説明

リプログラミング因子に対する天然アンチセンス転写物の抑制によるリプログラミング因子関連疾患の治療

本発明は、特にリプログラミング因子の天然アンチセンスポリヌクレオチドを標的にすることによって、リプログラミング因子の発現および/または機能を調節する、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関するものである。本発明はまた、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドの同定、ならびにリプログラミング因子の発現と関連する疾患および障害の治療におけるそれらの使用にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号4のヌクレオチド1〜993、配列番号5のヌクレオチド1〜493、および配列番号6のヌクレオチド1〜418中の連続した5〜30ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する、少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項2】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
リプログラミング因子ポリヌクレオチドの天然アンチセンスの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する、少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項3】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに少なくとも50%の配列同一性を有する、少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項4】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
リプログラミング因子ポリヌクレオチドの天然アンチセンスオリゴヌクレオチドの領域を標的にする、少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるリプログラミング因子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項5】
リプログラミング因子の機能および/または発現が対照と比較してin vivoまたはin vitroで増大する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがリプログラミング因子ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがリプログラミング因子ポリヌクレオチドのコードおよび/または非コード核酸配列を含む核酸配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがリプログラミング因子ポリヌクレオチドのオーバーラップおよび/または非オーバーラップ配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドおよびそれらの組合せから選択される1つまたは複数の修飾を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の修飾が、2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、2'-O-メトキシエチル(MOE)、2'フルオロ、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の修飾が、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、アラビノ-核酸(FANA)、類似体、誘導体およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが配列番号7〜17に記載の少なくとも1つのオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるリプログラミング因子の機能および/または発現を調節する方法であって、
リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドに特異的な少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドの低分子干渉RNA(siRNA)オリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;ならびにin vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるリプログラミング因子の機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記オリゴヌクレオチドが、リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子に相補的な少なくとも約5個の連続する核酸の配列に少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるリプログラミング因子の機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号1〜3および4〜6に記載の少なくとも1つの核酸配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、リプログラミング因子ポリヌクレオチドのセンスおよび/または天然アンチセンス鎖の非コードおよび/またはコード配列に特異的な少なくとも1つの長さ約5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;およびin vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるリプログラミング因子の機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項17】
少なくとも1つの修飾を含む合成修飾オリゴヌクレオチドであって、少なくとも1つの修飾が、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドおよびそれらの組合せから選択され、リプログラミング因子にハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroでリプログラミング因子の機能および/または発現を調節するアンチセンス化合物であるオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
少なくとも1つの修飾が、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組合せからなる群から選択されるヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
ホスホロチオエートヌクレオチド間結合の骨格を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
複数の修飾を含み、前記修飾が、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびそれらの組合せから選択される修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
複数の修飾を含み、前記修飾が、ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびそれらの組合せから選択される修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
複数の修飾を含み、前記修飾が、2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分、およびそれらの組合せから選択される修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
長さが少なくとも約5〜30ヌクレオチドであり、リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンス鎖および/またはセンス鎖にハイブリダイズし、リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約20%の配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
リプログラミング因子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約80%配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroで少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドの発現および/または機能を調節する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
配列番号7〜17に記載の配列を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
アンチセンス配列、相補配列、対立遺伝子、相同体、アイソフォーム、変種、誘導体、変異体、断片またはそれらの組合せを含む1つまたは複数のリプログラミング因子ポリヌクレオチドに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドが配列番号7〜17に記載のヌクレオチド配列のいずれか1つと比較して少なくとも約40%の配列同一性を有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
オリゴヌクレオチドが配列番号7〜17に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
配列番号7〜17に記載のオリゴヌクレオチドが1つまたは複数の修飾または置換を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)分子およびそれらの組合せから選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそれにコードされる産物に関連する疾患を予防または治療する方法であって、
前記少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列に結合し、かつ前記少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドの発現を調節する少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドの治療有効量を患者に投与し;それにより少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそれにコードされる産物に関連する疾患を予防するまたは治療するステップ
を含む方法。
【請求項36】
少なくとも1つのリプログラミング因子ポリヌクレオチドに関連する疾患が、リプログラミング因子の異常な発現および/または機能、癌、腎臓疾患、心血管疾患または障害、炎症、神経疾患または障害、瘢痕、眼の疾患または障害(例えば、小眼球症、眼欠損症、近眼、無眼球症/小眼球症-食道閉鎖症候群など)、中隔視神経異形成症、自己免疫疾患または障害、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、免疫不全疾患、感染性物質(例えば、ウイルス、細菌、真菌、原生動物などを含む)によって生じる疾患、遺伝性疾患(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、代謝疾患または障害(例えば、糖尿病、肥満、代謝症候群、リソソーム病など)、外傷(例えば、脊髄損傷、熱傷など)、虚血、血管疾患、肝臓疾患または障害、乾癬、疾患、細胞、組織、および器官の移植を必要とする疾患または障害、幹細胞療法を必要とする障害または状態、ならびに先天性疾患または障害から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
in vivo投与のために少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定および選択する方法であって、
病態に関連する標的ポリヌクレオチドを選択するステップ;選択された標的ポリヌクレオチドに相補的であるまたは選択された標的ポリヌクレオチドにアンチセンスであるポリヌクレオチドに相補的である少なくとも5個の連続するヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定するステップ;ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でアンチセンスオリゴヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドまたは選択された標的ポリヌクレオチドにアンチセンスであるポリヌクレオチドとのハイブリッドの熱的融点を測定するステップ;ならびに得られた情報に基づいてin vivo投与のための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを選択するステップ
を含む方法。
【請求項38】
体細胞の核リプログラミングによる誘導型多能性幹(iPS)細胞を調製するための方法であって、前記体細胞と少なくとも1つの5から30ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドとを接触させるステップを含み、前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、配列番号4のヌクレオチド1から401、配列番号5のヌクレオチド1から493、および配列番号6のヌクレオチド1から418中の連続した5から30ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する方法。
【請求項39】
少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、配列番号7から17に記載されている少なくとも1つのオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
請求項1に記載の方法によって得られる誘導型多能性幹(iPS)細胞。
【請求項41】
請求項1に記載の方法による誘導型多能性幹(iPS)細胞を得るステップ、前記iPS細胞の分化を誘導して、分化したiPS細胞を得るステップ、および分化したiPS細胞を患者内に移植するステップを含む、幹細胞療法のための方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【公表番号】特表2012−527240(P2012−527240A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511962(P2012−511962)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/035264
【国際公開番号】WO2010/135329
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511085219)クルナ・インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】