見出された。
【0063】
本発明に用いるための好ましい加湿器は、パージガス流れを含む第1の領域と、水を含む第2の領域を含み、第1および第2の領域は実質的に液体の侵入に抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されている。膜用の適切な材料は、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−ペルフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン酸)などの熱可塑性ポリマーおよびポリテトラフルオロエチレンなどの過フッ化ポリマーを含む。過フッ化ポリマーなどの濡れ性のないポリマーは特に好ましく、高圧液体とともに使用され実質的に無機酸化物(例えば、SOおよびNO(xは1〜3の整数))を含まないポリマーは特に適している。膜はシートとすることができ、折り畳み、または襞を付けることができ、あるいは両側を結合して中空繊維を形成することができる。唯一重要なことは、膜を筐体に結合する任意の封止材または接着剤と共に、膜が通常の運転条件(例えば30psigまたはそれ未満の圧力)下でパージガスへの液体の侵入を防止することである。膜は、パージガスと水に接触する膜の表面積を最大化し、膜の容積を最小化するように構成されることが好ましい。加湿器は以下に説明するように、装置あたり1個以上の膜を含むことができる。
【0064】
中空繊維膜を有する加湿器は、典型的に、
(a)膜が外部表面および内部表面を有し、内部表面が第1の領域と第2の領域の一方を取り囲む、第1の端部と第2の端部を有する複数のガス透過性中空繊維膜からなる束を含み、
(b)前記束の各端部が液体シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の筐体を有する端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が前記内壁と前記中空繊維膜の間の第1の領域および第2の領域の他方を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続されている。
【0065】
加湿器として使用するのに一般に適した中空繊維膜を有する装置は、典型的に膜接触器と呼ばれ、米国特許第6,149,817号、米国特許第6,235,641号、米国特許第6,309,550号、米国特許第6、402,818号、米国特許第6,474,628号、米国特許第6,616,841号、米国特許第6,669,177号、米国特許第6,702,941号に説明されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。多くの膜接触器が液体(例えば水)にガスを与えまたは液体からガスを除去するのに有用であると先行特許に述べられているが、出願人は膜接触器が一般にパージガス流に水蒸気を加えるように運転できることを見出した。加湿器として使用するのに適した膜接触器の特定の実施例は、Pall Corporation製のInfuzor(登録商標)膜接触器モジュール、Membrane−Charlotte製のLiqui−Cel(登録商標)、およびPermaPure LLC製のNafion(登録商標)膜燃料電池加湿器を含む。
【0066】
特に好ましい加湿器の図は図5に示され、その商業的な実施形態はBillerica、MAのMykrolis Corporation製のpHasor(商標)II膜接触器である。図5に示すように、流体1は繊維管孔3を通って加湿器2に流入し、管孔3中で加湿器2内部を横断し、膜によって流体4から分離され、接続部40で繊維管孔を通って接触器2を流出する。流体4は接続部30を通って筐体に流入し、筐体の内壁と繊維の外径間の空間を実質的に満たし、接続部20を通って流出する。パージガスと水のうち一つが流体1であり、他は流体4である。水が流体4であることが好ましい。
【0067】
本発明の好ましい加湿器に使用されるガス透過性中空繊維膜は典型的に以下の1種である。
(a)多孔質皮覆内部表面、および多孔質外部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜。
(b)非多孔質皮覆内部表面、および多孔質外部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜。
(c)多孔質皮覆外部表面、および多孔質内部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜。
(d)非多孔質皮覆外部表面、および多孔質内部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜。
【0068】
これらの中空繊維膜は約350ミクロン〜約1450ミクロンの外径を有することが好ましい。
【0069】
これらの中空繊維膜が、多孔質皮覆内部表面、および多孔質外部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、または多孔質皮覆外部表面、および多孔質内部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜であるとき、多孔質皮覆表面の孔は直径約0.001ミクロン〜約0.005ミクロンであることが好ましい。皮覆表面の孔は液体流に面することが好ましい。
【0070】
これらの中空繊維膜用の適切な材料には、以下のポリマーが厳しい使用条件による悪影響を受けないので、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))(ポリ(PTFE−CO−PFVAE)、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、またはその混合物などの過フッ化熱可塑性ポリマーが含まれる。PFATeflon(登録商標)はポリ(PTFE−CO−PFVAE)の例であり、アルキルは主としてあるいは完全にプロピル基である。FEPTeflon(登録商標)はポリ(FEP)の例である。両方ともDuPontによって製造されている。Neoflon(商標)PFA(Daikin Industries)はDuPontのPFATeflon(登録商標)に類似したポリマーである。アルキル基が主としてメチルであるポリ(PTFE−CO−PFVAE)は、米国特許第5,463,006号に記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。好ましいポリマーはHyflon(登録商標)ポリ(PTFE−CO−PFVAE)620であり、Thorofare、N.J.のAusimont USA,Inc.から入手可能である。これらのポリマーを中空繊維膜に形成する方法は、米国特許第6,582,496号、米国特許第4,902,456号に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0071】
融着(potting)は各繊維の周囲に液体封止シールを有する管板(tube sheet)の形成工程である。管板またはポットは、加湿器の内部を環境から分離する。ポットは筐体容器に熱接合され、一体的な端部構造を形成する。一体的な端部構造は、繊維とポットが筐体に接合されて完全に過フッ化熱可塑性材料からなる単一の物体を形成するときに得られる。一体的な端部構造は、融着された端部に包含される繊維束の部分と、ポット、および過フッ化熱可塑性筐体の端部を備え、その内部表面はポットに一致し、それに接合される。一体的な構造を形成することによってより堅牢な加湿器が製造され、ポットと筐体の界面で漏洩またはさもなければ破損が起こり難い。さらに、一体的な端部構造を形成することは繊維を所定の位置に接合するためのエポキシなどの接着剤を使用する必要がなくなる。それらの接着剤は、典型的に揮発性炭化水素を含み、加湿器を流れるパージガスを汚染する。例えば、Perma Pure製のLiqui−cel加湿器を用いて加湿されたパージガスは、明らかにエポキシの臭気があり、これはパージガス中に、数百ppm程度の許容できない含有量の炭化水素を明確に示唆する。融着および接合工程は、1999年1月29日に出願の米国特許出願第60/117,853号に記載され、米国特許第6,582,496号に開示された方法の適用であり、その教示は参照により組み込まれている。中空繊維膜の束は、束の第1および第2の端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着され、第1および第2の端部の両方を備える単一の一体的な端部構造を周辺の過フッ化熱可塑性筐体と共に形成し、端部の繊維が個別に流体の流れに開くように調製されることが好ましい。
【0072】
パージガス混合物供給システムは、典型的に少なくとも毎分約30標準リットルのパージガス流量、および少なくとも約90℃の温度で運転することが可能である。加湿器に加熱された水が使用されるとき、水温は少なくとも30℃、すなわち、少なくとも約50℃、または少なくとも約60℃など、少なくとも35℃であることが好ましい。加湿器を通るパージガスの流量は、典型的に少なくとも毎分約20標準リットル(slm)であり、例えば、少なくとも約60slmである。
【0073】
本発明の好ましい加湿器を流出するパージガス混合物(加湿されたパージガス)は、少なくとも約20%の相対湿度を有することができる。加湿器の運転条件に応じて、少なくとも約50%または約100%(実質的に飽和したパージガスを生成するために)のより高い相対湿度の値が可能である。例えば、より高い安定化された相対湿度の値は、パージガスの加湿器中の滞留時間を長くすることによって(例えば流量を減らすかあるいは加湿器のサイズを大きくすることによって)、あるいは加湿器または少なくとも加湿器中の水を加熱することによって達成される。膜を横切るガス圧力および水の流れは質量流量制御器によってさらに制御することができる。具体的には、パージガスの圧力を低下させるとパージガスの加湿は増加する。パージガス圧力が低下されると、高い相対湿度を得るために水を加熱する必要は少なくなる。
【0074】
図4に示した加湿器のように、図5の加湿装置には制御装置を設けることができ、それによってパージガス混合物中の水分の量を制御することができる。制御装置は水分制御接点で制御弁に接続され、それによって図5の加湿器を流出する加湿されたパージガスとともに混合チャンバーに供給される(例えばパージガス源から直接)加湿されないパージガスの流量を制御することができる。
【0075】
本発明のパージガス混合物発生器は、約100℃以下の温度で揮発する化合物を実質的に除去するのに十分な温度で、十分な時間加熱することが有利である。これは、本質的に汚染のないガスが要求される用途へのそれらの使用を可能にする。本発明の目的のためには、パージガスは汚染レベルが1ppbを超えないガスまたはガスの混合物と定義される。パージガスは窒素およびアルゴンなどの不活性ガス、ならびに酸素含有ガス/圧縮乾燥空気および清浄な乾燥ガスを含む。適切なパージガスは、酸素などの非不活性ガスはある用途において汚染物質ではないが、他の用途においては汚染物質と考えられるように、意図する用途に対して決定される。パージガス混合物発生器(および加湿器)はパージガスの汚染物に寄与しないことが好ましい。例えば、約1ppb(または約1兆分の100部(ppt))を超えない汚染物を含むパージガスは、約1ppb(または約1兆分の100部(ppt))を超えない汚染物を含む加湿されたパージガスとして加湿器を流出する。本発明の特別の加湿器(実施例1参照)は、汚染物レベルが1ppt未満に留まるようにパージガスを加湿することが可能である。
【0076】
本発明の水源に使用される水は、蒸留し濾過されたUHP水(例えばMillipore MilliQ水)であることが好ましい。
(実施例)
【実施例1】
【0077】
Mykrolis(登録商標)pHasor II膜接触器を非メタン炭化水素と硫黄化合物の放出について試験した。汚染物を放出しない膜接触器はXCDA(登録商標)ガス流(1兆分の1部(ppt)未満の炭化水素および硫黄化合物)への水分添加に使用することができる。
【0078】
pHasor IIを洗浄して揮発性化合物を除去した。図6はpHasorからの加湿されたパージガス中の汚染物を測定するための実験装置を示す。圧力調節器を用いて質量流量制御器(MFC)上流のガスの圧力を維持した。MFCを用いてpHasor IIの管孔側を通る空気の流量を維持した。精製器を用いてpHasor II上流のガスから汚染物を除去しXCDAパージガスを製造した。pHasor IIの上流の圧力計を用いて入口の圧力を監視した。背圧調節器を用いてpHasor IIの出口圧力を維持した。pHasor IIのシェル側には水を充填しなかった。この試験の間、高い水分の濃度は検出器を不安定にするので、pHasor IIから水を除去した。火炎イオン化検出器およびパルス火炎光度検出器(GC/FID/PFPD)を備えるガスクロマトグラフを用いて、pHasor II流出物中の炭化水素と硫黄化合物の濃度を測定した。冷却トラップ法を用いて炭化水素と硫黄化合物を濃縮し、検出下限値を1pptの濃度レベルに下げた。
【0079】
図7はGC/FIDを用いる1ppt未満の炭化水素汚染物の清浄な背景読み取りを示す。図8はpHasor II下流のGC/FID読み取りを示す。示したように、両方の読み取りとも基本的に同一である。したがって、XCDAがpHasor IIを通過しているとき、1ppt未満の炭化水素汚染濃度が維持される。
【0080】
図9はGC/PFPDを用いる1ppt未満の硫黄汚染物の清浄な背景読み取りを示す。図10はpHasor II下流のGC/PFPD読み取りを示す。示したように、両方の読み取りとも基本的に同一である。したがって、XCDAがpHasor IIを通過しているとき、1ppt未満の硫黄汚染濃度が維持される。
【0081】
pHasor IIの流出物は1ppt未満の非メタン炭化水素および1ppt未満の硫黄化合物を含む。したがって、pHasor IIはXCDAパージガスの完全さを損なうことなく精製器の下流に用いることができる。
【実施例2】
【0082】
様々な水温、CDA流量、およびCDA圧力を用い、Mykrolis pHasor II膜接触器を用いて、清浄な乾燥空気(CDA)を加湿した。全ての実験について、pHasor IIを洗浄して揮発化合物を除去した。MFCを用いてpHasor IIの管孔側を通る空気の流量を維持した。pHasor IIのシェル側には脱イオン水を用い、熱交換機を用いて加熱した。水流はpHasorの出口側の調節器を用いて制御した。水温はpHasor IIの入口および出口側で測定し、パージガスの圧力、温度、相対湿度はpHasor IIの出口側で測定した。
【0083】
第1の実験において、異なるCDA流量ごとに水の温度を変化させた。この実験に使用したCDAは20psi(約0.14Pa)の背圧、初期温度19℃、および相対湿度6%であった。自家製脱イオン水をpHasor IIに160mL/分の速度で流した。第1実験の結果を表1〜3に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

第2実験において、pHasor II中のCDAの背圧を変化させた。この実験に使用したCDAは、初期温度19℃、および相対湿度1%であった。屋内脱イオン水は35℃に加熱し、pHasor IIを156mL/分の速度で流した。第1実験の結果を表4〜6に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
【表5】

【0089】
【表6】

第1実験は、水温が上昇するとパージガスの加湿が増加することを示す。CDAの相対湿度の最も顕著な増加は水温が30℃またはそれ以上のときに観察された。30℃未満の温度では、水温の影響は少なかった。
【0090】
第2実験は膜接触器中のパージガスの背圧が低下すると、パージガスがより急速に水分で飽和されることを示す。この効果は試験した圧力範囲全体にわたってほぼ直線である。
【0091】
本発明を好ましい実施形態を参照して特に詳細に示し説明したが、当業者であれば、添付の請求項に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形状および詳細の様々な変更を加えることができることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パージガス源、
水源、および
パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を備えるパージガス混合物発生器とを備え、前記加湿器がパージガス流を含む第1の領域と水を含む第2の領域とを備え、前記第1と第2の領域が液体の侵入に実質的に抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されている、パージガス混合物供給システム。
【請求項2】
膜が熱可塑性ポリマーからなる請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
膜が過フッ化ポリマーからなる請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
過フッ化ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである請求項3に記載の供給システム。
【請求項5】
膜が中空繊維を形成し、第1および第2の領域の一方が前記繊維内にあり、前記第1および第2の領域の他方が前記繊維の外側にある請求項1に記載の供給システム。
【請求項6】
加湿器が、
(a)第1の端部と第2の端部を有する複数のガス透過性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が第1および第2の領域の一方を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止シールで融着(potting)されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の筐体を有する端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が前記内壁と前記中空繊維膜の間の第1の領域および第2の領域の他方を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続され、
前記パージガス混合物は少なくとも1種のパージガスと水分を含む請求項5に記載の供給システム。
【請求項7】
パージガス源、
水源、および
パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を備えるパージガス混合物発生器とを備え、前記加湿器は、
(a)、第1の端部と第2の端部を有する複数の過フッ化ガス透過性熱可塑性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が管孔を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する一体化された端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が内壁と中空繊維膜の間の流体の流れの容積を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続され、
前記パージガス混合物が少なくとも1種のパージガスと水分を含む、パージガス供給システム。
【請求項8】
水のための加熱装置をさらに備える請求項7に記載の供給システム。
【請求項9】
パージガス源が精製装置を備える請求項7に記載の供給システム。
【請求項10】
精製装置が再生可能である請求項9に記載の供給システム。
【請求項11】
パージガス源が2個の精製装置を備え、前記複数の精製装置が並列に接続される請求項10に記載の供給システム。
【請求項12】
中空繊維膜が、
(a)多孔質皮覆内部表面、および多孔質外部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(b)非多孔質皮覆内部表面、および多孔質外部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(c)多孔質皮覆外部表面、および多孔質内部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(d)非多孔質皮覆外部表面、および多孔質内部表面と中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜からなる群から選択される請求項7に記載の供給システム。
【請求項13】
中空繊維膜の外径が約350ミクロン〜約1450ミクロンである請求項12に記載の供給システム。
【請求項14】
中空繊維膜が、多孔質皮覆内部表面、多孔質外部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、または、多孔質皮覆外部表面、多孔質内部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜であり、前記多孔質皮覆表面の孔が直径約0.001ミクロン〜約0.005ミクロンである請求項12に記載の供給システム。
【請求項15】
束の第1の端部および第2の端部が、液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着され、周囲の過フッ化熱可塑性筐体と第1の端部および第2の端部の両方を備える単一の一体化された端部構造を形成し、前記端部の繊維が個別に流体の流れに開放されている請求項7に記載の供給システム。
【請求項16】
少なくとも毎分約30標準リットルのパージガス流量および少なくとも約90℃の温度で運転可能である請求項7に記載の供給システム。
【請求項17】
パージガス混合物発生器が、約100℃以下の温度で揮発する化合物を実質的に除去するのに十分な温度で十分な時間加熱される請求項7に記載の供給システム。
【請求項18】
パージガスを加湿するのに十分な時間パージガスを加湿器に通すことを含み、加湿器がパージガス流を含む第1の領域と水を含む第2の領域とを備え、第1の領域および第2の領域が実質的に液体の侵入に抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されている、パージガスの加湿方法。
【請求項19】
膜が熱可塑性ポリマーからなる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
膜が過フッ化ポリマーからなる請求項18に記載の方法。
【請求項21】
過フッ化ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである請求項18に記載の方法。
【請求項22】
膜が中空繊維を形成し、第1の領域および第2の領域の一方が繊維内にあり、第1の領域および第2の領域の他方が繊維の外側にある請求項18に記載の方法。
【請求項23】
加湿器が、
(a)第1の端部と第2の端部を有する複数のガス透過性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が第1および第2の領域の一方を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の筐体を有する端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が前記内壁と前記中空繊維膜の間の第1の領域および第2の領域の他方を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
パージガスを加湿するのに十分な時間パージガスを加湿器に通すことを含み、前記加湿器が、
(a)第1の端部と第2の端部を有する複数の過フッ化ガス透過性熱可塑性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が管孔を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する一体化された端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が内壁と中空繊維膜の間の流体の流れの容積を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続され、
それによって加湿されたパージガスを得るパージガスの加湿方法。
【請求項25】
水が加湿器の中でまたは流入する前に加熱される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
パージガス源が精製装置を備える請求項24に記載の方法。
【請求項27】
精製装置が再生可能である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
パージガス源が第1および第2精製装置を備え、前記複数の精製装置が並列に接続される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
パージガスが第1または第2精製装置のいずれかで精製され、他の精製装置が再生される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
中空繊維膜が、
(a)多孔質皮覆内部表面、多孔質外部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(b)非多孔質皮覆内部表面、多孔質外部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(c)多孔質皮覆外部表面、多孔質内部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、
(d)非多孔質皮覆外部表面、多孔質内部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項31】
中空繊維膜の外径が約350ミクロン〜約1450ミクロンである請求項30に記載の方法。
【請求項32】
中空繊維膜が、多孔質皮覆内部表面、多孔質外部表面、および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜、または、多孔質皮覆外部表面、多孔質内部表面および中間の多孔質支持構造を有する中空繊維膜であり、前記多孔質皮覆表面の孔が直径約0.001ミクロン〜約0.005ミクロンである請求項30に記載の方法。
【請求項33】
束の第1の端部および第2の端部が、液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着され、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する第1の端部および第2の端部の両方を備える単一の一体化された端部構造を形成し、前記端部の繊維が個別に流体の流れに開放されている請求項24に記載の方法。
【請求項34】
水の温度が少なくとも約30℃である請求項24に記載の方法。
【請求項35】
水の温度が少なくとも約50℃である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
パージガスの流量が少なくとも毎分約20標準リットルである請求項24に記載の方法。
【請求項37】
パージガスの流量が少なくとも毎分約60標準リットルである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
加湿されたパージガスの相対湿度が少なくとも約20%である請求項24に記載の方法。
【請求項39】
加湿されたパージガスの相対湿度が少なくとも約50%である請求項38に記載の方法。
【請求項40】
加湿されたパージガスが水分で実質的に飽和されている請求項39に記載の方法。
【請求項41】
加湿器に流入するパージガスが、約10億分の1部(ppb)以下の汚染物を含み、加湿器を流出する加湿されたパージガスが1ppb以下の汚染物を含む請求項24に記載の方法。
【請求項42】
加湿器に流入するパージガスが、約1兆分の100部(ppt)以下の汚染物を含み、加湿器を流出する加湿されたパージガスが100ppt以下の汚染物を含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
加湿器に流入するパージガスが、約1ppt以下の汚染物を含み、加湿器を流出する加湿されたパージガスが約1ppt以下の汚染物を含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
放射線の投影ビームを提供するように構成された照明器と、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように構成されたパターン形成装置を支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムと、
リソグラフ投影装置の少なくとも一部にパージガスを提供するように構成された少なくとも1個のパージガス供給システムとを備え、前記少なくとも1個のパージガス供給システムは、
パージガス流を含む第1の領域と水を含む第2の領域を備え、第1および第2の領域が液体の侵入に対して実質的に抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されており、少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生するように構成され、パージガスに水分を加えるように構成された加湿器を備えるパージガス混合物発生器と、
パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給するように構成されたパージガス混合物発生器に接続されたパージガス混合物出口とを備える、リソグラフ投影装置。
【請求項45】
放射線の投影ビームを提供するように構成された照明器と、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように構成されたパターン形成装置を支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムと、
リソグラフ投影装置の少なくとも一部にパージガスを提供するように構成された少なくとも1個のパージガス供給システムとを備え、前記少なくとも1個のパージガス供給システムは、
(a)第1の端部と第2の端部を有する複数の過フッ化熱可塑性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が管孔を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する一体化された端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が内壁と中空繊維膜の間の流体の流れの容積を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続されたパージガスに水分を加えるように構成された加湿器を備え、
少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生するように構成されたパージガス混合物発生器と、
パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給するように構成されたパージガス混合物発生器に接続されたパージガス混合物出口とを備える、リソグラフ投影装置。
【請求項46】
放射線の投影ビームを提供するように構成された照明器と、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように構成されたパターン形成装置を支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムとを備え、
加湿器でパージガスに水分を加えることによって少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生し、前記加湿器はパージガス流を含む第1の領域と水を含む第2の領域とを備え、第1および第2の領域が液体の侵入に対して実質的に抵抗性のあるガス透過性膜によって分離されており、および
パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給することとを含む、リソグラフ投影装置の少なくとも一部にパージガスを供給する方法。
【請求項47】
放射線の投影ビームを提供するように構成された照明器と、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように構成されたパターン形成装置を支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムとを備え、
加湿器によってパージガスに水分を加えることによって少なくとも1種のパージガスと水分を含むパージガス混合物を発生し、前記加湿器は、
(a)第1の端部と第2の端部を有する複数の過フッ化ガス透過性熱可塑性中空繊維膜からなる束を含み、前記膜が外部表面および内部表面を有し、前記内部表面が管孔を含み、
(b)前記束の各端部が液体封止過フッ化熱可塑性シールで融着されて、前記繊維端部が流体の流れに開放された、周囲の過フッ化熱可塑性筐体を有する一体化された端部構造を形成し、
(c)前記筐体は内壁および外壁を有し、前記内壁が内壁と中空繊維膜の間の流体の流れの容積を画定し、
(d)前記筐体はパージガス源に接続されたパージガス入口とパージガス混合物出口とを有し、
(e)前記筐体は水源に接続された水入口と水出口とを有し、パージガス入口は束の第1の端部に接続されパージガス混合物出口が束の第2の端部に接続される、または、水入口は束の第1の端部に接続され水出口が束の第2の端部に接続され、
パージガス混合物をリソグラフ投影装置の少なくとも一部に供給することとを含む、リソグラフ投影装置の少なくとも一部にパージガスを供給する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−74712(P2012−74712A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−235682(P2011−235682)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2006−521216(P2006−521216)の分割
【原出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】