説明

リニアアクチュエータ

【課題】緊急時にベッドをフラットにできるリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】雄ねじ部17を有するシャフト16と、シャフト16にモータ40の回転を伝達するウオーム歯車減速装置と、雄ねじ部17に螺合しシャフト16の正逆回転で進退するナット19と、ナット19に固定されハウジング11に対し進退する移動筒12とを備えたリニアアクチュエータ10において、ウオーム歯車減速装置に連動するサブシャフト52と、サブシャフト52にスプライン結合したインナレース59と、インナレース59とシャフト16のカラー55の間に介設され係合自在の係合雄部82および係合雌部83と、ハウジング11外周に回転自在に嵌合する操作リング66と、操作リング66の回転を軸方向移動に変換しインナレース59に伝達する作動リング72とを設ける。緊急時に係合雄部と係合雌部との係合を解除することでシャフト16を回転自由にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアアクチュエータに関し、特に、電動送りねじ式リニアアクチュエータに係り、例えば、医療・介護用ベッドの寝床を上下させたり、背部や膝部の寝床を傾斜させたりするのに利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
医療・介護用ベッドにおいては患者の寝食の負担を軽減するために、電動送りねじ式リニアアクチュエータによってベッドの寝床を上下させたり、背部や膝部の寝床を傾斜させたりすることが実施されている。
【0003】
このような医療・介護用ベッドにおいては、CPR機構と呼ばれるものが装備される場合がある。CPR機構とは、心肺蘇生施術等の緊急時にベッドをフラットにする機構である。
CPR機構は、どのような状況下であっても素早い確実な作動が要求され、他方、通常のベッドの使用時におけるリニアアクチュエータの作動に対しては制約を及ぼさないことが要求される。
このようなCPR機構を備えた介護用ベッドとしては、背もたれ板の裏面に設けられた操作レバーと、リニアアクチュエータの逆転防止機構部の作動を解除するための解除レバーとがケーブルによって連結されており、操作レバーを把持して背もたれ板を一旦持ち上げて逆転防止機構部に作用している負荷を除去することにより、解除レバーを簡単に解除方向に回転させることができるように構成されているものがある(特許文献1参照)。
また、CPR機構を備えたリニアアクチュエータとしては、ワンウエイクラッチの操作扞を操作レバーによって押動することにより、ワンウエイクラッチの連結を強制的に解除するように構成されているものがある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−52762号公報
【特許文献2】特開2000−253618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した介護用ベッドおよびリニアアクチュエータにおいては、外力がワイヤや操作レバーに誤って加わった場合に逆転防止機構部またはワンウエイクラッチが解除され易いために、ベッドが意図せずに水平になってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、ベッドが意図せずに水平になってしまうのを防止することができるリニアアクチュエータを提供することにある。
本発明の他の目的は、CPR機構の作動時にベッド側面からワイヤまたはロッド等によって最短距離で操作力を伝達することができるリニアアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリニアアクチュエータは、雄ねじ部を有するシャフトを回転自在に支承したハウジングと、前記雄ねじ部に螺合して前記シャフトの正逆回転によって進退する雌ねじ部材と、この雌ねじ部材に固定されて前記ハウジングに対して進退する移動筒と、前記シャフトにモータの回転を伝達する入力軸と、この入力軸と前記シャフトとの連結および解除を実行するクラッチと、前記ハウジングの外周に回転自在に嵌合された操作リングと、この操作リングの回転を軸方向の移動に変換して前記クラッチに伝達する作動リングと、を備えていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
【発明の効果】
【0007】
前記した手段によれば、操作リングの回転が作動リングによって直線運動に変換された上で、クラッチが入力軸とシャフトとの連結を解除するように構成されているために、外力がワイヤや操作レバーに誤って加わった場合であっても、クラッチの連結は解除され難いために、ベッドが意図せずに水平になってしまうのを防止することができる。
また、外力が操作レバーからワイヤまたはロッド等により、複雑な引き回し構造なしでクラッチの連結を解除することができるため、信頼性を向上させることができるとともに、コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0009】
図1に示されているように、本実施の形態に係るリニアアクチュエータは、医療・介護用ベッド(以下、ベッドという。)の背部の寝床を起伏させるためのものとして構成されている。
すなわち、図2および図3に示されているように、リニアアクチュエータ10はハウジング11と、ハウジング11に対して進退する移動筒12を備えており、図1に示されているように、リニアアクチュエータ10の固定端側であるハウジング11がベッド1のフレーム2に枢軸3によって回転自在に枢支され、リニアアクチュエータ10の自由端側である移動筒12の先端が背部の寝床(以下、寝床という。)4を起伏させるためのリンク5に枢軸6によって回転自在に連結されている。
図1(a)に示されているように、リニアアクチュエータ10の移動筒12が短縮した状態で、寝床4は水平に倒伏されており、リニアアクチュエータ10の移動筒12が伸長すると、寝床4は図1(b)に示されているように起立されるようになっている。
【0010】
図2〜図5に示されているように、リニアアクチュエータ10のハウジング11は樹脂が使用されて略円筒形状に形成されており、図4および図5に示されているように、ハウジング11の一端部(以下、先端部とする。)には、支持筒13の一端部が嵌入されて支持されている。支持筒13は外径がハウジング11の内径と等しい丸パイプ形状に形成されている。ハウジング11の先端開口にはプラグ11Aが嵌入されている。
支持筒13の内周面には雌ねじ部材を回り止めするための回り止め部14が一対、略全長にわたってそれぞれ敷設されており、両回り止め部14、14は軸方向に一定幅一定高さに延在する細長いキー形状にそれぞれ形成されている。
図4(b)および図5(b)に示されているように、支持筒13の先端開口部には外周に鍔部を有する円筒形状に形成されたプラグ15が嵌入されている。
【0011】
支持筒13の筒心上にはシャフト16が軸架されている。シャフト16の支持筒13に対応する領域の外周には送り用の雄ねじ部17が形成されており、雄ねじ部17には雌ねじ部18が螺合された雌ねじ部材としてのナット19が進退自在に装着されている。
ナット19の基端部の外周部には、キー溝形状に形成された回り止め部20が一対それぞれ形成されており、両回り止め部20、20は支持筒13の内周面の一対の回り止め部14、14に軸方向に摺動自在にそれぞれ嵌合されている。したがって、ナット19は支持筒13に回り止め部14、20によって回り止めされた状態で、軸方向に摺動するようになっている。
【0012】
シャフト16の外周におけるナット19の先端側の片脇には、スライダ21が摺動自在に嵌入されており、スライダ21の基端面はナット19の先端面に突合自在になっている。すなわち、スライダ21はナット19の進退に対応して原則的に追従するようになっている。
スライダ21の基端部の外周部には、キー溝形状に形成された回り止め部22が一対それぞれ形成されており、両回り止め部22、22は支持筒13の内周面の一対の回り止め部14、14に軸方向に摺動自在にそれぞれ嵌合されている。したがって、スライダ21は支持筒13に回り止め部14、22によって回り止めされた状態で、軸方向に摺動するようになっている。
スライダ21の先端部の外周には移動筒12の基端部が嵌入されており、移動筒12はスライダ21に固定部23によって固定されている。移動筒12は支持筒13よりも長い丸パイプ形状に形成されている。
移動筒12の先端部は支持筒13に嵌着されたプラグ15から先方に突き出されており、移動筒12の中間部はプラグ15によって摺動自在に支承された状態になっている。
【0013】
図4(b)および図5(b)に示されているように、移動筒12の先端部には、移動筒12をベッド1のリンク5に連結するための連結具25の基端部26が嵌入されており、連結具25は移動筒12の先端開口部に形成されたかしめ部24によって移動筒12に固定されている。
連結具25の先端部には取付孔27が開設されており、枢軸6が取付孔27に挿入されることにより、移動筒12がリンク5に連結されるようになっている。
【0014】
図2〜図6に示されているように、ハウジング11の基端側の端面にはサブハウジング30が当接されている。サブハウジング30は外径がハウジング11の外径と同一でハウジング11と反対側の端面が開口した大略四角形筒形状に形成されており、その開口部にはハウジング11をベッド1のフレーム2に連結するための連結具32の閉塞部33が被せられている。サブハウジング30および連結具32の閉塞部33はハウジング11に、複数本のビス29によって一緒に締結されている。
連結具32の外側端面にはブラケット34が突設されており、ブラケット34には取付孔35が開設されている。枢軸3が取付孔35に挿入されることにより、リニアアクチュエータ10の基端部がフレーム2に連結されるようになっている。
【0015】
図3、図5(a)および図6に示されているように、サブハウジング30における開口部31と直角の位置にはモータ装着部36が突設されており、モータ装着部36にはモータ40が、回転軸41がサブハウジング30の中心線方向と直交するように配されて装着されている。モータ40の回転軸41の一端部はサブハウジン30の内部に挿入されて
おり、回転軸41の中間部はモータ装着部36に設置された玉軸受37によって回転自在に支承されている。
【0016】
回転軸41のサブハウジング30内の挿入部分の外周には、互いに反対向きの捩れを有する一対のウオーム(以下、右捩れウオームおよび左捩れウオームということがある。)42、43がそれぞれ一体的に形成されている。サブハウジング30の両ウオーム42、43にそれぞれ対向する位置であって回転軸41の互いに反対側の位置には、一対の支持軸44、45がサブハウジング30の中心線方向と平行にそれぞれ植設されている。
両支持軸44、45には一対のウオームホイール46、47がそれぞれ嵌合されて回転自在に支承されており、両ウオームホイール46、47は右捩れウオーム42および左捩れウオーム43にそれぞれ噛合されている。両ウオームホイール46、47には中間ギヤ48、49が軸芯合わせされて一体的にそれぞれ連設されており、両中間ギヤ48、49は同一の駆動ギヤ50にそれぞれ噛合されている。
【0017】
図5(a)に示されているように、駆動ギヤ50はサブハウジング30からハウジング11にわたって軸架されたサブシャフト52に滑りキー結合されることにより、軸方向に摺動自在で一体的に回転するように結合されている。
すなわち、サブハウジング30にはサブシャフト52がシャフト16の延長線上に配されて回転自在に支承されており、駆動ギヤ50はサブハウジング30内においてサブシャフト52の一端部の外周に嵌合されている。駆動ギヤ50の一端面にはキー溝51aが没設され、サブシャフト52にはキー51bが植設されており、キー溝51aとキー51bとが滑りキー結合されている。
このように駆動ギヤ50をサブシャフト52に軸方向に摺動自在で一体的に回転するように結合することにより、サブシャフト52に加わる軸方向(スラスト方向)の荷重(力)が駆動ギヤ50に伝達されるのを防止することができる。
但し、駆動ギヤ50はサブシャフト52に一体成形してもよい。
【0018】
図4(a)および図5(a)に示されているように、ハウジング11のサブハウジング30に隣接する部分には軸受設置部53が形成されており、軸受設置部53には深溝玉軸受54が設置されている。深溝玉軸受54のインナレースはシャフト16の基端部の外周にカラー55を介して嵌合されており、シャフト16の基端部は深溝玉軸受54によって回転自在に支承されている。
深溝玉軸受54はシャフト16のラジアル荷重だけでなくシャフト16のスラスト荷重も支承し得るようにサイズが大きめに設定されており、軸受設置部53は深溝玉軸受54のアウタレースの外周面を摺動させる構造に構成されている。
このようにシャフト16を回転自在に支承するラジアル転がり軸受をサイズが大きめの深溝玉軸受54によって構成し、外周面で摺動し得るように設定することにより、シャフト16のスラスト荷重を支承するスラスト軸受を省略することができる。
【0019】
ハウジング11における軸受設置部53に隣接する部位には、ワンウエイクラッチ設置部56が軸受設置部53と連続して形成されており、ワンウエイクラッチ設置部56にはワンウエイクラッチ57が設置されている。
ワンウエイクラッチ57は、互いに対になるアウタレース58およびインナレース59と、アウタレース58とインナレース59との間に転動自在に挟設された複数本のローラ60とを備えており、ローラ60がアウタレース58の内周面とインナレース59の外周面とに楔状に噛合することにより、シャフト16の一方向の回転時にアウタレース58とシャフト16とを連結するように構成されている。
ワンウエイクラッチ57のアウタレース58は深溝玉軸受54のアウタレースのみに接している。
【0020】
ハウジング11におけるサブハウジング30と隣接する部位には、ブレーキプレート設置部61が形成されており、ブレーキプレート設置部61にはベースプレート62が設置されている。
ベースプレート62は略円形リング形状に形成されており、サブシャフト52の外周に嵌合されている。ベースプレート62はサブハウジング30側の端面に突設された一対の係合部がサブハウジング30の対向面の係合穴にそれぞれ係合されることにより、回り止めされている。
ブレーキプレート63はベースプレート62よりも小径の略円形リング形状に形成されている。ブレーキプレート63はワンウエイクラッチ57のアウタレース58に回り止めされて嵌合されており、ブレーキプレート63とベースプレート62との合わせ面によって制動面が構成されている。
【0021】
本実施の形態においては、シャフト16にモータ40の回転を伝達する入力軸としてのサブシャフト52とシャフト16との間にはCPR機構65が介設されている。CPR機構65は通常のベッド1の使用時にはシャフト16とサブシャフト52とを連結しておき、心肺蘇生術を施す時等の緊急時にはシャフト16とサブシャフト52との連結を解除するクラッチとして構成されている。
【0022】
図4(a)、図5(a)、図7および図8に示されているように、CPR機構65は円形リング形状に形成されてハウジング11の外周に嵌合された操作リング66を備えている。操作リング66は径方向に半割りに形成されており、二組の締結具67、67によって円形リング形状に組み立てられた状態で、ハウジング11の外周に周方向に摺動自在に嵌着されている。
操作リング66の外周には一対の環状溝68、68が互いに平行に没設されている。両環状溝68、68には一対のコントロールワイヤ69、69の一端部のそれぞれが巻き掛けられて係止されるようになっている。
一対のコントロールワイヤ69、69の他端のそれぞれはベッド1の左右両側に配線され、ベッド1の左右に設置された操作レバー(図示せず)にそれぞれ係止される。したがって、緊急時に、左右のコントロールワイヤ69、69の他端部を操作レバーによってそれぞれ引っ張ることにより、操作リング66はベッド1の左右のいずれの側からもベッド1をフラットに倒すことができる。
【0023】
操作リング66の内周における周方向に互いに180度離間した位置には、一対の平行ピン70、70が径方向内向きにそれぞれ突設されており、両平行ピン70、70はハウジング11のそれぞれ対向する部位に開設されたカム孔71、71にそれぞれ挿通されている。
図8に示されているように、両カム孔71、71はハウジング11の軸心の直交面に対して傾斜されている。したがって、両平行ピン70、70は操作リング66の周方向への摺動(回動)に伴って両カム孔71、71に倣うことにより、軸方向に移動するようになっている。
【0024】
ハウジング11のワンウエイクラッチ設置部56内には、操作リング66の回転を軸方向の移動に変換してCPR機構65のクラッチのスリーブを兼用したインナレース59に伝達するための作動リング72が設置されており、作動リング72はワンウエイクラッチ57のアウタレース58の外周に摺動自在に嵌合されている。
作動リング72の外周面には環状溝73が没設されており、環状溝73にはカム孔71に挿通された一対の平行ピン70、70の先端部がそれぞれ挿入されている。作動リング72は操作リング66の回動に伴う平行ピン70の軸方向への移動により、軸方向へ移動されるようになっている。
アウタレース58の外周におけるサブハウジング30側の端部には、スプリングシート74が嵌着されており、スプリングシート74と作動リング72のサブハウジング30側の端面との間には、リターンスプリング75が圧縮状態で介設されている。リターンスプリング75は作動リング72をサブハウジング30と反対側の方向に常時付勢するようになっている。
【0025】
作動リング72におけるワンウエイクラッチ57のローラ60と干渉しない位置には、CPR機構65のクラッチの係合ピンである一対の係合ピン76、76が径方向内向きにそれぞれ突設されており、両係合ピン76、76はアウタレース58にローラ60に干渉しないように開設された一対の挿通孔77、77にそれぞれ挿通されている。
ワンウエイクラッチ57のインナレース59の外周面には環状溝78が没設されており、環状溝78には挿通孔77に挿通された一対の係合ピン76、76の先端部がそれぞれ挿入されている。インナレース59は操作リング66に追従した作動リング72の軸方向への移動により係合ピン76、76および環状溝78を介して軸方向へ移動されるようになっている。
アウタレース58の内周におけるサブハウジング30側の端部には、スプリングシート79が嵌着されており、スプリングシート79とインナレース59のサブハウジング30側の端面との間には、リターンスプリング80が圧縮状態で介設されている。リターンスプリング80はインナレース59をサブハウジング30と反対側の方向に常時付勢するようになっている。
【0026】
インナレース59の内周にはサブシャフト52とシャフト16とが両端から嵌入されており、サブシャフト52はスプライン結合されている。すなわち、インナレース59の内周には雌スプライン81aが形成され、サブシャフト52の外周には雄スプライン81bが形成されており、雌スプライン81aと雄スプライン81bとが軸方向に摺動自在に嵌合されている。つまり、インナレース59はサブシャフト52に回り止めされた状態で、軸方向へ摺動し得るようになっており、シャフト16に対しては周方向へも軸方向へも摺動自在になっている。
【0027】
インナレース59のシャフト16側の端面には、同一形状の3個の係合雄部82、82、82がそれぞれ形成されており、3個の係合雄部82、82、82は周方向に等間隔すなわち互いに120度離間した位置に配置されている。
3個の係合雄部82、82、82は、シャフト16にピン84によって固定されたカラー55のサブシャフト52側の端面に形成された3個の係合雌部83、83、83にそれぞれ係合および係合解除するように構成されている。3個の係合雌部83、83、83も互いに同一形状に形成されており、周方向に等間隔すなわち互いに120度離間した位置に配置されている。
係合雄部82の周方向の長さは、係合雌部83の周方向の長さよりも短く設定されている。
係合雄部82の周方向の長さをL1、係合雌部83の周方向の長さをL2とすると、係合雄部82の周方向の長さと係合雌部83の周方向の長さとは次式を満足するように設定することが好ましい。
L1/L2≦1/2
インナレース59がリターンスプリング80によって押し戻されている通常の状態においては、3個の係合雄部82、82、82は3個の係合雌部83、83、83にサブシャフト52側からそれぞれ進入して係合した状態になっており、インナレース59が操作リング66に追従した作動リング72の軸方向への移動によって軸方向へ移動された時には、3個の係合雄部82、82、82は3個の係合雌部83、83、83からサブシャフト52側へ離脱して係合を解除するようになっている。
つまり、インナレース59は入力軸としてのサブシャフト52とシャフト16との連結および解除を実行するクラッチを構成している。
【0028】
以上のように構成されたCPR機構65によれば、心肺蘇生施術時に緊急にベッドをフラットにする際に、ベッド1の左右のいずれかのコントロールワイヤ69が引っ張られると、操作リング66が回動されることにより、作動リング72がリターンスプリング75の付勢力に抗してサブハウジング30の方向に移動され、この作動リング72の移動によってインナレース59がサブハウジング30の方向に移動され、このインナレース59の移動によって各係合雄部82が各係合雌部83との係合を解除するために、サブシャフト52とシャフト16との連結を迅速に解除することができる。
サブシャフト52との連結解除により、シャフト16は自由に回転可能な状態になるために、ベッド1の寝床4は緊急に倒れることが可能な状態になる。
【0029】
図4(a)、図5(a)および図9に示されているように、ハウジング11における深溝玉軸受54のワンウエイクラッチ設置部56と反対側の片脇には、ポテンショセンサ設置部85が構成されている。ポテンショセンサ設置部85におけるシャフト16の外周にはウオームホイール86が一体回転するように嵌合されている。
ハウジング11の内部におけるポテンショセンサ設置部85には、ウオーム軸88がシャフト16の軸方向と直交する方向に配置されて、滑り軸受87によって回転自在に支持されている。ウオーム軸88の両端部には第一ウオーム89と第二ウオーム90とがそれぞれ刻設されており、第一ウオーム89はウオームホイール86に噛合されている。
ハウジング11の外部におけるポテンショセンサ設置部85にはポテンショセンサ91が、ポテンショセンサ91のセンサ軸92がウオーム軸88およびシャフト16に直交する方向になるように設置されている。センサ軸92にはドリブンギヤ93が一体回転するように固定されている。
ポテンショセンサ設置部85におけるポテンショセンサ91の片脇には、リダクションギヤ軸94が平行に軸架されており、リダクションギヤ軸94には互いに一体的に回転する大径リダクションギヤ95および小径リダクションギヤ96が回転自在に支承されている。小径リダクションギヤ96にはドリブンギヤ93が噛合されており、大径リダクションギヤ95には第二ウオーム90が噛合されている。
したがって、シャフト16の回転はウオームホイール86、第一ウオーム89、第二ウオーム90、大径リダクションギヤ95、小径リダクションギヤ96、ドリブンギヤ93を経由してセンサ軸92に伝達される。
ポテンショセンサ91はセンサ軸92の回転量を直線運動に変換して、電圧の大きさに変換するように構成されている。
【0030】
次に、作用および効果を説明する。
予め、リニアアクチュエータ10はベッド1に図1に示されているように組み付けられる。すなわち、枢軸3がベッド1のフレーム2に挿通されてリニアアクチュエータ10の連結具32に挿通されることにより、リニアアクチュエータ10は枢軸3によってベッド1のフレーム2に回転自在に枢支され、寝床4側の枢軸6がリニアアクチュエータ10の移動筒12側の連結具25に挿通されることにより、リニアアクチュエータ10は寝床4に枢軸6によって回転自在に連結される。
【0031】
リニアアクチュエータ10がベッド1に組み付けられた後に、操作者が寝床4を起立させるべく正回転側の操作ボタンを押すことにより、図1(a)の状態から、モータ40が正方向に回転運転されると、回転軸41の駆動力が一対のウオーム42、43、ウオームホイール46、47、中間ギヤ48、49および駆動ギヤ50を介してサブシャフト52に伝達される。サブシャフト52の正回転はインナレース59の係合雄部82およびシャフト16の係合雌部83を介してシャフト16に伝達される。
このシャフト16の正回転時にはワンウエイクラッチ57とシャフト16との連結が解除されるために、シャフト16のみが正回転する。この際には、ワンウエイクラッチ57のアウタレース58に嵌合されたブレーキプレート63とベースプレート62との間の制動力は、起こらない。
ここで、モータ40の回転軸41の駆動力がサブシャフト52すなわちシャフト16に伝達される際に、回転軸41のトルクが一対のウオームホイール46、47に二分されるので、一対のウオームホイール46、47の外径を小さく設定することができる。
ウオームホイールの外径を小さく設定することにより、リニアアクチュエータ10を小型化することができる。
例えば、10000Nのリニアアクチュエータの設計において、従来はリニアアクチュエータの外径が直径110mmになるところ、本実施の形態に係るリニアアクチュエータにおいては、直径90mmに小型化することができた。
【0032】
シャフト16がモータ40によって正回転されると、ナット19は支持筒13に沿って前進される状態になるために、ナット19に連結された移動筒12は支持筒13から押し出されて行く。この際、ナット19は樹脂製の支持筒13の回り止め部14に沿って摺動する。
なお、回り止め機構はリニアアクチュエータ10がベッド1に取り付けられていない時に移動筒12が回ってしまい、ポテンショセンサ91と移動筒12との位置関係に狂いが出てしまうのを防止するためのものであり、リニアアクチュエータ10がベッド1に取り付いてしまうと、移動筒12がベッド1に固定された状態になるので、不要になる。
【0033】
移動筒12の前進によって移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4が、図1(b)に示されているように起立されて行く。
【0034】
他方、シャフト16の正回転は第一ウオーム89、第二ウオーム90、大径リダクションギヤ95、小径リダクションギヤ96、ドリブンギヤ93を経由してセンサ軸92に減速されて伝達される。センサ軸92の回転数はポテンショセンサ91によって電圧値に変換されて、ベッド1の作動を制御するコントローラ(図示せず)に送信される。
所定の上限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、コントローラはモータ40を自動的に止める。
ここで、シャフト16の回転をポテンショセンサ91のセンサ軸92に伝達するのに、ウオームホイール86およびウオーム軸88すなわちウオーム歯車減速装置を使用しているので、ポテンショセンサ91をシャフト16から離れた位置に配置することができ、ポテンショセンサ91の設置場所の自由度を高めることができる。
また、ウオーム歯車減速装置を使用することにより、減速比を大きく設定することができるので、大径リダクションギヤ95、小径リダクションギヤ96、ドリブンギヤ93の減速比を大きく設定しなくても済む。
なお、ウオーム軸88の第二ウオーム90は大径リダクションギヤ95や中間ギヤ等に置き換えてもよい。
【0035】
モータ40の運転が停止されると、ベッド1の寝床4の荷重(患者の体重等)がナット19へ、ナット19を後退させる方向の力として移動筒12を介して作用する状態になるために、シャフト16には移動筒12すなわち負荷側から逆回転させようとする負荷側逆回転作用力が、ナット19の雌ねじ部18およびシャフト16の送り用雄ねじ部17の作用によって加わる。
この負荷側逆回転作用力はアウタレース58とシャフト16とを連結させるように作用するために、ワンウエイクラッチ57のアウタレース58に嵌合されたブレーキプレート63とベースプレート62との合わせ面によって制動面が形成され、シャフト16は逆回転を阻止される。したがって、リニアアクチュエータ10は寝床4の荷重を持ち上げたままの状態で支持することができる。
【0036】
その後、操作者が寝床4を倒伏させるべく逆回転側の操作ボタンを押すことにより、モータ40が逆方向に回転運転されると、回転軸41の逆回転駆動力は一対のウオーム42、43、ウオームホイール46、47、中間ギヤ48、49および駆動ギヤ50を介してサブシャフト52に伝達される。サブシャフト52の逆回転はインナレース59の係合雄部82およびシャフト16の係合雌部83を介してシャフト16に伝達される。
シャフト16がモータ40によって逆回転されると、ナット19は支持筒13に沿って後退される状態になるために、ナット19に連結された移動筒12は支持筒13に引き込まれて行く。移動筒12の後退によって移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4が倒されて行く。
この際にはシャフト16が逆回転するために、ワンウエイクラッチ57のアウタレース58とインナレース59とはローラ60によって連結した状態になるが、ブレーキプレート63とアウタレース58との間の制動力は、モータ40のシャフト16に対する駆動力よりも小さく設定されているので、ワンウエイクラッチ57はハウジング11に対して空回りすることにより、シャフト16のハウジング11に対する逆回転を許容する。
つまり、シャフト16がハウジング11に対して逆回転することにより、ナット19を支持筒13に沿って後退させるので、ナット19に連結された移動筒12を支持筒13に引き込み、移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4を倒して行く。
【0037】
他方、シャフト16の逆回転は第一ウオーム89、第二ウオーム90、大径リダクションギヤ95、小径リダクションギヤ96、ドリブンギヤ93を経由してセンサ軸92に減速されて伝達される。センサ軸92の回転数はポテンショセンサ91によって電圧値に変換されて、ベッド1の作動を制御するコントローラ(図示せず)に送信される。
所定の下限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、コントローラはモータ40を自動的に止める。
【0038】
モータ40の運転が停止されると、寝床4の荷重(患者の体重等)はベッド1のフレーム2によって機械的に支持されることにより、移動筒12にはナット19に後退させる方向の力が作用する状態にならないために、負荷側逆回転作用力がシャフト16に作用することはない。
但し、寝床4が倒伏した状態で、負荷側逆回転力がシャフト16に常に加わったとしても、シャフト16の逆回転は前述した作用によって防止されることになる。
【0039】
次に、CPR機構65の緊急時の作動を、図10に即して説明する。
心肺蘇生術の実施等の緊急時に、図1(b)に示されているように、寝床4が起立された状態から寝床4を迅速にフラットにさせる際に、ベッド1の左右のいずれかのコントロールワイヤ69が操作レバーへの操作によって引っ張られると、図10(a)に示されているように、操作リング66が回動される。
操作リング66が回動されると、図10(b)に示されているように、作動リング72がリターンスプリング75の付勢力に抗してサブハウジング30の方向に移動され、この作動リング72の移動によってインナレース59がサブハウジング30の方向に移動される。
このインナレース59の移動によって各係合雄部82が各係合雌部83から離脱することにより、各係合雌部83との係合を解除するために、サブシャフト52とシャフト16との連結は解除した状態になる。
このシャフト16とサブシャフト52との連結解除により、シャフト16はインナレース59の内周で回転自由な状態になる。
この状態において、ベッド1の寝床4の荷重(患者の体重等)がナット19へ、ナット19を後退させる方向の力として移動筒12を介して作用する状態になるために、シャフト16には移動筒12すなわち負荷側から逆回転させようとする負荷側逆回転作用力が、ナット19の雌ねじ部18およびシャフト16の送り用雄ねじ部17の作用によって加わっている。
この負荷側逆回転作用力により、シャフト16はインナレース59の内周で逆回転されるために、寝床4は自重によって倒れることができる。
【0040】
ところで、CPR機構65の操作レバーが引かれると、寝床4は直ちに下降するが、操作レバーが途中で離されると、その位置で直ちに停止する必要がある。すなわち、CPR機構65は操作レバーが離されると、自動的に元の状態に復帰し、ベッドの通常の起伏作動を確保することができる状態に復帰する必要がある。
本実施の形態においては、サブシャフト52側のインナレース59とシャフト16側のカラー55との連結および解除の制御が、3個の係合雄部82と3個の係合雌部83とによって実行されるために、CPR機構65の操作レバーが途中で離された場合であっても、確実に元の状態に戻ることができる。
【0041】
次に、係合雄部と係合雌部の係合および係合解除の作動を図11によって説明する。
ベッドの通常の起伏作動時においては、インナレース59の係合雄部82とカラー55の係合雌部83とは、図11(a)に示されているように係合している。
図11(a)において、実線矢印A1はベッド上昇作動時のインナレース59の回転方向を示しており、破線矢印A2は負荷側逆転作用力の方向を示している。
CPR機構65の操作レバーが引かれると、図11(b)に矢印A3で示された方向にインナレース59がCPR機構65によって移動されることにより、係合雄部82は係合雌部83との係合を解除するために、カラー55すなわちシャフト16は負荷側逆転作用力の矢印A2の方向に回転する。
寝床4が下限に達する前の途中で、CPR機構65の操作レバーが離されると、図11(c)に矢印A4で示された方向にインナレース59がCPR機構65によって移動されるために、係合雄部82は係合雌部83と係合する元の位置に戻る。
このとき、図11(c)に示されているように、係合雄部82が隣り合う係合雌部83、83の隔壁部83aと突き当たる可能性が極僅かであるが有る。
本実施の形態においては、万一、係合雄部82が隔壁部83aと突き当たったとしても、係合雄部82の周方向の長さが係合雌部83の周方向の長さよりも短く設定されており、かつ、カラー55は負荷側逆転作用力によって矢印A2の方向に高速度で回転されているために、図11(d)示されているように、係合雄部82は係合雌部83に相対的に落ち込むことにより、係合雄部82は係合雌部83と係合する元の位置に確実に戻る。
【0042】
本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0043】
1) モータの回転が伝達されるサブシャフト52と移動筒12を進退させるためのナット19が螺合されたシャフト16との間にサブシャフト52とシャフト16との連結および解除を実行するクラッチ(CPR機構)を介設することにより、ベッドの通常の使用時にはクラッチの連結によってモータの駆動力を移動筒12に確実に伝達することができるので、リニアアクチュエータの正常な作動を確保することができ、通常のベッドの使用を実現することができる。
【0044】
2) 心肺蘇生術の実施等の緊急時にはクラッチ(CPR機構)の連結を解除させることにより、シャフト16を回転自由な状態に迅速に移行させることができるので、ベッド1の寝床4を自重によって迅速に倒すことができる。
【0045】
3) ハウジング11の外周に回転自在に嵌合する操作リング66と、操作リング66の回転を軸方向の移動に変換してクラッチ(CPR機構)に伝達する作動リング72とを設け、操作リングの回転を作動リングによって直線運動に変換した上で、クラッチがサブシャフト52とシャフト16との連結を解除するように構成することにより、外力がワイヤや操作レバーに誤って加わった場合であっても、クラッチの連結は解除され難いために、ベッドが意図せずに水平になってしまうのを防止することができる。
また、操作レバーの力が方向転換せずに伝わるので、シンプルで確実な操作を実現することができる。
【0046】
4) サブシャフト52側のインナレース59に係合雄部82を設けるとともに、シャフト16側のカラー55に係合雌部83を設け、係合雄部82の周方向の長さを係合雌部83の周方向の長さよりも短く設定することにより、サブシャフト52側のインナレース59とシャフト16側のカラー55との連結および解除の制御を係合雄部82と係合雌部83とによって実行させることができるので、CPR機構65の操作レバーが途中で離された場合であっても、係合雄部82を係合雌部83と係合する元の位置に確実に戻すことができる。
【0047】
5) CPR機構65の操作レバーが途中で離された場合であっても、係合雄部82を係合雌部83と係合する元の位置に確実に戻すことができるので、ベッドの寝床4を操作レバーの解除によって指定された位置に直ちに、かつ、適正に急停止させることができる。
【0048】
6) サブシャフト52側のインナレース59に係合雄部82を設けるとともに、シャフト16側のカラー55に係合雌部83を設け、係合雄部82の周方向の長さを係合雌部83の周方向の長さよりも短く設定することにより、係合雄部82の高さを低く設定しても係合雄部82と係合雌部83とを確実に係合および解除させることができるので、サブシャフト52とシャフト16とを連結および解除するクラッチのストロークを短縮することができる。
【0049】
7) サブシャフト52側のインナレース59に係合雄部82を設けるとともに、シャフト16側のカラー55に係合雌部83を設け、係合雄部82の周方向の長さを係合雌部83の周方向の長さよりも短く設定することにより、係合雄部82と係合雌部83とを確実に係合および解除させることができるので、サブシャフト52とシャフト16とを連結および解除するクラッチの信頼性を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0051】
例えば、係合雄部および係合雌部は3個ずつ設けるに限らず、4個以上6個以下設けてもよい。
その場合、複数個の係合雄部が複数個の係合雌部の隔壁に偏って突合しないように、回転対称形に配置することが望ましい。
【0052】
前記実施の形態では、ベッドの背部の寝床を起伏させる場合について説明したが、本発明に係るリニアアクチュエータは、ベッドの床面を上下させるように構成してもよい。
床面を上下させるように構成した場合には、緊急時に床面を直ちに下降させることができるという効果を奏することができる。
【0053】
前記実施の形態においては、リニアアクチュエータが医療・介護用ベッドに使用される場合について説明したが、本発明に係るアクチュエータはこれに限らず、自動車電装品等の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態であるリニアアクチュエータが使用された医療・介護用ベッドの要部を示す正面図であり、(a)は倒伏状態を、(b)は起立状態を示している。
【図2】本発明の一実施の形態であるリニアアクチュエータを示す正面図である。
【図3】平面図である。
【図4(a)】基端部を示す正面断面図である。
【図4(b)】先端部を示す正面断面図である。
【図5(a)】基端部を示す平面断面図である。
【図5(b)】先端部を示す平面断面図である。
【図6】図4(a)のVI−VI線に沿う側面断面図である。
【図7】(a)は図4(a)のVIIa−VIIa線に沿う側面断面図、(b)は図4(a)のVIIb−VIIb線に沿う側面断面図である。
【図8】CRP機構を示す一部省略分解斜視図である。
【図9】(a)は図4(a)のIXa−IXa線に沿う側面断面図、(b)は図3のIXb−IXb線に沿う一部切断矢視図である。
【図10】CPR機構の緊急時の作動を示しており、(a)は図7(b)に相当する側面断面図、(b)は図4(a)に相当する正面断面図である。
【図11】係合雄部と係合雌部の係合および係合解除の作動を説明するための各展開図である。
【符号の説明】
【0055】
1…ベッド(医療・介護用ベッド)、2…フレーム、3…枢軸、4…寝床、5…リンク、6…枢軸、
10…リニアアクチュエータ、11…ハウジング、12…移動筒、13…支持筒、14…回り止め部、15…プラグ、16…シャフト、17…雄ねじ部、18…雌ねじ部、19…ナット(雌ねじ部材)、20…回り止め部、21…スライダ、22…回り止め部、23…固定部、24…かしめ部、
25…連結具、26…基端部、27…取付孔、
29…ビス、30…サブハウジング、31…開口部、32…連結具、33…閉塞部、34…ブラケット、35…取付孔、36…モータ装着部、37…玉軸受、
40…モータ、41…回転軸、42、43…ウオーム、44、45…支持軸、46、47…ウオームホイール、48、49…中間ギヤ、50…駆動ギヤ、
51a…キー溝、51b…キー、52…サブシャフト、53…軸受設置部、54…深溝玉軸受(スラスト軸受兼用ラジアル転がり軸受)、55…カラー、
56…ワンウエイクラッチ設置部、57…ワンウエイクラッチ、58…アウタレース、59…インナレース(CPR機構のクラッチのスリーブ)、60…ローラ、
61…ブレーキプレート設置部、62…ベースプレート、63…ブレーキプレート、
65…CPR機構、66…操作リング、67…締結具、68…環状溝、69…コントロールワイヤ、70…平行ピン、71…カム孔、72…作動リング、73…環状溝、74…スプリングシート、75…リターンスプリング、76…係合ピン、77…挿通孔、78…環状溝、79…スプリングシート、80…リターンスプリング、
81a…雌スプライン、81b…雄スプライン、82…係合雄部、83…係合雌部、83a…隔壁部、84…ピン、
85…ポテンショセンサ設置部、86…ウオームホイール、87…滑り軸受、88…ウオーム軸、89…第一ウオーム、90…第二ウオーム、91…ポテンショセンサ、92…センサ軸、93…ドリブンギヤ、94…リダクションギヤ軸、95…大径リダクションギヤ、96…小径リダクションギヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ねじ部を有するシャフトを回転自在に支承したハウジングと、前記雄ねじ部に螺合して前記シャフトの正逆回転によって進退する雌ねじ部材と、この雌ねじ部材に固定されて前記ハウジングに対して進退する移動筒と、前記シャフトにモータの回転を伝達する入力軸と、この入力軸と前記シャフトとの連結および解除を実行するクラッチと、前記ハウジングの外周に回転自在に嵌合された操作リングと、この操作リングの回転を軸方向の移動に変換して前記クラッチに伝達する作動リングと、を備えていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記クラッチは、前記入力軸に摺動自在に嵌合されたスリーブと、前記スリーブと前記シャフトとの間に設けられ互いに係合および係合解除する係合雄部および係合雌部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記係合雄部の周方向の長さは、前記係合雌部の周方向の長さよりも短く設定されていることを特徴とする請求項2に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記係合雄部および係合雌部は、3以上6以下ずつ設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項5】
前記係合雄部および係合雌部は、回転対称形に配置されていることを特徴とする請求項2、3または4に記載のリニアアクチュエータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4(a)】
image rotate

【図4(b)】
image rotate

【図5(a)】
image rotate

【図5(b)】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−249051(P2008−249051A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92390(P2007−92390)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】