説明

リピート再生機能を備えた再生装置及びリピート再生機能実行プログラム及びリピート範囲の再設定方法

【課題】情報記録媒体に記録されたコンテンツの再生を行う再生装置であって、所定の範囲のコンテンツ(リピート範囲)を繰り返し再生させるリピート再生機能における、リピート範囲の設定操作の利便性の向上が図られた再生装置の提供。
【解決手段】リピート再生処理(リピート範囲の繰り返し再生処理)中において、リピート開始地点の設定変更要求又はリピート終了地点の設定変更要求を受付け(ステップ303〜ステップ304)、当該設定変更要求があった場合には、リピート範囲の更新処理を行い(ステップ305・ステップ306)、当該更新後のリピート範囲を使用して、リピート再生処理の実行を継続させる。これにより、リピート再生処理中においてもリピート範囲の設定変更が可能となり、ユーザの利便性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体に記録されたコンテンツ(映像や音声)の再生を行う再生装置に関し、特に、所定の範囲のコンテンツを繰り返し再生させるリピート再生機能を備えた再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体(例えばDVDなど)に記録された映像や音声などのコンテンツの再生処理を行う再生装置(例えばDVDプレーヤなど)において、設定した範囲のコンテンツを繰返して再生させる「リピート再生機能」を備える装置が従来存在している。このような「リピート再生機能」のためのリピート範囲(繰り返し再生させるコンテンツの範囲)の設定に関する従来技術が特許文献1〜特許文献3などによって開示されている。
【0003】
【特許文献1】実登録3096532号公報
【特許文献2】特開2004−40705号公報
【特許文献3】特開2004−48611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の再生装置における“リピート範囲”の設定は、基本的に、リピート開始地点とリピート終了地点とを設定することによって行われるものであり、当該設定操作は、「リピート再生機能」の“実行”に先立って予め行われる「リピート再生機能」の“設定”時においてのみ行うことが可能であるもので、リピート再生機能の実行中に“リピート範囲”の変更などの操作を行えるものではなかった。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑み、情報記録媒体に記録されたコンテンツの再生を行う再生装置であって、所定の範囲のコンテンツ(リピート範囲)を繰り返し再生させるリピート再生機能における、リピート範囲の設定操作の利便性の向上が図られた再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のリピート再生機能を備えた再生装置は、情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理を行い、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲が格納された記憶部と、再生処理部と、制御部と、を備えることにより、リピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能を備えた再生装置であって、入力部を備えることにより、リピート再生機能実行時に、前記入力部から、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求があった場合には、当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として前記記憶部に記憶させ、当該変更後のリピート開始地点若しくはリピート終了地点を使用してリピート再生機能を実行させることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求(設定変更要求)が受け付けられ、当該設定要求があった場合には、設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として使用して(リピート範囲が更新されて)“リピート再生機能”の実行がなされる。
【0008】
請求項2のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、前記入力部に、リピート開始地点設定キーとリピート終了地点設定キーとが備えられることにより、リピート再生機能実行時に、前記リピート開始地点設定キーの入力による前記リピート開始地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート開始地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させる、又は、前記リピート終了地点設定キーの入力による前記リピート終了地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート終了地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、リピート再生機能の実行中における“リピート開始地点設定キー”若しくは“リピート終了地点設定キー”の入力により、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の変更が行われ、当該変更後のリピート開始地点若しくはリピート終了地点を使用して“リピート再生機能”の実行がなされる。
【0010】
請求項3のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1又は請求項2に記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの冒頭部分から、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の冒頭部分から、再生処理を実行させ、その後に、再生位置が前記リピート範囲に該当したと判断された際には前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「リピート開始地点遡及再設定要求」が受け付けられ、当該設定要求があった場合には、コンテンツの冒頭部分若しくは再生されているコンテンツの一単位分の冒頭部分から再生処理が行われ、その後に、再生位置が、リピート範囲(新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点によって更新された、“更新後のリピート範囲”である場合を含む)に該当したと判断された場合には“リピート再生機能”の実行が継続される。なお、「コンテンツ一単位分」とは、再生時に一単位として扱われるコンテンツの範囲を示し、例えば、DVDにおける「タイトル」や「チャプター」といったものの1つ分や、CDにおける1曲分などが該当する。
【0012】
請求項4のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1又は請求項2に記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、予め定めた遡及時間を前記記憶部に格納しておく若しくはユーザによって設定された遡及時間を前記記憶部に格納しておくことにより、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には、前記リピート開始地点から若しくは当該リピート開始地点遡及再設定要求があった時点から前記遡及時間だけ遡った地点からの再生処理を実行させ、その後に再生位置が前記リピート範囲に該当したと判断された際には前記リピート再生機能を実行させる、又は、前記リピート開始地点から若しくは当該リピート開始地点遡及再設定要求があった時点から前記遡及時間だけ遡った地点を新しいリピート開始地点として前記記憶部に記憶させた上で前記リピート再生機能を実行させる、ことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「リピート開始地点遡及再設定要求」が受け付けられ、当該設定要求があった場合には、“予め定められた若しくはユーザによって設定された「遡及時間」分だけ、リピート開始地点から若しくは「リピート開始地点遡及再設定要求」があった時点から遡った時点”が、遡って再生処理を行う場合の起点とされる、又は、新しいリピート開始地点として使用される。
【0014】
請求項5のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、リピート再生機能実行時に、リピート終了地点延長再設定要求があった場合には、前記リピート終了地点に至った場合であっても、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの終了部分まで、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の終了部分まで、再生処理を続行し、前記新しいリピート終了地点の設定があったと判断された場合若しくは前記終了部分までの再生処理が終了した場合には、前記リピート開始地点へと戻って前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「リピート終了地点延長再設定要求」が受け付けられ、当該設定要求があった場合には、リピート終了地点に至った場合であっても、コンテンツの終了部分若しくは再生されているコンテンツの一単位分の終了部分まで再生処理が行われ、当該再生処理中に新しいリピート終了地点の設定があったと判断された場合、又は、終了部分(コンテンツの終了部分若しくは再生されているコンテンツの一単位分の終了部分)までの再生処理が終了した場合には、リピート開始地点(更新されたリピート開始地点(即ち新しいリピート開始地点)である場合を含む)へと戻って“リピート再生機能”の実行が継続される。
【0016】
請求項6のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、予め定めた延長時間を前記記憶部に格納しておく若しくはユーザによって設定された延長時間を前記記憶部に格納しておくことにより、リピート再生機能実行時に、リピート終了地点延長再設定要求があった場合には、前記リピート終了地点から若しくは当該リピート終了地点延長再設定要求があった時点から前記延長時間だけ延長した地点を新しいリピート終了地点として前記記憶部に記憶させた上で前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「リピート終了地点延長再設定要求」が受け付けられ、当該設定要求があった場合には、“予め定められた若しくはユーザによって設定された「延長時間」分だけ、リピート終了地点から若しくは「リピート終了地点延長再設定要求」があった時点から延長された時点”が、新しいリピート終了地点として使用される(リピート範囲が更新される)。
【0018】
請求項7のリピート再生機能を備えた再生装置は、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置であって、前記リピート再生機能の実行中に、前記入力部に対するユーザからの特殊再生要求があった場合には、当該特殊再生要求に従った再生処理を行いつつ、前記リピート範囲の繰り返し再生処理を継続することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「特殊再生要求」が受け付けられる。なお、“特殊再生”とは、例えば、スロー再生、逆スロー再生、早送り再生、早戻し再生、逆再生のごときもの(コンテンツの再生状態が維持されるが、通常の再生状態とは異なる動作)を言う。
【0020】
請求項8のリピート再生機能実行プログラムは、情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理を行い、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲が格納された記憶部と、再生処理部と、制御部と、を備えることにより、リピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能を備えた再生装置に、前記リピート再生機能実行処理中にリピート開始地点の設定要求を受け付けるステップと、当該設定要求があった場合に当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点として前記記憶部に記憶させるステップと、前記リピート再生機能実行処理中にリピート終了地点の設定要求を受け付けるステップと、当該設定要求があった場合に当該設定要求があった時点を新しいリピート終了地点として前記記憶部に記憶させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項9のリピート範囲の再設定方法は、情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理において、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲を定めることによりリピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能の、リピート範囲の再設定方法であって、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求があった場合には、当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として使用してリピート再生機能を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1の、情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理を行い、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲が格納された記憶部と、再生処理部と、制御部と、を備えることにより、リピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能を備えた再生装置であって、入力部を備えることにより、リピート再生機能実行時に、前記入力部から、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求があった場合には、当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として前記記憶部に記憶させ、当該変更後のリピート開始地点若しくはリピート終了地点を使用してリピート再生機能を実行させることを特徴とするリピート再生機能を備えた再生装置によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求が受け付けられ、当該設定要求があった時点が新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として使用されて“リピート再生機能”の実行がなされるため、リピート再生機能の実行中に“リピート範囲”の変更の操作を行うことが可能となり、ユーザの利便性に優れる。
【0023】
本発明の請求項2の、前記入力部に、リピート開始地点設定キーとリピート終了地点設定キーとが備えられることにより、リピート再生機能実行時に、前記リピート開始地点設定キーの入力による前記リピート開始地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート開始地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させる、又は、前記リピート終了地点設定キーの入力による前記リピート終了地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート終了地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1記載のリピート再生機能を備えた再生装置によれば、リピート再生機能の実行中における“リピート開始地点設定キー”若しくは“リピート終了地点設定キー”の入力のみにより、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の変更(リピート範囲の変更)を行うことが可能となるため、操作が簡便であり、ユーザの利便性に優れる。
【0024】
本発明の請求項3の、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの冒頭部分から、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の冒頭部分から、再生処理を実行させ、その後に、再生位置が前記リピート範囲に該当したと判断された際には前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリピート再生機能を備えた再生装置によれば、リピート再生機能の実行中に“リピート範囲”の変更の操作を行うことが可能であると共に、「リピート開始地点遡及再設定要求」があった場合には、リピート再生開始位置より遡った地点から再生処理が行われるため、リピート再生機能の実行中においても、範囲を拡大するように“リピート範囲”を変更させることが可能となり、ユーザの利便性に優れる。
【0025】
本発明の請求項5の、リピート再生機能実行時に、リピート終了地点延長再設定要求があった場合には、前記リピート終了地点に至った場合であっても、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの終了部分まで、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の終了部分まで、再生処理を続行し、前記新しいリピート終了地点の設定があったと判断された場合若しくは前記終了部分までの再生処理が終了した場合には、前記リピート開始地点へと戻って前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置によれば、リピート再生機能の実行中に“リピート範囲”の変更の操作を行うことが可能であると共に、「リピート終了地点延長再設定要求」があった場合には、リピート再生終了位置より延長した地点まで再生処理が行われるため、リピート再生機能の実行中においても、範囲を拡大するように“リピート範囲”を変更させることが可能となり、ユーザの利便性に優れる。
【0026】
本発明の請求項7の、前記リピート再生機能の実行中に、前記入力部に対するユーザからの特殊再生要求があった場合には、当該特殊再生要求に従った再生処理を行いつつ、前記リピート範囲の繰り返し再生処理を継続することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、「特殊再生要求」が受け付けられるため、ユーザの利便性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の具体的実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【実施例1】
【0028】
図1は本実施例のDVD再生装置の本発明に係る部分のみの概略を示すブロック図である。図2・図3はそれぞれ本発明に関する処理動作の概略を示すフローチャートである。図4はリモコン装置の概略を示す平面図である。
【0029】
図1に示されるように、本実施例のDVD再生装置1は、情報記録媒体であるDVD3からの信号の読込みをおこなうディスクドライブ11、ディスクドライブ11から入力されたデータを伸張するデコーダ等を備えることによりDVD3に記録されているコンテンツの再生処理を行う再生処理部12、再生処理部12によって生成された映像/音声信号を外部表示装置(例えばテレビ)へと出力する外部出力部13、ユーザに対する入力インターフェースである操作部14a又は受光部14b(リモコン装置2からの信号を受信する)からの信号を判別して出力するキー判別部14、装置全体の制御を行う制御部15、記憶手段である記憶部16等を備える。
【0030】
リモコン装置2には、図4に示されるように、リピート範囲を設定するためのリピート開始地点設定キー21と、リピート終了地点設定キー22が備えられる。
【0031】
次に、図2及び図3を参照しつつ、本実施例のDVD再生装置1の本発明に関する動作の概略を説明する。図2は、リピート再生機能の設定から実行、終了に至る処理の概略を示したフローチャートである。
【0032】
操作部14a若しくはリモコン装置2(入力部)の操作によりユーザからのコンテンツ再生要求があった場合には(ステップ201)、ディスクドライブ11・再生処理部12・制御部15によってDVD3に記録されているコンテンツの再生処理を行う(ステップ202)。続くステップ203ではリピート開始地点設定キー21の入力(リピート開始地点の設定要求)を待ち、リピート開始地点設定キー21の入力が無いままコンテンツの再生が終了した場合には(ステップ204)、処理を終了する。一方、リピート開始地点設定キー21の入力があった場合には当該入力があった時点を“リピート開始地点”として取得して記憶部16に一時的に記憶させると共に、ステップ205へと移行してリピート終了地点設定キー22の入力(リピート終了地点の設定要求)を待つ。リピート終了地点設定キー22の入力が無いままコンテンツの再生が終了した場合には(ステップ206)処理を終了し、リピート終了地点設定キー22の入力があった場合には当該入力があった時点を“リピート終了地点”として取得してステップ207へと移行する。
【0033】
ステップ207では、ステップ203とステップ205でそれぞれ取得した“リピート開始地点”と“リピート終了地点”とを記憶部16に格納する。続くステップ208では、リピート再生処理(図3に示す処理)を実行させ、リピート再生の終了指示があった際に(ステップ209)、リピート再生処理(図3に示す処理)を終了させて(ステップ210)処理を終了する。なお、「リピート再生の終了指示」とは、コンテンツ再生状態を維持しつつ繰り返し再生処理(リピート再生処理)のみを終了させるものの他、「停止ボタン」の入力によるコンテンツ再生停止指示や、「電源ボタン」の入力による装置の電源オフ指示などが該当する。
【0034】
図3は、「リピート再生処理」の動作の概略を示すフローチャートである。ステップ301では、“リピート開始地点”からのコンテンツの再生処理を行う。当該処理は、記憶部16に格納されている“リピート開始地点”を制御部15によって取得し、当該“リピート開始地点”情報を利用して、再生処理部12によってディスクドライブ11を制御しつつ“リピート開始地点”からのコンテンツデータを取得し、これを映像/音声信号として外部出力部13から出力することによって行われる。続くステップ302〜ステップ304のループでは、再生位置が“リピート終了地点”に至ったか否か(ステップ302)、リピート開始地点設定キー21の入力(リピート開始地点の変更要求)の有無(ステップ303)、リピート終了地点設定キー22の入力(リピート終了地点の変更要求)の有無(ステップ304)、を判別する。
【0035】
再生処理部12及び制御部15によって、コンテンツ再生位置が、記憶部16に格納されている“リピート終了地点”に至ったと判断された場合には(ステップ302)、ステップ301へと戻って処理を繰返す(これにより、“リピート開始地点”と“リピート終了地点”の間の繰り返し再生、即ち、リピート範囲の繰り返し再生処理が行われる)。図25に、“リピート再生処理”時のリピート範囲変更動作の概略を説明するための説明図を示した。X、Yは、DVD3に記録されているコンテンツの始点と終点を示し、A、Bは、それぞれリピート開始地点とリピート終了地点を示す。リピート再生処理における繰り返し再生処理(図25中のA−B間の繰り返し再生処理)中において、リピート開始地点設定キー21の入力があった場合には(ステップ303)、当該入力があった時点(図25(b)のA’)を新しい“リピート開始地点”として取得し、記憶部16に格納されている“リピート開始地点(図25(b)のA)”を上書きした上で(ステップ305)、ステップ301へと戻って処理を繰返す。同様に、リピート終了地点設定キー22の入力があった場合には(ステップ304)、当該入力があった時点(図25(c)のB’)を新しい“リピート終了地点”として取得し、記憶部16に格納されている“リピート終了地点(図25(c)のB)”を上書きした上で(ステップ306)、ステップ301へと戻って処理を繰返す。このような処理により、「リピート再生処理」の実行中に変更された“リピート範囲(図25(b)におけるA’−B間や、図25(c)におけるA−B’間)”によって「リピート再生処理」の実行が継続される。
【0036】
以上のごとく、本実施例の本実施例のDVD再生装置1によれば、“リピート再生機能”の実行中においても、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定(変更)要求が受け付けられ、当該設定要求があった時点が新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として使用されて“リピート再生機能”の実行がなされるため、リピート再生機能の実行中であっても“リピート範囲”の変更の操作を行うことが可能となり、ユーザの利便性に優れる。また、リピート範囲の設定操作(及び変更操作)が、“リピート開始地点設定キー”若しくは“リピート終了地点設定キー”の入力操作のみによって行うことが可能となるため、操作が簡便であり(上記実施例の説明からも明らかなように、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の一方のみを変更する場合には、ボタン操作を一回することのみによってリピート範囲の設定変更(リピート範囲を減縮させる変更)を行うことが可能となる)、且つ直感的に理解し易い操作となるため、ユーザの利便性に優れる。なお、本実施例では、リピート開始地点設定キー21、リピート終了地点設定キー22を専用のキーとしたが、他の機能と併用されるキーであっても構わない。
【0037】
本実施例では、“リピート範囲”の設定(図2における処理)として、“リピート開始地点”と“リピート終了地点”によってリピート範囲を定めるものとしたが、例えば、コンテンツの再生単位(例えばタイトルやチャプターといった単位)を使用して“リピート範囲”を定めるようにしてもよい。従って、「リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲」とは、“リピート開始地点とリピート終了地点とによって設定されたリピート範囲”ということに限定されるものではなく、タイトル名などの情報でリピート範囲が設定されているようなものであってもよい。なお、このように記憶部16に格納されている情報(リピート範囲)がタイトル名などの情報である場合には、“リピート範囲”の変更処理(図3における処理)において、新しい“リピート開始地点”若しくは“リピート終了地点”が設定された際に、再生処理部12と制御部15とによって、タイトル名などの情報を使用して、設定変更された「新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点」と対となる「リピート終了地点若しくはリピート開始地点」を取得して、これを記憶部16に格納するような処理(例えば、タイトル名である「TITLE1」が“リピート範囲”を示す情報として記憶部16に格納されている場合に、新しいリピート開始地点の設定要求があった際には、「TITLE1」の終了地点をDVD3から取得して、新しいリピート開始地点と対となるリピート終了地点として記憶部16に格納させる等)としてもよい。
【実施例2】
【0038】
図5は本実施例のDVD再生装置内蔵LCDの本発明に係る部分のみの概略を示すブロック図である。実施例1と同様の構成要素となるものについては実施例1(図1)と同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。図6は同DVD再生装置内蔵LCDの外観を示す斜視図、図7〜図9は本発明に関する部分の動作の概略を示すフローチャートである。
【0039】
図5に示されるように、本実施例のDVD再生装置内蔵LCD(以下単にDVD内蔵LCD)7は、実施例1のDVD再生装置と同様にディスクドライブ11、再生処理部12、外部出力部13、操作部14a、受光部14b、キー判別部14、制御部15、記憶部16を備えると共に、映像を表示する表示部72、放送信号を受信するチューナ部73、外部装置(例えばHDDレコーダ)からの映像/音声信号を入力する外部入力部74、チューナ部73又は外部入力部74からの信号を切替えて出力する入力切替部75、入力切替部75若しくは再生処理部12等から入力された映像信号を表示部72へ表示させる処理を行う表示処理部71などを備える。なお、本実施例のDVD内蔵LCD7は、ユーザからの特殊再生(例えば、スロー再生、逆スロー再生、早送り再生、早戻し再生、逆再生など)要求に応じて、再生処理部12と制御部15によって、スロー再生などの特殊再生を実行させる機能を有するものである。
【0040】
次に、図7〜図9を参照しつつ、本実施例のDVD内蔵LCD7の本発明に関する動作の概略を説明する。なお、リピート再生機能の設定から実行、終了に至る処理の概略は、実施例1(図2)と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは図2を参照して説明する。
【0041】
図2と同様の処理によって、リピート範囲が設定された(ステップ203〜ステップ207)後のステップ208の“リピート再生処理”では、図7に示される処理が実行される。なお、実施例1(図3)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0042】
本実施例では、図3におけるステップ302〜ステップ304のループ処理(リピート再生処理中におけるリピート範囲の変更受付処理)中において、特殊再生要求の受付(ステップ701)及び、リピート開始地点遡及再設定要求(ステップ703)・リピート終了地点延長再設定要求(ステップ704)の受付処理が行われる。特殊再生の指示/解除の要求があった場合には(ステップ701)、当該指示に従った特殊再生処理(例えば、スロー再生処理やその解除(即ち通常再生)処理)が、再生処理部12と制御部15によって行われる(ステップ702)。キー23(図10に本実施例のリモコン装置の平面図を示した)の入力によるリピート開始地点遡及再設定要求があった場合には(ステップ703)、ステップ705へと移行して“遡及再生処理”が実行され、キー24の入力によるリピート終了地点延長再設定要求があった場合には(ステップ704)、ステップ706へと移行して“延長再生処理”が実行される。
【0043】
図8は、“遡及再生処理”の動作の概略を示すフローチャートである。“遡及再生処理”が実行されると(リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には)、DVD3に記録されているコンテンツの冒頭部分からの再生処理が行われる(ステップ801)。なお、図11には、“遡及再生処理”時の動作の概略を説明するための説明図を示した。X、Yは、DVD3に記録されているコンテンツの始点と終点を示し、A、Bは、それぞれリピート開始地点とリピート終了地点を示す。“遡及再生処理”が実行されると、X(冒頭)地点からコンテンツの再生処理が行われ、当該再生処理中に、リピート開始地点設定キー21の入力(リピート開始地点の変更要求)があった場合には、ステップ305(図7)へと移行する(ステップ804)。即ち、ステップ305において、当該リピート開始地点設定キー21の入力があった地点(図11(b)のA’)が、リピート開始地点として取得され、記憶部16に格納されている“リピート開始地点(図11中のA)”と置き換えられる(これにより図11(b)におけるA’−B間がリピート範囲とされることとなる。即ち、ステップ804の処理が実行される際には、「再生位置がリピート範囲に該当する」ことと同義となる)。一方、リピート開始地点設定キー21の入力が無いまま、リピート開始地点(図11中のA)に至った場合(即ち、再生位置がリピート範囲に該当したと判断された場合)には、“遡及再生処理”を終了して(ステップ805)、図7のステップ701へと戻り、以下処理を繰返す。なお、ステップ802〜ステップ803は、“遡及再生処理”において特殊再生処理を受付けるものであり、ステップ701〜702(図7)と同様の概念である。
【0044】
図9は、“延長再生処理”の動作の概略を示すフローチャートである。なお、図12には、“延長再生処理”時の動作の概略を説明するための説明図を示した。“延長再生処理”が実行されると(リピート終了地点延長再設定要求があった場合には)、リピート終了地点(図12中のB)からコンテンツの再生処理が行われ(ステップ901)、当該再生処理中に、リピート終了地点設定キー22の入力(リピート終了地点の変更要求)があった場合には、ステップ306(図7)へと移行する(ステップ904)。即ち、ステップ306において、当該リピート終了地点設定キー22の入力があった地点(図12(b)のB’)が、リピート終了地点として取得され、記憶部16に格納されている“リピート終了地点(図12中のB)”と置き換えられる(これにより図12(b)におけるA−B’間がリピート範囲とされることとなる)。
【0045】
一方、リピート開始地点設定キー21の入力があった場合には(ステップ905)、当該入力があった時点(図12(c)におけるA’)を仮の“リピート開始地点”として取得して記憶部16に一時的に記憶させると共に、ステップ907〜ステップ908のループへ移行し、コンテンツ終了地点(図12中のY)までにリピート終了地点設定キー22の入力が無かった場合にはそのまま“延長再生処理”を終了し(“仮のリピート開始地点”は破棄される)、図7のステップ301へと戻って以下処理を繰返す(リピート範囲に変更はない)。ステップ907〜ステップ908のループにおいて、リピート終了地点設定キー22の入力があった場合は(ステップ907)、当該リピート終了地点設定キー22の入力があった地点(図12(c)のB’)が、リピート終了地点として取得され、一時的に記憶されていた“リピート開始地点”(図12(c)におけるA’)と共に、記憶部16に格納されているリピート開始地点(図12中のA)及びリピート終了地点(図12中のB)とそれぞれ置き換えられる(これにより図12(c)におけるA’−B’間がリピート範囲とされることとなる)。
【0046】
“延長再生処理”において、リピート終了地点設定キー22の入力もリピート開始地点設定キー21の入力も無いままコンテンツ終了地点(図12中のY)に至った場合には(ステップ906)、“延長再生処理”を終了し、図7のステップ301へと戻って以下処理を繰返す(リピート範囲に変更はない)。なお、ステップ902〜ステップ903は、“延長再生処理”において特殊再生処理を受付けるものであり、ステップ701〜702(図7)と同様の概念である。なお、本実施例では、「リピート終了地点延長要求(図7ステップ704)」があった際には、直ぐに“延長再生処理”が開始され、結果として、「リピート終了地点延長再設定要求」があった際には、リピート終了地点まで再生位置が飛ぶ処理となるが、「リピート終了地点延長再設定要求」があった際に、「リピート終了地点まで再生処理を続行した上で、“延長再生処理”を実行させる」ような処理としてもよい。
【0047】
以上のごとく、本実施例のDVD内蔵LCD7によれば、リピート再生機能の実行中に“リピート範囲”の変更の操作を行うことが可能であると共に、「リピート開始地点遡及再設定要求」があった場合には、リピート再生開始位置より遡った地点から再生処理が行われ、「リピート終了地点延長再設定要求」があった場合には、リピート再生終了位置より延長した地点まで再生処理が行われるため、リピート再生機能の実行中においても、設定されているリピート範囲の範囲に拘わらず自由に“リピート範囲”を変更させることが可能となり、ユーザの利便性に優れる。また、“リピート再生機能”の実行中においても、「特殊再生要求」が受け付けられるため、例えば、早送り再生や早戻し再生により目的とする地点へ素早く到達することができ、スロー再生を使用することにより正確にリピート範囲を設定させるというような使用ができ、ユーザの利便性に優れる。なお、特殊再生処理中に、リピート範囲の境界に達した場合(例えば、図11(a)において、A−B間のリピート再生中に“早戻し再生”を行ってA地点に至ったような場合)には、その時点で特殊再生処理を解除して通常再生とさせる処理としても良いし、そのまま継続して特殊再生処理を行わせるようにする等(例えば、前記の例において、A地点に至った場合には、B地点からの早戻し再生を続行させるなど)してもよい。
【0048】
本実施例では、「リピート開始地点遡及再設定要求」や「リピート終了地点延長再設定要求」があった場合には、「DVD3に記録されているコンテンツ全体」の冒頭や終了地点まで一時的にリピート再生範囲を変更させるものとして説明したが、「DVD3に記録されているコンテンツ全体」という単位に替えて、コンテンツの「タイトル」や「チャプター」などの単位を用いて一時的にリピート再生範囲を変更させるものとしてもよい。
【0049】
また、予め定めた若しくはユーザに設定させた「遡及時間」や「延長時間」を、記憶部に格納しておくことにより、「リピート開始地点遡及再設定要求」や「リピート終了地点延長再設定要求」があった場合には、「遡及時間」や「延長時間」だけ一時的にリピート再生範囲を変更させるもの(図8のステップ801の処理を、「現在の再生位置から、記憶部16に格納されている“遡及時間”分だけ遡った地点からコンテンツ再生処理」とする、若しくは、図9のステップ901の処理を、「現在の再生位置から、記憶部16に格納されている“延長時間”分だけ延長した地点からコンテンツ再生処理」とするもの等)としてもよいし、図24(図7と同様の処理概念については同一の符号を使用)にその処理の一例を示したように、「リピート開始地点遡及再設定要求(ステップ703)」や「リピート終了地点延長再設定要求(ステップ704)」があった場合に、「遡及時間」や「延長時間」を使用して設定されているリピート範囲を変位させるように(ステップ2401・2402)してもよい。その際の基準地点には、各設定要求があった時点や、リピート開始地点、リピート終了地点などを使用することができる(図24に示した処理では、“現在の位置(即ち各設定要求があった時点)”を基準地点として使用している)。このような、予め定めた若しくはユーザに設定させた「遡及時間」や「延長時間」を利用する処理とすることにより、「所定の長さのリピート範囲」を容易に設定すること等が可能となり、ユーザの利便性に優れる。
【実施例3】
【0050】
図13〜図16は本実施例のDVD再生装置内蔵LCDの本発明に関する部分の動作の概略を示すフローチャートである。なお、本実施例のDVD再生装置内蔵LCDの構成は実施例2(図5)と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは図5を参照して説明する。
【0051】
図13は、リピート再生機能の設定から実行、終了に至る処理の概略を示したフローチャートである。なお、実施例1(図2)と同様の処理概念となるものについては実施例1と同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0052】
リピート範囲がユーザによって設定された(ステップ203〜ステップ206)後のステップ1301では、ステップ203とステップ205でそれぞれ取得したリピート開始地点とリピート終了地点をリピート設定テーブルに格納して記憶部16に保存する。なお、図19にリピート設定テーブルの一例を示した。続くステップ1302では、図20に示されるようなリピート再生方法設定画面を表示部72に表示して(当該表示処理はOSD信号生成機能を有する制御部15と表示処理部71によって行われる)、設定されたリピート範囲における再生方法(スロー再生や早送り再生など)を取得して、これをリピート設定テーブル190に格納して記憶部16に保存する(ステップ1303)。なお、ユーザからの各種指示や各情報の取得動作は、表示画面に従う等してユーザがリモコン装置2や操作部14aを操作することで、キー判別部14・制御部15によって判別・取得される(ユーザの操作を適宜表示画面に反映しつつ必要な情報を所得する)。
【0053】
上記処理によってリピート再生機能の設定がされた後のステップ208の“リピート再生処理”では、図14に示される処理が実行される。なお、実施例2(図7)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0054】
“リピート再生処理”(図14)が実行されると、制御部15によって記憶部16に記憶されているリピート設定テーブル190が参照され、設定されているリピート範囲の数(以下の説明で明らかになるが、本実施例ではリピート範囲を複数設定することができる)を判別・取得し、これを変数nに代入する(ステップ1401)。続くループ1は、ループ内の処理をn回繰り返す(iが1からnとなるまで繰返す)ものであり、具体的にはループ1の処理が1回実行される(iがnとなるまで実行される)と、設定されている各リピート範囲の再生処理(特殊再生処理)が順番に1回ずつ行われることとなる(例えば、図19に示されるようにリピート範囲が2つ設定されている場合には、リピート範囲1の再生(通常再生)処理の後にリピート範囲2の再生(スロー再生)処理が行われることとなる)。ループ1の処理は「リピート再生終了指示(図13:ステップ209)」があるまで繰返されるため、各リピート範囲の再生処理が順番に繰返されることとなる(上記例でいえば、リピート範囲1の再生⇒リピート範囲2のスロー再生⇒リピート範囲1の再生⇒・・・と繰返される)。
【0055】
ループ1内のステップ301では、リピート設定テーブル190に設定されているi番目のリピート範囲の再生処理が開始される。当該再生処理は、リピート設定テーブル190に設定されている再生方法(スロー再生など)に従った再生処理となる。ステップ303・ステップ304におけるリピート範囲の変更要求があった場合には、リピート設定テーブル190のi番目のリピート範囲を変更(上書き)して記憶部に格納する(ステップ305・ステップ306)。i番目のリピート範囲の終了地点に至った場合には(ステップ302)、iをインクリメントしてループ1の処理を繰返す(リピート設定テーブル190に設定されている次のリピート範囲の再生処理に移行する)。
【0056】
“リピート再生処理”中における、キー23(図21に本実施例のリモコン装置の平面図を示した)の入力によるリピート開始地点遡及再設定要求があった場合には(ステップ703)、ステップ705へと移行して“遡及再生処理”が実行される。図15は、“遡及再生処理”の動作の概略を示すフローチャートである。なお、実施例2(図8)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0057】
図17には、本実施例の“遡及再生処理”時の動作の概略を説明するための説明図を示した。コンテンツの冒頭部分(図17におけるX)から再生処理が行われている間に、キー25(図21)の入力によるリピート開始地点追加設定要求があった場合には(ステップ1501)、当該入力があった時点(図17(b)におけるA2)を仮の“追加リピート開始地点”として取得して記憶部16に一時的に記憶させると共に、ステップ1502〜ステップ1503のループへ移行し、i番目のリピート範囲の開始地点(図17中のA)までにキー26の入力によるリピート終了地点追加設定要求が無かった場合にはそのまま“遡及再生処理”を終了し(“仮の追加リピート開始地点”は破棄される)、図14のステップ701へと戻って以下処理を繰返す(リピート範囲の追加はされない)。ステップ1502〜ステップ1503のループにおいて、リピート終了地点追加設定要求があった場合は(ステップ1502)、当該リピート終了地点追加設定要求があった地点(図17(b)のB2)が、追加リピート終了地点として取得され、一時的に記憶されていた“追加リピート開始地点”(図17(b)におけるA2)と共に、リピート設定テーブル190に追加される(ステップ1504)。続くステップ1505〜ステップ1506では、図13のステップ1302〜ステップ1303と同様に、当該追加されたリピート範囲の再生方法が取得されてリピート設定テーブル190に格納される(これにより図17(b)におけるA2−B2間が新しいリピート範囲として追加されることとなる)。新しいリピート範囲が追加設定された後は、図14のステップ1401へと戻って処理を繰返す。
【0058】
“リピート再生処理”中における、キー24の入力によるリピート終了地点延長再設定要求があった場合には(ステップ704)、ステップ706へと移行して“延長再生処理”が実行される。図16は、“延長再生処理”の動作の概略を示すフローチャートである。なお、実施例2(図9)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0059】
図18には、本実施例の“延長再生処理”時の動作の概略を説明するための説明図を示した。i番目のリピート範囲の終了地点(図8におけるB(“i番目のリピート範囲”がA−B間だとした場合))以降の延長再生処理が行われている間に、キー25の入力によるリピート開始地点追加設定要求があった場合には(ステップ1601)、当該入力があった時点(図18(b)におけるA3)を仮の“追加リピート開始地点”として取得して記憶部16に一時的に記憶させると共に、ステップ1602〜ステップ1603のループへ移行し、コンテンツ終了地点(図18中のY)までにキー26の入力によるリピート終了地点追加設定要求が無かった場合にはそのまま“延長再生処理”を終了し(“仮の追加リピート開始地点”は破棄される)、図14のステップ302の後へと戻って以下処理を繰返す(リピート範囲の追加はされない)。ステップ1602〜ステップ1603のループにおいて、リピート終了地点追加設定要求があった場合は(ステップ1602)、当該リピート終了地点追加設定要求があった地点(図18(b)のB3)が、追加リピート終了地点として取得され、一時的に記憶されていた“追加リピート開始地点”(図18(b)におけるA3)と共に、リピート設定テーブル190に追加される(ステップ1604)。続くステップ1605〜ステップ1606は、図15のステップ1505〜ステップ1506と同様の概念である(これにより図18(b)におけるA3−B3間が新しいリピート範囲として追加されることとなる)。新しいリピート範囲が追加設定された後は、図14のステップ1401へと戻って処理を繰返す。
【0060】
“延長再生処理”において、コンテンツ終了位置に至ったことにより、“延長再生処理”を終了させる処理となる場合には(ステップ906・ステップ908・ステップ1603)、図14のステップ302の後へと戻って、以下、処理が繰返される。なお、本実施例では、キー25(リピート開始地点追加設定要求ボタン)とキー26(リピート終了地点追加設定要求ボタン)とを異なるボタンとしているが、これを共通のボタンとしても構わないし(1回目の入力を“リピート開始地点追加設定要求”として扱い、次の入力を“リピート終了地点追加設定要求”として扱う)、他の機能と併用されるボタンであっても構わない。
【0061】
以上のごとく、本実施例のDVD内蔵LCDによれば、リピート範囲を複数設定することができ、尚且つリピート範囲の追加設定操作をリピート再生機能の実行中に行うことができるため、ユーザの利便性に優れる。即ち、例えば、放送番組を録画したコンテンツがある場合に、本編部分のみをリピート範囲として設定することにより、CM部分を飛ばしてリピート再生させるといった使用が可能となる。なお、本実施例では、最初のリピート範囲の設定時(図13のステップ203〜ステップ1303)には1つのリピート範囲しか設定できないような処理となっている(リピート範囲を1つ定めると、直ぐにリピート再生処理が開始されるため)が、予め複数のリピート範囲を設定させてからリピート再生処理を開始させるような処理としてもよい。
【0062】
また、本実施例のDVD内蔵LCDによれば、各リピート範囲に対応して再生方法(スロー再生などの特殊再生)を設定可能としているため、例えば、リピート範囲1の早送り再生の後にリピート範囲2をスロー再生させてこれを繰返させるなど、多種多様な動作を行わせることができ、ユーザの利便性に優れる。なお、本実施例では、リピート範囲の設定があった際にその都度“再生方法”の設定を求めるものとしているが、通常はいちいち“再生方法”の設定をユーザに求めることなくデフォルトとして“通常再生”を自動的に割当てる処理とし、ユーザからの“再生方法”設定要求があった場合に、図20のようなリピート再生方法設定画面を表示して、これをリピート設定テーブル190に反映させるような処理としてもよい。また、ユーザからの“再生方法”設定要求があった際に表示させるリピート再生方法設定画面(図20)において、リピート範囲(リピート開始地点若しくはリピート終了地点)の削除や変更を行えるように(当該削除や変更の要求をリピート設定テーブル190に反映させるように)してもよい。
【0063】
さらに、“再生方法”の設定を「繰り返し再生回数」に応じて複数設定できるようにしてもよい。例えば、図22に示したようなリピート設定テーブル220を備えさせて繰り返し再生回数に応じた再生方法を設定させ、図14の処理に替えて図23に示したような“リピート再生処理”とすることにより、リピート設定テーブル220の設定に従って、各リピート範囲を再生方法1で順番に再生させた後に、各リピート範囲を再生方法2で順番に再生・・・・という処理を行わせることができる。例えば、図22のような設定とすれば、通常再生→逆スロー再生→通常再生→逆スロー再生・・・のようにリピート範囲1を連続して繰返して再生させることも可能となり、例えばスポーツのクロスプレイ映像部分にこのような使用をするなど、その利用価値は高い。図22・図23では、“再生方法”を2つ設定できるものを示したが、さらにその数を増加させてもよい。
【0064】
なお、本実施例では、リピート範囲の追加処理を、“遡及再生処理(図15)”又は“延長再生処理(図16)”において可能なようにしているが、リピート範囲の再生処理中(図14におけるステップ701〜ステップ302の間)に“リピート範囲の追加処理”を受付けるようにしてもよい。このような処理とすると、あるリピート範囲内に重複してリピート範囲を設定することができる。例えば、ゴルフのスイングの映像において、スイング全体の映像をリピート範囲に設定した後に、インパクト部分のみをリピート範囲として追加して設定させることができ、特殊再生の設定と併用することにより、スイング全体の通常再生→インパクト部分のスロー再生→スイング全体の通常再生→・・・というような使用をすることができ、ユーザの利便性に優れる。
【0065】
実施例中においては“情報記録媒体”の具体例として、DVDを用いて説明したが、その他のディスク媒体(例えば、HDD、VCD、DVA、CD等)であってもよく、半導体メモリなどであっても構わない。また、本発明における“再生装置”とは、いわゆるDVDプレーヤといった装置に限られるというものではなく、“映像コンテンツが記録された情報記録媒体”に対するデータの再生動作を行える装置を指し、他の機能をも併せ持つ装置(例えば、記録動作も行えるDVDレコーダや、HDD内蔵型のテレビや、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パソコンなど)であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】DVD再生装置の本発明に係る部分のみの概略を示すブロック図
【図2】DVD再生装置の本発明に関する処理動作の概略を示すフローチャート
【図3】リピート再生処理時の動作の概略を示すフローチャート
【図4】リモコン装置の概略を示す平面図
【図5】DVD再生装置内蔵LCDの本発明に係る部分のみの概略を示すブロック図
【図6】DVD再生装置内蔵LCDの外観の概略を示す斜視図
【図7】実施例2のリピート再生処理時の動作の概略を示すフローチャート
【図8】リピート再生処理時における遡及再生処理の動作の概略を示すフローチャート
【図9】リピート再生処理時における延長再生処理の動作の概略を示すフローチャート
【図10】実施例2のリモコン装置の概略を示す平面図
【図11】遡及再生処理の動作の概略を説明するための説明図
【図12】延長再生処理の動作の概略を説明するための説明図
【図13】実施例3のリピート再生機能の実行・終了に関する処理動作の概略を示すフローチャート
【図14】実施例3のリピート再生処理時の動作の概略を示すフローチャート
【図15】実施例3のリピート再生処理時における遡及再生処理の動作の概略を示すフローチャート
【図16】実施例3のリピート再生処理時における延長再生処理の動作の概略を示すフローチャート
【図17】実施例3の遡及再生処理の動作の概略を説明するための説明図
【図18】実施例3の延長再生処理の動作の概略を説明するための説明図
【図19】リピート設定テーブルの構成の概略を示す図
【図20】表示画面(リピート再生設定画面)の一例を示す図
【図21】実施例3のリモコン装置の概略を示す平面図
【図22】別のリピート設定テーブルの構成の概略を示す図
【図23】別のリピート再生処理時の動作の概略を示すフローチャート
【図24】別のリピート再生処理時の動作の概略を示すフローチャート
【図25】リピート再生処理のリピート範囲変更動作の概略を説明するための説明図
【符号の説明】
【0067】
1 DVD再生装置(再生装置)
2 リモコン装置(入力部)
3 DVD(情報記録媒体)
7 DVD内蔵LCD(再生装置)
11 ディスクドライブ
12 再生処理部
14a 操作部(入力部)
15 制御部
16 記憶部
21 リピート開始地点設定キー
22 リピート終了地点設定キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理を行い、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲が格納された記憶部と、再生処理部と、制御部と、を備えることにより、リピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能を備えた再生装置であって、入力部を備えることにより、リピート再生機能実行時に、前記入力部から、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求があった場合には、当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として前記記憶部に記憶させ、当該変更後のリピート開始地点若しくはリピート終了地点を使用してリピート再生機能を実行させることを特徴とするリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項2】
前記入力部に、リピート開始地点設定キーとリピート終了地点設定キーとが備えられることにより、リピート再生機能実行時に、前記リピート開始地点設定キーの入力による前記リピート開始地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート開始地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させる、又は、前記リピート終了地点設定キーの入力による前記リピート終了地点設定要求があった場合には当該入力地点を新しいリピート終了地点としたリピート範囲を前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項3】
リピート再生機能実行時に、リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの冒頭部分から、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の冒頭部分から、再生処理を実行させ、その後に、再生位置が前記リピート範囲に該当したと判断された際には前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項4】
予め定めた遡及時間を前記記憶部に格納しておく若しくはユーザによって設定された遡及時間を前記記憶部に格納しておくことにより、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点遡及再設定要求があった場合には、前記リピート開始地点から若しくは当該リピート開始地点遡及再設定要求があった時点から前記遡及時間だけ遡った地点からの再生処理を実行させ、その後に再生位置が前記リピート範囲に該当したと判断された際には前記リピート再生機能を実行させる、又は、前記リピート開始地点から若しくは当該リピート開始地点遡及再設定要求があった時点から前記遡及時間だけ遡った地点を新しいリピート開始地点として前記記憶部に記憶させた上で前記リピート再生機能を実行させる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項5】
リピート再生機能実行時に、リピート終了地点延長再設定要求があった場合には、前記リピート終了地点に至った場合であっても、前記情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの終了部分まで、又は、前記リピート再生機能実行時に再生されている前記コンテンツ一単位分の終了部分まで、再生処理を続行し、前記新しいリピート終了地点の設定があったと判断された場合若しくは前記終了部分までの再生処理が終了した場合には、前記リピート開始地点へと戻って前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項6】
予め定めた延長時間を前記記憶部に格納しておく若しくはユーザによって設定された延長時間を前記記憶部に格納しておくことにより、リピート再生機能実行時に、リピート終了地点延長再設定要求があった場合には、前記リピート終了地点から若しくは当該リピート終了地点延長再設定要求があった時点から前記延長時間だけ延長した地点を新しいリピート終了地点として前記記憶部に記憶させた上で前記リピート再生機能を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項7】
前記リピート再生機能の実行中に、前記入力部に対するユーザからの特殊再生要求があった場合には、当該特殊再生要求に従った再生処理を行いつつ、前記リピート範囲の繰り返し再生処理を継続することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のリピート再生機能を備えた再生装置。
【請求項8】
情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理を行い、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲が格納された記憶部と、再生処理部と、制御部と、を備えることにより、リピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能を備えた再生装置に、前記リピート再生機能実行処理中にリピート開始地点の設定要求を受け付けるステップと、当該設定要求があった場合に当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点として前記記憶部に記憶させるステップと、前記リピート再生機能実行処理中にリピート終了地点の設定要求を受け付けるステップと、当該設定要求があった場合に当該設定要求があった時点を新しいリピート終了地点として前記記憶部に記憶させるステップと、を実行させることを特徴とするリピート再生機能実行プログラム。
【請求項9】
情報記録媒体に記録された1つ若しくは複数のコンテンツの再生処理において、リピート開始地点とリピート終了地点とを有するリピート範囲を定めることによりリピート範囲を繰り返して再生させるリピート再生機能の、リピート範囲の再設定方法であって、リピート再生機能実行時に、リピート開始地点若しくはリピート終了地点の設定要求があった場合には、当該設定要求があった時点を新しいリピート開始地点若しくはリピート終了地点として使用してリピート再生機能を実行させることを特徴とするリピート範囲の再設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−115349(P2007−115349A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306281(P2005−306281)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】