リニアセンサの制御方法、画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置
【課題】
変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することができるリニアセンサの制御方法を提供する。また、リニアセンサを備え、該リニアセンサの暗電流雑音を低減することが可能な画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置を提供する。
【解決手段】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、光電変換部にて変換された電荷を電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を転送レジスタへ転送する第2転送工程と、転送レジスタを駆動する駆動工程と、電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、第1転送工程、第2転送工程、駆動工程、除去工程の順に各工程を実行する制御工程とを含む。
変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することができるリニアセンサの制御方法を提供する。また、リニアセンサを備え、該リニアセンサの暗電流雑音を低減することが可能な画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置を提供する。
【解決手段】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、光電変換部にて変換された電荷を電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を転送レジスタへ転送する第2転送工程と、転送レジスタを駆動する駆動工程と、電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、第1転送工程、第2転送工程、駆動工程、除去工程の順に各工程を実行する制御工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置やイメージスキャナ装置等の画像読取装置等に用いられるリニアセンサの制御方法、リニアセンサを備える画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置に固体リニアセンサを用いることは良く知られている。固体リニアセンサの代表的なものとして、CCDリニアセンサがある。
【0003】
図7は、一般的なCCDリニアセンサの構成を簡単に示した図である。同図において、71a、71b、71c、71d・・・71xxは、例えばフォトダイオードからなる光電変換素子であり、該光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxをライン状に配置することにより光電変換部71が構成されている。光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxは、それぞれ、入射された光を光電変換することにより得られる電荷を蓄積する。72は、各光電変換部71に蓄積された電荷を移送する移送ゲートである。73a、73b、73c、73d・・・73xxは、各光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxから移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)73を形成する。74は、転送レジスタ73から転送された電荷を出力信号として出力する出力回路である。
【0004】
このようなCCDリニアセンサにおいて、光電変換部71に光が入射しない状態であっても、雑音即ち暗電流雑音が発生することが知られている。この暗電流雑音は、発生した暗電流によるノイズである。この暗電流を別の表現で説明すると、光電変換部71に光が入射しない状態で生じる電荷である。また、この暗電流雑音は、8〜10℃温度が上昇すると約2倍に増加することや、光電変換部71及び転送レジスタ73における電荷の蓄積時間にほぼ比例することなどは、周知の事実である。
【0005】
このような暗電流雑音を除去するための方法として、光電変換部における光電変換により得られた出力信号から暗電流による信号分を減算する方法がある(特許文献1参照)。また、転送用クロック信号の制御によって転送部近傍の電界を変化させ、Pウェル領域から転送部へ不要電荷が流入することを抑制する方法がある(特許文献2参照)。
【0006】
また、近年のリニアセンサは、高解像度モードで使用される場合には高い解像度が要求されており、低解像度モードで使用される場合には高い速度が要求されている。その要求を満足するために光電変換部と転送部との間に電荷蓄積部を設けたCCDリニアセンサが開示されている(特許文献3参照)。
【0007】
図8は、光電変換部と転送部の間に電荷蓄積部を設けたCCDリニアセンサの構成を簡単に示した図である。同図において、81a、81b、81c、81d・・・81xxは、例えばフォトダイオードからなる光電変換素子であり、該光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxをライン状に配置することにより光電変換部81が構成されている。光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxは、それぞれ、入射された光を光電変換することにより得られる電荷を蓄積する。82は、各光電変換素子に蓄積された電荷を移送する移送ゲートである。83a、83b、83c、83d・・・83xxは、各光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxから移送された電荷を蓄積する電荷蓄積素子であり、電荷蓄積部83を形成する。電荷蓄積部83は光電変換部81と並列にライン状に配置されている。84は、電荷蓄積部83に蓄積された電荷を移送する移送ゲートであり、85a、85b、85c、85d・・・85xxは、電荷蓄積部83から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)85を形成する。86は、転送レジスタ85から転送された電荷をライン上の出力信号として出力する出力回路である。
【0008】
このような電荷蓄積部83を備えたCCDリニアセンサにおいては、従来の暗電流雑音の他に、電荷蓄積部83において暗電流の影響による数m秒〜数秒単位で変動する暗電流雑音(以下、変動性暗電流雑音)が発生する。この変動性暗電流雑音は電荷蓄積部が設けられた基板の状態によって変化し、2段〜複数段の状態を持っている。それぞれの状態における変動性暗電流雑音は電荷蓄積部を設けていないCCDリニアセンサの暗電流雑音と同様、温度や蓄積時間にほぼ比例する。また変動性暗電流雑音の変動頻度は温度に依存するが、その発生頻度や発生素子の推測は非常に困難であり、変動性暗電流雑音の影響による画像の読み取り精度の低下を防ぐ手法が必要となる。
【特許文献1】特開平10−170338号公報
【特許文献2】特開2003−153087号公報
【特許文献3】特開2007−74421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の手法では変動性暗電流雑音に対する配慮がされていなかった為、変動性暗電流雑音に対して正確な補正ができないという課題があった。
【0010】
また、暗電流雑音の量が大きくなると、Pウェル領域近傍の電界を変化させることだけでは転送部への不要電荷の流入を抑えきることが困難となってしまうという課題もあった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することができるリニアセンサの制御方法を提供することを目的とする。また、リニアセンサを備え、該リニアセンサの暗電流雑音を低減することが可能な画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程、前記除去工程の順に各工程を実行する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程の順に各工程を実行する制御工程とを含み、前記除去工程は、前記制御工程により前記各工程の実行が開始される前に行なわれることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタとを有するリニアセンサを用いた画像読取装置の制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納する格納工程と、前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納せずに廃棄する廃棄工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記格納工程、前記第2転送工程、前記廃棄工程の順に各工程を実行する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、画像原稿に光を照射する照射部と、前記照射部により照射され前記画像原稿により反射された光を受光し該光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御装置であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送部と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送部と、前記転送レジスタを駆動する駆動部と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送部、前記第2転送部、前記駆動部、前記第2転送部、前記駆動部の各動作を順に実行する制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、暗電流雑音によって電荷蓄積部に蓄積された不要電荷を所定期間内に転送させることによって掃き捨てることで、変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係わるリニアセンサの制御方法、画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
【0019】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
【0020】
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表す。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
【0021】
図9は、本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサを備えた画像読取装置である多機能プリンタ101(以下、MFP)の外観正面図である。MFP101は、主に記録部とスキャナ部で構成されている。記録部にはインクジェットシリアルプリンタが、スキャナ部にはCCDリニアセンサを搭載したフラットベッドスキャナが内蔵されている。また、構造的には記録部の上部にスキャナ部が設置された構成となっている。スキャナ部には画像原稿を押えるための上蓋106が設けられている。上蓋106はヒンジ(不図示)により回動可能である。一方、記録部には記録後の記録媒体を装置外に排出する排紙部107、記録に用いる記録紙などの記録媒体を積載した給紙部108が備えられる。
【0022】
また、MFP101の正面左側にはデジタルカメラ等で使用されるメモリカードとの間で情報を入出力するためのメモリカードスロット102が設置されている。メモリカードは複数の種類があるため、これらに対応するためメモリカードスロット102のスロットは2種類備えられている。さらに、デジタルカメラやDVD/CD−ROMドライブ、リムーバブルHDD等の外部記憶装置との接続を行うための外部機器接続端子103が装置正面右側に備えられている。外部機器接続端子103はUSB端子である。
【0023】
さらに、装置正面上方にはMFP101を操作するための複数の操作ボタンを有した操作部104が備えられている。操作部104の中央にはメニュー表示や画像表示を行うためカラーLCD105が設けられている。
【0024】
上述のように、MFP101には記録部とスキャナ部に加え、メモリカードスロット102と外部機器接続端子103を備えることでパーソナルコンピュータ(PC)のようなホスト装置と接続せずにコピーやメモリカード内の画像の記録を行うことができる。また、カラーLCD105によりスキャナ部による読取画像やメモリカード内の画像のプレビューを行うことができる。
【0025】
次に、MFP101のスキャナ部について説明する。
【0026】
図10は、MFP101の上面図である。
【0027】
図10に示すように、上蓋106を持ち上げるとスキャナ部の構造を見ることができる。スキャナ部は主にスキャナキャリッジ201、シャフト202、原稿203を載置するガラス204、スキャナキャリッジ201を移動させるためのスキャナキャリッジモータ205によって構成されている。また、スキャナキャリッジ201は光源、ミラー、レンズ、CCDリニアセンサなどで構成され、スキャナキャリッジ201はシャフト202上を矢印A方向に移動し、原稿203の画像を光学的に読取る。
【0028】
原稿203の画像を読み取る場合は、MFP101の上蓋106を持ち上げ、読取対象の原稿203をガラス204の上に載置し、上蓋106を降ろし、操作部104を操作してMFPに読取指示を与える。
【0029】
図11は、操作部104のレイアウト図である。
【0030】
原稿読取時には、操作者は、スキャンボタン303を押す。操作者によりスキャンボタン303が押されると、スキャナキャリッジ201内の光源が点灯し、スキャナキャリッジ201がシャフト202に沿って矢印Aの方向に移動する。その際、照射部(不図示)、すなわち、光源により原稿203を照射し、その反射光量をスキャナキャリッジ内のミラー、レンズを通してCCDで読取り、電気信号に変換する。そして、その電気信号が画像データとしてメモリに保存される。
【0031】
図11に示されるように、操作部104には種々のボタンやキーが配置されている。これらには、例えば、テンキー301、コピーボタン302、スキャンボタン303、印刷ボタン304、カーソルキー305がある。また、入力指示を確定するための決定ボタン306、入力指示をリセットするリセットボタン307、モノクロ処理指示ボタン308、カラー処理指示ボタン309なども備えられる。これらに加えて、図示はしていないが、電源の投入や、ホスト装置とのオンライン/オフラインの設定するためのスイッチなども備えられる。そして、カラーLCD105には、操作状態、RAM513やメモリカード515に保存された画像、メニューなどが表示される。
【0032】
次に、MFP101の記録部について説明する。
【0033】
図12は、MFP101の記録部の概略構成を示す斜視図である。
【0034】
図12に示すように、記録部は主に、ヘッドキャリッジ401、記録ヘッド402、インクタンク403〜406、シャフト407、搬送ローラ409、プラテン410、ヘッドキャリッジモータ(不図示)、搬送モータ(不図示)によって構成されている。
【0035】
ヘッドキャリッジ401は、記録ヘッド402と、黒インクを収容したインクタンク403、シアンインクを収容したインクタンク404、マゼンタインクを収容したインクタンク405、イエロインクを収容したインクタンク406を搭載する。そして、ヘッドキャリッジ401を支えるシャフト407に沿って矢印B方向に移動しながら、インク液滴を記録紙408に吐出して記録を行う。
【0036】
記録動作時には、給紙部108内の一番上の記録紙408を搬送ローラ409と駆動モータを使って矢印Cが示すようにU字状に引き込む。記録紙408の先端が記録ヘッド402の下に到達すると同時にヘッドキャリッジ401は矢印B方向に往復移動し、記録紙408に記録ヘッド402からインク液滴を吐出して1走査分の記録を行う。その後、搬送ローラ409により1走査分に相当する長さ記録紙408を搬送し、再びヘッドキャリッジ401が走査し、記録を行う。この動作を繰り返し、記録が終了した後、記録紙408を排紙部107上に排紙し記録動作完了となる。
【0037】
特に、記録紙に記録された画像のコピー印刷を行う場合は、図10に示すように原稿203をガラス204の上に載置し、上蓋106を降ろし、図11に示した操作部104のコピーボタン302を押す。この指示に応じて、前述した画像読取動作と同様に画像データがメモリに保存される。その後、一時的に保存された画像データを記録データに変換処理して、記録部で印刷を行いコピー画像を出力する。
【0038】
図13は、図9に示したMFP101の制御構成を示すブロック図である。なお、図13において既に説明した構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図13において、502は記録ヘッド402を電気的に制御し、画像データに基づいてインクを吐出させるための駆動パルスを生成する記録ヘッド制御回路である。503は画像を光学的に読取るスキャナユニット、505はヘッドキャリッジ401を移動させるヘッドキャリッジモータ、506は記録媒体を搬送するための搬送モータである。507は記録ヘッド402のノズル内のつまりなどを回復するポンプを駆動するための回復動作モータである。508は記録部やスキャナ部の動作状態を監視するためのセンサ類である。509は各種モータ及びセンサを制御管理する機構制御回路である。スキャナユニット503は、CCDリニアセンサやA/D変換部(不図示)を備えている。
【0040】
また、510は各部の動作を全体的に制御するCPU511を含むASIC、512はASIC510が実行する処理手順に対応したプログラムを記憶したROMである。513はASIC510が処理手順を実行するためのパラメータや画像データを一時保存するRAM、514は装置電源オフ時にも記録ヘッド402の状態を保存するEEPROM、515はデジタルカメラ等で主に画像データを保存するメモリカードである。510aは読取制御部である。この読取制御部510aは、CCDリニアセンサやA/D変換部の駆動の制御を行う。
【0041】
さらに、517、519は外部装置とのインタフェース(I/F)である。パーソナルコンピュータ(PC)518はインタフェース517を介して、デジタルカメラ、光ディスク等の外部装置520はインタフェース519を介して、夫々ケーブルを介して接続される。そして、インタフェース517、519を介して、MFP101と外部装置との間で画像データの入出力がなされる。
【0042】
(実施形態1)
本実施形態に係るCCDリニアセンサを図1に示す。
【0043】
図1に示されるように、本実施形態に係るCCDリニアセンサは、受光した光を電荷に変換する光電変換部11と、移送ゲート12と、電荷蓄積部13と、バリアゲート14と、転送レジスタ(転送部)15とを備えている。光電変換部11は、一定方向に配列され、光電変換により信号電荷を発生する複数の光電変換素子11a、11b・・・11xxから構成されている。電荷蓄積部13は、光電変換部11と平行に配列され、信号電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子13a、13b・・・13xxから構成されている。バリアゲート14は、低解像度モードにおいては、電荷蓄積部13の各電荷蓄積素子13a、13b・・・13xxのうちの少なくとも2つ毎に信号電荷を合成し、合成された信号電荷を転送レジスタ15に転送する。ここで「低解像度」とは、光電変換部11の解像度の1/2や1/4といった1/2n(nは1以上の整数)の解像度のことを意味する。15a、15b、15c、15d・・・15xxは、電荷蓄積部13から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)15を形成する。16は、転送レジスタ15から転送された電荷をA/D変換部へ出力する出力回路である。
【0044】
ここで、図2に示すタイムチャートを参照して、本実施形態に係る暗電流雑音低減方法について説明する。図2に示す各信号名は、図1に示す各ブロック中に記載された符号に一致しており、それぞれのブロックに印加されるものである。なお、図2中のOSは、転送レジスタ15から転送された電荷を画像信号として出力する出力回路に印加する信号を表しており、図中のEのタイミングで有効画素の転送が行われていることを示している。読取制御部510a(図13参照)は、スキャナユニット503からの信号を入力して処理を行う。読取制御部510aは、例えば、図2のEのタイミングに出力された信号(データ)に対してはメモリへの蓄積や画像処理を行う。一方、読取制御部510aは、例えば、Dのタイミングで出力された信号(データ)に対してはメモリ(記憶部)への蓄積(格納)を行わず、捨てる(廃棄)処理を行う。
【0045】
読取制御部510a(図13参照)は、詳細については後述するが、SH、ST1、ST2、BG1、BG2、Φ1、Φ2の各信号を予め定められたタイミングで出力する。これにより、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、電荷を転送する処理や、光電変換部11において光電変換された信号電荷をASIC510へ転送する処理等が周期的に行なわれる。なお、光電変換部11において光電変換された信号電荷をASIC510へ転送する処理は、読取制御部510aの制御に基づいて行なわれる。更に、この信号電荷の先の転送処理と信号電荷の次の転送処理との間に、電荷蓄積部13で発生した電荷をASIC510へ転送する処理を行う。この電荷蓄積部13で発生した電荷の転送処理は、先の信号電荷の転送処理の実行後に、予め定められたタイミングで行われる。
【0046】
ST1、ST2がHigh(H)レベルに設定されている状態のt0−t0’間で、移送ゲート12(SH)をHレベルに設定する。これにより、図1の光電変換部11に蓄積された各光電変換素子の電荷が、各々対応した電荷蓄積部13の電荷蓄積素子に転送される(第1転送:第1転送部)。なお、SHはt0’からt0’’までLow(L)レベルとなるため、この間に光電変換部11にて発生した電荷は全て光電変換部11に蓄積される。また、電荷蓄積部13に転送された電荷は、以下のように順次転送レジスタ15に転送される(第2転送:第2転送部)。
【0047】
まず、ST1がLレベル、ST2がHレベルに設定されている状態のt1−t1’間でBG1がHレベルに設定されることで、バリアゲート14のBG1に対応したST1の電荷蓄積素子13a、13e・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p1において駆動部(不図示)により転送レジスタ15を駆動することにより、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力回路16を介して、電荷が出力される。次に、ST1がHレベル、ST2がLレベルに設定されている状態のt2−t2’間でBG1がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG1に対応したST2の電荷蓄積素子13b、13f・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p2にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。次に、ST1がHレベル、ST2がLレベルに設定されている状態のt3−t3’間でBG2がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG2に対応したST2の電荷蓄積素子13c、13g・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p3にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。次に、ST1がLレベル、ST2がHレベルに設定されている状態のt4−t4’間でBG2がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG2に対応したST1の電荷蓄積素子13d、13h・・・の電荷が転送レジスタに転送される。そして、期間p4にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。
【0048】
通常の画像読み取りを行う場合は以上を繰り返すことによって画像読み取りを行うが、本実施形態では、t5−t5’間、t6−t6’間にそれぞれBG2をHレベル、BG1をHレベルに設定し、その間のST1、ST2を共にLレベルに設定する。この制御により、期間t5−t5’において、バリアゲート14のBG1に対応した電荷蓄積素子13a、13b、13e、13fで発生した電荷を転送レジスタ15へ転送する。また、期間t6−t6’において、バリアゲート14のBG2に対応した電荷蓄積素子13c、13d、13g、13hで発生した電荷を転送レジスタ15へ転送する。そして、期間t5−t0’’を含むDの期間に、転送レジスタ15を駆動する。このような制御をして電荷蓄積素子に蓄積された読取画像と関係無い電荷を転送レジスタ15に転送することにより、暗電流による雑音の影響を除去することができる。このとき、t6’−t0’’間は、転送レジスタ15に転送された電荷を全て出力することが出来るだけの十分な期間を有する必要がある。このため、期間t5−t5’、期間t6−t6’は、転送レジスタ15の動作時間に基づき定められる。なお、転送レジスタ15の駆動は止めても止めなくてもどちらでもよく、電荷蓄積部13からの電荷の転送に十分な期間が確保できれば良い。
【0049】
図2を補足すると、画像の読み取りを開始する前に以下の処理を行う。t51−t52間にt5−t5‘と同様の処理を行う。また、t61−t62間にt6−t6‘と同様の処理を行う。これにより、読み取り動作を開始する前に、電荷蓄積素子に蓄積された不要な電荷を除去することができる。
【0050】
各電荷蓄積素子において暗電流が発生しうる時間は、t5−t5’間、t6−t6’間にて電荷の転送処理を実行しない場合、1ライン分の蓄積時間Tallにほぼ等しかった。これに対しt5−t5’間、t6−t6’間にて電荷の転送処理を実行した場合、BG1に対応したST1の電荷蓄積素子ではT1、BG1に対応したST2の電荷蓄積素子ではT2と短くすることが出来る。更に、BG2に対応したST2の電荷蓄積素子ではT3、BG2に対応したST1の電荷蓄積素子ではT4と短くすることが出来る。なお、暗電流雑音量は蓄積時間にほぼ比例する。このため、t0’−t1間、t1’−t2間、t2’−t3間、t3’−t4間、t62−t1間、t62−t2間、t52−t3間、t52−t4間を必要十分かつ極力短い時間となるよう設定することで掃き捨て制御をより効果的にすることができる。
【0051】
上記のような電荷の転送処理を行った場合、T3、T4の期間がT1、T2に比べて大きくなってしまう。このため、後半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量が前半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量に対して大きくなってしまう。そこで、後半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量を、前半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量に近づけるため、図3のタイムチャートのように制御することで暗電流雑音をより低減することができる。
【0052】
図3のタイムチャートに示したように、t7−t7’間でST1がLレベル、ST2がLレベル、BG2がHレベルに設定されることによって、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子の電荷が転送レジスタ15に転送され信号電荷として出力される。これにより、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子の不要電荷を減らすことができる。また、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子についての暗電流雑音の影響する時間の長さT3、T4を短縮することができる。このため、掃き捨てを行った後に蓄積された電荷蓄積部13への暗電流雑音の影響による不要電荷は有効信号内でほぼ均一に分散している。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態に係るCCDリニアセンサを図4に示す。
【0054】
図4に示されるように、本実施形態に係るCCDリニアセンサは、図1のCCDリニアセンサと同様、光電変換部41と、移送ゲート42と、電荷蓄積部43と、バリアゲート44と、転送レジスタ45とを備えている。光電変換部41は、一定方向に配列され、光電変換により信号電荷を発生する複数の光電変換素子41a、41b・・・41xxから構成されている。電荷蓄積部43は、光電変換部41と平行に配列され、信号電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子43a、43b・・・43xxから構成されている。バリアゲート44は、電荷蓄積部43と平行に配列され、電荷蓄積部43に蓄積された信号電荷を転送レジスタ45に転送する。45a、45b、45c、45d・・・45xxは、電荷蓄積部43から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ45を形成する。46は、転送レジスタ45から転送された電荷をライン上の出力信号として出力する出力回路である。
【0055】
ここで、図5に示すタイムチャートを参照して、本実施形態に係る暗電流雑音低減方法について説明する。図5に示す各信号名は、図4に示す各ブロック中に記載された符号に一致しており、それぞれのブロックに印加されるものである。なお、図5中のOSは、転送レジスタ45から転送された電荷を画像信号として出力する出力回路に印加する信号を表しており、図中のEのタイミングで有効画素の転送が行われていることを示している。
【0056】
時刻t0−t0’間に移送ゲート42(SH)をHレベルにすることで、図4の光電変換部41に蓄積された電荷が、各々対応した電荷蓄積部43の電荷蓄積素子に転送される。なお、SHはt0’からt0’’までLレベルとなるため、この間に光電変換部41にて発生した電荷は全て光電変換部41に蓄積される。また、電荷蓄積部43に転送された電荷は、以下のように順次転送レジスタ45に転送される。
【0057】
まず、t1−t1’間でBG1がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG1に対応した電荷蓄積素子43a、43e・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t2−t2’間でBG2がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG2に対応した電荷蓄積素子43b、43f・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t3−t3’間でBG3がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG3に対応した電荷蓄積素子43c、43g・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t4−t4’間でBG4がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG4に対応した電荷蓄積素子43d、43h・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。
【0058】
通常の画像読み取りを行う場合は以上を繰り返すことによって画像読み取りを行うが、本実施形態では、t5−t5’間でBG1、BG2、BG3、BG4をHレベルに設定している。このような掃き捨て制御をすることにより、電荷蓄積素子に蓄積された全ての暗電流雑音による電荷を転送レジスタ45に転送することができる。このとき、t5’−t0’’間は、転送レジスタ45に転送された電荷を全て出力することが出来るだけの十分な期間を有する必要がある。なお、転送レジスタ45の駆動は止めても止めなくてもどちらでもよく、電荷蓄積部43からの電荷の転送に十分な期間が確保できれば良い。
【0059】
各電荷蓄積素子が暗電流雑音の影響を受ける時間は、t5−t5’間の掃き捨て制御をしない場合、1ライン分の蓄積時間Tallにほぼ等しかった。これに対し掃き捨て制御した場合、BG1に対応したST1の電荷蓄積素子ではT1、BG2に対応したST2の電荷蓄積素子ではT2、BG3に対応したST3の電荷蓄積素子ではT3、BG4に対応したST4の電荷蓄積素子ではT4と短くすることが出来る。なお、暗電流雑音量は蓄積時間にほぼ比例する。このため、t0’−t1間、t1’−t2間、t2’−t3間、t3’−t4間、t52−t1間、t52−t2間、t52−t3間、t52−t4間を必要十分かつ極力短い時間となるよう設定することで掃き捨て制御をより効果的にすることができる。
【0060】
本実施形態においては、バリアゲート信号をHに設定することで電荷蓄積部43から転送レジスタ45への電荷の移送が行われる。このため、図6のタイムチャートに示したように掃き捨て用のバリアゲート信号の立下り時間をt51よりも後のt52に設定することができる。その結果、各電荷蓄積素子に対する暗電流雑音の影響する時間は、BG1に対応した電荷蓄積素子ではT1’、BG2に対応した電荷蓄積素子ではT2’、BG3に対応した電荷蓄積素子ではT3’、BG4に対応した電荷蓄積素子ではT4’となる。このように、各電荷蓄積素子において暗電流雑音の影響を受ける時間をt51−t52間分だけ短くすることが出来る。
【0061】
上記に、実施形態1及び実施形態2について記載したが、これらの実施形態は本発明を限定するものではない。例えば、バリアゲートや電荷蓄積部のチャンネル数を増減してもよく、転送レジスタの素子をバリアゲートの素子に対して1/2素子分及び1/4素子分ずらしたものであってもよい。また、実施形態1及び実施形態2では、バリアゲートのチャンネル数を複数にすることにより、複数の電荷蓄積素子を複数のグループに分割し、前記グループごとに電荷を除去しているがこのことに限定されない。
【0062】
また、下記に、本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサの暗電流雑音低減方法についてのフローを図14を用いて説明する。
【0063】
まず、ステップS110で、光電変換部において、前記光を受光し、受光した光を電荷に変換する。次に、ステップS120で、移送ゲートにより、光電変換部から電化蓄積部への電荷の転送を予め定められた時間遮断する。次に、ステップS130で、電荷蓄積部において、ステップS110で変換された電荷を蓄積する。次に、ステップS140で、光電変換部が新たに光を受光している間に、転送レジスタにより電荷蓄積部に蓄積された電荷を転送する。次に、ステップS150で、光電変換部が新たに光を受光している間に、ステップS140で電荷を転送した後に電荷蓄積部に蓄積された不要電荷を除去し、終了する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態1のCCDリニアセンサを示す図である。
【図2】実施形態1のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートである。
【図3】実施形態1のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートの応用例である。
【図4】実施形態2のCCDリニアセンサを示す図である。
【図5】実施形態2のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートである。
【図6】実施形態2のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートの応用例である。
【図7】従来のCCDリニアセンサを示す図である。
【図8】従来のCCDリニアセンサを示す図である。
【図9】本発明の代表的な実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載した記録部と光学的に画像を読取るスキャナ部とを備えた多機能プリンタを示す正面図である。
【図10】図9に示した多機能プリンタのスキャナ部の構成を示す上面図である。
【図11】図9に示した多機能プリンタの操作部の構成を示す図である。
【図12】図9に示した多機能プリンタの記録部の構成を示す斜視図である。
【図13】図9に示した多機能プリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサの暗電流雑音低減方法についてのフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
11、41 光電変換部
12、42 移送ゲート
13、43 電荷蓄積部
14、44 バリアゲート
15、45 転送レジスタ(転送部)
16、46 出力回路
510 ASIC
510a 読取制御部
511 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置やイメージスキャナ装置等の画像読取装置等に用いられるリニアセンサの制御方法、リニアセンサを備える画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置に固体リニアセンサを用いることは良く知られている。固体リニアセンサの代表的なものとして、CCDリニアセンサがある。
【0003】
図7は、一般的なCCDリニアセンサの構成を簡単に示した図である。同図において、71a、71b、71c、71d・・・71xxは、例えばフォトダイオードからなる光電変換素子であり、該光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxをライン状に配置することにより光電変換部71が構成されている。光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxは、それぞれ、入射された光を光電変換することにより得られる電荷を蓄積する。72は、各光電変換部71に蓄積された電荷を移送する移送ゲートである。73a、73b、73c、73d・・・73xxは、各光電変換素子71a、71b、71c、71d・・・71xxから移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)73を形成する。74は、転送レジスタ73から転送された電荷を出力信号として出力する出力回路である。
【0004】
このようなCCDリニアセンサにおいて、光電変換部71に光が入射しない状態であっても、雑音即ち暗電流雑音が発生することが知られている。この暗電流雑音は、発生した暗電流によるノイズである。この暗電流を別の表現で説明すると、光電変換部71に光が入射しない状態で生じる電荷である。また、この暗電流雑音は、8〜10℃温度が上昇すると約2倍に増加することや、光電変換部71及び転送レジスタ73における電荷の蓄積時間にほぼ比例することなどは、周知の事実である。
【0005】
このような暗電流雑音を除去するための方法として、光電変換部における光電変換により得られた出力信号から暗電流による信号分を減算する方法がある(特許文献1参照)。また、転送用クロック信号の制御によって転送部近傍の電界を変化させ、Pウェル領域から転送部へ不要電荷が流入することを抑制する方法がある(特許文献2参照)。
【0006】
また、近年のリニアセンサは、高解像度モードで使用される場合には高い解像度が要求されており、低解像度モードで使用される場合には高い速度が要求されている。その要求を満足するために光電変換部と転送部との間に電荷蓄積部を設けたCCDリニアセンサが開示されている(特許文献3参照)。
【0007】
図8は、光電変換部と転送部の間に電荷蓄積部を設けたCCDリニアセンサの構成を簡単に示した図である。同図において、81a、81b、81c、81d・・・81xxは、例えばフォトダイオードからなる光電変換素子であり、該光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxをライン状に配置することにより光電変換部81が構成されている。光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxは、それぞれ、入射された光を光電変換することにより得られる電荷を蓄積する。82は、各光電変換素子に蓄積された電荷を移送する移送ゲートである。83a、83b、83c、83d・・・83xxは、各光電変換素子81a、81b、81c、81d・・・81xxから移送された電荷を蓄積する電荷蓄積素子であり、電荷蓄積部83を形成する。電荷蓄積部83は光電変換部81と並列にライン状に配置されている。84は、電荷蓄積部83に蓄積された電荷を移送する移送ゲートであり、85a、85b、85c、85d・・・85xxは、電荷蓄積部83から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)85を形成する。86は、転送レジスタ85から転送された電荷をライン上の出力信号として出力する出力回路である。
【0008】
このような電荷蓄積部83を備えたCCDリニアセンサにおいては、従来の暗電流雑音の他に、電荷蓄積部83において暗電流の影響による数m秒〜数秒単位で変動する暗電流雑音(以下、変動性暗電流雑音)が発生する。この変動性暗電流雑音は電荷蓄積部が設けられた基板の状態によって変化し、2段〜複数段の状態を持っている。それぞれの状態における変動性暗電流雑音は電荷蓄積部を設けていないCCDリニアセンサの暗電流雑音と同様、温度や蓄積時間にほぼ比例する。また変動性暗電流雑音の変動頻度は温度に依存するが、その発生頻度や発生素子の推測は非常に困難であり、変動性暗電流雑音の影響による画像の読み取り精度の低下を防ぐ手法が必要となる。
【特許文献1】特開平10−170338号公報
【特許文献2】特開2003−153087号公報
【特許文献3】特開2007−74421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の手法では変動性暗電流雑音に対する配慮がされていなかった為、変動性暗電流雑音に対して正確な補正ができないという課題があった。
【0010】
また、暗電流雑音の量が大きくなると、Pウェル領域近傍の電界を変化させることだけでは転送部への不要電荷の流入を抑えきることが困難となってしまうという課題もあった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することができるリニアセンサの制御方法を提供することを目的とする。また、リニアセンサを備え、該リニアセンサの暗電流雑音を低減することが可能な画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程、前記除去工程の順に各工程を実行する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程の順に各工程を実行する制御工程とを含み、前記除去工程は、前記制御工程により前記各工程の実行が開始される前に行なわれることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様は、受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタとを有するリニアセンサを用いた画像読取装置の制御方法であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納する格納工程と、前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納せずに廃棄する廃棄工程と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記格納工程、前記第2転送工程、前記廃棄工程の順に各工程を実行する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、画像原稿に光を照射する照射部と、前記照射部により照射され前記画像原稿により反射された光を受光し該光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御装置であって、前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送部と、前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送部と、前記転送レジスタを駆動する駆動部と、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送部、前記第2転送部、前記駆動部、前記第2転送部、前記駆動部の各動作を順に実行する制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、暗電流雑音によって電荷蓄積部に蓄積された不要電荷を所定期間内に転送させることによって掃き捨てることで、変動性暗電流雑音を含む全ての暗電流雑音を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係わるリニアセンサの制御方法、画像読取装置の制御方法、及びリニアセンサの制御装置の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
【0019】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
【0020】
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表す。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
【0021】
図9は、本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサを備えた画像読取装置である多機能プリンタ101(以下、MFP)の外観正面図である。MFP101は、主に記録部とスキャナ部で構成されている。記録部にはインクジェットシリアルプリンタが、スキャナ部にはCCDリニアセンサを搭載したフラットベッドスキャナが内蔵されている。また、構造的には記録部の上部にスキャナ部が設置された構成となっている。スキャナ部には画像原稿を押えるための上蓋106が設けられている。上蓋106はヒンジ(不図示)により回動可能である。一方、記録部には記録後の記録媒体を装置外に排出する排紙部107、記録に用いる記録紙などの記録媒体を積載した給紙部108が備えられる。
【0022】
また、MFP101の正面左側にはデジタルカメラ等で使用されるメモリカードとの間で情報を入出力するためのメモリカードスロット102が設置されている。メモリカードは複数の種類があるため、これらに対応するためメモリカードスロット102のスロットは2種類備えられている。さらに、デジタルカメラやDVD/CD−ROMドライブ、リムーバブルHDD等の外部記憶装置との接続を行うための外部機器接続端子103が装置正面右側に備えられている。外部機器接続端子103はUSB端子である。
【0023】
さらに、装置正面上方にはMFP101を操作するための複数の操作ボタンを有した操作部104が備えられている。操作部104の中央にはメニュー表示や画像表示を行うためカラーLCD105が設けられている。
【0024】
上述のように、MFP101には記録部とスキャナ部に加え、メモリカードスロット102と外部機器接続端子103を備えることでパーソナルコンピュータ(PC)のようなホスト装置と接続せずにコピーやメモリカード内の画像の記録を行うことができる。また、カラーLCD105によりスキャナ部による読取画像やメモリカード内の画像のプレビューを行うことができる。
【0025】
次に、MFP101のスキャナ部について説明する。
【0026】
図10は、MFP101の上面図である。
【0027】
図10に示すように、上蓋106を持ち上げるとスキャナ部の構造を見ることができる。スキャナ部は主にスキャナキャリッジ201、シャフト202、原稿203を載置するガラス204、スキャナキャリッジ201を移動させるためのスキャナキャリッジモータ205によって構成されている。また、スキャナキャリッジ201は光源、ミラー、レンズ、CCDリニアセンサなどで構成され、スキャナキャリッジ201はシャフト202上を矢印A方向に移動し、原稿203の画像を光学的に読取る。
【0028】
原稿203の画像を読み取る場合は、MFP101の上蓋106を持ち上げ、読取対象の原稿203をガラス204の上に載置し、上蓋106を降ろし、操作部104を操作してMFPに読取指示を与える。
【0029】
図11は、操作部104のレイアウト図である。
【0030】
原稿読取時には、操作者は、スキャンボタン303を押す。操作者によりスキャンボタン303が押されると、スキャナキャリッジ201内の光源が点灯し、スキャナキャリッジ201がシャフト202に沿って矢印Aの方向に移動する。その際、照射部(不図示)、すなわち、光源により原稿203を照射し、その反射光量をスキャナキャリッジ内のミラー、レンズを通してCCDで読取り、電気信号に変換する。そして、その電気信号が画像データとしてメモリに保存される。
【0031】
図11に示されるように、操作部104には種々のボタンやキーが配置されている。これらには、例えば、テンキー301、コピーボタン302、スキャンボタン303、印刷ボタン304、カーソルキー305がある。また、入力指示を確定するための決定ボタン306、入力指示をリセットするリセットボタン307、モノクロ処理指示ボタン308、カラー処理指示ボタン309なども備えられる。これらに加えて、図示はしていないが、電源の投入や、ホスト装置とのオンライン/オフラインの設定するためのスイッチなども備えられる。そして、カラーLCD105には、操作状態、RAM513やメモリカード515に保存された画像、メニューなどが表示される。
【0032】
次に、MFP101の記録部について説明する。
【0033】
図12は、MFP101の記録部の概略構成を示す斜視図である。
【0034】
図12に示すように、記録部は主に、ヘッドキャリッジ401、記録ヘッド402、インクタンク403〜406、シャフト407、搬送ローラ409、プラテン410、ヘッドキャリッジモータ(不図示)、搬送モータ(不図示)によって構成されている。
【0035】
ヘッドキャリッジ401は、記録ヘッド402と、黒インクを収容したインクタンク403、シアンインクを収容したインクタンク404、マゼンタインクを収容したインクタンク405、イエロインクを収容したインクタンク406を搭載する。そして、ヘッドキャリッジ401を支えるシャフト407に沿って矢印B方向に移動しながら、インク液滴を記録紙408に吐出して記録を行う。
【0036】
記録動作時には、給紙部108内の一番上の記録紙408を搬送ローラ409と駆動モータを使って矢印Cが示すようにU字状に引き込む。記録紙408の先端が記録ヘッド402の下に到達すると同時にヘッドキャリッジ401は矢印B方向に往復移動し、記録紙408に記録ヘッド402からインク液滴を吐出して1走査分の記録を行う。その後、搬送ローラ409により1走査分に相当する長さ記録紙408を搬送し、再びヘッドキャリッジ401が走査し、記録を行う。この動作を繰り返し、記録が終了した後、記録紙408を排紙部107上に排紙し記録動作完了となる。
【0037】
特に、記録紙に記録された画像のコピー印刷を行う場合は、図10に示すように原稿203をガラス204の上に載置し、上蓋106を降ろし、図11に示した操作部104のコピーボタン302を押す。この指示に応じて、前述した画像読取動作と同様に画像データがメモリに保存される。その後、一時的に保存された画像データを記録データに変換処理して、記録部で印刷を行いコピー画像を出力する。
【0038】
図13は、図9に示したMFP101の制御構成を示すブロック図である。なお、図13において既に説明した構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図13において、502は記録ヘッド402を電気的に制御し、画像データに基づいてインクを吐出させるための駆動パルスを生成する記録ヘッド制御回路である。503は画像を光学的に読取るスキャナユニット、505はヘッドキャリッジ401を移動させるヘッドキャリッジモータ、506は記録媒体を搬送するための搬送モータである。507は記録ヘッド402のノズル内のつまりなどを回復するポンプを駆動するための回復動作モータである。508は記録部やスキャナ部の動作状態を監視するためのセンサ類である。509は各種モータ及びセンサを制御管理する機構制御回路である。スキャナユニット503は、CCDリニアセンサやA/D変換部(不図示)を備えている。
【0040】
また、510は各部の動作を全体的に制御するCPU511を含むASIC、512はASIC510が実行する処理手順に対応したプログラムを記憶したROMである。513はASIC510が処理手順を実行するためのパラメータや画像データを一時保存するRAM、514は装置電源オフ時にも記録ヘッド402の状態を保存するEEPROM、515はデジタルカメラ等で主に画像データを保存するメモリカードである。510aは読取制御部である。この読取制御部510aは、CCDリニアセンサやA/D変換部の駆動の制御を行う。
【0041】
さらに、517、519は外部装置とのインタフェース(I/F)である。パーソナルコンピュータ(PC)518はインタフェース517を介して、デジタルカメラ、光ディスク等の外部装置520はインタフェース519を介して、夫々ケーブルを介して接続される。そして、インタフェース517、519を介して、MFP101と外部装置との間で画像データの入出力がなされる。
【0042】
(実施形態1)
本実施形態に係るCCDリニアセンサを図1に示す。
【0043】
図1に示されるように、本実施形態に係るCCDリニアセンサは、受光した光を電荷に変換する光電変換部11と、移送ゲート12と、電荷蓄積部13と、バリアゲート14と、転送レジスタ(転送部)15とを備えている。光電変換部11は、一定方向に配列され、光電変換により信号電荷を発生する複数の光電変換素子11a、11b・・・11xxから構成されている。電荷蓄積部13は、光電変換部11と平行に配列され、信号電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子13a、13b・・・13xxから構成されている。バリアゲート14は、低解像度モードにおいては、電荷蓄積部13の各電荷蓄積素子13a、13b・・・13xxのうちの少なくとも2つ毎に信号電荷を合成し、合成された信号電荷を転送レジスタ15に転送する。ここで「低解像度」とは、光電変換部11の解像度の1/2や1/4といった1/2n(nは1以上の整数)の解像度のことを意味する。15a、15b、15c、15d・・・15xxは、電荷蓄積部13から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ(転送部)15を形成する。16は、転送レジスタ15から転送された電荷をA/D変換部へ出力する出力回路である。
【0044】
ここで、図2に示すタイムチャートを参照して、本実施形態に係る暗電流雑音低減方法について説明する。図2に示す各信号名は、図1に示す各ブロック中に記載された符号に一致しており、それぞれのブロックに印加されるものである。なお、図2中のOSは、転送レジスタ15から転送された電荷を画像信号として出力する出力回路に印加する信号を表しており、図中のEのタイミングで有効画素の転送が行われていることを示している。読取制御部510a(図13参照)は、スキャナユニット503からの信号を入力して処理を行う。読取制御部510aは、例えば、図2のEのタイミングに出力された信号(データ)に対してはメモリへの蓄積や画像処理を行う。一方、読取制御部510aは、例えば、Dのタイミングで出力された信号(データ)に対してはメモリ(記憶部)への蓄積(格納)を行わず、捨てる(廃棄)処理を行う。
【0045】
読取制御部510a(図13参照)は、詳細については後述するが、SH、ST1、ST2、BG1、BG2、Φ1、Φ2の各信号を予め定められたタイミングで出力する。これにより、所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、電荷を転送する処理や、光電変換部11において光電変換された信号電荷をASIC510へ転送する処理等が周期的に行なわれる。なお、光電変換部11において光電変換された信号電荷をASIC510へ転送する処理は、読取制御部510aの制御に基づいて行なわれる。更に、この信号電荷の先の転送処理と信号電荷の次の転送処理との間に、電荷蓄積部13で発生した電荷をASIC510へ転送する処理を行う。この電荷蓄積部13で発生した電荷の転送処理は、先の信号電荷の転送処理の実行後に、予め定められたタイミングで行われる。
【0046】
ST1、ST2がHigh(H)レベルに設定されている状態のt0−t0’間で、移送ゲート12(SH)をHレベルに設定する。これにより、図1の光電変換部11に蓄積された各光電変換素子の電荷が、各々対応した電荷蓄積部13の電荷蓄積素子に転送される(第1転送:第1転送部)。なお、SHはt0’からt0’’までLow(L)レベルとなるため、この間に光電変換部11にて発生した電荷は全て光電変換部11に蓄積される。また、電荷蓄積部13に転送された電荷は、以下のように順次転送レジスタ15に転送される(第2転送:第2転送部)。
【0047】
まず、ST1がLレベル、ST2がHレベルに設定されている状態のt1−t1’間でBG1がHレベルに設定されることで、バリアゲート14のBG1に対応したST1の電荷蓄積素子13a、13e・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p1において駆動部(不図示)により転送レジスタ15を駆動することにより、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力回路16を介して、電荷が出力される。次に、ST1がHレベル、ST2がLレベルに設定されている状態のt2−t2’間でBG1がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG1に対応したST2の電荷蓄積素子13b、13f・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p2にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。次に、ST1がHレベル、ST2がLレベルに設定されている状態のt3−t3’間でBG2がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG2に対応したST2の電荷蓄積素子13c、13g・・・の電荷が転送レジスタ15に転送される。そして、期間p3にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。次に、ST1がLレベル、ST2がHレベルに設定されている状態のt4−t4’間でBG2がHレベルに設定され、バリアゲート14のBG2に対応したST1の電荷蓄積素子13d、13h・・・の電荷が転送レジスタに転送される。そして、期間p4にて、転送レジスタ15から信号電荷として順に出力される。
【0048】
通常の画像読み取りを行う場合は以上を繰り返すことによって画像読み取りを行うが、本実施形態では、t5−t5’間、t6−t6’間にそれぞれBG2をHレベル、BG1をHレベルに設定し、その間のST1、ST2を共にLレベルに設定する。この制御により、期間t5−t5’において、バリアゲート14のBG1に対応した電荷蓄積素子13a、13b、13e、13fで発生した電荷を転送レジスタ15へ転送する。また、期間t6−t6’において、バリアゲート14のBG2に対応した電荷蓄積素子13c、13d、13g、13hで発生した電荷を転送レジスタ15へ転送する。そして、期間t5−t0’’を含むDの期間に、転送レジスタ15を駆動する。このような制御をして電荷蓄積素子に蓄積された読取画像と関係無い電荷を転送レジスタ15に転送することにより、暗電流による雑音の影響を除去することができる。このとき、t6’−t0’’間は、転送レジスタ15に転送された電荷を全て出力することが出来るだけの十分な期間を有する必要がある。このため、期間t5−t5’、期間t6−t6’は、転送レジスタ15の動作時間に基づき定められる。なお、転送レジスタ15の駆動は止めても止めなくてもどちらでもよく、電荷蓄積部13からの電荷の転送に十分な期間が確保できれば良い。
【0049】
図2を補足すると、画像の読み取りを開始する前に以下の処理を行う。t51−t52間にt5−t5‘と同様の処理を行う。また、t61−t62間にt6−t6‘と同様の処理を行う。これにより、読み取り動作を開始する前に、電荷蓄積素子に蓄積された不要な電荷を除去することができる。
【0050】
各電荷蓄積素子において暗電流が発生しうる時間は、t5−t5’間、t6−t6’間にて電荷の転送処理を実行しない場合、1ライン分の蓄積時間Tallにほぼ等しかった。これに対しt5−t5’間、t6−t6’間にて電荷の転送処理を実行した場合、BG1に対応したST1の電荷蓄積素子ではT1、BG1に対応したST2の電荷蓄積素子ではT2と短くすることが出来る。更に、BG2に対応したST2の電荷蓄積素子ではT3、BG2に対応したST1の電荷蓄積素子ではT4と短くすることが出来る。なお、暗電流雑音量は蓄積時間にほぼ比例する。このため、t0’−t1間、t1’−t2間、t2’−t3間、t3’−t4間、t62−t1間、t62−t2間、t52−t3間、t52−t4間を必要十分かつ極力短い時間となるよう設定することで掃き捨て制御をより効果的にすることができる。
【0051】
上記のような電荷の転送処理を行った場合、T3、T4の期間がT1、T2に比べて大きくなってしまう。このため、後半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量が前半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量に対して大きくなってしまう。そこで、後半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量を、前半に出力される信号電荷に重畳する不要電荷量に近づけるため、図3のタイムチャートのように制御することで暗電流雑音をより低減することができる。
【0052】
図3のタイムチャートに示したように、t7−t7’間でST1がLレベル、ST2がLレベル、BG2がHレベルに設定されることによって、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子の電荷が転送レジスタ15に転送され信号電荷として出力される。これにより、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子の不要電荷を減らすことができる。また、BG2に対応したST1、ST2の電荷蓄積素子についての暗電流雑音の影響する時間の長さT3、T4を短縮することができる。このため、掃き捨てを行った後に蓄積された電荷蓄積部13への暗電流雑音の影響による不要電荷は有効信号内でほぼ均一に分散している。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態に係るCCDリニアセンサを図4に示す。
【0054】
図4に示されるように、本実施形態に係るCCDリニアセンサは、図1のCCDリニアセンサと同様、光電変換部41と、移送ゲート42と、電荷蓄積部43と、バリアゲート44と、転送レジスタ45とを備えている。光電変換部41は、一定方向に配列され、光電変換により信号電荷を発生する複数の光電変換素子41a、41b・・・41xxから構成されている。電荷蓄積部43は、光電変換部41と平行に配列され、信号電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子43a、43b・・・43xxから構成されている。バリアゲート44は、電荷蓄積部43と平行に配列され、電荷蓄積部43に蓄積された信号電荷を転送レジスタ45に転送する。45a、45b、45c、45d・・・45xxは、電荷蓄積部43から移送された電荷を順次転送するCCDレジスタであり、転送レジスタ45を形成する。46は、転送レジスタ45から転送された電荷をライン上の出力信号として出力する出力回路である。
【0055】
ここで、図5に示すタイムチャートを参照して、本実施形態に係る暗電流雑音低減方法について説明する。図5に示す各信号名は、図4に示す各ブロック中に記載された符号に一致しており、それぞれのブロックに印加されるものである。なお、図5中のOSは、転送レジスタ45から転送された電荷を画像信号として出力する出力回路に印加する信号を表しており、図中のEのタイミングで有効画素の転送が行われていることを示している。
【0056】
時刻t0−t0’間に移送ゲート42(SH)をHレベルにすることで、図4の光電変換部41に蓄積された電荷が、各々対応した電荷蓄積部43の電荷蓄積素子に転送される。なお、SHはt0’からt0’’までLレベルとなるため、この間に光電変換部41にて発生した電荷は全て光電変換部41に蓄積される。また、電荷蓄積部43に転送された電荷は、以下のように順次転送レジスタ45に転送される。
【0057】
まず、t1−t1’間でBG1がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG1に対応した電荷蓄積素子43a、43e・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t2−t2’間でBG2がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG2に対応した電荷蓄積素子43b、43f・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t3−t3’間でBG3がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG3に対応した電荷蓄積素子43c、43g・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。次に、t4−t4’間でBG4がHレベルに設定されることによって、バリアゲート44のBG4に対応した電荷蓄積素子43d、43h・・・の電荷が転送レジスタ45に転送され信号電荷として出力される。
【0058】
通常の画像読み取りを行う場合は以上を繰り返すことによって画像読み取りを行うが、本実施形態では、t5−t5’間でBG1、BG2、BG3、BG4をHレベルに設定している。このような掃き捨て制御をすることにより、電荷蓄積素子に蓄積された全ての暗電流雑音による電荷を転送レジスタ45に転送することができる。このとき、t5’−t0’’間は、転送レジスタ45に転送された電荷を全て出力することが出来るだけの十分な期間を有する必要がある。なお、転送レジスタ45の駆動は止めても止めなくてもどちらでもよく、電荷蓄積部43からの電荷の転送に十分な期間が確保できれば良い。
【0059】
各電荷蓄積素子が暗電流雑音の影響を受ける時間は、t5−t5’間の掃き捨て制御をしない場合、1ライン分の蓄積時間Tallにほぼ等しかった。これに対し掃き捨て制御した場合、BG1に対応したST1の電荷蓄積素子ではT1、BG2に対応したST2の電荷蓄積素子ではT2、BG3に対応したST3の電荷蓄積素子ではT3、BG4に対応したST4の電荷蓄積素子ではT4と短くすることが出来る。なお、暗電流雑音量は蓄積時間にほぼ比例する。このため、t0’−t1間、t1’−t2間、t2’−t3間、t3’−t4間、t52−t1間、t52−t2間、t52−t3間、t52−t4間を必要十分かつ極力短い時間となるよう設定することで掃き捨て制御をより効果的にすることができる。
【0060】
本実施形態においては、バリアゲート信号をHに設定することで電荷蓄積部43から転送レジスタ45への電荷の移送が行われる。このため、図6のタイムチャートに示したように掃き捨て用のバリアゲート信号の立下り時間をt51よりも後のt52に設定することができる。その結果、各電荷蓄積素子に対する暗電流雑音の影響する時間は、BG1に対応した電荷蓄積素子ではT1’、BG2に対応した電荷蓄積素子ではT2’、BG3に対応した電荷蓄積素子ではT3’、BG4に対応した電荷蓄積素子ではT4’となる。このように、各電荷蓄積素子において暗電流雑音の影響を受ける時間をt51−t52間分だけ短くすることが出来る。
【0061】
上記に、実施形態1及び実施形態2について記載したが、これらの実施形態は本発明を限定するものではない。例えば、バリアゲートや電荷蓄積部のチャンネル数を増減してもよく、転送レジスタの素子をバリアゲートの素子に対して1/2素子分及び1/4素子分ずらしたものであってもよい。また、実施形態1及び実施形態2では、バリアゲートのチャンネル数を複数にすることにより、複数の電荷蓄積素子を複数のグループに分割し、前記グループごとに電荷を除去しているがこのことに限定されない。
【0062】
また、下記に、本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサの暗電流雑音低減方法についてのフローを図14を用いて説明する。
【0063】
まず、ステップS110で、光電変換部において、前記光を受光し、受光した光を電荷に変換する。次に、ステップS120で、移送ゲートにより、光電変換部から電化蓄積部への電荷の転送を予め定められた時間遮断する。次に、ステップS130で、電荷蓄積部において、ステップS110で変換された電荷を蓄積する。次に、ステップS140で、光電変換部が新たに光を受光している間に、転送レジスタにより電荷蓄積部に蓄積された電荷を転送する。次に、ステップS150で、光電変換部が新たに光を受光している間に、ステップS140で電荷を転送した後に電荷蓄積部に蓄積された不要電荷を除去し、終了する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態1のCCDリニアセンサを示す図である。
【図2】実施形態1のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートである。
【図3】実施形態1のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートの応用例である。
【図4】実施形態2のCCDリニアセンサを示す図である。
【図5】実施形態2のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートである。
【図6】実施形態2のCCDリニアセンサの動作例を示すタイムチャートの応用例である。
【図7】従来のCCDリニアセンサを示す図である。
【図8】従来のCCDリニアセンサを示す図である。
【図9】本発明の代表的な実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載した記録部と光学的に画像を読取るスキャナ部とを備えた多機能プリンタを示す正面図である。
【図10】図9に示した多機能プリンタのスキャナ部の構成を示す上面図である。
【図11】図9に示した多機能プリンタの操作部の構成を示す図である。
【図12】図9に示した多機能プリンタの記録部の構成を示す斜視図である。
【図13】図9に示した多機能プリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の代表的な実施形態に係るリニアセンサの暗電流雑音低減方法についてのフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
11、41 光電変換部
12、42 移送ゲート
13、43 電荷蓄積部
14、44 バリアゲート
15、45 転送レジスタ(転送部)
16、46 出力回路
510 ASIC
510a 読取制御部
511 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程、前記除去工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含むことを特徴とするリニアセンサの制御方法。
【請求項2】
前記除去工程では、
前記第2転送工程と前記駆動工程とが順に行なわれる
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアセンサの制御方法
【請求項3】
前記光電変換部は、
複数の光電変換素子をライン状に配置し、
前記電荷蓄積部は、
前記複数の光電変換素子それぞれに対応した複数の電荷蓄積素子をライン状に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアセンサの制御方法。
【請求項4】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含み、
前記除去工程は、
前記制御工程により前記各工程の実行が開始される前に行なわれる
ことを特徴とするリニアセンサの制御方法。
【請求項5】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタとを有するリニアセンサを用いた画像読取装置の制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納する格納工程と、
前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納せずに廃棄する廃棄工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記格納工程、前記第2転送工程、前記廃棄工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含むことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項6】
画像原稿に光を照射する照射部と、前記照射部により照射され前記画像原稿により反射された光を受光し該光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御装置であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送部と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送部と、
前記転送レジスタを駆動する駆動部と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送部、前記第2転送部、前記駆動部、前記第2転送部、前記駆動部の各動作を順に実行する制御部と
を具備することを特徴とするリニアセンサの制御装置。
【請求項1】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程、前記除去工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含むことを特徴とするリニアセンサの制御方法。
【請求項2】
前記除去工程では、
前記第2転送工程と前記駆動工程とが順に行なわれる
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアセンサの制御方法
【請求項3】
前記光電変換部は、
複数の光電変換素子をライン状に配置し、
前記電荷蓄積部は、
前記複数の光電変換素子それぞれに対応した複数の電荷蓄積素子をライン状に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアセンサの制御方法。
【請求項4】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを駆動する駆動工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を除去する除去工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記駆動工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含み、
前記除去工程は、
前記制御工程により前記各工程の実行が開始される前に行なわれる
ことを特徴とするリニアセンサの制御方法。
【請求項5】
受光した光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタとを有するリニアセンサを用いた画像読取装置の制御方法であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送工程と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送工程と、
前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納する格納工程と、
前記転送レジスタを介してリニアセンサから出力される信号を前記画像読取装置に備えられている記憶部に格納せずに廃棄する廃棄工程と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送工程、前記第2転送工程、前記格納工程、前記第2転送工程、前記廃棄工程の順に各工程を実行する制御工程と
を含むことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項6】
画像原稿に光を照射する照射部と、前記照射部により照射され前記画像原稿により反射された光を受光し該光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を転送する転送レジスタと、を有するリニアセンサの制御装置であって、
前記光電変換部にて変換された電荷を前記電荷蓄積部へ転送する第1転送部と、
前記電荷蓄積部にて蓄積されている電荷を前記転送レジスタへ転送する第2転送部と、
前記転送レジスタを駆動する駆動部と、
所定周期で生成されるトリガ信号に同期して、前記第1転送部、前記第2転送部、前記駆動部、前記第2転送部、前記駆動部の各動作を順に実行する制御部と
を具備することを特徴とするリニアセンサの制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−60598(P2009−60598A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195317(P2008−195317)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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